JP2001131492A - 塗料組成物および該塗料組成物を用いた塗装金属板 - Google Patents

塗料組成物および該塗料組成物を用いた塗装金属板

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JP2001131492A
JP2001131492A JP31733199A JP31733199A JP2001131492A JP 2001131492 A JP2001131492 A JP 2001131492A JP 31733199 A JP31733199 A JP 31733199A JP 31733199 A JP31733199 A JP 31733199A JP 2001131492 A JP2001131492 A JP 2001131492A
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resin
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silane
group
coating
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Osamu Morimoto
修 森元
Hiroshi Tachika
弘 田近
Minoru Takahashi
稔 高橋
Masaki Murata
昌樹 村田
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 防食用の塗料組成物であって、含有樹脂
(バインダー)を有機樹脂(A)とシラノール基および
/またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂
(B)とで構成する。 【効果】 含有樹脂が有機ポリマーを主体とし、かつ、
シラノール基および/またはアルコキシシラン基を含ん
でいるので、適度な柔軟性を有しながら、シラノール基
および/またはアルコキシシラン基によって金属表面に
高い塗着力で塗着し、欠損(剥がれ)や割れが生じにく
い塗膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家電製品材料、建
材、自動車部品に用いられる鉄、鉄合金、メッキ鋼板な
どの表面に塗布される防食性を有する塗料組成物および
該塗料組成物を用いた塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料の防食方法としては表面を有機
樹脂被膜で被覆する方法が一般である。しかし、従来の
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂な
どの有機樹脂を結合剤(バインダー)とした塗料を塗布
して得られる塗膜は、金属材料への塗着力が低いため、
金属材料切断部の端面から膜に欠損を生じたり、また、
塗装金属板を折り曲げ加工する場合に塗膜に割れを生じ
たりして、該欠損部や割れ部から金属材料の腐食が徐々
に進行するという問題をかかえている。また、塗膜自体
の腐食原因物質の透過を抑制する効果も十分とは言えな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
面への塗着力が高く、かつ、欠損(剥がれ)や割れが生
じにくく、しかも、腐食原因物質が透過しにくい塗膜が
得られる塗料組成物および該塗料組成物を用いた塗装金
属板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、塗料の樹脂成分にシリ
コーン樹脂、シランカップリング剤の縮合体およびシラ
ン変性有機樹脂などのシラノール基および/またはアル
コキシシラン基を分子中に有する樹脂を使用することに
より、金属面への塗着力の高い塗膜が得られること、お
よび、腐食原因物質の透過が起こりにくり塗膜が得られ
ること、さらに、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、
エポキシ化合物などの熱硬化性化合物を配合した場合に
は、塗膜の架橋構造がより強化されて、塗膜の機械的強
度および腐食原因物質の透過の抑止力が一層高くなるこ
とを知見し、該知見に基づき、本発明を完成させた。す
なわち、本発明の特徴は以下の通りである。
【0005】(1)樹脂を含有する塗料組成物であっ
て、樹脂が有機樹脂(A)とシラノール基および/また
はアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)とか
らなる塗料組成物。 (2)有機樹脂(A)とシラノール基および/またはア
ルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)の少なく
とも一方と反応し得る架橋剤(C)が配合されている上
記(1)記載の塗料組成物。 (3)有機樹脂(A)とシラノール基および/またはア
ルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)の配合比
(A/B)が99/1〜1/99[重量比]である上記
(1)または(2)記載の塗料組成物。 (4)架橋剤(C)の有機樹脂(A)とシラノール基お
よび/またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂
(B)の合計配合量に対する配合比((A+B)/C)
が95/5〜60/40[重量比]である上記(2)ま
たは(3)記載の塗料組成物。 (5)シラノール基および/またはアルコキシシラン基
を分子中に有する樹脂(B)がシリコーン樹脂、シラン
カップリング剤の縮合体およびシラン変性有機樹脂から
選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(4)のい
ずれかに記載の塗料組成物。 (6)架橋剤(C)がアミノ樹脂、イソシアネート化合
物およびエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種で
ある上記(2)〜(5)のいずれかに記載の塗料組成
物。 (7)樹脂を含有する塗料組成物であって、樹脂がシラ
