JP2019167389A - プライマー塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ガソリン性及びプラスチック部材にガラス部材を接着する際の接着強度に優れた塗膜を形成することができるプライマー塗料組成物を提供すること。【解決手段】アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/またはアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)、ブロックポリイソシアネート化合物(C)、及び顔料(D)を含む塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐ガソリン性及びプラスチック部材にガラス部材を接着する際の接着強度に優れた塗膜を形成することができるプライマー塗料組成物に関する。
一般に、車両の製造仕様において、ウインドシールド等のガラス部材は、車両の外板部に形成された下塗り塗料、ベース塗膜、クリヤー塗膜からなる複層塗膜の上に接着剤によって固定される。ここで特に該外板がプラスチック材の場合、上記下塗り塗料はプライマー塗料と称されることがある。
特許文献1には、(A)(A1)少なくとも1つのメラミン樹脂を含有する下塗り塗料からなる少なくとも1つの下塗り塗膜および(A2)マルチコート塗装系の最も上方の層としての少なくとも1つのクリヤラッカー塗膜を含むマルチコート塗装系、および(B)マルチコート塗装系の最も上方のクリヤラッカー層の直ぐ上の湿分硬化性のイソシアネートベースの接着剤からなる接着剤層を含む多層コーティングであって、(i)下塗り塗料中に含有された全てのアミノプラスト樹脂は、エーテル化されたメチロール基の少なくとも90%がブタノールでエーテル化されているような、完全にメチロール化され完全にエーテル化されたメラミン樹脂であり、および(ii)下塗り塗料が、少なくとも240mg KOH/gのヒドロキシル価および最大10mg KOH/gの酸価を有する少なくとも1つのポリエステル結合剤を、下塗り塗
料の全質量に対して少なくとも1.0質量%含有することを特徴とする、上記多層コーティングが開示されている。
特許文献2には、電着塗装された自動車車体の一部に、下記工程(1)〜(5)を順次行なう複層塗膜形成方法であって、工程(1):電着塗膜上に、中塗り塗料(X)を塗装して中塗り塗膜を形成する工程、工程(2):前記工程(1)で形成された中塗り塗膜上に、水性ベース塗料(Y)を塗装してベース塗膜を形成する工程、工程(3):前記工程(2)で形成されたベース塗膜上に、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有するクリヤー塗料(Z)を塗装してクリヤー塗膜を形成する工程、工程(4):前記工程(1)〜(3)で形成された中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を加熱硬化する工程、工程(5):クリヤー塗膜上に接着剤層を形成する工程、前記中塗り塗料(X)が、(A)水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)メラミン樹脂、(C)ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物、(D)顔料、及び(E)有機溶剤を含有し、前記メラミン樹脂(B)及び前記ピラゾールブロックポリイソシアネート化合物(C)含有量の比(B/C)が固形分比で5/35〜20/15であり、且つ顔料(D)の濃度(PWC)が40〜60%であり、
前記中塗り塗膜の加熱硬化後の硬化塗膜の20℃における破断伸び率が40〜90%であり、ヤング率が600〜1600MPaであり、ツーコン硬度が3〜9である複層塗膜形成方法が開示されている。
特許文献3には、水性非塩素化ポリオレフィン系樹脂(A)、水性ポリウレタン樹脂(B)、水性エポキシ樹脂(C)及び内部架橋アクリル粒子エマルション(D)を含む水性プライマー塗料組成物であって、前記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量100質量%中、固形分換算で、前(A)の含有量が15〜60質量%、前記(B)の含有量が10〜50質量%、前記(C)の含有量が20〜50質量%、前記(D)の含有量が5〜20質量%であり、前記(A)は、その結晶化度が35〜55%で、かつ、重量平均分子量が50000〜200000である水性ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする水性プライマー塗料組成物が開示されている。
特許文献4には、水酸基を有するスチレン−エチレン−ブチレン共重合体、メラミン硬化剤、および顔料を含有するチッピングプライマー塗料組成物であって、該顔料は高導電性カーボンブラックを含み、高導電性カーボンブラックと他の顔料との比率は5:1〜1:30であり、高導電性カーボンブラックの顔料質量濃度(PWC)は0.1〜9.0質量%であり、水酸基を有するスチレン−エチレン−ブチレン共重合体は、水酸基価1〜10であり、数平均分子量が40000〜100000であることを特徴とするチッピングプライマー塗料組成物が開示されている。
特表2012−524673号公報 特開2017−154089号公報 特開2008−56914号公報 特開2009−102452
特許文献1及び2に使用されている下塗り塗料及び中塗り塗料は、金属部材に塗布するのに適した塗料であり、付着性等の問題からプラスチック部材には適用できない。
また、特許文献3に開示されているプライマー塗料は、ウインドシールド等のガラス部材の接着性が不十分である。特許文献4に開示されているプライマー塗料も、耐ガソリン性及びウインドシールド等のガラス部材の接着性が不十分である。
本発明の目的は、耐ガソリン性及びプラスチック部材にガラス部材を接着する際の接着強度に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/またはアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)、ブロックポリイソシアネート化合物(C)、及び顔料(D)を含む塗料組成物。
項2.
