JP2002113418A - 塗膜の部分補修方法 - Google Patents

塗膜の部分補修方法

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JP2002113418A
JP2002113418A JP2000304924A JP2000304924A JP2002113418A JP 2002113418 A JP2002113418 A JP 2002113418A JP 2000304924 A JP2000304924 A JP 2000304924A JP 2000304924 A JP2000304924 A JP 2000304924A JP 2002113418 A JP2002113418 A JP 2002113418A
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coating
thinner
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Setsuo Kitauchi
節男 北内
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補修部および補修部周辺のダスト部の外観及
び見え方が、被補修塗膜と同等となるような、簡易に補
修できる塗膜の補修方法及び補修用シンナーを提供する
こと。 【解決手段】 塗膜表面の補修対象部分を砥ぎ出す工
程;砥ぎ出した補修対象部分に補修塗料を塗布して、補
修塗膜及びその周辺に塗料ダストを形成する工程;塗料
ダストに補修用シンナーを塗布して塗料ダストを溶解し
平滑化する工程;及び補修塗膜を硬化させる工程;を包
含する塗膜の部分補修方法において、該補修塗料が酸エ
ポキシ硬化系塗料であり、且つ、該補修用シンナーが、
沸点120〜230℃の極性溶媒を30重量%以上の量
で含有する有機溶媒100重量部、及びシリコーン系界
面活性剤0.0001〜2.0重量部を含んでなる、塗
膜の部分補修方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の塗
膜の部分補修方法、及び補修用シンナーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車等の塗膜外観にブツ、へこみ等の
塗膜欠陥が発生した場合、これを補修する必要がある。
一般に、塗膜の補修は、その塗膜欠陥をサンドペーパー
等で研磨除去し、研磨した補修対象部分に補修塗料を塗
装して行われている。補修された塗膜は、当然のことな
がら補修部分以外の塗膜表面と同一の外観を呈すること
が必要である。
【0003】一般に、自動車車体等の塗膜において、塗
膜異常やゴミ等の付着がある場合は、パーツ毎の区切
り、あるいは境界部で見切りを付けるブロック補修と言
われる補修方法と、本発明の補修方法である部分補修方
法(スポット補修)とが行われている。
【0004】上記部分補修は、被補修部と同一塗料ある
いは塗色毎に専用の補修用塗料を設け(以下補修塗料と
記す)、手吹きエアースプレー等により必要部位にのみ
補修塗膜を形成することが行われている。
【0005】塗膜表面の一部に新たに補修塗膜を形成し
た場合、補修塗膜の中心部から周辺部に近づくにつれて
補修塗膜の膜厚は薄くなり、やがて塗膜の連続性が途切
れ、下地塗膜に塗料が散点的に付着した状態となる。塗
膜の連続性が途切れると、その切れ目に下地塗膜の表面
が露出するため、塗膜の外観に、浮いたまだら模様やく
すみ等が生じ、補修後の仕上がりが悪くなる。このよう
な補修塗膜が膜切れしたり、塗料が散点的に付着した状
態は通常塗料ダストと呼ばれる。
【0006】塗料ダストは、例えば、補修塗膜を硬化さ
せた後に微細研磨して除去することができる。しかしな
がら、下地塗膜に傷を付けないで塗料ダストのみを除去
するには熟練を要する作業が必要となるため、補修工程
が煩雑となり、補修コストが高くなる。
【0007】特公平6−75703号公報には、補修塗
膜の周辺に形成された塗料ダスト部の外観を改良する方
法として、クリヤー塗料をラッカー用シンナーに5乃至
30%添加して作られたぼかし液を、補修部周辺にスプ
レー塗装する方法が開示されている。また、特許第25
15170号公報には、塗料ダスト部に塗料の溶解力が
強く、かつ高沸点の塗料用希釈溶剤を吹き付ける部分補
修方法が例示されている。
【0008】しかしながら、塗料を添加したぼかし液を
塗装した場合には、新たなダスト部が周辺に発生し、シ
ンナーのみを塗装した場合には、被補修塗膜の表面張力
が禍し、ダストを馴染ませるためのシンナー自身にハジ
キが生じてしまい、十分な連続外観を得ることは困難で
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、補修
部および補修部周辺のダスト部の外観及び見え方が、被
補修塗膜と同等となるような、簡易に補修できる塗膜の
補修方法及び補修用シンナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗膜表面の補
修対象部分を砥ぎ出す工程;砥ぎ出した補修対象部分に
補修塗料を塗布して、補修塗膜及びその周辺に塗料ダス
トを形成する工程;塗料ダストに補修用シンナーを塗布
して塗料ダストを溶解し平滑化する工程;及び補修塗膜
を硬化させる工程;を包含する塗膜の部分補修方法にお
いて、該補修塗料が酸エポキシ硬化系塗料であり、且
つ、該補修用シンナーが、沸点120〜230℃の極性
溶媒を30重量%以上の量で含有する有機溶媒100重
量部、及びシリコーン系界面活性剤0.0001〜2.
