JP2004067927A - 淡彩色系水性中塗り塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐黄変性、耐チッピング性、意匠性に優れる塗膜を形成しうる淡彩色系水性中塗り塗料、および該塗料を用いた複層塗膜の提供。
【解決手段】水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)及び着色顔料(C)を含有し塗膜の明度指数(L値)が80以上である水性中塗り塗料であって、該硬化剤(B)がピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)であることを特徴とする淡彩色系水性中塗り塗料。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐チッピング性、耐黄変性、意匠性に優れた塗膜を形成しうる淡彩色系水性中塗り塗料、及び該中塗り塗料を使用して形成される複層塗膜に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
自動車車体の外板部は、防食及び美感の付与を目的として、通常、カチオン電着塗料による下塗り塗膜、中塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜により被覆されている。そして、自動車の走行中に路面上の小石、砂利、凍結防止剤、氷塊などを巻き上げ、これらが車体外板部に衝突して複層塗膜にキズをつけ、はなはだしくはその複層塗膜を局所的に破損・脱落せしめ、外観をそこなったり、金属素地面を露出させ、発錆、腐食する(この現象を「チッピング」という)という欠陥が生じる。
【0003】
一方、従来の塗料は有機溶剤を用いた塗料が主流であったが、有機溶剤を用いた場合には大気中に揮発する溶剤蒸気による健康や環境への影響の懸念から、自動車塗料の面でも塗料の水性化が進んでおり、自動車用の中塗り塗料においても種々の機能を付与した水性中塗り塗料が開発されている。
従来、脂肪族ポリイソシアネートの多量体、該多量体のアダクト物および脂肪族ポリイソシアネートのアダクト物などのブロック化イソシアネートによる、耐チッピング性の向上を図った水性中塗り塗料の発明として特開平8−209066号公報がある。また水性のイソシアネートを用いた水性塗料の発明として、米国特許5455297号がある。
【0004】
また、該水性中塗り塗料には、塗料安定性や塗装作業性の面から溶媒として水と水溶性有機溶剤との混合物が用いられている。しかし水溶性有機溶剤使用量は可能な限り少ない方が好ましい。
このため塗料中の有機溶剤量を低減させる低VOC化、かつ耐チッピング性に関する技術文献として、「水性ポリウレタン(PUR)樹脂の動向」(塗装と塗料、2000年10月号、P16〜27参照)があり、最近の注目度の高さが伺える。
【0005】
そこで水性中塗り塗料でも低VOC化(揮発溶剤量の低減)が強く求められ、かつさらなる耐チッピング性を有する水性中塗り塗料の開発が要求されてきた。しかし単に上記、発明等を組合せるだけでは、耐チッピング性、低VOC、耐水性、塗料安定性のバランスのとれた塗料を開発できず苦慮していた。
近年、自動車外板用複層塗膜において、光輝剤としてマイカを用いたホワイトパール塗色が主流となりつつあり、耐チッピング性を付与するために、中塗り塗料にブロック化ポリイソシアネート硬化剤が使用され、そのブロック剤としてメチルエチルケトオキシム、アルコールなどが使用されている。ブロック剤としてメチルエチルケトオキシムを使用した場合には、焼付による塗膜の黄変が問題であり、耐チッピング性を有する塗料でのホワイトパール塗色の設計は困難であった。またブロック剤としてアルコールを使用した場合には、黄変はし難いものの、ブロック剤の解離温度が高く、自動車用中塗り塗料を硬化させる温度領域では充分な硬化性を得ることはできない。
【0006】
例えば、特表平11−512772号公報には、アクリルエマルション、3,5−ジメチルピラゾールブロック剤でブロック化したブロックトイソシアネートなどを含有する白色ペイント組成物および該組成物を基板上に塗装し、120℃で45分間硬化させるコーティング試験が開示されているが、脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分とする特定のポリエステル樹脂を使用することについても、またそれにより耐チッピング性が向上することについても記載されていない。
【0007】
特開2000−26570号公報には、ヒドロキシポリエステル、ブタノンオキシム封鎖ポリイソシアネート架橋剤などを含有する透明被覆組成物に比べてヒドロキシポリエステル、3,5−ジメチルピラゾール封鎖ポリイソシアネート架橋剤などを含有する透明被覆組成物の方が基板上に塗布し、120℃、30分間焼付けて高いフィルム硬度、向上した耐溶剤性、より優れた耐腐食性を有する塗膜を形成しうることが記載されているが、脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分とする特定のポリエステル樹脂を使用することについても、またそれにより耐チッピング性が向上することについても記載されていない。
【0008】
特開2001−181568号公報には、それぞれカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリレート樹脂などのカルボキシル基含有樹脂とそれぞれ水酸基を含有するポリエステル、アクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの水酸基含有樹脂との縮合生成物、及びそれぞれ公知のブロック剤でブロックされた、水不溶性のブロックイソシアネート硬化剤と親水性変性されたブロックイソシアネート硬化剤との混合物を含む塗料が開示され、また該塗料を金属製基体に適用して、該基体上にサーフェーサー塗膜を形成する方法が開示されている。さらに、上記公報には、特に3,5−ジメチルピラゾールブロック剤は、毒性がなくかつ180℃以上の温度でも黄変しないのでブロック剤として使用するのが特に有利であると記載されている。また、上記公報には、上記水不溶性成分と親水性成分との組合せにより、結果として複層塗膜の光沢および耐ストーンチッピング性が向上することが記載されている。
【0009】
しかしながら、上記公報には、脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分として含有する特定のポリエステル樹脂を使用すること、またそれにより耐チッピング性がさらに向上することについては記載されていない。
