JP4540466B2 - 補修塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複層メタリック塗膜の欠陥部分の補修塗装方法に関する。
近年、自動車車体等の被塗物の上塗りメタリック塗膜等に対して、高品質な外観が求められている。
自動車車体等の上塗りメタリック塗装は、通常、ベースコート塗料及びクリヤ塗料を用いた2コート1ベーク方式により行われることが多いが、特に高品質な外観のメタリック塗膜が望まれる高級車の車体等の塗装においては、塗り重ねる塗膜層や焼き付け回数を増やした、3コート1ベーク方式、3コート2ベーク方式、4コート1ベーク方式、4コート2ベーク方式等の塗装方法により、光輝感、フリップフロップ感等に優れたメタリック塗膜を形成することが行なわれている(例えば、特許文献1又は2)。
上記塗装仕様のうち、4コート2ベーク方式は、2コート1ベーク工程を2回繰り返す塗装仕様である。通常、4コート2ベーク方式においては、2回目に塗装されるベースコート層は下地を隠蔽しない状態で塗装され、1回目に塗装されるベースコート塗料の塗膜の色調と2回目に塗装されるベースコート塗料の塗膜の色調が相俟った複層塗膜による発色効果により、2コート1ベーク方式等では得ることができない、極めて優れた深み感等を有する複層メタリック塗膜を得ることができる。
しかしながら、上記複層メタリック塗膜には、自動車車体等の塗装ラインにより、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜を形成する際に、ゴミ等が付着したり、又塗装された自動車の使用中に塗膜にキズが付いたりして塗膜の欠陥が生じた場合に、その欠陥部分の補修が容易ではないという問題がある。
即ち、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜を補修塗装する場合、自動車の塗装ラインにおける塗装は自動機により行なわれるのに対して、補修塗装においては、通常、人手によりエアスプレー塗装等が行なわれることから、4コート2ベーク方式で補修塗装する場合には、膜厚制御等の塗装条件の管理が困難であるため、該塗装ラインにより得られた非補修部分の塗装外観と同等の塗装外観を補修部分において得ることが困難である、4回の塗装工程及び2回の焼き付け工程があるため作業時間がかかる等の問題がある。
特開2003−225610号公報 特開2001−149857号公報
本発明の目的は、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜を補修塗装するに際し、補修部分と非補修部分の塗装外観に実質的に差異を生じず、仕上がり性、作業性等に優れた補修塗装方法を提供することにある。
本発明者は、4コート2ベーク方式による自動車車体等の被塗物上に形成された複層メタリック塗膜の補修塗装を行なうにあたり、平均粒子径が特定の範囲内である光輝性顔料を含有しかつ下地隠蔽膜厚が特定の範囲内である補修塗装用ベースコート塗料を使用して2コート1ベーク方式で補修する塗装方法を採用することにより、上記の目的を達成することができることを見出した。本発明は、かかる新知見に基づいて、完成されたものである。
本発明は、以下の補修塗装方法を提供するものである。
1.被塗物に、平均粒子径がL1μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15μm以下の光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−1)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−1)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(A)、並びに該二層塗膜(A)上に、平均粒子径がL2μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚25〜40μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−2)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−2)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(B)を形成してなる4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の欠陥部分の補修塗装方法であって、
(1)上記欠陥部分を研磨除去する工程、
(2)該除去部分に、平均粒子径(L3)が〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm小さい値である光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15〜25μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−3)を塗装する工程、
(3)未硬化のベースコート塗面上に、上記クリヤコート塗料(b−2)を塗装する工程、並びに
(4)未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化させる工程
を含有することを特徴とする補修塗装方法。
2.ベースコート塗料(a−1)が含有する光輝性顔料の平均粒子径(L1)が10〜20μmであり、かつ、前記ベースコート塗料(a−2)の光輝性顔料の平均粒子径(L2)が5〜20μmである上記項1に記載の補修塗装方法。
3.被塗物が自動車車体である上記項1に記載の補修塗装方法。