0重量部を含んでなる、塗膜の部分補修方法を提供する
ものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】本発明では、塗膜表面の補修対象部分を砥
ぎ出す工程;砥ぎ出した補修対象部分に第一の補修塗料
を塗布して、第一の補修塗膜及びその周辺に塗料ダスト
を形成する工程;塗料ダストに補修用シンナーを塗布し
て塗料ダストを溶解し平滑化する工程;該補修対象部分
に第二の補修塗料を塗布して、第二の補修塗膜及びその
周辺に塗料ダストを形成する工程;塗料ダストに補修用
シンナーを塗布して塗料ダストを溶解し平滑化する工
程;及び第一の補修塗膜及び第二の補修塗膜を硬化させ
る工程;を包含する塗膜の部分補修方法において、該補
修塗料が酸エポキシ硬化系塗料であり、且つ、該補修用
シンナーが、沸点120〜230℃の極性溶媒を30重
量%以上の量で含有する有機溶媒100重量部、及びシ
リコーン系界面活性剤0.0001〜2.0重量部を含
んでなる、塗膜の部分補修方法を行なってもよい。
【0012】更に、本発明では、沸点120〜230℃
の極性溶媒を30重量%以上の量で含有する有機溶媒1
00重量部、及びシリコーン系界面活性剤0.0001
〜2.0重量部を含んでなる、塗膜の部分補修方法にお
いて塗料ダストを溶解し塗料ダスト部を平滑化するため
に用いる補修用シンナーをも提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】補修用シンナー 本発明の補修方法において用いられる補修用シンナー
は、界面活性剤および溶剤を含有する。上記界面活性剤
は、塗膜表面を均一化し、浮きまだらやハジキを防止す
る添加剤として塗料用に用いられるものである。
【0014】例えば、アクリル系重合物、ビニル系重合
物、セルロース系重合物、シロキサン系重合物、フッ素
重合物等が挙げられる。なかでも、ポリアルキルアクリ
レート、ポリアルキルビニルエーテル、ジメチルポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、有機変性ポ
リシロキサン、フッ素系界面活性剤等が好ましいものと
して挙げられ、特に、ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、有機変性ポリシロキサンのよ
うなシリコーン系界面活性剤を用いた場合に、塗料ダス
ト部の平滑化に優れ好ましい。
【0015】但し、上記補修用シンナーに含まれる界面
活性剤の含有量は、溶剤100重量部に対し、0.00
01〜2.0重量%の範囲内で選定されることが好まし
い。更に好ましくは、0.001〜1.0重量%であ
る。下限未満では、ダストを平滑化する効果が無く、上
限を越えると補修用シンナーのダストが発生し、非補修
部と補修部との外観の連続性が悪くなる。
【0016】本発明の補修用シンナーに含まれる溶剤に
は、有機溶媒を用いる。有機溶媒は、塗料ダスト部に塗
布された場合に、塗料ダストを溶解してレベリング作用
により平滑化するために十分な時間塗布面に残留する必
要がある。従って、適度な蒸発速度を示す揮発性有機溶
媒が好ましい。
【0017】用い得る有機溶媒の具体例には、トルエ
ン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
メトキシプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルエ
トキシプロピオネート、ソルベッソ100およびソルベ
ッソ150(商品名、エッソ社製芳香族系炭化水素溶
剤)等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。
【0018】有機溶媒は複数種を混合して用いて良い。
有機溶媒には極性溶媒を混合することが特に好ましい。
そうすれば、酸エポキシ系樹脂を含む塗料のような、溶
解性パラメータ(sp値)が低い塗料の塗料ダストの溶
