JP4610766B2 - プラスチック成型品の塗装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン成型品にプライマー、ベース塗料及びクリヤ塗料を順次塗装してなるプラスチック成型品の塗装方法に関し、特に、プライマー塗膜を硬化させるための焼付工程を省略することができ、かつクリヤ塗膜を薄膜にすることが可能な塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
自動車外板部や家電製品などの部材として、金属材料に代って、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン成型品が多く使用されている。この成型品の表面に美粧性及び耐久性を付与させるための塗装方法として、例えば、塩素化ポリオレフィンを含有するプライマーを塗装し、80〜100℃で20〜30分間加熱して硬化させてから、水酸基含有樹脂を主成分とする着色ベース塗料及び水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を含有するクリヤ塗料を塗装して、クリヤ塗膜中に含まれるポリイソシアネート化合物により着色ベース塗膜及びクリヤ塗膜の両塗膜を同時に硬化せしめることからなる方法が広く採用されている。
【0003】
しかしながら、近年の地球環境保全及び省エネルギーなどの観点から、これらの塗装方法において、プライマー塗膜の加熱工程を省略すること及びクリヤ塗膜を薄膜化することが強く望まれている。
【0004】
クリヤ塗膜を薄膜でかつ高仕上り外観にするためには、樹脂の分子量を下げ、水酸基価を高くすることが考えられるが、上記の方法では、クリヤ塗膜を薄くすると、ポリイソシアネート化合物量が必然的に少なくなり、その結果、ベース塗膜及びクリヤ塗膜の両塗膜を十分に硬化させることが困難となり、塗膜性能を低下させる原因となるなどの問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ポリオレフィン成型品にプライマー、着色ベース塗料及びクリヤ塗料を塗装して複層塗膜を形成するにあたり、プライマー塗膜の加熱硬化工程を省略することができ、しかもクリヤ塗膜の膜厚を薄くしても複層塗膜を十分に硬化させることが可能な塗装方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、今回、ポリオレフィン成型品に、塩素化ポリオレフィン、ポリエステルポリオール及び特定のブロック剤でブロックされたポリイソシアネートを含有する1液型プライマーを塗装し、次いでポリエステルポリオール及び特定のブロック剤でブロックしたブロックポリイソシアネートを含有する1液型ベース塗料及び特定の物性値を有する水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネートとからなる2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料を順次塗装することことにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、ポリオレフィン成型品に、塩素化ポリオレフィン(A−1)、ポリエステルポリオール(A−2)ならびにヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(A−3)を含有する1液型プライマー(A)、ポリエステルポリオール(B−1)ならびにヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(B−2)を含有する1液型ベース塗料(B)、さらに静的ガラス転移温度が−20〜+40℃で、水酸基価が100〜180でかつ重量平均分子量が4000〜15000である水酸基含有アクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)の組み合わせを含んでなる2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C)を順次塗装することを特徴とするプラスチック成型品の塗装方法が提供される。
【0008】
以下、本発明によるプラスチック成型品の塗装方法(以下、「本方法」という)についてさらに詳細に説明をする。
【0009】
【発明の実施の形態】
ポリオレフィン成型品
本方法における被塗物としてのポリオレフィン成型品は、ポリオレフィンを目的の形状に成型加工したものであれば特に制限はなく、例えば、バンパー、スポイラー、グリル、フェンダーなどの自動車外板部、家庭電化製品の外板部などに成型したものがあげられる。また、ポリオレフィンとしては、例えば、、エチレン、プロピレン、ブチレンなどから選ばれるすくなくとも1種のオレフィンの重合体、又はこれらのオレフィン類と他の重合性単量体との共重合体などがあげられる。
【0010】
本方法において、これらのポリオレフィン成型品は、プライマー(A)の塗装に先立ち、それ自体既知の方法で、脱脂処理、水洗処理などの処理を適宜に行なっておくことが好ましい。
【0011】
プライマー(A)
塩素化ポリオレフィン(A−1)、ポリエステルポリオール(A−2)ならびにヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(A−3)を含有する1液型プライマーであり、後述の1液型ベース塗料(B)に先立って、ポリオレフィン成型品に塗装される被覆組成物である。
【0012】
