JP5642073B2 - 水性プライマー塗料組成物及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐チッピング性、仕上り性等に優れ、水性中塗塗料とのウェットオンウェット塗装適性に優れた水性プライマー塗料組成物、及びこの水性プライマー塗料組成物を用いた複層塗膜形成方法に関する。
近年、地球規模で環境問題に大きな関心が寄せられているが、自動車産業においても生産過程における環境改善の取り組みが積極的に進められている。自動車の製造工程からは、地球温暖化、産業廃棄物、揮発性有機溶剤(VOC)の排出等の問題が発生し、特にVOCについては、そのほとんどが塗装工程から発生するものであり、この対策が急務となってきている。
自動車車体の外板部は、防食及び美感の付与を目的として、通常、カチオン電着塗料による下塗塗膜、中塗塗膜及び上塗塗膜からなる複層塗膜により被覆されているが、VOC削減の観点から、中塗塗料及び上塗塗料においても水性化が進められている。
また、自動車塗膜においては、走行中の石はね等による耐損傷性(「耐チッピング性」という)に優れた塗膜であることも求められている。
この耐チッピング性を付与するため、カチオン電着塗料による下塗塗膜と中塗塗膜の間にチッピングプライマー塗膜を形成させる。チッピングプライマー塗膜はチッピングプライマー塗料により形成される。通常、このチッピングプライマー塗料の塗装においては、加熱硬化されたカチオン電着塗料等による下塗塗膜上に、チッピングプライマー塗料が塗装され、加熱硬化させることなく、ウエットオンウエットで中塗塗料が塗装される。
近年の塗料の水性化の要請から、チッピングプライマー塗料、中塗塗料の水性化が進められており、上記ウエットオンウエット塗装工程は、水性チッピングプライマー塗料と水性中塗塗料との水性塗料同士のウエットオンウエット塗装となり、両塗料(両塗料による硬化前の複層塗膜)が混層することにより仕上り外観が不良となるという問題が生じることがある。
また、チッピングプライマー塗料は、カチオン電着塗料等による下塗塗膜が塗装されたボディーのうち、走行中の石はねにより塗膜が損傷を受ける車体のフードの先端部、タイヤハウス等の足回り部分に部分的に塗装されるため、ダスト状に塗装され、完全には成膜しない部分も存在する。このようにチッピングプライマー塗料がダスト状に塗装される部分についても良好な仕上り外観を満足させる必要がある。
例えば、特許文献1には、エチレンと、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とを主成分とする水性の共重合樹脂であって、特定量のカルボキシル基を有し、またカルボキシル基の一部がその主鎖に結合しているエチレン共重合樹脂と、水性のポリウレタン樹脂とを特定の配合比で混合してなる組成物である自動車用耐チッピング性水性塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、耐チッピング複合塗膜の形成方法として、耐チッピングプライマーが、特定のモノマーを含むエチレン共重合体の水分散液と、水性ウレタン樹脂と塗料重量の特定割合の沸点が特定温度以上で塗料の焼付温度以下の水混和性有機溶剤、または塗料重量の特定割合のメラミン樹脂を含み、中塗り塗料がメラミン硬化型ポリエステル系水性塗料であることを特徴とする方法が開示されている。
しかしながら、上記のいずれにおいても、水性チッピングプライマー塗料と水性中塗塗料のウエットオンウエット塗装適性が不十分なため、良好な仕上り外観が得られるものではなかった。また、チッピングプライマー塗料のダスト部の仕上がり外観も不十分であった。
特許第2920026号公報 特開平11−33478号公報
本発明の目的は、耐チッピング性、仕上り外観等に優れ、水性中塗塗料とのウェットオンウェット塗装適性に優れた水性プライマー塗料組成物、及び複層塗膜形成方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、脂環族ジイソシアネートを必須成分としてなるポリイソシアネート成分と、ポリエステルポリオール及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種とアニオン性基含有ジオールとを必須成分としてなるポリオール成分とを含む構成成分から得られる、特定範囲の酸価及び重量平均分子量を有するウレタン樹脂エマルション(A)及び特定範囲の水トレランス及び数平均分子量を有するオリゴマー(B)を含有する水性プライマー塗料組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の項を提供する:
項1.ポリイソシアネート成分(a1)とポリオール成分(a2)とを原料として製造される酸価が6〜18mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が50000以上であるウレタン樹脂エマルション(A)及び
水トレランスが10以上であり、かつ数平均分子量が200〜1500であるオリゴマー(B)
を含有することを特徴とする水性プライマー塗料組成物であって、
該ポリイソシアネート成分(a1)が、脂環族ジイソシアネートを含有し、
該ポリオール成分(a2)が、ポリエステルポリオール及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種(a2−1)、ならびにアニオン性基含有ジオール(a2−2)を含有し、かつ
該(a2−1)成分が、ポリテトラメチレングリコールからなる場合、ウレタン樹脂エマルション(A)の重量平均分子量が200000以下である、
水性プライマー塗料組成物。
項2.オリゴマー(B)が、下記一般式(1)
[式中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数4〜18の炭化水素基を示す。
は、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
mは、3〜25の整数を示す。]
で表されるジエステル化合物である項1に記載の水性プライマー塗料組成物。
項3.さらに、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有することを特徴とする項1又は2に記載の水性プライマー塗料組成物。
項4.さらに、ウレタン会合型増粘剤を含有することを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の水性プライマー塗料組成物。
項5.被塗物上に項1〜4のいずれか1項に記載の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成されたプライマー塗膜及び着色塗膜を同時に硬化することを特徴とする複層塗膜形成方法。
項6.被塗物上に電着塗料を塗装し、項1〜4のいずれか1項に記載の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性中塗塗料を塗装して中塗塗膜を形成し、硬化後又は硬化することなく、上塗塗料を1層以上塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
項7.項1〜4のいずれか1項に記載の水性プライマー塗料組成物が塗装された物品。
項8.項5に記載の複層塗膜形成方法により塗装された物品。
本発明の水性プライマー塗料組成物は、ポリイソシアネート成分として、脂環族ジイソシアネート、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール及び/又はポリテトラメチレングリコールを有するウレタン樹脂エマルションを含有するものであることから、特に耐チッピング性に優れた塗膜を得ることができる。また、ウレタン樹脂エマルションが特定の重量平均分子量を有し、比較的低酸価であることから、水性中塗塗料とのウエットオンウエット適性に優れ、仕上り外観に優れた塗膜を得ることができる。さらに、特定範囲の水トレランス及び数平均分子量のオリゴマーを有するものであることから、水性プライマー塗膜のダスト部においても、仕上り外観に優れた塗膜を得ることができる。
以上、本発明の水性プライマー塗料組成物及び複層塗膜形成方法によれば、耐チッピング性に優れ、仕上り外観に優れた複層塗膜を得ることができるという効果を奏することができる。
以下、本発明の水性プライマー塗料組成物及び複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
本発明の水性プライマー塗料組成物は、ウレタン樹脂エマルション(A)及びオリゴマー(B)を必須成分としてなるものである。
ウレタン樹脂エマルション(A)
本発明におけるウレタン樹脂エマルション(A)は、
脂環族ジイソシアネートを必須成分として含有するポリイソシアネート成分(a1)、及び
ポリエステルポリオール及びポリテトラメチレングリコールの少なくとも一方(a2−1)とアニオン性基含有ジオール(a2−2)とを必須成分として含有するポリオール成分(a2)
を含む構成成分から得られるウレタン樹脂エマルションである。
本発明におけるウレタン樹脂エマルションを得るために、例えば、まず、常法により、脂環族ジイソシアネートを必須成分としてなるポリイソシアネート成分(a1)と、ポリエステルポリオール及び/又はポリテトラメチレングリコール(a2−1)とアニオン性基含有ジオール(a2−2)とを必須成分としてなるポリオール成分(a2)とを反応させることにより、イソシアネート末端プレポリマーを合成する。
ポリイソシアネート成分(a1)としては、必須成分の脂環族ジイソシアネート及びその他のポリイソシアネートを挙げることができる。
脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記のうち、脂環族ジイソシアネートとしては、得られる塗膜の耐有機溶剤膨潤性向上の観点から、特にイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートが好ましい。
ポリイソシアネート成分(a1)における、脂環族ジイソシアネートの含有量は、耐チッピング性の観点から、ポリイソシアネート成分(a1)の総量に対して、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%であるのがより好ましい。
