JP3863367B2 - 塗料組成物、及びこれを用いた塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗料組成物、及びこれを用いた塗装仕上げ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仕上がり性、乾燥性、硬度、付着性等に優れた塗膜を形成しうる、特にベースコート用として有用な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、自動車の補修や、産業機械、建造物、構築物、家具(鋼製も含む)等の塗装、補修に際し、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料及びアミノアクリル樹脂塗料などが用いられており、特に自動車補修用塗料の分野では、常温乾燥性の点から、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料が主に用いられている。この分野においては、ソリッド仕上げやメタリック仕上げ塗装があるが、近年、光輝顔料を含むメタリックベ−ス塗料、及びクリヤ−塗料を塗り重ねるメタリック仕上げが主流になっており、そのベ−スコ−トとしてラッカ−タイプの塗料が用いられる場合には、該ベ−スコ−トの乾燥性の点からポリエステル樹脂とセルロ−スアセテ−トブチレ−ト(CAB)をブレンドしたもの、アクリル樹脂にポリエステル樹脂とCABをブレンドしたもの等をビヒクル主成分とした塗料が採用されてきた。しかしながら、各成分の相溶性が不十分であるためにソリッド原色塗料の分散性が低下し、透明性などの仕上り性に悪影響を及ぼしたり、またメタリックベ−スにおいてはフキムラ、モドリムラが生じてやはり仕上り性が低下するなどの不具合があった。
【0003】
そうした問題の方策として例えば、特開平12−178500号公報にCABのグラフト共重合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合で使用してなる組成物が開示されている。この方法では、各成分の相溶性が向上し、メタリックベ−スにおいてもフキムラ、モドリムラが生じることなく、良好な仕上り性を有するが、ソリッド原色において、顔料分散ペーストの発色性、及び透明性が良好であってもCABのグラフト共重合体の組成によっては、塗料製造時に透明性、発色性が損なわれる(色安定性不良)という問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、CABのグラフト共重合体に極性基として4級アンモニウム塩基、及びウレタン結合を導入することにより上記した課題を解決することを見出し、本発明に至った。
【0005】
即ち本発明は、
1、 (A)セルロースアセテートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする塗料組成物、
2、 セルロースアセテートブチレート(i)の数平均分子量が20,000〜100,000である1項に記載の塗料組成物、
3、 ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)がセルロースアセテートブチレート(i)量に対し一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を1〜6重量%反応させて得られるものである1項または2項に記載の塗料組成物、
4、 その他の重合性ビニルモノマー(c)が、メチル(メタ)アクリレート及び/またはエチル(メタ)アクリレートを該重合性ビニルモノマー(c)全量中に75〜100重量%含む1項ないし3項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
5、 4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の一部をセルロースアセテートブチレートに置き換えてなる1項ないし4項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
6、 アクリル樹脂(C)が、(iii)アミノ基含有ビニルモノマー0.1〜10重量%、(iv)酸基含有ビニルモノマー0.1〜5重量%、(v)その他の共重合可能なビニルモノマー85〜99.8重量%とを共重合せしめてなる1項ないし5項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
7、 基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法において、該ベースコート塗料として(A)セルロースアセテートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有する塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法、8、 トップクリヤー塗料が、ウレタン硬化型塗料である7項に記載の塗装仕上げ方法、
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において4級アンモニウム塩基含有変性ビニル共重合体(A)は、セルロースアセテートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてなるものである。
【0007】
セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(i)は、セルロ−スの部分アセチル化物をさらにブチルエステル化して得られるセルロ−ス誘導体であり、好ましくはアセチル基含有量が一般に1〜30重量%で、ブチル基含有量が一般に16〜60重量%である。具体的には、例えば「CAB−381−0.5」、「CAB−381−0.1」、「CAB−381−2.0」、「CAB−551−0.2」(いずれも米国イ−ストマン・コダック社製、商品名)などが例示できる。
【0008】
本発明において、該セルロースアセテートブチレート(i)の数平均分子量は20,000〜100,000の範囲が好ましい。20,000未満では塗料製造時における色安定性が低下し、一方、100,000を超えると後述の他の併用樹脂との相溶性が不良となり好ましくない。