特開平7−304843号公報には、水酸基含有ポリアクリレート樹脂およびポリエステルポリオール混合物に、1,6−ジイソシアナトヘキサンを1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチルピラゾールおよび酢酸メトキシプロピルのブロック剤混合物でブロックしたブロックポリイソシアネート架橋剤をNCO/OH当量比となるようにして得られた透明塗料について焼付操作後の熱的黄変および過燃焼操作後の熱的黄変の測定を行なったところ、ブロック剤としてブタノンオキシムを使用した場合に比べて著しく低減されることが例示されている。上記公報には、混合ブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネート架橋剤は、自動車用多層被膜のトップコート用として好適であることが記載されているが、中塗り塗料用として使用することは記載されていない。また、上記公報には、脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分として含有する特定のポリエステル樹脂を使用すること、またそれにより耐チッピング性が向上することについても記載されていない。
【0010】
特開平8−225509号公報には、3,5−ジメチルピラゾールで少くとも部分封鎖されたポリイソシアネートの製造方法が記載され、他の封鎖剤としてブタノンオキシム、1,2,4−トリアゾール、ジイソプロピルアミン、マレイン酸ジエチル、アセト酢酸エチルなどが例示されている。また、上記公報には、3,5−ジメチルピラゾールで封鎖されたラッカーポリイソシアネートは、1−成分ポリウレタン塗料に架橋剤として使用することが可能であり、ブタノンオキシムのような他の封鎖剤に比べて相当に低いコーチングの熱黄変および比較的低い約130℃の焼付温度が可能であることが記載されている。
【0011】
しかしながら、上記公報には、3,5−ジメチルピラゾールでブロックされたブロックポリイソシアネートを中塗り塗料の架橋剤として使用することについて記載されておらず、また脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分として含有する特定のポリエステル樹脂と組合せること、またそれにより耐チッピング性が向上することについても記載されていない。
【0012】
特許第3292886号公報には、水酸基及び酸基含有ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、脂環式エポキシ化合物、中和剤、顔料及び水を必須成分として含有する水性中塗り塗料が開示されており、通常の塗料に脂環式エポキシ化合物を含有させることにより、該エポキシ化合物中のエポキシ基が塩基性物質を捕捉し通常のアミノ基と水酸基との硬化反応が進行することにより塗膜の硬化性に優れ、中塗り塗膜として満足できる耐チッピング性等に優れた性能が発揮できるようになることが記載されている。
【0013】
しかしながら、上記公報には、脂環式多塩基酸、脂環式多価アルコールなどを必須成分として含有する特定のポリエステル樹脂を使用すること、またそれにより耐チッピング性が向上することについては記載されていない。また、上記公報には、ブロックポリイソシアネート硬化剤、特に3,5−ジメチルピラゾールブロック剤でブロックされたブロックポリイソシアネート硬化剤の使用についても、またそれにより耐黄変性などが向上することについても記載されていない。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、耐チッピング性、耐黄変性、意匠性に優れる水性中塗り塗料を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)及び着色顔料(C)を含有し塗膜の明度指数(L値)が80以上である水性中塗り塗料であって、該硬化剤(B)がピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)であることを特徴とする淡彩色系水性中塗り塗料を提供する。
【0015】
上記明度指数(L値)は、JIS Z 8722の記載に従って、標準光C、光電色彩計(日本電色工業株式会社製、Z−1001DP型測色色差計)を用い、刺激値直読方法により、XYZ表色系の刺激値Yを求め、照明及び受光の幾何学的条件としては、JIS Z 8722の4.3.1項に記載の条件dを採用し、求められた刺激値Yから、JIS Z 8730(1980)に記載の式;L=10Y1/2により、算出される値である。L値が大きい程白色度が高いと評価される。
【0016】
本発明で使用される硬化剤(B)は、また、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)とピラゾールブロック剤以外のその他のブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)、水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)及びメラミン樹脂硬化剤(B)から選ばれる少くとも1種の硬化剤との混合物である。
【0017】
本発明におけるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)は、好ましくは、3,5−ジメチルピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤である。
本発明におけるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)、(B)または(B)を構成するポリイソシアネートは、好ましくは、脂肪族系ポリイソシアネート又は脂環族系ポリイソシアネートである。
【0018】
本発明の水性中塗り塗料は、好ましくは、さらに体質顔料(D)及びウレタンエマルション(E)を含有する。
本発明は、また、順次被塗物にカチオン電着塗料を塗装し、上記水性中塗り塗料を塗装し、硬化又は硬化することなく、上塗り塗料を1層以上塗装して形成される複層塗膜を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水性中塗り塗料、及び複層塗膜について詳細に説明する。