その他のポリイソシアネートとしては、脂環族ジイソシアネート以外のジイソシアネート、1分子中にイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートを挙げることができる。
脂環族ジイソシアネート以外のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
1分子中にイソシアネート基を3つ以上有するポリイソシアネートとしては、例えば、上記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート三量化物、ビューレット三量化物、トリメチロールプロパンアダクト化物等;トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等の三官能以上のイソシアネート等が挙げられ、これらのイソシアネート化合物はカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよい。
これらポリイソシアネートは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
ポリオール成分(a2)としては、必須成分であるポリエステルポリオール及び/又はポリテトラメチレングリコール(a2−1)、アニオン性基含有ジオール(a2−2)、及びその他のポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量ジオールと二塩基酸の重縮合より得られるもの、低分子量ジオールを開始剤としてラクトン化合物の開環反応により得られるもの等を挙げることができる。
前者の場合、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(C7〜C22)ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(C17〜C20)、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビス−2−ヒドロキシエチレンテレフタレート等の低分子量ジオールを挙げることができる。
上記のうち、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数4以上の直鎖状のジオールを好適に使用することができる。
二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。
上記のうち、得られる塗膜の耐チッピング性の観点から、アジピン酸、アゼライン酸等のアルキレン基部分の炭素数4以上の直鎖状の二塩基酸を好適に使用することができる。
低分子ジオール及び二塩基酸はそれぞれ単独又は2種以上を組合せて使用することができる。
また、後者の場合、ラクトン化合物としては、ε−カプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン等を挙げることができる。
ポリテトラメチレングリコールは、通常、テトラヒドロフランを開環重合することにより合成される化合物であり、分子量500〜3000、特に500〜2000のものを好適に使用することができる。
ポリエステルポリオール及び/又はポリテトラメチレングリコール(a2−1)の総量は、耐チッピング性及び仕上り外観の観点から、アニオン性基含有ジオール(a2−2)を除くポリオール成分の総量のうち、50〜100質量%、特に70〜100質量%であるのが好ましい。
アニオン性基含有ジオールは、ウレタン樹脂にアニオン性基を導入するために用いられる化合物である。当該アニオン性基含有ジオールとしては、例えば、アニオン性基を1〜2個、好ましくは1個有するジオール化合物を挙げることができる。アニオン性基含有ジオールがウレタン樹脂骨格中に組み込まれることにより、ウレタン樹脂に親水性を付与することができ、ウレタン樹脂が水中に分散可能となる。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ホウ酸基等を挙げることができる。水に対する分散性及びウレタン樹脂に対しての導入の容易さから、カルボキシル基及びスルホン酸基が好ましい。
カルボキシル基含有ジオールとしては、例えば、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールノナン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジヒドロキシ安息香酸等のジヒドロキシルカルボン酸、ポリオキシプロピレントリオールと無水マレイン酸、無水フタル酸とのハーフエステル化合物等を挙げることができる。
スルホン酸基含有ジオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等を挙げることができる。
上記アニオン性基含有ジオールは、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
その他のポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール以外のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等を挙げることができる。
ポリテトラメチレングリコール以外のポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、ポリ(エチレン/テトラメチレン)グリコール等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール等の混合ジオール系ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
その他のポリオールとして、シリコーンポリオール、ひまし油系ポリオール等も挙げることができる。
また、上記ポリオールに加えて必要に応じ、低分子量のジオール、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノール、及びその他の脂肪族トリオール(C8〜24)等の低分子量トリオール、或いはテトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニット等の水酸基を4つ以上有する低分子量ポリオール等を併用することも可能である。
上記低分子量ポリオールは、単独で又は2種以上併用して使用することができる。また、これらの低分子量ポリオールは、その数平均分子量が62〜500のものが好ましく、また、低分子量ジオール、低分子量トリオール等を好適に用いることができる。
上記ポリオール成分は、単独で又は2種以上併用して使用することができる。ポリオールの数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン換算により求めた値。分子量測定方法については以下同様)は塗膜性能、分散安定性等の観点から500〜5000、特に500〜3,000の範囲内であることが好ましい。
イソシアネート末端プレポリマーの合成において、必要に応じて、低分子量ポリアミンを併用することもできる。低分子量ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ジアミノトルエン、ビス−(4−アミノフェニル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−クロロフェニル)メタン等の低分子量ジアミン、及びジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、2,2’−ジアミノジエチルアミン等のアミノ基を3つ以上有する低分子量アミン等を挙げることができる。
上記低分子量ポリアミンは、単独で又は2種以上併用して使用することができる。これら低分子量ポリアミンのうち、数平均分子量が62〜500のものを好適に用いることができる。
イソシアネート末端プレポリマーの合成は、公知の方法で行なうことができる。具体的には、例えば、前記したポリイソシアネート成分(a1)及びポリオール成分(a2)を活性水素基(水酸基及びアミノ基等)に対するイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/活性水素基)において1を越える割合、好ましくは、1.05〜2.0の割合で配合し、バルク重合、溶液重合等の公知の重合方法により行なうことができる。
バルク重合は、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアネートを撹拌しつつ、これに、ポリオール、ならびに必要により低分子量ポリオール及び/又は低分子量ポリアミンを加えて、反応温度75〜85℃で、数時間程度反応させることにより行なうことができる。
溶液重合は、有機溶媒中に、ポリイソシアネート、ポリオール、ならびに必要により低分子量ポリオール及び/又は低分子量ポリアミンを加えて、反応温度20〜80℃で、数時間程度反応させることにより行なうことができる。有機溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性、かつ、親水性で、除去が容易な低沸点溶媒を使用することができる。具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。なお、本発明においては、反応性及び粘度の調節がより容易な溶液重合が好ましく用いられる。
また、上記反応において、必要に応じて、例えば、アミン系、スズ系、鉛系等の公知のウレタン化触媒を使用することができる。また、得られるイソシアネート末端プレポリマーからポリイソシアネートの未反応モノマーを、例えば、蒸留、抽出等の公知の除去手段を用いて除去することもできる。
さらに、このイソシアネート末端プレポリマーの合成においては、反応前又は反応後に、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール等のアミン化合物;例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;その他、アンモニア等の中和剤を添加して、アニオン性基が塩を形成するように中和することが好ましい。