【0009】
一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)は、例えば、イソシアナトエチルアクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基含有ビニルモノマー、あるいはイソシアネート基を2個有する化合物とヒドロキシル基含有ビニルモノマーを等モルで付加反応して得られた生成物等が使用できる。
【0010】
イソシアネート基を2個有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式系ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
【0011】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸のC2〜C8 ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。
【0012】
イソシアネート化合物とヒドロキシル基含有ビニルモノマーの反応は、必要に応じて、溶剤、ウレタン化触媒の存在下で反応温度80〜95℃で行うことができる。
【0013】
ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)は、セルロースアセテートブチレート(i)量に対し、上記一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を1〜6重量%反応させて得られるものが好適である。該化合物(ii)の量が1重量%未満では、成分(A)中に導入されるウレタン結合が減少するために塗料製造時に色安定性が低下し、一方、6重量%を超えると分子量が大きくなるために合成時、ゲル化するために好ましくない。
【0014】
4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)は、例えば、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、テトラメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェートなどが挙げられる。
【0015】
その他の重合性ビニルモノマー(c)は、従来公知のビニルモノマ−類から1種又は2種以上選択されてなるものであり、例えばメチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−トなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸のアルキルエステル、もしくはシクロアルキルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの水酸基含有ビニルモノマ−、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−トなどが挙げられる。
【0016】
これらのうち、その他の重合性ビニルモノマー(c)として、メチル(メタ)アクリレート及び/またはエチル(メタ)アクリレートが該重合性ビニルモノマー(c)全量中に、75〜100重量%含まれることがセルロ−スアセテ−トブチレ−ト(i)との相溶性や塗膜の硬度の点から好適である。メチルメタクリレ−ト及び/又はエチルメタクリレ−トの使用比率が75重量%未満では、該セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(i)との相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れがあるので望ましくない。
【0017】
また、上記その他の重合性ビニルモノマー(c)として、炭素数が1〜4のアルキル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを該重合性ビニルモノマー(c)全量中に0〜25重量%含まれることが好適である。炭素数が1〜4のアルキル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートが25重量%を超えるとセルロースアセテートブチレート(i)との相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れがあるので好ましくない。
【0018】
上記ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)の共重合は、有機アゾ系、有機過酸化物系等のラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法によって行なうことができる。該ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)の共重合の比率は、ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)が50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)が0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)が9.95〜45重量%、好ましくは12.5〜39.9重量%の範囲が好適である。該(a)成分が50重量%未満であると、セルロースアセテートブチレート成分が減少するために乾燥性が低下し、一方、90重量%を越えると、塗料製造時における色安定性が低下するために好ましくない。該(b)成分が0.05重量%未満では、塗料製造時における色安定性が低下し、一方、5.0重量%を超えると該(a)成分、該(b)成分、及び該(c)成分同士の相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れがあるので好ましくない。
【0019】
該(c)成分が9.95重量%未満では、該(a)成分、該(b)成分、及び該(c)成分同士の相溶性が低下し、ワニスの濁りが生じる恐れがある上、後述の他の併用樹脂との相溶性低下により仕上がり性が低下し、一方、45重量%を超えると、セルロースアセテートブチレート成分が減少するために乾燥性が低下するために好ましくない。
【0020】
