JP4965062B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の非水系重合体微粒子分散液を含有する塗料組成物、該塗料組成物を用いた塗装仕上げ方法、及び塗装物品に関する。
従来、自動車の補修や、産業機械、建造物、構築物、家具(鋼製も含む)等の塗装、補修に際し、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料及びアミノアクリル樹脂塗料などが用いられており、特に自動車補修用塗料の分野では、常温乾燥性の点から、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料等を主に用いたソリッド仕上げ塗装やメタリック仕上げ塗装が行われている。近年、光輝顔料を含むメタリックベ−ス塗料及びクリヤ−塗料を塗り重ねるメタリック仕上げ塗装が主流になっており、そのベ−スコ−トとして作業性や利便性の点からは、1液型であるラッカ−タイプの塗料が用いられている。
一方、環境汚染の問題から、近年、塗料中の有機溶剤量の削減を求める動きが強くなってきている。塗料中の有機溶剤量を減らす方法として、例えば基体樹脂であるアクリル樹脂の低分子量化により低粘度化を図る方法が挙げられるが、ラッカー塗料として用いた場合には旧塗膜等への密着性や耐水性等の塗膜性能が低下するという問題がある。塗膜性能を低下させずに塗料中の有機溶剤量を減らす方法としては、非水系の樹脂微粒子分散液(NAD)を溶剤型塗料に添加する方法が挙げられ、例えば特許文献1などにNADの製造方法が開示されている。これら従来の非水系樹脂微粒子分散液は、一般に分散安定剤に12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物(特許文献2参照)や2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどの長鎖アルキル基を有する低極性モノマーを多量に共重合したマクロモノマーを用いているため、水酸基などの官能基を多く有する極性の高い樹脂との混和性が悪いという問題がある。
特開昭49−30434号公報
特開平3−126770号公報
近年、塗料中の有機溶剤量を減らす為、塗料に用いられる基体樹脂の低分子量化が進んでおり、それにつれて塗料の硬化性を確保するため基体樹脂の含有する官能基量が増大している。また、特にベースコート用の樹脂には、クリヤーコート塗装時の混層による仕上り外観の低下(モドリムラ発生)を防止する目的で相対的に極性が高いものが用いられる。これら極性の高い樹脂との混和性のよいNADを含むラッカータイプの塗料の開発が望まれている。
本発明の目的は、貯蔵安定性が良好で、密着性や耐水性等の塗膜性能を低下させることなく、塗料中の有機溶剤量の削減が可能となる塗料組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のマクロモノマーの存在下にビニル系単量体を共重合して得られる非水系重合体微粒子分散液、さらには該重合体微粒子にポリイソシアネート化合物を含浸させて反応を行わせた微粒子分散液、及びセルロース誘導体をアクリル系樹脂に配合することにより、塗膜性能を低下させることなく塗料中の有機溶剤量の削減が可能となる塗料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、アクリル系樹脂(A)、セルロース誘導体(B)、及び非水系重合体微粒子分散液(C)を含有する塗料組成物であって、該非水系重合体微粒子分散液(C)が、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合して得られる、分子末端に下記式(1)に示される構造を有するマクロモノマー(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させて得られるものであることを特徴とする塗料組成物、該塗料組成物をベースコート塗料として基材面に塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法、及び該塗装仕上げ方法によって得られる塗装物品に関する。
Figure 0004965062
本発明の塗料組成物によれば、特定の非水系重合体微粒子分散液を含有せしめることにより、貯蔵安定性が低下することなく、密着性や耐水性等の塗膜性能も維持でき、塗料中の有機溶剤量の削減が可能となる。本発明の塗料組成物は、自動車、工業用途に有用であり、特に自動車などの補修用塗料として有用である。
本発明においてアクリル系樹脂(A)は、通常、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルを含むエチレン性不飽和単量体の共重合体であって、塗料中の有機溶剤に分散ないしは溶解可能で被膜形成能を有する樹脂である。
上記エチレン性不飽和単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体;イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート基含有重合性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド系不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルなどのシリル基含有不飽和化合物などが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上組み合せて使用することができる。