上記アミン化合物としては、特に、仕上り外観の観点から、比較的高沸点(170℃以上)のものが好ましい。このようなアミンとしては、アルカノールアミン、例えば、ジイソプロピルエタノールアミン(沸点190℃)、ジブチルエタノールアミン(沸点229℃)、メチルジエタノールアミン(沸点247℃)等を挙げることができる。
このような中和剤の添加量は、例えば、アニオン性基1当量あたり、0.4〜1.2当量、さらには、0.6〜1.0当量であることが好ましい。
イソシアネート末端プレポリマーにおけるイソシアネート基含量は、0.2〜4.5質量%、さらには、0.5〜3.0質量%の範囲であるのが好ましい。
そして、本発明における(A)成分であるウレタン樹脂エマルションは、次いで、得られた前記イソシアネート末端プレポリマーを、水中で鎖延長剤と反応させることによって合成することができる。これによって、イソシアネート末端プレポリマーが鎖延長剤によって鎖伸長され、水中に分散した状態のウレタン樹脂エマルションを得ることができる。
鎖延長剤は、ウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基と反応しうる活性水素を分子中に2個以上有し、ウレタンプレポリマーの末端と反応して高分子量のウレタン樹脂を生成させるものである。
鎖延長剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、ポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、ジオール化合物等を挙げることができる。
ポリアミン化合物としては、2個以上のアミノ基を有する化合物であれば、特に制限されないが、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−シクロヘキシルメタンジアミン、ノルボルナンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン等を挙げることができる。
アミノアルコール化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシエチルジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、3−アミノプロパンジオール等を挙げることができる。
上記鎖延長剤は、単独で又は2種以上併用して使用することができる。
また、ポリアミン化合物は、例えば、ケチミン、ケタジン又はアミン塩のような化合物としてマスクされた形態であってもよい。
イソシアネート末端プレポリマーと鎖延長剤とを水中で反応させるには、例えば、まず、イソシアネート末端プレポリマーに水を配合して、イソシアネート末端プレポリマーを水に分散させた後、次いで、鎖延長剤を配合して、イソシアネート末端プレポリマーを鎖延長剤によって鎖伸長反応させればよい。
水の配合は、イソシアネート末端プレポリマーを分散させ得る配合量、例えば、イソシアネート末端プレポリマー100質量部に対して、20〜500質量部の配合量で、イソシアネート末端プレポリマーを撹拌しつつ、これに対してゆっくりと添加することが好ましく、これによって、イソシアネート末端プレポリマーが水中に分散されたイソシアネート末端プレポリマー水分散液を調製することができる。
次いで、鎖延長剤の配合は、鎖延長剤の活性水素基に対するイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/活性水素基)が、例えば、0.8〜4.5の割合となるような配合量で、イソシアネート末端プレポリマー水分散液を撹拌しつつ、速やかに(イソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート基と水との反応が進行しないように)滴下することにより行なうことができる。鎖延長剤の滴下は、30℃以下の温度で行なうことが好ましく、滴下終了後は、さらに撹拌しつつ、例えば、常温にて反応を完結させればよい。このような鎖延長反応によって、イソシアネート末端プレポリマーが鎖延長剤によって鎖延長され、ウレタン樹脂エマルションを得ることができる。
なお、ウレタン樹脂エマルション中の有機溶媒は上記反応終了後、必要に応じて、例えば、減圧下、適当な温度条件下で加熱することにより除去することができる。
また、ウレタン樹脂エマルションには、安定性を向上させるために、耐水性を阻害しない範囲において、界面活性剤を配合することができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル等のアニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のノニオン系界面活性剤、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系及び両性イオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これら界面活性剤は、単独で又は2種以上併用して使用することができる。また、このような界面活性剤の配合において、イオン性官能基を有する界面活性剤を配合すると、ポリウレタン樹脂中のアニオン性基との相互作用によって、水中におけるポリウレタン樹脂の安定性が低下する場合があるため、そのような場合、イオン性官能基を含まないノニオン系界面活性剤を好適に使用することができる。
界面活性剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、ポリウレタン樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは、0.1〜5質量部である。界面活性剤の使用量が0.01質量部未満であると、界面活性剤を配合する効果が発現されない場合があり、また、10質量部を越えると、塗膜の耐水性が低下する場合がある。
また、界面活性剤の配合時期は、特に制限されず、例えば、水中に分散する前のイソシアネート末端プレポリマーに配合してもよく、また、鎖延長反応終了後に配合してもよく、また、溶液重合の場合には、有機溶媒の除去後に配合してもよく、さらには、適宜の段階で複数回に分割して配合することもできる。
ウレタン樹脂エマルション(A)の酸価は塗膜の仕上り外観及び耐水性の観点から、6〜18mgKOH/g、好ましくは7〜18mgKOH/g、より好ましくは7〜16mgKOH/gである。酸価が6mgKOH/g未満であると、ウレタン樹脂エマルションの安定性が不良となる場合があり、18mgKOH/gを越えると、塗膜の仕上り外観が不良となる場合がある。
本発明において、酸価の測定は、JISK−5601−2−1(1999)に準拠して行った。具体的には、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウム溶液で滴定し、下記式により算出した。
酸価(mgKOH/g)=56.1×V×C/m
V:滴定量(ml)、C:滴定液の濃度(mol/l)、m:試料の固形分重量(g)
ウレタン樹脂エマルション(A)の水酸基価は塗膜性能の観点から、0〜10mgKOH/g、特に0〜5mgKOH/gであるのが好ましい。
本発明において、水酸基価の測定は、JISK−0070(1992)に準拠して行った。具体的には、試料にアセチル化試薬(無水酢酸25gにピリジンを加えて全体が100mlになるように調整した無水酢酸ピリジン溶液)を5ml加えてグリセリン浴中で加熱させた後、水酸化カリウム溶液でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、下記式により算出した。
水酸基価(mgKOH/g)=〔V×56.1×C/m〕+D
V:滴定量(ml)、C:滴定液の濃度(mol/l)、m:試料の固形分重量(g)、D:試料の酸価(mgKOH/g)
ウレタン樹脂エマルション(A)の重量平均分子量は耐チッピング性及び仕上り外観の観点から、50000以上、好ましくは60000以上である。重量平均分子量が50000未満であると、耐チッピング性が不良となる場合がある。
ここで、該(a2−1)成分(ポリエステルポリオール及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種)が、ポリテトラメチレングリコールからなる場合、ウレタン樹脂エマルション(A)の重量平均分子量は、200000以下、好ましくは、180000以下、より好ましくは150000以下である。
ウレタン樹脂エマルション(A)の重量平均分子量を上記範囲に設定することによって、耐チッピング性及び仕上がり外観が共に優れた塗膜を得ることができる。
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。数平均分子量も上記と同様の条件で測定を行なった値である。数平均分子量も上記と同様の条件で測定を行なった値である。
ウレタン樹脂エマルション(A)の平均粒子径は造膜性及び安定性の観点から、通常、250nm以下、好ましくは50〜200nmの範囲内である。平均粒子径が250nmを越えると、ウレタン樹脂エマルションの安定性が不良となる場合がある。
平均粒子径の調整は主として、ウレタン樹脂の酸価を調整することにより行なうことができる。平均粒子径は主として酸価により支配されるところが大きいが、分子量、水酸基価及び中和剤によっても影響を受けるので、平均粒子径の調整は酸価と併せて、分子量、水酸基及び中和剤の種類及び添加量も調整することにより、所望の粒子径とすることができる。
平均粒子径の測定は、COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置((株)日科機社製)で行った。
オリゴマー(B)
本発明におけるオリゴマー(B)は、水トレランス10以上であり、重量平均分子量が200〜1500であるオリゴマーである。
オリゴマー(B)としては、複層塗膜のチッピングプライマーダスト塗装部の仕上り外観向上の観点から、水トレランスが10以上、好ましくは20以上、さらに好ましくは50以上であり、かつ、数平均分子量200〜1500、好ましくは300〜1000、さらに好ましくは400〜1000の範囲のものが用いられる。