水酸基含有樹脂(A)は、少なくとも1つの活性水素含有化合物、例えば、アルコール類、アミン類、ポリヒドロキシポリエステル類、ポリラクトン類、ヒドロキシポリカーボネート類、ポリチオエーテル類、ポリアセタール類、ポリエーテルエステル類、ポリエステルアミド類およびポリアミド−ポリアミン樹脂、例えば、二量化脂肪酸および脂肪酸ポリアミドより得られる生成物から選択されるものが含まれ、この活性水素原子を含有する化合物は、カルボン酸基および水酸基を含有するアクリル樹脂、水分散性のポリエステルまたはポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、3級アミン基を含有するヒドロキシアクリル樹脂、あるいはこれらの多量体であることが好ましい。
【0020】
また水酸基含有ポリエステル樹脂は、脂環式多塩基酸(a)およびその他の多塩基酸(a)から選ばれる少くとも1種の多塩基酸と脂環式多価アルコール(a)およびその他の多価アルコール(a)から選ばれる少くとも1種の多価アルコールとを必須成分として含有するポリエステル樹脂(A)であり、好ましくは、脂環式多塩基酸(a)及び/又は脂環式多価アルコール(a)、その他の多塩基酸(a)及びその他の多価アルコール(a)を必須成分とするポリエステル樹脂(A)を用いることもできる。
【0021】
上記脂環式多塩基酸(a)は、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、及びこれらの無水物などが挙げられる。
【0022】
その他の多塩基酸(a)は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの無水物などが挙げられる。
【0023】
脂環式多価アルコール(a)は、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上の水酸基とを有する化合物であり、例えば、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカンなどが挙げられる。
【0024】
その他の多価アルコール(a)のうち、1分子中に2個の水酸基を有する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルなどのグリコール類、これらのグリコール類にε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのポリエステルジオール類。
【0025】
その他の多価アルコール(a)のうち、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。
【0026】
ポリエステル樹脂(A)における脂環式多塩基酸(a)及び/又は脂環式多価アルコール(a)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)を構成するモノマーの固形分合計に対し20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%の範囲がよい。
脂環式多塩基酸(a)及び/又は脂環式多価アルコール(a)の含有量が20重量%未満では、耐チッピング性の向上に効果がなく、また70重量%を越えると耐候性が低下する。
【0027】
上記、脂環式多塩基酸(a)、その他の多塩基酸(a)、脂環式多価アルコール(a)及びその他の多価アルコール(a)を反応させてなるポリエステル樹脂(A)または(A)の重量平均分子量は1,000〜1000,000、好ましくは2,000〜10,000、水酸基価は30〜200mgKOH/g、好ましくは50〜180mgKOH/gの範囲、酸価は5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜60mgKOH/gの範囲内が適している。
【0028】
本発明における水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有重合性単量体、及びアクリル系単量体を含有する重合性単量体成分を通常の条件で共重合せしめることによって製造でき、その数平均分子量は1000〜50000、特に2000〜20000、水酸基価は20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/g、酸価は3〜100mgKOH/g、特に20〜70mgKOH/gが好ましい。
【0029】
水酸基含有重合性単量体は1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物などがあげられる。また、アクリル系単量体は(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物であり、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどがあげられる。
【0030】
本発明において、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、については樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化した、いわゆるウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂を併用してもよい。
ウレタン変性水酸基含有ポリエステル樹脂は、水酸基含有ポリエステル樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化したものである。
【0031】
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0032】
イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0033】
キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0034】
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0035】
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等が挙げられる。
【0036】
架橋成分として用いる硬化剤(B)、または(B)は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックして得られる。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)、または(B)におけるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0037】
イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0038】
キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0039】
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート類;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;
【0040】
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;等が挙げられる。
【0041】
上記ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、例えば100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、水酸基と容易に反応することができる。
本発明の硬化剤(B)に用いられるブロック剤としては、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾールおよび4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾールを例示できる。この中でも好ましいブロック剤は、3,5−ジメチルピラゾールである。
【0042】
本発明の硬化剤(B)に使用されるその他のブロック剤として、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチルなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコールなどの脂肪族アルコール系;
【0043】
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノールなどのエーテル系;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチルなどのグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの乳酸エステル;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアルコール系;
【0044】
ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミンなどアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素などの尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニルなどのカルバミン酸エステル系;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのイミン系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリなどの亜硫酸塩系などが挙げられる。
【0045】
本発明における水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)は、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤及びヒドロキシモノカルボン酸類でブロックし、ヒドロキシモノカルボン酸類のカルボキシル基を中和することによる水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネートである。
上記ポリイソシアネートとしては、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)に例示したものと同様のポリイソシアネートを用いることができるが、この中でも好ましい例として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)の誘導体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)の誘導体が挙げられる。
【0046】
水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を製造するには、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックするとともに、ヒドロキシモノカルボン酸類と反応させるが、ポリイソシアネートの少なくとも1個のイソシアネート基がヒドロキシモノカルボン酸類のヒドロキシル基に付加するように反応させる。
【0047】
ブロック剤としては、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)に例示したブロック剤と同様を用いることができる。ヒドロキシモノカルボン酸類としては、2−ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロパン酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデカン酸(リシノレイン酸)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(ヒドロキシピバリン酸)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)が挙げられ、この中でも3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(ヒドロキシピバリン酸)が好ましい。また反応に用いる溶剤はイソシアネート基に対して反応性でないものが良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル類、N−メチルピロリドン(NMP)のような溶剤が挙げられる。
【0048】
このブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)、(B)または(B)は、ポリエステル樹脂(A)または(A)中の水酸基(OH)に対して、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)または(B)と(B)及び/又は(B)との混合物のイソシアネート基(NCO)の官能基比(NCO/OH)=0.8〜1.3の範囲が好ましい。
【0049】
