JP2002177872A - 塗膜形成方法およびそれから得られる塗膜 - Google Patents

塗膜形成方法およびそれから得られる塗膜

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JP2002177872A
JP2002177872A JP2000383266A JP2000383266A JP2002177872A JP 2002177872 A JP2002177872 A JP 2002177872A JP 2000383266 A JP2000383266 A JP 2000383266A JP 2000383266 A JP2000383266 A JP 2000383266A JP 2002177872 A JP2002177872 A JP 2002177872A
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coating film
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paint
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JP2000383266A
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Yoshio Tsuji
祥生 辻
Koichi Obara
浩一 小原
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車体等の電着塗装された素材を塗装する
際の、中塗り塗料、ベース塗料およびクリアー塗料を塗
布し、同時に加熱硬化させる、いわゆる3コート1ベー
ク方法において、優れた耐チッピング性を有する塗膜形
成方法を提供する。 【解決手段】電着塗装された素材の上に、マイカ粉を含
有することを特徴とする中塗り塗料を塗布して未硬化の
中塗り塗膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得
られた未硬化の中塗り塗膜上に、ベース塗料を塗布して
未硬化のベース塗膜を形成する工程(2)、上記工程
(2)で得られた未硬化のベース塗膜上にクリアー塗料
を塗布して未硬化のクリアー塗膜を形成する工程(3)
および、上記工程(3)で得られた未硬化の中塗り塗
膜、ベース塗膜およびクリアー塗膜を同時に加熱硬化さ
せる工程(4)からなる塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の塗
装に用いられる中塗り塗料を塗布した後、ウェット・オ
ン・ウェット塗装によってベース塗料およびクリアー塗
料を塗布して塗膜を形成させる、いわゆる3コート1ベ
ーク方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の塗膜は、通常、電着塗膜、
中塗り塗膜および上塗り塗膜からなる多層塗膜である。
このような多層塗膜を得るための塗装工程として、素材
に対して電着塗装により下塗り塗装した後、加熱硬化さ
せて電着塗膜を形成し、その上に中塗り塗装して加熱硬
化させて中塗り塗膜を形成した後、さらに、その上に上
塗り塗装して加熱硬化させて上塗り塗膜を形成するとい
う、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装を各塗装後
に各々加熱硬化する方法が一般的である。
【0003】ここで、上塗り塗装として、ベース塗装及
びクリアー塗装を用いる場合には、加熱硬化させて得ら
れた中塗り塗膜上に、ベース塗料及びクリアー塗料をウ
ェット・オン・ウェット塗装によって塗装した後、一度
に加熱硬化させる、いわゆる3コート2ベーク方法が行
われている。このような3コート2ベーク方法は塗装工
程が長くなり、エネルギー消費量が多いため、トータル
コストが高いという問題点があった。また、近年、省資
源、省エネルギーの観点から、問題が指摘されていた。
【0004】特開平10−5680号公報には、中塗り
塗料及び/又はメタリックベース塗料として架橋性重合
体微粒子(ミクロゲル)を添加したものを使用して、中
塗り塗料を塗布し、ウェット・オン・ウェット塗装によ
ってメタリックベース塗料及びクリアー塗料を塗布し、
中塗り塗料、メタリックベース塗料及びクリアー塗料を
同時に加熱硬化させる、いわゆる3コート1ベーク方法
が開示されている。この架橋性重合体微粒子(ミクロゲ
ル)は、塗装の界面において各塗料が混和して境界面が
不明瞭となることを防止することを目的として添加され
ているものであり、鮮映性や光沢性の高い塗膜外観が得
られる。
【0005】しかしながら、この3コート1ベーク方法
によって得られた塗膜は、各塗装の界面が強い相互作用
で結合し、あたかも単一塗膜のような挙動を示すため、
従来の3コート2ベーク方法によって得られる塗膜のよ
うに、塗膜にかかる外力を各塗膜や、その層間によって
緩和することができず、耐チッピング性が低下する傾向
にあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車車体
等の電着塗装された素材を塗装する際の、中塗り塗料、
ベース塗料およびクリアー塗料を塗布し、同時に加熱硬
化させる、いわゆる3コート1ベーク方法において、優
