JP2000178500A - 塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗料組成物及びこれを用いた塗装仕上げ方法

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JP2000178500A
JP2000178500A JP10354406A JP35440698A JP2000178500A JP 2000178500 A JP2000178500 A JP 2000178500A JP 10354406 A JP10354406 A JP 10354406A JP 35440698 A JP35440698 A JP 35440698A JP 2000178500 A JP2000178500 A JP 2000178500A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】仕上り性、乾燥性、硬度、付着性等に優れた塗
膜を形成し得る、ベ−スコ−ト用として有用な塗料組成
物を提供する。 【解決手段】(A)(i)ビニルモノマ−混合物5〜9
5重量%と、(ii)セルロ−スアセテ−トブチレ−ト5
〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共重
合体、(B)ガラス転移温度−70〜0℃のポリエステ
ル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリ
ル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に
(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重
量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕上り性、乾燥
性、硬度、付着性等に優れた塗膜を形成し得る、特にベ
−スコ−ト用として有用な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来、自動車の補修や、産業
機械、建造物、構築物、家具(鋼製も含む)等の塗装、
補修に際し、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料
及びアミノアクリル樹脂塗料などが用いられており、特
に自動車補修用塗料の分野では、常温乾燥性の点から、
アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料が主に用いら
れている。この分野においては、近年、光輝顔料を含む
メタリックベ−ス塗料及びクリヤ−塗料を塗り重ねるメ
タリック仕上げが主流になっており、そのベ−スコ−ト
としてラッカ−タイプの塗料が用いられる場合には、該
ベ−スコ−トの乾燥性の点からポリエステル樹脂とセル
ロ−スアセテ−トブチレ−ト(CAB)をブレンドした
もの、アクリル樹脂にポリエステル樹脂とCABをブレ
ンドしたもの等をビヒクル主成分とした塗料が採用され
てきたが、各成分の相溶性が不十分であるために仕上り
性に悪影響を及ぼしたり、またメタリックベ−スにおい
てフキムラ、モドリムラが生じてやはり仕上り性が低下
するなどの不具合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、CABのグラフト共重
合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合
で使用してなる組成物が、各成分の相溶性が向上し、メ
タリックベ−スにおいてもフキムラ、モドリムラが生じ
ることなく、良好な仕上り性を有する塗膜を形成し得る
ことを見出し本発明に到達した。
【0004】即ち本発明は、(A)(i)ビニルモノマ
−混合物5〜95重量%と、(ii)セルロ−スアセテ−
トブチレ−ト5〜95重量%とを共重合せしめてなる変
性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−80〜0
℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜
80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計
固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を
5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で
含有することを特徴とする塗料組成物、及びこれを、基
材面にベ−スコ−ト塗料を塗装し次いでトップクリヤ−
塗料を塗装する塗装仕上げ方法における該ベ−スコ−ト
塗料として用いた塗装仕上げ方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において変性ビニル系共重
合体(A)は、ビニルモノマ−混合物(i)、セルロ−
スアセテ−トブチレ−ト(ii)とを共重合せしめてなる