塩素化ポリオレフィン(A−1)は、ポリオレフィンの塩素化物であって、その塩素化率が5〜40%、特に15〜30%の範囲内にあるものが適している。塩素化されるポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルブテンなどから選ばれる少なくとも1種のオレフィン類の重合体、さらにこれらのオレフィン類と酢酸ビニル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどとの共重合体があげられる。
【0013】
塩素化ポリオレフィン(A−1)としては、特に、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体などが好適である。塩素化ポリオレフィン(A−1)は、その分子中に水酸基やカルボキシル基などの官能基を有していてもよく、また、数平均分子量が一般に1000〜100000、特に3000〜30000の範囲内にあるものが適している。
【0014】
ポリエステルポリオール(A−2)は、1分子中に複数のエステル結合と水酸基を有する化合物であり、例えば、多塩基酸成分と多価アルコール成分とをそれ自体既知の方法で、水酸基過剰の条件下にエステル化反応せしめることによって得ることができる。多塩基酸成分は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ハイミック酸、コハク酸、ヘット酸及びこれらの無水物などがあげられる。多価アルコール成分は1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどがあげられる。水酸基の導入は、例えば、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールを多価アルコール成分の一部として併用することによって行なうことができる。
【0015】
さらに、このポリエステルポリオール(A−2)は、静的ガラス転移温度が−80〜0℃、特に−65〜−20℃の範囲内にあり、かつ水酸基価が40〜120、特に60〜100の範囲内にあることが好ましい。ここで、静的ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用い、真空吸引により溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度でー100℃〜+100℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を観察することにより決定され、該変化点をもって静的ガラス転移温度とする。
【0016】
脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(A−3)は、ヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートを、マロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルの両ブロック剤でブロックしたものである。そして、イソシアヌレート型ポリイソシアネートのヒドロキシル化合物による変性は、ヒドロキシル化合物のヒドロキシル基と該ポリイソシアネートのイソシアネート基とウレタン化反応であって、ポリイソシアネートをイソシアヌレート化反応する前又は後のいずれかの段階で行なうことができ、特にイソシアヌレート化反応前に行なうことが好ましい。
【0017】
イソシアヌレート化に使用するポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族及び/又は脂環式のジイソシアネート化合物が好ましく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロへキシルメタンジイソシアネートなどがあげられ、このうちヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが塗膜の耐候性などがすぐれているので好ましい。
【0018】
変性に使用されるヒドロキシル化合物は、1分子中に1個又は2個以上の水酸基を有する化合物であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、フェノールなどのモノヒドロキシ化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、トリメチルペンタンジオールなどのジヒドロキシル化合物;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ヒドロキシ化合物;水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリエーテル樹脂などがあげられる。
【0019】
ヒドロキシル化合物の使用量は、通常、イソシアネート基に対する水酸基の量が0.1〜20当量%、好ましく0.5〜15当量%、より好ましくは1〜10当量%の範囲内となるような量が適している。ヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物との間のウレタン化反応は、通常、−20〜150℃の温度範囲で行なうことができる。
【0020】
イソシアヌレート化反応は、ジイソシアネート化合物を3量体化するための反応であって、触媒の存在下で既知の方法により行なうことができる。その際に使用される触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機酸塩;トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムなどのヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機酸塩;酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩;及び上記のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛などの金属塩;ヘキサメチレンジシラザンなどのアミノシリル基含有化合物などがあげられる。これらの触媒の使用量はジイソシアネート化合物に対して10ppm〜1.0%の範囲内が適している。
