JP2006088025A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車用バンパーなどのプラスチック成形品に、高明度或いは高彩度の塗色を有する複層塗膜を形成できる複層塗膜形成方法を提供する。
【解決手段】プラスチック成形品表面に、CIE1976表色系によるL値が60以下となる塗膜を形成する導電性プライマー塗料(A)を塗装し、該塗面が未硬化の状態で、その上にCIE1976表色系によるL値が70以上となる塗膜を形成する白色系非導電性塗料(B)を塗装し、さらにその上にカラーベース塗料(C)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装する。
【選択図】なし
【解決手段】プラスチック成形品表面に、CIE1976表色系によるL値が60以下となる塗膜を形成する導電性プライマー塗料(A)を塗装し、該塗面が未硬化の状態で、その上にCIE1976表色系によるL値が70以上となる塗膜を形成する白色系非導電性塗料(B)を塗装し、さらにその上にカラーベース塗料(C)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装する。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車用バンパーなどのプラスチック成形品に、高明度或いは高彩度の塗色を有する複層塗膜を形成できる複層塗膜形成方法に関する。
自動車用バンパーなどに使用されているプラスチック素材は、通常、約1010Ω/cm2以上の体積固有抵抗値を有するものであり、このようなプラスチック成形品に塗着効率に優れる静電塗装法を用いて塗料を直接塗装することは困難であるため、従来、このような素材面にはまず導電性プライマー塗料を塗装した後、着色を目的とした上塗り塗料が静電塗装されている(例えば、特許文献1参照)。
また上記のようなプラスチック素材は、通常、黒色などの濃い色が付いており、淡彩色や隠蔽性の低い上塗り塗料を塗装する場合には、上記導電性プライマー塗料に高い隠蔽性や高明度色が求められる。そこで明度の比較的高い導電フィラー(アンチモンドープタイプや非アンチモンタイプ)を用いた導電性塗料が種々提案されているが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、アンチモンドープタイプの導電フィラーでは毒性の問題があり、また非アンチモンタイプでは非常に高価であるという問題があった。
そこで特許文献4では、安価な導電性カーボンブラック顔料と特定のアルミニウム粉末を導電フィラーとした導電プライマーを用いることによって、薄灰色のプライマー塗膜とすることができ、淡彩色系の上塗り塗料の静電塗装を可能とした。
しかしながら、特にCIE1976表色系によるL値が80以上もあるような高白色パール調複層塗膜の形成にあたっては、上記手法では不十分であり、導電プライマー塗料にさらなる白色度が要求されており、高価な白色系の導電フィラーを用いる必要があった。
本発明の目的は、自動車用バンパーなどのプラスチック成形品に、高価な白色系の導電フィラーを用いた導電性プライマーを塗装しなくとも高明度或いは高彩度の塗色を有する複層塗膜を形成できる複層塗膜形成方法を提供することにある。
本発明は、プラスチック成形品表面に、CIE1976表色系によるL値が60以下となる塗膜を形成する導電性プライマー塗料(A)を塗装し、該塗面が未硬化の状態で、その上にCIE1976表色系によるL値が70以上となる塗膜を形成する白色系非導電性塗料(B)を塗装し、さらにその上にカラーベース塗料(C)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を静電塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法、及び該複層塗膜形成方法によって得られる塗装物品、に関する。
本発明方法によれば、自動車用バンパーなどのプラスチック成形品に、高価な白色系の導電フィラーを含む導電プライマーを用いなくとも、高明度或いは高彩度の塗色を有する複層塗膜を形成でき、経済的効果に非常に優れる。特に導電性プライマー塗料(A)及び白色系非導電性塗料(B)による塗膜を、その後の静電塗装が可能な出来るだけ薄い膜厚で塗装することで、その上にカラーベース塗料(C)やクリヤー塗料(D)等が静電塗装でき、淡彩色や隠蔽性の低い塗色であっても良好に発色させることが可能である。
本発明方法において使用されるプラスチック成形品は、プラスチックを所望の形状に成形してなるものであり、例えばバンパー、サイドモール、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車用外装部品、内装部品、自動二輪車部品、さらに家庭電化製品の外板、事務機器などが例示できる。使用されるプラスチック材料としては、特に制限はなく使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ウレタン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体、ナイロン樹脂などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせてポリマーブレンド、ポリマーアロイ等として用いることができる。これらのプラスチック成形品は、塗装に先立って脱脂処理や水洗処理などを適宜行なっておくことができる。
本発明方法に使用される導電性プライマー塗料(A)は、CIE1976表色系によるL値が60以下、好ましくは30〜55となる塗膜を形成する塗料であり、通常、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分、導電フィラー、及び有機溶剤や水など溶媒を主に含有するものである。ここでCIE1976表色系によるL値は、導電性プライマー塗料(A)を隠蔽膜厚(通常、乾燥膜厚で15〜20μm)になるようにしてプラスチック板上に塗装し、焼付硬化させた時の塗膜のCIE1976表色系によるL値を色差計で測定したものである。L値が大きい程、白色度が高いことを示す。