前記ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)がポリサルファイド変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂である、項1に記載の塗料組成物。
項3.
前記ブロックポリイソシアネート化合物(C)が活性メチレン系ブロックポリイソシアネート化合物である、項1又は2に記載の塗料組成物。
項4.
被塗物に、項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、ついでその塗面に上塗り塗料を塗装することを含む、塗装方法。
項5.
被塗物に、項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、その未硬化の塗面上にベースコート塗料を塗装し、さらにその未硬化の塗面上にクリヤコート塗料を塗装し硬化させることを含む、塗装方法。
項6.
被塗物がプラスチックである項4又は5に記載の塗装方法。
項7.
項1〜3のいずれか一項に記載した塗料を硬化した塗膜を有する塗装物品。
本発明の塗料組成物によれば耐ガソリン性及びプラスチック部材にガラス部材を接着する際の接着強度(以下、「接着性」と称することがある)に優れた塗膜を形成することができる。
以下、本発明の塗料組成物についてさらに詳細に説明する。
本発明の塗料組成物は、アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/又はアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)、ブロックポリイソシアネート化合物(C)、及び顔料(D)を含むものである。
アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/又はアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)
アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/又はアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)(以下、成分(A)と略記することがある)は、塩素化及び/又は非塩素化ポリオレフィンがアクリル樹脂で変性されたものであって、アクリル部分と塩素化及び/又は非塩素化ポリオレフィン部分とを含んでいる。
アクリル変性塩素化ポリオレフィンを得る方法としては、例えば、ポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその酸無水物をグラフト共重合して酸変性ポリオレフィン(a1)を得た後、該酸変性ポリオレフィン(a1)を塩素化して酸変性塩素化ポリオレフィン(a2)とし、次いで、重合開始剤の存在下で、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む重合性不飽和モノマーをグラフト重合してアクリル変性する方法や、該酸変性塩素化ポリオレフィン(a2)に水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化し、酸変性塩素化ポリオレフィン(a2)に二重結合を導入して二重結合導入塩素化ポリオレフィンを得た後、該二重結合導入塩素化ポリオレフィンに重合性不飽和モノマーをグラフト共重合してアクリル変性する方法等がある。
アクリル変性非塩素化ポリオレフィンを得る方法としては、例えば、ポリオレフィンにα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその酸無水物をグラフト共重合して酸変性ポリオレフィン(a1)を得た後、重合開始剤の存在下で、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む重合性不飽和モノマーをグラフト重合してアクリル変性する方法や、該酸変性ポリオレフィン(a1)に水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化し、酸変性ポリオレフィン(a1)に二重結合を導入して二重結合導入ポリオレフィンを得た後、該二重結合導入ポリオレフィンに重合性不飽和モノマーをグラフト共重合してアクリル変性する方法等がある。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
前記ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン、デセンなどの炭素数が2〜10、特に2〜4のオレフィン類から選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合せしめることにより得られる樹脂が挙げられる。
前記α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸又はこれら不飽和カルボン酸の無水物が挙げられ、なかでも特にマレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の1個の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、なかでも特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルなどのアクリル系モノマー;さらにスチレンなどが挙げられ、なかでも特に、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記グラフト共重合及びエステル化反応は、それ自体既知の方法で行うことができる。
前記重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドのような過酸化物系開始剤やアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系開始剤を好ましく使用することができる。
本発明においてアクリル変性塩素化ポリオレフィンは、得られる塗膜の耐チッピング性、付着性、及び耐ガソリン性の観点から、アクリル部分のガラス転移温度が−50〜0℃、好ましくは−45〜−5℃、さらに好ましくは−35〜−15℃であり、アクリル部分と塩素化ポリオレフィン部分との固形分質量比が7:3〜2:8、好ましくは6.5:3.5〜2.5:7.5、さらに好ましくは6:4〜3:7であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
成分(A)において、アクリル部分のガラス転移温度は前記重合性不飽和モノマーの組成によって調整することができる。
なお、本明細書において、ガラス転移温度Tgは、下記式により算出される値である。
1/Tg(K)=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
Tg(℃)=Tg(K)−273
式中、W1、W2、・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tg(K)である。
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMERHANDBOOKFourthEdition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が50,000程度になるようにして合成し、そのガラス転移温度を示差走査型熱分析により測定したときの値を使用する。
本発明の塗料組成物において、上記成分(A)の含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として10〜70質量%、好ましくは12〜65質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)は、分子主鎖中に、ビスフェノール骨格を含む有機基とポリサルファイド骨格(−R−S−S−)とを有するビスフェノール型エポキシ樹脂である。