解性及びレベリング性が高まるからである。
【0019】極性溶媒のsp値は8.0〜11.1の範
囲であることが好ましい。sp値が上記範囲を外れると
塗料ダストを溶解することができない。また、極性溶媒
の沸点は120〜230℃、特に140〜200℃の範
囲であることが好ましい。沸点が120℃未満であると
塗布された時に大半が揮散してしまうためレベリング効
果が不十分となり、230℃を超えると補修用シンナー
が流れ、筋状の外観異常が発生することがある。
【0020】極性溶媒の具体例には、ジエチレングリコ
ールエチルエーテル(沸点195℃、sp値9.6)、
ジエチレングリコールブチルエーテル(沸点230.4
℃、sp値8.9)、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル(沸点135℃、sp値9.9)、エチルエトキ
シプロピオネート(沸点172℃、sp値8.8)、酢
酸n−ブチル(沸点126℃、sp値8.5)、酢酸カ
ルビトール(沸点217℃、sp値10.4)、メトキ
シプロピルアセテート(沸点146℃、sp値8.5)
等が挙げられる。
【0021】これらの有機溶媒は、被補修塗膜を形成し
た塗料の製造の際に用いた樹脂の溶解性や塗膜の種類、
塗装環境等の塗装条件による影響および構成溶剤の沸点
等を考慮して選択されるべきものである。
【0022】本発明の補修用シンナーは、種々の補修塗
料、例えばメタリックベース塗料、クリヤー塗料、ソリ
ッド塗料などの熱硬化型塗料、あるいは自然乾燥型塗料
(溶剤揮散型塗料あるいはラッカー型塗料ともいう)に
より形成された補修塗膜の塗料ダスト部に対し汎用的に
用いられ、上記界面活性剤を含むものであれば塗膜形成
時に2種以上を組合せて用いることもできる。
【0023】補修対象となる塗膜 本発明の補修方法において補修対象となる塗膜は、塗膜
形成性樹脂及び硬化剤をバインダーとして含む熱硬化性
塗料、あるいは塗膜形成性樹脂をバインダーとする自然
乾燥型塗料により形成されるが、必要により着色顔料お
よび/または光輝性顔料を含有する塗料によって形成さ
れたものでもよい。
【0024】上記塗膜形成性樹脂としては、特に限定さ
れるものではないが、一般には、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂が挙
げられ、上記硬化剤としてはアミノ樹脂及び/またはブ
ロックポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0025】また、上記補修対象となる塗膜として特に
好ましいものは、カルボキシル基を含有する樹脂とエポ
キシ基を含有する樹脂とを用いた架橋形式の塗料により
形成された塗膜である。
【0026】上記塗膜を形成する塗料の形態としては有
機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)、
非水分散型のいずれでもよい。
【0027】また、上記塗料中には上述のように、着色
顔料および/または光輝性顔料を併用していてもよく、
上記着色顔料としては、例えば、ジケトピロロピロール
系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系
顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系
顔料、縮合アゾ系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、金属錯体顔料などの有機顔料が挙
げられる。
【0028】また更に、無機顔料として、例えば、黄
鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化
チタンなどが挙げられる。また、体質顔料を含んでもよ
く、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク等が挙げられる。
