JP6876393B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は水性塗料を積層するにあたり、下層に未硬化塗膜を設けたのち硬化させることなく上塗り塗料を塗装して複層塗膜を形成する際に混層制御剤を塗料に添加することにより、ウェット塗膜間での混層を抑制して高外観の塗膜を提供することを特徴とする複層塗膜形成方法に関するものである。
近年、環境問題や火災の危険性等の理由により、塗料において水性化が進められている。しかし、常温乾燥型の水性塗料を用いての複層塗膜の作製において、水性塗料はその乾燥性が溶剤型塗料と比較して悪いこともあり、下塗り塗料が十分に硬化されないまま、上塗り塗料が重ね塗りされる場合がある。こうした方法にて形成される複層塗膜においては下塗り塗料層と上塗り塗料の混和が生じ、平滑性の悪化が起こるなどの欠点が生じる。
これらウェット塗膜間の混和を防止する手段として、従来より混層を抑制する目的でウレタン架橋微粒子を塗料に配合する手法(特許文献1および2)、ジエステル化合物を塗料に配合する手法(特許文献3)、エチレン−α−オレフィンランダム共重合物を塗料に配合する手法(特許文献4)、および多官能アミン重合体を塗料に配合する手法(特許文献5)などが用いられてきた。
特開2003−292877 特開2007−056161 特開2008−138179 特開2011−219581 特開2012−240032
しかしながら、従来の手法は加熱乾燥型塗料に限定されるものであり、常温乾燥型塗料を用いての複層塗膜形成においては十分な塗膜外観を得ることが難しい。
したがって、本発明の目的は、2種類以上の水性塗料を、下層を硬化させることなく上層を積層していくという手段で、順次塗り重ねることによって複層塗膜を形成する方法において、混層を抑制して良好な塗膜外観を得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の組成よりなる共重合体を混層制御剤として塗料に配合することで上記目的を達成出来ることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、以下の塗膜形成方法を提供するものである。
2種類以上の水性塗料を、下層を硬化させることなく上層を積層していくという手段で、順次塗り重ねることによって複層塗膜を形成する方法において、少なくともいずれかの層を形成する水性塗料に混層制御剤を添加することからなり、該混層制御剤が、
下記化学式(1)
1−(Cm2mO)n−R2 ・・・(1)
(化学式(1)中、R1は(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基又はアリル基であり、R2は水素原子、(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基、アリル基又は炭素原子数1〜22のアルキル基であり、mは2〜4の数であり、nは2〜100の数である)で表される群より選ばれる少なくとも1種のエーテル基含有の重合性不飽和モノマー(A)の5〜90重量%および
疎水基を有する重合性不飽和モノマー群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和モノマー(B)の10〜95重量%からなるモノマー混合物を重合してなる、重量平均分子量が1000〜100000の共重合体であることを特徴とする塗膜形成方法。
本発明の塗膜形成方法により、2種類以上の水性塗料を、下層を硬化させることなく上層を積層していくという手段で、順次塗り重ねることによって複層塗膜を形成する方法において、混層による仕上がり外観の悪化を抑制することが可能である。
本発明において混層制御剤として使用される共重合物は、エーテル基含有重合性不飽和モノマー(A)および疎水基を有する重合性不飽和モノマー(B)を主たる原料としてなる共重合物であり、その分子骨格はモノマー(B)に由来する疎水性幹ポリマーとモノマー(A)に由来するエーテル基からなる親水性枝ポリマーとで構成されるグラフト共重合体である。
エーテル基含有重合性不飽和モノマー(A)は下記化学式(1)
1−(Cm2mO)n−R2 ・・・(1)
(化学式(1)中、R1は(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基又はアリル基であり、R2は水素原子、(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基、アリル基又は炭素原子数1〜22のアルキル基であり、mは2〜4の数であり、nは2〜100の数である)で表されるエーテル基含有の重合性不飽和モノマーである。
エーテル基含有重合性不飽和モノマー(A)としては、例えばポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレン−プロピレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレン−プロピレン)グリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレン−テトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリ(エチレン−プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、べへニロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシレートポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリプロピレングリコールジアリルエーテル等のアリルエーテル類;ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等のビニルエーテル類が挙げられる。これらのモノマーは1種を単独で、或いは2種以上を併用しても良い。
エーテル基含有不飽和モノマー(A)中のエーテル鎖長nは2〜100が好ましく、4〜50がより好ましい。nが2より短い、或いは100より長いと、良好な塗膜外観を得る効果が認められない。
エーテル基含有不飽和モノマー(A)の含有量は5〜90重量%が好ましく、25〜85%がより好ましい。90重量%より多いと混層を抑制し良好な仕上がり外観が得られるが、耐水性が低下する。また、5重量%より少ないと良好な仕上がり外観を得る効果が認められない。