以下、本発明の補修塗装方法について、より詳細に説明する。
複層メタリック塗膜
本発明の補修塗装方法の対象となる4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜は、被塗物に、平均粒子径がL1μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15μm以下の光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−1)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−1)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(A)、並びに該二層塗膜(A)上に、平均粒子径がL2μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚25〜40μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−2)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−2)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(B)を形成してなるものである。
被塗物
上記被塗物としては、特に限定されないが、例えば、自動車、二輪車等の各種車体;電気製品等を挙げることができ、特に自動車車体が好ましい。また、これらの被塗物を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック基材等であってもよい。
また、被塗物としては、上記車体、電気製品、金属基材等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
また、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜は、通常、自動車車体等の上塗り塗装として形成されるので、被塗物としては、自動車車体又はその金属基材に、各種電着塗料等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成されたものであることが、好ましい。
ベースコート塗料(a−1)
ベースコート塗料(a−1)は、平均粒子径がL1μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚が15μm以下である光輝性塗膜を形成する塗料である。
光輝性顔料は、キラキラとした光輝感を有する顔料であり、具体的には、例えば、アルミニウムフレーク、酸化アルミニウムフレーク、塩化オキシビスマスフレーク、ニッケルフレーク、銅フレークなどの鱗片状光輝性顔料であるのが好ましい。
これらのなかで、アルミニウムフレークがより好ましく、例えば、金属アルミニウムを機械的に粉砕してなるそれ自体既知のノンリーフィング型アルミニウムフレークを好適に使用することができる。アルミニウムフレークの大きさとしては、平均粒子径が2〜30μm程度、特に5〜20μm程度の範囲内であるものが適している。
光輝性顔料としては、1種を又は2種以上を混合して、使用することができる。2種以上の光輝性顔料を使用した場合の平均粒子径L1は、各光輝性顔料の重量分率を加味した平均値であり、以下のように定義する。
即ち、2種以上の光輝性顔料の平均粒子径がそれぞれl1、l2、l3、・・・・である場合、各光輝性顔料の全光輝性顔料中の重量分率(%)がそれぞれw1、w2、w3、・・・・であれば、平均粒子径L1は、下記式(1)により算出する。
1=(w1×l1+w2×l2+w3×l3+・・・・)/100 (1)
本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)の値であり、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300」(商品名、日機装社製)を用いて測定することができる。
ベースコート塗料(a−1)における光輝性顔料の平均粒子径L1は、10〜20μm程度の範囲内であるのが好ましく、12〜18μm程度の範囲内であるのがより好ましい。
ベースコート塗料(a−1)における光輝性顔料の配合量は、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して、10〜20重量部程度の範囲内が適している。
ベースコート塗料(a−1)は、上記の光輝性顔料及び樹脂成分などを溶媒に溶解又は分散せしめることにより得られる液状塗料であり、必要に応じて着色顔料、体質顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、付着付与剤などを適宜含有せしめることができる。
樹脂成分としては、熱硬化性樹脂組成物を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とからなる組成物;酸基含有樹脂及びエポキシ基含有樹脂を主成分とする酸・エポキシ架橋系樹脂組成物などをあげることができる。
樹脂成分としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂等の架橋剤とからなる熱硬化性樹脂組成物を使用することがより好ましい。
溶媒としては、有機溶剤及び/又は水などを使用することができる。有機溶剤としては、通常の塗料用溶剤を使用でき、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤等をあげることができる。