上記樹脂成分としてはそれ自体既知のものが使用でき、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、これらの変性樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤とからなるものが好適に例示できる。特にプラスチック成形品がオレフィン系樹脂による場合には、樹脂成分中に塩素化ポリオレフィン樹脂を含有させることが望ましい。
上記導電性フィラーとしては、形成される塗膜に導電性を付与できるものであれば特に制限なく、粒子形状、フレーク形状、ファイバー(ウィスカー含む)形状のいずれであっても良く、例えば、導電性カーボンブラック、銀、ニッケル、銅、グラファイト、アルミニウム等の炭素粉や金属粉が例示でき、さらにアンチモンがドープされた酸化錫、リンがドープされた酸化錫、酸化錫/アンチモンで表面被覆された針状酸化チタン、酸化アンチモン、アンチモン酸亜鉛、インジウム錫オキシド、カーボンやグラファイトのウィスカー表面に酸化錫等を被覆した顔料;フレーク状のマイカ表面に酸化錫やアンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、リンドープ酸化錫、酸化ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性金属酸化物を被覆した顔料、二酸化チタン粒子表面に酸化錫及びリンを含む導電性を有する顔料などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。これらのうち特に導電性カーボンブラックを用いることが経済的観点から好適である。該導電性カーボンブラック顔料としては、例えば、「バルカンXC−72」(キャボット社製、商品名)、「コンダクテック」(コロンビアカーボン社製、商品名)、「ケッチェンブラックEC」(ライオンアクゾ社製、商品名)などが挙げられる。
上記導電性フィラーの使用量は、塗料(A)により形成される乾燥塗膜の表面電気抵抗値が108Ω/cm2以下となるように選択されることが望ましく、通常、塗料(A)中の樹脂固形分100重量部に対して20〜110重量部の範囲内が適当であり、特に導電性カーボンブラック顔料を使用する場合には、該導電性カーボンブラック顔料を塗料(A)中の樹脂固形分100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは15〜25重量部含有することが望ましい。
上記導電性プライマー塗料(A)には、必要に応じて白色顔料を配合することができ、該白色顔料として、例えば、酸化チタン顔料(アナターゼ型、ルチル型)、表面をアルミナやシリカなどで被覆された酸化チタン顔料、亜鉛華、白色被覆した金属粉末などがあげられる。
上記導電性プライマー塗料(A)は、さらに必要に応じて、白色顔料以外の着色顔料、体質顔料、硬化触媒、レオロジーコントロール剤、消泡剤などの塗料用添加剤等を適宜含有することができる。
上記導電性プライマー塗料(A)の塗装は、プラスチック成形品に対し、乾燥膜厚で5〜15μm、好ましくは5〜8μmの範囲内となるように、エアスプレー(二流体ノズル)、エアレススプレー、浸漬塗装、刷毛などを用いて行なうことができる。塗料(A)の塗装後、得られた塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングしたり、40〜80℃程度で1〜60分間予備加熱しても良い。
本発明方法では、該塗料(A)による塗膜面が未硬化の状態で、白色系非導電性塗料(B)を塗装する。
上記白色系非導電性塗料(B)は、CIE1976表色系によるL値が70以上、好ましくは80以上となる塗膜を形成する塗料であり、プライマー或いはベース塗料として複層塗膜の明度を高めるために塗装されるものであって、通常、有機溶剤及び/又は水を主たる溶媒とし、白色顔料、基体樹脂や架橋剤などの樹脂成分を主に含有するものである。ここでCIE1976表色系によるL値は、白色系非導電性塗料(B)を隠蔽膜厚(通常、乾燥膜厚で12〜15μm)になるようにしてプラスチック板上に塗装し、焼付硬化させた時の塗膜のCIE1976表色系によるL値を色差計で測定したものである。
上記白色顔料として、例えば、酸化チタン顔料(アナターゼ型、ルチル型)、表面をアルミナやシリカなどで被覆された酸化チタン顔料、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛、白色被覆した金属粉末などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。これらのうち、特に酸化チタンが耐薬品性や意匠性の点から好適であり、その平均粒子径は約0.05〜2.0μm、好ましくは0.1〜1.0μm程度であることが適当である。
上記白色顔料の含有量は、CIE1976表色系によるL値が70以上となるように選択されることが望ましく、通常、塗料(A)中の樹脂固形分100重量部に対して80〜150重量部、好ましくは100〜120重量部の範囲内が適当である。
上記樹脂成分としてはそれ自体既知のものが使用でき、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、これらの変性樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤とからなるものが好適に例示できる。特にプラスチック成形品がオレフィン系樹脂で、本塗料(B)がプライマーとしての役割が大きい場合には、樹脂成分中に塩素化ポリオレフィン樹脂を含有させることが望ましい。
上記白色系非導電性塗料(B)は、さらに必要に応じて、白色顔料以外の着色顔料、体質顔料、硬化触媒、レオロジーコントロール剤、消泡剤などの塗料用添加剤等を適宜含有することができる。
