JPH10195370A - ベース塗料およびこれを用いるポリオレフィン素材の塗装方法 - Google Patents

ベース塗料およびこれを用いるポリオレフィン素材の塗装方法

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JPH10195370A
JPH10195370A JP365797A JP365797A JPH10195370A JP H10195370 A JPH10195370 A JP H10195370A JP 365797 A JP365797 A JP 365797A JP 365797 A JP365797 A JP 365797A JP H10195370 A JPH10195370 A JP H10195370A
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JP
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acrylic
maleic anhydride
modified chlorinated
base paint
coating
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JP365797A
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Seiichi Iwata
清一 岩田
Kentaro Watanabe
健太郎 渡辺
Hideki Nakasuji
英樹 中筋
Isamu Hara
勇 原
Satoru Umeki
悟 梅木
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NIPPON B CHEM KK
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
NIPPON B CHEM KK
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性、耐水性および耐候性に優れ、これら
物性の釣り合いがとれたベース塗料塗膜を、ポリオレフ
ィン素材の表面にプライマー処理することなく形成する
ことである。 【解決手段】 ベース塗料は、アクリルポリオール
(A)を主剤、メラミン樹脂(B)を硬化剤として含む
ベース塗料において、無水マレイン酸で変性され、塩素
含有率20〜30重量%、無水マレイン酸変性率0.5
〜2.0重量%の無水マレイン酸変性塩素化プロピレン
(C)と、アクリル系重合鎖がグラフトしたアクリル変
性塩素化ポリプロピレン(D)とをさらに含み、前記4
者(A)〜(D)の重量比率が、A:B:C:D=40
〜50:10〜25:7〜15:20〜33、A+B+
C+D=100であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プライマー処理を
不要とするベース塗料およびポリオレフィン素材の塗装
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン等のポリオレフィン素材
は、比較的安価で成形性および耐薬品性等の諸物性に優
れているため、自動車産業等で広く用いられている。ポ
リオレフィン素材は、たとえば、自動車用途としては、
バンパー等の外装部品に用いられているが、その耐候性
を向上させると同時に意匠性を付与するために、その表
面を塗装するのが通常である。
【0003】ポリオレフィン素材に一般の塗料をそのま
ま塗布しても、ポリオレフィンが無極性であるため密着
しにくい。そのため、ベース塗料を塗布する前に専用の
プライマーを塗布して、ベース塗料塗膜と素材との密着
性を向上させておき、場合によっては耐水性等をも向上
させた上で、その上に、ベース塗料を塗布することによ
って耐候性等を確保するようにしている。
【0004】近年、自動車用外装部品の塗装工程におけ
るコストの削減を目的として、ポリオレフィン素材にあ
らかじめプライマーを塗布するプライマー処理を行うこ
となく使用できるベース塗料(プライマーレスベース塗
料)の開発が行われている。ベース塗料をプライマーレ
スにするためには、ベース塗料に含まれる成分であり、
耐候性等を向上させる働きがあるアクリルポリオールに
対し、プライマーに含まれる成分であり、ポリオレフィ
ン素材との密着性等を向上させる働きがある塩素化ポリ
プロピレンを配合する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合、アクリルポリオールと塩素化ポリプロピレンとは相
溶性が悪い。そのために、塗料の貯蔵安定性が低くなっ
て、密着性、耐水性および耐候性等の物性が釣り合いの
とれたものにならないという問題がある。他方、アクリ