ものである。ビニルモノマ−混合物(i)は、従来公知
のビニルモノマ−類から1種又は2種以上選択されてな
るものであり、例えばメチル(メタ)アクリレ−ト、エ
チル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリ
ル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリ
レ−トなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキ
ルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの水
酸基含有ビニルモノマ−;(メタ)アクリル酸、スチレ
ン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニ
トリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)
アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
−ト、(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウム
クロライド、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、ス
ルホエチルメタクリレ−トのNa塩、K塩やアンモニウ
ム塩、スチレンスルホン酸のNa塩、K塩やアンモニウ
ム塩などが挙げられる。これらのうち、特にメチルメタ
クリレ−ト及び/又はエチルメタクリレ−トを50重量
%以上、好ましくは60〜99重量%、及びその他の共
重合可能なビニルモノマ−50重量%以下、好ましくは
1〜40重量%からなるビニルモノマ−混合物がセルロ
−スアセテ−トブチレ−ト(ii)との相溶性や塗膜の硬
度の点から好適に使用できる。メチルメタクリレ−ト及
び/又はエチルメタクリレ−トの使用比率が50重量%
未満では、該セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(ii)と
の相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れがあるの
で望ましくない。
【0006】セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(ii)
は、セルロ−スの部分アセチル化物をさらにブチルエス
テル化して得られるセルロ−ス誘導体であり、好ましく
はアセチル基含有量が一般に1〜30重量%で、ブチル
基含有量が一般に16〜60重量%である。具体的に
は、例えば「EAB−381−0.5」、「EAB−5
51−0.2」、「EAB−551−0.01」(いず
れも米国イ−ストマン・コダック社製、商品名)などが
例示できる。
【0007】上記ビニルモノマ−混合物(i)及びセル
ロ−スアセテ−トブチレ−ト(ii)の共重合は、有機過
酸化物等のラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法
によって行なうことができる。該ビニルモノマ−混合物
(i)及びセルロ−スアセテ−トブチレ−ト(ii)の共
重合の比率は、ビニルモノマ−混合物(i)が5〜95
重量%、好ましくは10〜90重量%と、セルロ−スア
セテ−トブチレ−ト(ii)5〜95重量%、好ましくは
10〜90重量%の範囲で配合する。該(i)が5重量
%未満である((ii)が95重量%を越える)と、付着
性が低下し、一方(i)が95重量%を越える((ii)
が5重量%未満である)と、乾燥性、硬度が低下し、さ
らにメタルのモドリムラなどが生じるので好ましくな
い。
【0008】このように形成された変性ビニル系共重合
体は、有機溶剤に対する溶解性や他の樹脂との相溶性が
著しく優れている。尚、本発明においては、配合したセ
ルロ−スアセテ−トブチレ−トの実質的に全てがビニル
モノマ−混合物と共重合していることが望ましいが、少
量のセルロ−スアセテ−トブチレ−ト及びビニルモノマ
−混合物が未反応のまま、該共重合体中に残存していて
も支障はない。
【0009】本発明においてポリエステル樹脂(B)
は、ガラス転移温度−70〜0℃、好ましくは−65〜
−10℃の樹脂であり、従来公知の多塩基酸と多価アル
コールとを主成分として常法に従って共重合することに
より得ることができる。多塩基酸としては、例えばアジ
ピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水
フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム
などが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチ
レングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、
