JP2000000518A - ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法

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JP2000000518A
JP2000000518A JP16685898A JP16685898A JP2000000518A JP 2000000518 A JP2000000518 A JP 2000000518A JP 16685898 A JP16685898 A JP 16685898A JP 16685898 A JP16685898 A JP 16685898A JP 2000000518 A JP2000000518 A JP 2000000518A
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polyolefin resin
resin
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coat
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Kentaro Watanabe
健太郎 渡辺
Masahiro Yamaguchi
昌宏 山口
Hiroshi Otsu
広志 大津
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂成形品に直接塗装し、
付着性、仕上がり外観性、耐ガソリン性等の性能に優れ
たポリオレフィン系樹脂成形品の2コート1ベーク塗装
方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂成形品名に直接ベ
ースコートを塗装し、ついで焼き付けることなくクリヤ
ーを塗装し、同時に焼き付ける2コート1ベーク塗装方
法において、ベースコートの樹脂組成として、特定塩素
化率の塩素化ポリオレフィン樹脂(成分A)と、水酸基
含有ビニル共重合体(成分B)と、セルロースアセテー
トブチレートグラフトビニル共重合体(成分C)と、水
酸基と反応可能な架橋剤(成分D)から構成する。セル
ロースアセテートブチレートグラフトビニル共重合体を
導入することにより、従来、相溶性が悪かった塩素化ポ
リオレフィン樹脂とセルロースアセテートブチレート樹
脂の相溶性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂成形品に直接塗装し、付着性、仕上がり外観性、及
び耐ガソリン性等の性能に優れたポリオレフィン系樹脂
成形品の2コート1ベーク塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂素材は、耐薬品
性、耐水性、成形性等の性能に優れ、更に軽量で、安価
であるため、家庭用電化製品、自動車部品等の工業材料
として広範囲に使用されている。しかしながら、ポリオ
レフィン系樹脂素材は低極性で結晶性が高いため、通常
の塗膜はそのままでは付着せず、塗装が困難であった。
従来よりポリオレフィン系樹脂素材の表面を活性化して
付着性を改良する方法として、フレーム処理、プラズマ
処理、コロナ放電処理、クロム酸処理等が知られている
が、これらの方法は工程が複雑で多大な設備投資が必要
であり、又、被塗物の形状によっては付着性にバラツキ
が生じるといった問題があった。付着性を確保する方法
として、ポリオレフィン系樹脂素材に付着性良好な専用
のプライマーを塗装した後、塗膜性能に優れた上塗り塗
料を塗装する方法が一般に行われていた(例えば、特開
昭63−36224 号、特開平3−22895 号)。しかしなが
ら、この方法においては、塗装が2コート仕上げとなり
プライマー処理工程に多くの時間と労力を要し、工程が
複雑で塗装コストが上昇するといった欠点があった。
【0003】ポリオレフィン系樹脂素材用のワンコート
仕上げ用塗料組成物としてはポリオレフィン系樹脂素材
に対し強い付着力を有する塩素含有率50%以下の塩素化
ポリオレフィン系樹脂が用いられている。しかし、この
樹脂単独では耐溶剤性、耐候性、耐薬品性等が劣るた
め、これらの塗膜性能を改良する方法としてアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂との混合が検討されている。しか
し、塩素含有率50%以下の低塩素化ポリオレフィン系樹
脂は上記樹脂との相溶性が劣り、塗料が2層分離した
り、顔料が凝集したりする問題があった。そのため、低
塩素化ポリオレフィン系樹脂とアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂とを混合、あるいはグラフト重合して用いる方
法が種々、提案されている。例えば塩素化ポリオレフィ
ン系樹脂と特定のアクリル樹脂との混合組成物(特開昭
57−200438号)、塩素化ポリオレフィン系樹脂とアクリ
ル系樹脂とを混合あるいはグラフト重合したものに架橋
剤を配合したもの(特開平5−117574号)等がある。
【0004】一方、自動車等の上塗り塗料の塗装方法と
しては、アルミニウム片やパールマイカ粉末等の光輝剤
を配合したベースコートを塗装後、焼き付けることなく