着色顔料としては、通常の塗料用着色顔料を使用できる。例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料等の着色顔料から選ばれた1種を又は2種以上を混合して、使用することができる。
体質顔料としては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、クレー、タルク、シリカなどから選ばれた1種を又は2種以上を混合して、使用することができる。
ベースコート塗料(a−1)の下地隠蔽膜厚は硬化塗膜で15μm以下程度の範囲であるのが適している。
本明細書において、下地隠蔽膜厚とは、JIS K5600−4−1に規定された、当該塗膜を透して隣接する下層の白黒市松模様が見えなくなる最小硬化膜厚を意味する。
ベースコート塗料(a−1)は、塗料粘度を、例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法により、被塗物上に塗装することができる。塗装膜厚は、硬化塗膜を基準に、下地隠蔽膜厚(15μm以下)又はそれ以上であることが好ましく、15〜18μm程度であることがより好ましい。このベースコート塗料(a−1)の塗膜を硬化させずに未硬化の状態で、該塗面上にクリヤコート塗料(b−1)を塗装する。
クリヤコート塗料(b−1)
クリヤコート塗料(b−1)は、ベースコート塗料(a−1)の未硬化の塗面に塗装する、透明塗膜を形成する塗料である。
塗料(b−1)は、具体的には、熱硬化性樹脂組成物および溶媒(有機溶剤及び/又は水)を含有する液状塗料であり、さらに必要に応じて、光輝性顔料、着色顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、紫外線吸収剤などを適宜含有せしめることができる。光輝性顔料及び着色顔料は、該透明塗膜の透明性を損なわない程度に配合することが好ましい。これらの熱硬化性樹脂組成物、光輝性顔料、着色顔料及び溶媒などはベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
クリヤコート塗料(b−1)は、上記の各成分を溶媒に溶解又は分散せしめることにより得られ、塗料粘度を、例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法により、ベースコート塗料(a−1)の未硬化の塗面上に塗装することができる。塗装膜厚は硬化塗膜を基準に、20〜50μm程度の範囲が好ましく、25〜40μm程度の範囲がより好ましい。
クリヤコート塗料(b−1)を塗装後、約120〜160℃で10〜40分間程度加熱して、ベースコート塗料(a−1)及びクリヤコート塗料(b−1)を塗装して得られた2層の塗膜を同時に硬化させることにより二層塗膜(A)が形成される。得られた二層塗膜(A)上にベースコート塗料(a−2)を塗装する。
ベースコート塗料(a−2)
ベースコート塗料(a−2)は、二層塗膜(A)の塗面上に塗装する、光輝性塗膜を形成する塗料である。ベースコート塗料(a−2)は、平均粒子径がL2μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚が25〜40μm程度の範囲内である光輝性塗膜を形成するベースコート塗料である。
光輝性顔料としては、ベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
光輝性顔料は、ベースコート塗料(a−1)の場合と同様に、1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の光輝性顔料を使用した場合の平均粒子径L2は、ベースコート塗料(a−1)の場合と同様に、各光輝性顔料の重量分率を加味した平均値であり、以下のように定義する。
即ち、2種以上の光輝性顔料の平均粒子径がそれぞれl1、l2、l3、・・・・である場合、各光輝性顔料の全光輝性顔料中の重量分率(%)がそれぞれw1、w2、w3、・・・・であれば、下記式(2)により算出する。
2=(w1×l1+w2×l2+w3×l3+・・・・)/100 (2)
ベースコート塗料(a−2)における光輝性顔料の平均粒子径L2は、5〜20μm程度の範囲内であるのが好ましく、10〜20μm程度の範囲内であるのがより好ましい。
ベースコート塗料(a−2)における光輝性顔料の配合量は、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して、5〜15重量部程度の範囲内が適している。
ベースコート塗料(a−2)は、上記の光輝性顔料及び樹脂成分などを、溶媒に溶解又は分散せしめることにより得られる液状塗料であり、必要に応じて着色顔料、体質顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、付着付与剤などを適宜含有せしめることができる。これらの樹脂成分、溶媒、着色顔料、体質顔料などはベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
ベースコート塗料(a−2)の下地隠蔽膜厚は硬化塗膜で25〜40μm程度の範囲内であるのが適している。
ベースコート塗料(a−2)は、塗料粘度を、例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法により塗装することができる。