トリメチロ−ルプロパン、ネオペンチルグリコ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ペンタエリスリト−ル、ソ
ルビト−ルなどが挙げられる。さらに必要に応じて、脱
水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ト
−ル油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、
油脂類を共重合成分として使用することができる。
【0010】該ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温
度−70℃未満では、乾燥性や硬度が著しく低下し、一
方0℃を越えるとトップクリヤ−からの架橋成分のしみ
込みが得られず付着性に悪影響を及ぼす恐れがあるので
好ましくない。
【0011】本発明においてアクリル樹脂(C)は、ガ
ラス転移温度0〜80℃、好ましくは5〜75℃の樹脂
であり、従来公知のアクリル酸もしくはメタクリル酸エ
ステルを主成分とするモノマ−混合物を溶液重合などの
常法に従って共重合することにより得ることができる。
該アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルとしては、
例えば前述のビニルモノマ−混合物(i)で列記したア
クリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステルなど
が挙げられ、これに他例示のビニルモノマ−類から1種
又は2種以上適宜選択して共重合成分とすることができ
る。
【0012】該アクリル樹脂(C)のガラス転移温度0
℃未満では、乾燥性や硬度が低下し、一方80℃を越え
ると乾燥が速すぎて塗膜の平滑性が損なわれ、トップク
リヤ−膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0013】本発明では、上記(A)〜(C)成分を塗
膜形成成分として、これらの合計固形分中で(A)成分
が5〜75重量%、好ましくは10〜70重量%、
(B)成分が5〜40重量%、好ましくは10〜35重
量%、(C)成分が5〜90重量%、好ましくは10〜
80重量%の割合となるように含有せしめる。該(A)
成分の含有割合が5重量%未満では、乾燥性、硬度が低
下し、メタルのモドリムラがみられ、75重量%を越え
ると、付着性が低下し、また該(B)成分の含有割合が
5重量%未満では、付着性が低下し、40重量%を越え
ると、乾燥性、硬度が低下するので好ましくない。
【0014】本発明では、さらに必要に応じて、リン酸
基含有ビニルモノマ−(iii )、水酸基含有ビニルモノ
マ−(iv)及びその他の共重合可能なビニルモノマ−
(v)を溶液重合などの公知の方法で共重合せしめてな
る共重合体(D)を、特にメタリックベ−スの場合に、
付着性の向上やメタルのモドリムラ防止の点から配合す
ることができる。
【0015】リン酸基含有ビニルモノマ−(iii )は、
リン原子に結合した酸性ヒドロキシル基を少なくとも1
個含むエチレン性モノマ−であり、例えばアシッドホス
ホキシエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホキ
シプロピル(メタ)アクリレ−トなどのアシッドホスホ
キシC1 〜C20アルキル(メタ)アクリレ−トや、グリ
シジル(メタ)アクリレ−トとモノ−C1 〜C20アルキ
ルリン酸との等モル付加物などが挙げられる。水酸基含
有ビニルモノマ−(iv)としては、例えば2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸のC2
〜C10ヒドロキシアルキルエステルや、これらヒドロキ
シアルキルエステルとカプロラクトンとのエステル化物
などが挙げられる。その他の共重合可能なビニルモノマ
−(v)としては、例えばメチル(メタ)アクリレ−
ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アク
リレ−トなどの(メタ)アクリル酸のC1 〜C22アルキ
ルエステルや、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニル
トルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミドなどが挙げられる。
【0016】上記モノマ−(iii )〜(v)の使用割合
は、モノマ−(iii )が0.1〜60重量%、好ましく
は1〜50重量%、モノマ−(iv)が0.1〜35重量
%、好ましくは1〜30重量%、モノマ−(v)が5〜
99.8重量%、好ましくは20〜98重量%の範囲内
が好適である。
【0017】上記の通り得られる共重合体(D)は、酸
価3〜200mgKOH/g、水酸基価0.5〜170
mgKOH/gであることが望ましく、これらの範囲外
であると付着性あるいは耐水性が低下する恐れがあるの
で望ましくない。
【0018】上記共重合体(D)は、全樹脂固形分10
0重量部に対して0.2〜10重量部、好ましくは0.