上記アクリル酸又はメタクリル酸のエステルを含むエチレン性不飽和単量体を重合して共重合体を得るための重合方法は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の重合方法、例えばラジカル重合開始剤の存在下において、塊状重合法、溶液重合法、塊状重合後に懸濁重合を行う塊状−懸濁二段重合法等、なかでも溶液重合法を好適に使用することができる。
上記の通り得られるアクリル系樹脂(A)は、重量平均分子量が10,000〜100,000、好ましくは20,000〜60,000であることが、得られる塗膜の下地塗膜面に対する密着性や耐水性、また塗膜の平滑性等仕上り性の点から望ましい。またアクリル系樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が−10〜80℃、好ましくは10〜60℃であることが、得られる塗膜の乾燥性や密着性の点から望ましい。尚、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算した値であり、ガラス転移温度(℃)は、下記式によって算出することができる。
1/Tg(°K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・
Tg(℃)=Tg(°K)−273
各式中、W1、W2、・・は共重合に使用されたモノマーのそれぞれの重量%、T1、T2、・・はそれぞれ単量体のホモポリマ−のTg(°K)を表わす。なお、T1、T2、・・は、Polymer Hand Book(Second Edition,J.Brandup・E.H.Immergut 編)による値である。また、モノマーのホモポリマーのTgが明確でない場合のガラス転移温度(℃)は、静的ガラス転移温度とし、例えば示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で−100℃〜+100℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側の最初のベースラインの変化点を静的ガラス転移温度とした。
上記アクリル系樹脂(A)の含有量(固形分量)は、塗料中の全樹脂固形分中10〜85重量%、好ましくは20〜60重量%であることが、得られる塗膜の平滑性等の点から望ましい。尚、上記アクリル系樹脂(A)は、後述のセルロース誘導体(B)と相溶性を示すものが、塗料の貯蔵安定性や塗膜外観の点から望ましい。
本発明においてセルロース誘導体(B)は、通常、セルロースの水酸基が脂肪酸や硝酸等の酸によりエステル化されたものであり、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらのうち、特にセルロースアセテートブチレートが好適に使用できる。
セルロ−スアセテ−トブチレ−トは、セルロ−スの部分アセチル化物をさらにブチルエステル化して得られるセルロ−ス誘導体であり、好ましくはアセチル基含有量が一般に1〜30重量%で、ブチル基含有量が一般に16〜60重量%である。具体的には、例えば「CAB−381−0.5」、「CAB−381−0.1」、「CAB−381−2.0」、「CAB−551−0.2」(いずれも米国イ−ストマン・コダック社製、商品名)などが例示できる。
上記セルロース誘導体(B)の含有量(固形分量)は、塗料中の全樹脂固形分中5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%であることが、得られる塗膜の乾燥性、密着性や耐水性等の点から望ましい。また本発明組成物がアルミペースト等の光輝顔料を含有する場合に上記セルロース誘導体(B)の含有量が少ないとアルミの配向性低下によるムラが発生し易い。
本発明に用いる非水系重合体微粒子分散液(C)は、特定のマクロモノマー(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させることにより得られるものである。
マクロモノマー(a)は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合して得られるものである。
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンはα−メチルスチレンダイマーとも略称される付加開裂型連鎖移動剤であり、重合性不飽和単量体を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン及びラジカル重合開始剤の存在下に有機溶剤中で溶液重合法などにより、連鎖移動重合させることができる。得られるマクロモノマーは、分子末端に下記式(1)に示される構造を有するものとなる。
Figure 0004965062
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの配合量は、特に限定されるものではないが、重合性不飽和単量体の合計量100重量部に基いて、通常、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内であることが適当である。