本発明で使用されるメラミン樹脂硬化剤(B)としては、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂のメチロール基の一部又は全部をモノアルコールによってエーテル化したものも使用できる。エーテル化に用いられるモノアルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0050】
メラミンは、トリアジン核1個あたりメチロール基が平均3個以上メチルエーテル化されたメラミンや、そのメトキシ基の一部を炭素数2個以上のモノアルコールで置換したメラミン樹脂であって、さらにイミノ基を有し、かつ平均縮合度約2以下で1核体の割合が約50重量%以上である親水性メラミンが好適に使用できる。市販品として、例えば、サイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基含有メラミン樹脂)などがあげられる。
【0051】
本発明において使用される着色顔料(C)は、塗膜に色彩的美観性を与えるための着色剤であり、塗料に通常配合されている顔料などが適用できる。着色用顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、などの無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料など有機顔料などが挙げられ、その他の顔料として、メタリック用顔料として使用されるりん片状のアルミニウム、雲母、金属酸化物で表面被覆した雲母、雲母状酸化鉄なども使用可能である。
【0052】
また着色顔料(C)成分の配合量は目的に応じて任意に選択できるが、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)の合計固形分100重量部あたり、1〜200重量部程度とするのが適当である。
本発明において使用される体質顔料(D)としては、クレー、パリタ、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウム、タルク、アルミニウムフレーク、雲母フレークなどが挙げられる。
【0053】
体質顔料(D)の配合量は目的に応じて任意に選択できるが、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)の合計固形分100重量部あたり0.1〜50重量部程度とするのが適当である。
本発明の水性中塗り塗料は、耐チッピング性とさらに向上させるために、ウレタンエマルション(E)を含有することができる。
【0054】
ウレタンエマルション(E)は、脂肪族および/または脂環族ジイソシアネート、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオール、低分子量ポリヒドロキシ化合物およびジメタロールアルカン酸を反応させてなる生成物を使用したエマルションであって、具体的には、分子内にイソシアネート基と反応し得る活性水素を持たない親水性有機溶剤の存在下または不存在下で、脂肪族および/または脂環族ジイソシアネート、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルジオールおよび/またはポリエステルジオール、低分子量ポリヒドロキシ化合物およびジメチロールアルカン酸を、NCO/OH当量費が1.1〜1.9の比率で、ワンショット法または多段法により重合させてウレタンプレポリマーを合成し、ついで該プレポリマーを第3級アミンで中和してから、または中和しながら、水と混合して水伸長反応を行ない、水中に乳化分散させた後、必要により前記有機溶剤を留去することにより調製される平均粒径0.001〜3μm程度の自己乳化型のウレタンエマルションである。上記ウレタンエマルションの市販品として、例えば、ユーコートUX8100(三洋化成工業社製、商品名)などがあげられる。
【0055】
本発明の水性中塗り塗料において、水酸基含有樹脂(A)と硬化剤(B)との配合割合は、A/B重量比として25/75〜75/25の範囲にある。
本発明において、硬化剤(B)と硬化剤(B)との配合割合は、B/B重量比として10/0〜1/9の範囲にある。
本発明において、硬化剤(B)と硬化剤(B)との配合割合は、B/B重量比として10/0〜1/9の範囲にある。
【0056】
本発明において、硬化剤(B)と硬化剤(B)との配合割合は、B/B重量比として10/0〜1/9の範囲にある。
本発明において、硬化剤(B)、(B)、(B)および(B)の配合割合は、特に制限なく、目的とする性能に応じて任意に選定することができる。
本発明において、ウレタンエマルション(E)の配合量は、水酸基含有樹脂(A)および硬化剤(B)の合計100重量部あたり10〜100重量部の範囲にある。
【0057】
本発明の水性中塗り塗料は、上記成分(A)、(B)、(B)、(B)、(B)、および好ましくは成分(C)、(D)および(E)を配合した後、水に混合・分散することにより調製することができる。
本発明の水性中塗り塗料は、水酸基含有樹脂(A)や、硬化剤のカルボキシル基を中和剤で中和することにより水分散することができる。
【0058】
そのような中和剤として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミンを挙げることができる。
【0059】
本水性中塗り塗料は、必要に応じて、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、ウレタン化反応促進用触媒(例えば有機スズ化合物など)、水酸基とメラミン樹脂との架橋反応促進用触媒(例えば、酸触媒)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤などを適宜に配合することができる。
硬化触媒の使用量は任意に選択できるが、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤、及びウレタンエマルションを使用する場合にはその固形分合計あたり0.005〜5重量%、特に0.01〜3重量%の範囲が適している。
【0060】
塗装は、従来から知られている方法、例えば、刷け塗り、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装などにより塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜で3〜100μm、特に5〜60μmの範囲内が好ましく、その塗膜は120〜170℃、特に130〜160℃で、10〜40分間加熱することにより架橋硬化させることができる。
【0061】