上記ビスフェノール骨格を含む有機基としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等を挙げることができる。なかでも特に得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適である。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)は、数平均分子量が350〜4,500、好ましくは900〜3,500の範囲内であって、エポキシ当量が110〜500g/当量、好ましくは130〜400g/当量、さらに好ましくは150〜350g/当量の範囲内であることが得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好ましい。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)としては、25℃における粘度が3000ポイズ以下、好ましくは100〜300ポイズのものが、取り扱いのし易さの点から好ましい。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)の市販品としては、「FLEP−10」「FLEP−50」「FLEP−60」「FLEP−65」「FLEP−80」「FLEP−120X」「「FLEP−125X」「FLEP−410C」「FVD−103X」「FVD−105X」「FVD−423C」(いずれも商品名、東レファインケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の塗料組成物において、上記ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として5〜35質量%、好ましくは7〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の範囲内であることが、得られる塗膜の接着性の観点から好適である。
ブロックポリイソシアネート化合物(C)
本発明において、ブロックポリイソシアネート化合物(C)としては既知のものを制限なく使用することができる。
ブロックポリイソシアネート化合物(C)は、イソシアネート基がブロック剤でブロックされたポリイソシアネート化合物である。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート及び芳香族ポリイソシアネート並びにこれらのポリイソシアネートの誘導体等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート及び2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)などの脂肪族ジイソシアネート、並びに、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン及び2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネート、などを挙げることができる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)又はその混合物、メチレンビス(1,4−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)及びノルボルナンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、並びに、1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン及び6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネート、などを挙げることができる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(1,4−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン及び1,3−若しくは1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)又はその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート並びに1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどを挙げることができる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−若しくは2,6−トリレンジイソシアネート又はその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート及び4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン及び2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどの芳香族トリイソシアネート、並びに、4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネート、などを挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記ポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDIなどを挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、得られる塗膜の耐チッピング性、付着性、及び耐ガソリン性の観点から、脂環族ジイソシアネート及び該脂環族ジイソシアネートの誘導体が好ましく、脂環族ジイソシアネートがより好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物(C)は、例えば上記のポリイソシアネート化合物のイソシアネート基にブロック剤を付加させることによって得ることができる。そしてブロックポリイソシアネート化合物は、常温においては安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約90〜約200℃)に加熱した際には、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。このような要件を満たすブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル系;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル系;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸ジフェニルなどのマロン酸ジアルキルエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどのアセト酢酸エステル、アセチルアセトンなどの、活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどのアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系、等のブロック剤が挙げられる。低温硬化性ならびに得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から、これらのうち、特に、活性メチレン系のブロック剤でブロックされたポリイソシアネートが好適である。
