JPH115060A - バンパー用ポリプロピレン成型体の塗装法 - Google Patents

バンパー用ポリプロピレン成型体の塗装法

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JPH115060A
JPH115060A JP15854297A JP15854297A JPH115060A JP H115060 A JPH115060 A JP H115060A JP 15854297 A JP15854297 A JP 15854297A JP 15854297 A JP15854297 A JP 15854297A JP H115060 A JPH115060 A JP H115060A
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metallic
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JP15854297A
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Yoshinobu Uzuno
吉信 鶉野
Fumiya Yoshida
文也 吉田
Toshihiko Onishi
壽彦 大西
Masahiko Sagane
正彦 佐賀根
Takehiro Isomura
雄大 磯村
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OUGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
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OUGI SHOKAI KK
Kansai Paint Co Ltd
Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】直接メタリック塗料を塗装でき、耐候性や耐薬
品性等に優れた塗膜を形成できるバンパー用ポリプロピ
レン成型体の塗装法の提供。 【解決手段】メタリック塗料として、(A)水酸基含有
ポリエステル樹脂、(B)水酸基含有アクリル変性塩素
化ポリオレフィン樹脂、(C)セルロースアセテートブ
チレート及び(D)アミノアルデヒド樹脂からなり、且
つこれらの配合比率が、これら4成分の合計固形分量に
基づき、(A)成分10〜40重量%、(B)成分25
〜70重量%、(C)成分1〜15重量%、(D)成分
10〜40重量%である樹脂成分と、メタリック顔料と
を含有する有機溶剤型メタリック塗料を使用し、且つク
リア塗料としてその硬化塗膜のガラス転移温度が60〜
80℃の範囲内にある熱硬化性クリア塗料を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンパー用ポリプ
ロピレン成型体の新規な塗装法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車外板や外装部品、例え
ば自動車バンパー等に、ポリオレフィン樹脂成型体が多
く使用されている。この樹脂の表面は、メタリック塗膜
との付着性が十分でないため、まず塩素化ポリオレフィ
ン樹脂系プライマーを塗装してから、水酸基含有アクリ
ル樹脂/メラミン樹脂系のメタリック塗料及び水酸基含
有アクリル樹脂/メラミン樹脂系のクリア塗料を順次塗
装している。
【0003】しかしながら、近年、省資源及び省エネル
ギー等の観点から、付着性等の塗膜性能を低下させず
に、ポリオレフィン系プラスチック成型体、特にバンパ
ー用ポリプロピレン成型体に対しても、プライマーを塗
装することなしに、直接メタリック塗料を塗装し、つい
でクリア塗料を塗装する工程の開発が望まれているが、
この要望を満たす実用的な塗装方法が確立されていない
のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
イマー塗装工程を省略し、直接メタリック塗料を塗装す
ることを可能とすると共に、耐候性や耐薬品性等に優れ
た塗膜を形成することのできるバンパー用ポリプロピレ
ン成型体の塗装法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究し
た結果、特に、下記特定組成のメタリック塗料を用いる
こと等により、上記目的を達成できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、曲げ弾性率が5,000
〜15,000kg/cm2(20℃)、線膨張率が8
×10-5〜16×10-5cm/cm/℃、熱変形温度が
80〜130℃の範囲内にあるバンパー用ポリプロピレ
ン成型体に、プライマーを塗装することなく、直接メタ
リック塗料を塗装し、次いでクリア塗料を塗装する方法
であって、該メタリック塗料として、(A)水酸基含有
ポリエステル樹脂、(B)水酸基含有アクリル変性塩素
化ポリオレフィン樹脂、(C)セルロースアセテートブ