本水性中塗り塗料によって形成される塗膜は耐チッピング性が優れているので、自動車車体の外板部などに形成する下塗り塗膜、中塗り塗膜を硬化、又は硬化することなく、さらに上塗り塗料を重ねる複層塗膜の中塗り塗料として使用することが好ましい。
さらに形成した塗膜は耐チッピング性が優れているので、自動車車体の外板部などに形成する下塗り塗膜、中塗り塗膜を硬化、又は硬化することなく、さらに上塗り塗料を塗り重ねる複層塗膜の中塗り塗料として使用することが好ましい。
【0062】
ここで上塗り塗料として、ソリッドカラー塗料、メタリック塗料、光干渉性塗料及びクリヤ塗料などから選ばれた1種又は2種以上を用いて、単層、2層以上の複層上塗り塗膜を形成することができる。以下に、本発明の水性中塗り塗料を用いた場合の複層塗膜の塗膜形成方法について詳細に説明する。
塗膜形成方法としては、カチオン電着塗料などの下塗塗料を塗装し、本中塗り塗料を塗装した後、1層以上の着色ベース塗膜又は1層以上のクリア塗膜からなる複層塗膜であって、塗膜形成方法として、例えば、以下に述べる方法(a)〜(c)が挙げられる。
【0063】
方法(a)は、自動車用などの金属製もしくはプラスチック製の被塗物に直接、又はカチオン電着塗料などの下塗塗料、本発明の水性中塗り塗料を塗装し硬化させた後、ソリッドカラーの上塗り塗料をエアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装などの方法によって膜厚が約10〜50μmとなるように塗装し、焼き付け温度として約100〜180℃で約10〜90分間加熱してなる1コート1ベーク方式(1C1B)が挙げられる。
【0064】
方法(b)は、自動車用などの金属製もしくはプラスチック製の被塗物に直接、又はカチオン電着塗料などの下塗塗料、本発明の水性中塗り塗料を塗装し硬化させた後、次に、着色塗料をエアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装などの方法によって膜厚が約10〜50μmとなるように塗装し、焼き付け温度として約100〜180℃で約10〜40分間加熱させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートし、クリア塗料を膜厚が硬化膜厚で約10〜70μmになるように塗装して焼き付け温度で約60〜160℃で約10〜90分間加熱してなる2コート1ベーク方式(2C1B)、又は2コート2ベーク方式(2C2B)を行うことができる。
【0065】
方法(c)は、着色塗料としては、方法(a)の項で説明した着色塗料と同様のものを使用することができる。第1回目のクリア塗料は透明塗膜形成用塗料であり、着色塗料から顔料の殆どもしくはすべてを除去してなる塗料を使用することができる。
次に、第2回目のクリア塗料は、着色塗料、第1回目のクリア塗料を膜厚が硬化膜厚で約10〜50μmになるように塗装し、約60〜160℃で約10〜90分間加熱して硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートし、第2回目のクリア塗料は、膜厚が硬化膜厚で約10〜70μmになるように塗装し、約60〜180℃で約10〜90分間加熱して硬化させることからなる、3コート1ベーク方式(3C1B)、3コート2ベーク方式(3C2B)、又は3コート3ベーク方式(3C3B)により行うことができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
ポリエステル樹脂No.1の製造例
加熱装置、攪拌機、温度計、還流冷却器、水分離器を備えた4つ口フラスコに、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸 61.9部、アジピン酸70.1部、トリメチロールプロパン62.8部、ネオペンチルグリコール24.2部、1,4−シクロヘキサンジメタノール44.6部を装入してなる内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で1時間保持し生成した縮合水を精留塔を用いて留去させた。
【0067】
次に、生成物に無水トリメリット酸15.0部を付加した後、脱溶剤を行い、ジメチルエタノールアミンで中和してから、水に混合して固形分40%のポリエステル樹脂No.1を得た。得られたポリエステル樹脂No.1の水酸基価は150mgKOH/g、酸価は35mgKOH/g、数平均分子量は2,000であった。
ポリエステル樹脂No.2の製造例
加熱装置、攪拌機、温度計、還流冷却器、水分離器を備えた4つ口フラスコに、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸 61.9部、アジピン酸70.1部、トリメチロールプロパン62.8部、ネオペンチルグリコール24.2部、1,4−シクロヘキサンジメタノール44.6部を装入してなる内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で1時間保持し生成した縮合水を精留塔を用いて留去させた。
【0068】
次に、生成物に無水トリメリット酸10.6部を付加した後、脱溶剤を行い、ジメチルエタノールアミンで中和してから、水に混合して固形分40%のポリエステル樹脂No.2を得た。得られたポリエステル樹脂No.2の水酸基価は168mgKOH/g、酸価は25mgKOH/g、数平均分子量は2,000であった。
【0069】
ポリエステル樹脂No.3の製造例
加熱装置、攪拌機、温度計、還流冷却器、水分離器を備えた4つ口フラスコにアジピン酸43.8部、イソフタル酸 77.0部、トリメチロールプロパン54.6部、ブチルエチルプロパンジオール64.0部、ネオペンチルグリコール21.0部を反応させてなる生成物に、無水トリメリット酸15.3部を付加せしめた後、脱溶剤を行ないジメチルエタノールアミンで中和してから、水に混合して固形分40%のポリエステル樹脂No.3を得た。得られたポリエステル樹脂No.3の水酸基価は140mgKOH/g、酸価は35mgKOH/g、数平均分子量は2,000であった。
【0070】
ポリエステル樹脂No.4の製造例