具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、これらのエーテル化物、下記式(1)で表わされるジエステル化合物等を挙げることができる。
ジエステル化合物は、
[式中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数4〜18の炭化水素基を示す。
は炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
mは3〜25の整数を示す。]
で表されるジエステル化合物である。
上記のように、一般式(1)中、Rは、同一でも異なっていてもよい。すなわち、m個のオキシアルキレン単位(R−O)は互いに同じであっても又は互いに異なっていても良い。
なかでも、得られる塗膜の鮮映性、塗膜外観及び耐水性の観点から、上記一般式(1)中のR及びRが、炭素数4〜18、好ましくは炭素数5〜11、さらに好ましくは炭素数5〜9、特に好ましくは炭素数6〜8のアルキル基であることが好適であり、なかでも該アルキル基が直鎖状又は分岐状のアルキル基、特に好ましくは分岐状のアルキル基であることが好適である。なかでも、上記一般式(1)中のR及びRが、炭素数6〜8の分岐状のアルキル基であることが特に好ましい。上記R及びRが分岐状のアルキル基である場合、本塗料を比較的長期間貯蔵した後に塗装しても、優れた鮮映性を有する塗膜を形成することができる。
上記ジエステル化合物は、例えば、2個の末端水酸基を有するポリオキシアルキレングリコールと、炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸をエステル化反応させることにより得ることができる。
上記ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンとプロピレングリコールの共重合体、ポリブチレングリコール等を挙げることができ、なかでも、ポリエチレングリコールを用いることが特に好ましい。これらのポリオキシアルキレングリコールは一般に重量平均分子量が100〜1,200、好ましくは150〜600、さらに好ましくは200〜400の範囲内であることが好適である。
また、前記炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸としては、例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルブタン酸、3−メチルペンタン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、ヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルヘキサン酸、ノナン酸、2−エチルヘプタン酸、デカン酸、2−エチルオクタン酸、4−エチルオクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等を挙げることができる。
なかでも、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルヘキサン酸、ノナン酸、2−エチルヘプタン酸、デカン酸、2−エチルオクタン酸、4−エチルオクタン酸等の炭素数5〜9のアルキル基を有するモノカルボン酸、好ましくは、ヘプタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルヘキサン酸、ノナン酸、2−エチルヘプタン酸等の炭素数6〜8のアルキル基を有するモノカルボン酸、さらに好ましくは、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、4−エチルヘキサン酸、2−エチルヘプタン酸等の炭素数6〜8の分岐状のアルキル基を有するモノカルボン酸を用いることが好適である。
前記ポリオキシアルキレングリコールと炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸とのジエステル化反応はそれ自体既知の方法で行なうことができ、その際、該ポリオキシアルキレングリコール及び炭素数4〜18の炭化水素基を有するモノカルボン酸はそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、得られるジエステル化合物の分子量は320〜1,400、好ましくは450〜1,000、さらに好ましくは500〜800、特に好ましくは500〜700の範囲内であることが好適である。
上記オリゴマーのうち、特にポリオキシプロピレングリセリルエーテル、上記式(1)で表わされるジエステル化合物を用いることが好ましい。
市販品としては、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルの市販品として、GP400、GP600、GP1000(以上、三洋化成社製)等、上記式(1)で表わされるジエステル化合物の市販品として、W−262(DIC社製)を挙げることができる。
オリゴマーについて、水トレランスは、該オリゴマーの水に対する親和性を示すパラメータであり、以下の測定により求められる値である。
オリゴマーの水トレランスの測定は、以下の方法により行なった。直径5cmの200mlビーカーに試料(オリゴマー)を5.0g取り、50mlのアセトンで希釈する。試料溶液を20℃とし、ビーカーの底面の下に4号(13.75ポイント)活字が印刷された新聞を置き、マグネチックスターラーで撹拌しながら、脱イオン水を滴下していく。この時、ビーカー底面の下に置いた新聞の4号活字が該ビーカー上部から透視し判読できる限界の脱イオン水の最大滴下量(ml)を水トレランスとする。ここで、上記試験は、視力1.0以上のパネラーにより、新聞から0.3m程度、目を離して行われる。また、4号活字が「判読できない」とは、溶液が白濁して、文字が見えなくなることを意味する。従って、文字が見える限り、「判読できる」と判断される。
上記水トレランスの値が大きいほどオリゴマーは親水性であることを意味する。
本発明の水性プライマー塗料組成物中のウレタン樹脂エマルション(A)及びオリゴマー(B)の比率は、仕上り性等の観点から、塗料組成物中の樹脂固形分総量に対して、固形分として、ウレタン樹脂エマルション(A)が好ましくは50〜97質量%、より好ましくは60〜90質量%であり、オリゴマー(B)が好ましくは3〜15質量%、より好ましくは3〜12質量%である。
本発明の水性プライマー塗料組成物を製造するにあたっては、ウレタン樹脂エマルション(A)を攪拌しながら、その中にオリゴマー(B)を徐々に配合する手順をとることが塗料の安定性向上の観点から好ましい。
本発明の水性プライマー塗料組成物は、貯蔵安定性の観点から、中和剤で中和するのが好ましい。
上記中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール等の第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−又はジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール等の第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン等のポリアミンを挙げることができる。
本発明の水性プライマー塗料組成物は、必須成分であるウレタン樹脂エマルション(A)及びオリゴマー(B)の他にさらに必要に応じてその他の樹脂(C)、架橋剤(D)及び顔料(E)を含有することができる。
その他の樹脂(C)
その他の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好適に用いられる。以下、これらの樹脂についてさらに詳述する。
アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂としては、ラジカル重合性モノマーを共重合することによって既知の方法で、常法に従い、合成することができるアクリル樹脂を挙げることができる。溶液重合により合成されるものを好適に用いることができる。反応に使用する有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールエーテル系、ジプロピレングリコールエーテル系等の親水性有機溶剤を使用するのが好ましい。また、水分散性の観点から、該アクリル樹脂はカルボキシル基等の酸基を有しているものが好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、従来から公知のものが使用でき、例えば、水酸基含有ラジカル重合性モノマー、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマー及びその他のラジカル重合性モノマーを使用することができる。
水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。
その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アロニックスM110(東亞合成社製)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルロリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシラン等を挙げることができる。
なお、上記において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
アクリル樹脂の重量平均分子量は耐侯性及び仕上り性等の観点から1000〜200000、好ましくは2000〜100000の範囲内が適している。アクリル樹脂の水酸基価は10〜250mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/gの範囲内が適している。アクリル樹脂の酸価は3〜150mgKOH/g、好ましくは5〜70mgKOH/gの範囲内が適している。
ポリエステル樹脂