クリヤーコートを塗装する2コート1ベーク塗装が広く
採用されている。2コート1ベーク塗装においてベース
コート塗料中の光輝剤の塗膜中での配向や、ベースコー
トとクリヤーコートとの2層形成性(ベースコートとク
リヤーコートとの界面で入り混じることなく2層を形成
する状態)が塗膜外観に大きな影響を与える。ベースコ
ート塗膜中での光輝剤の配向やベースコートとクリヤー
コートとの2層形成性を制御する方法としては、ベース
コート塗装後、クリヤーコート塗装前にベースコートの
粘度を急上昇させ、光輝剤の動きを妨げたりクリヤーコ
ート塗布時の層間での入り混じりをしにくくするため
に、ベースコート塗料中にセルロース誘導体を混合する
方法が知られている。セルロース誘導体を混合した塗料
は塗装後の粘度上昇が大きく、光輝剤の配向やべースコ
ートとクリヤーコートとの2層形成性に有利である。
【0005】ポリオレフィン系樹脂素材用ヘワンコート
仕上げ用として直接2コート1ベーク塗装する場合、付
着性を付与させるための塩素含有率50%以下の低塩素化
ポリオレフィン系樹脂と、光輝剤の配向やベースコート
とクリヤーコートとの2層形成性を確保するためセルロ
ース誘導体を用いる必要があるが、セルロース誘導体は
アクリル樹脂やポリエステル樹脂より極性が高く、低塩
素化ポリオレフィン系樹脂との相溶性が更に劣るという
問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン系樹脂成形品に直接塗装し、付着性、仕上がり外観
性、耐候性等の性能に優れたベースコートとクリヤーコ
ートからなる2コート1ベーク塗装方法の確立を目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するにあたり、低塩素化ポリオレフィン系樹
脂とセルロース誘導体との相溶性を種々検討し、更にベ
ースコート中の光輝剤の配向やべースコートとクリヤー
コートとの2層形成性について鋭意検討した結果、以下
の構成により上記目的を達成できることを見い出し、本
発明に到達したものである。すなわち、本発明のポリオ
レフィン系樹脂成形品の塗装方法は、塩素化率が10〜
50重量%の塩素化ポリオレフィン樹脂(成分A)と、
水酸基含有ビニル共重合体(成分B)と、セルロースア
セテートブチレートグラフトビニル共重合体(成分C=
成分Ca(ビニル共重合体部分)+成分Cb(セルロー
スアセテートブチレート部分))と、水酸基と反応可能
な架橋剤(成分D)からなり、重量比で成分A/成分B
+成分Ca/成分Cb=5〜50/84〜30/1〜2
0で、(成分A+成分B+成分C)/成分D=95〜5
0/5〜50の範囲で含有しているベースコートをポリ
オレフィン系樹脂成形品に直接塗装し、ついでその上に
クリヤーコートを塗装して同時に焼き付けすることを特
徴とする。また、上記成分Dの水酸基と反応可能な架橋
剤は、例えばアミノプラスト樹脂、イソシアネートプレ
ポリマー、又はそのブロック体である。
【0008】以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形品の塗装方法は、ポ
リオレフィン系樹脂成形品を必要に応じて公知の脱脂洗
浄処理を施した後、特定樹脂組成のベースコートを直接
塗装し、ついで焼き付けることなくクリヤーを塗装し、
同時に焼き付ける2コート1ベーク塗装方法である。
【0009】ポリオレフィン系樹脂成形品素材へ直接2
コート1ベーク塗装する場合、付着性を付与させるため
ベースコート中に塩素含有率50%以下の低塩素化ポリ
オレフィン系樹脂を配合する必要があり、また光輝剤の
配向やべースコートとクリヤーコートとの2層形成性を
確保するためセルロース誘導体を用いる必要がある。こ
のセルロース誘導体と低塩素化ポリオレフィン系樹脂と
の相溶性を確保するため、セルロース誘導体をビニル共
重合体でグラフトすることにより上記問題を解決した。
【0010】本発明のベースコートに用いられる塩素化
ポリオレフィン樹脂(成分A)の塩素化率は10〜50
重量%である。該ポリオレフィン樹脂とはエチレン、プ
ロピレン、1 −ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ブテン及ぴ3−メチル−1−ヘプテンから選ばれたオレ
フィン類の単独重合体又は共重合体、及び該オレフィン
類と酢酸ビニル、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エス
テルなどとの共重合体が挙げられる。具体的には、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等、及ぴ
それらのポリカルボン酸又はその酸無水物変性体があ
る。ここで用いられる不飽和ポリカルボン酸又はその酸
無水物として(メタ)アクリルケイ皮酸、クロトン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等
がある。
【0011】塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素化率が5
0重量%を超えると被塗物であるポリオレフィン系樹脂
成形品に対する付着性が低下し、10重量%未満では樹