本発明の塗料組成物において、上記ブロックポリイソシアネート化合物(C)の含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分質量を基準として1〜25質量%、好ましくは5〜20質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
顔料(D)
本発明において、顔料(D)としては、既知のものを制限なく使用することができるが、例えば、着色顔料、体質顔料、導電性顔料等を使用することができる。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄土、黄色酸化鉄、ハンザエロー、ピグメントエロー、クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジ、アンバー、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントグリーン、ナフトールグリーン、アルミペーストなどが挙げられ、これらの着色顔料の中でも酸化チタン、カーボンブラックが特に好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
本発明の塗料組成物において、上記酸化チタンの含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分質量を基準として100〜150質量%、好ましくは110〜140質量%であることが、得られる塗膜の耐チッピング性、付着性、及び耐ガソリン性の点から好適である。
体質顔料としては、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華(酸化亜鉛)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
導電性顔料としては、形成される塗膜に導電性を付与することができるものであれば特に制限はなく、粒子状、フレーク状、ファイバー(ウィスカー含む)状のいずれの形状のものでも使用することができる。具体的には、例えば、導電性カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイルなどの導電性カーボン;銀、ニッケル、銅、グラファイト、アルミニウムなどの金属粉が挙げられる。さらに、アンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、インジウム錫オキシド;カーボンやグラファイトのウィスカー表面に酸化錫などを被覆した顔料;フレーク状のマイカ表面に酸化錫やアンチモンドープ酸化錫などの導電性金属酸化物を被覆した顔料;表面に酸化錫及びリンを含む酸化チタン粒子からなる導電性顔料、などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。これらのうち特に導電性カーボンを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物において、上記導電性カーボンの含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分質量を基準として1〜10質量%、好ましくは2〜7質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
その他の成分
本発明の塗料組成物は、前記アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/又はアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)、ブロックポリイソシアネート化合物(C)、及び顔料(D)を必須成分とするものであり、さらに必要に応じてアクリル変性されていない塩素化ポリオレフィン(以下、単に「塩素化ポリオレフィン」と記載する)、アクリル変性されていない非塩素化ポリオレフィン(以下、単に「ポリオレフィン」と記載する)、ポリサルファイド変性されていないエポキシ樹脂(以下、単に「エポキシ樹脂」と記載する)、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂及びポリカーボネート樹脂等の樹脂成分を含有することができる。
上記樹脂成分としては、特に塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂のうち少なくとも一種の樹脂を含有することが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から好適である。さらに得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から、上記ポリエステル樹脂は、水酸基含有ポリエステル樹脂であることが好適であり、上記アクリル樹脂は水酸基含有アクリル樹脂であることが好適である。
塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィンの塩素化物であって、基体となるポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテン、イソプレン等から選ばれる少なくとも1種のオレフィン類のラジカル単独重合体又は共重合体、及び該オレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエンなどとのラジカル共重合体が挙げられる。塩素化ポリオレフィンは、一般に、30,000〜200,000程度、特に50,000〜150,000程度の範囲内の重量平均分子量を有することができる。
また、塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率は10〜40重量%程度の範囲内である。塩素含有率がこの範囲内であれば、溶剤への溶解性が低下しないのでスプレー塗装時の微粒化が十分であり、又塗膜の耐溶剤性が低下することもない。塩素含有率は、好ましくは、12〜35重量%程度の範囲内である。
塩素化ポリオレフィン樹脂としては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体などが好ましい。
本発明の塗料組成物において、上記塩素化ポリオレフィンを使用する場合、その含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として15〜70質量%、好ましくは25〜60質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から好適である。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン、デセンなどの炭素数が2〜10、特に2〜4のオレフィン類から選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合せしめることにより得られるポリオレフィン、また該ポリオレフィンをマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸(好ましくは不飽和モノ−もしくはジ−カルボン酸)又はこれらの不飽和カルボン酸の無水物を用いて、それ自体既知の方法に従ってグラフト重合することにより得られるものが使用でき、特に無水マレイン酸によって変性されたものが好適である。さらに該不飽和カルボン酸又は酸無水物変性されたポリオレフィンをアミン変性したりアルコール変性したりしても良い。