上記白色系非導電性塗料(B)の塗装は、塗料(A)による塗膜面に対し、乾燥膜厚で5〜15μm、好ましくは8〜12μmの範囲内となるように、エアスプレー(二流体ノズル)、エアレススプレー、静電塗装、浸漬塗装、刷毛などを用いて行なうことができる。塗料(B)の塗装後、得られた塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングしたり、約40〜80℃程度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜140℃、好ましくは約80〜120℃程度の温度で20〜40分間加熱して塗料(A)及び(B)による両塗膜を同時に硬化させても良い。
次いで本発明方法では、上記で得られた未硬化又は硬化した塗料(B)による塗膜面上に、カラーベース塗料(C)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を静電塗装する。
上記カラーベース塗料(C)は、通常、有機溶剤及び/又は水を主たる溶媒とし、着色顔料、光輝顔料、染料などの着色成分、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分を主に含有するものである。
カラーベース塗料(C)に使用される基体樹脂としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シラノール基のような架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。また架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリカルボン酸等を挙げることができる。
カラーベース塗料(C)に使用される着色成分としては、塗料で通常使用されている着色顔料、光輝顔料、染料などから適宜選択することができ、着色顔料としては、例えばチタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラなどの赤色顔料;ベンツイミダゾリン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛などの黄色顔料;カーボンブラックなど黒色顔料などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。また光輝顔料としては、例えばアルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミナフレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク、グラファイト顔料、チタンフレーク、ステンレスフレーク、塩化オキシビスマス、板状酸化鉄顔料、金属めっきガラスフレーク、金属酸化物被覆ガラスフレーク、ホログラム顔料、雲母、酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物で被覆された雲母、酸化チタンで被覆されたグラファイトなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。さらに染料としては、例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジゴイド染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、フタロシアニン染料などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。
上記着色成分の配合量は、塗料(C)中の樹脂固形分100重量部に対して1〜150重量部、好ましくは3〜100重量部の範囲内が適当である。
カラーベース塗料(C)には、さらに必要に応じて、体質顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、塗面調製剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックスなどの塗料用添加剤等を適宜含有することができる。
上記カラーベース塗料(C)は、乾燥膜厚で8〜20μm、好ましくは10〜15μmの範囲内となるように静電塗装し、得られた塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングしたり、約40〜80℃程度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜140℃、好ましくは約80〜120℃程度の温度で20〜40分間加熱して硬化させることができる。
本発明方法に使用されるクリヤー塗料(D)は、基体樹脂、架橋剤などの樹脂成分、及び有機溶剤や水などを主に含有し、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤などを配合してなる有機溶剤系或いは水系の熱硬化性塗料であり、このクリヤー塗膜を透して下層塗膜を視認できる程度の透明性を有するものである。
上記基体樹脂としては、例えば水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基などの少なくとも1種の架橋性官能基を含有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などが挙げられ、特に水酸基含有アクリル樹脂が好適である。架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、カルボキシル基含有化合物、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物などが挙げられ、特にブロックイソシアネート化合物が好適である。基体樹脂と架橋剤との使用割合は、固形分重量で、前者が50〜90重量%、好ましくは65〜80重量%、後者が50〜10重量%、好ましくは45〜20重量%の範囲内が適当である。