疎水基を有する重合性不飽和モノマー(B)は、炭素数C1−C22の直鎖部、分岐部又は環状部を有する重合性不飽和モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和モノマーであり、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルプロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ノルマルデシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアクリレート或いはメタクリレート類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ターシャリーブチルビニルエーテル、ノルマルオクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、ベヘニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;酢酸ビニル、ネオノナン酸ビニル、2,2−ジメチルオクタン酸ビニル、及びネオウンデカン酸ビニルなどのビニルエステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、マレイン酸ジラウリル、マレイン酸ジステアリルなどのマレイン酸ジアルキルエステル類;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジ2−エチルヘキシル、フマル酸ジラウリル、フマル酸ジステアリルなどのフマル酸ジアルキルエステル類;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジ2−エチルヘキシル、イタコン酸ジラウリル、イタコン酸ジステアリルなどのイタコン酸ジアルキルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなどのα−オレフィン化合物などが挙げられる。これらのモノマーは1種を単独で、或いは2種以上を併用しても良い。
疎水基を有する重合性不飽和モノマー(B)の含有量は10〜95重量%が好ましく、15〜75重量%がより好ましい。95重量%より多いと良好な仕上がり外観を得る効果が認められず、10重量%より少ないと混層を抑制し良好な仕上がり外観が得られるが、耐水性が低下する。
当該共重合物を重合する為の原料モノマーには任意成分として、共重合性不飽和モノマー群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和モノマー(C)を含むことができる。
共重合性不飽和モノマー(C)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル(メタ)アクリレートなどのような(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物である水酸基含有のアクリレート或いはメタクリレート類;メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのグリコール(メタ)アクリレート類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル,N−エチルアクリルアミド、N−メチル,N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドプロピルエーテル、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリンなどのようなアクリルアミド或いはメタクリルアミド類;N−ビニル−2−ピロリドンのような親水性ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー類;グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有重合性不飽和モノマー類;メタクリロイルオキシ基を有する反応性シリコーン(JNC株式会社製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721およびFM−0725;東亞合成会社製のAK−5およびAK−30;信越シリコーン株式会社製のX22−164A、X22−164BおよびX22−164C);ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性不飽和モノマー類などがある。これらのモノマーは1種を単独で、或いは2種以上を併用しても良い。
任意の重合性不飽和モノマー(C)含有量としては該モノマー(A)及び該モノマー(B)の合計100重量部あたり50重量部以下が好ましい。該モノマー(A)及び該モノマー(B)の合計100重量部あたり50重量部より多いと良好な仕上がり外観を得る効果が認められない。
尚、本発明において「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる少なくとも1種をいう。
本発明で用いる共重合物を合成する手法としては、溶液重合法、分散重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法などがあり、また開始剤としてはアゾ重合開始剤や過酸化物が用いられる。本発明は共重合体の機能に関する発明であるから、合成法によって何ら制限されるものではない。
本発明で用いる共重合体の重量平均分子量(以下Mwと略記する)は1000〜100000が好ましく、2000〜60000がより好ましい。Mwが1000より小さい、あるいは100000より大きいと良好な仕上がり外観を得る効果が乏しく、耐水性も低下する。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラムは「HLC8120GPC」(東ソー株式会社製、商品名)を使用した。カラムとしては、「TSKgel GMHxL」×2本、「TSKgel G−2500HxL」「TSKgel G−2000HxL」(いずれも東ソー株式会社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1cc/分、検出器;RIの条件でおこなった。
本発明で用いる共重合体のHLBは0.5〜17.0が好ましく、4.0〜14.0がより好ましい。HLBが0.5以下では良好な仕上がり外観を得る効果が乏しく、HLBが17.0以上では耐水性が低下する。
本明細書において、HLBは共重合物の構造式よりグリフィン法にて式−1に示す式を用いて計算した値である。
式−1
HLB値 =20×親水部の式量の総和/分子量
本発明の共重合物は塗料への分散を容易にする為、必要に応じて界面活性剤を併用していても良い。用いられる界面活性剤としては特に限定されないが、非イオン性系界面活性剤及び/又はイオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記非イオン性活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
上記イオン性活性剤の例としては、アルキル脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルベタイン等の両性界面活性剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい
本発明の共重合物は、塗料への分散を容易にする為、必要に応じて水、或いは有機溶剤で希釈してもよい。用いられる有機溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、又はケトン、エステル、アルコール、エーテル等を挙げることができるが、一般の水系コーティング材で用いられている有機溶剤が好ましい。そのような有機溶剤の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルへキシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルへキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の共重合物は、その特性や本発明の目的が損なわれない範囲で、他の物質、例えば界面活性剤、増膜助剤、ドライヤー、汚染防止剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、防腐防カビ剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、難燃剤、接着向上剤、着色剤、耐電防止剤、剥離剤、カップリング剤、消臭剤、香料および染料などの他の添加剤を併用することができる。