本発明で好適に用いられるポリエステル樹脂は、既知の方法で、常法に従い、多塩基酸と多価アルコ−ルとをエステル化反応させることによって合成することができる。また、水分散性の観点から、該ポリエステル樹脂としては、カルボキシル基等の酸基を有しているものが好ましい。
多塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、及びこれらの無水物等を挙げることができる。
また、多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル等のグリコール化合物、これらのグリコール化合物にε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のポリエステルジオール化合物、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコール、ジヒドロキシメチルトリシクロデカン、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂として、あまに油脂肪酸、やし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等の(半)乾性油脂肪酸等で変性した脂肪酸変性ポリエステル樹脂も使用することができる。これらの脂肪酸の変性量は一般に油長で30重量%以下であることが適している。また、ポリエステル樹脂は安息香酸等の一塩基酸を一部反応させたものであってもよく、1分子中に1個のエポキシ基を有する化合物、例えば、カージュラE−10(ジャパンエポキシレジン社製)等を反応させたものであってもよい。
また、水分散性の観点から、例えば、ポリエステル樹脂に酸基を導入するために前記多塩基酸と多価アルコールのエステル化反応後、さらに、トリメリット酸、無水トリメリット酸等の多塩基酸及びそれらの無水物を反応させたものを好適に用いることができる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は耐侯性及び仕上り性等の観点から1000〜200000、好ましくは2000〜100000の範囲内が適している。ポリエステル樹脂の水酸基価は仕上り性等の観点から10〜250mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/gの範囲内が適している。ポリエステル樹脂の酸価は5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜60mgKOH/gの範囲内が適している。
架橋剤(D)
架橋剤(D)としては、例えば、以下に挙げるブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)、水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)、メラミン樹脂(d)を用いることができる。上記のうち、仕上り外観及び耐チッピング性の観点から、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)及び水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)を好適に使用することができる。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d):1分子中に2個以上の遊離のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした硬化剤である。
ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)におけるポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
上記のうち、耐チッピング性及び仕上り外観の観点から、脂肪族ポリイソシアネート化合物及びこれらのポリイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物を好適に使用することができる。
上記ブロック剤は、遊離のイソシアネート基を封鎖するものであり、例えば、100℃以上、好ましくは130℃以上に加熱すると、水酸基と容易に反応することができる。かかるブロック剤として、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、ブチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等のフェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール等の脂肪族アルコール系ブロック剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール等のエーテル系ブロック剤;ベンジルアルコール;グリコール酸;グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル;メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール系ブロック剤;ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系ブロック剤;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤;ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤;アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等アミン系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系ブロック剤;尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、ジフェニル尿素等の尿素系ブロック剤;N−フェニルカルバミン酸フェニル等のカルバミン酸エステル系ブロック剤;エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系ブロック剤;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリ等の亜硫酸塩系等のものを挙げることができる。
上記のうち、仕上り外観の観点から、ピラゾール系及びオキシム系のブロック剤を好適に使用することができる。
水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d):塗膜性能を低下させない範囲で、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)に水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート硬化剤を用いることができる。
水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)は、ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤及びヒドロキシモノカルボン酸化合物でブロックし、ヒドロキシモノカルボン酸化合物のカルボキシル基を中和することによる水分散性を付与したブロック化ポリイソシアネート化合物である。
上記ポリイソシアネート化合物としては、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)に例示したものと同様のポリイソシアネート化合物を用いることができるが、この中でも好ましい例として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)の誘導体、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)の誘導体を挙げることができる。
前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)及びクルードTDI等を挙げることができる。
水分散性ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)を製造するには、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックするとともに、ヒドロキシモノカルボン酸化合物と反応させるが、ポリイソシアネート化合物の少なくとも1個のイソシアネート基がヒドロキシモノカルボン酸化合物のヒドロキシル基に付加するように反応させる。
ブロック剤としては、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤(d)に例示したブロック剤と同様のものを用いることができる。ヒドロキシモノカルボン酸化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロパン酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデカン酸(リシノレイン酸)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(ヒドロキシピバリン酸)、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)等を挙げることができ、この中でも3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(ヒドロキシピバリン酸)が好ましい。また反応に用いる溶剤はイソシアネート基に対して反応性でないものが良く、例えば、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン化合物、酢酸エチルのようなエステル化合物、N−メチルピロリドン(NMP)のような溶剤を挙げることができる。