【0021】
イソシアヌレート化反応は無溶剤で又は有機溶剤中で行なうことができる。有機溶剤を使用する場合はイソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いることが必要である。反応温度は、通常、20〜160℃、好ましくは40〜130℃とすることができる。反応が終点に達すると、例えば、スルホン酸、りん酸などにより触媒を失活させ、反応を停止することが好ましい。そして、未反応物及び有機溶剤を除去して、ヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートが得られる。
【0022】
ヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック剤でブロックすることによって(A−3)成分が得られる。このブロック剤として、本発明では、マロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルを併用する。
【0023】
マロン酸ジエステルとしては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、メチルマロン酸ジエチル、マロン酸ベンジルメチル、マロン酸ジフェニルなどがあげられ、また、アセト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸フェニルなどがあげられる。マロン酸ジエステルの使用量はイソシアネート基に対して、一般に30〜90当量%、特に50〜80当量%の範囲内であり、そしてアセト酢酸エステルの使用量はイソシアネート基に対して一般に10〜30当量%、特に20〜50当量%の範囲内であることが適している。これらの2種類のブロック剤に加えて、場合により、例えば、アルコール系、フェノール系、オキシム系、アミン系、酸アミド系、イミダゾール系、ピリジン系、メルカプタン系などのブロック剤をイソシアネート基に対して、20当量%以下の範囲内で併用することができる。イソシアネート基のブロック化反応はそれ自体既知の方法で行なうことができる。
【0024】
プライマー(A)は、上記した塩素化ポリオレフィン(A−1)、ポリエステルポリオール(A−2)及びブロックポリイソシアネート(A−3)を含有する1液型プライマーであり、塩素化ポリオレフィン(A−1)とポリエステルポリオール(A−2)との比率は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、塩素化ポリオレフィン(A−1)が10〜90重量%、特に30〜70重量%の範囲内にあり、そしてポリエステルポリオール(A−2)が90〜10重量%、特に70〜30重量%の範囲内となるようにするのが適している。また、ブロックポリイソシアネート(A−3)は、塩素化ポリオレフィン(A−1)とポリエステルポリオール(A−2)との合計固形分100重量部あたり、5〜50重量部、特に、10〜20重量部の範囲内で使用するのが適している。
【0025】
プライマー(A)は、以上に述べた塩素化ポリオレフィン(A−1)、ポリエステルポリオール(A−2)及びブロックポリイソシアネート(A−3)を有機溶剤に溶解又は分散せしめることにより得ることができ、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料、触媒などを含有させることも可能である。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄土、黄色酸化鉄、ハンザエロー、ピグメントエロー、クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジ、アンバー、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントグリーン、ナフトールグリーンなどのソリッドカラー顔料があげられ、また、体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、アエロジル、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどがあげられるが、これらのみに限定されるものでない。
【0026】
プライマー(A)は、例えば、粘度を12〜15秒/フォードカップ#4/20℃に調整した後、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装などによりポリオレフィン成型品に塗装することができる。その際の塗装膜厚は、通常、硬化塗膜に基いて10〜40μmの範囲内が適している。プライマー(A)の塗膜自体は、60〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度で5〜40分間程度加熱することにより、3次元に架橋反応した硬化塗膜を形成することができる。
【0027】
本方法では、ポリオレフィン成型品にプライマー(A)を塗装し、その塗膜を上記の条件で硬化させ又は硬化させることなく、好ましくは硬化させることなく、その塗面に以下に述べる1液型ベース塗料(B)を塗装する。
【0028】
1液型ベース塗料( B