チレート及び(D)アミノアルデヒド樹脂からなり、且
つこれらの配合比率が、これら4成分の合計固形分量に
基づき、(A)成分10〜40重量%、(B)成分25
〜70重量%、(C)成分1〜15重量%、(D)成分
10〜40重量%である樹脂成分と、メタリック顔料と
を含有する有機溶剤型メタリック塗料を使用し、且つク
リア塗料としてその硬化塗膜のガラス転移温度が60〜
80℃の範囲内にある熱硬化性クリア塗料を使用するこ
とを特徴とするバンパー用ポリプロピレン成型体の塗装
法に係る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明についてさらに詳
細に説明する。
【0008】本発明における被塗物は、バンパー用ポリ
プロピレン成型体であって、具体的には、曲げ弾性率が
5,000〜15,000kg/cm2(20℃)、好
ましくは10,000〜14,000kg/cm2(2
0℃)、線膨張率が8×10-5〜16×10-5cm/c
m/℃、好ましくは8×10-5〜10×10-5cm/c
m/℃、熱変形温度が80〜130℃、好ましくは10
0〜110℃の範囲内にあるものである。
【0009】このバンパー用ポリプロピレン成型体とし
ては、例えば、プロピレンの単独重合体、又はプロピレ
ンとエチレンとの共重合体等があげられる。また、これ
らのポリプロピレン50〜70重量%に、エチレン・プ
ロピレンゴムやエチレン・ブタジエンゴム等のゴム成分
を50〜30重量%混合したもの、さらに物理的強度を
向上させるためにタルク等の充填剤をポリプロピレンに
対し5〜10重量%混合したもの等も包含される。
【0010】本発明の方法では、上記のバンパー用ポリ
プロピレン成型体に、プライマーを塗装することなし
に、直接メタリック塗料を塗装するが、それに先立っ
て、その表面をあらかじめアルコール等で洗浄しておく
ことが好ましい。
【0011】本発明で使用するメタリック塗料は、
(A)水酸基含有ポリエステル樹脂、(B)水酸基含有
アクリル変性塩素化ポリオレフィン樹脂、(C)セルロ
ースアセテートブチレート及び(D)アミノアルデヒド
樹脂からなり、且つこれらの配合比率が、これら4成分
の合計固形分量に基づき、(A)成分10〜40重量
%、(B)成分25〜70重量%、(C)成分1〜15
重量%、(D)成分10〜40重量%である樹脂成分
と、メタリック顔料とを含有する有機溶剤型メタリック
塗料である。
【0012】メタリック塗料に用いられる水酸基含有ポ
リエステル樹脂(A)は、多塩基酸と多価アルコールと
をエステル化反応又はエステル交換反応させることによ
り得られる。
【0013】多塩基酸としては、例えば、(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)トリメリット
酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、ヘキサヒドロ(無
水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)イソフタル酸、ヘ
キサヒドロ(無水)テレフタル酸、テトラヒドロ(無
水)フタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジ
カルボン酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメ
チル等の1分子中に2〜4個のカルボキシル基又はカル
ボン酸メチルエステル基を有する化合物を挙げることが
できる。
【0014】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリシクロ
デカンジメタノール等の1分子中に2〜6個の水酸基を
有するアルコールを挙げることができる。
【0015】水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、水
酸基価が20〜200mgKOH/g、好ましくは30
〜150mgKOH/g、酸価が0〜80mgKOH/
g、好ましくは2〜50mgKOH/g、数平均分子量
が1,000〜30,000、好ましくは2,000〜
20,000の範囲内が適当である。
【0016】また、水酸基含有アクリル変性塩素化ポリ
オレフィン樹脂(B)は、水酸基含有(メタ)アクリル
系単量体を含有する単量体成分と塩素含有率が5〜50
重量%の範囲内に塩素化された塩素化ポリオレフィンと
をグラフト共重合して得られるものである。
【0017】塩素化ポリオレフィンと共重合する単量体
成分は、少なくとも水酸基含有(メタ)アクリル系単量
体及びこれと共重合可能なラジカル重合性不飽和単量体
とを含有している。
【0018】そのうち水酸基含有(メタ)アクリル系単
量体としては、例えばヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル
アクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の
アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキ
シアルキルエステルがあげられ、これらは単独で又は2
種以上を組み合わせて使用することができる。このもの
は硬化剤であるアミノアルデヒド樹脂(C)と化学反応
し、架橋硬化塗膜を形成させるための成分で、通常単量
体成分中に3〜20重量%の範囲内で含有する必要があ
り、共重合体の水酸基価が20〜150mgKOH/g
の範囲になるように配合することが好ましい。
【0019】上記水酸基含有(メタ)アクリル系単量体
と共重合可能なラジカル重合性不飽和単量体としては、
ラジカル重合性のエチレン性不飽和結合(−C=C−)
を有する限り、特に制約はなく、従来から公知のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル(例えば、
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチ
ルエステル等)、ビニル芳香族化合物(例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン等)、不飽和カルボン酸(例えば、
(メタ)アクリル酸等)、グリシジル基含有単量体(例
えば、グリシジル(メタ)アクリレート等)等が用いら
れる。
【0020】また、上記単量体成分とグラフト共重合せ
しめる塩素化ポリオレフィンは、バンパー用ポリプロピ
レン成型体との付着性等を向上させるのに有効であり、
その塩素化率(塩素含有率)は5〜50重量%、特に1
0〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
【0021】塩素化ポリオレフィンの原料としては、ポ
リプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、メ
チルペンテン−1、低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体等のポリオレフィンがあげら
れる。塩素化ポリオレフィンは、これらのポリオレフィ
ンを原料として常法により塩素化して得ることができ
る。
【0022】上記単量体成分と塩素化ポリオレフィンと
のグラフト共重合は、溶液重合によって行うことが好ま
しい。この溶液重合を行うに際して使用する有機溶剤と
しては、トルエンやキシレン等の芳香族溶剤が最も好ま
しく、他にエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール
系溶剤、塩素系溶剤、脂肪族系溶剤、環状脂肪族系溶剤
等を併用しても差し支えない。重合開始剤としては、ベ
ンゾイルパーオキサイドのような過酸化物系開始剤やア
ゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系開始剤を好ま
しく使用することができる。重合停止剤として、ハイド
ロキノンのようなキノン類を用いることもできる。重合
方法としては、塩素化ポリオレフィンを溶剤で適当に希
釈し、開始剤を添加したのち加温し、単量体成分を徐々
に加えながら反応させることを基本プロセスとする。
【0023】グラフト共重合する際の配合割合は、所望
する塗膜の表面硬度、耐摩耗性、表面光沢等に応じて適
宜決定すればよいが、多すぎても少なすぎてもバランス
の取れた良好な塗膜は得られない。通常、単量体成分/
塩素化ポリオレフィン=30〜90/10〜70の重量
比範囲で共重合するのが好ましい。
【0024】メタリック塗料の樹脂成分の一つとして用
いられる、(C)セルロースアセテートブチレート(以
下、「CAB」という)は、セルロースの部分アセチル
化物をさらにブチルエステル化して得られるセルロース
誘導体である。CABを配合することにより、メタリッ
ク顔料が塗面に対して平行に配向し易くなり、メタリッ
ク感が向上するという利点が得られる。本発明において
好適に用い得るCABとしては、アセチル基の含有量が
一般に1〜30重量%、好ましくは1〜14重量%で、
ブチル基の含有量が一般に16〜60重量%、好ましく
は35〜60重量%である。
【0025】このCABは、ASTM−D1343−5
4T(Formul A)に記載された粘度測定法によ
り測定した場合の粘度が、一般に0.005〜5秒、好
ましくは0.005〜1秒の範囲に入るものである。
【0026】具体的には、米国イーストマンコダック社
の製造にかかる製品、例えば、商品名(前者の数字の2
桁目まではブチル基含有量(重量%)を、また同じく3
桁目は水酸基量を示し、後者の数字は粘度(秒)を示
す)で、「EAB−171−2」、「EAB−381−
0.5」、「EAB−381−2」、「EAB−531
−1」、「EAB−551−0.2」、「EAB−55
1−0.01」等の等級のものが有利に使用できる。こ
れらの中でも相溶性及び粘度等の観点から、「EAB−
381−0.5」、「EAB−551−0.2」、「E
AB−551−0.01」等が特に好適である。