4コート2ベーク方式は、1回目に塗装されるベースコート塗料の塗膜の色調と2回目に塗装されるベースコート塗料の塗膜の色調が相俟った複層塗膜による発色効果により、2コート1ベーク方式では得ることができない、極めて優れた深み感等を有する複層メタリック塗膜を得ることができる塗装仕様であり、2回目に塗装されるベースコート層は下地を隠蔽しない状態で塗装されるので、ベースコート塗料(a−2)の塗装膜厚は硬化塗膜を基準に、その下地隠蔽膜厚(25〜40μm)未満の膜厚、特に5〜15μm程度の範囲内の膜厚になるように、二層塗膜(A)上に塗装することが好ましい。このベースコート塗料(a−2)の塗膜を硬化させずに未硬化の状態で、該塗面上にクリヤコート塗料(b−2)を塗装する。
クリヤコート塗料(b−2)
クリヤコート塗料(b−2)は、ベースコート塗料(a−2)の未硬化の塗面に塗装する、透明塗膜を形成する塗料である。
クリヤコート塗料(b−2)は、具体的には、熱硬化性樹脂組成物および溶媒(有機溶剤及び/又は水)を含有する液状塗料であり、必要に応じて、光輝性顔料、着色顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、紫外線吸収剤などを適宜含有せしめることができる。光輝性顔料及び着色顔料は、該透明塗膜の透明性を損なわない程度に配合することが好ましい。これらの熱硬化性樹脂組成物、光輝性顔料、着色顔料及び溶媒などはベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
クリヤコート塗料(b−2)は、最上層の塗膜を形成するための塗料であるので、クリヤコート塗料(b−2)における熱硬化性樹脂組成物としては、耐酸性等に優れた塗膜を得ることができる、酸基含有樹脂及びエポキシ基含有樹脂を主成分とする酸・エポキシ架橋系樹脂組成物などを使用するのがより好ましい。
クリヤコート塗料(b−2)は、上記の各成分を、溶媒に溶解又は分散せしめることにより得られ、塗料粘度を、例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法によりベースコート塗料(a−2)の未硬化の塗面上に塗装することができる。塗装膜厚は、硬化塗膜を基準に、20〜50μm程度の範囲が好ましく、30〜45μm程度の範囲がより好ましい。
クリヤコート塗料(b−2)を塗装後、約120〜160℃で10〜40分間程度加熱して、ベースコート塗料(a−2)及びクリヤコート塗料(b−2)を塗装して得られた2層の塗膜を同時に硬化させることにより二層塗膜(B)が形成される。
4コート2ベーク方式の各塗料の塗装工程は、通常、自動塗装機を用いて、塗装ライン上において、行われる。
以上の様にして、自動車車体等の被塗物上に、二層塗膜(A)及び二層塗膜(B)からなる、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜を形成させることができる。
補修塗装工程
本発明の補修塗装方法は、自動車車体等の塗装ライン上で4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜を形成する際に塗膜にゴミ等が付着したり、又塗装された自動車の使用中に塗膜にキズが付いたりして塗膜の欠陥が生じた場合に、その欠陥部分を補修する方法である。
本発明の複層メタリック塗膜の欠陥部分の補修塗装方法は、
(1)上記欠陥部分を研磨除去する工程、
(2)該除去部分に、平均粒子径(L3)が〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm程度小さい値である光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15〜25μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−3)を塗装する工程、
(3)未硬化のベースコート塗面上に、上記クリヤコート塗料(b−2)を塗装する工程、並びに
(4)未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化させる工程
の4つの工程を有している。
以下、各工程毎に説明する。
工程(1)
複層メタリック塗膜の欠陥部分を研磨除去する工程である。欠陥部分は複層メタリック塗膜の各層のいずれにも発生する可能性があり、例えば、二層塗膜(A)を構成するベースコート及びクリヤコート並びに二層塗膜(B)を構成するベースコート及びクリヤコートの各塗膜において、欠陥部分が発生しているいずれかの塗膜層まで研磨し除去することが好ましい。また、被塗物が下塗り塗膜、中塗り塗膜等の塗膜が形成されているものである場合には、必要に応じて、その塗膜まで研磨除去してもよい。
欠陥部分の除去は、研磨紙、研磨布又はこれらを器具に取り付けたもの(サンダー)を使用して、手作業で、塗膜を研削することによって行われる。例えば、まず、#400〜600程度の比較的粗い粒子の研磨材を含む研磨紙及び/又は研磨布を使用して欠陥部分を研削・除去し、ついで#1000〜1500程度の細かい粒径の研磨材を含むものを使用して研削表面を平滑にすることが、仕上がり性を良好にするために好ましい。そして、研削によって生じた塗膜の粉などを除去するためにガソリンなどの有機溶剤で塗面を拭き、それにより同時に脱脂しておくことが好ましい。
この工程では、複層メタリック塗膜のうちの欠陥部分とその周辺部のみの塗面の最小必要面積を研磨除去することが望ましい。また、研磨除去する深さは、欠陥部分のある層の位置などによって異なる。例えば、塗装ライン上で、塗膜にゴミ等が付着した欠陥部分の場合には、一般に、該欠陥部分を中心にして、半径2cm程度の円状に、中心に向かって傾斜をつけながら研磨除去することが望ましい。研磨除去後においては、上記した塗膜のいずれかの塗面が露出している。
工程(2)