上記重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜9のモノアルコールとのエステル化物;メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、ブレンマーDSMA、同SLMA、同PMA、同VMA−70、同SLA(以上、日本油脂社製)などの分子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド系不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−トリメトキシシリルプロピルなどのシリル基含有不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体;イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート基含有重合性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和単量体などを挙げることができる。これらは1種もしくは2種以上組み合せて使用することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。
前記溶液重合法による重合方法としては、例えば、重合性不飽和単量体、連鎖移動剤である2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン及びラジカル重合開始剤を、有機溶媒に溶解もしくは分散せしめ、通常、0℃〜200℃程度の温度で、通常1〜24時間程度撹拌しながら加熱して重合させる方法を挙げることができる。
上記有機溶媒としては、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系;スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500(以上、いずれもコスモ石油社製)、SHELLSOL A(シェルゾールA、シェル化学社製)等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
また、マクロモノマー(a)の重量平均分子量は1,000〜40,000、特に2,000〜20,000の範囲内が、重合体微粒子分散液の製造安定性の点から好ましい。
さらに、マクロモノマー(a)を構成する重合性不飽和単量体の70モル%以上、好ましくは80モル%以上がメタクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体であることが、重合体微粒子分散液製造時における凝集ブツの発生等の問題を回避するためには適している。
上記マクロモノマー(a)の存在下にビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させることにより重合体微粒子分散液を得ることができる。ビニル系単量体(b)に特に制限はないが、後述の非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造に用いる場合には水酸基含有ビニル系単量体が必要である。
上記ビニル系単量体(b)としては、まず2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオールとアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル、PLACCEL FA−2D(ダイセル化学工業社製、商品名、ポリカプロラクトン変性アクリレート)、PLACCEL FM−3(ダイセル化学工業社製、商品名、ポリカプロラクトン変性メタクリレート)などの水酸基含有ビニル系単量体を挙げることができる。
さらにビニル系単量体(b)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜9のモノアルコールとのエステル化物;メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、ブレンマーDSMA、同SLMA、同PMA、同VMA−70、同SLA(以上、日本油脂社製)などの分子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド系不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−トリメトキシシリルプロピルなどのシリル基含有不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体などを挙げることができる。これらは1種もしくは2種以上組み合せて使用することができる。
重合体微粒子分散液を製造する際に分散媒として用いられる有機液体は、生成する分散重合体粒子は実質的に溶解しないが、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)に対しては良溶媒となり、実質的に水と混和しない有機液体が好ましい。かかる有機液体の好適具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリツト、トルエン、キシレン、酢酸ブチルなどが挙げられ1種で又は2種以上混合して用いることができる。
上記マクロモノマー(a)の存在下における上記有機液体中でのビニル系単量体(b)の共重合は、それ自体既知の方法(例えば、特開昭57−177068号公報に記載の方法)を用いて行なうことができ、ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系重合開始剤が挙げられ、重合時の反応温度としては一般に60〜160℃の範囲内の温度を用いることができ、通常4〜8時間で反応を終らせることができる。
