JP2848530B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JP2848530B2
JP2848530B2 JP1052975A JP5297589A JP2848530B2 JP 2848530 B2 JP2848530 B2 JP 2848530B2 JP 1052975 A JP1052975 A JP 1052975A JP 5297589 A JP5297589 A JP 5297589A JP 2848530 B2 JP2848530 B2 JP 2848530B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は塗料用樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、
光沢、平滑性、鮮映性などの仕上がり外観や耐汚染性、
耐溶剤性などの性能にすぐれ、しかも、低温塗膜物性、
柔軟性、付着性、硬化性、耐薬品性、および耐候性など
の物性にもすぐれた塗膜を形成しうる、特にプラスチツ
ク用塗料として有用な樹脂組成物に関する。
従来技術とその課題 近年、燃費低減、安全対策、防錆効果およびスタイリ
ングの自由度が大きいなどの理由により、自動車の外板
や部品においてプラスチツク化が進み、バンパー、フエ
イシヤ、フエンダー、ドアおよびトランクの一部もしく
は全部がプラスチツクに代替されつつある。これらのプ
ラスチツクとしてRIMPU(Reaction Injection Molding
Poly Urethane)、ポリプロピレン、ポリカーボネート
などが用いられており、そして、これらのプラスチツク
成型品の表面には美粧と保護のために塗料が塗装されて
いる。
このようなプラスチツクを塗装するための塗料とし
て、例えば、ポリエステルポリオール(脂肪酸を含まな
い)とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られ
るウレタン変性ポリエステル樹脂、又はアルキド樹脂
(脂肪酸を含む)を同様に編成して得られるウレタン変
性アルキド樹脂を基体樹脂とし、これにアミノ樹脂を架
橋剤として配合してなる組成物を主成分とする塗料が、
付着性および柔軟性などのすぐれた塗膜を形成するので
広く用いられている。
しかし、これらの組成物の性能について検討を行なつ
たところ、ウレタン変性ポリエステル樹脂を用いた塗料
では仕上がり外観などが、そしてウレタン変性アルキド
樹脂を用いた系では砂、ほこり、すすなどが塗面に付着
して汚染しやすく、しかも耐溶剤性などが不十分である
ことが判明した。これらの欠陥は、美粧性などが重要視
される前記自動車外板に塗装する塗料において重大であ
り、早急に解決されることが望まれる。
課題を解決するための手段 本発明者等は上記欠陥を解消するために鋭意研究を行
なつた。その結果、1分子中に2個のカルボキシル基を
有する2量耐脂肪酸を用いて脂肪酸を樹脂主骨格(側鎖
ではない)中に有せしめてなるアルキド樹脂にジイソシ
アネート化合物を反応させて得られるウレタン変性アル
キド樹脂に架橋剤を配合した樹脂組成物を用いることに
より、前記従来のウレタン変性樹脂が有する欠陥、すな
わち、仕上がり外観、耐汚染性、耐溶剤性などをすべて
解消できることを見い出し、本発明を完成した。
かくして、本発明によれば、ヨウ素価が90以下で且つ
2両耐脂肪酸含有率が75重量%以上である重合脂肪酸を
5〜50重量%含有するアルキド樹脂をジイソシアネート
化合物で変性してなるウレタン変性アルキド樹脂と架橋
剤とを主成分として含有することを特徴とする塗料用樹
脂組成物が提供される。
本発明によればまた、上記塗料用樹脂組成物を主成分
として含有することを特徴とするプラスチツク用塗料組
成物が提供される。
本発明の塗料用樹脂組成物(以下、「本組成物」と略
称することがある)におけるウレタン変性アルキド樹脂
は、2量耐脂肪酸を用いて樹脂主骨格(主鎖)中に重合
脂肪酸を導入したアルキド樹脂にジイソシアネート化合
物を反応せしめてなる樹脂である。
該アルキド樹脂を得るために用いうる重合脂肪酸とし
ては、ヨウ素価が90以下で且つ2量体脂肪酸の含有率が
75重量%以上のものが使用され、このものは例えば、カ
ルボキシル基以外の炭素数の合計が15〜22個、好ましく
は17個であり、かつ、1分子中に、炭素−炭素2重結合
を1個以上、好ましくは1〜3個及びカルボキシル基を
1個それぞれ同時に含有する不飽和脂肪酸を重合せしめ
ることによつて得られる。この重合反応は、該脂肪酸が
それぞれ有している炭素−炭素2重係合部分を利用して
行なうことができ、その重合はそれ自体既知のラジカル
重合法を用いて行なうことができる。
本発明で用いる重合脂肪酸は、上記不飽和脂肪酸が2
分子重合してなる2量体脂肪酸を75重量%以上、好まし
くは95重量%以上含有していることが必要である。該重
合脂肪酸は、2量体脂肪酸以外に、重合していない不飽
和脂肪酸単量体および/または3分子以上重合してなる
多量体脂肪酸を合計で25重量%以下、好ましくは5重量