脂の溶解性が劣り樹脂が析出する。尚、塩素化ポリオレ
フィンは、ポリオレフィンを塩素化することによって得
られるが、適宜に市販の製品を用いることができる。
【0012】本発明のべースコートに用いられる水酸基
含有ビニル共重合体(成分B)は共重合可能な水酸基含
有α、β−不飽和単量体とその他のα、β−不飽和単量
体を共重合して得られる。成分Bに用いる共重合可能な
水酸基含有α、β−不飽和単量体としては、例えば2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2 −ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3 −ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2 −ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、3 −ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、4 −ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、など、又はこれらとε−カプロラクトンとの付加物
などが挙げられる。成分Bの水酸基価は20〜150m
gKOH/gになるように水酸基含有α、β−不飽和単
量体を配合する必要がある。水酸基価が20mgKOH
/g未満では充分な架橋系塗膜が形成できず、耐溶剤
性、耐候性に劣る。又、水酸基価が150mgKOH/
gを超えると、樹脂の極性が高くなりすぎ、塩素化ポリ
オレフィン樹脂(成分A)との相溶性が低下し、塗料の
安定性、塗膜外観、耐湿性が低下する。成分Bには水酸
基含有α、β−不飽和単量体と共に、水酸基を含有しな
いα、β−不飽和単量体を適量配合することができる。
かかるα、β−不飽和単量体としては、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、i −プロピル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i −ブチ
ル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレンなどが挙げられる
が、成分Aの塩素化ポリオレフィン樹脂との相溶性を考
慮すると側鎖に環構造を有するα、β−不飽和単量体、
すなわち、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シク
ロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレートなどが好ましい。
【0013】成分Bの共重合の場合、有機溶剤としてト
ルエン、キシレン、ソルベントナフサなどの炭化水素
系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコール
モノメチルエーテルなどのエステル系、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などのケト
ン系溶剤などのような一般に塗料用として使用されてい
る有機溶剤を使用することができる。又、当該共重合反
応の重合開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、t−ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサ
イド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイドなどのような有機過酸化物や、アゾビスイ
ソブチロニトリル系化合物を使用することができる。
【0014】本発明の水酸基含有ビニル共重合体(成分
B)の共重合は共重合用単量体成分のみの溶液重合か、
又は同様の共重合反応を塩素化ポリオレフィン樹脂(成
分A)の存在下で行う塩素化ポリオレフィン樹脂へのグ
ラフト共重合によって行うことができる。後者のグラフ
ト共重合反応を行った場合、通常は成分Aと成分B並び
に塩素化ポリオレフィン樹脂に成分Bの共重合ポリマー
連鎖がグラフトしたグラフトポリマーの混合物として得
られる。本発明の組成物においては、上記グラフト共重
合反応で得られた樹脂単独を、又はこれに成分A及び/
又は成分Bを添加したものを本発明の「成分A+成分
B」として使用することができる。
【0015】本発明のベースコートに用いられるセルロ
ースアセテートブチレートグラフトビニル共重合体(成
分C=成分Ca(ビニル共重合体部分)+成分Cb(セ
ルロースアセテートブチレート部分))に用いられるセ
ルロースアセテートブチレートは、セルロースの部分ア
セチル化物を更にブチルエーテル化して得られるセルロ
ース誘導体であり、アセチル基含有率が1〜34重量
%、ブチル基含有率が16〜60重量%で、ASTM−
D−13431−54Tに記載された測定法による粘度
が0.005〜5秒の範囲に入るものである。
【0016】このようなセルロースアセテートブチレー
トの具体的な例としては、イーストマン、ケミカル社製
のCAB−551−9.91,CAB−551−0.