ン変性有機樹脂(D)からなる塗料組成物。 (8)シラン変性有機樹脂(D)と反応し得る架橋剤
(E)が配合されている上記(7)記載の塗料組成物。 (9)シラン変性有機樹脂(D)と架橋剤(E)の配合
比(D/E)が95/5〜60/40[重量比]である
上記(7)または(8)記載の塗料組成物。 (10)架橋剤(E)がアミノ樹脂、イソシアネート化
合物およびエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種
である上記(8)または(9)記載の塗料組成物。 (11)請求項1〜10のいずれかに記載の塗料組成物
を塗装してなる塗装金属板。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様の塗料組成物
は、含有する樹脂が有機樹脂(A)とシラノール基およ
び/またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂
(B)とからなることを特徴とし、また、第2の態様の
塗料組成物は、含有する樹脂がシラン変性有機樹脂
(D)からなることを特徴としている。
【0007】第1の態様における有機樹脂(A)とは、
従来から塗料のバインダー(結合剤)として使用されて
いるポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹
脂などの有機樹脂であり、シラノール基および/または
アルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)とは、
シリコーン樹脂、シランカップリング剤の縮合体および
シラン変性有機樹脂等からなり、また、ここでのシラン
変性有機樹脂とは、上記有機樹脂(A)をシランカップ
リング剤で変性したものを意味する。また、第2の態様
におけるシラン変性有機樹脂(D)も同様に上記有機樹
脂(A)をシランカップリング剤で変性したものを意味
する。
【0008】本発明における有機樹脂(A)は、特に限
定されないが、例えば、ポリエステル、アルキド樹脂、
ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、エポキシ変成
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、
フッ素樹脂、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリ
ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリブタジ
エン、(メタ)アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、
およびこれらの共重合体などが挙げられ、これらの1種
または2種以上を選択し使用できる。このうち、塗料調
製の点からは、ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−スチ
レン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸
ビニル−(メタ)アクリル共重合体などが好ましい。ま
た、塗膜の加工性(例えば、塗装金属板を折り曲げ加工
する場合の割れの生じにくさ)や、塗装金属板を折り曲
げたり切断した時の塗膜の屈曲部や切断端面の耐食性の
点からポリエステルが特に好ましい。
【0009】有機樹脂(A)は数平均分子量1,000
〜100,000の範囲にあるものが好ましい。数平均
分子量が1,000未満であると塗装した金属材料を切
断した時の塗膜の切断部の端面における耐食性が低下す
る傾向を示し、100,000を越えると塗料粘度が高
くなりすぎ、塗装が困難となる傾向を示す。特に、ポリ
エステル樹脂を使用する場合は、ポリエステル樹脂の数
平均分子量は3,000〜50,000以上が好まし
く、特に好ましくは5,000〜30,000である。
また、ポリエステル骨格中にビスフェノール−Aのアル
キレンオキサイド付加物および/またはビスフェノール
−Fのアルキレンオキサイド付加物を共重合したものを
用いると、塗膜の耐食性がさらに向上する。
【0010】シラノール基および/またはアルコキシシ
ラン基を分子中に有する樹脂(B)におけるアルコキシ
シラン基としてはメトキシシラン基、エトキシシラン
基、プロポキシシラン基、イソプロポキシシラン基、ブ
トキシシラン基等の炭素数が1〜4のアルコキシシラン
基が好ましい。当該樹脂(B)中のシラノール基および
/またはアルコキシシラン基の含有量は1〔eq/モル
・分子〕以上であればよいが、2〜20〔eq/モル・
分子〕が好ましく、特に好ましくは2〜6〔eq/モル
・分子〕である。なお、樹脂中のシラノール基および/
またはアルコキシシラン基の含有量とは、樹脂中の「S
i原子に結合した水酸基および/またはアルコキシ基の
含有量」であり、樹脂1分子当たりの当量を求めた。
【0011】かかる樹脂(B)に使用されるシリコーン
樹脂としては、例えば、AP−133、APZ−660
1、APZ−730(日本ユニカー(株)製、商品名)
などが挙げられる。これらは、市販品をそのまま、ある
いは適当な溶剤を選択し溶剤置換した後、使用できる。
【0012】また、かかる樹脂(B)に使用されるシラ
ンカップリング剤の縮合体としては、ビニルシラン系、
アクリルシラン系、エポキシシラン系、メルカプトシラ
ン系、アミノシラン系、尿素シラン系、イソシアネート
シラン系、イソシアヌレートシラン系などの各種シラン
カップリング剤から選択された1種または2種以上を、
概ね2〜10個縮合させた縮合体が好ましい。特に、エ
ポキシシラン系、アミノシラン系、イソシアネートシラ
ン系のカップリング剤を含むものは、有機樹脂(A)と
の反応が可能であり、また、鋼板に存在する水酸基との
水素結合や共有結合の形成が期待でき好ましい。縮合方
法としてはシランカップリング剤が可溶な有機溶剤中で
加水分解縮合する方法、またはそれぞれのシランカップ
リング剤が有する官能基同士を反応させる方法などがあ
る。ビニルシラン系カップリング剤としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシ
シラン、アリルトリ(β−メトキシシラン)等が挙げら
れる。アクリルシラン系カップリング剤としては、例え
ば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。エポキシシラン系カップリング剤として
は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン等が挙げられる。メルカプトシラン系
カップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等が挙げられる。アミノシラン
系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン等が挙げられる。尿素シラン系カップリング剤とし
ては、例えば、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げ
られる。イソシアネートシラン系カップリング剤として
は、3−(トリエチルシリル)−プロピルシアネート等
が挙げられる。
【0013】また、かかる樹脂(B)に使用されるシラ
ン変性有機樹脂としては、前記有機樹脂(A)の例示化
合物(有機樹脂)の中からシランカップリング剤と反応
し得るものを選択し、シランカップリング剤を反応させ
て変性したものが挙げられる。変性用のシランカップリ
ング剤としては、前記シランカップリング剤の縮合体の
原料に用いるシランカップリング剤を用いることがで
き、変性方法としては、例えば、有機樹脂を適当な有機
溶剤へ溶かし込んだ後、有機樹脂の有する有機官能基と
シランカップリング剤の有する有機官能基とを反応させ
る方法などがある。前記の塗膜の加工性(例えば、塗装
金属板を折り曲げ加工する場合の割れの生じにくさ)
や、塗装金属板を折り曲げたり、切断した時の塗膜の屈
曲部や切断端面の耐食性の点からシラン変性ポリエステ
ルが好ましい。
【0014】第2の態様によるシラン変性有機樹脂
(D)は、前記したように、第1の態様におけるシラノ
ール基および/またはアルコキシシラン基を分子中に有
する樹脂(B)に用いるシラン変性有機樹脂と同義であ
る。また、分子量は第1の態様における有機樹脂(A)
のそれと同様の理由から、数平均分子量1,000〜1
00,000の範囲にあるのが好ましい。
【0015】第1の態様では、有機樹脂(A)とシラノ
ール基および/またはアルコキシシラン基を分子中に有
する樹脂(B)の配合比(A/B)は通常99/1〜1
/99[重量比]、好ましくは95/5〜20/80
[重量比]である。シラノール基および/またはアルコ
キシシラン基を分子中に有する樹脂(B)が上記範囲よ
り少ないと、塗膜の耐食性、密着性が低下する傾向を示
す。シラノール基および/またはアルコキシシラン基を
分子中に有する樹脂(B)がシリコーン樹脂およびシラ
ンカップリング剤の縮合体の少なくとも一方からなる場
合、上記配合比(A/B)は90/10〜50/50
[重量比]がより好ましく、シラノール基および/また
はアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)がシ
ラン変性有機樹脂からなる場合、上記配合比(A/B)
は80/20〜50/50[重量比]がより好ましい。
【0016】本発明の塗料組成物は、樹脂成分が、有機
のポリマー鎖とシラノール基および/またはアルコキシ
シラン基を有しているので、得られる塗膜は適度な柔軟
性を有し、しかも、シラノール基および/またはアルコ
キシシラン基と金属表面との反応により金属材料に高い
塗着力で塗着し得るものとなる。よって、金属面への塗
着力が高く、かつ、欠損(剥がれ)や割れが生じにくい
塗膜を得ることができる。また、塗膜と金属表面間に−
Si−O−(シロキサン結合)による架橋構造が形成さ
れるので、腐食原因物質が透過しにくいものとなる。
【0017】また、本発明の塗料組成物では、前記の樹
脂成分〔第1の態様:有機樹脂(A)とシラノール基お
よび/またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂
(B)、第2の態様:シラン変性有機樹脂(D)〕以外
に架橋剤〔第1の態様:架橋剤(C)、第2の態様:架
橋剤(E)〕を配合するのが好ましい。架橋剤は塗料の
塗工後の焼き付け時に加熱硬化して3次元網目構造の分
子鎖を形成し、且つ、前記樹脂成分と架橋しうる化合物
であり、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ
化合物などが挙げられ、かかる架橋剤の配合により、塗
膜の強度および金属材料へ塗着力がより一層向上する。
なお、第1の態様の有機樹脂(A)に用いるエポキシ樹
脂及び第2の態様のシラン変性有機樹脂(D)のシラン
変性されたエポキシ樹脂は、ここでいうエポキシ化合物
と物質としては同種の化合物であり、有機樹脂(A)に
エポキシ樹脂を用いる場合及びシラン変性有機樹脂
(D)にシラン変性エポキシ樹脂を用いる場合は、エポ
キシ化合物以外の架橋剤が使用される。
【0018】アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミ
ン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加物、
更にこれらの炭素数が1〜6のアルコールによるアルキ
ルエーテル化合物を挙げることができる。具体的にはメ
トキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,
N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジア
ミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチ
ロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミ
ン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げ
られ、これらはそれぞれ単独、または併用して使用でき