ルポリオールの硬化剤としては通常、メラミン樹脂が使
用されるが、メラミン樹脂を架橋剤とするベース塗料を
通常のポリオレフィン素材に塗布して硬化させると、十
分に硬化しないことがある。
【0006】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、硬化剤としてメラミン樹脂を使用することができ、
ポリオレフィン素材の表面にプライマー処理することな
く直接塗布することができて、密着性、耐水性および耐
候性に優れ、これら物性の釣り合いがとれたベース塗料
を提供するとともに、その優れた使用方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々の実験を重ねた結果、アクリル
変性塩素化ポリプロピレンを配合すれば、アクリルポリ
オールと塩素化ポリプロピレンとの相溶性が改善される
ことと、さらに、プライマー成分として配合される塩素
化ポリプロピレンの塩素含有率を特定するとともに、無
水マレイン化を行い、その含有率を特定すれば、密着性
および耐水性に優れるようになることとを見出し、本発
明のベース塗料を完成した。次に、ポリオレフィン素材
にアミン系光劣化防止剤を含まないものを使用すれば、
塗料の硬化阻害が防がれることを見出し、本発明の塗装
方法に到達した。
【0008】すなわち、本発明のベース塗料は、アクリ
ルポリオール(A)を主剤、メラミン樹脂(B)を硬化
剤として含むベース塗料において、塩素含有率20〜3
0重量%、無水マレイン酸含有率0.5〜2.0重量%
の無水マレイン酸変性塩素化プロピレン(C)と、アク
リル系重合鎖がグラフトしたアクリル変性塩素化ポリプ
ロピレン(D)とをさらに含み、前記4者(A)〜
(D)の重量比率が、A:B:C:D=40〜50:1
0〜25:7〜15:20〜33、A+B+C+D=1
00であることを特徴とする。
【0009】本発明のポリオレフィン素材の塗装方法
は、アミン系光劣化防止剤を含まないポリオレフィン素
材に対し、上記ベース塗料を塗布した上に、クリアー塗
料をさらに塗布し、焼き付ける塗装方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のベース塗料は、アクリル
ポリオール(A)を主剤、メラミン樹脂(B)を硬化剤
として含むベース塗料であり、無水マレイン酸変性塩素
化プロピレン(C)と、アクリル変性塩素化ポリプロピ
レン(D)とをさらに含んでいる。以下に、このベース
塗料の各成分を詳しく説明する。アクリルポリオール(A) 本発明で用いられるアクリルポリオール(A)は、ベー
ス塗料の主剤として用いられ、耐候性等をベース塗料に
付与する成分である。
【0011】アクリルポリオール(A)は、水酸基を有
するアクリル系単量体(a)に由来する構造単位を必須
とした重合体であれば特に限定はなく、適宜、カルボキ
シル基を有するアクリル系単量体(b)、前記アクリル
系単量体(a)および(b)と共重合可能なエステル基
を有するアクリル系単量体(c)や、アクリル系以外の
ビニル系単量体(d)等の単量体に由来する構造単位を
さらに含んだ共重合体であってもよく、重合体を構成す
る構造単位の種類については特に限定はない。
【0012】水酸基を有するアクリル系単量体(a)と
しては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルや、これらのε−カプロ
ラクトン付加物等を挙げることができ、1種のみ、また
は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0013】カルボキシル基を有するアクリル系単量体
(b)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸等を挙
げることができ、1種のみ、または、必要に応じて2種
以上を併用してもよい。エステル基を有するアクリル系
単量体(c)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル等を挙げることができ、1種のみ、ま
たは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0014】ビニル系単量体(d)としては、たとえ
ば、スチレン等を挙げることができ、1種のみ、また
は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。アクリル
ポリオールは、上記アクリル系単量体(a)〜(c)お
よびビニル系単量体(d)から、適宜単量体を選んで、
重合させることによって得られる。アクリルポリオール
の水酸基価については、特に限定はないが、たとえば、
30〜100KOHmg/gであり、好ましくは50〜
80KOHmg/gである。水酸基価が30KOHmg
/g未満であると、低架橋で塗膜強度が低下する。他