れた耐チッピング性を有する塗膜形成方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電着塗装され
た素材の上に、中塗り塗料を塗布して未硬化の中塗り塗
膜を形成する工程(1)、上記工程(1)で得られた未
硬化の中塗り塗膜上に、ベース塗料を塗布して未硬化の
ベース塗膜を形成する工程(2)、上記工程(2)で得
られた未硬化のベース塗膜上にクリアー塗料を塗布して
未硬化のクリアー塗膜を形成する工程(3)および、上
記工程(3)で得られた未硬化の中塗り塗膜、ベース塗
膜およびクリアー塗膜を同時に加熱硬化させる工程
(4)からなる塗膜形成方法であって、上記中塗り塗料
が、マイカ粉を含有することを特徴とする塗膜形成方法
である。
【0008】ここで、中塗り塗料の固形分に含まれるマ
イカ粉は、0.5〜15重量%であることが好ましい。
また、マイカ粉は、その表面に金属酸化物および/また
は水和金属酸化物層が形成されていて、かつ、グリシジ
ル化合物によって表面処理されたもの、または、有機リ
ン酸エステル化合物によって表面処理されたものである
ことが好ましい。また、本発明は、上記の塗膜形成方法
によって得られることを特徴とする塗膜である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の塗膜形成方法は、電着塗
装された素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリ
アー塗料を順次塗装する工程、並びに、上記塗装された
3層を一度に焼き付け硬化させる工程からなる塗膜形成
方法であって、上記中塗り塗料が、マイカ粉を含有する
ことを特徴とするものである。
【0010】中塗り塗料 本発明の塗膜形成方法において用いられる中塗り塗料
は、塗膜形成性成分および着色顔料を含む中塗り塗料組
成物であって、さらに、マイカ粉を含有することを特徴
とするものである。上記マイカ粉としては、鱗片状でか
つ薄膜のものが好ましい。また、上記マイカ粉の平均粒
径や厚さ等は特に限定されず、例えば、平均粒径2〜1
8μm、厚さ0.1〜1.0μmである。
【0011】このようなマイカ粉としては、例えば、天
然の雲母片や人造マイカ粉等を挙げることができる。上
記マイカ粉は、得られる塗膜の耐水性を向上するため
に、例えば、その表面に金属酸化物および/または水和
金属酸化物層が形成されていて、かつ、グリシジル化合
物によって表面処理されていることや、有機リン酸エス
テル化合物によって表面処理されていることが好まし
い。
【0012】上記金属酸化物および/または水和金属酸
化物としては、例えば、チタン、スズ、鉄、ジルコニウ
ム、セリウム、亜鉛、クロム、コバルト、アルミニウ
ム、ケイ素、マンガン、銅等の中から選択される少なく
とも1つ以上の金属の酸化物および/または水和酸化物
を挙げることができるが、入手の容易さから、ジルコニ
ウムの水和金属酸化物であることが好ましい。なお、こ
のような金属酸化物および/または水和金属酸化物を用
いて、上記マイカ粉の表面に層を形成する方法としては
特に限定されず、例えば、化学的気層蒸着法(CVD
法)を挙げることができる。
【0013】上記グリシジル化合物としては、例えば、
ポリグリシジルエーテル化合物、ポリグリシジルエステ
ル化合物およびジグリシジルポリシロキサン化合物を挙
げることができる。上記ポリグリシジルエーテル化合
物、ポリグリシジルエステル化合物およびジグリシジル
ポリシロキサン化合物としては、例えば、一般式
(1):
【0014】
【化1】
【0015】でそれぞれ表されるものであり、式中、R
は、2価以上の多価アルコールの残基を、pは2以上
の数、RCO−は、2価以上の多価芳香族または多価
脂肪族カルボン酸の残基、qは、2以上の数を表し、R
は、ポリエチレン鎖であり、繰り返し数は1〜12の
範囲であり、nは1〜12の範囲の数であり、RとR
は同一または異なってもよい水素または炭素数1〜6
の範囲の炭素原子からなるアルキル基である。
【0016】このようなものとして具体的には、例えば
が、アルキレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ネオ
ペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ソルビト
ール等の多価アルコール残基であるポリグリシジルエー
テル化合物等;フタル酸のジグリシジルエステル、アジ
ピン酸のジグリシジルエステル等;Rのポリエチレン
鎖の繰り返し数が3で、nは1で、RとRがメチル
基であるエポキシ当量が180のジグリシジルポリシロ
キサン化合物(例えば1,3−ビス(3−グリシドキシ
プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン)、あるいは、その中でnが3で、エポキシ当量が2
60のジグリシジルポリシロキサン化合物、あるいはR
のポリエチレン鎖の繰り返し数が3で、RとR
メチル基で、nが8であるエポキシ当量が450である
ジグリシジルポリシロキサン化合物等を挙げることがで
きる。
【0017】上記グリシジル化合物は、上記ポリグリシ
ジルエーテル化合物、ポリグリシジルエステル化合物お
よびジグリシジルポリシロキサン化合物を2種類以上含
んでいてもよい。なお、上記グリシジル化合物によっ