本発明による共重合物の添加量は塗料の樹脂の種類や、顔料の配合組成などにより異なるが、通常塗料中に含まれる樹脂固形分に対し3〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%である。添加量が3重量%より少ないと十分な仕上がり外観が得られない。15重量%より多いと上塗り塗料との密着性を阻害するため好ましくない。
本発明による共重合物を塗料に添加する時期は任意であって、顔料を混練する過程で、或いは、塗料を製造した後に添加することが出来る。
水性塗料に用いる、皮膜形成樹脂としては、特に限定されないが、例えばアクリル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂およびエポキシ系樹脂などがある。また、硬化剤を含むことができ、例えば、アミノ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物及びエポキシ化合物などが挙げられる。
用いる顔料およびフィラーとしては、特に限定されないが、例えば酸化アルミニウム、干渉マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料などの光干渉性薄片顔料、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン系顔料、ジオキサン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料などの有機顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、ニ酸化チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズなどの無機顔料が挙げられる。
塗料の作成に際しては、例えば顔料等の配合物をニーダーやロールなどを用いて混練し、サンドグラインドミルやデイスパー等を用いて分散させる方法がとられる。
本発明の水性塗料は、その特性や本発明の目的が損なわれない範囲で、他の物質、例えば界面活性剤、増膜助剤、ドライヤー、汚染防止剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、防腐防カビ剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、難燃剤、接着向上剤、着色剤、耐電防止剤、剥離剤、カップリング剤、消臭剤、香料および染料などの他の添加剤を含有することができる。
本発明の共重合物を使用した塗料、および上塗り塗料の塗装方法は任意であり、例えばスプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り塗装、カーテン塗装、バーコート、ドクターブレードなどが挙げられる。
本発明の複層塗膜を作製するには、例えば、混層制御剤が添加された下塗り塗料を塗装後、硬化せしめることなく、できるだけ短時間の自然乾燥の後、上塗り塗料を塗装する。
本発明の共重合物を使用した塗料、および上塗り塗料の硬化方法は任意であり、例えば常温硬化、加熱硬化、紫外線硬化などが挙げられるが、特に常温硬化が好適である。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。尚、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り、それぞれ、「重量部」及び「重量%」を示す。
製造実施例1
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−90G:新中村化学株式会社 製) 87.0部、2,2−ジメチルオクタン酸ビニル(商品名 VEOVA 10:HEXION社 製) 130.4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 32.6部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 20.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[1]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は4300、水酸基価は56mgKOH/g、HLB計算値は5.9であった。
製造実施例2
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−40G:新中村化学株式会社 製) 133.9部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−450G:新中村化学株式会社 製) 17.9部、2−エチルヘキシルメタクリレート 8.9部、2,2−ジメチルオクタン酸ビニル(商品名 VEOVA 10:HEXION社 製) 17.9部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 71.4部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 27.5部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点でt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、界面活性剤としてポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(商品名 EMALEX 510:日本エマルション株式会社 製)2.5部を加えると共に、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[2]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は2100、水酸基価は123mgKOH/g、HLB計算値は8.9であった。
製造実施例3
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名 ブレンマーAME−400:株式会社 日油 製) 53.6部、ポリエチレングリコールジアクリレート(商品名 ブレンマーADE−300:株式会社 日油 製) 53.6部、ステアリルアクリレート 71.4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート 71.4部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 32.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点でt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[3]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は23000、水酸基価は138mgKOH/g、HLB計算値は7.4であった。