方、水酸基価が100KOHmg/gを超えると、高架
橋となり、収縮が大きくなって、密着性が低下する。
【0015】アクリルポリオールの分子量については、
特に限定はないが、たとえば、15000〜60000
であり、好ましくは20000〜40000である。分
子量が15000未満であると、ベース塗料の色相の変
動が大きくなる。他方、分子量が60000を超える
と、仕上がり外観が悪く、膜厚が薄くなる。メラミン樹脂(B) 本発明で用いられるメラミン樹脂(B)は、主剤である
アクリルポリオール(A)を架橋させる硬化剤であり、
ベース塗料塗膜に強度を付与する成分である。
【0016】メラミン樹脂(B)としては、たとえば、
メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミ
ン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化
メラミンを挙げることができ、1種のみ、または、必要
に応じて2種以上を併用してもよい。無水マレイン酸変性塩素化プロピレン(C) 本発明で用いられる無水マレイン酸変性塩素化ポリプロ
ピレン(C)は、無水マレイン酸で変性された塩素化ポ
リプロピレンである。その塩素含有率は20〜30重量
%、無水マレイン酸含有率は0.5〜2.0重量%であ
る。無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン(C)
は、ポリオレフィン素材に対する強い密着性や、耐水性
等をベース塗料に付与する成分である。
【0017】無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(C)は、ポリプロピレンを無水マレイン酸および塩素
と反応させて内部変性したものであり、たとえば、ポリ
プロピレンに対して塩素および無水マレイン酸を反応さ
せて製造される。ここで、塩素および無水マレイン酸は
どちらを先に反応させてもよい。塩素との反応は、たと
えば、ポリプロピレンを含む溶液に塩素ガスを導入する
ことによって行われる。また、無水マレイン酸との反応
は、たとえば、過酸化物の存在下、ポリプロピレン(ま
たは塩素化ポリプロピレン)に無水マレイン酸を反応さ
せることによって行われる。
【0018】無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(C)は、その塩素含有率が20〜30重量%の範囲に
あれば特に限定はなく、好ましくは22〜28重量%、
さらに好ましくは22〜25重量%である。塩素含有率
が20重量%未満であると、無水マレイン酸変性塩素化
ポリプロピレン(C)が結晶化してしまい、ベース塗料
の貯蔵安定性が低下する。他方、塩素含有率が30重量
%を超えると、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレ
ン(C)の極性が高くなり、ポリオレフィン素材との密
着性が低下する。
【0019】無水マレイン酸含有率は、無水マレイン酸
変性塩素化ポリプロピレン(C)中での無水マレイン酸
に由来する部分の割合で表され、0.5〜2.0重量%
の範囲にあれば特に限定はなく、好ましくは0.5〜
1.5重量%、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%
である。無水マレイン酸含有率が0.5重量%未満であ
ると、ベース塗料塗膜と、その上に形成されるクリヤー
塗料塗膜との密着性が低下する。他方、無水マレイン酸
含有率が2.0重量%を超えると、無水マレイン酸変性
量が多くなりすぎて、ポリオレフィン素材との密着性お
よび耐水性が低下する。アクリル変性塩素化ポリプロピレン(D) 本発明で用いられるアクリル変性塩素化ポリプロピレン
(D)は、塩素化ポリプロピレン部分を主骨格とし、ア
クリル系重合鎖がこの塩素化ポリプロピレン部分にグラ
フトした構造である。アクリル変性塩素化ポリプロピレ
ン(D)は、アクリルポリオール(A)および無水マレ
イン酸変性塩素化ポリプロピレン(C)を相溶化させ、
ベース塗料の貯蔵安定性を向上させるとともに、密着
性、耐水性および耐候性等の物性の釣り合いを調整する
成分である。
【0020】アクリル変性塩素化ポリプロピレン(D)
は、その塩素含有率について特に限定はないが、たとえ
ば、5〜15重量%であり、好ましくは7〜10重量%
である。塩素含有率が5重量%未満であると、無水マレ
イン酸変性塩素化ポリプロピレン(C)との相溶性が低
下してしまい、ベース塗料の貯蔵安定性が低下する。他
方、塩素含有率が15重量%を超えると、アクリルポリ
オール(A)との相溶性が低下してしまい、ベース塗料
の貯蔵安定性が低下する。
【0021】アクリル系重合鎖は、必須成分としてアク
リル系単量体(e)を含みその他の単量体(f)を含む