本発明では、非水系重合体微粒子分散液(C)として上述の通り得られる重合体微粒子分散液が使用可能であり、さらに上述の通り得られる重合体微粒子分散液にポリイソシアネート化合物(c)を添加して重合体微粒子中にポリイソシアネート化合物(c)を含浸させ、重合体微粒子中に有する水酸基とポリイソシアネート化合物(c)中のイソシアネート基とを反応させることにより得られる非水系ポリウレタン微粒子分散液を非水系重合体微粒子分散液(C)として用いることができる。
上記ポリイソシアネート化合物(c)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものである。該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これらは、1種で又は2種以上混合して使用することができる。
上記ポリイソシアネート化合物(c)の使用量は、ビニル系単量体(b)の有する水酸基に対してポリイソシアネート化合物(c)のイソシアネート基が0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.9当量となる範囲内が非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造安定性、および物性、特に耐衝撃性の点から好ましい。
上記非水系重合体微粒子分散液(C)の含有量(固形分量)は、塗料中の有機溶剤量の削減の点から、また得られる塗膜の平滑性や乾燥性等の点から、塗料中の全樹脂固形分中10〜85重量%、好ましくは20〜60重量%であることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、上記(A)〜(C)成分を含有するものであり、さらに必要に応じて顔料、他の樹脂成分、有機溶剤、さらには硬化触媒、架橋剤、流動調整剤、色別れ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料用添加剤などを含有することができる。
顔料としては、着色顔料やメタリック顔料、体質顔料などが使用でき、着色顔料としては、例えば酸化チタン等の白色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、パーマネントオレンジ等の橙色顔料、赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッド等の赤色顔料、コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられ、メタリック顔料としては、例えばアルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛末、リン化鉄、パール状金属コーティング雲母粉、マイカ状酸化鉄などが挙げられる。体質顔料としては、例えばバリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マイカ粉などが挙げられる。
他の樹脂成分としては、例えばポリエステル樹脂、アルキド樹脂、セルロースアセテートブチレート変性アクリル樹脂などが挙げられる。
有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系;スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500(以上、いずれもコスモ石油社製)、SHELLSOL A(シェルゾールA、シェル化学社製)等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
また本発明では、基材面に上記の通り得られる本発明の塗料組成物をベ−スコ−ト塗料として塗装し、次いでトップクリヤ−塗料を塗装する塗装仕上げ方法をも提供するものである。
上記基材面としては、主に金属又はプラスチック素材に通常のパテやプライマ−塗装が施されたもの、さらには自動車車体の旧塗膜面が挙げられる。
上記基材面に本発明の塗料組成物を、通常、乾燥膜厚で5〜80μmの範囲となるよう塗装し、ベ−スコ−ト塗膜が得られる。該ベ−スコ−ト塗膜はトップクリヤ−塗料を塗装する前に硬化させてもよいし、ベ−スコ−ト塗膜上にトップクリヤ−塗料をウェットオンウェットで塗装することもできる。
本発明方法に用いられるトップクリヤ−塗料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、主として有機溶剤型塗料(非水分散型を含む)が挙げられ、例えば水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物やメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする硬化型塗料、あるいはセルロ−スアセテ−トブチレ−ト変性アクリル樹脂を主成分とするラッカ−塗料などがあるが、特にアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びこれらの変性樹脂から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有樹脂と、ポリイソシアネート化合物とを含有するものが好適に使用できる。トップクリヤ−塗料としてこのようなウレタン硬化型塗料を用いた場合、トップクリヤ−塗膜からベ−スコ−ト塗膜中にポリイソシアネ−ト化合物が一部しみ込んでくるので、ベ−スコ−ト中に水酸基が存在する場合にベ−スコ−ト塗料中に架橋剤成分を用いなくとも付着性等の塗膜性能が良好となるので好適である。
上記トップクリヤ−塗料には、さらに必要に応じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合することができる。該トップクリヤ−塗料による塗膜は、硬化塗膜厚で20〜100μmの範囲が適当である。