上記4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)は、下記式(1)で表される4級アンモニウム塩を該変性ビニル系共重合体(A)固形分に対して0.001〜0.05mol/Kg含有することが好適である。
【0021】
【化1】
Figure 0003863367
【0022】
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rはアルキル基を示す。)
上記4級アンモニウム塩量が0.001mol/Kg未満では、塗料製造時における色安定性が低下し、一方、0.05mol/Kgを超えると後述の他の併用樹脂との相溶性が低下するために好ましくない。また、該4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の1級水酸基価は、該共重合体固形分に対し0.1〜25mgKOH/gであることが好適である。0.1mgKOH/g未満では架橋官能基が減少するために硬化性が低下し、一方25mgKOH/gを超えると後述の他の併用樹脂との相溶性が低下するために好ましくない。
【0023】
このように形成された4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)は、有機溶剤に対する溶解性や後述の樹脂(B)、及び/または樹脂(C)との相溶性が著しく優れている。さらには、分子中に極性基として4級アンモニウム塩基、及びウレタン結合を含むため、顔料分散ペーストを該樹脂(A)を用いて塗料化する時に顔料分散ペーストの透明性、発色性が維持でき、色安定性が優れている。尚、本発明においては、配合したセルロ−スアセテ−トブチレ−トの実質的に全てがビニルモノマ−混合物と共重合していることが望ましいが、少量のセルロ−スアセテ−トブチレ−ト、及びビニルモノマ−混合物が未反応のまま、該共重合体中に残存していても支障はない。
【0024】
本発明においては、4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の一部をセルロースアセテートブチレートに置き換えてもよい。該セルロースアセテートブチレートとしては、数平均分子量が15,000〜30,000のものが好適に使用でき、具体的には「CAB−381−0.1」、「CAB−551−0.2」、「CAB−551−0.01」が挙げられる。含有量は4級アンモニウム塩基含有変性ビニル共重合体(A)とセルロースアセテートブチレートの固形分の合計に対し、セルロースアセテートブチレートが80重量%以下であることが好ましい。80重量%を超えると塗料製造時の色安定性が低下することから好ましくない。
【0025】
本発明においてポリエステル樹脂(B)は、ガラス転移温度−70〜0℃、好ましくは−65〜−10℃の樹脂であり、従来公知の多塩基酸と多価アルコールとを主成分として常法に従って共重合することにより得ることができる。多塩基酸としては、例えばアジピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ネオペンチルグリコ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ルなどが挙げられる。さらに必要に応じて、脱水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ト−ル油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、油脂類を共重合成分として使用することができる。
【0026】
該ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度−70℃未満では、乾燥性や硬度が著しく低下し、一方0℃を越えるとトップクリヤ−からの架橋成分のしみ込みが得られず付着性に悪影響を及ぼす恐れがあるので好ましくない。
【0027】
本発明においてアクリル樹脂(C)は、ガラス転移温度が0〜80℃、好ましくは5〜75℃の樹脂であり、従来公知のアクリル酸、もしくはメタクリル酸エステルを主成分とするモノマ−混合物を溶液重合などの常法に従って共重合することにより得ることができる。
【0028】
該アクリル樹脂(C)のガラス転移温度が0℃未満では、乾燥性や硬度が低下し、一方80℃を越えると乾燥が速すぎて塗膜の平滑性が損なわれ、トップクリヤ−膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0029】
上記アクリル樹脂(C)としては、特にアミノ基含有ビニルモノマー(iii)0.1〜10重量%、酸基含有ビニルモノマー(iv)0.1〜5重量%、その他の共重合可能なビニルモノマー(v)85〜99.8重量%とを共重合せしめてなるものが好適であり、該樹脂(C)は、顔料に対する吸着性が良好であるために顔料分散用樹脂として使用することが好適である。
【0030】
アミノ基含有ビニルモノマー(iii)としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種以上適宜選択して使用できる。
【0031】
酸基含有ビニルモノマー(iv)としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種以上適宜選択して使用できる。
【0032】
その他の共重合可能なビニルモノマー(v)は先述のビニルモノマー(c)に列記の従来公知のビニルモノマーから1種、もしくは2種以上適宜選択できるが、イソブチルメタクリレート等、そのホモポリマーのガラス転移温度が高いビニルモノマーを含むことが好ましい。
【0033】
アミノ基含有ビニルモノマー(iii)、酸基含有ビニルモノマー(iv)、その他の共重合可能なビニルモノマー(v)の使用割合は、アミノ基含有ビニルモノマー(iii)が0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、酸基含有ビニルモノマー(iv)が0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、その他の共重合可能なビニルモノマー(v)が85〜99.8重量%、好ましくは97〜99.8重量%であることが好適である。アミノ基含有ビニルモノマー(iii)が0.1重量%未満では、顔料分散性、塗料製造時における色安定性が低下し、一方、10重量%を超えるとワニスが黄変するために、仕上がり性が低下する上、その他の併用樹脂との相溶性が不良となり、好ましくない。