%以下の範囲で含有してもさしつかえないが、2量体脂
肪酸の含有率が75重量%より少なくなり、多量体が多く
なると、ゲル化が生じたり増粘しやすくなり、さらに高
分子量化のために仕上がり外観も低下し、また、重合し
ていない脂肪酸単量体が多くなると耐汚染性や耐溶剤性
が低下するので好ましくない。
さらに、該重合脂肪酸は、そのヨウ素価が90以下、好
ましくは50以下、特に25以下であることができ、ヨウ素
価が90より大きくなると一般に形成される塗膜の耐候性
が低下する傾向がある。重合脂肪酸のヨウ素価の調整は
それ自体既知の方法により、例えば、上記の如くして得
られる重合脂肪酸の水素添加などによつて容易に行なう
ことができる。
かかる特性をもつ重合脂肪酸の調製のために使用しう
る不飽和脂肪酸としては、例えば、パルミトレイン酸、
オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リルン酸、エ
レオステアリン酸、リカン酸、ガドレン酸、アラキドン
酸、エルカ酸、クルパノドン酸などがあげられる。
本発明で用いるウレタン変性前のアルキド樹脂は、上
記重合脂肪酸、酸成分の一部とし、これと多塩基酸及び
多価アルコールを反応させることにより得られ、さらに
必要に応じて、これら以外に、例えば一塩基酸、一価ア
ルコールおよび1分子中にカルボキシル基と水酸基の両
方を含むヒドロキシカルボン酸から選ばれる一種以上を
適宜反応させることもできる。
まず、前記重合脂肪酸と共に酸成分として使用される
多塩基酸はポリエステルやアルキド樹脂の製造に際して
通常用いられる1分子中にカルボキシル基を2個以上有
する化合物(ただし、前記重合脂肪酸は除かれる)であ
り、このような多塩基酸としては例えば、フタール酸、
イソフタル酸、テレフタール酸、トリメリツト酸、ピロ
メリツト酸、テトラクロロフタール酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4′−ジフエニルメタンジカルボン酸など
の芳香族多塩基酸;テトラヒドロフタール酸、テトラヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタール酸、ヘキ
サヒドロテレフタール酸、ヘキサヒドロトリメリツト
酸、シクロヘキサントテトラカルボン酸、メチルテトラ
ヒドロフタール酸、メチルヘキサヒドロフタール酸、エ
ンドメチレンヘキサヒドロフタール酸、メチルエントメ
チレンテトラヒドロフタール酸などの脂肪族多塩基酸;
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バチン酸、ドデカンジカルボン酸、スベリン酸、ピメリ
ン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの飽和
及び不飽和脂肪族多塩基酸;などがあげられる。また、
上記の多塩基酸の無水物及びこれらのエステル形成性反
応性誘導体例えばジアルキルエステル(特にジメチルエ
ステル)も多塩基酸成分として用いることができる。
一方、多価アルコールはポリエステルやアルキド脂肪
の製造に際して通常用いられる1分子中に水酸基を2個
以上含む化合物であり、例えば2価アルコール類とし
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3
−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピヴ
アリン酸ネオペンチルグリコールエステルなどのグリコ
ール類や;ビスヒドロキシエチルテレフタレート、(水
添)ビスフエノールAのアルキレンオキサイド付加物な
どのような水酸基含有化合物があげられる。また、カー
ジユラE10(シエル化学(株)商品)、α−オレフイン
エポキシド及びポリアルキレンオキサイド(例えばプロ
ピレンオキサイドやブチレンオキサイドなど)のような
モノエポキシ化合物;グリコールにε−カプロラクトン
のようなラクトン類を付加したポリカプロラクトンジオ
ール;も多価アルコール成分として使用できる。さら
に、多価アルコールとして、3価以上の多価アルコール
類例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げ
られ、さらにこれらの3価以上の多価アルコールにε−
カプロラクトンを付加させたポリカプロラクトンポリオ
ールや、分子内にエポキシ基を2個以上含むものも3価
以上の多価アルコールとして使用できる。
また、必要に応じて用いることのできる−塩基酸とし
ては例えば、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、アビ
エチン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが挙げられ、
これらは性能を劣化させない範囲で使用できる。さらに
1分子中にカルボキシル基と水酸基を有するヒドロキシ
カルボン酸として例えば、ジメチロールプロピオン酸、
ピバリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸や;さらにε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン
などのラクトン類のような環状エステル化合物が挙げら
れる。
以上に述べた重合脂肪酸、酸成分及びアルコール成分
からのアルキド樹脂の調製は、それ自体既知の方法を用
いて行なうことができ、例えば前記のアルコール成分、
重合脂肪酸及び酸成分を反応容器に仕込み、200〜250℃
の温度で縮合重合させ、反応中に生成する縮合水を系外
に留去しながら樹脂化を進め、この間、粘度、酸価等を
測定し、目的の粘度、酸価に達したら反応を終了するこ
とにより行なうことができる。
上記の如くして製造されるアルキド樹脂の重合脂肪酸
の含有率は5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%の範
囲内にあることができる。ここでアルキド樹脂中の重合
脂肪酸の含有率(%)は次式 によつて算出される。上記重合脂肪酸の含有率が5重量
%より少なくなると、一般に塗面の仕上がり外観が低下
しやすく、一方50重量%より多くなると塗膜が軟化し、
ホコリやゴミなどが付着しやすく耐汚染性が劣る傾向が
みられるので、いずれも好ましくない。
また、該アルキド樹脂は、その樹脂骨格中にp−シク
ロヘキサン環を含有していることが、塗膜のたわみ性や
柔軟性を低下させることなく、硬化性を向上させる上で
有利である。ここでp−シクロヘキサン環は式 で示される脂環式環であり、その含有率は次式 によつて算出される。本発明で用いるアルキド樹脂中の
p−シクロヘキサン環の含有率は一般に45重量%以下、
特に8〜35重量%の範囲内が好適である。p−シクロヘ
キサン環をアルキド樹脂中への導入は、例えばp−シク
ロヘキサン環を有する多価アルコール又は多塩基酸化合
物、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールやヘキ
サヒドロテレフタール酸などをアルコール成分又は酸成
分の一部として併用することによつて行なわれる。
該アルキド樹脂はまた一般に、50〜200、特に80〜150
の範囲内の水酸基価及び1〜40、特に3〜25の範囲内の
酸価をもつことが好適である。さらに該アルキド樹脂は
通常、1000〜20000、特に1300〜8000の範囲内の数平均
分子量をもつことが好ましい。
本発明で用いるウレタン変性アルキド樹脂は、上記ア
ルキド樹脂にジイソシアネート化合物を反応させること
によつて得られる。その際に使用しうるジイソシアネー
ト化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個有する
脂肪族系、脂環式系又は芳香族系化合物であり、次に例
示するものがあげられる。
脂肪族系ジイソシアネート類:ヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸
ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなど; 脂環式系ジイソシアネート類:イソホロンジイソシアネ
ート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、メチルシクロヘキサン2,4(又は2,6)ジイソ
シアネート、1,3−(又は1,4−)(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサンなど; 芳香族ジイソシアネート類:キシリレンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネートなど; その他:エチレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ポリアルキレングリコールのようなジオール1モル
と前述した如きジイソシアネート化合物2モルとを反応
させてなる付加物、その際ジイソシアネート化合物の一
部を、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポ
リイソシアネートに置換することもできる;ポリイソシ
アネートとしては、1,2,4−ベンゼントリイソシアネー
トおよびポリメチレンポリフエニルイソシアネートを挙
げることができる。
特に、脂肪族ジイソシアネート化合物および脂環式ジ
イソシアネート化合物は仕上げされたコーテイングにお
いて、良好な色彩安定性を与えるのでこれを用いるのが
好ましい。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、1,3−又は1,4−(イソシアネ
ートメチル)シクロヘキサンを用いるのが好ましい。
アルキド樹脂とジイソシアネート化合物(ポリイソシ
アネートも含む。以下同様)との反応は主として、アル
キド樹脂に含まれる水酸基とジイソシアネート化合物中
のイソシアネート基との間で行なわれる。両成分の使用
比率は特に制限されないが、一般には例えば、アルキド
樹脂固形分100重量部あたり、ジイソシアネート化合物