る。
【0019】イソシアネート化合物としては、芳香族、
脂肪族または脂環族のジイソシアネート、3価以上のポ
リイソシアネートなどが挙げられ、低分子化合物、高分
子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ト
ルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、あるいはこれ
らのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイ
ソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリ
エステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポ
リアミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて
得られる末端イソシアネート基含有化合物などが挙げら
れる。これらはそれぞれ単独、または併用して使用でき
る。また、ポットライフの長時間化の点からは、イソシ
アネート化合物としてはブロック化イソシアネートの使
用が好ましい。イソシアネートブロック剤としては、例
えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニト
ロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、
アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘ
キサノンオキシムなどのオキシム系、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
系、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−
プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブ
タノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール
類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブ
チロラクタム、β−プロピルラクタムなどのラクタム類
が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、ア
セチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチル
エステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、
イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダ
なども挙げられる。ブロック化イソシアネートは前記イ
ソシアネート化合物とブロック化剤とを従来公知の方法
により、反応させて得られ、それらを単独、または併用
して使用できる。
【0020】エポキシ化合物としては、例えば、ビスフ
ェノールAのジグリシジルエーテル、およびそのオリゴ
マー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタ
ル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジル
エステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、
テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサ
ハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグ
リシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、
セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、およびポリアルキレングリコールジグリシジルエー
テル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリ
グリシジルイソシアヌレート、1,4−グリシジルオキ
シベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロー
ルトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジ
ルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物
のトリグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、お
よび分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリ
オキザール型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
これらはそれぞれ単独、または併用して使用できる。
【0021】架橋剤は前述したアミノ樹脂、イソシアネ
ート化合物およびエポキシ化合物等の中から、焼き付
け、塗装金属材料の使用条件に合わせて1種または2種
以上を選択して使用できる。また、これらの硬化触媒と
して、有機スルホン酸およびその金属塩若しくはそのア
ミン塩、リン酸およびその金属塩、有機錫化合物、アミ
ン化合物、イミダゾール化合物、有機リン化合物などを
1種または2種以上選択して使用できる。
【0022】架橋剤は余り多く配合すると、塗膜の柔軟
性が乏しくなることから塗膜の加工性が低下しやすくな
る。よって、該架橋剤(C)の有機樹脂(A)とシラノ
ール基および/またはアルコキシシラン基を分子中に有
する樹脂(B)との合計量に対する配合比((A+B)
/C)、及び、架橋剤(E)のシラン変性有機樹脂
(D)に対する配合比(D/E)は、95/5〜60/
40[重量比]が好ましい。
【0023】本発明の塗料組成物では、耐食性を高める
ために防錆顔料を使用できる。防錆顔料としては、リン