アミンやアルコールは、それぞれ公知のものを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のプライマー塗料組成物において、上記ポリオレフィンを使用する場合、その含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として15〜70質量%、好ましくは25〜60質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から好適である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の脂肪族型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER827」、「jER828」、「jER828EL」、「jER828XA」、「jER834」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON840」、「EPICLON840−S」、「EPICLON850」、「EPICLON850−S」、「EPICLON850−CRP」、「EPICLON850−LC」(以上、DIC社製)、「エポトートYD−127」、「エポトートYD−128」(以上、東都化成社製)、「リカレジンBPO−20E」、「リカレジンBEO−60E」(以上、新日本理化社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;「jER806」、「jER807」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON830」、「EPICLON830−S」、「EPICLON835」(以上、DIC社製)、「エポトートYDF−170」(東都化成社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;「jER152」(ジャパンエポキシレジン社製)等のノボラック型エポキシ樹脂;「jERYX8000」、「jERYX8034」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートST−3000」(東都化成社製)、「リカレジンHBE−100」(新日本理化社製)「デナコールEX−252」(以上、ナガセケムテックス社製)、「SR−HBA」(阪元薬品工業社製)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;「YED205」、「YED216M」、「YED216D」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートYH−300」、「エポトートYH−301」、「エポトートYH−315」、「エポトートYH−324」、「エポトートYH−325」(以上、東都化成社製)、「デナコールEX−211」、「デナコールEX−212」、「デナコールEX−212L」、「デナコールEX−214L」、「デナコールEX−216L」、「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」、「デナコールEX−321」、「デナコールEX−321L」、「デナコールEX−411」、「デナコールEX−421」、「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」、「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」、「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」、「デナコールEX−850」、「デナコールEX−850L」、「デナコールEX−851」、「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」「デナコールEX−911」、「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」(以上、ナガセケムテックス社製)、「SR−NPG」、「SR−16H」、「SR−16HL」、「SR−TMP」、「SR−PG」、「SR−TPG」、「SR−4PG」、「SR−2EG」、「SR−8EG」、「SR−8EGS」、「SR−GLG」、「SR−DGE」、「SR−DGE」、「SR−4GL」、「SR−4GLS」、「SR−SEP」(以上、阪元薬品工業社製)等の脂肪族型エポキシ樹脂、等が挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂は、形成される塗膜の接着性の観点から、エポキシ当量が170〜4000g/当量、好ましくは220〜2700g/当量の範囲内であることが好適である。
また、該エポキシ樹脂は、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から、分子量が170〜2,800、好ましくは200〜800の範囲内であることが好適である。また、該エポキシ樹脂は、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から、水酸基を有することが好ましい。
本発明のプライマー塗料組成物において、上記エポキシ樹脂を使用する場合、その含有量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の観点から好適である。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとをそれ自体既知の方法で、水酸基過剰でエステル化反応せしめることによって得ることができる。多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ピロメリット酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、ハイミック酸、コハク酸、ヘット酸、及びこれらの無水物などが挙げられる。多価アルコールは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。水酸基の導入は、例えば、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールを併用することによって行なうことができる。また、ポリエステル樹脂として、大豆油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸などの脂肪酸などで変性された脂肪酸変性ポリエステル樹脂も使用できる。また、ポリエステル樹脂は、必要に応じて、ブチルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエステルなどのエポキシ化合物で変性されていてもよい。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から、水酸基価が10〜150mgKOH/g、特に50〜85mgKOH/gの範囲内、酸価が50mgKOH/g以下、特に1〜30mgKOH/gの範囲内、及び数平均分子量が1,500〜100,000、特に2,000〜30,000の範囲内のものであることが適当である。
本発明の塗料組成物において、水酸基含有ポリエステル樹脂を使用する場合のその使用量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量を基準として5〜15質量%、好ましくは7〜20質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
水酸基含有アクリル樹脂は、通常、水酸基含有重合性不飽和モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー、及び必要に応じてその他の重合性不飽和モノマーを、既知の重合方法、例えば溶液重合法等により重合して得ることができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、水酸基及び重合性不飽和基を有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜10のジオールとのモノエステル化物、並びに、これら水酸基と(メタ)アクリロイル基と重合性不飽和基とを有する化合物のε−カプロラクトン変性体等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メチ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メチ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のモノアルコールとのモノエステル化物等を挙げることができる。