3〜9重量部含有する。該含有量が0.2重量部未満で
は付着性の向上がみられず、10重量部を越えると、耐
水性や他の樹脂成分との相溶性が低下するので好ましく
ない。
【0019】本発明組成物には、さらにアルミニウムペ
−スト、パ−ル粉、グラファイト、MIOなどの光輝顔
料、チタン白、フタロシアニンブル−、カ−ボンブラッ
クなどの着色顔料、体質顔料などを配合することがで
き、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化
防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料
用添加剤を配合することができる。
【0020】また本発明組成物は、1液形として、また
ポリイソシアネ−ト化合物等の架橋剤を使用する2液形
塗料組成物として用いてもよい。
【0021】本発明は、また、基材面にベ−スコ−ト塗
料を塗装し、次いでトップクリヤ−塗料を塗装する塗装
仕上げ方法において、該ベ−スコ−ト塗料として、上記
の通り得られる本発明の塗料組成物を用いてなる塗装仕
上げ方法を提供するものである。
【0022】上記基材面としては、主に金属又はプラス
チック素材に通常のプライマ−塗装が施されたものが挙
げられ、例えば電着塗装や中塗り塗装が施された自動車
車体、或いは自動車車体の補修塗装面が挙げられる。
【0023】該基材面に本発明の塗料組成物を、通常、
乾燥膜厚で10〜30μmの範囲となるよう塗装し、ベ
−スコ−ト塗膜が得られる。該ベ−スコ−ト塗膜はトッ
プクリヤ−塗料を塗装する前に硬化させてもよいし、ベ
−スコ−ト塗膜上にトップクリヤ−塗料をウェットオン
ウェットで塗装することもできる。
【0024】本発明方法に用いられるトップクリヤ−塗
料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、
主として有機溶剤型塗料(非水分散型を含む)や粉体塗
料が挙げられ、例えば水酸基などの架橋性官能基を有す
るアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシ
アネ−トやメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする
硬化型塗料、あるいはセルロ−スアセテ−トブチレ−ト
変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカ−塗料などが
好適に使用できる。特にトップクリヤ−塗料としてウレ
タン硬化型塗料を用いた場合、トップクリヤ−塗膜から
ベ−スコ−ト塗膜中にイソシアネ−ト成分が一部しみ込
んでくるので、ベ−スコ−ト中に使用する変性ビニル系
共重合体(A)、ポリエステル樹脂(B)及びアクリル
樹脂(C)が水酸基を含有する場合にベ−スコ−ト塗料
中に架橋剤成分を用いなくともよいので好適である。ま
たベ−スコ−ト中にリン酸基を含有する共重合体(D)
が含まれると、そのしみ込みを促進するので好適であ
る。
【0025】また該トップクリヤ−塗料には、必要に応
じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合す
ることができる。該トップクリヤ−塗料による塗膜は、
乾燥膜厚で20〜100μmの範囲が適当である。
【0026】塗装方法はベ−スコ−ト塗料、トップクリ
ヤ−塗料とも通常のスプレ−塗装、静電塗装などが採用
されるがその他の塗装方式についても特に制限はない。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を意味する。
【0028】変性ビニル系共重合体(A)の製造 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロ−トを備えた反
応器に下記成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で加熱し、
約1時間かけて100℃まで昇温した。
【0029】 トルエン 120部 ブチルセロソルブアセテ−ト 80部 「EAB−381−0.5」 200部 (イ−ストマン・コダック社製、セルロ−スアセテ−トブチレ−ト) 100℃となり、セルロ−スアセテ−トブチレ−トが完
全に溶解したことを確認した後、下記のビニルモノマ−
混合物と重合開始剤の混合液を上記セルロ−スアセテ−
トブチレ−ト溶液中に3時間にわたって滴下した。
【0030】 2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト 3部 メチルメタクリレ−ト 97部 過酸化ベンゾイル 2部 滴下終了30分後、アゾビスイソブチロニトリルを0.