クリヤー塗料(D)には、さらに必要に応じて、着色顔料、光輝性顔料、染料などの着色成分;硬化触媒、塗面調製剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤、ワックスなどの塗料用添加剤を配合してもよい。
上記クリヤー塗料(D)の塗装は、乾燥膜厚で15〜40μm、好ましくは25〜35μmの範囲内となるように静電塗装し、得られた塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングしたり、約40〜80℃程度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜140℃、好ましくは約80〜120℃程度の温度で20〜40分間加熱して硬化させることができる。
また本発明方法では、特に上記カラーベース塗料(C)が白色系である場合には、該カラーベース塗料(C)による塗膜上に、干渉色ベース塗料(E)を塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装することができる。もちろん、上記白色系非導電性塗料(B)による塗膜上に、カラーベース塗料(C)として干渉色ベース塗料を塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装することも可能である。
上記干渉色ベース塗料(E)は、通常、有機溶剤及び/又は水を主たる溶媒とし、干渉性光輝顔料、基体樹脂や架橋剤などの樹脂成分を主に含有するものである。
干渉性顔料としては、例えば雲母、酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物で被覆された雲母、酸化チタンで被覆されたグラファイトなどが挙げられ、これらは単独で又は2種以上併用して用いることができる。干渉性顔料の配合量は、塗料(E)中の樹脂固形分100重量部に対して5〜20重量部、好ましくは8〜12重量部の範囲内が適当である。
上記干渉色ベース塗料(E)に使用される基体樹脂としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、シラノール基のような架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。また架橋剤としては、これらの官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート、ポリエポキシド、ポリカルボン酸等を挙げることができる。
干渉色ベース塗料(E)には、さらに必要に応じて、硬化触媒、紫外線吸収剤、塗面調製剤、レオロジーコントロール剤、酸化防止剤、消泡剤などの塗料用添加剤等を適宜含有することができる。
上記干渉色ベース塗料(E)は、乾燥膜厚で5〜20μm、好ましくは10〜15μmの範囲内となるように静電塗装し、得られた塗膜面を、必要に応じて室温で1〜60分間セッティングしたり、約40〜80℃程度で1〜60分間予備加熱することができ、あるいは約60〜140℃、好ましくは約80〜120℃程度の温度で20〜40分間加熱して硬化させることができる。
上記の通り塗料(A)及び(B)による塗膜上に、カラーベース塗料(C)として干渉色ベース塗料を塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装してなる複層塗膜は、CIE1976表色系によるL値が80以上、好ましくは85以上の高白色度パール調塗膜とすることが可能であり、特に上記の通り塗料(A)及び(B)による塗膜上に、白色系のカラーベース塗料(C)、干渉色ベース塗料(E)及びクリヤー塗料(D)による塗膜を順次形成してなる複層塗膜は、CIE1976表色系によるL値が85以上、好ましくは90以上の高白色度パール調塗膜とすることが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、別記しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
導電性プライマー塗料の作成
60%ポリエステル樹脂溶液(注1)を固形分量で30部、40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液(注2)を固形分量で60部、60%アミノアルデヒド樹脂溶液(注3)を固形分量で10部、バリタ(体質顔料)45部、導電性カーボンブラック顔料(注4)25部及びアルミニウム粉末(注5)25部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合分散し、粘度17秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整して導電性プライマー塗料(A−1)を作成した。
60%ポリエステル樹脂溶液(注1)を固形分量で30部、40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液(注2)を固形分量で60部、60%アミノアルデヒド樹脂溶液(注3)を固形分量で10部、バリタ(体質顔料)45部、導電性カーボンブラック顔料(注4)25部及びアルミニウム粉末(注5)25部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合分散し、粘度17秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整して導電性プライマー塗料(A−1)を作成した。
この導電性プライマー塗料(A−1)を、自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み)に乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、90℃で30分間焼付け後の塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値50であった。