て、表面に金属酸化物および/または水和金属酸化物層
が形成されたマイカ粉を表面処理する方法としては特に
限定されず、例えば、上記マイカ粉と上記グリシジル化
合物を溶剤で希釈したものとをディスパー等の撹拌混合
機によって混合する方法;上記マイカ粉を含む中塗り塗
料に上記グリシジル化合物を溶剤で希釈したものを後添
加する方法を挙げることができる。
【0018】また、上記有機リン酸エステル化合物とし
ては、例えば、エステル部がアルキル基であるものを挙
げることができる。上記アルキル基の炭素数としては8
〜18であることが好ましく、10〜14であることが
さらに好ましい。上記炭素数が8未満である場合、マイ
カ粉に対するぬれ性が低下して密着性が低下し、18を
超える場合、塗料中で化合物の結晶が析出し、不具合が
生じる恐れがある。
【0019】また、上記化合物のHLBは、3〜12で
あることが好ましく、4〜8であることがさらに好まし
い。上記HLBが上記範囲外である場合、マイカ粉に対
するぬれ性の低下が起こる恐れがある。なお、HLB
は、重量分率に基づくグリフィン式:HLB=20×
(MH/M)[式中、MHは親水基部分の分子量、Mは
活性剤の分子量を意味する]から求めることができる。
また、親水基部分の分子量はリン酸エステル、スルホン
酸、カルボン酸の分子量を用いて求めることができる。
【0020】このような有機リン酸エステル化合物とし
て、具体的には、2−エチルヘキシルアシッドホスフェ
ート、モノ−またはジ−ジイソデシルアシッドホスフェ
ート、モノ−またはジ−トリデシルアシッドホスフェー
ト、モノ−またはジ−ラウリルアシッドホスフェート、
モノ−またはジ−ノニルフェニルアシッドホスフェート
等を挙げることができる。有機リン酸エステル化合物に
よるマイカ粉の処理方法としては特に限定されず、例え
ば、上記マイカ粉と上記有機リン酸エステル化合物を溶
剤で希釈したものとをディスパー等の撹拌混合機によっ
て混合する方法;上記マイカ粉を含む中塗り塗料に上記
有機リン酸エステル化合物を溶剤で希釈したものを後添
加する方法を挙げることができる。
【0021】上記中塗り塗料は、上記マイカ粉の他に、
その他の光輝性顔料、着色顔料や体質顔料を含むことが
できる。上記その他の光輝性顔料としては、例えば、ア
ルミニウム粉、ガラス粉、ブロンズ粉、チタン粉等を挙
げることができる。上記着色顔料としては、例えば、二
酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、黄鉛、
黄色酸化鉄、ベンガラ等の無機系着色顔料;アゾキレー
ト系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロ
シアニン系顔料、インディゴ顔料、ペリノン系顔料、ペ
リレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系
着色顔料等を挙げることができる。また、上記体質顔料
としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、
ケイ酸アルミ(クレー)、タルク等を挙げることができ
る。
【0022】上記中塗り塗料に含まれる塗膜形成性成分
は、例えば、硬化性官能基を有する樹脂、硬化剤を挙げ
ることができる。上記硬化性官能基を有する樹脂として
は特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等
を挙げることができる。また、これらの樹脂が有する硬
化性官能基としては特に限定されず、カルボキシル基、
水酸基、エポキシ基、イソシアネート基等を挙げること
ができる。また、上記硬化剤としては、上記硬化性官能
基の種類に応じて、当業者によってよく知られた硬化剤
を適宜選択することができる。一般的には、顔料分散性
や塗装作業性等の観点から、上記硬化性官能基を有する
樹脂が水酸基を有するポリエステル樹脂および/または
アクリル樹脂であり、上記硬化剤がポリイソシアネート
および/またはメラミン樹脂であることが好ましい。な
お、上記ポリイソシアネートは、貯蔵安定性の観点か
ら、有するイソシアネート基をブチルセロソルブや2−
エチルヘキサノール等のアルコール類やメチルエチルケ
トオキシム等のオキシム類等、当業者によってよく知ら
れているブロック剤によってブロックされていることが
好ましい。
【0023】上記中塗り塗料が水性塗料である場合、上
記塗膜形成性成分としては、米国特許第5151125
号および第5183504号等に記載されているものを
用いることができるが、得られる塗膜の外観等の観点か
ら、米国特許第5183504号に記載のアクリルアミ
ド基、水酸基および酸基を有するアクリル樹脂およびメ
ラミン樹脂であることが好ましい。
【0024】上記中塗り塗料における[(マイカ粉固形
分重量)/(全顔料固形分重量)+(塗膜形成性成分固
形分重量)×100]で算出されるマイカ粉の顔料濃度
は、0.5〜15重量%であることが好ましく、2〜1
5重量%であることがさらに好ましい。上記顔料濃度が
0.5重量%未満である場合、本発明の効果が発揮され
ず、また、15重量%を超える場合、得られる中塗り塗
膜の外観が極端に低下する。
【0025】上記中塗り塗料における[(全顔料固形分
重量)/(全顔料固形分重量)+(塗膜形成性成分固形
分重量)×100]で算出される全顔料濃度(PWC)