その他の重合性不飽和モノマーは、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー以外の、重合性不飽和基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等を挙げることができる。
水酸基含有アクリル樹脂は、得られる塗膜の耐チッピング性、付着性、及び耐ガソリン性の点から、水酸基価が10〜100mgKOH/g、特に50〜90mgKOH/gの範囲内、酸価が0〜50mgKOH/g、特に2〜30mgKOH/gの範囲内、重量平均分子量が2,000〜100,000、特に3,000〜50,000の範囲内のものであることが適当である。
本発明の塗料組成物において、水酸基含有アクリル樹脂を使用する場合のその使用量は、塗料組成物中の合計樹脂固形分量基準として5〜20質量%、好ましくは7〜15質量%であることが、得られる塗膜の耐ガソリン性及び接着性の点から好適である。
フェノール樹脂及びポリカーボネート樹脂としては、公知のものを使用することができる。
本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて、ブロックポリイソシアネート化合物(C)以外の硬化剤を含有することができる。このような硬化剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、前記ブロックポリイソシアネート化合物(C)の欄で列挙したポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物の代表的な市販品の例としては「バーノックD−750、−800、DN−950、−970もしくは15−455」(以上DIC株式会社製、商品名、BURNOCK\バ−ノツク又はバーノックは登録商標)、「デスモジュールL、N、HL、もしくはN3390」(バイエルアクチエンゲゼルシヤフト社製、商品名、デスモジュールは登録商標)、「スミジュールN3300、N3390EA」(住友化学社製、商品名、SUMIDUR\スミジュ−ルは登録商標)「タケネートD−102、−202、−110もしくは−123N」(三井化学社製、商品名、タケネ−ト\TAKENATEは登録商標)、「コロネートEH、L、HLもしくは203」(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名、コロネ−トは登録商標)又は「デュラネート24A−90CX」(旭化成株式会社製、商品名、デュラネ−ト\DURANATEは登録商標)などが挙げられる。
メラミン樹脂としては、特に、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基でエーテル化されたアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。これらのメラミン樹脂はさらにメチロール基、イミノ基などを有していてもよい。メラミン樹脂は、通常、500〜5,000、特に800〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することが望ましい。
上記メラミン樹脂の市販品としては、例えばブチル化メラミン樹脂(三井化学社製、ユーバン20SE−60、ユーバン225など)、メチル化メラミン樹脂(Allnex社製、サイメル303など)、メチルエーテル化メラミン樹脂(Allnex社製、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370など)、メチル化、ブチル化混合エーテル化メラミン樹脂(Allnex社製サイメル253、サイメル202、サイメル238、サイメル254、サイメル272、サイメル1130など)、メチル化、イソブチル化混合エーテル化メラミン樹脂(三井サイアナミド株式会社製サイメルXV805など)などのメラミン樹脂を用いることができる。
本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じて、有機溶剤、シランカップリング剤、硬化触媒、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、造膜助剤などの塗料用添加剤などを含有することができる。
有機溶剤としては、例えば、前述の樹脂成分を混合して溶解乃至分散できるものであれば特に制限されず、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等の溶剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリアルコキシシラン、ビス(トリアルコキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリアルコキシシランなどを挙げることができる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の耐ガソリン性の観点から、さらに硬化触媒を含有することが好ましい。
硬化触媒としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。
被塗物
本発明の塗料組成物は、特にプラスチック成形品などの被塗物に塗装することができる。該プラスチック成型品としては、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車外板部;家庭電化製品の外板部などに使用されているプラスチック成型品などが挙げられ、その材質としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセンなどの炭素数2〜10のオレフィン類の1種もしくは2種以上を(共)重合せしめてなるポリオレフィンが特に好適であるが、それ以外に、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドなどにも本発明の塗料組成物を適用することができる。これらのプラスチック成型品は、本発明の塗料組成物の塗装に先立ち、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理などを適宜行なっておくことができる。また、本発明の塗料組成物は、これらのプラスチック材料を含む成形加工用フィルムや成形加工用シートなどの成形加工材料に対しても、好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物の塗装は、前記被塗物に、乾燥膜厚で通常1〜20μm、好ましくは3〜15μmの範囲内となるように、エアスプレー、エアレススプレー、浸漬塗装、刷毛などを用いて行なうことが好適である。該組成物の塗装後、得られる塗膜面を、必要に応じて、室温で30秒〜60分間程度セッティングすることができる。
本発明では、本発明の塗料組成物による塗膜面に上塗り塗料を塗装することができる。上塗り塗料としては、着色塗料やクリヤー塗料をそれぞれ単独で用いて塗装してもよいし、該着色塗料をベースコート塗料として用いて、ベースコート塗料及びクリヤー塗料を順次塗装することもできる。上記ベースコート塗料によるベースコート塗膜は1層でも2層以上でもよい。ベースコート塗膜が2層以上である場合、同種のベースコート塗料を2回以上塗装してもよいし、異なるベースコート塗料を塗り重ねてもよい。また、上記本発明の塗料組成物による塗膜上に、着色ベースコート塗膜層として、例えば、白色ベース塗料と干渉パール色ベース塗料とを順次塗装して複層膜を形成してもよい。