5部加え、さらに窒素雰囲気下で2時間、100℃に保
ち、その後キシレンを加えて不揮発分50%の無色透明
な変性ビニル系共重合体溶液を得た。
【0031】ポリエステル樹脂(B)の製造 加熱装置、温度計、攪拌機、精留塔及び水分離器の付属
した還流冷却器を備えた反応器に下記成分を仕込み加熱
し、3時間かけて160℃から230℃まで昇温させ
た。
【0032】 ヘキサヒドロ無水フタル酸 26.7部 アジピン酸 28部 ネオペンチルグリコ−ル 5.3部 1,6−ヘキサンジオ−ル 40部 これを230℃で1時間保ち、生成した縮合水(7.4
部)を精留塔を用いて留去させた。次いでキシレンを5
部加え、キシレンと縮合水を還流させ水分離器を用いて
水を取り除いた。キシレン添加の2時間後から、酸価を
測定し始め、酸価が2以下になったところで120℃ま
で冷却した後、キシレン/酢酸ブチル=1/1の混合溶
剤で不揮発分70%となるよう希釈し、ポリエステル樹
脂溶液を得た。該樹脂溶液のガ−ドナ−粘度はT、樹脂
の重量平均分子量は20,000、水酸価は55、ガラ
ス転移温度は−60℃、DBR(二塩基酸比)は0.9
5であった。
【0033】アクリル樹脂(C)の製造 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下用ポンプを備えた
反応器に、トルエン25部、キシレン43部を仕込み、
攪拌しながら110℃まで昇温し、下記モノマ−混合物
と重合開始剤の混合液を、110℃で約3時間かけて一
定速度で滴下した。
【0034】 スチレン 10部 メタクリル酸メチル 20部 アクリル酸n−ブチル 50部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 19部 アクリル酸 1部 t−ブチルパ−オキシエチルヘキサネ−ト 1.2部 滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その
後、追加触媒としてアゾビスジメチルバレロニトリル
0.5部をキシレン10部に溶解させたものを1時間か
けて一定速度で滴下した。そして、滴下終了後1時間1
10℃に保ち、反応を終了した。得られたアクリル共重
合体溶液は、不揮発分50.2%、ガ−ドナ−粘度Z2
の均一で透明な溶液であり、該共重合体の重量平均分子
量は50,000、水酸価は82、ガラス転移温度は6
0℃であった。
【0035】共重合体(D)の製造 上記アクリル共重合体溶液の製造において、モノマ−混
合物と重合開始剤の混合液として下記組成の混合液を用
いる以外は、同様に行ない、不揮発分50.1%、ガ−
ドナ−粘度Vの均一な共重合体溶液を得た。該共重合体
の重量平均分子量は30,000、水酸価は140、ガ
ラス転移温度は−7℃であった。
【0036】 スチレン 20部 アクリル酸n−ブチル 10部 メタクリル酸ラウリル 10部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 10部 アクリル酸2−ヒドロキシエチル 10部 アシッドホスホキシエチルメタクリレ−ト 30部 t−ブチルパ−オキシエチルヘキサネ−ト 1.2部メタリックベ−ス塗料の作成 実施例1〜4及び比較例1〜4 上記製造例で得た変性ビニル系共重合体溶液、ポリエス
テル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、及び共重合体溶液を
夫々表1に示す配合量で配合し、さらに「アルミペ−ス
トK−9800」(旭化成メタルズ社製、アルミペ−ス
ト)、キシレン、酢酸ブチルを同表に示す配合で加え、
ディスパ−で約20分間攪拌し、メタリックベ−ス塗料
を作成した。尚、表中の(注)は、「EAB−381−
0.5」をキシレン/酢酸ブチル=50/50からなる
混合溶剤で固形分30%溶液に調整してなるものであ
る。
【0037】上記各塗料について、アルミペ−ストを加
える前の樹脂混合溶液を塗装膜厚100μmとなるよう
にドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装し、その透明性
から樹脂混合溶液の相溶性を目視評価した(○:良好、
△:やや不良、×:不良)。また、上記各塗料を、温度
20℃、湿度75%の恒温恒湿室中で、塗装膜厚100
μmとなるようにドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装
し、指で触って塗料が指に付かなくなるまでの時間(指
触乾燥時間)を測った。
【0038】
【表1】
【0039】塗装 実施例5〜8及び比較例5〜8 上記で得た各メタリックベ−ス塗料100重量部に対
し、トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=5
0/20/10/20の組成のシンナ−で11〜12秒
(フォ−ドカップ#4/25℃)に希釈、粘調し、さら
にクリヤ−塗料として「レタンPG2Kクリヤ−」(関
西ペイント社製)100重量部に対して「レタンPG2
K硬化剤」(関西ペイント社製)50重量部を添加して
なるものを上記組成のシンナ−で13〜14秒(フォ−
ドカップ#4/25℃)に希釈、粘調して、塗装に供し
た。
【0040】ブリキ板上に、市販のラッカ−プライマ−
サ−フェ−サ−を40μm塗装し、室温にて30分間乾
燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この上に上記で
粘調したメタリックベ−ス塗料を乾燥膜厚で30μmに