メラミン樹脂(d):メラミン樹脂(d)としては、例えば、メラミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げることができる。アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等を挙げることができる。また、このメチロール化アミノ樹脂のメチロール基の一部又は全部をモノアルコールによってエーテル化したものも使用できる。エーテル化に用いられるモノアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等を挙げることができる。
メラミン樹脂(d)としては、特に、トリアジン核1個あたりメチロール基が平均3個以上メチルエーテル化されたメラミン樹脂であって、さらにイミノ基を有し、かつ平均縮合度約2以下で1核体の割合が約50重量%以上である親水性メラミン、及びトリアジン核1個あたりメチロール基が平均3個以上メチルエーテル化されたメラミン樹脂のメトキシ基の一部を炭素数2個以上のモノアルコールで置換したメラミン樹脂であって、さらにイミノ基を有し、かつ平均縮合度約2以下で1核体の割合が約50重量%以上である親水性メラミンを好適に使用することができる。
顔料(E)
顔料(E)としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等の着色顔料;タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイト等の体質顔料等を好適に用いることができる。
顔料の配合量は、塗料中の全樹脂固形分合計100重量部あたり、一般に0〜250重量部、特に3〜150重量部の範囲内が適している。
本発明の水性プライマー塗料組成物には、さらに必要に応じて、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、触媒、消泡剤、紫外線吸収剤、表面調整剤等を適宜、使用することができる。
上記増粘剤としては、例えば、ケイ酸塩、金属ケイ酸塩、モンモリロナイト、コロイド状アルミナ等の無機系増粘剤;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸系増粘剤;1分子中に親水性部分と疎水性部分を有し、水性媒体中において、該疎水性部分が塗料中の顔料又はエマルション粒子の表面に吸着したり、該疎水性部分同士が会合したりすることにより効果的に増粘作用を示す会合型増粘剤;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素系増粘剤;カゼイン、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系増粘剤;アルギン酸ソーダ等のアルギン酸系増粘剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルエーテル共重合体等のポリビニル系増粘剤;プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系増粘剤;ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体の部分エステル等の無水マレイン酸共重合体系増粘剤;ポリアマイドアミン塩等のポリアマイド系増粘剤等が挙げられる。これらの増粘剤は、それぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記ポリアクリル酸系増粘剤としては、市販品を使用できる。市販品の商品名として、例えば、ロームアンドハース社製の「プライマルASE−60」、「プライマルTT−615」、「プライマルRM−5」、サンノプコ社製の「SNシックナー613」、「SNシックナー618」、「SNシックナー630」、「SNシックナー634」、「SNシックナー636」等が挙げられる。また、上記会合型増粘剤としては、市販品を使用できる。市販品の商品名として、例えば、ADEKA社製の「UH−420」、「UH−450」、「UH−462」、「UH−472」、「UH−540」、「UH−752」、「UH−756VF」、「UH−814N」、ロームアンドハース社製の「プライマルRM−8W」、「プライマルRM−825」、「プライマルRM−2020NPR」、「プライマルRM−12W」、「プライマルSCT−275」、サンノプコ社製の「SNシックナー612」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー625N」、「SNシックナー627N」、「SNシックナー660T」等が挙げられる。
上記増粘剤としては、ポリアクリル酸系増粘剤及び/又は会合型増粘剤を用いるのが好ましく、会合型増粘剤を用いるのがより好ましく、末端に疎水基を有し、分子鎖中にウレタン結合を含有するウレタン会合型増粘剤を用いるのが更に好ましい。該ウレタン会合型増粘剤としては、市販品を使用できる。市販品の商品名として、例えば、ADEKA社製の「UH−420」、「UH−462」、「UH−472」、「UH−540」、「UH−752」、「UH−756VF」、「UH−814N」、サンノプコ社製の「SNシックナー612」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー625N」、「SNシックナー627N」、「SNシックナー660T」、MUNZING CHEMIE GMBH社製の「TAFIGEL PUR60」等が挙げられる。
また、本発明の水性プライマー塗料組成物が、上記増粘剤を含有する場合、該増粘剤の配合量は、塗料組成物中の樹脂固形分総量に対して、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.02〜6質量%であるのがより好ましく、0.03〜4質量%であるのが更に好ましい。
本発明の水性プライマー塗料組成物の塗装は、従来から知られている方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電塗装、刷け塗り等により塗装することができ、その膜厚は硬化塗膜に基いて、1〜15μm、特に2〜10μmの範囲内であるのが好ましい。
塗装にあたっては、フォードカップ#4を用いて20℃で20〜60秒、好ましくは30〜50秒の粘度に調整するのが好ましい。また、塗装時の固形分含有率は、20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%である。
本発明の水性プライマー塗料組成物によれば、仕上り性及び耐チッピング性の塗膜性能に優れた複層塗膜を得ることができるので、例えば、自動車の水性チッピングプライマー塗料等として用いるのが適している。
自動車のチッピングプライマー塗料は、一般に、自動車車体外板部の電着塗装等の下塗塗膜層と中塗塗膜層との間に塗装される塗料である。
以下、本発明の水性プライマー塗料組成物を用いた複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
複層塗膜形成方法
被塗物としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であるのが好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック素材等であってもよい。
また、被塗物としては、上記車体、金属基材等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。更に、被塗物としては、上記車体、金属基材等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜が形成されたものであってもよい。
一つの実施形態において、本発明は、本発明の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成されたプライマー塗膜及び着色塗膜を同時に焼き付け乾燥することを特徴とする複層塗膜形成方法を提供する。
水性プライマー塗料組成物の塗着塗膜の固形分含有率を70質量%以上、好ましくは75質量%以上に調整してから、水性着色塗料を塗装するのが好ましい。
水性プライマー塗料組成物の塗着塗膜の固形分含有率が、70質量%未満の状態で水性着色塗料を塗装すると、得られる複層塗膜の仕上り外観等が低下する場合がある。
水性プライマー塗料組成物の塗着塗膜の固形分含有率の調整は、例えば、その塗膜を、通常、室温〜100℃、好ましくは室温〜60℃程度の温度で、1〜10分、好ましくは2〜5分程度風乾することにより行うことができる。
本方法に従い、本発明の水性プライマー塗料組成物の塗膜面に塗装される水性着色塗料としては、例えば、通常、自動車の塗装において用いられる水性中塗塗料等の水性着色塗料を使用することができる。具体的には、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂等を基体樹脂とし、アミノ樹脂及び/又はブロックポリイソシアネート化合物等を架橋剤とする水性着色塗料を好適に使用することができる。
基体樹脂と架橋剤の配合比率は、固形分質量に基いて、一般に、基体樹脂は50〜90%、特に60〜80%、架橋剤は50〜10%、特に40〜20%の範囲内が好ましい。さらに、水性着色塗料には、着色顔料、体質顔料、その他の塗料用添加剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明の水性プライマー塗料組成物の塗膜面への水性着色塗料の塗装は、水性プライマー塗料組成物と同様な方法で行なうことができ、塗装膜厚は硬化塗膜に基いて一般に約20〜約50μm、特に約25〜約40μmの範囲内が好ましく、水性着色塗料塗装後、水性プライマー塗料組成物及び水性着色塗膜の両塗膜を、必要に応じて室温〜100℃、好ましくは室温〜60℃程度の温度で、1〜10分、好ましくは2〜5分程度風乾し、約110〜約170℃、特に約120〜約160℃の温度で10〜40分間加熱することにより両塗膜を硬化させることができる。
また、別の実施形態において、本発明は、被塗物上に電着塗料を塗装し、本発明の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性中塗塗料を塗装して中塗塗膜を形成し、硬化後又は硬化することなく、上塗塗料を1層以上塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法を提供する。