【0027】メタリック塗料に用いられる、(D)アミ
ノアルデヒド樹脂としては、アミノ成分としてメラミ
ン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステ
ログアナミン及びスピログアナミン等からなる群から選
ばれた1種以上とホルムアルデヒドとを反応させてメチ
ロール化し、さらに炭素数1〜10のモノアルコールで
エーテル化したもの等があげられる。このうち、メラミ
ンホルムアルデヒド樹脂を低級モノアルコールでエーテ
ル化したものが特に好ましい。
【0028】本発明で用いるメタリック塗料は、上記
(A)、(B)、(C)及び(D)成分を含有する樹脂
成分を主ビヒクル成分とし、これらの各成分の構成比率
は、(A)、(B)、(C)及び(D)成分の固形分合
計量を基準にして、(A)成分は10〜70重量%、好
ましくは20〜60重量%、(B)成分は25〜70重
量%、好ましくは30〜60重量%、(C)成分は1〜
15重量%、好ましくは2〜13重量%、(D)成分は
10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%であ
る。各成分の構成比率がこの範囲外になると、本発明の
目的を達成することができない。
【0029】メタリック塗料におけるメタリック顔料と
しては、従来から公知のアルミニウム粉、ブロンズ粉、
銅粉、酸化チタンで被覆した雲母粉、雲母状酸化鉄粉等
が好ましく用いられる。メタリック顔料の配合量は、上
記樹脂成分の固形分100重量部あたり、5〜20重量
部が好ましい。
【0030】本発明のメタリック塗料には、必要に応じ
て表面調整剤、硬化促進用触媒、ハジキ防止剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、クエンチャー、その他の添加剤等
を添加してもよい。
【0031】本発明で用いるメタリック塗料は、上記し
た各成分を有機溶剤に混合して溶解乃至分散させること
により調製することができる。この有機溶剤としては、
公知の塗料用有機溶剤の中から適宜選択して使用するこ
とができる。具体的には、炭化水素系溶剤、アルコール
系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等があげられ
る。
【0032】このようにして得られるメタリック塗料
は、耐候性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)、塗装
のし易さ、塗面外観、可撓性、耐水性、バンパー用ポリ
プロピレン成型体との付着性等に優れている。
【0033】本発明で使用するクリア塗料は、上記メタ
リック塗料の塗面に塗装する透明塗膜を形成する塗料で
あって、具体的にはビヒクル成分及び有機溶剤を必須成
分としており、さらに必要に応じて透明感を阻害しない
程度に着色顔料、体質顔料、メタリック顔料等を配合し
てなる。
【0034】クリア塗料におけるビヒクル成分は、熱硬
化性樹脂組成物が好ましく、基体樹脂及び架橋剤からな
っている。基体樹脂としては、公知の樹脂から適宜選択
して使用することができる。具体的には、水酸基、アミ
ノ基、ブロックイソシアネート基、カルボキシル基及び
エポキシ基等から選ばれる少なくとも1種の架橋性官能
基を1分子中に2個以上有するアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂及びポリウレタン樹脂等が好適である。また、
架橋剤としては、上記架橋性官能基と反応し架橋硬化し
うるメラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合
物、カルボキシル基含有化合物等があげられる。
【0035】有機溶剤としては、上記ビヒクル成分を混
合して溶解乃至分散できるものであれば特に制限され
ず、例えば脂肪族炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤
等の溶剤があげられる。
【0036】本発明で用いられるクリア塗料は、その加
熱硬化塗膜のガラス転移温度が60〜80℃の範囲内に
包含されており、塗膜の耐薬品性、柔軟性等が良好であ
る。ガラス転移温度が60℃未満になると耐薬品性が低
下し、逆に80℃を越えると基材(被塗物)への追従性
(柔軟性)が低下するので、いずれも好ましくない。
【0037】本発明の塗装方法は、本願特定のメタリッ
ク塗料及びクリア塗料を用いた2コート塗装法であるこ
とにより、特徴づけられるが、特に、2コート1ベイク
方式で塗装することが好ましい。
【0038】即ち、本発明塗装法は、好ましくは、次の
如く実施される。まず、バンパー用ポリプロピレン成型
体の表面を必要に応じてアルコール等で洗浄し、ついで
希釈溶剤により塗装粘度をフォードカップ#4(20
℃)で15〜20秒に調整した前記メタリック塗料を該
ポリプロピレン成型体面に直接、乾燥膜厚が約15〜2
5μmになるように塗装する。この際の塗装方法として
