JPH0912972A - 熱硬化型塗料用樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化型塗料用樹脂組成物

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JPH0912972A
JPH0912972A JP7160599A JP16059995A JPH0912972A JP H0912972 A JPH0912972 A JP H0912972A JP 7160599 A JP7160599 A JP 7160599A JP 16059995 A JP16059995 A JP 16059995A JP H0912972 A JPH0912972 A JP H0912972A
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epoxy resin
resin
epoxy
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JP7160599A
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English (en)
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Yuichi Ito
祐一 伊東
Tadashi Saito
忠司 斉藤
Toshiyuki Tanaka
利行 田中
Masayuki Kawamoto
誠之 川本
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】次のA成分95〜70重量部(固形分)とB成分5
〜30重量部(固形分)の合計100重量部からなる一液性
熱硬化型塗料用樹脂組成物。A成分:エポキシ当量 300
〜3000g/eq のエポキシ樹脂(a)、ポリスルフィド変
性エポキシ樹脂(b)及び多官能アミン(c)を含有
し、a成分中のエポキシ基が 0.6〜0.97当量、b成分中
のエポキシ基が 0.03〜0.4当量、及びそれらの合計が
1.0当量に対し、c成分中の活性水素が 1.1〜1.8当量で
ある変性エポキシ樹脂。(c成分中の活性水素)/(b成
分中のエポキシ基)=1.0〜2.1当量比でb成分の全量と
c成分の部分量、a成分の全量、及びc成分の残量を、
三段階で反応させる。;B成分:ブロック化イソシアネ
ート。 【効果】この組成物を用いた塗料は、素材への密着性、
耐食性、加工性及び耐スクラッチ性に優れ、ロット間で
非常に安定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、素材への密着性、耐食
性、加工性、耐スクラッチ性等に優れ、それらのバラン
スがとれた一液性熱硬化型塗料用樹脂組成物に関するも
のであり、該塗料用樹脂組成物はプレコートメタル、建
材用サイジング材料等に有用である。
【0002】
【従来の技術とその問題点】従来、一液性熱硬化型塗料
用樹脂としては、フェノール性水酸基を有する化合物と
エピクロロヒドリンとの反応で得られるエポキシ樹脂は
反応性に富むエポキシ基を有するため、これをアミン、
ポリアミド、二塩基酸等により架橋し高分子化し、更に
ブロック化イソシアネートを混合したもの、いわゆる、
ブロックウレタン変性エポキシ樹脂が広く用いられてい
る。
【0003】しかしながら、この系統の樹脂では、耐食
性、密着性、加工性、耐スクラッチ性等、特に加工性と
耐スクラッチ性をバランスよく満足させることは、困難
であった。したがって、加工性と耐スクラッチ性の中、
どちらかが優先的に要求される用途に応じて、提供する
樹脂の種類を分けていた。
【0004】これに対して、本発明者らは、熱硬化型塗
料用樹脂の主成分として、特定な高分子化エポキシ樹
脂、すなわち通常のエポキシ樹脂をポリスルフィド骨格
を有するエポキシ樹脂と多官能アミンで同時に変性した
ものを提案した(特願平5-335513号)。これにより上
記の問題をほぼ解消することはできるが、得られる熱硬
化型塗料用樹脂の物性、とりわけ加工性と耐スクラッチ
性において、ロット間のバラツキがしばしば生じるとい
うことが判った。これは、高分子化されたエポキシ樹脂
中、ポリスルフィド骨格がランダムに配列されたり、ま
た反応条件(温度、各成分の添加時期等)によりポリス
ルフィド骨格の導入量や導入位置(分子配列)に差が生
じるということに起因すると考えられる。
【0005】本発明の目的は、素材への密着性、耐食
性、加工性、耐スクラッチ性等に優れ、それらのバラン
スがよいことはもちろん、ロット間でのバラツキがない