(注1)60%ポリエステル樹脂溶液:無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、ネオペンチルグリコ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ルおよびトリメチロ−ルプロパンを通常の方法によってエステル化反応を行ったポリエステル樹脂のキシレン溶液。水酸基価は103mgKOH/g、酸価は5mgKOH/g、固形分含有率は60%である。
(注2)40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液:「ス−パ−クロン576」、日本製紙株式会社製、商品名。アクリルモノマー成分と共重合させる前の塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は29重量%、水酸基価は56mgKOH/g、固形分含有率は40%である。
(注3)60%メラミン樹脂溶液:「ユ−バン20SE」、三井東圧株式会社製、商品名
(注4)導電性カーボンブラック顔料:「VULCAN・P」、CABOT社製、商品名
(注5)アルミニウム粉末:「アルミペースト」、東洋アルミウム社製、商品名
(注4)導電性カーボンブラック顔料:「VULCAN・P」、CABOT社製、商品名
(注5)アルミニウム粉末:「アルミペースト」、東洋アルミウム社製、商品名
白色系塗料の作成
作成例1
60%ポリエステル樹脂溶液(注1)を固形分量で30部、40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液(注2)を固形分量で60部、60%アミノアルデヒド樹脂溶液(注3)を固形分量で10部、チタン白(注6)100部及びアルミニウム粉末(注5)2部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散し、粘度12秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整して白色系塗料(B−1)を作成した。
作成例1
60%ポリエステル樹脂溶液(注1)を固形分量で30部、40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂溶液(注2)を固形分量で60部、60%アミノアルデヒド樹脂溶液(注3)を固形分量で10部、チタン白(注6)100部及びアルミニウム粉末(注5)2部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散し、粘度12秒(フォ−ドカップ#4/20℃)に調整して白色系塗料(B−1)を作成した。
この白色系塗料(B−1)を、自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み)に乾燥膜厚で8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、90℃で30分間焼付け後の塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値80であった。
(注6)チタン白:「TITANIX JR−903」、テイカ株式会社製、商品名
作成例2
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及びチタン白(注6)120部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して白色系塗料(B−2)を作成した。
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及びチタン白(注6)120部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して白色系塗料(B−2)を作成した。
この白色系塗料(B−2)を、自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み)に乾燥膜厚で8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、90℃で30分間焼付け後の塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値80であった。
(注7)ポリエステル樹脂溶液:アジピン酸240部、ヘキサヒドロフタル酸125部、1,6−ヘキサンジール240部、トリメチロールプロパン70部を常法によりエステル化反応させたポリエステル樹脂のキシレン溶液。水酸基価は70mgKOH/g、酸価は5mgKOH/g、固形分含有率は60%である。
(注8)ブロックポリイソシアネート溶液:窒素雰囲気下で、フラスコ内に1,6ヘキサメチレンジイソシアネート100部及びブタンジオール1.2部を仕込み、攪拌しながら80℃で2時間保持した。その後、温度を60℃に保持し、テトラブチルアンモニウムアセテートを添加、収率が30%になった時点でりん酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応の1,6ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、25℃における粘度が3800mPas、イソシアネート含有量21.0%のポリイソシアネートを得た。
窒素雰囲気下で、このポリイソシアネート100部及びキシレン39部をフラスコに仕込み、マロン酸ジエチル42部、アセト酢酸エチル34部、28%ナトリウムメチラート溶液0.8部の混合物を室温で徐々に添加した。添加終了後、60℃で6時間反応を続けた。その後、ブタノール14部を添加し、十分攪拌した。樹脂分75%、ブロックされたイソシアネート基の含有量(NCOとして)9.1%のブロックポリイソシアネート溶液を得た。このブロックポリイソシアネート溶液を5℃で2週間貯蔵しても結晶化せず、溶液状態を維持した。