塗装方法はベ−スコ−ト塗料、トップクリヤ−塗料とも通常のスプレ−塗装、静電塗装などが採用されるがその他の塗装方式についても特に制限なく適宜使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
アクリル系樹脂(A−1)の製造
フラスコに、キシレン90部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら攪拌しながら110℃で攪拌し、スチレン10部、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸i−ブチル10部、アクリル酸n−ブチル26部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル19部、メタクリル酸2−エチルヘキシル4部、アクリル酸1部、2,2'−アゾビスジメチルバレロニトリル1部の混合物を3時間かけて均一速度で滴下した。滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてt−ブチルパーオキシエチルヘキサネート0.5部をキシレン10部に溶解させたものを1時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で1時間熟成させて固形分50%のアクリル樹脂溶液(A−1)を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は50,000、ガラス転移温度は29℃であった。
アクリル系樹脂(A−2)の製造
フラスコに、キシレン90部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら110℃で攪拌し、スチレン10部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸i−ブチル42部、アクリル酸n−ブチル10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル19部、メタクリル酸2−エチルヘキシル8部、アクリル酸1部、2,2'−アゾビスジメチルバレロニトリル2.5部の混合物を3時間かけて均一速度で滴下した。滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてt−ブチルパーオキシエチルヘキサネート0.5部をキシレン10部に溶解させたものを1時間かけて一定速度で滴下し、さらに同温度で1時間熟成させて固形分50%のアクリル樹脂溶液(A−2)を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は15,000、ガラス転移温度は41℃であった。
マクロモノマーの合成
合成例1
フラスコに、3−エトキシエチルプロピオネート66部及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(以下、「MSD」と略称することがある)9部を仕込み、160℃で窒素を吹き込みながら撹拌し、この中にイソブチルメタクリレート100部と「VR110」(和光純薬社製、アゾ系ラジカル重合開始剤)4部との混合液を3時間かけて滴下した。そのまま、30分間撹拌の後、30分間かけてフラスコ内の温度を115℃に冷却、保持し、この中に「V59」(和光純薬社製、アゾ系ラジカル重合開始剤)2.4部と酢酸ブチル200部とイソブチルメタクリレート200部の混合液を3時間かけて滴下し、そのまま、30分間撹拌の後、「V59」1部と酢酸ブチル10部の混合液を30分かけて滴下し、同温度に30分間保持し、ついで冷却して酢酸ブチル33部で希釈して固形分50%のマクロモノマー溶液(a−1)を得た。得られたマクロモノマーは、重量平均分子量9,000であり、プロトンNMRでの解析によるとMSD由来のエチレン性不飽和基のうちの97%以上がポリマー鎖末端に存在し、2%は消失していた。
なお、上記プロトンNMRでの解析方法は次の通りである。溶媒として重クロロホルムを使用し、MSDの不飽和基のプロトンに基づくピーク(4.8ppm、5.1ppm)は、付加開裂型の連鎖移動重合によりポリマー鎖末端のエチレン性不飽和基のプロトンに基づくピーク(5.0ppm、5.2ppm)に変化する。MSDに由来する芳香族プロトン(7.2ppm)は、重合工程で変化しないと仮定してこれを基準に各不飽和基(未反応、ポリマー鎖末端、消失)を定量化した。
合成例2
フラスコに、3−エトキシエチルプロピオネート70部及びMSD8部を仕込み、160℃で窒素を吹き込みながら撹拌し、この中に2−エチルヘキシルメタクリレート60部、グリシジルメタクリレート30部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル10部及び「パーヘキシルD」(日本油脂社製、過酸化物系ラジカル重合開始剤)5部の混合液を3時間かけて滴下した。そのまま、30分間撹拌の後、30分間かけてフラスコ内の温度を115℃に冷却、保持し、この中に「V59」2.4部と酢酸ブチル200部と2−エチルヘキシルメタクリレート120部、グリシジルメタクリレート60部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル20部の混合液を3時間かけて滴下し、そのまま、30分間撹拌の後、「V59」1部と酢酸ブチル10部の混合液を30分かけて滴下し、同温度に30分間保持し、ついで冷却して酢酸ブチル30部で希釈して固形分50%のマクロモノマー溶液(a−2)を得た。得られたマクロモノマーは、重量平均分子量8,800であり、プロトンNMRでの解析によるとMSD由来のエチレン性不飽和基のうちの97%以上がポリマー鎖末端に存在し、2%は消失していた。