一液性熱硬化型塗料用樹脂組成物を提供することであ
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはこれらの
課題を解決するために、とりわけ上記の高分子化される
エポキシ樹脂において、その分子鎖中にポリスルフィド
骨格を確実に導入し、所望の分子鎖長や分子配列にする
方法を検討した。その結果、ポリスルフィド骨格を有す
るエポキシ樹脂と多官能アミンで通常のエポキシ樹脂を
高分子化する際に、これらの三つの成分を同時に全量仕
込み一段階で反応させるのではなく、下記のように三段
階に分けて反応させるということが有効であるという事
実を見出し、本発明に至った。すなわち、まず、ポリス
ルフィド骨格を有するエポキシ樹脂だけを一部の多官能
アミンで変性し、前者の第二級アミン末端基変性物を生
成し(一次反応)、次にこの第二級アミン末端基変性物
と通常のエポキシ樹脂を反応させ(二次反応)、更に、
この反応系に残存するエポキシ基を残りの多官能アミン
で変性する(三次反応)。
【0007】すなわち、本発明は、次のA成分95〜70重
量部(固形分)とB成分5〜30重量部(固形分)を合計
100重量部(固形分)になるように混合することを特徴
とする一液性熱硬化型塗料用樹脂組成物であり、更に、
本発明では、A成分として、b成分中のエポキシ基に対
しc成分中の活性水素が 1.0〜2.1倍当量になるように
b成分の全量にc成分の部分量を加えて反応させ(一次
反応)、a成分の全量を加えて反応させ(二次反応)、
c成分の残り量を加えて反応させる(三次反応)ことに
より製造されることを特徴とするものを用いる。A成
分:エポキシ当量 300〜3000g/eq のエポキシ樹脂
(a)、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂(b)及び多
官能アミン(c)を含有し、a成分中のエポキシ基が
0.6〜0.97当量、b成分中のエポキシ基が 0.03〜0.4当
量、及びそれらの合計が 1.0当量に対し、c成分中の活
性水素が 1.1〜1.8当量である高分子化した変性エポキ
シ樹脂。 B成分:ブロック化イソシアネート。
【0008】まず、本発明に用いるA成分に含有する三
種類のもの、エポキシ樹脂(a)、ポリスルフィド変性
エポキシ樹脂(b)及び多官能アミン(c)について、
説明する。本発明において、エポキシ樹脂(a)とは、
ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールF−ジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジル
エーテル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、
ダイマー酸グリシジルエステル、テトラグリシジルアミ
ノジフェニルメタン、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘ
キシルメチルカルボキシレート、トリグリシジルイソシ
アヌレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルカルボ
キシレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリブタジエン又はポリスルフィドの両末端ジ
グリシジルエーテル修飾物等であり、好ましくは、ビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール
F−ジグリシジルエーテルである。これらは、一種類又
は二種類以上用いてもよい。また、そのエポキシ当量
は、好ましくは 300〜3000g/eq の範囲である。エポキ
シ当量が 300g/eq 未満では耐食性が悪くなり、また、
3000g/eq を越えると加工性が悪くなり、いずれも好ま
しくない。
【0009】本発明において、ポリスルフィド変性エポ
キシ樹脂(b)とは、ポリスルフィド骨格(−R−S−
S−)を主鎖に持ち、そのエポキシ当量が 200〜600g/
eq程度の変性エポキシ樹脂である。具体例としては、フ
レップ10、フレップ50、フレップ60、フレップ80(いず
れも、商品名、東レチオコール社製)等が挙げられる。
【0010】本発明において、多官能アミン(c)と
は、活性水素を1分子中に2個以上有するアミンであ
り、具体的にはイソプロパノールアミン、モノプロパノ
ールアミン、モノブタノールアミン、モノエタノールア
ミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、プロ
ピルアミン、ブチルアミン、イソホロンジアミン、テト