欠陥部分を研磨除去した部分に、平均粒子径(L3)が〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm程度小さい値である光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15〜25μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−3)を塗装する工程である。
ベースコート塗料(a−3)
ベースコート塗料(a−3)は、平均粒子径L3が〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm程度小さい値である光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚が15〜25μmの範囲内である光輝性塗膜を形成するベースコート塗料である。
光輝性顔料としては、ベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
光輝性顔料はベースコート塗料(a−1)と同様に、1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の光輝性顔料を使用した場合の平均粒子径L3は、ベースコート塗料(a−1)の場合と同様に、各光輝性顔料の重量分率を加味した平均値であり、以下のように定義する。
即ち、2種以上の光輝性顔料の平均粒子径がそれぞれl1、l2、l3、・・・・である場合、各光輝性顔料の全光輝性顔料中の重量分率(%)がそれぞれw1、w2、w3、・・・・であれば、下記式(3)により算出する。
3=(w1×l1+w2×l2+w3×l3+・・・・)/100 (3)
ベースコート塗料(a−3)における光輝性顔料の平均粒子径L3は、仕上がり性の向上の点から、〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm程度小さい値である必要があり、〔(L1+L2)/2〕μmより0.5〜3.0μm程度小さい値であるのが好ましい。具体的な光輝性顔料の平均粒子径L3としては、上記要件を満たした上で、10〜15μm程度の範囲内であるのが好ましい。
ベースコート塗料(a−3)における光輝性顔料の配合量は、塗料中の樹脂固形分100重量部に対して、5〜15重量部程度の範囲内が適している。
ベースコート塗料(a−3)は、上記の光輝性顔料及び樹脂成分などを溶媒に溶解又は分散せしめることにより得られる液状塗料であり、必要に応じて着色顔料、体質顔料、沈降防止剤、塗面調整剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、付着付与剤などを適宜含有せしめることができる。これらの樹脂成分、溶媒、着色顔料、体質顔料などはベースコート塗料(a−1)の説明で例示したものを好適に使用することができる。
また、ベースコート塗料(a−3)の色調は、必要に応じて、すでに塗装されている二層塗膜(A)及び二層塗膜(B)からなる4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の非補修部分と同じか又は近似した色調が得られるよう調整しておくことが好ましい。
ベースコート塗料(a−3)の下地隠蔽膜厚は、仕上がり性の向上の点から、硬化塗膜で15〜25μm程度の範囲内であるのが適している。
ベースコート塗料(a−3)は、塗料粘度を例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法により塗装することができる。
塗料(a−3)の塗装膜厚は、硬化塗膜を基準に、下地隠蔽膜厚(15〜25μm)又はそれ以上であることが好ましい。塗装膜厚は、具体的には、硬化塗膜を基準に、15〜30μm程度の範囲が好ましく、20〜25μm程度の範囲がより好ましい。
工程(3)
工程(2)で塗装されたベースコート塗料(a−3)の塗膜を硬化させずに未硬化の状態で、該塗面上にクリヤコート塗料(b−2)を塗装する工程である。
補修塗装におけるクリヤコート塗料(b−2)としては、前記の複層メタリック塗膜の形成に使用した塗料(b−2)と同じ塗料を使用することができ、その塗料粘度を例えば、フォードカップ#4で測定して20℃で10〜40秒程度の範囲内に調整し、これをエアスプレー、エアレススプレー、静電方式などの噴霧塗装法により、ベースコート塗料(a−3)の未硬化の塗面に、硬化塗膜を基準に、20〜50μm程度、好ましくは30〜45μm程度の範囲内の膜厚になるように塗装することが好ましい。
工程(4)
未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化させる工程である。工程(4)においては、クリヤコート塗料(b−2)を塗装後、約120〜160℃で10〜40分間程度加熱して、ベースコート塗料(a−3)及びクリヤコート塗料(b−2)を塗装して得られた2層の未硬化塗膜を同時に硬化させることにより補修部分の二層メタリック塗膜が形成される。
かくして、二層塗膜(A)及び二層塗膜(B)からなる4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の補修塗装を2コート1ベーク方式で行なうことができる。
本発明の補修塗装方法によれば、次のような顕著な効果が奏される。
(1)4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の欠陥部分を、塗料中に含有する光輝性顔料の平均粒子径及び塗料の下地隠蔽膜厚が、1回目に塗装されるベースコート塗料及び2回目に塗装されるベースコート塗料を基準として調整された補修専用ベースコート塗料と2回目に塗装されるクリヤコート塗料との組み合わせによる2コート1ベーク方式により、作業性良く補修することができる。