上記着色塗料としては、それ自体既知のものを使用することができ、通常、有機溶剤及び/又は水を主たる溶媒とし、着色顔料、光輝顔料、染料などの着色成分と、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分を含有するものを用いることができる。
上記着色塗料に使用される基体樹脂としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シラノール基のような反応性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などの樹脂を挙げることができる。また、架橋剤としては、上記官能基と反応しうる反応性官能基をもつ、メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリカルボン酸などを挙げることができる。
上記着色塗料は、必要に応じて、体質顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックス、防腐剤などの塗料用添加剤を含有することができる。
上記着色塗料は、前記の未硬化の又は硬化された本発明塗料組成物による塗膜上に、乾燥膜厚で、通常5〜50μm、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmの範囲内となるように塗装し、得られる塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間程度セッティングすることができ、あるいは約60〜約140℃、好ましくは約80〜約120℃の温度で20〜40分間程度加熱して硬化させることができる。本発明では、特に、着色ベース塗料を塗装後に硬化させることなく、次いでクリヤー塗装を行なうことが好適である。
上記クリヤー塗料としては、例えば、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分と、有機溶剤や水などを含有し、さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックスなどの塗料用添加剤を配合してなる有機溶剤系或いは水系の熱硬化性塗料であって、形成されるクリヤー塗膜を通して下層塗膜を視認することができる程度の透明性を有するものを用いることができる。
上記基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基などの少なくとも1種の反応性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などの樹脂が挙げられ、特に、水酸基含有アクリル樹脂が好適である。上記架橋剤としては、これらの官能基と反応しうる反応性官能基を有する、メラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物などが挙げられ、特に、ポリイソシアネート化合物が好適である。
上記クリヤー塗料の塗装は、未硬化の又は硬化された着色ベース塗膜上に、乾燥膜厚で、通常10〜65μm、好ましくは20〜60μmの範囲内となるように塗装し、得られる塗膜面を、必要に応じて、室温で1〜60分間程度セッティングしした後、60〜95℃、好ましくは70〜90℃の温度で20〜40分間、より好ましくは25〜35分間程度加熱して硬化させることにより行うことができる。
上記クリヤー塗料によって形成されたクリヤー塗膜の上に、接着剤による接着層を設けても良い。該接着剤は、特に限定されないが、例えば、ウインドシールド等のガラス部材を接着するために通常使用される湿気硬化性イソシアネートを含有する接着剤が好ましい。
ウインドシールドは乗り物用の窓材であり、例えばフロントウインド、リアウインド、サンルーフ等が挙げられる。ガラス部材は無機ガラスでもよいし、樹脂ガラスであってもよい。樹脂ガラスは例えばポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂で作られたものが挙げられる。乗り物としては自動車、列車等の車両全般、航空機、潜水艦等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づく。
アクリル変性塩素化ポリオレフィンおよび/又はアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)の製造
製造例1
「ハードレンM−28P」(商品名、東洋紡社製、マレイン酸変性塩素化ポリオレフィン、塩素化率20%)50部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを6部、2−エチルヘキシルアクリレートを21部、シクロヘキシルメタクリレートを1部、エチルアクリレートを14部及びメチルメタクリレートを8部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が−25℃である、固形分含有率が40%のアクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−1)を得た。
製造例2
「ハードレンM−28P」50部に、4−ヒドロキシブチルアクリレートを4部、2−エチルヘキシルアクリレートを37部、イソブチルメタクリレートを4部、イソボルニルアクリレートを2部及びメチルメタクリレートを3部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が−50℃であり、固形分含有率が40%のアクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−2)を得た。
製造例3
「ハードレンM−28P」50部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを6部、ブチルメタクリレートを4部、ブチルアクリレートを24部及びメチルメタクリレートを16部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が0℃である、固形分含有率が40%のアクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−3)を得た。
製造例4
「ハードレンM−28P」30部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを8.4部、2−エチルヘキシルアクリレートを29.4部、シクロヘキシルメタクリレートを1.4部、エチルアクリレートを19.6部及びメチルメタクリレートを11.2部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が−25℃である、固形分含有率が40%のアクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−4)を得た。
製造例5
「ハードレンM−28P」80部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを2.4部、2−エチルヘキシルアクリレートを8.4部、シクロヘキシルメタクリレートを0.4部、エチルアクリレートを5.6部及びメチルメタクリレートを3.2部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が−25℃である、固形分含有率が40%のアクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−5)を得た。
製造例6
