JP2004002558A - クリヤー塗料組成物、クリヤー積層塗膜、及び、自動車ホイールの防汚処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルの固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、及び、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有するクリヤー塗料組成物、クリヤー積層塗膜、及び自動車用ホイールの防汚処理方法。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリヤー塗料組成物、クリヤー積層塗膜、及び自動車用ホイールの防汚処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明を解決しようとする課題】
自動車の車輪には、軽量化や美観のためアルミニウム又はその合金からなる自動車用ホイールが使用される。雨の日のドライブ、舗装されていない道路を走ったりすると、自動車用ホイールは、汚れてくる。特に凹凸の意匠を有するものは汚れが甚だしい。そこで、自動車用ホイールは汚れ難いことが所望される。
【0003】
また、自動車用ホイールには、路上に落ちている鉄粉が突き刺さり、美観を損なうことがある。更に、自動車用ホイールは、自動車本体と比べて汚れ易いので、高圧水や高温、高圧蒸気による洗浄に耐えることができることが所望される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は表面が汚れ難く、たとえ汚れても高圧水や高温、高圧蒸気による洗浄に耐えることができ、また、鉄粉突き刺さりを防止することができる、クリヤー塗料組成物、クリヤー積層塗膜、及び自動車用ホイールの防汚処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために本発明においては、トップクリヤー層に、防汚処理剤として作用するラダーシリコーンオリゴマーと、表面が高硬度のマイクロゲルとを併用することとした。
【0006】
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) 塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルの固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有することを特徴とするクリヤー塗料組成物。
【0008】
(2) 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、上記に記載のクリヤー塗料組成物。
【0009】
(3) 基材上に形成された塗装膜表面と、この塗装膜表面上に、塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルの固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有するクリヤー塗料組成物を塗布、硬化させて形成したクリヤー塗膜と、からなることを特徴とするクリヤー積層塗膜。
【0010】
(4) 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、上記に記載のクリヤー積層塗膜。
【0011】
(5) 自動車用ホイールの塗装膜表面に、塗膜形成性樹脂及び硬化剤の固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有するクリヤー塗料組成物を塗布、硬化させることを特徴とする自動車用ホイールの防汚処理方法。
【0012】
(6) 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、上記に記載の自動車用ホイールの防汚処理方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明のクリヤー塗料組成物及びクリヤー積層塗膜は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材、特に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる自動車用ホイールを基材としてその表面に行われるのが好ましい。
【0014】
[前処理]
アルミニウム基材に対しては、まずアルカリ脱脂を行い、次に、化成処理が行われるのが一般的である。
【0015】
[プライマー塗膜]
次に、プライマー塗膜を形成するのが一般的である。プライマー塗膜では、溶剤プライマー系を用いてもよいし、粉体プライマー系を用いてもよいし、ゾル系を用いてもよい。溶剤プライマー系では、10乃至30μmの膜厚にするのが好ましい。そして、焼付けした後かW/Wで中塗り塗装か、或いは、中塗り塗装を省略してカラーベース塗装を行うのが好ましい。
【0016】
[中塗り塗膜]
プライマー塗装等の下地工程を経た後、その面を平らにし、かつ上塗り塗料の吸込みを防ぎ、仕上がりを良くするための塗料をいう。一般的にはポリエステルメラミン型、アルキドメラミン型があるが、中塗り塗装は省略することもできる。
【0017】
[カラーベース塗膜]
プライマー塗膜又は中塗り塗膜の上にカラーベース塗膜を形成する。カラーベース塗膜には、特に制限がない。
【0018】
[ビヒクル]
カラーベース塗膜又は中塗り塗膜に含まれるビヒクルは、塗膜成分が分散するものであって、塗膜形成性樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
【0019】
上記ビヒクルを構成する塗膜形成性樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)エポキシ樹脂、(e)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記塗膜形成性樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常、硬化性を有するタイプのものが使用される。上記ビヒクルは架橋剤を含んでいてもよい。
【0020】
[光輝性顔料]
カラーベース塗膜には光輝性顔料を使用することができる。このようなものとして、従来から塗料用として常用されているものが挙げることができる。
【0021】
[着色顔料]
カラーベース塗膜には着色顔料を使用する。このようなものとして、従来から塗料用として常用されているものが挙げることができ、有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、および金属錯体顔料が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ベンガラ、酸化チタン、およびカーボンブラックが挙げられる。
【0022】
カラーベース塗膜には、上記各成分の他に、ポリアミドワックスやポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(マイクロゲル)等を適宜添加することができる。
【0023】
カラーベース塗膜または中塗り塗膜を基材上に塗装する方法は特に限定されないが、スプレー法が好ましく、また、複数回塗装することも可能である。乾燥膜厚は、中塗り塗膜が20〜40μm、カラーベース塗膜が10〜30μmの範囲であることが好ましい。
【0024】
[クリヤー塗料組成物]
本発明では、クリヤー塗料組成物を上塗り塗料として用いることに特徴がある。下塗り塗料、中塗り塗料としては、従来のものを好適に用いることができる。
【0025】
クリヤー塗料組成物は、塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルを含有する。ビヒクルは、ラダーシリコーンポリマーおよび透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを分散させるものである。