酸系、亜リン酸系、縮合リン酸系、モリブデン酸系、リ
ンモリブデン酸系、ホウ酸系、珪酸系、シアナミド系な
どの金属塩があり、該金属イオン成分としては亜鉛、カ
ルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、マ
グネシウム、バリウム、ジルコニウム、セリウム、チタ
ニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナ
ジウムなどが挙げられる。また、これらの無毒性の防錆
顔料以外に、毒性を有するが防錆性に優れるストロンチ
ウムクロメート、ジンククロメート、カルシウムクロメ
ートなどのクロム酸塩系、および/または鉛系防錆顔料
を毒性が過大とならない範囲で使用できる。防錆顔料は
1種または2種以上を選択して使用できる。また、錆発
生を抑制できるシリカ、コロイダルシリカなどの使用も
可能である。防錆顔料の添加量としては耐食性、加工性
のバランスを採りながら、任意の配合量を採ることがで
きる。毒性がある場合は毒性の点も考慮して、任意の配
合量を採ることができる。
【0024】本発明の塗料組成物には、酸化チタン、シ
リカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミ
ニウムなどの公知の無機顔料、オルガノシラン、および
その縮合物、分散剤、レベリング剤、潤滑剤などを耐食
性を落とさない範囲で前記防錆顔料と併用して用いるこ
とができる。
【0025】本発明の塗料組成物の塗料化に使用する有
機溶剤としては公知の有機溶剤を使用でき、例えば、ト
ルエン、キシレン、芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレ
ングリコールモノアセテート、二塩基酸エステル、プロ
ピレングリコールメチルエーテルアセテートなどから配
合する樹脂成分の溶解性、溶剤の蒸発速度などを考慮し
て選択される。
【0026】本発明の塗料組成物は1コート塗料として
も使用することができるが、耐食性が優れることからプ
ライマー用途に適している。すなわち、本発明の塗料組
成物の塗膜を下塗り層として、これの上に上塗塗料を塗
装することで耐食性に優れ、意匠性などの良好な総合塗
膜を形成できる。上塗塗料としては塗料分野で通常使用
される上塗り塗料であればよく、例えば、オイルフリー
アルキド樹脂塗料、椰子油変性アルキド樹脂塗料などの
アルキド樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、アクリル樹
脂塗料、シリコン変性ポリエステル樹脂塗料、フッ素樹
脂塗料などを挙げることができ、硬化はそれぞれの塗料
に適した焼付条件で行うことができる。特に塗膜の加工
性を優れたものとするためにはポリエステル樹脂塗料が
好適である。本発明の塗料組成物を金属板の両面に塗布
し、その上に上塗塗料を形成するダブルコート使用のプ
ライマーとしても使用することができる。
【0027】本発明の塗料組成物はロールコート、カー
テンフローコート、スプレー塗装、刷毛塗り、ディッピ
ングなどの方法を用いて塗工することができる。コイル
コーティング法でロールコートする場合には、通常の2
本ロールによる塗装方式(いわゆるリバース塗装、ナチ
ュラル塗装)、3本ロールによる塗装、カーテンコート
による塗装方式などによって塗装することができ、乾燥
塗膜で1〜20g/m 2 で塗装される。焼付条件として
は使用する架橋剤により適宜調整が可能であるが、温度
は150〜250℃、時間は30秒〜1分程度が一般的
である。
【0028】本発明の塗料組成物を塗装する金属材料は
特に限定されないが、熱延伸鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛
メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼
板、アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼
板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板などの各種金属鋼板へ
の塗装に特に適している。
【0029】塗装される金属材料の表面が油などの物質
で汚染されていなければそのまま塗装しても構わない
が、塗料の塗装性、塗膜の密着性、耐食性のより一層の
向上を図るため、既知の金属表面処理剤、例えばリン酸
塩系表面処理剤、有機複合系表面処理剤などで表面処理
しておくことが望ましい。また、毒性を有するがクロム
酸塩系表面処理、更にはクロム酸系塗装剤などで表面処
理することもできる。
【0030】本発明の塗料組成物を塗装して得られた塗
装金属板は公知の方法で、家電製品の材料、建材、自動
車部品などの適用する用途に応じた形状に加工して使用
することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳しく説明する。なお、以下の記載において「部」は重
量部を示す。各測定評価項目は以下の方法に従った。 (1)樹脂組成の測定 核磁気共鳴スペクトル法による分析により、酸成分、ア
ルコール成分のモル比を求めた。 (2)ガラス転移温度の測定 示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速
度で測定した。サンプルは5mgをアルミニウムパンに
入れ蓋で押さえクリンプした。 (3)酸価の測定 樹脂0.2gを20mlのクロロホルムに溶解し、0.
1NのKOHエタノール溶液で滴定し、樹脂106 g当
たりの当量(eq/106 g)を求めた。 (4)数平均分子量の測定 ウォーターズ社製ゲルパーミュエーションクロマトグラ
フ、150−C型を用い、測定溶媒テトラヒドロフラ
ン、測定温度30℃、流量1ml/分、カラムとしてシ
ョーデックスKF802,804,806(昭和電工
(株)製)を用いてポリスチレン換算で測定した。
【0032】有機樹脂(A)に用いるポリエステル樹脂
の合成例 〔ポリエステル樹脂A〕ジメチルテレフタレート152
部、ジメチルイソフタレート152部、エチレングリコ