ポリエステルポリオール(B−1)及びヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(B−2)を含有する1液型ベース塗料である。
【0029】
1液型ベース塗料(B)において、ポリエステルポリオール(B−1)としては、プライマー(A)について説明したポリエステルポリオール(A−2)と同じものがあげられ、ただし、ポリエステルポリオール(A−2)と同じ又は異なっていてもよく、また、ヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(B−2)としては、プライマー(A)について説明したブロックポリイソシアネート(A−3)と同じものがあげられ、ただし、ブロックポリイソシアネート(A−3)と同じ又は別のものを使用することができる。
【0030】
1液型ベース塗料(B)は、上記のポリエステルポリオール(B−1)及びブロックポリイソシアネート(B−2)を含有する1液型ベース塗料であり、これら両成分の配合比率は、固形分量を基準にして、一般にポリエステルポリオール(B−1)100重量部あたり、ブロックポリイソシアネート(B−2)10〜50重量部、特に25〜40重量部の範囲内が適している。
【0031】
1液型ベース塗料(B)は、上記のポリエステルポリオール(B−1)及びブロックポリイソシアネート(B−2)を有機溶剤に溶解又は分散せしめることにより得られるが、さらに必要に応じて、着色顔料、体質顔料などを含有させることも可能である。着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄土、黄色酸化鉄、ハンザエロー、ピグメントエロー、クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジ、アンバー、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキ、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、ピグメントグリーン、ナフトールグリーンなどのソリッドカラー顔料;アルミニウム粉、蒸着アルミニウム、酸化アルミニウブロンズ粉、銅粉、錫粉、雲母状酸化鉄などのメタリック顔料;酸化チタンや酸化鉄で被覆した雲母フレーク、雲母フレークなどの光干渉性顔料があげられるが、これらのみに限定されるものでない。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、それぞれ、ソリッドカラー塗膜、メタリック塗膜及び光干渉性塗膜を形成することができる。
【0032】
1液型ベース塗料(B)は、例えば、粘度を12〜15秒/フォードカップ#4/20℃に調整した後、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装などの方法により、ポリオレフィン成型品のすでに塗装してあるプライマー(A)の硬化又は未硬化の塗面に塗装することができる。その塗装膜厚は、通常、硬化塗膜に基いて10〜40μmの範囲内が適している。1液型ベース塗料(B)の塗膜自体は、60〜120℃、好ましくは80〜100℃のおんどで5〜40分間程度加熱することにより、3次元に架橋反応した硬化塗膜を形成することができる。
【0033】
本方法では、ポリオレフィン成型品にすでに塗装してあるプライマー(A)の硬化又は未硬化の塗面に塗装した1液型ベース塗料(B)の塗膜を上記の条件で硬化させ又は硬化させることなく、好ましくは硬化させることなく、その塗面に以下に述べる2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C)を塗装する。
【0034】
2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C)
静的ガラス転移温度が−20〜+40℃で、水酸基価が100〜180でかつ重量平均分子量が4000〜15000である水酸基含有アクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)の組み合わせを含んでなる2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料である。
【0035】
アクリル樹脂(C−1)としては、静的ガラス転移温度が−20〜+40℃、好ましくは−5〜15℃で、水酸基価が100〜180、好ましくは110〜140で、かつ重量平均分子量が4000〜15000、好ましくは6000〜9000の範囲内にあるアクリル樹脂が使用される。
【0036】
かかるアクリル樹脂は、例えば、水酸基含有不飽和単量体及びアクリル系単量体、さらに必要に応じてその他の不飽和単量体を共重合せしめることによって製造することができる。
【0037】
水酸基含有不飽和単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和二重結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が2〜10のアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸との等モル付加物があげられる。
【0038】
アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸と炭素数が1〜24のモノアルコールとのモノエステル化物が包含され、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどがあげられる。
【0039】