(2)自動車車体等の塗装ラインにより得られた、人手によるエアスプレー塗装等では再現の困難な優れた深み感等を有する4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の欠陥部分を、補修部分と非補修部分の塗装外観に実質的に差異を生じず、補修部分においても深み感等に優れ、しかもメタリックムラも無い優れた仕上がり性で補修することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。各例において、「部」及び「%」はいずれも重量基準による。
各例において、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてである。また、アルミニウムフレークの平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(商品名「MT3300」、日機装社製)を使用し、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)の値である。
製造例1 被塗物の調製
脱脂及びりん酸亜鉛処理を施した鋼板(大きさ400mm×300mm×0.8mm)に、硬化膜厚が20μmとなるようにエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着塗装し、170℃で30分間加熱硬化させた後、該電着塗膜上に中塗り塗料(ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系中塗り塗料、グレー)を硬化膜厚が35μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱して中塗り塗膜を硬化させてなる塗装鋼板を被塗物とした。
製造例2 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)(注1)75部、メチル・ブチル混合エ−テル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(i)(注2)8部、アルミニウムフレーク(ii)(注3)7部及び固形分重量として4部となる量のアルミニウムフレーク(iii)(注4)4部を、有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整して、ベースコート塗料(a−1)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は14.2μm、下地隠蔽膜厚は13μm、固形分重量濃度は25%であった。
(注1):水酸基価70mgKOH/g、酸価14mgKOH/g及び数平均分子量30,000の水酸基含有アクリル樹脂。
(注2):平均粒子径17.5μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
(注3):平均粒子径11.8μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
(注4):平均粒子径11.7μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
製造例3 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(i)8部、アルミニウムフレーク(iii)1部及びアルミニウムフレーク(iv)(注5)1部を、有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整して、ベースコート塗料(a−2)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は16.1μm、下地隠蔽膜厚は26μm、固形分重量濃度は25%であった。
(注5):平均粒子径9.6μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
製造例4 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(v)(注6)7部及びアルミニウムフレーク(vi)(注7)3部を、有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(A)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は12.7μm、下地隠蔽膜厚は19μm、固形分重量濃度は25%であった。
(注6):平均粒子径14μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
(注7):平均粒子径9.5μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
製造例5 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(i)2部及びアルミニウムフレーク(vi)3部を、有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(B)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は12.7μm、下地隠蔽膜厚は36μm、固形分重量濃度は25%であった。
製造例6 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部及びアルミニウムフレーク(vi)10部を有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(C)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は9.5μm、下地隠蔽膜厚は16μm、固形分重量濃度は25%であった。