なるようにスプレ−塗装しフキムラを調査した。さらに
メタリックベ−スが指触乾燥後、上記で粘調したクリヤ
−塗料を乾燥膜厚で40μm及び80μmになるように
スプレ−塗装し、両方の塗膜を比較してモドリムラを評
価した(〇:ムラなし、△:ムラ僅かにあり、×:ムラ
が著しい)。結果を表2に示す。
【0041】また上記クリヤ−塗料を乾燥膜厚で40μ
m塗装してなる塗装板の方について、下記性能試験に供
した。結果を表2に示す。
【0042】(*1)鉛筆硬度:上記塗装板を温度20
℃で24時間放置後、同温度において鉛筆引っ掻き試験
を行ない、塗膜が破れる鉛筆の硬さを調べた。
【0043】(*2)耐水性:上記塗装板を、温度20
℃・湿度75%の恒温恒湿室中で7日間放置後、20℃
の水道水に7日間浸漬後の塗面状態を調べた(○:異常
なし、△:ツヤ引けあり、×:フクレ発生)。
【0044】(*3)付着性:上記(*2)と同様に水
道水に浸漬後の塗装板を、直ちに布で水分を拭き取り、
塗板の対角線上にナイフで素地に達するようにクロスカ
ットし、粘着テ−プによる剥離試験を行なった(○:剥
離なし、△:僅かに剥離あり、×:かなり剥離あり)。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、CABのグラフト共重
合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合
で配合してなる組成物が、各成分の相溶性が向上し、メ
タリックベ−スにおいてもフキムラ、モドリムラが生じ
ることなく、良好な仕上り性を有する塗膜を形成し得る
ものである。
【0046】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 167/02 C09D 167/02 (72)発明者 山下 文男 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA051 BA052 CC021 CC022 CG031 CG032 CG141 CG142 CG161 CG162 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH121 CH122 CH261 CH262 CJ231 CJ232 DD042 GA03 GA14 JC20 MA13 PA07 PB07 PC02 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(i)ビニルモノマ−混合物5〜
    95重量%と、(ii)セルロ−スアセテ−トブチレ−ト
    5〜95重量%とを共重合せしめてなる変性ビニル系共
    重合体、(B)ガラス転移温度−70〜0℃のポリエス
    テル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアク
    リル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に
    (A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重
    量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有するこ
    とを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマ−混合物(i)が、メチル
    メタクリレ−ト及び/又はエチルメタクリレ−ト60〜
    99重量%及びその他の共重合可能なビニルモノマ−1
    〜40重量%からなる請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 (D)(iii )リン酸基含有ビニルモノ
    マ−、(iv)水酸基含有ビニルモノマ−及び(v)その
    他の共重合可能なビニルモノマ−を共重合せしめてなる
    共重合体を、全樹脂固形分100重量部に対して0.2
    〜10重量部含有する請求項1又は2記載の塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】 基材面にベ−スコ−ト塗料を塗装し、次
    いでトップクリヤ−塗料を塗装する塗装仕上げ方法にお
    いて、該ベ−スコ−ト塗料として、(A)(i)ビニル
    モノマ−混合物5〜95重量%と、(ii)セルロ−スア
    セテ−トブチレ−ト5〜95重量%とを共重合せしめて
    なる変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−7
    0〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温
    度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、そ
    の合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)
    成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の
    割合で含有してなる塗料組成物を塗装することを特徴と
    する塗装仕上げ方法。
  5. 【請求項5】 トップクリヤ−塗料が、ウレタン硬化形
    塗料である請求項4記載の塗料組成物。
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