ことがある単量体成分に由来する構造単位からなる重合
鎖である。アクリル系単量体(e)としては、たとえ
ば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシメチル等のアクリ
ル酸エステル系単量体を挙げることができ、1種のみ、
または、2種以上を併用してもよい。
【0022】その他の単量体(f)としては、たとえ
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
のスチレン系単量体を挙げることができ、1種のみ、ま
たは、2種以上を併用してもよい。アクリル変性塩素化
ポリプロピレン(D)は、たとえば、過酸化物存在下、
塩素化ポリプロピレンとともに、上記単量体成分をグラ
フト重合させることによって得られる。
【0023】アクリル変性塩素化ポリプロピレン(D)
の分子量については、特に限定はないが、たとえば、1
5000〜50000であり、好ましくは20000〜
40000である。分子量が15000未満であると、
ベース塗料の色相の変動が大きくなる。他方、分子量が
50000を超えると、仕上がり外観が悪く、膜厚が薄
くなる。その他の成分 本発明のベース塗料は、適宜、アクリル樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、ブロックイソシアネート樹脂等の樹脂;トルエン、
キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤;パラトルエ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のメラミ
ン樹脂硬化触媒;ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収
剤;有機アミド系化合物等の沈降防止剤;表面調整剤等
を含有するものでもよい。また、その配合割合は、特に
制限はなく、適宜選択することができる。
【0024】ベース塗料は、アルミ、マイカ、チタン
白、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料;タルク、
沈降性バリウム、シリカ等の体質顔料;有機系の各種着
色顔料等の顔料を含むものでもよい。ベース塗料 本発明のベース塗料は、上記で詳しく説明した、アクリ
ルポリオール(A)、メラミン樹脂(B)、無水マレイ
ン酸変性塩素化プロピレン(C)およびアクリル変性塩
素化ポリプロピレン(D)を必須成分として含み、必要
に応じて、その他の成分をさらに含む。
【0025】ベース塗料を構成する前記4者(A)〜
(D)の重量比率は、A:B:C:D=40〜50:1
0〜25:7〜15:20〜33(但し、A+B+C+
D=100)であり、好ましくは40〜50:15〜2
0:7〜10:25〜33である。アクリルポリオール
(A)の重量比率が上記において40未満であると耐候
性が低下する。他方、重量比率が50を超えるとポリオ
レフィン素材との密着性が低下する。
【0026】メラミン樹脂(B)の重量比率が上記にお
いて10未満であるとポリオレフィン素材との密着性が
低下する。他方、重量比率が25を超えると耐水性が低
下する。無水マレイン酸変性塩素化プロピレン(C)の
重量比率が上記において7未満であるとポリオレフィン
素材との密着性が低下する。他方、重量比率が15を超
えると耐候性が低下し、上塗りされたクリヤー塗料塗膜
との密着性が低下し、剥離することがある。
【0027】アクリル変性塩素化ポリプロピレン(D)
の重量比率が上記において20未満であるとベース塗料
の貯蔵安定性が低下するとともに、ポリオレフィン素材
との耐水性が低下する。他方、重量比率が33を超える
と耐候性が低下する。本発明のベース塗料では、アクリ
ル変性塩素化ポリプロピレン(D)によって、アクリル
ポリオール(A)および無水マレイン酸変性塩素化プロ
ピレン(C)は十分に相溶化されるようになる。そのた
め、密着性、耐水性および耐候性に優れ、これら物性の
釣り合いがとれたベース塗料塗膜を、ポリオレフィン素
材の表面にプライマー処理することなく形成することが
できる。そのため、自動車のバンパー等のポリオレフィ
ン素材の塗装用途において特に優れたものである。ポリオレフィン素材の塗装方法 本発明のポリオレフィン素材の塗装方法は、アミン系光
劣化防止剤を含まないポリオレフィン素材に対して上記
ベース塗料を塗布し、さらにその上にクリアー塗料を塗
布してから、焼き付ける塗装方法である。
【0028】ポリオレフィン素材は、アミン系光劣化防
止剤を含まないものであれば特に限定はない。アミン系
光劣化防止剤としては、たとえば、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペンジル)セバケート等の光
劣化防止剤を挙げることができる。アミン系光劣化防止