は、一般的には70重量%以下である。上記全顔料濃度
が70重量%を超える場合、得られる塗膜の外観が低下
する恐れがある。なお、全顔料固形分重量とは上記全て
の顔料の固形分重量の和である。
【0026】また、上記中塗り塗料は、上記成分の他に
必要に応じて、顔料分散剤、表面調整剤、粘性制御剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤等、当業者によってよく知ら
れている各種添加剤を含むことができる。このような中
塗り塗料を得る方法としては特に限定されず、例えば、
上記の各成分をディスパー等を用いた撹拌混合等の当業
者によってよく知られている方法を挙げることができ
る。このような中塗り塗料は、一般に溶液型のものが好
ましく、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマ
ルジョン)、非水分散型のいずれであっても良い。
【0027】ベース塗料 本発明の塗膜形成方法において用いられるベース塗料と
しては特に限定されず、例えば、塗膜形成性成分、顔料
および各種添加剤を含んでいるものを挙げることができ
る。上記塗膜形成性成分としては特に限定されず、上記
中塗り塗料のところで述べたものを挙げることができ
る。また、上記顔料としては特に限定されず、例えば、
マイカ粉、光輝性顔料、着色顔料および体質顔料等を挙
げることができる。上記マイカ粉、光輝性顔料および着
色顔料としては、具体的には、上記中塗り塗料のところ
で述べたものを挙げることができる。分散性に優れ、透
明感の高い塗膜を形成するために、金属または合金等の
無色または着色されたマイカ粉や光輝性顔料およびその
混合物が好ましい。
【0028】上記ベース塗料が上記マイカ粉や光輝性顔
料を含む場合、その平均粒径(D )は2〜50μm
であり、厚さは0.1〜5μmである鱗片状のものが好
ましい。光輝感の観点から、平均粒径が10〜35μm
であるものがさらに好ましい。上記ベース塗料のマイカ
粉および光輝性顔料の顔料濃度としては、一般に23重
量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.0
1〜20重量%であり、さらに好ましくは0.01〜1
8重量%である。上記顔料濃度が23重量%を超える場
合、得られる塗膜の外観が低下する恐れがある。
【0029】なお、上記ベース塗料中に含まれるすべて
の顔料濃度(PWC)は、一般的には0.1〜50重量
%であり、より好ましくは0.5〜40重量%であり、
さらに好ましくは1〜30重量%である。上記顔料濃度
が0.1重量%未満である場合、顔料による効果が得ら
れず、また、50重量%を超える場合、得られる塗膜の
外観が低下する恐れがある。上記添加剤としては特に限
定されず、具体的には、上記中塗り塗料のところで述べ
たものを挙げることができる。
【0030】このようなベース塗料を得る方法としては
特に限定されず、上記中塗り塗料のところで述べたもの
を挙げることができる。また、上記ベース塗料の塗料形
態としては特に限定されず、有機溶剤型、水性型(水溶
性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型のいずれで
あってもよい。
【0031】クリアー塗料 本発明の塗膜形成方法において用いられるクリアー塗料
としては特に限定されず、例えば、塗膜形成性成分およ
び各種添加剤を含むものを挙げることができる。上記塗
膜形成性成分および各種添加剤としては、先の中塗り塗
料でそれぞれ述べたものを挙げることができる。なお、
耐酸エッチング性等の観点から、上記塗膜形成性成分と
しては、カルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル
樹脂および/またはポリエステル樹脂等を用いることが
好ましい。
【0032】上記クリアー塗料としては、ベース層との
なじみや反転、または、タレ等の防止のために、添加剤
として粘性制御剤を含んでいることが好ましい。クリア
ー塗料固形分中の上記粘性制御剤の含有量としては、固
形分で0.01〜10重量%であることが好ましく、よ
り好ましくは0.02〜8重量%、さらに好ましくは
0.03〜6重量%である。上記含有量が0.01重量
%未満である場合、粘性制御効果が得られず、また、1
0重量%を超える場合、得られる塗膜の外観が低下する
恐れがある。また、その他の添加剤としては特に限定さ
れず、上記中塗り塗料のところで述べたものを挙げるこ
とができる
【0033】また、透明性を損なわない程度に、着色顔
料を含んでいてもよい。上記着色顔料としては上記中塗
り塗料のところで述べたものを挙げることができる。こ
のようなクリアー塗料を得る方法としては特に限定され
ず、例えば、上記中塗り塗料のところで述べたものを挙
げることができる。上記クリアー塗料の塗料形態として
は特に限定されず、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分
散性、エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれで
あってもよい。
【0034】素材 本発明の塗膜形成方法において用いられる素材は電着塗
装されているものである。上記素材としては特に限定さ
れず、例えば、金属素材を例示することができる。上記