【0034】
酸基含有ビニルモノマー(iv)が0.1重量%未満では、顔料分散性が不良となり、また、トップクリヤーを重ねた場合、トップクリヤーからの架橋成分のしみこみによる硬化反応の触媒作用が発現しないために付着性が低下し、一方、5重量%を超えると、逆に硬化が速すぎて、トップクリヤーの仕上がり性が低下するために好ましくない。その他の共重合可能なビニルモノマー(v)が85重量%未満では、他の併用樹脂との相溶性、及び乾燥性が低下し、一方、99.8重量%を超えると、顔料分散性が低下し、他の樹脂、特に前述の添加用に使用するセルロースアセテートブチレートとの相溶性が低下するために好ましくない。
【0035】
本発明では、上記(A)〜(C)成分を塗膜形成成分として、これらの合計固形分中で(A)成分が5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、(B)成分が5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%、(C)成分が5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の割合となるように含有せしめる。該(A)成分の含有割合が5重量%未満では、フキムラ、モドリムラが発生し、仕上がり性が不十分であり、一方、75重量%を越えると、トップクリヤーとの層間付着性が低下するために好ましくない。また該(B)成分の含有割合が5重量%未満では、基材面との付着性が低下し、40重量%を越えると、乾燥性、硬度が低下するので好ましくない。該(C)成分の含有割合が5重量%未満では、硬化触媒として作用する酸基含有ビニルモノマー(iv)の減少により硬度が低く、トップクリヤーとの層間付着性が低下し、90重量%を超えるとフキムラ、モドリムラが発生するために好ましくない。
【0036】
本発明では、さらに必要に応じて、特開平12−178500号公報に記載のアシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどのリン酸基含有ビニルモノマ−、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの水酸基含有ビニルモノマ−、及びその他の共重合可能なビニルモノマ−を溶液重合などの公知の方法で共重合せしめてなる共重合体を、付着性の向上や特にメタリックベ−スの場合のメタルのモドリムラ防止の点から配合することができる。
【0037】
本発明組成物は、エナメル塗料として適用した場合に優れた発色性を有する塗膜を得ることができるが、これら塗料を製造するにあたっては、着色顔料、体質顔料、金属粉顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料用添加剤を適宜組み合わせて配合することができる。
【0038】
着色顔料としては、酸化チタン等の白色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、パーマネントオレンジ等の橙色顔料、赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料、コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられる。
【0039】
体質顔料としては、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉などが挙げられる。
【0040】
金属粉顔料および金属光沢顔料としては、アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛末、リン化鉄、パール状金属コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄などが挙げられる。
【0041】
本発明組成物では、これら顔料のなかでも特にキナクリドン、ペリレンマルーン、ジケトピロロピロール系の赤色顔料やフタロシアニンブルー、スレンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット等の比較的粒子が小さい顔料種において塗料製造時の色安定性に優れ、透明性、発色性が優れた塗膜を得ることができる。また、顔料としてカーボンブラックを使用した場合も、塗料製造時の色安定性に優れ、漆黒性に優れた塗膜を得ることができる。
【0042】
本発明組成物においては、該(A)成分、該(B)成分、該(C)成分のそれぞれを、もしくはこれらの混合物を顔料分散樹脂として使用することが可能であるが、先に述べた通りアクリル樹脂(C)を顔料分散樹脂として使用することが好適である。
【0043】
また本発明組成物は、1液形として、またポリイソシアネ−ト化合物等の架橋剤を使用する2液形塗料組成物として用いてもよい。
【0044】
また、本発明は、基材面にベ−スコ−ト塗料を塗装し、次いでトップクリヤ−塗料を塗装する塗装仕上げ方法において、該ベ−スコ−ト塗料として、上記の通り得られる本発明の塗料組成物を用いてなる塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0045】
上記基材面としては、主に金属又はプラスチック素材に通常のプライマ−塗装が施されたものが挙げられ、例えば電着塗装や中塗り塗装が施された自動車車体、或いは自動車車体の補修塗装面が挙げられる。
【0046】
該基材面に本発明の塗料組成物を、通常、乾燥膜厚で5〜80μmの範囲となるよう塗装し、ベ−スコ−ト塗膜が得られる。該ベ−スコ−ト塗膜はトップクリヤ−塗料を塗装する前に硬化させてもよいし、ベ−スコ−ト塗膜上にトップクリヤ−塗料をウェットオンウェットで塗装することもできる。
【0047】