ラヒドロフルフリルアミン、キシレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノスルホン、オクチルアミ
ン、メタフェニレンジアミン、アミルアミン、ヘキシル
アミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラメチレンペンタミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノ
エチルピペラジン、メタセンジアミン、ジアミノジフェ
ニルスルホン等が挙げられる。
【0011】本発明において、上記のa成分とb成分と
の配合割合は、両者中のエポキシ基を特定な当量比にす
ることが必要である。すなわち、a成分中のエポキシ基
が 0.6〜0.97当量、b成分中のエポキシ基が 0.03〜0.4
当量、及びそれらの合計が 1.0当量になるようにする。
a成分中のエポキシ基が 0.6当量未満では、耐食性が低
下し、また、塗膜自体も柔らかくなりすぎ、塗膜硬度が
低くなり、傷がつきやすくなる。これが 0.97当量を越
えると、可撓性がなくなり、塗膜が脆くなる。また、上
記のc成分の配合割合は、a成分とb成分中のエポキシ
基の合計 1.0当量に対し、c成分中の活性水素が 1.1〜
1.8当量にすることが必要である。この量が 1.1当量未
満では、樹脂溶液は高分子化し過ぎてゲル化し、また、
1.8当量を越えると、耐水性等が悪くなり、いずれも好
ましくない。
【0012】次に、本発明におけるA成分の変性エポキ
シ樹脂を製造する方法について、説明する。本発明にお
いて、A成分の変性エポキシ樹脂は、上記のエポキシ樹
脂(a)、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂(b)及び
多官能アミン(c)を用いて下記のような三段階の反応
により製造することが必須である。
【0013】一次反応では、ポリスルフィド変性エポキ
シ樹脂(b)の全量に多官能アミン(c)の部分量を加
えて反応させ、第二級アミン末端のポリスルフィド変性
物を得る。この際、b成分とc成分との配合割合は、b
成分中のエポキシ基に対しc成分中の活性水素が 1.0〜
2.1倍当量の範囲にすることが必要である。二次反応で
は、上記の一次反応で得たポリスルフィド変性物にエポ
キシ樹脂(a)の全量を加え、前者中の第二級アミンと
後者中のエポキシ基と反応させ、また、三次反応では、
これに多官能アミン(c)の残り量を加え、この反応系
に残存するエポキシ基を多官能アミンで変性し、高分子
化した変性エポキシ樹脂を得る。
【0014】ところで、一次反応において、b成分中の
エポキシ基に対しc成分中の活性水素が 1.0倍当量未満
では、又は 2.1倍当量を越えると、ロット間における塗
膜性能にバラツキが生じ、いずれも好ましくない。これ
は、次のような理由によると考える。すなわち、この割
合が 1.0倍当量未満では、ポリスルフィド骨格を有する
エポキシ樹脂はその分子の両末端基が完全に第二級アミ
ンで封鎖されておらず、二次反応時にa成分のエポキシ
樹脂とは反応できず、三次反応にて、ポリスルフィド骨
格を有するエポキシ樹脂とa成分のエポキシ樹脂は残り
の多官能アミンとの間でランダムに高分子化する。一
方、2.1倍当量を越えると、ポリスルフィド骨格を有す
るエポキシ樹脂中、分子の両末端基は完全に第二級アミ
ンで封鎖されるが、この時残存する未反応の多官能アミ
ンが二次反応時にa成分のエポキシ樹脂と反応し、ポリ
スルフィド骨格を有するエポキシ樹脂との間でランダム
に高分子化する。
【0015】これらの知見を基にして、もし、一次反応
においてポリスルフィド骨格の鎖長を短くしたい時は、
c成分中の活性水素がb成分中のエポキシ基の2倍当量
程度で変性すればよく、また、ポリスルフィド骨格の鎖
長を長くしたければ、c成分中の活性水素がb成分中の
エポキシ基の1倍当量に近い値で反応させれば、ポリス
ルフィド骨格を有するエポキシ樹脂同士で鎖伸長反応が
起こり、分子鎖末端が第二級アミンであるポリスルフィ
ド変性物を得る。また、一次反応に続く二次反応におい
てエポキシ基が全て反応したら、ポリスルフィド骨格と
ビスフェノールA骨格又はビスフェノールF骨格の交互
共重合体になる。また、二次反応では、エポキシ基が残
るように反応させ、続く三次反応において、多官能アミ
ンと反応させれば、ポリスルフィド骨格とビスフェノー
ルA骨格又はビスフェノールF骨格がそれぞれ所望の鎖
長を有するブロック共重合体が得られる。
【0016】更に、本発明に用いるB成分であるブロッ
ク化イソシアネートについて、説明する。本発明におい