を0.5〜30重量部、特に1〜10重量部の範囲で用いるの
が好ましい。この反応はそれ自体既知の方法に基ずいて
行なうことができる。
このようにして得られるウレタン変性アルキド樹脂は
通常、30〜150、特に50〜120の範囲内の水酸基価、及び
1〜40、特に3〜25の範囲の酸価をもつことが好まし
い。
本組成物において、上記ウレタン変性アルキド樹脂と
共に用いる架橋剤としては、分子中にイソシアネート基
と塗膜の焼付温度において縮合反応しうる官能基をもつ
物質、例えば、アミノ樹脂およびブロツクポリイソシア
ネート化合物が特に好適である。該アミノ樹脂には、メ
ラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、
ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミ
ド等とアルデヒドとの反応によって製造されるものが包
含されているが、さらにそれをアルコールで変性したも
のが好ましい。このアミノ樹脂の製造に用いられるアル
デヒドとしては、ホルムアルデヒドパラホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙られ
る。また変性に用いうるアルコールの例としては、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、i−ブチルアコール、2−エチルブタノール、2−
エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、ラウリルア
ルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メ
チルセロソルブ)、エチレングリコールエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチル
エーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル(メチルカルビトール)、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル(エチルカルビトー
ル)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチ
ルカルビトール)などが挙げられる。アミノ樹脂として
ヘキサメトキシメチルメラミンやそのメトキシ基の一部
をC4以上のアルコールで置換したメラミン樹脂を用いる
ときは、例えばp−トルエンスルホン酸のような常用の
硬化触媒を添加することが好ましい。
一方、ブロツクポリイソシアネート化合物は、前記し
たジイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロツ
ク剤で一時的に閉鎖したものであつて、解離温度以上
(例えば、塗膜の焼付温度)に加熱するとブロツク剤が
解離してイソシアネート基が再生し、これがウレタン変
性アルキド樹脂と架橋反応するものである。そのような
ブロツク剤としては、例えば、フエノール系、アルコー
ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、
イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバ
ミン酸塩系、イミン系、オキシム系、ラクタム系などの
化合物があげられる。より具体的には、フエノール系ブ
ロツク剤としてはフエノール、クレゾール、キシレノー
ルなど;アルコール系ブロツク剤としてはメタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリ
コール、メチルセロソルブ、など;活性メチレン系ブロ
ツク剤としてはマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、
アセト酢酸エチルなど;メルカプタン系ブロツク剤とし
てはブチルメルカプタン、チオフエノール、tert−ドゼ
シルメルカプタンなど;酸アミド系ブロツク剤としては
アセトアリニド、アセトアニシジド、酢酸アミドなど;
イミド系ブロツク剤としてはコハク酸イミド、マレイン
酸イミドなど;アミン系ブロツク剤としてはジフエニル
アミン、フエニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾ
ールなど;イミダゾール系ブロツク剤としてはイミダゾ
ール、2エチルイミダゾールなど;尿素系ブロツク剤と
しては尿素、チオ尿素、エチレン尿素など;カルバミン
酸塩系ブロツク剤としてはN−フエニルカルバミン酸フ
エニル、2−オキサゾリドンなど;イミン系ブロツク剤
としてはエチレンイミンなど;オキシム系ブロツク剤と
してはホルムアルドキシム、アセトアルドオキシム、メ
チルエチルケトオキシム、シクロヘキサノオキシムな
ど;ラクタム系ブロツク剤としてはε−カプロラクタ
ム;その他亜硫酸塩系ブロツク剤として重亜硫酸ソー
ダ、重亜硫酸カリなどがそれぞれ挙げられる。
また、本発明では、ブロツクしていないジイソシアネ