本発明方法に用いられるトップクリヤ−塗料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、主として有機溶剤型塗料(非水分散型を含む)や粉体塗料が挙げられ、例えば水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−トやメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいはセルロ−スアセテ−トブチレ−ト変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカ−塗料などが好適に使用できる。特にトップクリヤ−塗料としてウレタン硬化型塗料を用いた場合、トップクリヤ−塗膜からベ−スコ−ト塗膜中にイソシアネ−ト成分が一部しみ込んでくるので、ベ−スコ−ト中に使用する4級塩含有変性ビニル系共重合体(A)、ポリエステル樹脂(B)、及びアクリル樹脂(C)が水酸基を含有する場合にベ−スコ−ト塗料中に架橋剤成分を用いなくともよいので好適である。またベ−スコ−ト中に先述のリン酸基を含有する共重合体が含まれると、そのしみ込みを促進するので好適である。
【0048】
また該トップクリヤ−塗料には、必要に応じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合することができる。該トップクリヤ−塗料による塗膜は、乾燥膜厚で20〜100μmの範囲が適当である。
【0049】
塗装方法はベ−スコ−ト塗料、トップクリヤ−塗料とも通常のスプレ−塗装、静電塗装などが採用されるがその他の塗装方式についても特に制限はない。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0051】
4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反応器に下記成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で加熱し、約4時間かけて110℃まで昇温した。
酢酸ブチル 600部
「CAB−381−0.5」(注1) 200部
110℃に昇温後、「CAB−381−0.5」が完全に溶解したことを確認した後、加熱を停止し、減圧下で酢酸ブチルを133部を留去させた。反応器内の温度は87℃であった。この温度を維持しながらイソホロンジイソシアネートと2ヒドロキシエチルアクリレートとの等mol付加反応物の90%酢酸ブチル溶液を11.1部、重合禁止剤としてp-t-ブチルカテコール0.02部、およびウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.02部を反応器に投入し、87℃で7時間、乾燥空気下で熟成させて、不飽和基含有セルロースアセテートブチレート溶液を得た。次いで、反応器内にn−ブタノールを15部を加え、反応温度を115℃に昇温し、下記のビニルモノマーと重合開始剤の混合溶液を2時間にわたって滴下した。
Figure 0003863367
滴下終了後、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートを0.5部、酢酸ブチル20部の混合溶液を1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下で115℃で1時間熟成した。不揮発分30%、4級アンモニウム塩基含有量0.032mol/Kgの4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体溶液を得た。
【0052】
(注1)「CAB−381−0.5」:商品名、イーストマン・コダック社製、セルロースアセテートブチレート、数平均分子量30,000。
【0053】
ポリエステル樹脂(B)の製造
加熱装置、温度計、攪拌機、精留塔及び水分離器の付属した還流冷却器を備えた反応器に下記成分を仕込み加熱し、3時間かけて160℃から230℃まで昇温させた。
ヘキサヒドロ無水フタル酸 26.7部
アジピン酸 28部
ネオペンチルグリコ−ル 5.3部
1,6−ヘキサンジオ−ル 40部
これを230℃で1時間保ち、生成した縮合水(7.4部)を精留塔を用いて留去させた。次いでキシレンを5部加え、キシレンと縮合水を還流させ水分離器を用いて水を取り除いた。キシレン添加の2時間後から、酸価を測定し始め、酸価が2以下になったところで120℃まで冷却した後、キシレン/酢酸ブチル=1/1の混合溶剤で不揮発分70%となるよう希釈し、ポリエステル樹脂溶液を得た。該樹脂溶液のガ−ドナ−粘度はT、樹脂の重量平均分子量は20,000、水酸基価は55mgKOH/g、ガラス転移温度は−60℃、DBR(二塩基酸比)は0.95であった。
【0054】
アクリル樹脂(C)の製造
温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下用ポンプを備えた反応器に、酢酸ブチル25部、キシレン43部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、下記モノマ−混合物と重合開始剤の混合液を、110℃で約3時間かけて一定速度で滴下した。
イソブチルメタクリレート 59.75部
メチルメタクリレート 10部
イソステアリルアクリレート 10部
ジメチルアミノエチルメタクリレート 1部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 19部
メタクリル酸 0.25部
t-ブチルパ−オキシ-2-エチルヘキサノエ−ト 1.2部
滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスジメチルバレロニトリル0.5部をキシレン14部に溶解させたものを1時間かけて一定速度で滴下した。そして、滴下終了後1時間110℃に保ち、反応を終了した。得られたアクリル共重合体溶液は、不揮発分55.0%、ガ−ドナ−粘度XYの均一で透明な溶液であり、該共重合体の重量平均分子量は23,000、水酸基価は82mgKOH/g、ガラス転移温度は56℃であった。
【0055】
分散ペーストの製造
上記製造例で得たアクリル樹脂溶液(C)を下記表1に示す配合量で配合し、さらに「CINQUASIA Magenta R RT−355D」(商品名、チバ・スペシャル・ケミカルズ社製、キナクリドン系赤色顔料)、「BYK−160」(商品名、BYK−chemie社製、顔料分散剤)、キシレン、酢酸ブチルを表1に示す配合で加え、ディスパーで約20分間攪拌した後、サンドミルで分散し、顔料分散ペースト(P1)、(P2)を得た。各分散ペースト(P1)、(P2)を塗装膜厚が50μmとなるようにドクターブレードにてガラス板上に塗装し、分散ペースト単独での発色性を目視評価した(○:良好、△:やや不良、×:不良)。