【0029】上記光輝性顔料としては、アルミニウム
粉、着色アルミニウム粉、ブロンズ粉、アルミナ粉、ス
テンレス粉、チタニウム粉、マイカ粉、干渉マイカ粉、
着色マイカ粉、グラファイト、その他の着色、有色偏平
顔料等の鱗片状の光輝性顔料が挙げられる。
【0030】上記補修塗膜を形成する塗料に含まれる着
色顔料および/または光輝性顔料の含有量は、特に限定
されるものではないが、一般に、塗料内のPWC、すな
わち固形分ベースの顔料重量濃度で、0〜60重量%で
あり、より実用的には0〜45重量%である。
【0031】また、目的に応じて、粘性制御剤、架橋樹
脂粒子(ミクロゲル)、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、表面調整剤等を含有してもよい。
【0032】基材及び下塗り 本発明の補修対象である塗膜は、種々の基材上に形成さ
れたものであってよく、例えば金属、ガラス、プラスチ
ック、発泡体および鋳造物の上に形成されたものでよ
い。例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等の金
属およびこれらの金属を含む合金が挙げられ、具体的に
は、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車
体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸
塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが防錆上特に好
ましい。
【0033】また、基材上には電着塗料および必要によ
り中塗り塗料によって下塗り層を形成していてもよい。
電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型を使用で
きるが、カチオン型電着塗料組成物が防食性において優
れた複合塗膜を与える。
【0034】上記中塗り塗料は、下地の凹凸を隠蔽し、
上塗塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性等の塗
膜物性を付与するために形成されるもので、有機系、無
機系の各種着色顔料及び体質顔料を含む。標準的には、
カーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料としたグレ
ー系中塗塗料が多用されるが、各種着色顔料を組み合わ
せた、いわゆるカラー中塗塗料を用いることもできる。
【0035】補修方法 本発明の実施態様として、以下に、自動車車体外板部の
塗膜に対して行われた部分補修の方法について述べる。
補修対象となる塗膜は、基材であるリン酸塩処理などの
化成処理を施した鋼板の上に、電着塗装及び中塗り塗装
を施した後、補修対象塗膜を形成する上塗り塗料が塗装
されたものである。
【0036】上記補修対象となる塗膜を形成する上塗り
塗料の塗装は、一般的に静電塗装によって行われる。具
体的には、エアー霧化(オートREA)、回転遠心霧化
(ベル、マイクロベル)等を利用して形成されたものが
一般的である。
【0037】本発明の補修方法では、まず形成された塗
膜欠陥を研磨して除去する。この研磨は、#600〜1
200番程度のサンドペーパー等の研磨材を用い、いわ
ゆる水研ぎにより行われ、塗膜欠陥の下地が露出する程
度まで、緩やかに勾配をつけて行うことが好ましい。次
いで、この下地を研ぎ出した補修対象部分に、補修塗料
を用いて補修塗膜を形成する。
【0038】補修塗料として特に好ましいものは、カル
ボキシル基を含有する樹脂とエポキシ基を含有する樹脂
とを用いた架橋形式の塗料である。本発明の補修用シン
ナーは酸エポキシ系樹脂を含む塗料のような、溶解性パ
ラメータ(sp値)が高い塗料の塗料ダストの溶解性及
びレベリング性が高められているからである。
【0039】更に、補修塗料のスプレー塗装により上記
補修塗膜の周辺部に発生する、補修塗膜が断続的に成膜