合成例3(比較例用)
12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合して、樹脂酸価30まで縮合を行なつた。得られた数平均分子量約1,800の自己縮合ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基にジメチルアミノエタノールを触媒として用いてグリシジルメタクリレートを付加して重合性二重結合を導入し、固形分70%のマクロモノマー溶液(a−3)を得た。得られたマクロモノマーは1分子当り平均約1.0個の重合性不飽和二重結合を有していた。
非水系重合体微粒子分散液の製造
製造例1
フラスコに、酢酸ブチル65部を配合して90℃に昇温した後、この中に、50%マクロモノマー溶液(a−1)50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25部、「PLACCEL FA−2D」(ダイセル化学工業社製、商品名、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシル基含有アクリルモノマー)30部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を5時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて固形分47%の非水系重合体微粒子分散液(C−1)を得た。得られた重合体微粒子の平均粒子径をコールター社の「コールターN4モデル」による準弾性光散乱法を用いて測定したところ約600nmであった。
製造例2
上記重合体微粒子分散液(C−1)に、さらに酢酸ブチル60部及び「コロネートR−300」(日本ポリウレタン工業社製、商品名、ポリイソシアネート)20部の混合物を1時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で熟成させて滴下したイソシアネート基の99.5%以上が反応した時点で冷却し、固形分40%の非水系ポリウレタン微粒子分散液(C−2)を得た。尚、イソシアネート基の定量は、反応途中の試料にジブチルアミンを過剰に加えてイソシアネート基を消費させ、残存したジブチルアミンを塩酸溶液で逆滴定する方法で行った。指示薬にはブロムフェノールブルーのエタノール溶液を用い、試料の色が青色から黄緑色に変化したときを終点とした。また、得られたポリウレタン微粒子の平均粒子径をコールター社の「コールターN4モデル」による準弾性光散乱法を用いて測定したところ約650nmであった。
製造例3
フラスコに、酢酸ブチル60部を配合して90℃に昇温した後、この中に、50%マクロモノマー溶液(a−2)60部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を5時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水系重合体微粒子分散液を得た。得られた重合体微粒子の平均粒子径をコールター社の「コールターN4モデル」による準弾性光散乱法を用いて測定したところ約300nmであった。
この重合体微粒子分散液に、さらに酢酸ブチル60部及びヘキサメチレンジイソシアネート20部の混合物を1時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で熟成させて滴下したイソシアネート基の99.5%以上が反応した時点で冷却し、固形分40%の非水系ポリウレタン微粒子分散液(C−3)を得た。得られたポリウレタン微粒子の平均粒子径をコールター社の「コールターN4モデル」による準弾性光散乱法を用いて測定したところ約350nmであった。
製造例4(比較例用)
フラスコに、酢酸ブチル65部を配合して90℃に昇温した後、この中に、50%マクロモノマー溶液(a−3)40部、2−ヒドロキシエチルアクリレート45部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を5時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて固形分43%の非水系重合体微粒子分散液(C−4)を得た。得られた重合体微粒子の平均粒子径をコールター社の「コールターN4モデル」による準弾性光散乱法を用いて測定したところ約250nmであった。
塗料組成物の作成
「アルペースト96−0636」(東洋アルミニウム社製、70%アルミペースト)、有機溶剤、及び「フローノンSA−285」(共栄社化学社製、アルミ顔料沈降防止剤)を表1に示すように配合して混合攪拌し、さらにその中に各製造例で得た50%アクリル樹脂溶液、非水系重合体微粒子分散液、「CAB−551−0.2」(イーストマンケミカルジャパン社製、セルロースアセテートブチレート)の固形分25%酢酸ブチル溶液を表1に示すように配合して混合攪拌し、各塗料組成物を得た。
Figure 0004965062
貯蔵安定性の評価
上記の通り得られた各塗料組成物を密封し、40℃で2週間静置した後の状態を下記基準で評価した。結果を表2に示す。
○:分離、ブツ等の外観上の異常がなく、粘度も初期状態と変化がなかった
×:初期と比較して著しい粘度変化が認められた
塗装時塗料中の有機溶剤量の評価