2,CAB−531−1,CAB−500−1,CAB
−381−0.1,CAB−381−0.5,CAB−
381−2(いずれも商品名)などがある。セルロース
アセテートブチレートにビニル単量体をグラフト共重合
させる方法は種々提案されている(例えば、特開昭56−
163159号、特開昭50−48032 号、特開昭60−110712号、
特開昭63−137967号、特開昭64−54013 号など)。この
場合も成分Aの塩素化ポリオレフィン樹脂との相溶性を
考慮すると、α、β−不飽和単量体として側鎖に環構造
を有するもの、すなわち、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソ
ボルニル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
【0017】本発明のベースコートに用いられる水酸基
と反応可能な架橋剤(成分D)としてはメラミン樹脂、
尿素樹脂、グアナミン樹脂などのアミノプラスト樹脂、
及ぴイソシアネートプレポリマーあるいはそのブロック
体を使用することができる。
【0018】本発明のべースコートにおける成分の割合
は、成分D以外の樹脂が重量比で成分A/成分B+成分
Ca/成分Cb=5〜50/84〜30/1〜20で使
用される。成分Aが5%未満では被塗物であるポリオレ
フィン系樹脂成形品に対する付着性が低下する。又、5
0%を超えると成分Bが相対的に少なくなり充分な架橋
塗膜が出来ず、耐ガソリン性、耐湿性、仕上がり外観性
が低下する。成分Cbが1%未満では塗装後の粘度上昇
が小さく、光輝剤の配向が乱れ、ベースコートとクリヤ
ーコートとの界面で混じり合いが生じ、仕上がり外観性
が低下する。又、20%を超えると塗料使用時の塗装固
形分が低下し、塗装作業性が低下する。
【0019】成分Dは(成分A+成分B+成分C)/成
分D=95〜50/5〜50の範囲で使用される。成分
Dが5%未満では充分な架橋塗膜が出来ず、耐ガソリン
性、耐湿性が低下する。又、50%を超えると未反応の
低分子量樹脂が多くなり、塗装後の粘度上昇が小さく、
光輝剤の配向が乱れ、ベースコートとクリヤーコートと
の界面で混じり合いが生じ、仕上がり外観性が低下す
る。
【0020】本発明に用いられるベースコートには、必
要に応じて光輝剤、顔料、溶剤及ぴ添加剤などを配合す
ることができる。光輝剤としてはアルミニウム粉、銅粉
などの金属粉末や二酸化チタンコートマイカ、雲母状酸
化鉄、硫化ニッケル粉などが挙げられる。顔料としては
二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機着
色顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッドな
どの有機着色顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、合
成シリカなどの無機体質顔料、および有機染料が挙げら
れる。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤、沈降防止剤、表面調製剤、などが挙げ
られる。
【0021】本発明に用いられるクリヤーコートは水酸
基含有樹脂と、水酸基と反応可能な架橋剤を主要樹脂成
分とする。水酸基含有樹脂には特に制限はないが、仕上
がり外観性、耐候性などの性能面からビニル共重合体が
好ましい。架橋剤としてはベースコートと同様に、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂などのアミノプラ
スト樹脂、及びイソシアネートプレポリマーあるいはそ
のブロック体が使用することができる。該クリヤーコー
トは上記ベースコート上に塗装され、ベースコート塗膜
の色調、光輝感を透視できるように透明クリヤー又は顔
料分の少ないカラークリヤーで供給される。
【0022】本発明の塗装方法は、まず初めにポリオレ
フィン系樹脂成形品を必要に応じて公知の脱脂洗浄処理
を施した後、上記ベースコートを塗装し、焼き付けする
ことなく、その上にクリヤーコートを塗装し、同時に焼
き付ける。塗装の方法については特に制限はされない
が、ベースコート及びクリヤーコート共に、エア霧化塗
装、静電エア霧化塗装、回転静電霧化塗装、エアレス塗
装などが用いられる。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。%及び部は、重量%及び重量部を示す。 (アクリル樹脂の調製)攪幹機、還流用冷却機、温度
計、及びモノマー滴下装置を備えたフラスコに表1の配
合に準じてトルエン994部、を仕込み攪拌しながら1
00℃に加温する。続いてシクロヘキシルメタクリレー
ト400部、n−ブチルメタクリレート484部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート116部、及びt−ブチ
ルパーオキシベンゾエート5部の混合液を2時間かけて
滴下し、更に1時間同温度で攪拌を続けた。最後に80