した部分から、塗料ダストのみが塗着した部分まで(塗
料ダスト部)に対して、補修用シンナーを塗布し、補修
塗膜の連続化および平滑化を行う。その後、得られた補
修塗膜を硬化させ、塗膜の部分補修が完成する。
【0040】また別の実施態様として挙げられるのは、
下地を研ぎ出した補修対象部分に第一の補修塗料を塗装
する工程と、更に、第二の補修塗料を塗装する工程とを
備える塗膜の部分補修方法である。例えば、2コート1
ベークで形成される上塗り塗膜等の補修の場合、第一お
よび第二の補修塗料を塗装する工程により生じた塗料ダ
スト部に、それぞれ界面活性剤を含有する補修用シンナ
ーを塗装する工程を備える。
【0041】具体的には、下地を研ぎ出した補修対象部
分に、例えばメタリックベース塗料等の第一の補修塗料
を塗装し、この補修塗料のスプレー塗装により補修塗膜
の周辺部に発生する塗料ダスト部に対して、補修用シン
ナーを塗布し、第一の補修塗膜、具体的には補修メタリ
ックベース塗膜の連続化および平滑化を行う。
【0042】更に、例えばクリヤー塗料等の第二の補修
塗料を塗装し、この補修塗料のスプレー塗装により補修
塗膜の周辺部に発生する塗料ダスト部に対して、補修用
シンナーを塗布し、第二の補修塗膜、具体的には補修ク
リヤー塗膜の連続化および平滑化を行う。その後、得ら
れた補修塗膜を硬化させ、塗膜の部分補修が完成する。
【0043】上記第一および第二の補修塗料を塗装する
工程により生じた塗料ダスト部に対し、それぞれ界面活
性剤を含有する補修用シンナーを塗装するが、同じ補修
用シンナーをそれぞれの塗料ダスト部に用いることがで
きる。
【0044】上記補修用シンナーは透明性が高く、補修
塗料の塗色等に限定されないからである。また、上記補
修に用いた塗料および補修用シンナーの塗布は、スプレ
ー塗装によって行うことができる。
【0045】尚、上記補修塗料と上記補修用シンナーの
塗布は、塗料ダストを馴染ませ、平滑化するため、補修
塗料とウエットオンウエット塗装法で行うことが好まし
い。
【0046】すなわち、本発明の塗膜の部分補修方法で
は、下地を研ぎ出した補修対象部分の窪みに沿うよう
に、補修塗料をスプレー塗装し、補修塗膜を形成する。
次に先の補修塗料のスプレー塗装により生じた塗料ダス
ト部に対して、補修用シンナーをスプレー塗装し、この
ようにして得られた補修塗膜を所定の条件で加熱するこ
とによって硬化する。
【0047】上記硬化条件は、それぞれの補修塗料に用
いられている樹脂種により異なるが、例えば、80〜1
60℃で10〜30分加熱することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により詳細に
説明する。なお、部及び%は、特に断らない限り、重量
部及び重量%を意味する。
【0049】実施例1 補修用シンナーの調製 エチルエトキシプロピオネート(沸点172℃、sp値
8.8)100部、及びポリシロキサン(ビックケミー
社製「BYK310」)0.1部を混合して補修用シン
ナーを得た。
【0050】評価塗膜の作製 評価用の補修塗膜を以下に示す手順で作製した。リン酸
亜鉛処理した厚さ0.8mm、20cm×30cmのダ
ル鋼板の上に、カチオン電着塗料「パワートップU−5
0」(日本ペイント社製、カチオン型電着塗料)を、乾
燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、160℃で3
0分間焼き付けて電着塗膜を形成した。
【0051】次に、得られた電着塗膜の上に、グレー色
の中塗塗料「オルガP−2グレー」(日本ペイント社
製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚
が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で2
0分間焼付け中塗塗膜を形成した。
【0052】以下、図1を参照して説明する。得られた