高彩赤色ベース塗料の作成
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及び有機赤顔料(注9)25部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して高彩赤色ベース塗料(C−1)を作成した。
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及び有機赤顔料(注9)25部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して高彩赤色ベース塗料(C−1)を作成した。
(注9)有機赤顔料:「DPP RED BO」、チバスペシャルティ社製、商品名
干渉色ベース塗料の作成
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及びパール顔料(注10)8部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して干渉色ベース塗料(E−1)を作成した。
60%ポリエステル樹脂溶液(注7)を固形分量で100部、ブロックポリイソシアネート(注8)を固形分量で30部及びパール顔料(注10)8部を容器に配合し、さらにキシレンを加えて混合・分散を行ない、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製して干渉色ベース塗料(E−1)を作成した。
(注10)パ−ル顔料:「イリオジン103」、メルクジャパン製、商品名
塗装板の作成
実施例1
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、次いでその未硬化塗面に白色系塗料(B−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行なって、室温で2分間放置してから、白色系塗料(B−2)をカラーベース塗料として乾燥膜厚が10〜15μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に干渉色ベース塗料(E−1)を乾燥膜厚が10〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
実施例1
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、次いでその未硬化塗面に白色系塗料(B−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行なって、室温で2分間放置してから、白色系塗料(B−2)をカラーベース塗料として乾燥膜厚が10〜15μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に干渉色ベース塗料(E−1)を乾燥膜厚が10〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
得られた複層塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値90であった。また導電性プライマー塗料(A−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×107Ω/cm2であった。
実施例2
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その上に白色系塗料(B−2)を乾燥膜厚が12〜15μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に干渉色ベース塗料(E−1)を乾燥膜厚が10〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その上に白色系塗料(B−2)を乾燥膜厚が12〜15μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に干渉色ベース塗料(E−1)を乾燥膜厚が10〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
得られた複層塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値90であった。また導電性プライマー塗料(A−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×107Ω/cm2であった。
比較例1
実施例1において、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、且つ白色系塗料(B−1)を塗装する工程を除く以外は実施例1と同様に行なって複層塗膜を形成した塗装板を得た。
実施例1において、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で8〜12μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、且つ白色系塗料(B−1)を塗装する工程を除く以外は実施例1と同様に行なって複層塗膜を形成した塗装板を得た。
得られた複層塗膜のCIE1976表色系によるL値を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、L値70であった。また導電性プライマー塗料(A−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×106Ω/cm2であった。
実施例3