ール145部、BPE−20F(三洋化成(株)製、ビ
スフェノール−Aエチレンオキサイド付加物)250
部、チタンテトラブトキシド0.16部を撹拌装置を具
備した2Lの4つ口フラスコに仕込み、マントルヒータ
ーにて4時間かけて220℃まで昇温し、留出するメタ
ノールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。次
いで減圧装置を具備し、30分かけて10mmHgまで
減圧初期重合を行うと共に温度を260℃まで昇温し、
更に1mmHg以下で60分間後期重合を行い、ポリエ
ステル樹脂Aを得た。樹脂特性値は表1に示す。
【0033】〔ポリエステル樹脂B〕ジメチルテレフタ
レート167部、ジメチルイソフタレート167部、エ
チレングリコール103部、1,6−ヘキサンジオール
160部、BPE−20F(三洋化成(株)製、ビスフ
ェノール−Aエチレンオキサイド付加物)138部、チ
タンテトラブトキシド0.14部を撹拌装置を具備した
2Lの4つ口フラスコに仕込み、マントルヒーターにて
4時間かけて220℃まで昇温し、留出するメタノール
を系外に除きつつエステル交換反応を行った。次いで減
圧装置を具備し、30分かけて10mmHgまで減圧初
期重合を行うと共に温度を260℃まで昇温し、更に1
mmHg以下で60分間後期重合を行った。重合終了
後、窒素気流下で230℃まで冷却し、無水トリメリッ
ト酸6.8部を添加し、30分かけ開環付加反応を行
い、酸付加ポリエステル樹脂Bを得た。樹脂特性値は表
1に示す。
【0034】〔ポリエステル樹脂C〜E〕ポリエステル
樹脂AまたはBの合成と同様にして、表1に示す樹脂組
成のポリエステル樹脂C〜Eを合成した。
【0035】
【表1】
【0036】 *1:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、 *2:1,4−シクロヘキサンジメチロール、 *3:ビスフェノール−Aのエチレンオキシド2.2モ
ル付加物(三洋化成(株)製)
【0037】シラン変性有機樹脂(D)の合成例 〔シラン変性ポリエステル樹脂a〕ポリエステル樹脂A
100部、シクロヘキサノン60部、ソルベッソ−15
0[東永産業社製、石油系溶剤]60部をフラスコに仕
込み、90℃に加熱し溶解する。これを50℃まで冷却
した後、A−1310[日本ユニカー(株)製、イソシ
アネート基含有シランカップリング剤](化合物名:3
−(トリエトキシ)シリルプロピルイソシアネート)
3.5部、ジブチルスズジラウレート0.04部を加
え、再度70℃に加熱し、1時間攪拌する。イソシアネ
ートの消費を確認した後、シクロヘキサノン55部、ソ
ルベッソ−150、55部を加え、室温まで冷却し、シ
ラン変性ポリエステル樹脂a(固形分30%)を得た。
詳細変性組成比と樹脂中のアルコキシシラン基の含有量
を表2に示す。なお、樹脂中のアルコキシシラン基の含
有量はシランカップリング剤の仕込み量より計算して求
めた。
【0038】〔シラン変性ポリエステル樹脂b〕ポリエ
ステル樹脂B100部、シクロヘキサノンを60部、ソ
ルベッソ−150、60部をフラスコに仕込み、90℃
に加熱し溶解する。これを50℃まで冷却した後、KB
M−403[信越化学工業(株)製、エポキシ基含有シ
ランカップリング剤](化合物名:γ−グリシドキシト
リメトキシシラン)4.2部、オルト珪酸エチル20部
を加える。このときこの混合物を採取し、初期酸価を測
定する。次にトリフェニルフォスフィン0.5部を加
え、再度80℃に加熱し、8時間攪拌する。再度反応混
合物を採取し初期酸価の50〜100%を消費している
ことを確認の後、シクロヘキサノン55部、ソルベッソ
−150、55部を加え、室温まで冷却し、シラン変性
ポリエステル樹脂b(固形分30%)を得た。詳細変性
組成比と分子中のアルコキシシラン基の含有量を表2に
示す。樹脂中のアルコキシシラン基の含有量は上記と同
様にして求めた。
【0039】〔シラン変性ポリエステル樹脂c、d〕シ
ラン変性ポリエステル樹脂aまたはbと同様にして、表
2に示す変性比のシラン変性ポリエステル樹脂c、dを
合成した。詳細変性組成比と分子中のアルコキシシラン
基の含有量を表2に示す。樹脂中のアルコキシシラン基
の含有量は上記と同様にして求めた。
【0040】〔シラン変性エポキシ樹脂e〕エピコート
1004(油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノー
ル−A型エポキシ樹脂、数平均分子量=約1,500〜
2,000)100部、シクロヘキサノン60部、ソル
ベッソ−150、60部をフラスコに仕込み、80℃に
加熱し溶解する。これを50℃まで冷却した後、A−1
100[日本ユニカー(株)製、アミン基含有シランカ
ップリング剤](化合物名:γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン)24部を加え、50℃のまま4時間攪拌
する。これにシクロヘキサノン55部、ソルベッソ−1
50、55部を加え、シラン変性エポキシ樹脂樹脂eを
得た。詳細変性組成比と分子中のアルコキシシラン基の
含有量を表2に示す。樹脂中のアルコキシシラン基の含
有量は上記と同様にして求めた。
【0041】
【表2】
【0042】 *1:ビスフェノール−A型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ(株)製) *2:イソシアネート系シランカップリング剤(日本ユ
ニカー(株)製) *3:エポキシ系シランカップリング剤(信越化学工業
(株)製) *4:アミン系シランカップリング剤(日本ユニカー
(株)製)
【0043】溶剤置換によるシリコーン樹脂溶液の調製 AP−133[日本ユニカー(株)製、シリコン樹脂エ
タノール溶液]200部、シクロヘキサノン50部をナ
ス型フラスコに入れ、これをロータリーエバポレータに
てエタノールを留去した。これを溶液がおよそ50部と
なったところで止め、これをシリコーン樹脂溶液として
実施例において使用した。加熱残分は25%であった。
シリコーン樹脂中のシラノール基含有量は4〜10〔e
q/モル・分子〕である。
【0044】(実施例1)ポリエステル樹脂Aをシクロ