は、公知の塗装方法の中から適宜選択して使用すること
ができるが、通常はエアスプレー、エアレススプレー、
静電塗装等で行う。つぎに、上記塗装方法を実施したの
ち、数分常温下で放置し、その未硬化の塗面上に希釈用
有機溶剤により塗装粘度をフォードカップ#4(20
℃)で15〜20秒に調整したクリア塗料を乾燥膜厚が
約15〜30μmになるように塗装する。この塗装方法
も同様に、通常のエアスプレー、エアレススプレー、静
電塗装等で行う。つぎに、数分常温下で放置したのち、
100〜150℃で20〜40分間加熱して、これらの
両塗膜を同時に硬化せしめて2コート1ベイク塗膜を得
る。
【0039】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を掲げて本
発明をより一層具体的に説明する。尚、特に断らない限
り「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。
【0040】製造例1 被塗物の調製 ポリプロピレンに炭酸カルシウム(タルク)を配合し
て、曲げ弾性率が12,000kg/cm2(20
℃)、線膨張率が10×10-5cm/cm/℃、熱変形
温度が105℃であるポリプロピレン成型体を得た。こ
れをバンパー用ポリプロピレン成型体とし、イソプロピ
ルアルコールを染み込ませたガーゼでその表面を拭い
て、清浄にして、被塗物とした。
【0041】製造例2 メタリック塗料の調製 (1)無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピ
ン酸、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール及びトリメチロールプロパンを使用して、通常の方
法によってエステル化反応を行い、固形分含有率60%
でガードナー粘度T〜Wの水酸基含有ポリエステル樹脂
のキシレン溶液を得た。この樹脂の水酸基価は103m
gKOH/g、酸価は5mgKOH/g、数平均分子量
は2,900である。
【0042】(2)塩素化ポリプロピレン(塩素化率29
%)40部に、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレートからな
る単量体成分60部を、ベンゾイルパーオキサイドの存
在下、トルエン中でグラフト共重合させて、固形分含有
率が40%で40%トルエン溶液の粘度が1,300〜
1,700cps/25℃の水酸基含有アクリル変性塩
素化ポリオレフィン樹脂を得た。この樹脂の水酸基価は
56mgKOH/gである。
【0043】(3)上記60%水酸基含有ポリエステル樹
脂溶液及び上記40%水酸基含有アクリル変性塩素化ポ
リオレフィン樹脂を使用し、下記表1に記載の配合成分
及び配合量(部)に基づいて、これらをディスパーによ
り混合分散して、メタリック塗料(M−1)〜(M−
3)を調製した。得られたメタリック塗料の粘度を17
秒(フォードカップ#4/20℃)に調整した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示した配合成分の内、「EAB−3
81−0.5」(米国イーストマンコダック社製、商品
名)は、ブチル基含有量38%、アセチル基含有量13
%、ASTM−D1343−54T(Formul
A)による粘度0.5秒の、CABである。「ユーバン
20SE」(三井東圧株式会社製、商品名)は、60%
アミノアルデヒド樹脂(ブチル化メラミン樹脂溶液)で
ある。「アルミペースト7680NS」(東洋アルミニ
ウム(株)製、商品名)は、65%アルミニウムメタリ
ック顔料である。
【0046】実施例1〜3 製造例1で得た被塗物(バンパー用ポリプロピレン成型
体)表面に、上記メタリック塗料(M−1)〜(M−
3)を、直接、乾燥膜厚が20μmになるようにエアス
プレーにより塗装し、室温で10分間セッティングし
た。ついで、粘度17秒(フォードカップ#4/20
℃)に調整した「ソフレックスNo.1611」(関西
ペイント(株)製、商品名、水酸基価100mgKOH
/gで数平均分子量17,000の水酸基含有アクリル
樹脂70部及びブチル化メラミン樹脂30部を含有する
プラスチック用クリア塗料、硬化塗膜のガラス転移温度
は65℃)を乾燥膜厚が30μmになるようにエアスプ
レーにより塗装し、室温で10分間セッティングしたの
ち、120℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化さ
せた。得られた塗膜の性能を、下記試験方法により、調
べた。
【0047】試験方法 初期付着性:塗膜形成後、カッターを用い、塗面に2m
m間隔で素地に達するように11本ずつ直交するように
切り込んで、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100
個作り、その塗面に粘着セロハンテープを貼着し、それ
を急激に剥がした後の塗面を観察した。○はゴバン目塗
膜の剥離が全く認められないことを、△は1〜10個の