上記の通り得られた各塗料組成物をメタリックベース塗料として、酢酸ブチル/キシレン/トルエン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=10/40/30/20重量%の組成の混合溶剤を用いて、粘度が12〜13秒(フォードカップ#4、25℃)になるように調整した。得られた希釈塗料を105℃で3時間加熱して揮発分(有機溶剤量)を求めた。結果を表2に示す。
試験板の作成
リン酸亜鉛を用いて化成処理した0.8mm×100mm×300mmのダル鋼板に「エレクロンNo.9600」(関西ペイント社製、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)、「TP−65グレー」(関西ペイント社製、ポリエステル/メラミン樹脂系自動車中塗り塗料)、「マジクロンTB−510シルバー」(関西ペイント社製、アクリル/メラミン樹脂系自動車上塗りメタリック塗料)及び「マジクロンTC−71クリヤ」(関西ペイント社製、アクリル/メラミン樹脂系自動車上塗りクリヤー塗料)をこの順に塗布し硬化塗膜を形成した。この硬化塗膜を#2000の耐水研磨紙を用いて研磨し、石油ベンジンで脱脂し被塗物を得た。
上述の塗装時塗料中の有機溶剤量の評価で希釈作成した各メタリックベース塗料を、乾燥膜厚で15μmとなるようスプレーガンで上記被塗物に塗布し、10分間静置した。さらに、その上に「レタンPGマルチクリヤーHX(Q)」(関西ペイント社製、2液型ウレタンクリヤー塗料)を乾燥膜厚で40〜50μmとなるようスプレーガンを用いて塗布し、室温で1週間乾燥させて各試験板を得た。
得られた各試験板について、密着性、耐水性、仕上がり性を評価した。また、メタリックベース塗料の塗装時に乾燥性を評価した。評価方法は下記の通りである。結果を表2に示す。
(*1)密着性:試験板に2mm×2mmの碁盤目が100個形成されるようにカットし、セロハンテープを用いて剥離試験を行った。評価基準は次の通りである。
○:剥離した碁盤目が20個以下
×:剥離した碁盤目が20個を超える
(*2)耐水性:試験板を40℃の温水に10日間浸漬した後の塗膜状態を目視により評価を行った。評価基準は次の通りである。
○:異常無し
×:艶引けやフクレ等の異常有り
(*3)仕上がり性:試験板のメタリックムラ、及びクリヤー塗膜面の平滑性を目視評価を行った。評価基準は次の通りである。
メタリックムラ;○:ムラ無し、×:ムラが発生
クリヤー平滑性;○:平滑性が良好、×:艶感、平滑性が劣る
(*4)乾燥性:メタリックベース塗料を塗布した5分後に、指で塗膜に触れてべたつきの有無を調べた。評価基準は次の通りである。
○:べたつき無し
×:べたつき有り
Figure 0004965062

Claims (10)

  1. アクリル系樹脂(A)、セルロース誘導体(B)、及び非水系重合体微粒子分散液(C)を含有する塗料組成物であって、該非水系重合体微粒子分散液(C)が、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合して得られる、分子末端に下記式(1)に示される構造を有するマクロモノマー(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は溶解しない有機溶媒中で共重合させて得られるものであり、且つビニル系単量体(b)中に水酸基含有ビニル系単量体を5〜100重量%含有してなる非水系重合体微粒子分散液に、ポリイソシアネート化合物(c)をビニル系単量体(b)の有する水酸基に対してポリイソシアネート化合物(c)のイソシアネート基が0.2〜1.0当量の範囲内となるようにして配合し、該重合体微粒子の内部で水酸基とイソシアネート基を反応させることにより得られる非水系ポリウレタン微粒子分散液であることを特徴とする塗料組成物。
    Figure 0004965062
  2. アクリル系樹脂(A)が、重量平均分子量10,000〜100,000、ガラス転移温度−10〜80℃である請求項1記載の塗料組成物。
  3. アクリル系樹脂(A)の含有量(固形分量)が、塗料中の全樹脂固形分中10〜85重量%である請求項1記載の塗料組成物。
  4. セルロース誘導体(B)の含有量(固形分量)が、塗料中の全樹脂固形分中5〜50重量%である請求項1記載の塗料組成物。
  5. 非水系重合体微粒子分散液(C)における、マクロモノマー(a)を構成するエチレン性不飽和単量体の70モル%以上がメタクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体であることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  6. 非水系重合体微粒子分散液(C)の含有量(固形分量)が、塗料中の全樹脂固形分中10〜85重量%である請求項1記載の塗料組成物。
  7. さらに顔料を含有する請求項1記載の塗料組成物。
  8. 基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトップクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法において、該ベースコート塗料として請求項1ないしのいずれか1項記載の塗料組成物を用いてなる塗装仕上げ方法。
  9. トップクリヤー塗料が、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物とを含有するものである請求項記載の塗装仕上げ方法。
  10. 請求項又は記載の塗装仕上げ方法によって得られる塗装物品。
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