【0026】
上記ビヒクルを構成する塗膜形成性樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
【0027】
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0028】
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0029】
上記アルキド樹脂(c)としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させることによって得られたアルキド樹脂を用いることができる。
【0030】
上記フッ素樹脂(d)としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
【0031】
上記エポキシ樹脂(e)としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)等が挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
【0032】
上記ポリウレタン樹脂(f)としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
【0033】
上記ポリエーテル樹脂(g)としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂が挙げられる。また上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、または、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂が挙げられる。
【0034】
また、上記塗膜形成性樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤ないし硬化剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成性樹脂と硬化性を有するタイプとを併用することも可能である。
【0035】
また、特公平8−19315号公報に記載された、カルボキシル基含有ポリマーとグリシジル基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料組成物は、酸性雨に対する耐性が大きいので、ビヒクルとして好ましく用いられる。
【0036】
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成性樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成性樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成性樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成性樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成性樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0037】
本発明のクリヤー塗料組成物は、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを含有する。
【0038】
アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーとしては、例えば、商品名「サンフルーレLS190」(昭和電工社製)、商品名「サンフルーレLS112」(昭和電工社製)等が用いられる。「サンフルーレLS190」には、(メタ)アクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマー10〜15質量%とその他のアクリルモノマーの共重合物で水酸基価(固形分換算)が100であり、固形分は50%である。
【0039】
アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーは、側鎖基にアクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を含有し、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基以外の置換基としては炭素数1〜18のアルキル基、置換アルキル基、フェニル基、置換フェニル基を含有していてもよい。また、側鎖基に少量のグリシジル基、アミノ基が導入されてもよい。
【0040】
架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、上記の塗膜形成性樹脂が有する官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーが好ましく用いられ、特に、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、グリシジル基、アミン基、イソシアネート基のいずれかの官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーの一種又は二種以上が用いられる。
【0041】
上記水酸基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等が挙げられ、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、酸無水物基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられ、グリシジル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられ、アミン基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、アクリルアミド、メタアクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタアクリルアミド、アルコキシメチロールアクリルアミド、アルコキシメチロールメタアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、トリブチルアミノエチルメタクリルアミド、オキサゾリジノエチルメタクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、ジメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられ、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとして、例えば、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、HDI、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。好ましくは、水酸基、またはグリシジル基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーである。
【0042】
ラダーシリコーンオリゴマーと、所定のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとの配合割合は、ラダーシリコーンオリゴマー10〜90質量%と、所定のエチレン性不飽和結合を有するモノマー90〜10質量%が好ましく、ラダーシリコーンオリゴマー20〜80質量%と、所定のエチレン性不飽和結合を有するモノマー80〜20質量%が更に好ましい。ラダーシリコーンオリゴマーが10質量%未満だと、防汚効果が少ない。一方、ラダーシリコーンオリゴマーが90質量%を超えると、リコート性が悪くなる。また、ラダーシリコーンポリマー含有量が、ビヒクルの固形分100質量部に対して、0.01質量部未満であると、防汚効果が少なく、2質量部を超えるとリコート性が悪くなる。