ゴバン目塗膜の剥離が認められたことを、×は11個以
上のゴバン目塗膜の剥離が認められたことを、それぞれ
示す。
【0048】耐水性:試験片を40℃の温水に240時
間浸漬したのちの塗面を観察した。○は塗面にツヤビ
ケ、フクレ、密着性劣化等が全く認められないことを、
△は塗面にツヤビケ、フクレ、密着性劣化等が少し認め
られたことを、×は塗面にツヤビケ、フクレ、密着性劣
化等が多く認められたことを、それぞれ示す。
【0049】耐酸性:試験片の塗面に濃度3%の硫酸水
溶液0.2ccをスポット滴下し、温度20℃、湿度7
5%RHで4時間放置し、水洗したのちの塗面を観察し
た。○は塗面にツヤビケ、フクレ等が全く認められない
ことを、△は塗面にツヤビケ、フクレ等が少し認められ
たことを、×は塗面にツヤビケ、フクレ等が多く認めら
れたことを、それぞれ示す。
【0050】耐アルカリ性:試験片の塗面に濃度が1%
のカセイソーダ水溶液0.2ccをスポット滴下し、温
度20℃、湿度75%RHで4時間放置し、水洗したの
ちの塗面を観察した。○は塗面にツヤビケ、フクレ等が
全く認められないことを、△は塗面にツヤビケ、フクレ
等が少し認められたことを、×は塗面にツヤビケ、フク
レ等が多く認められたことを、それぞれ示す。
【0051】耐候性:「サンシャインウエザオメータ、
JIS B 7753」(サンシャインカーボンアーク
式耐候性試験機)に規定されるものを使用し、1,20
0時間経過後、塗面及び付着性を観察した。塗面の観察
は、○は塗面にツヤビケ、フクレ等が全く認められない
ことを、△は塗面にツヤビケ、フクレ等が少し認められ
たことを、×は塗面にツヤビケ、フクレ等が多く認めら
れたことを、それぞれ示す。また、付着性は上記の初期
付着性と同様に行った。
【0052】使用塗料及び塗膜性能の試験結果を、表2
に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、プライマー塗装工程を
省略して、直接メタリック塗料を塗装することができ、
耐候性や耐薬品性等に優れた塗膜を形成することのでき
るバンパー用ポリプロピレン成型体の塗装法が提供され
るという格別顕著な効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B05D 7/24 302 B05D 7/24 302S (72)発明者 吉田 文也 大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 大西 壽彦 大阪府大阪市北区西天満3丁目13番7号 株式会社扇商会内 (72)発明者 佐賀根 正彦 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内 (72)発明者 磯村 雄大 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】曲げ弾性率が5,000〜15,000k
    g/cm2(20℃)、線膨張率が8×10-5〜16×
    10-5cm/cm/℃、熱変形温度が80〜130℃の
    範囲内にあるバンパー用ポリプロピレン成型体に、プラ
    イマーを塗装することなく、直接メタリック塗料を塗装
    し、次いでクリア塗料を塗装する方法であって、該メタ
    リック塗料として、(A)水酸基含有ポリエステル樹
    脂、(B)水酸基含有アクリル変性塩素化ポリオレフィ
    ン樹脂、(C)セルロースアセテートブチレート及び
    (D)アミノアルデヒド樹脂からなり、且つこれらの配
    合比率が、これら4成分の合計固形分量に基づき、
    (A)成分10〜40重量%、(B)成分25〜70重
    量%、(C)成分1〜15重量%、(D)成分10〜4
    0重量%である樹脂成分と、メタリック顔料とを含有す
    る有機溶剤型メタリック塗料を使用し、且つクリア塗料
    としてその硬化塗膜のガラス転移温度が60〜80℃の
    範囲内にある熱硬化性クリア塗料を使用することを特徴
    とするバンパー用ポリプロピレン成型体の塗装法。
  2. 【請求項2】メタリック塗料を塗装し、その未硬化塗面
    にクリア塗料を塗装し、次いでこれら両塗膜を同時に加
    熱硬化する2コート1ベイク方式である請求項1に記載
    の塗装法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005206622A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物
US7482063B2 (en) * 2002-08-23 2009-01-27 Prime Polymer Co., Ltd. Molded object obtained by in-mold coating and process for producing the same

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