ヘキサノン/ソルベッソ−150=1/1溶媒に固形分
40%として溶解したもの100部に前記のシリコーン
樹脂溶液30部、スミマールM−40S(住友化学
(株)製、メラミン樹脂)10部、p−トルエンスルホ
ン酸0.14部、シクロヘキサノン20部、ソルベッソ
−150、20部をそれぞれ加え、本発明の塗料組成物
1を得た。詳細配合比は表3に示す。
【0045】(実施例2〜4)実施例1と同様な方法で
実施例2〜4の塗料組成物2〜4を得た。詳細配合比は
表3に示す。
【0046】(実施例5)シラン変性ポリエステル樹脂
b106部、シクロヘキサノン/ソルベッソ−150=
1/1溶媒で固形分40%としたポリエステル樹脂A2
0部、LFボウセイPM−303W[キクチカラー
(株)製、リンモリブデン酸アルミニウム系防錆顔料]
20部、シクロヘキサノン20部、ソルベッソ−15
0、20部、ガラスビーズ(φ2〜3mm)80部をそ
れぞれ加え、ペイントシェーカーにて6時間振盪し、顔
料分散した。これに、前記したシリコーン樹脂溶液15
部、スミマールM−40S(住友化学(株)製、メラミ
ン樹脂)10部、p−トルエンスルホン酸0.1部を加
え、再度30分ペイントシェーカーにて振盪し、本発明
の塗料組成物5を得た。詳細配合比は表3に示す。
【0047】(実施例6〜8)実施例5と同様な方法で
実施例6〜8の塗料組成物6〜8を得た。詳細配合比は
表3に示す。
【0048】(比較例1、2)実施例1と同様な方法で
比較例1、2の塗料組成物1、2を得た。詳細配合比は
表3に示す。
【表3】
【0049】 *1:ビスフェノール−A型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ(株)製) *2:反応性シラノール基含有シリコーン樹脂(日本ユ
ニカー(株)製) *3:完全アルキル基型メチル化メラミン樹脂(住友化
学(株)製) *4:ブロックイソシアネート化合物(日本ポリウレタ
ン(株)製) *5:p−トルエンスルホン酸 *6:ジブチルスズジラウレート *7:トリフェニルフォスフィン *8:リンモリブデン酸アルミニウム系防錆顔料(キク
チカラー(株)製) *9:トリポリリン酸アルミニウム系防錆顔料(テイカ
(株)製) *10:酸化チタン(石原産業(株)製)
【0050】表3における数値は重量部(固形分)であ
る。実施例1、2、4、5、7、8は有機樹脂(A)と
シラノール基および/またはアルコキシシラン基を分子
中に有する樹脂(B)の合計量を100重量部とした時
の換算値である。
【0051】前記実施例および比較例で得た塗料組成物
について、以下に示す塗膜性能試験を行った。
【0052】「塗膜試験用ホワイト塗料の調製」ポリエ
ステル樹脂Eをシクロヘキサノン/ソルベッソ−150
=1/1溶媒に固形分40%として溶解したもの100
部、CR−93[石原産業(株)製、酸化チタン]40
部、シクロヘキサノン20部、ソルベッソ−150、2
0部、ガラスビーズ(φ2〜3mm)80部をそれぞれ
加え、ペイントシェーカーにて6時間振盪し、顔料分散
した。これに、スミマールM−40S(住友化学(株)
製、メラミン樹脂)12.5部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸0.3部を加え、再度30分ペイントシェーカー
にて振盪し、塗膜試験用ホワイト塗料を得た。
【0053】「塗膜性能試験用塗装板の調製」クロメー
ト処理または未処理の厚さ0.7mmの亜鉛メッキ鋼板
(亜鉛目付量60g/m2 )に前記実施例および比較例
で得た塗料組成物を乾燥膜厚が約4〜6ミクロンとなる
ようにバーコーターで塗布し、素材到達最高温度(PM
T)が220℃となるように60秒焼き付けた。ついで
この塗膜上に前記調製した塗膜試験用ホワイト塗料をバ
ーコーターにて膜厚が15〜20ミクロンとなるように
塗装し、素材到達最高温度(PMT)が230℃となる
ように60秒焼き付けた。この塗装板を各種塗膜性能試
験に使用した。
【0054】「耐塩水噴霧性試験」前記塗装板を80×
100mmの大きさに切断した後、これの150mmの
辺の二辺を表面側と裏面側から切断して下バリ、上バリ
を有する端面を形成した。切断後の塗板の大きさは70
×150mmとなった。更にこの塗板のほぼ中央部に素
地に到達するクロスカットをカッターナイフで入れ、更
に70mmの辺に平行に端部から10mmの位置で折り
曲げ2T加工部を形成した。こうして得た試験板をJI
SZ−2371に準じて塩水噴霧試験に使用した。試験
時間を500時間とし、端面部、およびクロスカット部
については平均の膨れ、めくれ幅を評価した。2T加工
部については下記評価基準に従って評価を行った。 ◎:錆、膨れの発生が認められない。 ○:白錆、膨れの発生がわずかに認められる。 △:白錆、膨れの発生がかなり認められる。 ×:白錆の発生が著しく、塗膜剥離が生じている。
【0055】「耐沸水性試験」前記塗装板を70×10
0mmに切断し、更に70mmの辺に平行に端部から1
0mmの位置で折り曲げ2T加工部を形成した。これを
約100℃の沸騰したイオン交換水中に2時間浸漬した
後、引き上げて塗面と加工部の状態を下記評価基準に従
って目視評価した。 ◎:異常は認められない。 ○:微少な膨れがわずかに発生。 △:膨れがかなり認められる。 ×:膨れが全体に著しく発生。
【0056】「加工性」前記塗装板を70×100mm
に切断し、20℃の室温において塗面側を外側にして万
力で180°折り曲げ、その折り曲げ部分にワレが発生
しないT数を表示した。T数とは折り曲げ部分の内側に
試験板と同じ厚さの板をはさみ、180°折り曲げた際
にワレを生じない最小の枚数のことであり、数が小さい
ほど加工性に優れる塗膜である。例えば、何もはさまな
いときにワレが無ければ0T、1枚であれば1T、2枚
であれば2Tである。
【0057】以下の表4がクロメート処理亜鉛メッキ鋼
板の試験結果であり、表5が未処理の亜鉛メッキ鋼板の
試験結果である。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明の塗料組成物によれば、含有樹脂が有機ポリマーを主
体とし、かつ、シラノール基および/またはアルコキシ