硬化した又は未硬化の水性中塗塗料の塗面には、通常、上塗塗料が塗装される。上塗塗料は、塗装物品に美粧性を付与するためのものであり、鮮映性、平滑性、光沢、耐候性、耐薬品性等に優れた塗膜を形成する通常の上塗塗料を使用することができる。
具体的には、例えば、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、アルキド樹脂・アミノ樹脂系、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系、カルボキシル基含有樹脂・エポキシ基含有樹脂系等の液状塗料を使用することができる。この液状塗料の形態としては、有機溶液型、非水分散液型、水溶液型、水分散液型等があげられる。
これらの上塗塗料は、着色顔料が配合されたソリッドカラー塗料、メタリック顔料が配合されたメタリック塗料、これらの顔料を全く又は殆ど含有しないクリヤ塗料等に分類され、これらの塗料を適宜使用して1コート方式、2コート方式(2コート1ベーク、2コート2ベーク)等により、上塗塗膜を形成することができる。
上塗塗料の塗装は、有機溶剤及び/又は水で適正塗装粘度に調整した後、静電塗装、エアレススプレー、エアスプレー等の方法によって塗装することができる。
具体的には、例えば、硬化した又は未硬化の水性中塗塗料の塗面にソリッドカラー塗料を硬化塗膜で約10〜約40μmになるように塗装し、約100〜約160℃の温度で10〜40分間加熱して行なう1コート方式によるソリッドカラー仕上げ;硬化した又は未硬化の水性中塗塗料の塗面にソリッドカラー塗料又はメタリック塗料を硬化塗膜で約10〜約30μmになるように塗装し、硬化後又は未硬化の状態で、クリヤ塗料を硬化塗膜で約20〜約60μmになるように塗装し、約100〜約160℃の温度で10〜40分間加熱して行なう2コート1ベーク方式(2C1B)又は2コート2ベーク方式(2C2B)によるソリッドカラー又はメタリック仕上げ方法等があげられる。
本方法によれば、例えば、電着塗膜等の下塗塗膜と水性中塗塗料等の中塗塗膜との間に本発明の水性プライマー塗料組成物による塗膜を介在させることにより、最終的に得られる複層塗膜の耐チッピング性を顕著に向上させることができる。
また、水性プライマー塗料組成物と水性中塗塗料等の水性着色塗料との水性塗料同士のウェットオンウェット塗装仕様において、両塗膜の混層が抑制されることにより、仕上り外観に優れた複層塗膜を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとし、また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基くものである。
ウレタン樹脂エマルション(A)の製造
製造例1
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール73.5部を、真空下110℃で脱水し、脱水後、60℃まで冷却した。次いで、2−ジメチロールプロパン酸3.2部、アセトン152.2部、及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート23.3部を順次加え、温度を50〜55℃の範囲に保持して、撹拌しながら、反応率が98%以上となるまで反応させた。
その後、トリエチルアミン10.0部を加え、イソシアネート末端プレポリマーのアセトン溶液を得た。
上記で得られたイソシアネート末端プレポリマーのアセトン溶液を撹拌しつつ、これに蒸留水180部をゆっくりと添加していき、乳白色のイソシアネート末端プレポリマー水分散液を得た。その後、速やかに、メチルエタノールアミン0.6部を滴下した。次いで、常温で1時間撹拌を続けた後、減圧下40〜50℃でアセトンを除去することにより、固形分35質量%、粘度500mPa・s/25℃、pH7.8、酸価14mgKOH/g、平均粒子径150nm、数平均分子量100,000のウレタン樹脂エマルション(A−1)を得た。
製造例2〜14
表1に示す組成で製造例1と同様にして、合成することにより、各ウレタン樹脂エマルション(A−2)〜(A−14)を得た。得られた各ウレタン樹脂エマルションの特数値を併せて表1に示す。
なお、表1において、(注1)〜(注8)については以下のとおりである。
(注1)PTMG−2000;ポリテトラメチレングリコール、分子量2000、三菱化学社製。
(注2)P−1010;ポリエステルジオール(構成成分;アジピン酸/メチルペンタンジオール)、クラレ社製。
(注3)T−6001;ポリカーボネートジオール、旭化成社製。
(注4)DMPA;ジメチロールプロピオン酸
(注5)DMBA;ジメチロールブタン酸
(注6)H12MDI;ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(注7)IPDI;イソホロンジイソシアネート
(注8)HMDI;ヘキサメチレンジイソシアネート
なお、製造例9〜14のウレタン樹脂エマルション(A−9)〜(A−14)は比較例用である。
また、製造例10のウレタン樹脂エマルション(A−10)は、水分散性不良であり、平均粒子径を測定することができなかった。
ウレタン樹脂エマルション(A)の製造(ポリエステルポリオール系)
製造例15
ポリエステルポリオール1(重量平均分子量2000、商品名ポリライトOD−X−2610、DIC社製)364部及びポリエステルポリオール2(重量平均分子量2000、商品名ポリライトOD−X−2420、DIC社製)364部を反応容器に仕込み、真空条件下110℃で脱水し、脱水後、60℃まで冷却した。次いで、2−ジメチロールプロピオン酸32部、メチルエチルケトン660部、及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート240部を順次加え、温度を70〜75℃の範囲に保持して、撹拌しながら、反応率が98%以上となるまで反応させイソシアネート末端プレポリマー溶液を得た。
この溶液を40℃まで冷却しメチルジエタノールアミン21部を加えて中和した後、十分に攪拌しながら蒸留水2116部をゆっくりと添加し、乳白色のイソシアネート末端プレポリマー水分散液を得た。その後、速やかに、ジエチレントリアミン5%水溶液108.1部(固形分5.2部)を滴下した。次いで、常温で1時間撹拌を続けた後、減圧下40〜50℃でメチルエチルケトンを除去することにより、固形分30質量%、pH7.8、酸価13mgKOH/g、平均粒子径170nmのウレタン樹脂エマルション(A−15)を得た。
製造例16〜24
表2に示す組成で製造例15と同様にして、合成することにより、各ウレタン樹脂エマルション(A−16)〜(A−24)を得た。得られた各ウレタン樹脂エマルションの特数値を併せて表2に示す。尚、ジエチレントリアミン配合量は、固形分質量で示す。
製造例15〜23のウレタン樹脂エマルション(A−15)〜(A−23)の重量平均分子量は、50000以上である。
また、製造例24のウレタン樹脂エマルション(A−24)は、水分散性不良であり、平均粒子径を測定することができなかった。
ポリエステル樹脂の製造
製造例25
加熱装置、攪拌装置、温度計、還流冷却器及び水分離器を備えた4つ口フラスコに、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸61.9部、アジピン酸70.1部、トリメチロールプロパン62.8部、ネオペンチルグリコール24.2部及び1,4−シクロヘキサンジメタノール44.6部を装入してなる内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で1時間保持し生成した縮合水を精留塔を用いて留去させた。
次に、生成物に無水トリメリット酸15.0部を付加した後、脱溶剤を行い、N,N−ジメチルエタノールアミンで中和してから、水に分散して固形分40%のポリエステル樹脂1を得た。得られたポリエステル樹脂1の水酸基価は150mgKOH/g、酸価は35mgKOH/g、数平均分子量は2,000であった。
アクリル樹脂の製造
製造例26
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノプロピルエーテル30部を仕込み85℃に昇温後、スチレン10部、メチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート15部、n−ブチルアクリレート11.5部、ヒドロキシエチルアクリレート30部、アクリル酸3.5部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル10部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。その後さらに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル5部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部の混合物を1時間かけてフラスコに滴下し、滴下終了後1時間熟成した。さらに2−(ジメチルアミノ)エタノール3.03部を加え、脱イオン水を徐々に添加することにより、固形分濃度40%のアクリル樹脂1の溶液を得た。得られたアクリル樹脂1の酸価は27mgKOH/g、水酸基価は145mgKOH/g、数平均分子量は5000であった。
水性プライマー塗料組成物の製造
実施例1
製造例25で得たポリエステル樹脂1 50部(固形分20部)、カーボンMA−100(カーボンブラック、三菱化学社製)4部、JR−806(チタン白、テイカ社製)56部及びタルクPK−S(微粉タルク、日本タルク社製)10部を混合し、ペイントシェーカーで30分間分散し、顔料分散ペースト1を得た。
得られた顔料分散ペースト1 120部に、製造例1で得たウレタン樹脂エマルション(A−1)228部(固形分80部)、W−262(オリゴマー、水トレランス20、下記構造式(1)において、