金属素材としては、具体的には、鉄、鋼、アルミニウ
ム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金および
鋳造物を挙げることができ、例えば、乗用車、トラッ
ク、オートバイ、バス等の自動車車体および部品を挙げ
ることができる。これらの素材は電着塗装が行われる前
に予め表面処理を施されていることが好ましい。上記電
着塗装に用いられる電着塗料としては特に限定されず、
カチオン型およびアニオン型のいずれであってもよい
が、防食性および防錆性の観点から、カチオン型である
ことが好ましい。
【0035】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材の上に、
中塗り塗料を塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する工
程(1)、上記工程(1)で得られた未硬化の中塗り塗
膜上に、ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形
成する工程(2)、上記工程(2)で得られた未硬化の
ベース塗膜上にクリアー塗料を塗布して未硬化のクリア
ー塗膜を形成する工程(3)および、上記工程(3)で
得られた未硬化の中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリア
ー塗膜を同時に加熱硬化させる工程(4)からなる塗膜
形成方法である。本発明の塗膜形成方法における第1の
工程は、電着塗装された素材の上に、上記中塗り塗料を
塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成するものである。
【0036】上記塗布方法としては特に限定されず、ス
プレー塗装方法、静電塗装方法等を挙げることができ
る。工業的には、例えば、通称「リアクトガン」と呼ば
れるエアー静電スプレー塗装機や、通称「マイクロマイ
クロベル」、「マイクロベル」、「メタリックベル」等
と呼ばれる回転霧化式静電塗装機を用いる方法を挙げる
ことができる。上記中塗り塗料は、通常、乾燥膜厚とし
て10〜50μmとなるように塗布される。上記乾燥膜
厚が10μm未満である場合、下地の隠蔽が不充分にな
る恐れがあり、また、50μmを超える場合、塗布時に
タレや、加熱硬化時にワキが発生したり、得られる中塗
り塗膜の外観が低下する恐れがある。
【0037】なお、上記未硬化の中塗り塗膜とはプレヒ
ート処理が行われた後の状態も含む概念である。上記プ
レヒート処理としては、例えば、室温〜約100℃で1
〜10分間の加熱処理である。特に、上記中塗り塗料の
塗料形態が水性型である場合、得られる塗膜の外観をさ
らに向上させるために、後述の第2の工程に進む前に、
上記プレヒート処理を行うことが好ましい。このように
して未硬化の中塗り塗膜を得ることができる。
【0038】本発明の塗膜形成方法における第2の工程
は、上記工程(1)で得られた未硬化の中塗り塗膜上
に、ベース塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成す
るものである。上記塗布方法としては特に限定されず、
上記第1の工程のところで述べたものを挙げることがで
きる。なお、上記ベース塗料を自動車車体等に対して塗
布する場合には、意匠性を高めるために、上記エアー静
電スプレー塗装による多ステージ塗布、好ましくは2ス
テージで塗布するか、または、上記エアー静電スプレー
塗装と上記回転霧化式静電塗装とを組み合わせた塗布方
法により行うことが好ましい。
【0039】上記ベース塗料は、通常、乾燥膜厚として
5〜35μmとなるように塗布される。上記乾燥膜厚が
5μm未満である場合、下地の隠蔽が不充分になった
り、色ムラが発生する恐れがあり、また、35μmを超
える場合、塗布時にタレや、加熱硬化時にワキが発生し
たりする恐れがある。
【0040】なお、上記未硬化のベース塗膜とはプレヒ
ート処理が行われた後の状態も含む概念である。上記プ
レヒート処理としては、上記第1の工程で述べたものを
挙げることができる。特に、上記ベース塗料の塗料形態
が水性型である場合、得られる塗膜の外観をさらに向上
させるために、後述の第3の工程に進む前に、上記プレ
ヒート処理を行うことが好ましい。このようにして、未
硬化の中塗り塗膜上に未硬化のベース塗膜を形成するこ
とができる。
【0041】本発明の塗膜形成方法における第3の工程
は、上記工程(2)で得られた未硬化のベース塗膜上に
クリアー塗料を塗布して未硬化のクリアー塗膜を形成す
るものである。上記塗布方法としては特に限定されず、
上記第1の工程のところで述べたものを挙げることがで
きる。
【0042】上記クリアー塗料は、通常、乾燥膜厚とし
て15〜70μmとなるように塗布される。上記乾燥膜
厚が15μm未満である場合、得られる塗膜の外観が低
下する恐れがあり、また、70μmを超える場合、塗布
時にタレや、後述の第4の工程の加熱硬化時にワキが発
生したりする恐れがある。このようにして、未硬化の中
塗り塗膜上に、ベース塗膜、さらに、クリアー塗膜を形
成することができる。
【0043】本発明の塗膜形成方法における第4の工程
は、上記工程(3)で得られた未硬化の中塗り塗膜、ベ
ース塗膜およびクリアー塗膜を同時に加熱硬化させるも