て、ブロック化イソシアネートとは、公知の方法によ
り、イソシアネート化合物と活性水素化合物とを反応さ
せ、末端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマ
ーを得、それをブロック剤と反応させ、イソシアナト基
をブロック化させたものである。これらの反応は、活性
水素を持たない溶媒中又は無溶媒下で行なわれ、その
際、第三級アミン、有機金属等の公知の触媒を使用して
もよい。上記の溶媒としては、キシレン、トルエン等の
芳香族系溶媒;ソルベッソ等の石油系溶媒;メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン
等のケトン系溶媒等が挙げられる。
【0017】本発明において、上記のイソシアネート化
合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族
イソシアネート類;キシリレンジイソシアネート、2,4-
トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネ
ートのような芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジ
イソシアネートのような脂環式ジイソシアネート類等、
更にはこれらのジイソシアネート類混合物、多量体等が
挙げられる。
【0018】本発明において、上記の活性水素化合物と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,
6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシ
ビバリン酸エステル、トリエチレングリコール、キシリ
レングリコール、1,4-ブチレングリコール等の二価アル
コール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール等の三価ア
ルコール;ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオー
ル;このポリオールのプロピレンオキシド又はエチレン
オキシド付加物等のポリエーテルポリオール;低分子量
ポリオールとジカルボン酸とを反応させて得られるポリ
エステルポリオールを製造する際に脂肪酸変性した物等
の高分子量ポリオール等が挙げられる。これらは単独又
は混合して用いてもよい。
【0019】本発明において、上記のブロック剤として
は、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、イミン
系、活性メチレン系、酸アミド系、イミド系、亜硫酸塩
系等のものがいずれも使用できるが、好ましくはフェノ
ール系、ラクタム系、オキシム系、イミン系のブロック
剤である。これらの具体例としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェ
ノール、エチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニ
ル、t−ブチルフェノール、o−イソプロピルフェノー
ル、o−sec-ブチルフェノール、p−ノニルフェノー
ル、p−t−オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香
酸、ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール系ブロ
ック剤;ε-カプロラクタム、δ-パレロラクタム、γ-
ブチロラクタム、β-プロピオラクタム等のラクタム系
ブロック剤;ホルムアミドオキシム、アセトアルドオキ
シム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジ
アセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シク
ロヘキサノンオキシム等のオキシム系ブロック剤;エチ
レンイミン、プロピレンイミン等のイミン系ブロック剤
が挙げられる。
【0020】本発明において、上記のA成分とB成分と
の配合割合は、A成分95〜70重量部(固形分)とB成分
5〜30重量部(固形分)を合計 100重量部(固形分)に
することが必要である。B成分の固形分量が5重量部未
満では、熱硬化時、塗膜がうまく硬化せず、塗膜性能が
発現されず、また、この量が 30重量部を越えると、塗
膜が硬くなりすぎ、その割れ等の現象がでる。
【0021】更に、本発明において、A成分とB成分か
ら樹脂組成物を製造する実施態様は、代表的には下記の
とおりである。まず、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂
(b)と多官能アミン(c)を溶剤に溶解し、窒素雰囲
気下、70〜150℃にて4〜10時間反応させ、第二級アミ
ン末端のポリスルフィド変性物を得る。これにビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキ
シ樹脂を溶解し、70〜150℃にて4〜10時間反応させ
る。この溶液に多官能アミン(c)を加え、70〜150℃
にて4〜10時間反応させて高分子化させ、樹脂溶液(A
成分)を得る。
【0022】一方、これとは別に、上記のようにブロッ
ク化イソシアネート(B成分)を調製する。A成分にB
成分を混合し、溶剤で粘度3〜50 poise程度に希釈し、
樹脂組成物を得る。なお、b成分とc成分の溶解、及び
樹脂組成物の希釈に用いる溶剤としては、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げら
れる。
【0023】本発明において、塗料を製造するには、公
知の方法による、すなわち、上記の樹脂組成物に防錆顔
料、体質顔料、レベリング剤及び各種の添加剤を加え、
ディスパー、サンドミル、ボールミル等を用いて混練・
分散すればよい。また、塗装方法としては、刷毛塗り、
スプレー塗装、各種のコーター塗装等の一般的な方法に
より、上記のように得られる塗料を、素材に直接又は塗
装前処理を施した後に塗装する。適用できる素材として
は、各種の金属素材、例えば、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼
板、合金化亜鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、アルミ
ニウムメッキ鋼板、スズメッキ鋼板、鉛メッキ鋼板、ニ
ッケルメッキ鋼板、アルミニウム板、チタン板、ステン
レス板;プラスチックス素材;無機質素材等が挙げられ
る。また、上記の塗料を素材に塗装後、加熱することに
よりB成分中のブロック剤が解離してイソシアナト基を
再生し、この再生イソシアナト基がA成分中の水酸基と
反応して硬化した塗膜が形成される。この際、加熱温度
はブロック剤の種類等により異なるが、130〜350℃程
度、また、その時間は 20秒〜数十分である。
【0024】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例により本発
明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は
重量基準であり、また、c成分の多官能アミン及び一部
の溶剤は次の略号で示す。 iPA:イソプロパノールアミン、MEA:モノエタノ
ールアミン、PA:プロピルアミン、BA:ブチルアミ
ン;n−BA:n−ブチルアルコール、PMA:プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート。更に、
表1、表2及び表4〜表6中、a成分のエポキシ樹脂の
種類は次の略号で示す。 BP-A :ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂。 BP-F :ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂。
【0025】製造例 2,4-トリレンジイソシアネートにポリプロピレングリコ
ール(数平均分子量2000)を反応させウレタン化し、ε
-カプロラクタムでイソシアナト基をブロック化し、こ
れをキシレンに溶解し、ブロック化イソシアネート(固
形分70%)を調製した。
【0026】実施例1-1〜1-10 ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒータ
ー、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)に、キシレン
800部、シクロヘキサノン 400部、及びポリスルフィド
変性エポキシ樹脂(フレップ50 (FL-50):商品名、東レ
チオコール社製、エポキシ当量 330g/eq)100部を仕込
み、溶解する。この溶液にiPA(活性水素当量 37.5
g/eq)22.7部を加え、100℃で5時間反応させる(一次
反応)。次に、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテ
ル系エポキシ樹脂(エポキシ当量1000g/eq)1000部を
加え、100℃で5時間反応させる(二次反応)。更に、
iPA 45.2部を加え、100℃で5時間反応させる(三次
反応)。反応後、60℃以下に冷却し、n−BA 323部、