その他の不飽和単量体には、上記の水酸基含有不飽和単量体及びアクリル系単量体以外の1分子中に1個以上の重合性不飽和二重結合を有する化合物が包含され、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート,アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基カルボキシル基含有不飽和化合物;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレ−ト、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどのビニル芳香族化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリルなどがあげられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0040】
アクリル樹脂(C−1)は、上記の水酸基含有不飽和単量体、アクリル系単量体、さらに必要に応じてその他の不飽和単量体を併用し、溶液重合などのそれ自体既知の方法により共重合せしめることによって製造することができる。得られるアクリル樹脂の静的ガラス転移温度の調整は単量体成分及びその比率などを変えることによって容易に行うことができる。
【0041】
ポリイソシアネート(C−2)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、そのイソシアネート基が実質的にブロックされておらず、遊離の状態のものがで使用される。
【0042】
具体的には、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物及び芳香族ポリイソシアネート化合物などから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。このうち、脂肪族ポリイソシアネート化合物及び脂環式ポリイソシアネート化合物としては、上記のプライマー(A)におけるブロックポリイソシアネート(A−3)で説明してものと同様のものを好適に使用することができる。また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどがあげられる。また、これらのポリイソシアネート化合物に、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールを該ポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる比率で反応させてなる生成物、これらのビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物などもポリイソシアネート(C−2)として使用することができる。
【0043】
2液型アクリル系クリヤ塗料(C)は、以上にのべたアクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)の組み合わせを含んでなる、無色透明又は有色透明塗膜を形成する塗料であり、上記のアクリル樹脂(C−1)及びポリイソシアネート(C−2)に、さらに必要に応じて、前記の如き着色顔料を透明性を阻害しない程度に含有せしめることができ、これらを有機溶剤に混合せしめることにより調製することができる。
【0044】
このクリヤ塗料(C)におけるアクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)との配合比率は、厳密には制限されるものではないが、一般には、アクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)との合計固形分比で、アクリル樹脂(C−1)は50〜90重量%、特に60〜80重量%、そしてポリイソシアネート(C−2)は10〜50重量%、特に20〜40重量%の範囲内で使用することが好ましい。
【0045】
2液型アクリル系クリヤ塗料(C)において、アクリル樹脂(C−1)の水酸基とポリイソシアネート(C−2)のイソシアネート基とは室温で反応しやすいので、長時間保存する場合にはこれら両成分を分離しておき、塗装直前に混合して使用することが好ましい。
【0046】
2液型アクリル系クリヤ塗料(C)は、例えば、粘度を14〜20秒/フォードカップ#4/20℃に調整した後、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装などの方法により、1液型ベース塗料(B)の硬化又は未硬化の塗面に塗装することができる。塗装膜厚は、硬化塗膜に基いて5〜80μmの範囲内が適している。2液型アクリル系クリヤ塗料(C)の塗膜自体は、室温〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度で5〜60分間程度加熱することにより、3次元に架橋反応した硬化塗膜を形成することができるが、一般には、2液型アクリル系クリヤ塗料(C)を、1液型ベース塗料(B)の未硬化の塗面に塗装し、そして60〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度で5〜60分間程度加熱して、両塗膜を同時に硬化させることが好ましい。
【0047】
本方法においては、プラスチック成型品に、以上に述べたプライマー(A)、1液型ベース塗料(B)及びクリヤ塗料(C)を、3コート1ベイク方式、3コート2ベイク方式、3コート3ベイク方式のいずれかの方式で塗装することができ、このうち3コート1ベイク方式及び3コート2ベイク方式が好適である。これらいずれの方式においても、塗膜は60〜120℃、好ましくは80〜100℃の温度で5〜60分間程度加熱することによって、硬化させることができるので、被塗物としてのポリオレフィン成型品が熱変形又は変質することは全くない。