のである。上記加熱硬化させる温度としては、110〜
180℃であることが好ましく、より好ましくは120
〜160℃であり、高い架橋度の硬化塗膜を得ることが
できる。上記温度が110℃未満である場合、硬化が不
充分になり、また、180℃を超える場合、得られる塗
膜が固く脆くなる恐れがある。加熱硬化させる時間は、
上記温度に応じて適宜設定することができるが、温度が
120〜160℃である場合、例えば、10〜60分間
である。
【0044】このように工程(1)、(2)、(3)お
よび(4)によって得られる塗膜の膜厚は、通常、30
〜300μmであることが好ましく、50〜250μm
であることがさらに好ましい。上記膜厚が30μm未満
である場合、得られる塗膜の塗膜強度が低下する恐れが
あり、300μmを超える場合、塗膜物性が低下した
り、塗膜性能に不具合が生じる恐れがある。
【0045】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例により限定される
ものではない。なお、以下において「部」とあるのは
「重量部」を意味する。
【0046】製造例1 有機溶剤型ポリエステル樹脂の
製造 窒素導入管、撹拌機、温度調節器、冷却管およびデカン
ターを備えた反応容器にイソフタル酸532部、無水フ
タル酸474部、トリメチロールプロパン274部、ネ
オペンチルグリコール489部およびジブチルチンオキ
サイド1.6部キシレン32部を仕込み、キシレンの還
流が始まってから約2時間かけて温度を200℃まで昇
温した。その間、反応による生成する水をキシレンと共
沸させ除去した。カルボン酸の固形分酸価が8になった
ところで60℃まで冷却しキシレンを加えて、GPC測
定による数平均分子量3000、固形分70%、水酸基
価100の有機溶剤型ポリエステル樹脂を得た。
【0047】製造例2 水性型ポリエステル樹脂の製造 窒素導入管、撹拌機、温度調節器、冷却管およびデカン
ターを備えた反応容器にイソフタル酸258部、無水フ
タル酸230部、トリメチロールプロパン109部、ネ
オペンチルグリコール284部およびジブチルチンオキ
サイド0.8部キシレン16部を仕込み、キシレンの還
流が始まってから約2時間かけて温度を200℃まで昇
温した。その間、反応による生成する水をキシレンと共
沸させ除去した。カルボン酸の酸価が8になったところ
で150℃まで冷却し、無水トリメリット酸46部を加
えた後、さらに温度が60℃になるまで冷却し、ジイソ
プロパノールアミンを40部加え混合したものにイオン
交換水1284部を加えて、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ)測定による数平均分子量200
0、固形分40%、固形分酸価40、水酸基価100の
水性型ポリエステル樹脂を得た。
【0048】製造例3 水性アクリル樹脂の製造 窒素導入管、撹拌機、温度調節器、冷却管を備えた反応
容器にジプロピレングリコールメチルエーテル23.9
部およびプロピレングリコールメチルエーテル16.1
部を加え、窒素気流中で混合撹拌しながら120℃に昇
温した。次いで、アクリル酸エチル54.5部、メタク
リル酸メチル12.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル14.7部、スチレン10.0部、メタクリル酸
8.5部の混合溶液と、ジプロピレングリコールメチル
エーテル10.0部、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート2.0部からなる開始剤溶液とを、3
時間かけて並行して反応容器に滴下した。滴下終了後、
0.5時間、同温度で熟成を行った。さらに、ジプロピ
レングリコールメチルエーテル5.0部およびt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3部から
なる開始剤溶液を0.5時間かけて反応容器に滴下し
た。滴下終了後、1時間同温度で熟成を行った。次い
で、脱溶剤装置により、減圧下(70Torr)110
℃で溶剤を16.1部留去した後、ジメチルエタノール
アミンおよびイオン交換水を加えて、GPC測定による
数平均分子量10000、固形分31%、固形分酸価5
6、水酸基価70の水性アクリル樹脂を得た。
【0049】製造例4 顔料ペーストの製造 製造例3によって得られた水性アクリル樹脂を100.
0部、イオン交換水28.9部、ジメチルアミノエタノ
ール0.3部、デグサカーボンFW−285(デグサA
G社製カーボンブラック)5.1部を予備混合した後、
ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え
て、室温で1時間混合分散し、粒度5μm以下の顔料ペ
ーストを得た。
【0050】製造例5 水性型ベース塗料の製造 製造例3で得られた水性アクリル樹脂118.8部、製
造例4で得られた顔料ペースト134.3部、サイメル
204(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分80
重量%)29.1部、イオン交換水161.3部を混合
撹拌して、水性型ベース塗料を得た。
【0051】製造例6 有機溶剤型中塗り塗料1の製造 製造例1で得られた有機溶剤型ポリエステル樹脂57.
1部、CR−97(石原産業社製二酸化チタン)24.