剤を含むポリオレフィン素材に対してベース塗料を塗布
すると、アミン系光劣化防止剤がメラミン樹脂(B)に
よるアクリルポリオール(A)の硬化反応を阻害し、ベ
ース塗料が十分に硬化しなくなる。
【0029】ベース塗料は、通常、プライマー処理をす
ることなく、ポリオレフィン基材に直接塗布される。ベ
ース塗料を塗布する方法については特に限定はないが、
スプレー塗装等が好ましい。次に、ベース塗料がウェッ
トの状態でクリアー塗料を上塗りする。クリアー塗料と
しては、たとえば、アクリル/メラミン焼付型;ポリエ
ステル/メラミン焼付型;アクリル/イソシアネート焼
付型等を挙げることができる。クリアー塗料の塗布方法
については特に限定はないが、スプレー塗装等が好まし
い。
【0030】ポリオレフィン素材表面に塗布されたベー
ス塗料およびクリアー塗料を焼き付けて、それぞれの塗
料塗膜を形成させる。焼き付け方法については特に限定
はなく、熱風乾燥炉、遠赤外線炉、近赤外線炉等を用い
て、通常、110〜140℃、20〜60分間の条件で
乾燥が行われる。このようにして得られるベース塗料塗
膜の膜厚については特に限定はないが、たとえば、10
〜25μmであり、好ましくは15〜20μmである。
ベース塗料塗膜が薄すぎると、発色性が低下し、外観が
悪くなることがある。また、クリアー塗料塗膜の膜厚に
ついては特に限定はないが、たとえば、15〜50μm
であり、好ましくは30〜35μmである。クリアー塗
料塗膜が薄すぎると、外観が悪くなることがあり、ま
た、厚すぎると、塗料のタレの問題が発生する。
【0031】本発明のポリオレフィン素材の塗装方法で
は、密着性、耐水性および耐候性に優れ、これら物性の
釣り合いがとれたベース塗料塗膜をポリオレフィン素材
の表面に形成することができるとともに、ベース塗料が
塗布されるポリオレフィン素材はアミン系光劣化防止剤
を含まないため、ベース塗料は十分に硬化し、硬化阻害
は発生しない。
【0032】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。以下
で、「部」は「重量部」を表す。 (実施例1)水酸基価72のアクリルポリオール50部
と、メラミン樹脂(ユーバン165、三井東圧(株)
製)10部と、表1に示した物性の無水マレイン酸変性
塩素化プロピレン(C2)7部と、アクリル変性塩素化
ポリプロピレン(全体の10重量%がアクリル変性され
ており、塩素含有量7重量%である。)33部と、アル
ミ箔10部とを混合して、ベース塗料(1)を製造し
た。
【0033】
【表1】
【0034】アミン系光劣化防止剤を含まないポリオレ
フィン素材を用意し、プライマー処理することなく、ベ
ース塗料(1)をエアースプレーで素材表面に吹きつけ
た。次にベース塗料(1)がウェットの状態で、続けて
クリヤー塗料(R−360クリヤー、日本ビー・ケミカ
ル製)を エアースプレーで素材表面に吹きつけ、焼き
付けて、厚み15μmのベース塗料塗膜および厚み30
μmのクリヤー塗料塗膜をポリオレフィン素材表面に形
成させた。
【0035】ベース塗料(1)の物性の評価は、以下の
ようにして行い、その結果を表2に示す。 <評価方法> 1.密着性(初期密着性) JIS K5400に準拠して碁盤目セロテープ剥離試
験を行った。2mm角の100個の碁盤目を用意し、セ
ロテープ剥離試験を行って、剥がれなかった碁盤目数を
数えた。剥がれなかった碁盤目数が100であると○、
剥がれなかった碁盤目数が99以下であると×と評価し
た。
【0036】2.耐水性(耐水密着性) 塗装後のポリオレフィン基材を40℃の温水に240時
間浸漬した後、上記碁盤目密着試験を行った。 3.耐候性 塗装後のポリオレフィン基材をサンシャイン・ウエザー
・メーターを用いて1500時間暴露して、上記碁盤目
密着試験を行った。
【0037】4.貯蔵安定性 製造したベース塗料を−5℃で10日間放置し、塗料性
状に変化がみられないものを○、塗料性状に変化がみら
れ、塗料中に固体が生じるものを×と評価した。
【0038】
【表2】
【0039】(実施例2〜3および比較例1〜11)実
施例1と同様にして、アクリルポリオールと、メラミン
樹脂と、表1に示した物性の無水マレイン酸変性塩素化
プロピレン(C1〜6)と、アクリル変性塩素化ポリプ
ロピレンと、アルミ箔とを、それぞれ表2および表3に
示した配合で混合して、ベース塗料(2)〜(3)およ
び比較ベース塗料(1)〜(11)を製造した。
【0040】得られた(比較)ベース塗料について、実
施例1と同様に物性を評価して、その結果を表2および
表3に示した。 (比較例12〜14)実施例1と同様にして、アクリル
ポリオールと、メラミン樹脂と、表1に示した物性の無
水マレイン酸変性塩素化プロピレンと、アクリル変性塩
素化ポリプロピレンと、アルミ箔とを、それぞれ表3に
示した配合で混合して、比較ベース塗料(12)〜(1