ート化合物も架橋剤として使用することができる。
ウレタン変性アルキド樹脂と架橋剤との配合割合は、
目的に応じ塗膜に要求される性能等によつて任意に選択
できるが、一般には、両成分の合計固型分重量比にもと
ずいて、前者が50〜95%、特に60〜90%、後者が50〜5
%、特に40〜10%の範囲が適している。
本組成物は上記のウレタン変性アルキド樹脂および架
橋剤を主成分とするものであり、これらは好適には有機
溶剤に溶解もしくは分散せしめて使用される。有機溶剤
としては、たとえば、トルエン、キシレンなどの芳香族
溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン系溶剤;酢酸n−ブチル、酢酸エチルなどの
エステル系溶剤;メタノール、n−ブタノールなどのア
ルコール系溶剤;エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
(セロソルブアセテート)、などのセロソルブ系溶剤;
エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトー
ルアセテート)などのカルビトール系溶剤;ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素系溶剤;
ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水
素系溶剤;その他、エーテル系溶剤、石油系溶剤、ミネ
ラルスピリツトなどから選ばれる1種又は2種以上の溶
剤が用いられる。
さらに、本組成物には、また通常の顔料分散方法によ
り顔料を配合しうる。その顔料の例としては、金属の酸
化物および水酸化物、クロム酸塩、ケイ酸塩、硫化物、
硫酸塩、炭酸塩などの無機顔料や、各種の有機顔料、カ
ーボンブラツク、各種メタリツクフレークなどの通常の
塗料に用いられている顔料が挙げられる。しかし、本組
成物は顔料を配合しない透明塗料組成物としてももちろ
ん使用しうる。さらに、本組成物には、所望に応じて、
可塑剤又は可塑性樹脂、塗膜強化用樹脂、分散剤、塗面
調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、
酸化防止剤、架橋反応促進剤、架橋反応抑制剤などの既
知の各種添加剤を加えることもできる。
上記のウレタン変性アルキド樹脂、架橋剤、顔料、添
加剤等を用いて塗料を製造する方法は、従来と同様な装
置及び工程によつて行なうことができる。たとえばボー
ルミル、サンドミル、ロールミルなどの適当な分散機を
使用し、バインダーと溶剤の混液で顔料ペーストを作成
し、ついで必要な成分をさらに添加して、デイスパーな
どで均一に懇話する方法で塗料化することができる。塗
料の形態は、1コート仕上げ用のエナメルでもよく、下
塗り(プライマー)、中塗り、上塗り(エナメル)と分
けて任意の顔料組成をとり、それぞれ製造してもよい。
本組成物を用いる塗装方法は該組成物を溶剤で塗装に
適当な粘度に希釈し、エアスプレー機、エアレススプレ
ー機、各種静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ、な
どにより常温または加温して塗装することができる。塗
装後加熱により塗膜を架橋硬化させることができるが、
その加熱条件としては、たとえば50〜180℃で1〜100分
間の範囲内で適当な温度・時間条件を選べばよい。
本組成物は前記したプラスチツクをはじめ、各種金
属、既塗装表面、木質材、無機質材などの塗装に適用す
ることができ、特に、高温に加熱することなしに硬化塗
膜を形成し、仕上がり外観、耐汚染性、耐溶剤性および
柔軟性などが良好であるために、自動車用プラスチツク
の塗装に供するのが最も望ましい。
本組成物を用いて形成される塗膜は、従来用いられて
いた前記の如き樹脂が有している欠陥をすべて解消で
き、光沢、平滑性並びに鮮映性などの仕上がり外観、耐
溶剤性および耐汚染性などが著しくすぐれており、しか
も、低温塗膜物性、柔軟性、付着性、硬化性、耐薬品性
および耐候性なども良好である。また、柔軟性や可とう
性、弾力性にすぐれていると同時に塗面が硬質であると
いう相反する性能を県美している等の特性を有してい
る。
次に、本発明の実施例および比較例について説明す
る。なお、部および%はことわらない限り重量にもとず
くものである。
I.ウレタン変性アルキド樹脂の製造例 ウレタン変性アルキド樹脂(A): 加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔およ
び温度計を備えたアルキド樹脂用反応装置に、トリメチ
ロールプロパン9.5部、1,6−ヘキサンジオール21.0部、
1,4−シクロヘキサンジメタノール9.2部、イソフタル酸
16.5部、ヘキサヒドロテレフタル酸13.0部、アジピン酸
5.5部および重合脂肪酸(注125.3部を仕込み、次いで23
0℃に加熱し、同温度において酸価が7になるまで反応
を行なう。次いで、冷却後、キシレンを加えて固形分70
%のアルキド樹脂溶液を得た。