9部、B−34(堺化学社製沈降性硫酸バリウム)15
部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック)
0.1部を予備混合した後、ペイントコンディショナー
中でガラスビーズ媒体を加えて、室温で約1時間混合分
散し、粒度5μm以下の顔料ペーストを得た。さらに、
得られた顔料ペーストを97.1部、製造例1で得られ
た有機溶剤型ポリエステル樹脂2.9部、サイメル25
4(三井サイテック社製メラミン樹脂、固形分80重量
%)22.5部、A−31(土屋カオリン社製マイカ顔
料、平均粒径15μm)4部およびレジミックスRL−
4(三井東圧社製表面調整剤)0.5部を、混合してグ
ラインドゲージにて粒度が5μm以下となるまでディス
パーにて撹拌混合し、有機溶剤型中塗り塗料1を得た。
【0052】実施例1 リン酸亜鉛処理した150×70×0.7mmのダル鋼
板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオ
ン電着塗料)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装
し、160℃で30分間焼き付け硬化させ電着基板を得
た。この電着基板に、製造例6で得られた有機溶剤型中
塗り塗料1をエアースプレーにて乾燥膜厚25μmとな
るように塗装した。5分間のセッティングした後、さら
に、スーパーラックM−1300ブラック(日本ペイン
ト社製有機溶剤型ベース塗料、塗色:黒)を乾燥膜厚1
5μmとなるように2ステージにてスプレー塗装し、5
分間のインターバルの後、マックフローO−1330
(日本ペイント社製有機溶剤型クリアー塗料)を乾燥膜
厚30μmとなるようにスプレー塗装した後、140℃
で30分間焼き付け硬化させ、試験板を得た。
【0053】製造例7 有機溶剤型中塗り塗料2の製造 A−31を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に
して、有機溶剤型中塗り塗料2を得た。
【0054】比較例1 製造例6で得られた有機溶剤型中塗り塗料1の代わり
に、製造例7で得られた有機溶剤型中塗り塗料2を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして、試験板を得た。
【0055】比較例2 リン酸亜鉛処理した150×70×0.7mmのダル鋼
板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオ
ン電着塗料)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装
し、160℃で30分間焼き付け硬化させ電着基板を得
た。この電着基板に、オルガP−2(日本ペイント社製
有機溶剤型中塗り塗料)をエアースプレーにて乾燥膜厚
25μmとなるように塗装した。140℃で30分間加
熱硬化させた後、さらに、スーパーラックM−1300
ブラック(日本ペイント社製有機溶剤型ベース塗料、塗
色:黒)を乾燥膜厚15μmとなるように2ステージに
てスプレー塗装し、5分間のインターバルの後、マック
フローO−1330(日本ペイント社製有機溶剤型クリ
アー塗料)を乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー塗
装した後、140℃で30分間焼き付け硬化させ、試験
板を得た。
【0056】実施例2 リン酸亜鉛処理した150×70×0.7mmのダル鋼
板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオ
ン電着塗料)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装
し、160℃で30分間焼き付け硬化させ電着基板を得
た。この電着基板に、製造例6で得られた有機溶剤型中
塗り塗料1をエアースプレーにて乾燥膜厚25μmとな
るように塗装した。5分間のインターバルの後、室温ま
で冷却し、さらに、製造例5で得られた水性型ベース塗
料を乾燥膜厚15μmとなるように2ステージにてスプ
レー塗装した後、80℃で10分間プレヒートした後、
マックフローO−1330(日本ペイント社製有機溶剤
型クリアー塗料)を乾燥膜厚30μmとなるようにスプ
レー塗装した後、140℃で30分間焼き付け硬化さ
せ、試験板を得た。
【0057】製造例8 水性型中塗り塗料1の製造 有機溶剤型ポリエステル樹脂57.1部の代わりに、製
造例2で得られた水性型ポリエステル樹脂100部とし
たこと以外は製造例6と同様の方法で、粒度5μm以下
の顔料ペーストを得た。さらに、得られた顔料ペースト
を140部、製造例2で得られた水性型ポリエステル樹
脂を5部、サイメル712(三井サイテック社製メラミ
ン樹脂、固形分80重量%)22.5部、A−31を4
部およびサーフィノール104E(エアプロダクツ社
製)1部を、混合してグラインドゲージにて粒度が5μ
m以下となるまでディスパーにて撹拌混合し、水性型中
塗り塗料1を得た。
【0058】製造例9 水性型中塗り塗料2の製造 A−31を4部の代わりにイリオジン121WII(メ
ルク社製水和ジルコニウム酸化物層を有するグリシジル
化合物による表面処理マイカ顔料、粒径5〜25μm)
を2部用いたこと以外は、製造例8と同様にして、水性
型中塗り塗料2を得た。
【0059】実施例3 リン酸亜鉛処理した150×70×0.7mmのダル鋼
板に、パワートップU−50(日本ペイント社製カチオ
ン電着塗料)を乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装
し、160℃で30分間焼き付け硬化させ電着基板を得
た。この電着基板に、製造例8で得られた水性型中塗り
塗料1をエアースプレーにて乾燥膜厚25μmとなるよ
うに塗装した。80℃で10分間プレヒートした後、室
温まで冷却し、さらに、製造例5で得られた水性型ベー
ス塗料を乾燥膜厚15μmとなるように2ステージにて
スプレー塗装した。80℃で10分間プレヒートした
後、マックフローO−1330(日本ペイント社製有機
溶剤型クリアー塗料)を乾燥膜厚30μmとなるように
スプレー塗装した後、140℃で30分間焼き付け硬化
させ、試験板を得た。
【0060】製造例10 実施例8で得られた水性型中塗り塗料1に対して、さら
にラウリルアシッドフォスフェートの50重量%キシレ
ン溶液を0.1部添加したこと以外は、製造例8と同様
にして、水性型中塗り塗料3を得た。
【0061】実施例4および5 製造例8で得られた水性型中塗り塗料1の代わりに、そ