キシレン 300部及びPMA 200部を加え希釈し、固形分
37%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に上記の製造例で
得たブロック化イソシアネート(固形分70%)337部を
混合し、固形分40%及び粘度 12 poise の樹脂組成物を
得た。上記と全く同様な操作を合計10回行ない、10個の
樹脂組成物を得た。樹脂溶液の組成、及び樹脂溶液とブ
ロック化イソシアネートとの固形分重量比を表1にまと
める。
【0027】次に、それぞれの樹脂組成物 200部に、顔
料として酸化チタン(R-920:商品名、デュポン社製)
72部及びクロム酸ストロンチウム(菊池色素工業社製)
24部を配合し、サンドミルを用いて混練・分散し、溶剤
(キシレン:PMA:n−BA=40:40:20重量比)60
部を加え希釈し、10個の塗料を得た。この際、顔料の合
計と樹脂組成物中の固形分との割合は 1.2/1.0重量比、
酸化チタンとクロム酸ストロンチウムとの割合は 75/25
重量比であり、また、溶剤の量は、得られる塗料の粘度
が 90〜110秒(フォート゛カッフ゜ #4)になるように調整され
る。
【0028】この塗料をリン酸亜鉛処理鋼板(150 mm×
70mm×0.8 mm厚さ)にバーコーターにて塗装し、その膜
厚さを5μm に調整する。また、市販品のコイルコーテ
ィング用塗料をバーコーターにてその膜厚さ 15μm に
上塗りする。塗装後、この鋼板を、下塗り 210℃×45
秒、及び上塗り 210℃×60秒の条件で焼付し乾燥し、試
験板に供する。この試験板の塗膜物性を後記の方法によ
り評価し、それらの結果を表3に示す。
【0029】実施例2〜8 実施例1の前半において、表1及び表2に示すように各
成分の種類・量を変える以外は全く同様に操作して、そ
れぞれ樹脂組成物を得た。次に、実施例1の後半におい
て、これらの樹脂組成物を用いる以外全く同様に操作し
て塗料を、更に試験板を得、それらを評価した。その結
果を表3に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】比較例1-1〜1-10 ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒータ
ー、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)に、ビスフェ
ノールA−ジグリシジルエーテル系エポキシ樹脂(エポ
キシ当量 1000g/eq)1000部を仕込み、キシレン 800部
及びシクロヘキサノン 400部を加え溶解する。次に、ポ
リスルフィド変性エポキシ樹脂(フレップ50 (FL-50):
商品名、東レチオコール社製、エポキシ当量 330g/e
q)100部を加え溶解させる。この溶液にiPA 68部を
加え、100℃で5時間反応させる。反応後、60℃以下に
冷却し、n−BA 323部、キシレン 300部及びPMA 2
00部を加え希釈し、固形分37%の樹脂溶液を得た。この
樹脂溶液に上記の製造例で得たブロック化イソシアネー
ト(固形分70%)337部を混合し、固形分40%及び粘度
13 poise の樹脂組成物を得た。上記と全く同様な操作
を合計10回行ない、10個の樹脂組成物を得た。樹脂溶液
の組成、及び樹脂溶液とブロック化イソシアネートとの
固形分重量比を表4にまとめる。次に、実施例1の後半
において、これらの樹脂組成物を用いる以外全く同様に
操作して塗料を、更に試験板を得、それらを評価した。
その結果を表5に示す。 比較例2-1〜2-10 及び3-1〜3-10 実施例1の前半において、表4に示すように一次反応時
と三次反応時の多官能アミンの量だけを変える以外は全
く同様に操作して、それぞれ10個の樹脂組成物を得た。
次に、実施例1の後半において、これらの樹脂組成物を
用いる以外全く同様に操作して塗料を、更に試験板を
得、それらを評価した。その結果を表5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】比較例4〜11 実施例1の前半において、表6及び表7に示すように各
成分の種類・量を変える以外は全く同様に操作して、そ
れぞれ樹脂組成物を得た。次に、実施例1の後半におい
て、これらの樹脂組成物を用いる以外全く同様に操作し
て塗料を、更に試験板を得、それらを評価した。その結
果を表8に示す。ただし、比較例9では、樹脂溶液の調
製中にゲル化が生じたため、塗膜物性の評価は行なわな
かった。なお、上記の実施例及び比較例で得た試験板に
ついて、その塗膜物性を評価する方法は次のとおりであ