中塗塗膜3の上に、予め、トルエン/酢酸エチル/酢酸
ブチル/メチルイソブチルケトン/エチルエトキシプロ
ピオネート=53/15/12.5/12.5/7の混
合溶剤で、17秒(/20℃・#3Fordcup)に
希釈された「オルガTO−H400グレースグリーン」
(日本ペイント社製メタリックベース塗料)を、乾燥膜
厚が15μmとなるように静電塗装し、メタリックベー
ス塗膜4を形成した。
【0053】5分間のインターバルの後、予め、ソルベ
ッソ100(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)/ソ
ルベッソ150(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)
=50/50の混合溶剤で、23秒(/20℃・#4F
ordcup)に希釈された、クリヤー塗料「スーパー
ラックO−600クリヤー」(日本ペイント社製、アク
リル・メラミン樹脂系クリヤー塗料)を、乾燥膜厚が3
0μmとなるように、ウエットオンウエットでスプレー
塗装し、クリヤー塗膜5を形成した。更に、140℃で
20分間焼付け、被補修塗膜を作成した。
【0054】補修対象部分8を、#800番のサンドペ
ーパーを用いて、水研ぎにより、補修部分における中塗
塗膜3が研ぎ出されるまで、緩やかに勾配がつくように
研ぎ出し、研ぎ出し部9を形成した。すなわち、補修対
象部分8のメタリックベース塗膜4及びクリヤー塗膜5
を除去した。次に、ワイピングにより研ぎかすを除去
し、10分間放置した。
【0055】中塗り研ぎ出し範囲より広い目に、補修塗
料として上述のメタリックベース塗料を吹き付け、補修
メタリックベース塗膜2を形成した。更に、メタリック
ベース塗料塗装部の周辺領域に発生した補修メタリック
ベース塗料の塗料ダスト部6に対して、先に調製した補
修用シンナーをスプレー塗装し、塗料ダスト部6を平滑
化した。
【0056】次に、補修メタリックベース塗装範囲より
広い目に、補修塗料として上述のクリヤー塗料を用いて
研ぎ出し部9に沿うように吹き付けし、補修クリヤー塗
膜1を形成した。
【0057】更に、クリヤー塗料補修部分の周辺領域に
発生したクリヤー塗料の塗料ダスト部7に対して、先と
同じ補修用シンナーをスプレー塗装し、塗料ダスト部7
を平滑化し、10分間セッティングした。その後140
℃で20分間焼き付けて補修塗膜を完成した。
【0058】補修塗膜の評価 以上のように作製した補修部分と補修していない部分を
有する塗膜の外観について、外観と塗膜の連続性とを目
視で比較し、表1の基準で評価した。評価結果を表6に
示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例2 表2に示す組成の有機溶媒100部、及びジメチルポリ
シロキサン(信越シリコーン社製「KF−69」)0.
001部を混合して補修用シンナーを得た。得られた補
修用シンナーを用いること以外は実施例1と同様にして
塗膜の補修を行い、同様に評価した。評価結果を表6に
示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例3 表3に示す組成の有機溶媒100部、及びポリシロキサ
ン(ビックケミー社製「BYK310」)0.01部を
混合して補修用シンナーを得た。得られた補修用シンナ
ーを用いること以外は実施例1と同様にして塗膜の補修
を行い、同様に評価した。評価結果を表6に示す。
【0063】
【表3】
【0064】実施例4 表4に示す組成の有機溶媒100部、及びポリシロキサ
ン(ビックケミー社製「BYK310」)0.01部を
混合して補修用シンナーを得た。得られた補修用シンナ
ーを用いること以外は実施例1と同様にして塗膜の補修
を行い、同様に評価した。評価結果を表6に示す。
【0065】
【表4】
【0066】実施例5 表5に示す組成の有機溶媒100部、及びジメチルポリ
シロキサン(信越シリコーン社製「KF−69」)0.