シラン基を含んでいるので、適度な柔軟性を有しなが
ら、シラノール基および/またはアルコキシシラン基に
よって金属表面に高い塗着力で塗着し、欠損(剥がれ)
や割れが生じにくい塗膜を得ることができる。また、塗
膜と金属表面間に−Si−O−(シロキサン結合)によ
る架橋構造が形成され、腐食原因物質の透過も効果的に
抑制される。従って、防錆性に優れるが、毒性を有する
クロム、鉛系の防錆顔料を含まずとも耐食性(防錆性)
に優れた塗膜を得ることができる。
【0061】特に、架橋剤を適量配合して塗膜中に3次
元網状の架橋構造を導入することにより、塗膜の欠損
(剥がれ)や割れがより生じにくく、しかも、腐食原因
物質の透過の抑止効果がさらに向上し、塗膜の加工性、
塗膜の屈曲部や切断端面における耐食性(耐沸水性)が
更に向上する。
【0062】本発明の塗料組成物を塗装してなる塗装金
属板は折り曲げ加工等の加工性に優れ、しかも、加工後
も良好な耐食性が得られるものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 稔 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 村田 昌樹 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4J038 CA021 CA022 CB031 CB032 CB091 CB092 CD091 CD092 CF001 CF002 CG141 CG142 CG161 CG162 DA061 DA062 DA132 DB001 DB002 DD001 DD002 DE001 DE002 DG001 DG002 DG262 DH001 DH002 DJ021 DJ022 DL031 DL032 DL051 DL052 GA15 JA69 KA03 NA03 NA11 NA12 PB02 PB05 PB07 PB09 PC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂を含有する塗料組成物であって、樹
    脂が有機樹脂(A)とシラノール基および/またはアル
    コキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)とからなる
    塗料組成物。
  2. 【請求項2】 有機樹脂(A)とシラノール基および/
    またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)
    の少なくとも一方と反応し得る架橋剤(C)が配合され
    ている請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 有機樹脂(A)とシラノール基および/
    またはアルコキシシラン基を分子中に有する樹脂(B)
    の配合比(A/B)が99/1〜1/99[重量比]で
    ある請求項1または2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 架橋剤(C)の有機樹脂(A)とシラノ
    ール基および/またはアルコキシシラン基を分子中に有
    する樹脂(B)の合計配合量に対する配合比((A+
    B)/C)が95/5〜60/40[重量比]である請
    求項2または3記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 シラノール基および/またはアルコキシ
    シラン基を分子中に有する樹脂(B)がシリコーン樹
    脂、シランカップリング剤の縮合体およびシラン変性有
    機樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4
    のいずれかに記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 架橋剤(C)がアミノ樹脂、イソシアネ
    ート化合物およびエポキシ化合物から選ばれる少なくと
    も1種である請求項2〜5のいずれかに記載の塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】 樹脂を含有する塗料組成物であって、樹
    脂がシラン変性有機樹脂(D)からなる塗料組成物。
  8. 【請求項8】 シラン変性有機樹脂(D)と反応し得る
    架橋剤(E)が配合されている請求項7記載の塗料組成
    物。
  9. 【請求項9】 シラン変性有機樹脂(D)と架橋剤
    (E)の配合比(D/E)が95/5〜60/40[重
    量比]である請求項7または8記載の塗料組成物。
  10. 【請求項10】 架橋剤(E)がアミノ樹脂、イソシア
    ネート化合物およびエポキシ化合物から選ばれる少なく
    とも1種である請求項8または9記載の塗料組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の塗
    料組成物を塗装してなる塗装金属板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100848671B1 (ko) * 2006-12-01 2008-07-28 아벨테크노(주) 수계 방식 도료용 조성물 및 이를 이용한 복합 도금층의형성 방법
JP2012125682A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Nisshin Steel Co Ltd 塗装ステンレス鋼板およびその製造方法
US8415010B2 (en) 2008-10-20 2013-04-09 Molecular Imprints, Inc. Nano-imprint lithography stack with enhanced adhesion between silicon-containing and non-silicon containing layers

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