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に白色系塗料(B−2)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に高彩赤色ベース塗料(C−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、導電性プライマー塗料(A−1)を乾燥膜厚で5〜8μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に白色系塗料(B−2)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行なった。さらにその未硬化塗面に高彩赤色ベース塗料(C−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に粘調し乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
得られた複層塗膜の色差(ΔE)を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、比較例3の塗板を基準として0.35であった。また導電性プライマー塗料(A−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×107Ω/cm2であった。
比較例2
実施例3において白色系塗料(B−2)を塗装する工程を除く以外は実施例3と同様に行なって複層塗膜を形成した塗装板を得た。
実施例3において白色系塗料(B−2)を塗装する工程を除く以外は実施例3と同様に行なって複層塗膜を形成した塗装板を得た。
得られた複層塗膜の色差(ΔE)を、ミノルタ社製色彩色差計CR−200を用いて測定したところ、比較例3の塗板を基準として1.85であった。また導電性プライマー塗料(A−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×107Ω/cm2であった。
比較例3
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、白色系塗料(B−1)を乾燥膜厚で15〜20μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に高彩赤色ベース塗料(C−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
自動車車体外装用グレードのポリプロピレン板(脱脂処理済み、黒色)に、白色系塗料(B−1)を乾燥膜厚で15〜20μmになるようにエアスプレー塗装を行ない、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に高彩赤色ベース塗料(C−1)を乾燥膜厚が8〜12μmになるように静電塗装を行ない、次いで2液型クリヤー塗料「ソフレックス500」(関西ペイント株式会社製、商品名、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を主成分とする有機溶剤系クリヤー塗料)を乾燥膜厚が25〜30μmになるように静電塗装を行なった後、100℃で30分間加熱してこれらの複層塗膜を同時に硬化させ、塗装板を得た。
白色系塗料(B−1)塗布後1分間放置した後の塗装膜の表面電気抵抗値をTREK社製「MODEL150」で測定したところ、1×108Ω/cm2であった。
上記の通り得られた各塗装板について、美感(スケ)及び平滑性を目視で観察し、下記基準で評価した。また実施例1、2及び比較例1の塗装板についてはマイカムラについても目視で観察し、下記基準で評価した。
スケ: ○:良好(色ムラなし)
△:やや下地がスケて色ムラが若干ある
×:下地がスケて色ムラがある
△:やや下地がスケて色ムラが若干ある
×:下地がスケて色ムラがある
平滑性: ○:平滑性良好
△:平滑性やや劣る
×:平滑性が非常に劣る
△:平滑性やや劣る
×:平滑性が非常に劣る
マイカムラ:○:ムラなく均一な粒子感を有する
△:ややムラがある
×:かなりムラがある
△:ややムラがある
×:かなりムラがある
Claims (9)
- プラスチック成形品表面に、CIE1976表色系によるL値が60以下となる塗膜を形成する導電性プライマー塗料(A)を塗装し、該塗面が未硬化の状態で、その上にCIE1976表色系によるL値が70以上となる塗膜を形成する白色系非導電性塗料(B)を塗装し、さらにその上にカラーベース塗料(C)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を静電塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
- カラーベース塗料(C)による塗膜上に、干渉色ベース塗料(E)を静電塗装した後、クリヤー塗料(D)を塗装する請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- カラーベース塗料(C)が、白色系である請求項2記載の複層塗膜形成方法。
- 形成される複層塗膜のCIE1976表色系によるL値が80以上である請求項1ないし3のいずれか1項記載の複層塗膜形成方法。
- 導電性プライマー塗料(A)が、導電性カーボンブラック顔料を塗料(A)中の樹脂固形分100重量部に対して5〜40重量部含有するものである請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- 導電性プライマー塗料(A)が、乾燥膜厚で5〜15μmとなるように塗装される請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- 白色系非導電性塗料(B)が、乾燥膜厚で5〜15μmとなるように塗装される請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- プラスチック成形品が自動車用バンパーである請求項1記載の複層塗膜形成方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項記載の複層塗膜形成方法によって得られる塗装物品。
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