【0048】
本方法では、プライマー(A)の塗膜を硬化させることなく、その未硬化塗面にベース塗料(B)を塗装することができるので、プライマー塗膜を硬化させるための焼付工程を省略することが可能である。また、本方法では、クリヤ塗料(C)を30μm以下の薄膜に塗装しても、ベース塗料(B)には低温硬化性のすぐれた特定のブロックポリイソシアネート(B−2)が含まれているので、塗膜の硬化性が低下することがない。
【0049】
さらに、本方法によれば、塗装工程でゴミ、ブツが発生しても、形成される複層塗膜の硬化後3〜7日またはそれ以上経過してから、その部分を研磨除去し、その部分及び周辺部に1液型ベース塗料(B)及びクリヤ塗料(C)を用い2コート1ベイク方式又は2コート2ベイク方式によって補修塗装することにより、補修塗膜と旧塗膜との層間付着性が顕著に優れた塗膜を得ることができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。部及び%はいずれも重量基準であり、また、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてのものである。
【0051】
1.試料の調製
1)ポリエステルポリオール(a)
(a−1):アジピン酸240部、ヘキサヒドロフタル酸125部、1,6−ヘキサンジール240部及びトリメチロールプロパン70部を常法によりエステル化反応させてポリエステルポリオール(a−1)を得た。静的ガラス転移温度はー60℃、水酸基価は70であった。
【0052】
2)ブロックポリイソシアネート(b)
(b−1):窒素雰囲気下で、フラスコ内に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート100部及びブタンジオール1.2部を仕込み、攪拌しながら80℃で2時間保持した。その後、温度を60℃に保持し、触媒としてテトラブチルアンモニウムアセテートを添加し、さらにりん酸を添加し反応を停止した。反応液をろ過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、25℃における粘度が3800mPas、イソシアネート含有量が21.0%のイソシアヌレート型ポリイソシアネートを得た。
【0053】
窒素雰囲気下で、このポリイソシアネート100部及びキシレン39部をフラスコに仕込み、マロン酸ジエチル42部、アセト酢酸エチル34部及び28%ナトリウムメチラート水溶液0.8部の混合物を室温で徐々に添加した。添加終了後、60℃で6時間反応を続けた。その後、ブタノール14部を添加し、十分攪拌した。樹脂分75%、ブロックされたイソシアネート基の含有量(NCOとして)9.1%のブロックポリイソシアネート溶液を得た。このブロックポリイソシアネート溶液を5℃で2週間貯蔵しても結晶化せず、溶液状態を維持した。
【0054】
(b−2):上記(b−1)における1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート100部の代わりにイソホロンジイソシアネート132部を用いた以外はすべて(b−1)と同様にして実施し、ブロックされたイソシアネート基の含有量(NCOとして)15%のブロックポリイソシアネート溶液を得た。
【0055】
3)アクリル樹脂(c)
(c−1):スチレン25部、n−ブチルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート24部及びアクリル酸1部を常法によりラジカル重合反応させてアクリル樹脂(c−1)を得た。静的ガラス転移温度は5℃、水酸基価は120、重量平均分子量8000であった。
【0056】
(c−2):スチレン50部、t−ブチルメタクリレート25部、ヒドロキシエチルメタクリレート24部及びアクリル酸1部を常法によりラジカル重合反応させてアクリル樹脂(c−2)を得た。静的ガラス転移温度は90℃、水酸基価は120、重量平均分子量20000であった。
【0057】
4)1液型プライマー(A)
2)(A−i):「スーパークロン892L」(日本製紙(株)製、商品名、塩素化率22%の塩素化ポリプロピレン樹脂、数平均分子量25000、固形分含有率20%)50部、ポリエステルポリオール(a−1)30部、ブロックポリイソシアネート(b−1)20部、酸化チタン顔料80部及びタルク10部をキシレン中で混合し、分散させ、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製された1液型プライマー(A−i)を得た。
【0058】
5)1液型ベース塗料(B)
(B−i):ポリエステルポリオール(a−1)100部(固形分)、ブロックポリイソシアネート(b−1)30部(固形分)及び「アルミペースト#7680NS」(東洋アルミニウム社製、商品名)15部をキシレン中で混合し、分散させ、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製された1液型ベース塗料(B−i)を得た。
【0059】
(B−ii):ポリエステルポリオール(a−1)100部(固形分)、ブロックポリイソシアネート(b−2)25部(固形分)及び「アルミペースト#7680NS」(東洋アルミニウム社製、商品名)15部をキシレン中で混合し、分散させ、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製された1液型ベース塗料(B−ii)を得た。
【0060】