製造例7 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(i)3部及びアルミニウムフレーク(vii)(注8)3部を有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(D)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は19.1μm、下地隠蔽膜厚は42μm、固形分重量濃度は25%であった。
(注8):平均粒子径20.6μmのノンリーフィング型アルミニウムフレーク。
製造例8 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(i)4部及びアルミニウムフレーク(vi)2部を有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(E)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は14.8μm、下地隠蔽膜厚は34μm、固形分重量濃度は25%であった。
製造例9 ベースコート塗料の製造
水酸基含有アクリル樹脂(i)75部、メチル・ブチル混合エーテル化メラミン樹脂25部、アルミニウムフレーク(v)3部及びアルミニウムフレーク(vi)6部を有機溶剤(トルエン及びキシレンの等重量混合溶剤)中に混合分散し、20℃にてフォードカップ#4で測定して14秒の粘度に調整してベースコート塗料(F)を得た。各成分の配合量は、いずれも固形分重量を示す。
本塗料の光輝性顔料(アルミニウムフレーク)の平均粒子径は11.0μm、下地隠蔽膜厚は17μm、固形分重量濃度は25%であった。
製造例10 補修塗装用試験板の作製
製造例1で得た被塗物上に、製造例2で得たベースコート塗料(a−1)を、回転式静電塗装機を用いてブース温湿度25℃/75%で、硬化膜厚15μmとなるように塗装した。2分間放置後、その未硬化塗面に、アクリル・メラミン樹脂系溶剤型上塗りクリヤ塗料(商品名「マジクロンTC−69」、関西ペイント(株)製)を、石油系芳香族炭化水素溶剤(商品名「スワゾール1000」、コスモ石油社製)を用いて温度20℃においてフォードカップ#No.4で25秒の粘度に調整して、ミニベル型回転式静電塗装機を用い、ブース温湿度25℃/75%で、膜厚35μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を同時に硬化させて二層塗膜を得た。
次いで、この二層塗膜上に、製造例3で製造したベースコート塗料(a−2)を回転式静電塗装機を用いて、ブース温湿度25℃/75%で、硬化膜厚15μmとなるように塗装した。2分間放置後、その未硬化塗面に、酸基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂系溶剤型上塗りクリヤ塗料(商品名「マジクロンK#1200TW」、関西ペイント(株)製)を、石油系芳香族炭化水素溶剤(商品名「スワゾール1000」、コスモ石油社製)を用いて温度20℃においてフォードカップ#No.4で25秒の粘度に調整して、ミニベル型回転式静電塗装機を用い、ブース温湿度25℃/75%で、硬化膜厚35μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱してこの両塗膜を同時に硬化させることにより、4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜が形成された試験板を得た。
ベースコート塗料(a−1)の光輝性顔料の平均粒子径が14.2μmであり、ベースコート塗料(a−2)の光輝性顔料の平均粒子径が、16.1μmであることから、本発明の要件を満たす上記4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の補修塗装専用のベースコート塗料(a−3)の光輝性顔料の平均粒子径は、(14.2+16.1)/2μm=15.2μmより0.2μm〜4.0μm小さい値、即ち、11.2〜15.0μmの範囲内であるということになる。
実施例1
製造例10で得た4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜面を、半径約2cmの円状に、円状の中心部の中塗り塗面が露出するまで、#600耐水研磨紙で研磨除去した。この研磨除去部分に、製造例4で得たベースコート塗料(A)を、人手によるエアスプレー塗装により、下地が隠蔽されるように塗装した。室温で3分間放置してから、塗料(A)の未硬化塗面に、酸基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂系溶剤型上塗りクリヤ塗料(商品名「マジクロンK#1200TW」、関西ペイント(株)製)を、人手によるエアスプレー塗装により、加熱硬化後の補修塗装部分が補修部周りに対して段差が生じないように塗装し、室温で5分間放置してから、140℃で30分間加熱することにより、補修部分のこの両塗膜を同時に硬化させた。その後、補修部分周辺の未補修部分と同様の仕上り肌となるように、最終調整として、市販のコンパウンドを布に浸み込ませ、手作業で、磨くことにより補修を行なった。
比較例1
実施例1において、ベースコート塗料(A)に代えて製造例5で得たベースコート塗料(B)を用い、下地が隠蔽されるように塗装する以外は、実施例1と同様にして補修を行なった。
比較例2