001部を混合して補修用シンナーを得た。得られた補
修用シンナーを用いること以外は実施例1と同様にして
塗膜の補修を行い、同様に評価した。評価結果を表6に
示す。
【0067】
【表5】
【0068】比較例1 石油系有機溶媒(エクソン社製「ソルベッソ150」)
100部、及びポリシロキサン(ビックケミー社製「B
YK310」)0.1部を混合して補修用シンナーを得
た。得られた補修用シンナーを用いること以外は実施例
1と同様にして塗膜の補修を行い、同様に評価した。評
価結果を表6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】本発明の補修方法では、補修用シンナー
が極性溶媒を含んでいるため、酸エポキシ系樹脂を含む
塗料のような溶解性パラメータ(sp値)が低い塗料の
塗料ダストをレベリングする効果に優れ、非補修部と補
修部との外観の連続性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における積層塗膜を示す断面
図である。
【符号の説明】 1…補修クリヤー塗膜、 2…補修メタリックベース塗膜、 3…中塗り塗膜、 4…メタリックベース塗膜、 5…クリヤー塗膜、 6…補修メタリックベース塗料の塗料ダスト部、 7…補修クリヤー塗料の塗料ダスト部、 8…補修対象部分、 9…研ぎ出し部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜表面の補修対象部分を砥ぎ出す工
    程;砥ぎ出した補修対象部分に補修塗料を塗布して、補
    修塗膜及びその周辺に塗料ダストを形成する工程;塗料
    ダストに補修用シンナーを塗布して塗料ダストを溶解し
    平滑化する工程;及び補修塗膜を硬化させる工程;を包
    含する塗膜の部分補修方法において、 該補修塗料が酸エポキシ硬化系塗料であり、且つ、該補
    修用シンナーが、沸点120〜230℃の極性溶媒を3
    0重量%以上の量で含有する有機溶媒100重量部、及
    びシリコーン系界面活性剤0.0001〜2.0重量部
    を含んでなる、塗膜の部分補修方法。
  2. 【請求項2】 塗膜表面の補修対象部分を砥ぎ出す工
    程;砥ぎ出した補修対象部分に第一の補修塗料を塗布し
    て、第一の補修塗膜及びその周辺に塗料ダストを形成す
    る工程;塗料ダストに補修用シンナーを塗布して塗料ダ
    ストを溶解し平滑化する工程;該補修対象部分に第二の
    補修塗料を塗布して、第二の補修塗膜及びその周辺に塗
    料ダストを形成する工程;塗料ダストに補修用シンナー
    を塗布して塗料ダストを溶解し平滑化する工程;及び第
    一の補修塗膜及び第二の補修塗膜を硬化させる工程;を
    包含する塗膜の部分補修方法において、 該補修塗料が酸エポキシ硬化系塗料であり、且つ、該補
    修用シンナーが、沸点120〜230℃の極性溶媒を3
    0重量%以上の量で含有する有機溶媒100重量部、及
    びシリコーン系界面活性剤0.0001〜2.0重量部
    を含んでなる、塗膜の部分補修方法。
  3. 【請求項3】 前記極性溶媒の溶解性パラメータ(sp
    値)が8.0〜11.1である請求項1又は2記載の塗
    膜の部分補修方法。
  4. 【請求項4】 沸点120〜230℃の極性溶媒を30
    重量%以上の量で含有する有機溶媒100重量部、及び
    シリコーン系界面活性剤0.0001〜2.0重量部を
    含んでなる、塗膜の部分補修方法において塗料ダストを
    溶解し塗料ダスト部を平滑化するために用いる補修用シ
    ンナー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より形成された塗膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169526A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Nippon Paint Co Ltd ぼかし液組成物、および自動車外装塗膜補修方法
JP2007177206A (ja) * 2005-11-30 2007-07-12 Aica Kogyo Co Ltd 土木・建築仕上げ用組成物及びアミンブラッシング抑制方法
JP2008055259A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Aica Kogyo Co Ltd 処理用組成物及び改修方法
JP2018134606A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 株式会社日立製作所 塗膜形成方法

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