【0043】
本発明のクリヤー塗料組成物は、透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを含有し、マイクロゲルは、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む。マイクロゲルの表面は硬度が高いので、鉄粉の突き刺さりを抑制することができる。また、タレ性能が改善され、少ない塗装回数で厚塗りが可能となる。
【0044】
本発明で用いるマイクロゲルは、エチレン性不飽和結合を有するモノマーと、架橋性共重合モノマーとを公知の方法で水性媒体中で乳化重合して架橋重合体微粒子を含むエマルジョンをつくり、水を溶剤置換、共沸、遠心分離、ロ過、乾燥等によって除去することによって得られる。乳化重合は公知の乳化剤および/または分散剤を用いて実施してもよいが、両性イオン基を有する乳化剤を使用するのが好ましい。けだしマイクロゲルは塗料組成物へ加えた時、その粒径によって構造粘性が異なるので均一な粒径を得ることが重要であるが、両性イオン基を有する乳化剤の使用により均一な粒径のマイクロゲルが得られ易いからである。
【0045】
マイクロゲルの製造に用いることのできるエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルや、これと共重合し得るエチレン性不飽和結合を有する他のモノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどがある。これらモノマーは二種類以上用いてもよい。
【0046】
架橋性共重合モノマーとしては、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーおよび/または相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基含有モノマーを含む。
【0047】
分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、および2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物などがあり、それらの例としては以下のような化合物がある。
【0048】
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレ−ト、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート、トリアクリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、トリアクリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレートおよびジビニルベンゼン。
【0049】
さらに架橋目的のモノマーとして分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに、あるいは所望によりそれらと共に、相互に反応し得る基をそれぞれ担持する2種のエチレン性不飽和基を有するモノマーを使用することもできる。例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等のグリシジル基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール、メタアリルアルコールなどのヒドロキシル基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマーと、ビニルイソシアナート、イソプロペニルイソシアナートなどのイソシアナート基を有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーなどがあげられる。しかしながらこれら以外にも相互に反応し得る基を各々担持する任意の組合わせの2種のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。
【0050】
マイクロゲルを構成するエチレン性不飽和結合を有するモノマーは、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマーを含んでいてもよく、その例としては、カルボキシル基含有モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などがあり、ヒドロキシル基含有モノマー、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアルコール、メタクリルアルコールや含窒素系としてアクリル酸アミドやメタクリル酸アミドなどがある。
【0051】
マイクロゲル中のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーが30質量%未満では、鉄粉の突き刺さり抑制効果が少ないので好ましくない。
【0052】
マイクロゲルが1質量部未満では、鉄粉の突き刺さり抑制効果が少ない。一方、マイクロゲルが10質量部を越えると、塗膜の平滑性が低下し、見栄えが悪くなり、商品性に乏しい。
【0053】
架橋重合体微粒子の光屈折率(nDd)は、皮膜形成性樹脂の光屈折率(nDa)に対して|nDd−nDa|≦0.05の範囲であることが好ましく、|nDd−nDa|≦0.03の範囲であることが更に好ましい。この範囲を超えるものについては特に縦面のズリボケが発生したり、光沢低下が見られ、仕上がり外観が不良となる。この範囲内のときには、マイクロゲルが皮膜形成性樹脂の内部で透明に見える。皮膜形成性樹脂の光屈折率は、皮膜形成性樹脂を30〜50μm膜厚のクリヤーフイルムにした後Abbe Refractometer(ATAGO株式会社製)で、α−ブロモナフタレンを媒体にして20℃にて測定した。
【0054】
架橋重合体微粒子(マイクロゲル)の光屈折率nDdは下記の式により求める。
【0055】
nDd=ΣC1n1,C2n2......Cmnm
【0056】
ただし、C1,C2......Cmはマイクロゲルを構成する各モノマーの重量分率C1+C2+......Cm=1)であり、n1,n2......nmは各モノマーの単独ポリマーの20℃での屈折率である。
【0057】
本発明に使用するマイクロゲルは、均一構造のものでも、または粒子内に層構造を持つ多層構造のものでもよい。多層構造の場合は、最終表面層を塗膜における周囲の皮膜形成性重合体とのマイクロゲル全体としての屈折率の差が|nDd−nDa|≦0.05の範囲になるよう調製し、内側の層は他の機能、例えば構造粘性を持たせるための層とするなど、いわゆる機能分担化されたマイクロゲルとすることができる。
【0058】
そして、マイクロゲルの粒径は、0.01〜10μmのコロイド寸法の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、0.02〜5μmである。
【0059】
【実施例】
[被塗基材の調製]
JIS A5052Pのアルミニウム板(0.8mm厚、70mm×150mm)にクロム酸クロメートを使用して化成処理した後、プライマーとしてパウダックスA−400クリヤー(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が50乃至150μmとなるように静電塗装した。次いで、被塗物表面温度、160℃で20分間焼き付けた。
【0060】