「アウローレン500S」(商品名、日本製紙社製、酸変性ポリオレフィン、融点70〜80℃)50部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを6部、2−エチルヘキシルアクリレートを21部、シクロヘキシルメタクリレートを1部、エチルアクリレートを14部及びメチルメタクリレートを8部を、ベンゾイルパーオキサイドの存在下、トルエン中でグラフト重合させて、アクリル部分のガラス転移温度が−25℃である、固形分含有率が40%のアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A−6)を得た。
塗料組成物の作製
実施例1
アクリル変性塩素化ポリオレフィン(A−1)60部(固形分)、「FLEP−50」(ポリサルファイド変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量320、粘度260ポイズ、東レファインケミカル社製)20部(固形分)、「デュラネートMFK−60X」(商品名、旭化成社製、活性メチレンブロックポリイソシアネート化合物)20部(固形分)、「ケッチェンブラックEC300J」(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、導電性カーボンブラック顔料)5部(固形分)、及び「タイピュアR−902+」(商品名、Chemours社製、酸化チタン)130部(固形分)の混合物をキシレン/トルエン=1/1の混合溶剤に混合し、20℃においてフォードカップ#4を用いて測定した粘度が13秒となる塗料組成物(X−1)を得た。
実施例2〜15及び比較例1〜5
実施例1において、配合組成を表1に示すとおりとする以外は実施例1と同様に操作して、各塗料組成物(X−2)〜(X−20)を得た。
尚、表1の配合は固形分表示であり、表1中の各成分は下記のとおりである。
「FLEP−60」商品名、東レファインケミカル社製、ポリサルファイド変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ等量:280、粘度:155ポイズ、
「デスモジュールPL350」商品名、住化コベストロウレタン社製、ピラゾール型ブロックポリイソシアネート化合物、
「スーパークロン851L」商品名、日本製紙社製、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン、塩素化率19%、固形分20%、
「アウローレン500S」、商品名、日本製紙社製、酸変性ポリオレフィン、融点70〜80℃、
「アウローレン550S、商品名、日本製紙社製、酸変性ポリオレフィン、融点80〜90℃、
「デナコールEX−252」商品名、ナガセケムテックス社製、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
「サイメル327」(商品名、Allnex社製、イミノ基含有メラミン樹脂、イミノ基含有量:トリアジン1核あたり1.8個、分子量:650、
「サイメル350」商品名、Allnex社製、イミノ基非含有メラミン樹脂、イミノ基含有量:トリアジン1核あたり0個、分子量:550、
試験塗板の作製
プラスチック材料として「X430」(商品名、日本ポリケム社製、350mm×10mm×2mm)を用意した。そして、プラスチック材料の表面を、イソプロピルアルコールを含ませたガーゼで拭いて脱脂処理した。
上記試験板に、上記で作製した塗料組成物(X−1)〜(X−20)を乾燥膜厚10μmになるようにスプレー塗装し、室温で3分間セッティングしてから、着色ベース塗料として、「ソフレックス420」(商品名、関西ペイント社製、溶剤系上塗ベースコート塗料、シルバー塗色)を乾燥膜厚15μmになるように静電塗装した。次に、クリヤー塗料として「ソフレックス#500クリヤー」(関西ペイント(株)製、商品名、アクリルウレタン系有機溶剤型クリヤー塗料)を乾燥膜厚30μmになるように静電塗装し、室温で7分間放置してから、80℃のオーブンで30分間加熱して複層塗膜が形成された試験塗板を得た。その複層塗膜にて、以下に記す各種塗膜性能試験を行い、結果を表1に示した。
塗膜性能試験
耐ガソリン性: 試験板を日石シルバーガソリンに20℃で1時間浸漬した後の塗膜外観を次の基準で評価した。
A:全く異常がない、
B:直径1mm未満のふくれ、又は剥がれが生じている、
C:直径1mm〜2mm未満のふくれ、又は剥がれが生じている
D:直径2mm以上のふくれ、剥がれが生じている。
接着性:
各試験板に「ハマタイトWS−272」(商品名、横浜ゴム社製、ウィンドウ接着剤)を厚さ5〜7mm及び幅20mm塗布し、室温下で10日間放置した後、以下の剥離試験を行った。硬化した接着剤層を塗膜に対して180度の方向に向けて手で引っ張りながら2〜3mm間隔で、塗膜に対して約45度の角度で塗膜表面に達するところまでカッターナイフでカットを入れる。接着剤層を剥がした後の剥離状態を下記基準により評価した。接着性はC及びD評価の場合、規格未達成とする。
A:接着剤層の剥れが認められない、もしくは接着剤層が凝集破壊を起こして剥れるが、塗膜の露出面が切削部から幅0.5mm未満である。
B:接着剤層が凝集破壊を起こして剥れ、塗膜の露出面が切削部から幅0.5mm以上1.5mm未満である。
C:接着剤層が凝集破壊を起こして剥れ、塗膜の露出面が切削部から幅1.5mm以上である。
耐水試験後接着性:
各試験板に「ハマタイトWS−272」を厚さ5〜7mm及び幅20mm塗布し、室温下で10日間放置した後、これらの試験板を、50℃に設定した恒温水槽中に240時間浸漬させ、その後、試験板の水分を十分に拭き取り、室温にて1時間冷却した後、以下の剥離試験を行った。硬化した接着剤層を塗膜に対して180度の方向に向けて手で引っ張りながら2〜3mm間隔で、塗膜に対して約45度の角度で塗膜表面に達するところまでカッターナイフでカットを入れる。接着剤層を剥がした後の剥離状態を下記基準により評価した。耐水試験後接着性はC及びD評価の場合、規格未達成とする。
A:接着剤層の剥れが認められない、もしくは接着剤層が凝集破壊を起こして剥れるが、塗膜の露出面が切削部から幅0.5mm未満である。
B:接着剤層が凝集破壊を起こして剥れ、塗膜の露出面が切削部から幅0.5mm以上1.0mm未満である。
C:接着剤層が凝集破壊を起こして剥れ、塗膜の露出面が切削部から幅1.0mm以上幅3.0mm未満である。
D:塗膜と接着剤層との界面で剥れ、及び接着剤層が凝集破壊を起こす剥れが認められ、塗膜の露出面が切削部から幅3.0mm以上である。
Figure 2019167389
Figure 2019167389

Claims (7)

  1. アクリル変性塩素化ポリオレフィン及び/またはアクリル変性非塩素化ポリオレフィン(A)、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)、ブロックポリイソシアネート化合物(C)、及び顔料(D)を含む塗料組成物。
  2. 前記ポリサルファイド変性エポキシ樹脂(B)がポリサルファイド変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記ブロックポリイソシアネート化合物(C)が活性メチレン系ブロックポリイソシアネート化合物である、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 被塗物に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、ついでその塗面に上塗り塗料を塗装することを含む、塗装方法。
  5. 被塗物に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装し、その未硬化の塗面上にベースコート塗料を塗装し、さらにその未硬化の塗面上にクリヤコート塗料を塗装し硬化させることを含む、塗装方法。
  6. 被塗物がプラスチックである請求項4又は5に記載の塗装方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載した塗料を硬化した塗膜を有する塗装物品。
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