製造実施例4
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−40G:新中村化学株式会社 製) 136.4部、2−エチルヘキシルメタクリレート 90.9部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート 22.7部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 40.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、界面活性剤としてポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(商品名 EMALEX 510:日本エマルション株式会社 製)2.5部を加えると共に、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[4]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は2200、水酸基価は39mgKOH/g、HLB計算値は7.2であった。
製造実施例5
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−90G:新中村化学株式会社 製) 212.5部、スチレン 37.5部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 23.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[5]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は3800、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は13.6であった。
製造実施例6
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名 ブレンマーAME−400:株式会社 日油 製) 75.0部、ポリエチレングリコールジアクリレート(商品名 ブレンマーADE−300:株式会社 日油 製) 75.0部、ステアリルメタクリレート 100.0部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 30.5部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[6]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は5500、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は9.2であった。
製造実施例7
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにポリ(エチレン−プロピレン)グリコールモノメタクリレート、(商品名 ブレンマー70PEP−350B:株式会社 日油 製) 80.4部、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(商品名 ユニオックス PKA−5003:株式会社 日油 製) 62.5部、ラウリルメタクリレート 35.7部、フェノキシエチレングリコールアクリレート(商品名 NKエステル AMP−10G:新中村化学株式会社 製) 71.4部、ブチルプロピレングリコール 57部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 30.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[7]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は3400、水酸基価は74mgKOH/g、HLB計算値は9.0であった。
製造実施例8
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 ブレンマーPME−1000:株式会社 日油 製) 130.0部、ステアリルメタクリレート 120.0部、ブチルプロピレングリコール 80部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 73.8部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[8]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は4400、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は9.5であった。
製造実施例9
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−90G:新中村化学株式会社 製) 137.5部、ラウリルメタクリレート 112.5部、ブチルプロピレングリコール 80部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 25.5部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[9]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は4000、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は8.8であった。
製造実施例10
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールアクリレート(商品名 ブレンマーAME−400:株式会社 日油 製) 62.5部、ステアリルアクリレート 187.5部、ブチルプロピレングリコール 80.0部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 10.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[10]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は3500、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は4.1であった。
製造実施例11
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−90G:新中村化学株式会社 製) 99.5部、ステアロキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 ブレンマーPSE−1300:株式会社 日油 製) 24.9部、スチレン 24.9部、ラウリルメタクリレート 99.5部、ジビニルベンゼン 1.2部、ブチルプロピレングリコール 80部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 50.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[11]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は3600、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は7.9であった。