及びRはともに2−エチルヘキシル基、Rはメチレン基であり、mが6〜7であるジエステル化合物、数平均分子量550、DIC社製)7.5部、サーフィノール104A(消泡剤、エアープロダクツジャパン社製)2部、BYK−349(表面調整剤、BYK CHEMIE INTERNATIONAL GMBH社製)1部、エタノール45部及びADD−68N(レオロジーコントロール剤、楠本化成社製)1部を混合攪拌し、さらに、脱イオン水及びジメチルエタノールアミンを加えて、pH8.2、フォードカップNo.4で35秒の粘度に調整することにより、塗料固形分濃度30%の水性プライマー塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜29及び比較例1〜12
下記表3及び4に示す組成で実施例1と同様にして、調整することにより、各水性プライマー塗料組成物No.2〜41を得た。なお、表中、塗料配合中の各成分の配合量はすべて固形分質量である。
なお、実施例13の水性プライマー塗料組成物No.13では、実施例1で、顔料分散ペースト1の製造において、製造例25で得たポリエステル樹脂1の替わりに、製造例26で得たアクリル樹脂1を使用して製造した顔料分散ペースト2を使用した。
なお、表3及び4において、(注9)〜(注13)については以下のとおりである。
(注9)GP−600;ポリオキシプロピレングルセリルエーテル、数平均分子量約600、水トレランス80<、三洋化成社製。
(注10)オリゴマーX;エチレングリコールの3量体、水トレランス80<、分子量150。
(注11)GP−3000;ポリオキシプロピレングルセリルエーテル、数平均分子量約3000、水トレランス15、三洋化成社製。
(注12)ポリイソシアネート化合物1; ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のオキシムブロック体。
(注13)PUR60;TAFIGEL PUR60 ウレタン会合型増粘剤 MUNZING CHEMIE GMBH社製。
試験板の作成
実施例1〜29及び比較例1〜12で得た水性プライマー塗料組成物No.1〜41を用いて、以下のようにしてそれぞれ試験板を作製し、評価試験を行なった。
なお、水性プライマー塗料組成物No.15及び39については、塗料安定性が不良であったため、試験板を作製することができなかった。
(試験用被塗物の作製)
パルボンド#3020(日本パーカライジング社製、りん酸亜鉛処理)を施した冷延鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「エレクロンGT−10」関西ペイント社製)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
実施例30
試験用被塗物上に実施例1で製造した水性プライマー塗料組成物No.1を、ダスト部、薄膜部も形成されるように、膜厚に勾配をつけて傾斜塗装(0〜6μm、成膜部標準膜厚4μm)を行なった(ハンドガン塗装、ブース温度23℃、相対湿度63%)。80℃で3分間プレヒートを行なった後、該プライマー塗膜上に、フォードカップNo.4で45秒の粘度に調整した水性中塗塗料WP−306T(関西ペイント社製、ポリエステル・メラミン樹脂系水性中塗り塗料)を膜厚30μmとなるように塗装した(ブース温度24℃、相対湿度70%)。その後、3分間放置し、80℃で3分間プレヒートを行った後、150℃で30分間加熱することにより、中塗塗装試験板を得た。
さらに併せて、得られた中塗塗装試験板に、さらに、水性メタリックベースコートWBC−713T(関西ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂系水性上塗着色ベースコート塗料)を膜厚15μmとなるように塗装し、3分間放置してから、80℃で3分間プレヒートを行なった後、有機溶剤型クリヤ塗料KINO#1200TW(関西ペイント社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系クリヤ塗料)を膜厚35μmとなるように塗装し、7分間放置してから、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を一緒に硬化させることにより上塗塗装試験板を得た。
実施例31〜58及び比較例13〜24
実施例30において、実施例1で得た水性プライマー塗料組成物No.1を上記表3及び4に示す水性プライマー塗料組成物No.2〜41のいずれかに変更する以外は、実施例30と同様にして各試験板を作製した。
評価試験
上記実施例30〜58及び比較例13〜24で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を下記表5及び6に示す。
性能試験結果
仕上り外観:中塗塗装試験板及び上塗塗装試験板の水性プライマー塗料組成物の成膜部及びダスト部について、チッピングプライマー未塗装部(塗面は平滑で、ツヤがあり、仕上り外観良好)との目視による仕上り外観の差を以下の基準で評価した:
A:チッピングプライマー未塗装部との仕上り外観の差がなく、極めて良好;
B:チッピングプライマー未塗装部との仕上り外観の差がなく、良好;
C:チッピングプライマー未塗装部との仕上り外観の差が軽微で、仕上り外観の差がほとんど感じられない;
D:チッピングプライマー未塗装部との仕上り外観の差がややあり、チッピングプライマー塗装部の平滑性及び/又はツヤがやや劣る;
E:チッピングプライマー未塗装部との仕上り外観の差が大きく、チッピングプライマー塗装部の平滑性及び/又はツヤが大きく劣る。
耐チッピング性:上塗塗装試験板の水性プライマー塗料組成物の成膜部について、飛石試験機(商品名「JA−400型」スガ試験機株式会社社製)の試片保持台に試験板を設置し、−20℃において、試験板から30cm離れた所から0.392MPa(4kgf/cm)の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを45度の角度で試験板に衝突させた。その後、得られた試験板を水洗して乾燥し、塗面に布粘着テープ(ニチバン株式会社製)を貼着した。そして、上記テープを剥離し、塗膜のキズの発生程度等を目視で観察し評価した:
A:キズの大きさが小さく、電着面及び素地の鋼板が露出していない;
C:キズの大きさは小さいが、電着面及び/又は素地の鋼板が露出している;
E:キズの大きさはかなり大きく、素地の鋼板も大きく露出している。
耐水性:上塗塗装試験板の水性プライマー塗料組成物の成膜部及びダスト部について、40℃の脱イオン水に各試験板を240時間浸漬した後の塗面状態を評価した:
(塗面状態)
A:異常なく、良好;
E:ツヤビケ又は白ボケが認められる。
総合評価:本発明が属する、自動車車体等の塗装分野においては、得られる塗膜の仕上がり外観、耐チッピング性及び耐水性が全て優れていることが要求される。従って、下記の基準に従い、総合評価を行った:
A:中塗塗装試験板の成膜部及びダスト部、ならびに上塗塗装試験板の成膜部及びダスト部の仕上がり外観、耐チッピング性、成膜部及びダスト部の耐水性が全てAである;
B:上記項目が全てA又はBであり、かつ少なくとも1つがBである;
C:上記項目が全てA、B又はCであり、かつ少なくとも1つがCである;
D:上記項目が全てA、B、C又はDであり、かつ少なくとも1つがDである。
E:上記項目が全てA、B、C、D又はEであり、かつ少なくとも1つがEである。

Claims (8)

  1. ポリイソシアネート成分(a1)とポリオール成分(a2)とを原料として製造される酸価が6〜18mgKOH/gであり、かつ重量平均分子量が50000以上であるウレタン樹脂エマルション(A)及び
    水トレランスが10以上であり、かつ数平均分子量が200〜1500であるオリゴマー(B)
    を含有することを特徴とする水性プライマー塗料組成物であって、
    該ポリイソシアネート成分(a1)が、脂環族ジイソシアネートを含有し、
    該ポリオール成分(a2)が、ポリエステルポリオール及びポリテトラメチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種(a2−1)、ならびにアニオン性基含有ジオール(a2−2)を含有し、かつ
    該(a2−1)成分が、ポリテトラメチレングリコールからなる場合、ウレタン樹脂エマルション(A)の重量平均分子量が200000以下である、
    水性プライマー塗料組成物。
  2. オリゴマー(B)が、下記一般式(1)
    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、炭素数4〜18の炭化水素基を示す。
    3は、同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示す。
    mは、3〜25の整数を示す。]
    で表されるジエステル化合物である請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物。
  3. さらに、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物。
  4. さらに、ウレタン会合型増粘剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物。
  5. 被塗物上に請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性着色塗料を塗装して着色塗膜を形成し、形成されたプライマー塗膜及び着色塗膜を同時に硬化することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  6. 被塗物上に電着塗料を塗装し、請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物を塗装してプライマー塗膜を形成し、形成された未硬化のプライマー塗膜上に、水性中塗塗料を塗装して中塗塗膜を形成し、硬化後又は硬化することなく、上塗塗料を1層以上塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  7. 請求項1に記載の水性プライマー塗料組成物が塗装された物品。
  8. 請求項5又は6に記載の複層塗膜形成方法により塗装された物品。
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