実施例1において、ベースコート塗料(A)に代えて製造例6で得たベースコート塗料(C)を用い、下地が隠蔽されるように塗装する以外は、実施例1と同様にして補修を行なった。
比較例3
実施例1において、ベースコート塗料(A)に代えて製造例7で得たベースコート塗料(D)を用い、下地が隠蔽されるように塗装する以外は、実施例1と同様にして補修を行なった。
比較例4
実施例1において、ベースコート塗料(A)に代えて製造例8で得たベースコート塗料(E)を用い、下地が隠蔽されるように塗装する以外は、実施例1と同様にして補修を行なった。
比較例5
実施例1において、ベースコート塗料(A)に代えて製造例9で得たベースコート塗料(F)を用い、下地が隠蔽されるように塗装する以外は、実施例1と同様にして補修を行なった。
試験結果
実施例1及び比較例1〜5で補修塗装を行なった各試験板について、塗装外観、塗膜の深み感及びメタリックムラの試験を行った。試験方法は、以下の通りである。
外観の差異:補修部分と非補修部分との塗装外観の差異を目視で観察し、次の基準で評価した。○:両部分における外観上の差異が実質的になく、補修部分を区別できず、補修性が非常に優れている、△:両部分における外観上の差異があり、補修部分を区別でき、補修性がやや劣る、×:両部分における外観上の差異が明らかにあり、補修部分を明確に区別でき、補修性が劣る。
塗膜の深み感:補修部分のメタリック塗膜の深み感を目視で観察し、次の基準で評価した。○:深み感が優れている、△:深み感がやや劣る、×:深み感が非常に劣っている。
メタリックムラ:補修部分のメタリック塗膜のメタリックムラの有無を目視で観察し、次の基準で評価した。○:メタリックムラが殆ど認められない、△:メタリックムラが少し認められる、×:メタリックムラが多く認められる。
試験結果を、表1に示す。
Figure 0004540466
表1の結果より、次の点が明らかである。
実施例1においては、補修塗装専用のベースコート塗料(A)の光輝性顔料の平均粒子径及び下地隠蔽膜厚がともに適正範囲内であるため、補修部分と非補修部分の塗膜外観の差異がなく、補修部分においても良好な仕上がり性を得ることができる。
比較例1においては、補修塗装専用のベースコート塗料(B)の光輝性顔料の平均粒子径は適正範囲内であるが、下地隠蔽膜厚が適正範囲外であり、補修部分の下地を隠蔽させるために塗装膜厚を厚くする必要があるため、特にメタリックムラが劣る。
比較例2においては、補修塗装専用のベースコート塗料(C)の下地隠蔽膜厚は適正範囲内であるが、光輝性顔料の平均粒子径が適正範囲外であるため、塗膜外観において、補修部分と非補修部分との差異が明確に認められる。
比較例3においては、補修塗装専用のベースコート塗料(D)の光輝性顔料の平均粒子径及び下地隠蔽膜厚がともに適正範囲外であるため、補修部分と非補修部分の塗膜外観の差異が明確に認められ、また、補修部分の下地を隠蔽させるために塗装膜厚を厚くする必要があるため、メタリックムラも劣る。
比較例4においては、補修塗装専用のベースコート塗料(E)の光輝性顔料の平均粒子径は適正範囲内であるが、下地隠蔽膜厚が適正範囲外であり、補修部分の下地を隠蔽させるために塗装膜厚を厚くする必要があるため、メタリックムラが劣る。
比較例5においては、補修塗装専用のベースコート塗料(F)の下地隠蔽膜厚は適正範囲内であるが、光輝性顔料の平均粒子径が適正範囲外であるため、塗膜外観において、補修部分と非補修部分との差異が明確に認められる。



Claims (3)

  1. 被塗物に、平均粒子径がL1μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15μm以下の光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−1)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−1)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(A)、並びに該二層塗膜(A)上に、平均粒子径がL2μmである光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚25〜40μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−2)を塗装し、未硬化のベースコート塗面上にクリヤコート塗料(b−2)を塗装し、次いで未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化せしめてなる二層塗膜(B)を形成してなる4コート2ベーク方式による複層メタリック塗膜の欠陥部分の補修塗装方法であって、
    (1)上記欠陥部分を研磨除去する工程、
    (2)該除去部分に、平均粒子径(L3)が〔(L1+L2)/2〕μmより0.2〜4.0μm小さい値である光輝性顔料を含有し、かつ下地隠蔽膜厚15〜25μmの光輝性塗膜を形成するベースコート塗料(a−3)を塗装する工程、
    (3)未硬化のベースコート塗面上に、上記クリヤコート塗料(b−2)を塗装する工程、並びに
    (4)未硬化のベースコート及びクリヤコートを同時に硬化させる工程
    を含有することを特徴とする補修塗装方法。
  2. ベースコート塗料(a−1)が含有する光輝性顔料の平均粒子径(L1)が10〜20μmであり、かつ、ベースコート塗料(a−2)の光輝性顔料の平均粒子径(L2)が5〜20μmである請求項1に記載の補修塗装方法。
  3. 被塗物が自動車車体である請求項1に記載の補修塗装方法。
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