4)を製造した。
【0041】得られた比較ベース塗料を、アミン系光劣
化防止剤を含むポリオレフィン素材に吹きつけて、以
下、実施例1と同様にして塗膜を形成させ、物性を評価
して、その結果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】*ベース塗料塗膜とクリヤー塗料塗膜との
間で剥離した。 <評価結果>実施例1〜3では、いずれも、初期および
耐水性、耐候性および貯蔵安定性に優れる。比較例1で
は、無水マレイン酸変性塩素化プロピレン(C1)の無
水マレイン酸含有率が低いため、ベース塗料塗膜とその
上に形成されるクリヤー塗料塗膜との密着性が低下す
る。
【0044】比較例2では、無水マレイン酸変性塩素化
プロピレン(C4)の無水マレイン酸含有率が高いた
め、ポリオレフィン素材との密着性が低下する。比較例
3では、無水マレイン酸変性塩素化プロピレン(C6)
の塩素含有率が高いため、ポリオレフィン素材との密着
性が低下する。比較例4では、無水マレイン酸変性塩素
化プロピレン(C2)の重量比率が低いため、ポリオレ
フィン素材との密着性が低下する。
【0045】比較例5では、無水マレイン酸変性塩素化
プロピレン(C2)の重量比率が高いため、耐候性が低
下し、クリヤー塗料塗膜との密着性が低下する。比較例
6では、アクリル変性塩素化ポリプロピレンの重量比率
が低いため、ベース塗料の貯蔵安定性が低下するととも
に、耐水性が低下する。比較例7では、アクリル変性塩
素化ポリプロピレンの重量比率が高いため、耐候性が低
下する。
【0046】比較例8では、アクリルポリオールの重量
比率が低いため、耐候性が低下する。比較例9では、ア
クリルポリオールの重量比率が高いため、ポリオレフィ
ン素材との密着性が低下する。比較例10では、メラミ
ン樹脂の重量比率が低いため、ポリオレフィン素材との
密着性が低下する。
【0047】比較例11では、メラミン樹脂の重量比率
が高いため、耐水性が低下する。比較例12〜14で
は、ポリオレフィン素材にアミン系光劣化防止剤を含む
ため、密着性が低い。
【0048】
【発明の効果】本発明のベース塗料は、硬化剤としてメ
ラミン樹脂を使用することができ、ポリオレフィン素材
の表面にプライマー処理することなく直接塗布すること
ができて、密着性、耐水性および耐候性に優れ、これら
物性の釣り合いがとれたものである。そのため、自動車
のバンパー等のポリオレフィン素材の塗装用途に特に優
れたものである。
【0049】本発明のポリオレフィン素材の塗装方法
は、上記ベース塗料をアミン系光劣化防止剤を含まない
ポリオレフィン素材に塗布するため、塗料の硬化阻害が
防がれ、得られる塗料塗膜は、密着性、耐水性および耐
候性に優れ、これら物性の釣り合いがとれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中筋 英樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 原 勇 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 梅木 悟 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリルポリオール(A)を主剤、メラミ
    ン樹脂(B)を硬化剤として含むベース塗料において、 塩素含有率20〜30重量%、無水マレイン酸含有率
    0.5〜2.0重量%の無水マレイン酸変性塩素化プロ
    ピレン(C)と、アクリル系重合鎖がグラフトしたアク
    リル変性塩素化ポリプロピレン(D)とをさらに含み、 前記4者(A)〜(D)の重量比率が、A:B:C:D
    =40〜50:10〜25:7〜15:20〜33、A
    +B+C+D=100であることを特徴とするベース塗
    料。
  2. 【請求項2】アミン系光劣化防止剤を含まないポリオレ
    フィン素材に対し、請求項1に記載のベース塗料を塗布
    した上に、クリアー塗料をさらに塗布し、焼き付けるポ
    リオレフィン素材の塗装方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000239602A (ja) * 1999-02-22 2000-09-05 Toyota Auto Body Co Ltd ポリオレフィン系成形品用防眩塗料組成物
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CN103865351A (zh) * 2014-02-21 2014-06-18 中科院广州化学有限公司 Bopp涂层用uv光固化聚丙烯酸酯-氯化聚丙烯复合水乳液及其制备方法和应用
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