【0056】
【表1】
Figure 0003863367
【0057】
実施例1〜4、及び比較例1〜4
上記製造例で得た4級アンモニウム塩基含有変性ビニル共重合体溶液、ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、及び分散ペースト(P1)、(P2)を各々表2に示す配合量で配合し、そこにキシレン、酢酸ブチルを同表に示す配合量で加え、ディスパーで約20分間攪拌し、赤原色の塗料を作成した。
【0058】
上記各塗料について、塗装膜厚50μmとなるようにドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装し、その発色性を目視評価した(○:良好、△:やや不良、×:不良)。
次に、上記各塗料を、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室中で、塗装膜厚100μmとなるようにドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装し、指で触って塗料が指に付かなくなるまでの時間(指触乾燥時間)を測った。
【0059】
【表2】
Figure 0003863367
【0060】
(注2)「CAB−551−0.2」:商品名、イーストマンコダック社製、セルロースアセテートブチレート、数平均分子量 30,000。
【0061】
塗装
実施例5〜8、及び比較例6〜10
上記で得た各赤原色塗料80重量部と、「レタンPGパールリキッド213ファインレッド」(商品名、関西ペイント社製、パール原色のアクリル系塗料、固形分36.7%)20重量部を配合した赤パールベース塗料を、トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=50/20/10/20の組成のシンナ−で11〜12秒(フォ−ドカップ#4/25℃)に希釈、粘調し、さらにクリヤ−塗料として「レタンPG2Kクリヤ−M」(商品名、関西ペイント社製、水酸基含有アクリル樹脂系塗料)100重量部に対して「レタンPG2K硬化剤」(商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤)50重量部を添加してなるものを上記組成のシンナ−で13〜14秒(フォ−ドカップ#4/25℃)に希釈、粘調して、塗装に供した。
【0062】
ブリキ板上に、市販のラッカ−プライマ−サ−フェ−サ−を40μm塗装し、室温にて30分間乾燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この上に上記で粘調した赤パールベ−ス塗料を乾燥膜厚で30μmになるようにスプレ−塗装し、フキムラを調査した。さらに赤パールベ−ス塗料の指触乾燥後、上記で粘調したクリヤ−塗料を乾燥膜厚で40μm及び80μmになるようにスプレ−塗装し、両方の塗膜を比較してモドリムラを評価した(〇:ムラなし、△:ムラ僅かにあり、×:ムラが著しい)。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
Figure 0003863367
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の4級アンモニウム塩基、及びウレタン結合を有するセルロースアセテートブチレートの変性ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合で配合してなる組成物が、塗料製造時においても色安定性が良好であり、広い範囲の顔料ペーストの発色性、透明性を良好に維持できる。該組成物によれば、フキムラ、モドリムラが生じることなく、良好な仕上がり性の塗膜を形成し得るものである。

Claims (8)

  1. (A)セルロースアセテートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. セルロースアセテートブチレート(i)の数平均分子量が20,000〜100,000である請求項1に記載の塗料組成物。
  3. ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)がセルロースアセテートブチレート(i)量に対して一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を1〜6重量%反応させて得られるものである請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. その他の重合性ビニルモノマー(c)が、メチル(メタ)アクリレート及び/またはエチル(メタ)アクリレートを該重合性ビニルモノマー(c)全量中に25〜100重量%含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の一部をセルロースアセテートブチレートに置き換えてなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. アクリル樹脂(C)が、(iii)アミノ基含有ビニルモノマー0.1〜10重量%、(iv)酸基含有ビニルモノマー0.1〜5重量%、(v)その他の共重合可能なビニルモノマー85〜99.8重量%とを共重合せしめてなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  7. 基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法において、該ベースコート塗料として(A)セルロースアセテートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有する塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法。
  8. トップクリヤー塗料が、ウレタン硬化型塗料である請求項7記載の塗装仕上げ方法。
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