その後、該樹脂固形分100部あたり、イソホロンジイ
ソシアネート7.3部およびメチルエチルケトン10.8部を
加え、60℃においてイソシアネート価が0(ゼロ)にな
るまで反応を行なつてから、n−ブタノール10部加え、
室温に冷却してウレタン変性アルキド樹脂60%溶液を得
た。
(注1)重合脂肪酸:PRIPOL1009(Unichema Internatio
nal製商品名)、ヨウ素価5、2量体脂肪酸含有量99重
量%。
ウレタン変性アルキド樹脂(B)〜(H): 第1表に示す成分を用いて、上記に準じて製造し
た。
このうち、(D)〜(H)は比較例用である。これら
はいずれも60%溶液にした。
II.実施例および比較例 上記製造例で得たウレタン変性アルキド樹脂(A)〜
(H)を用いて本組成物を製造した。配合は下記のとお
りである。
本組成物の配合: ウレタン変性アルキド樹脂60%溶液 116部 アミノ樹脂溶液(注4) 50部ルチル型チタン白顔料(注5) 80部 上記成分を均一に混合・分散し、さらに樹脂固形分10
0部あたり、塗面調整剤(モダフロー、モンサント社
製)0.05部およびシリコンオイルKP−323(信越化学工
業社製)0.01部を添加し、混合溶剤(スワゾール#1000
(コスモ石油製)/キシレン/酢酸ブチル/n−ブタノー
ル=30/20/30/20重量比)で、粘度25秒(フオードカツ
プ#4/20℃)に調整した。
(注4)アミノ樹脂溶液:三井東圧化学工業製、コーバ
ン28SE、アルコール変性メラミン樹脂、60%溶液。
(注5)チタン白顔料:帝国化工製、チタン白JR−60
2。
III.性能試験結果 自動車バンバー用のリアクテイブインジエクシヨンモ
ールドポリウレタン樹脂(RIMウレタンと略す)の厚さ3
mmの板をトリクロルエタンで脱脂し、その上に揮発乾燥
型のポリウレタン樹脂プライマーを乾燥膜厚が約10ミク
ロンとなるよう塗布したものを被塗物とし、これに上記
のごとく粘度調整した本組成物を乾燥膜厚が約30μにな
るようにエアスプレーで塗装し、室温で10分間静置した
後、電気熱風式乾燥機中で100℃×30分間焼き付けて試
験用塗板を作成した。
得られた塗板の試験結果を第2表に示す。
[試験および評価方法] (1)平滑性:目視判定。○:良好、△:劣る。
(2)光沢:塗板調製直後の60度鏡面反射率。
(3)ツーコン硬度:塗板を20℃の恒温室に4時間放置
後、Americal Chain & Cable Company製のTUKON micro
hardness testerにて測定した。数値が大きくなるにし
たがつて硬質になる。
(4)低温塗膜物性:塗板を−30℃の冷凍庫に4時間置
いた後、これを直ちに塗面を外側にして直径10mmの鉄の
棒をはさんで180゜折り曲げた。屈曲部の塗膜を観察
し、ひび割れのないものを○、ひび割れの発生している
ものを×とした。
(5)耐酸性:10%硫酸水溶液0.5ccを塗面に滴下し、20
℃、75%RHで24時間放置した後、水洗して塗面を観察し
た。異常が認められないものを○とした。
(6)耐アルカリ性:5%水酸化ナトリウム水溶液0.5cc
を塗面に滴下し、20℃、75%RHで24時間放置した後、水
洗して塗面を観察した。異常が認められないものを○と
した。
(7)耐溶剤性:自動車ガソリン(日本石油会社製、日
石シルバーガソリン)をガーゼによくしめらせ、塗面の
10cmの長さを強く8往復こすつた後観察した。スリ傷お
よびツヤビケがないものを○とし、スリ傷やツヤビケの
発生が認められたものを△とした。
(8)耐湿性:塗板を50℃、100%RHの耐湿性試験箱の
中に5日間置いた後とり出し、塗面の状態を観察、評価
した。異常がないものを○とした。
(9)鮮映性:日本色彩研究所製「JCRI−GGD−166型Gd
計」を用いて測定。
(10)屋外ばくろ性:屋外に12ケ月ばくろし、塗面を水
洗した後の汚れの状態や光沢(60度鏡面反射率)を観察
した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−92364(JP,A) 特開 昭51−49298(JP,A) 特開 昭52−85296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 175/00 - 175/16 C08G 18/00 - 18/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨウ素価が90以下で且つ2量体脂肪酸含有
    率が75重量%以上である重合脂肪酸を5〜50重量%含有
    するアルキド樹脂をジイソシアネート化合物で変性して
    なるウレタン変性アルキド樹脂と架橋剤とを主成分とし
    て含有することを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の塗料用樹脂組成物を主
    成分として含有することを特徴とするプラスチツク用塗
    料組成物。
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