℃に冷却してアゾビスイソブチロニトリル1部を加えて
5時間攪拌を続け、アクリル樹脂を得た。アクリル樹脂
の樹脂固形分は50%で、水酸基価は50であった。
【0024】(セルロースアセテートブチレートグラフ
トアクリル樹脂−1の調製)攪幹機、還流用冷却機、温
度計、及ぴモノマー滴下装置を備えたフラスコにキシレ
ン680部、セルロースアセテートブチレート(CAB
551−0.2;イーストマンケミカル社製、商品名)
100部、無水フタル酸8部、ジブチルスズジラウレー
ト2部を仕込み、徐々に昇温させながらセルロースアセ
テートブチレートを溶解させキシレンの還流温度(14
0℃)まで加熱する。還流温度に2時間保ち、シクロヘ
キシルメタクリレート492部、n−ブチルメタクリレ
ート286部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1
04部、グリシジルメタクリレート8部、及ぴt−ブチ
ルパーオキシベンゾエート5部の混合液を滴下装置より
3時間かけて滴下し、更に3時間同温度で攪拌を続け
た。最後に80℃に冷却してアゾビスイソブチロニトリ
ル1部を加えて5時間攪拌を続け後、酢酸ブチル314
部を加え室温まで冷却した。得られたセルロースアセテ
ートブチレートグラフトアクリル樹脂−1の樹脂固形分
は50%であった。
【0025】(セルロースアセテートブチレートグラフ
トアクリル樹脂−2の調製)セルロースアセテートブチ
レートグラフトアクリル樹脂−2は表1の組成でセルロ
ースアセテートブチレートグラフトアクリル樹脂−1と
同様に調製した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1 〔ベースコートの調製〕アルミペースト(アルペースト
1700NL、固形分65%、東洋アルミ(株)製、商
品名)15部をキシレン15部で溶解し、塩素化ポリプ
ロピレン樹脂A(ハードレン15LLB;塩素含有率3
0%、樹脂固形分30%、東洋化成(株)製、商品名)
59部、水酸基含有ビニル共重合体(成分B)としてア
クリル樹脂53部、セルロースアセテートブチレートグ
ラフトアクリル樹脂−1 88部とイソシアネートプレ
ポリマー(デュラネートTHA−100;NCO含有率
21%、樹脂固形分100%、旭化成工業(株)製、商
品名)12部を混合し、モダフロー(アクリル共重合
体、樹脂固形分100%、モンサント(株)製、商品
名)を加える。この塗料をキシレン/酢酸n−ブチル=
1/1のシンナーで13秒(フォードカップ#4、20
℃)に調製した。
【0028】〔試験片の作成〕イソプロピルアルコール
を含浸させた布でワイプした150×70×0.3mm
のポリプロピレン系樹脂素材の試験片に、上記で調製し
たベースコートを乾燥後の膜厚が20μになるように2
ゲートで塗装し、室温で5分放置後、その上にプライマ
ックNo.8000クリヤー(2液型アクリル/イソシ
アネート樹脂系クリヤー;日本油脂(株)製、商品名)
を乾燥後の膜厚が35μになるように塗装し、80℃で
30分加熱乾燥し、24時間後、塗膜性能試験を実施し
た。
【0029】実施例2〜11、比較例1〜8 表2及び表3に示す配合に準じて実施例1と同様に試験
板を作成し、塗膜性能試験を実施し、表4及び表5に示
す結果を得た。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 注; 1)「ハードレン15LLB」塩素含有率30%、樹脂
固形分30%、東洋化成(株)製、商品名 2)「ハードレンBS−40」塩素含有率40%、樹脂
固形分50%、東洋化成(株)製、商品名 3)「スーパークロン507」塩素含有率66%、樹脂
固形分40%、日本製紙(株)製、商品名 4)「CAB551−0.2」樹脂固形分100%、、
イーストマンケミカル(株)製、商品名 5)「デュラネートTHA−100」NCO含有率21
%、樹脂固形分100%、旭化成工業(株)製、商品名 6)「デスモジュールTPLA2759」NCO含有率
8.9%、樹脂固形分75%、住友バイエルウレタン
(株)製、商品名 7)「ユーバン122」ブチル価メラミン樹脂、樹脂固
形分60%、三井東正化学(株)製、商品名 8)「プライマックNo.8000クリヤー」アクリル
/イソシアネート樹脂系クリヤー;日本油脂(株)製、
商品名 9)「プライマックNo.5600クリヤー」アクリル
/メラミン樹脂系クリヤー;日本油脂(株)製、商品名
【0032】〔性能試験〕 (吹き付け作業性)当該塗料を2ゲートで塗装し、塗装
膜厚が15μ以上の場合を合格とし、15μ未満の場合
を不合格とした。
【0033】(相溶性)樹脂成分のみ(成分A、成分
B、成分C及び成分D)を混合してガラス板に塗布し、
10分間室内に放置した後、80℃で加熱乾燥し、塗膜
の透明性を確認した。塗膜が濁り、透明性に異常の認め
られたものを不合格とした。
【0034】(仕上がり外観性)目視判断により、塗膜
に良好なツヤを有し、著しい肌荒れがなく、アルミ配向
むら、艶引け等のないものを合格とした。
【0035】(付着性)JISK5400(1990.