(B−iii):ポリエステルポリオール(a−1)100部(固形分)及び「アルミペースト#7680NS」(東洋アルミニウム社製、商品名)15部をキシレン中で混合し、分散させ、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃に調製された1液型ベース塗料(A−3)を得た(比較用)。
【0061】
6)2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C)
(C−i):アクリル樹脂(c−1)70部及びヘキサメチレンジイソシアネートの水アダクト体30部を有機溶剤(トルエン/キシレン等重量混合液)と混合し、粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に調製された2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−i)を得た。
【0062】
(C−ii):アクリル樹脂(c−2)70部及びヘキサメチレンジイソシアネートの水アダクト体30部を有機溶剤(トルエン/キシレン等重量混合液)と混合し、粘度14秒/フォードカップ#4/20℃に調製された2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−ii)を得た。
【0063】
2.実施例及び比較例
実施例 1
バンパーに成型加工したポリプロピレン(脱脂処理済み)にプライマー(A−i)を膜厚20μmに塗装し、室温で2分間放置してから、1液型ベース塗料(B−i)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−i)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、ついで100℃で30分間加熱して3層塗膜を同時に硬化させた。
【0064】
実施例 2
バンパーに成型加工したポリプロピレン(脱脂処理済み)にプライマー(A−i)を膜厚15μmに塗装し、室温で2分間放置してから、1液型ベース塗料(B−ii)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−i)を膜厚が25μmになるようにスプレー塗装し、ついで100℃で30分間加熱して3層塗膜を同時に硬化させた。
【0065】
比較例 1
バンパーに成型加工したポリプロピレン(脱脂処理済み)にプライマー(A−i)を膜厚20μmに塗装し、室温で2分間放置してから、1液型ベース塗料(B−iii)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−i)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、ついで100℃で30分間加熱して3層塗膜を同時に硬化させた。
【0066】
比較例 2
バンパーに成型加工したポリプロピレン(脱脂処理済み)にプライマー(A−i)を膜厚20μmに塗装し、室温で2分間放置してから、1液型ベース塗料(B−i)を膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し、室温で2分間放置してから、その未硬化塗面に2液型アクリル樹脂系クリヤ塗料(C−ii)を膜厚が25μmになるようにスプレー塗装し、ついで100℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化させた。
【0067】
3.性能試験結果
実施例及び比較例で形成された複層塗膜について性能試験を行なった。その結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
Figure 0004610766
【0069】
性能試験方法は次のとおりである。
仕上り外観:目視で観察する。○はツヤ感及び平滑性が良好、△はツヤ感及び平滑性がやや劣る、×はツヤ感及び平滑性が非常に劣ることをそれぞれ示す。
【0070】
付着性:塗膜面に素地に達するようにカッターで切り込み線を入れ、大きさ2mm×2mmのマス目を100個作り、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそれを急激に剥離した後のマス目の残存塗膜数を調べる。○は100個残存、△は99〜95個残存、×は94個以下残存をそれぞれ示す。
耐水付着性:塗装したバンパーの一部を切り取り、40℃の温水に10日間浸漬し、引き上げて乾燥してから、上記の付着性試験と同様にして付着性試験を行なう。評価基準は上記と同じである。

Claims (1)

  1. ポリオレフィン成型品に、塩素化ポリオレフィン(A−1)、ポリエステルポリオール(A−2)ならびにヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(A−3)を含有する1液型プライマー(A)、ポリエステルポリオール(B−1)ならびにヒドロキシル化合物で変性したイソシアヌレート型ポリイソシアネートをマロン酸ジエステル及びアセト酢酸エステルでブロックした脂肪族及び/又は脂環式ブロックポリイソシアネート(B−2)を含有する1液型ベース塗料(B)、さらに静的ガラス転移温度が−20〜+40℃で、水酸基価が100〜180でかつ重量平均分子量が4000〜15000である水酸基含有アクリル樹脂(C−1)とポリイソシアネート(C−2)の組み合わせを含んでなる2液型のアクリル樹脂系クリヤ塗料(C)を順次塗装することを特徴とするプラスチック成型品の塗装方法。
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