加熱装置、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入装置及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、16ヘキサンジオール182部、トリメチロールプロパン144部、カージュラーE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、パーサティク酸グリシジルエステル)104部、アジピン酸132部、フタル酸246部を反応容器に入れ、230℃で縮合させる。酸価が2以下となったところで冷却し、無水トリメリット酸46部を添加して170℃で30分反応させ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え(10PHR)さらに冷却する。80℃以下になった時点で、撹拌しながらジメチルエタノールアミンによる酸中和を行い、脱イオン水を加えて分散を行い、固形分45%のポリエステル樹脂水溶液を得た。得られたポリエステルは酸価35mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、pH7.2であった。
【0071】
アクリル樹脂の製造例
温度計、温度調節器、撹拌機、還流冷却器、および滴下装置、反応容器内に脱イオン水300部、25%リアソープSE−1025(界面活性剤、旭電化(株)製、商品名)4.8部を窒素気流中で撹拌混合し、82℃に昇温した。次いで下記組成のモノマー乳化物▲1▼の3%分および1%過硫酸ナトリウム水溶液を60部反応容器に導入し、20分間82℃で保持した。
【0072】
次に、以下の「モノマー乳化物▲1▼」の残りに1%過硫酸ナトリウム水溶液を120部加え、これを4時間かけて定量ポンプで反応容器内に滴下した。滴下終了2時間熟成を行った後、1%ジメチルエタノールアミン水溶液282部を加え30分間82℃で保持した。30℃に冷却、200メッシュのナイロンクロスでろ過、排出し、固形分40.0%、pH6.5の平均粒子径0.15μmのアクリル樹脂水溶液を得た。
【0073】
「モノマー乳化物▲1▼」
脱イオン水             300部
25%SE−1025       43.2部
スチレン              180部
n−ブチルアクリレート       336部
2−ヒドロキシエチルアクリレート   60部
アクリル酸              24部
【0074】
硬化剤No.1の製造例
下記1)〜6)を使用して硬化剤No.1を得た。
Figure 2004067927
(1)を反応容器に添加した。(2)をこの反応容器にゆっくりと添加した。イソシアネート含量が20〜21モル%に到達するまで、容器を60〜70℃まで加熱した。イソシアネート含量がゼロに到達するまで(3)をゆっくりと添加しながら、温度を60〜70℃に保った。(4)および(5)を添加し、5分間混合した。水を添加し、高速ミキサーを用いて分散物を形成した。
Jeffamine M−1000は、HMDI三量体と反応してポリイソシアネートプレポリマーを形成する活性水素含有化合物である。スルホスクシン酸ナトリウムは、分散物の粒子サイズを制御することを補助するイオン性界面活性剤である。
【0075】
硬化剤No.2
サイメル325(三井サイテック社製、商品名、イミノ基含有メラミン樹脂)を用いた。
硬化剤No.3の製造例
硬化剤No.1において、3,5−ジメチルピラゾールに代えてメチルエチルケトオキシムを14.5部使用した以外、同様にして硬化剤No.3を得た。
硬化剤No.4の製造例
硬化剤No.1において、3,5−ジメチルピラゾールに代えてマロン酸ジメチルを22部使用した以外、同様にして硬化剤No.4を得た。
【0076】
実施例1
ポリエステル樹脂No.1 112.5部(固形分45部)、硬化剤No.1110部(固形分55部)およびJR−806(注2)80部(固形分80部)を配合・分散し、さらに脱イオン水を加えて粘度をフォードカップNo.4 20℃ 50秒に調整して水性中塗り塗料No.1を得た。結果を表1に示す。
【0077】
実施例2〜5、比較例1〜5
表1の配合で実施例1と同様にして実施例2〜5、及び比較例1〜5の水性中塗り塗料No.2〜No.10を得た。表1中、配合量は固形分重量部で示す。
【0078】
【表1】
Figure 2004067927
【0079】
【表2】
Figure 2004067927
【0080】
(注1)ウレタンエマルション(三洋化成工業社製、商品名)
(注2)JR−806:テイカ株式会社製、商品名、チタン白
(注A)バイヒドロールPT241、商品名、ウレタン変性ポリエステル樹脂、住化バイエルウレタン社製
試験板の作成(塗膜性能試験用)
パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、りん酸亜鉛処理)を施した冷延鋼板に、エレクロンGT−10(関西ペイント株式会社製、商品名、カチオン電着塗料)を電着塗装し、乾燥膜厚で20μmの塗膜を得た。
【0081】
その上に実施例及び比較例にて製造した水性中塗り塗料No.1〜No.10を30μm塗装し150℃−30分間焼き付けて中塗り塗膜を得た。さらにその中塗り塗膜の上に、マジクロンTB−516マイカベース(関西ペイント株式会社製、商品名)を15μm施し、室温で3分間放置してから、その未硬化塗面にマジクロンKINO1200クリヤ(関西ペイント社製、商品名)を膜厚35μmに塗装し、140℃で30分加熱してこの両塗膜を一緒に硬化した。
【0082】
試験結果
上記のようにして形成された複層塗膜の性能試験結果を表1に示す。表中、各成分の配合量は固形分重量部を示す。
(注3)L値:SMカラーコンピュータ(スガ試験機社製)にて測定した。
(注4)b値:SMカラーコンピュータ(スガ試験機社製)にて測定した。
(注5)黄変性(Δb):SMカラーコンピュータ(スガ試験機社製)にてb値を測定した。焼付条件を変動させてそれぞれb値を測定し、その差で黄変性を下記の通り評価した。
【0083】
良好:Δb<0.9、やや劣る:0.9〜1.0、著しく劣る:1.0<Δb
(注6)黄変性A:中塗り塗膜を160℃−30分間焼付けた時のb値と150℃−30分間(標準)焼付けた時のb値の差(Δb)で評価した。
(注7)黄変性B:中塗り塗膜をさらに160℃−60分間空焼付時のb値と150℃−30分間(標準)焼付時のb値との差(Δb)で評価した。
(注8)黄変性(C):上塗り塗膜を160℃−30分間焼付けた時のb値と140℃−30分間(標準)焼付時のb値との差(Δb)で評価した。
(注9)黄変性D:上塗り塗膜をさらに160℃で60分間空焼付時のb値と140℃で30分間(標準)焼付時のb値との差(Δb)で評価した。
(注10)耐水性:試験板を40℃の温水に10日間浸漬した後の塗面を目視観察した結果である。
【0084】
○:ブリスターなどの発生が全く認められない
△:ブリスターなどの発生が少し認められる
×:ブリスターなどの発生が多く認められる