る。 ・耐食性: カッターナイフにて試験板面に、十字形切
り口を素材まで達するように入れる。 JIS-Z-2371 の塩
水噴霧試験法に準じて、この試験板を 1000時間試験す
る。その後、切り口をセロテープ(ニチバン社製)で剥
離し、そのときの塗膜剥離幅を測り、耐食性を5段階で
評価する。 ◎・・0〜1mm未満、○・・1〜2mm未満、△・・2〜
3mm未満 ×・・3〜5mm未満、××・・5mm以上 ・耐湿性: 湿潤試験機(49℃×98%RH)中に試験板
を入れ、1000時間放置する。その後、塗膜面のブリスタ
ー発生状態を目視観察し、耐湿性を5段階で評価する。 ◎・・異常なし、○・・1〜5個、△・・5〜10個、×
・・10〜20個 ××・・全面ブリスター ・加工性: 塗膜面を外側にして試験板を折り曲げ、こ
のときに生じる塗膜の上面と下面との伸び率の差による
割れの抵抗性を調べる。折り曲げ部分をセロテープ(ニ
チバン社製)で剥離し、そのときの剥がれ状態を目視観
察し、加工性を5段階で評価する。 ◎・・全く剥がれない、○・・僅かに剥がれる、△・・
1/3程度剥がれる ×・・半分以上剥がれる、××・・ほとんど剥がれる ・スクラッチ性: 未使用の硬貨を塗膜面に対して 45
°の角度で押しあて、力を入れ手前に引く。そのときの
塗膜面に残った傷の状態を目視観察し、スクラッチ性を
5段階で評価する。 ◎・・傷なし、○・・僅かに傷がつく、△・・下塗りま
で傷が達する ×・・素材の一部まで傷が達する、××・・塗膜剥離、
素材に傷がつく ・耐衝撃性: JIS-K-5400.6.13.3B法の衝撃変形試験
機にて、衝撃性を試験する。撃ち型は半径 6.35±0.03
mm を使用し、試験板の塗膜面を下向きにして、その間
にはさむ。重り(質量 1000±1g)を 50cm の高さか
ら撃ち型の上に落し、塗膜の破壊状態を目視観察し、耐
衝撃性を5段階で評価する。 ◎・・異常なし、○・・僅かにクラックあり、△・・全
体にクラックあり ×・・一部剥離、××・・全面剥離 ・鉛筆硬度: JIS-K-5400.6.14 の鉛筆引っかき試験に
準じて、試験板の塗膜の硬度を評価する。 ・密着性: JIS-K-5400.6.15 の碁盤目試験に準じて、
試験板の塗膜の密着性を5段階で評価する。 ◎・・100/100 、○・・99/100〜80/100 、△・・79/1
00〜50/100 ×・・49/100〜30/100 、××・・29/100以下
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、得られる樹脂組成物を
用いた一液性熱硬化型塗料は、素材への密着性、耐食
性、加工性、耐スクラッチ性等に優れ、それらのバラン
スがよくとれ、しかもそれらの性能がロット間で非常に
安定したものである。
フロントページの続き (72)発明者 川本 誠之 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のA成分95〜70重量部(固形分)とB
    成分5〜30重量部(固形分)を合計 100重量部(固形
    分)になるように混合することを特徴とする一液性熱硬
    化型塗料用樹脂組成物。 A成分:エポキシ当量 300〜3000g/eq のエポキシ樹脂
    (a)、ポリスルフィド変性エポキシ樹脂(b)及び多
    官能アミン(c)を含有し、a成分中のエポキシ基が
    0.6〜0.97当量、b成分中のエポキシ基が 0.03〜0.4当
    量、及びそれらの合計が 1.0当量に対し、c成分中の活
    性水素が 1.1〜1.8当量である高分子化した変性エポキ
    シ樹脂。 B成分:ブロック化イソシアネート。
  2. 【請求項2】 まずb成分中のエポキシ基に対しc成分
    中の活性水素が 1.0〜2.1倍当量になるようにポリスル
    フィド変性エポキシ樹脂(b)の全量に多官能アミン
    (c)の部分量を加えて反応させ、次にエポキシ樹脂
    (a)の全量を加えて反応させ、更に多官能アミン
    (c)の残り量を加えて反応させることにより製造する
    A成分を用いることを特徴とする請求項1に記載の一液
    性熱硬化型塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂(a)がビスフェノールA
    −ジグリジジルエーテル又はビスフェノールF−ジグリ
    シジルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載
    の一液性熱硬化型塗料用樹脂組成物。
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