8.5.2)の碁盤目テープ法により、碁盤目100の
残数で示した。100/100を合格とし、100/1
00未満を不合格とした。
【0036】(耐ガソリン性)20℃のレギュラーガソ
リン(ニッセキシルバーガソリン、日本石油(株)製、
商品名)中に試験片を30分浸漬し、取り出し後の塗面
状態の観察を行い、塗面状態に異常の認められないもの
を合格とし、それ以外を不合格とした。
【0037】(耐湿性)試験片を50℃、98%RHの
恒温恒温槽内に240時間放置した後取り出し、塗面状
態の観察を行い、塗面状態に異常の認められないものを
合格とし、それ以外を不合格とした。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】表4及び表5の結果から明らかなように、
本発明の実施例1〜11では相溶性、吹き付け作業性、
仕上がり外観性、付着性、耐ガソリン性、耐湿性などの
本塗膜に要求される諸性能において極めて良好な結果を
示した。それに反して、比較例1では、樹脂中の成分A
である塩素化ポリオレフィン樹脂の含有量が50%を超
えるため仕上がり外観性、耐ガソリン性、耐湿性に劣
る。比較例2では、樹脂中の成分Aの含有量が5%未満
のため、ポリオレフィン系樹脂成形品との付着性が劣
る。比較例3では、塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含
有量が50%を超えるため、ポリオレフィン系樹脂成形
品との付着性が劣る。比較例4では、成分Cbのセルロ
ースアセテートブチレートグラフトアクリル様脂中のセ
ルロースアセテートブチレート量が1%未満のため、仕
上がり外観性に劣る。比較例5では、成分Cbの量が2
0%を超えるため、塗装時の固形分が低くなり吹き付け
作業性に劣る。比較例6では、樹脂中の成分Dの架橋剤
量が5%未満のため架橋が不十分で耐ガソリン性、耐湿
性に劣る。比較例7では樹脂中の成分Dである架橋剤量
が50%を超えるため、塗装後の粘度上昇が小さく仕上
がり外観性に劣る。比較例8では、セルロースアセテー
トブチレート樹脂がアクリル樹脂とグラフトせずにその
まま混合しているために樹脂の相溶性、仕上がり外観性
に劣る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリオレ
フィン系樹脂成形品の塗装方法は構成されるものである
から、ポリプロピレン系樹脂素材によって成形されたバ
ンパーなどの自動車外装部品の表面に、従来のような特
別の表面処理やプライマー塗装を施すことなく、直接2
コート1べーク塗装が可能である。そのため、塗装効
率、塗料管理、経費節減などの利点も多く、しかも仕上
がり外観性、付着性、耐ガソリン性、耐湿性などに優れ
た塗膜を形成することができるので有用性が極めて大で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大津 広志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE10 CA13 CA40 CA44 CA47 CA48 DB36 DC13 EA43 EB07 EB13 EB22 EB32 EB38 EB45 EB56 EC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化率が10〜50重量%の塩素化ポ
    リオレフィン樹脂(成分A)と、水酸基含有ビニル共重
    合体(成分B)と、セルロースアセテートブチレートグ
    ラフトビニル共重合体(成分C=成分Ca(ビニル共重
    合体部分)+成分Cb(セルロースアセテートブチレー
    ト部分))と、水酸基と反応可能な架橋剤(成分D)か
    らなり、重量比で成分A/成分B+成分Ca/成分Cb
    =5 〜50/84〜30/1 〜20で、(成分A+成分
    B+成分C)/成分D=95〜50/5 〜50の範囲で
    含有しているベースコートをポリオレフィン系樹脂成形
    品に直接塗装し、ついでその上にクリヤーコートを塗装
    して同時に焼き付けすることを特徴とするポリオレフィ
    ン系樹脂成形品の塗装方法
  2. 【請求項2】 成分Dの水酸基と反応可能な架橋剤がア
    ミノプラスト樹脂、イソシアネートプレポリマー、又は
    そのブロック体である、請求項1項記載のポリオレフィ
    ン系樹脂成形品の塗装方法。
  3. 【請求項3】 ベースコートが、光揮剤、顔料、溶剤及
    び添加剤を含有する、請求項1記載の塗装方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004123990A (ja) * 2002-10-04 2004-04-22 Sakata Corp 収縮ラベル用印刷物の製造方法および収縮ラベル用印刷物
JP2004175858A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Sakata Corp シュリンク包装用印刷インキ組成物、シュリンク包装用印刷物の製造方法およびシュリンク包装用印刷物

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JP2004175858A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Sakata Corp シュリンク包装用印刷インキ組成物、シュリンク包装用印刷物の製造方法およびシュリンク包装用印刷物

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