れぞれ製造例9および10で得られた水性型中塗り塗料
2および3を用いたこと以外は、実施例3と同様にし
て、各々試験板を得た。
【0062】評価試験 <耐チッピング性>得られた試験板を−30℃に冷却
し、石の進入角度が90度となるように飛石試験機(ス
ガ試験機社製)の試料ホルダーに取り付け、100gの
7号砕石を3kg/cmの空気圧で噴射して砕石を試
験板に衝突させた。試験後の塗膜の剥離傷の程度(外
観、大きさ、剥離場所)を評価した。評価結果は表1に
示した。なお、評価基準は以下の通りとした。 (1)外観 ◎:破壊なしまたは一部に剥離傷 ○:かなりの面積に剥離傷 ×:全面に剥離傷 (2)大きさ 剥離の長径を測定した。2.0mm以下を合格とした。 (3)剥離場所 剥離傷の剥離界面を調べた。中塗り塗膜中の凝集破壊を
○、素地からの剥離は×とした。
【0063】<耐水性>得られた試験板を40℃の温水
に10日間浸積し、洗浄1時間後の外観を目視にて観察
した。得られた結果を表1に示した。評価基準は以下の
通りとした。なお、密着性についてはいずれも問題なか
った。 ○:チヂミなし △:チヂミがある
【0064】
【表1】
【0065】表1で明らかなように、マイカ粉を含有す
るの中塗り塗料を用いた本発明の塗膜形成方法によって
得られ試験板は優れた耐チッピング性を有し、従来の3
コート2ベーク方式によって得られた試験板のそれと同
等以上であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の塗膜形成方法は、中塗り塗料が
マイカ粉を含有しているので、得られる塗膜の耐チッピ
ング性は良好である。これは、中塗り塗膜にかかる外力
をマイカ粉によって周囲に分散することにより、剥離の
大きさを小さくし、素地からの剥離を抑制することがで
きると考えられる。この塗膜形成方法によれば、従来の
3コート2ベーク方法と比較して同等以上の優れた耐チ
ッピング性を有する塗膜を得ることができる。さらに、
中塗り塗料に含まれるマイカ粉を表面処理することによ
って、マイカ粉の水による劣化を抑制することができる
ので、得られる塗膜の耐水性を向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/06 C09C 3/06 3/08 3/08 3/10 3/10 3/12 3/12 C09D 5/00 C09D 5/00 D 7/12 7/12 201/00 201/00 Fターム(参考) 3D114 AA17 BA01 CA10 4D075 AE12 BB26Z BB89X CA04 CA13 CA38 DA06 DB02 DB05 DB07 DC12 DC13 EA06 EA07 EA13 EA43 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB38 EB45 EC04 EC54 4J037 AA26 CA09 CA12 CA24 CB22 CC23 CC28 EE04 EE28 EE43 EE44 FF17 4J038 CG001 DB001 DD001 DD121 DD231 DG001 GA03 GA06 GA07 GA11 HA026 HA036 HA066 HA216 HA486 HA546 KA08 KA15 KA20 NA11 PA19 PB07 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電着塗装された素材の上に、中塗り塗料を
    塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する工程(1)、前
    記工程(1)で得られた未硬化の中塗り塗膜上に、ベー
    ス塗料を塗布して未硬化のベース塗膜を形成する工程
    (2)、前記工程(2)で得られた未硬化のベース塗膜
    上にクリアー塗料を塗布して未硬化のクリアー塗膜を形
    成する工程(3)および、前記工程(3)で得られた未
    硬化の中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリアー塗膜を同
    時に加熱硬化させる工程(4)からなる塗膜形成方法で
    あって、前記中塗り塗料が、マイカ粉を含有することを
    特徴とする塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記中塗り塗料の固形分に含まれるマイカ
    粉は、0.5〜15重量%である請求項1に記載の塗膜
    形成方法。
  3. 【請求項3】前記マイカ粉は、その表面に金属酸化物お
    よび/または水和金属酸化物層が形成されていて、か
    つ、グリシジル化合物によって表面処理されたものであ
    る請求項1または2に記載の塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記マイカ粉は、有機リン酸エステル化合
    物によって表面処理されたものである請求項1または2
    に記載の塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載
    の塗膜形成方法によって得られることを特徴とする塗
    膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111093841A (zh) * 2017-09-26 2020-05-01 关西涂料株式会社 多层涂膜形成方法
US11808833B2 (en) 2016-10-28 2023-11-07 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings for increasing near-infrared detection distances
US11809933B2 (en) 2018-11-13 2023-11-07 Ppg Industries Ohio, Inc. Method of detecting a concealed pattern
US12001034B2 (en) 2022-11-04 2024-06-04 Ppg Industries Ohio, Inc. Near infrared control coating, articles formed therefrom, and methods of making the same

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