(注11)耐チッピング性:スガ試験機社製、飛石試験機JA−400型(チッピング試験装置)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃において、0.392MPa(4kgf/cm)の圧縮空気により粒度7号の花崗岩砕石50gを塗面に吹き付け、これによる塗膜のキズの発生程度などを目視で観察し評価した。
【0085】
◎:キズの大きさはかなり小さく、中塗り塗膜(本組成物の塗膜)がやや露出している
○:キズの大きさは小さく、中塗り塗膜(本組成物の塗膜)が露出している程度
△:キズの大きさは小さいが、素地の鋼板が露出している
×:キズの大きさはかなり大きく、素地の鋼板も大きく露出している
【0086】
【発明の効果】
130℃以上の焼付で耐黄変性、耐チッピング性、意匠性にすぐれた塗膜を形成することが可能であり、ホワイトパール塗色での適用も可能な淡彩色系水性中塗り塗料、および該中塗り塗料を使用して形成される複層塗膜が提供される。
詳しくは、塗膜の明度指数(L値)が80以上である淡彩色系水性中塗り塗料組成物が、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)及び着色顔料(C)であり、該硬化剤(B)がピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を含有することにより、130℃以上の焼付けを行っても黄変性、硬化性に優れるため、意匠性や耐チッピング性においてバランスのとれた塗膜形成が可能である。
【0087】
特に、黄変性に関しては、淡彩色系水性中塗り塗料を塗装し、150℃−20分の焼付け(標準)塗膜に対して、160℃−20分焼付けでの塗膜とのb値の差が0.5以内である。
また該淡彩色系水性中塗り塗料を塗装し150℃−20分の焼付け(標準)塗膜に、上塗り塗料を塗装し、焼付けた複層塗膜の黄変性に対して、該淡彩色系水性中塗り塗料を塗装し160℃−20分の焼付け塗膜に、上塗り塗料を塗装し、焼付けた複層塗膜との値の差が0.9以内であり、ホワイトパール塗色でのカラーベースとしても適用可能な淡彩色系水性中塗り塗料を見出すことができた。

Claims (12)

  1. 水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)及び着色顔料(C)を含有し塗膜の明度指数(L値)が80以上である水性中塗り塗料であって、該硬化剤(B)がピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)であることを特徴とする淡彩色系水性中塗り塗料。
  2. 該硬化剤(B)が、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)とピラゾールブロック剤以外のその他のブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)、水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)及びメラミン樹脂硬化剤(B)から選ばれる少くとも1種の硬化剤との混合物である請求項1記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  3. 水酸基含有樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有樹脂である請求項1又は2に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  4. 該水酸基含有ポリエステル樹脂が、脂環式多塩基酸(a)およびその他の多塩基酸(a)から選ばれる少くとも1種の多塩基酸と脂環式多価アルコール(a)およびその他の多価アルコール(a)から選ばれる少くとも1種の多価アルコールとを必須成分として含有するポリエステル樹脂(A)である請求項3に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  5. 該水酸基含有ポリエステル樹脂が、脂環式多塩基酸(a)及び/又は脂環式多価アルコール(a)、その他の多塩基酸(a)及びその他の多価アルコール(a)を必須成分とするポリエステル樹脂(A)である請求項3に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  6. 該ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)が3,5−ジメチルピラゾールブロック剤でブロックされたブロック化ポリイソシアネート硬化剤である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  7. ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を構成するポリイソシアネートが、脂肪族系ポリイソシアネート又は脂環族系ポリイソシアネートである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  8. ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(B)を構成するポリイソシアネートが、脂肪族系ポリイソシアネート又は脂環族系ポリイソシアネートである請求項2乃至6のいずれか1項に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  9. 該水性中塗り塗料が、さらに体質顔料(D)を含有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  10. 該水性中塗り塗料が、さらにウレタンエマルション(E)を含有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  11. 該ウレタンエマルション(E)の含有量が、水酸基含有樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計固形分100重量部あたり、10〜100重量部の範囲にある請求項10に記載の淡彩色系水性中塗り塗料。
  12. 被塗物に順次カチオン電着塗料を塗装し、請求項1乃至11の何れか1項に記載の水性中塗り塗料を塗装し、硬化又は硬化することなく、上塗り塗料を1層以上塗装して形成される複層塗膜。
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