製造実施例12
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 NKエステルM−90G:新中村化学株式会社 製) 175.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート 75.0部、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液3.8部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を3.8重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、混層制御剤[12]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は53100、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は11.2であった。
製造比較例1
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120部を仕込み、窒素ガスを導入しながら110℃に昇温した。上記ロートにラウリルメタクリレート 250部、ブチルプロピレングリコール 5部、t−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート40%溶液 20部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を110℃に維持しながら、上記混合物を90分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、110℃で60分間反応温度を維持した後、t−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート40%溶液 2.5部を加え120分間、110℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、比較添加剤[H1]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は13400、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は0.0であった。
製造比較例2
撹拌装置、還流冷却機、滴下ロート、温度計、及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mlの反応容器に、ブチルプロピレングリコール120.0部を仕込み、窒素ガスを導入しながら140℃に昇温した。上記ロートにメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名 ブレンマーPME−1000:株式会社 日油 製) 250.0部、ブチルプロピレングリコール 80部、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)ブタン 55%溶液 73.0部からなる混合物を仕込んだ。次に、反応容器の内温を140℃に維持しながら、上記混合物を120分間かけて均一に滴下した。滴下終了後、140℃で60分間反応温度を維持した後、反応温度を100℃に調整した。100℃になった時点で、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート40%溶液を10.0重量部加え120分間、100℃を維持し反応を行った。反応終了後、ブチルプロピレングリコールを用い固形分を50%に調整し、比較添加剤[H2]を得た。合成した共重合物の重量平均分子量は4000、水酸基価は0mgKOH/g、HLB計算値は18.2であった。
製造実施例1〜12、比較実施例で合成した共重合物のモノマー重量比を表−1に示す。
Figure 0006876393
試験例
表−2に示す水系下塗り塗料、および表−3に示す水性上塗り塗料を用いて混層制御剤の性能試験を行った。
Figure 0006876393
Figure 0006876393
水性下塗り黒塗料の作製
表−2の配合をラボディスパーを用いて混合した後、混層制御剤を下塗り塗料の樹脂固形分100重量部に対して混層制御剤の中の共重合物固形分が5〜15重量部となるよう、ラボディスパーで混合し、水性下塗り黒塗料を作製した。また、同様の手法で混層制御剤未添加の水性下塗り黒塗料を作製し、これをBlankとした。
水性上塗り白塗料の作製
表−3の配合にてラボディスパーを用いて混合し、水性上塗り白塗料を作製した。
塗膜外観試験 試験方法
水性下塗り塗料を24℃、湿度54%RHの環境下で市販のリン酸亜鉛鋼処理鋼板に、バーコーターを用いて、乾燥膜厚が15〜20μmとなるように塗装した。下塗り塗料を塗装後3分間、同温湿度条件で静置した後、未乾燥の下塗り塗装面に上塗り塗料をバーコーターにて、乾燥膜厚が12〜17μmとなるように塗装した。上塗り塗装後、同温湿度環境下で48時間乾燥させ、評価用の複層塗膜を作製した。また、リン酸亜鉛鋼処理鋼板に直接上塗り塗料をバーコーターにて、乾燥膜厚が12〜17μmとなるように塗装し,複層塗膜作製時と同様に48時間乾燥させ、上塗り単膜の基準塗板を作製した。
塗膜外観の評価は光沢計(商品名:GM26PRO (株)村上色彩技術研究所社製)を使用して測定した20°光沢値により評価した。
試験結果を表−4に示す。本発明の混層制御剤を塗料に添加することで、複層塗膜において光沢低下が抑制され、基準塗板同等の光沢値となり、外観低下を抑制することが分かる。
Figure 0006876393

Claims (2)

  1. 2種類以上の水性塗料を、下層を硬化させることなく上層を積層していくという手順で、順次塗り重ねることによって複層塗膜を形成する方法において、少なくともいずれかの層を形成する水性塗料に混層制御剤を添加することからなり、該混層制御剤が、
    下記化学式(1)
    1−(Cm2mO)n−R2 ・・・(1)
    (化学式(1)中、R1は(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基又はアリル基であり、
    2は水素原子、(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基、アリル基又は炭素原子数1〜
    22のアルキル基であり、mは2〜4の数であり、nは2〜100の数である)で表される群より選ばれる少なくとも1種のエーテル基含有の重合性不飽和モノマー(A)の5〜90重量%および
    疎水基を有する重合性不飽和モノマー群より選ばれる少なくとも1種の重合性不飽和モノマー(B)の10〜95重量%からなるモノマー混合物を重合してなる、重量平均分子量が1000〜100000の共重合体であることを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 塗り重ねられた塗料を常温乾燥することによって複層塗膜が形成される、請求項1に記載の塗膜形成方法。
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