次いで、光輝性顔料入りのスーパーラック5000AS−33シルバー(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が10〜20μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃にて20分間焼付けた。
【0061】
[ラダーシリコーンポリマー]
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた3リットルの反応槽に、キシレンを50質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを400質量部仕込み、130℃に昇温した。上記の容器に、滴下ロートを用いベオバー9(シェル化学(株)製、炭素数9個の分枝構造をもつ合成飽和モノカルボン酸のビニルエステル)を200質量部、メタクリル酸グリシジルを229質量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチルを231質量部、メタクリル酸シクロヘキシルを240質量部、アクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマー「サンフルーレLS112」(昭和電工社製)200質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを120質量部およびキシレンを150質量部からなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり130℃に保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを10質量部及びキシレンを20質量部からなる溶液を30分間滴下した。この滴下終了後、さらに1時間の間130℃にて反応を継続させ、不揮発分60%、数平均分子量4700、エポキシ基当量625、水酸基当量623の水酸基とエポキシ基とラダーシリコーンとを含有する溶液状のポリマーを得た。
【0062】
[両イオン性基を有する乳化剤の製造]
攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デカンターを備えた2リットルコルベンに、ビスヒドロキシエチルタウリン134部、ネオペンチルグリコール130部、アゼライン酸236部、無水フタル酸186部およびキシレン27部を仕込み、昇温する。反応により生成する水をキシレンと共沸させ除去する。
【0063】
還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が145になるまで攪拌と脱水を継続し、次に140℃まで冷却する。次いで140℃の温度を保持し、「カージユラE10」(シエル社製のバーサテイック酸グリシジルエステル)314部を30分で滴下し、その後2時間攪拌を継続し、反応を終了する。得られるポリエステル樹脂は酸価59、ヒドロキシル価90、Mn1054であった。
【0064】
[マイクロゲルの製造例(1層粉末)]
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた1リットルの反応容器に、脱イオン水232部、上記で得た両性イオン基を有する乳化剤として作用するポリエステル樹脂10部およびジメチルエタノールアミン0.75部を仕込み、攪拌下温度を80℃に保持しながら溶解し、これにアゾビスシアノ吉草酸4.5部を脱イオン水45部とジメチルエタノールアミン4.3部に溶解した液を添加する。次いでメチルメタクリレート70.7部、n−ブチルアクリレート94.2部、スチレン70.7部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30部およびエチレングリコールジメタクリレート4.5部からなる混合溶液を60分間かけて滴下する。滴下後さらにアゾビスシアノ吉草酸1.5部を脱イオン水15部とジメチルエタノールアミン1.4部に溶かしたものを添加して80℃にて60分間攪拌を続けたところ、不揮発分45%、pH7.2、粘度92cps(25℃)のエマルジョンが得られる。このエマルジョンを噴霧乾燥してマイクロゲルを得た。粒径は0.8μmであった。
【0065】
マイクロゲルの屈折率は、前記式を用いて求めた結果、1.510であった。但し各単量体の単独ポリマーの屈折率は下記の値を用いた。
【0066】
[ポリメチルメタクリレート =1.489]
[ポリスチレン =1.591]
[エチレングリコールジメタクリレート =1.506]
[ポリ−n−ブチルアクリレート =1.466]
[2−ヒドロキシエチルメタクリレート =1.512]
【0067】
[皮膜形成性樹脂組成物としてのアクリル樹脂の製造例]
攪拌器、温度制御装置、デカンターを備えた容器を用いて、キシレン57部、n−ブタノール6部を仕込み、次いで下記の組成の溶液の内、20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。
【0068】
[スチレン 30.0部]
[エチルヘキシルメタクリレート 45.2部]
[エチルヘキシルアクリレート 5.5部]
[2−ヒドロキシエチルメタクリレート 16.2部]
[メタクリル酸 3.1部]
[アゾビスイソブチロニトリル 4.0部]
【0069】
還流させながら上記混合溶液の残り84部を2時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部、キシレン23部、n−ブタノール14部からなる溶液を20分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて反応を終了し、不揮発分50%、数平均分子量3400のアクリル樹脂ワニスを得た。屈折率を測定したところ、1.521であった。
【0070】
[実施例1〜4、並びに、比較例1及び2]
上記で得たアクリル樹脂ワニス100質量部と、表1に示す量のラダーシリコーンポリマーと、上記で得たマイクロゲル6質量部を混合し、クリヤーコート塗料を得た。この塗料では、前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|=|1.521−1.510|=0.011であった。
【0071】
この塗料を乾燥膜厚20〜30μmになるように中塗り塗装をされた上記アルミニウム板に塗装し、被塗物表面温度140℃にて20分間焼付けた。こうしてクリヤー塗膜を有するアルミニウム板を形成した。このアルミニウム板に対して、汚れ除去性を評価した。結果を表1に示す。
【0072】
[汚れ除去性]
卵製のアルブミン3%水溶液を作成し、この溶液の水滴0.2ミリリットルを滴下し、50℃、湿度30%で1時間接触後、水道水で溶液の水滴を拭き取り、24時間後の積層塗膜表面を目視評価した。
【0073】
{○:痕跡が観察されない。}
{△:かすかに痕跡が観察される。}
{×:明確に痕跡が観察される。}
【0074】
【表1】
【0075】
[実施例5〜7、比較例3]
実施例2と同様にして、クリヤー塗膜を有するアルミニウム板を得た。ただし、ラダーシリコーンポリマーに含まれているエチレン性不飽和結合を有するモノマー、即ち、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの含有量を表2のように変化させた。得られたアルミニウム板に対して、実施例1〜4、並びに、比較例1及び2と同様に、汚れ除去性を評価した。結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
[実施例8〜11、並びに、比較例4及び5]
実施例2と同様にして、クリヤー塗膜を有するアルミニウム板を得た。ただし、クリヤー塗膜中のマイクロゲル含有量は、表3に示すように変化させた。
【0078】
[平滑性]
目視で、積層塗膜の平滑性を判断した。
{○:すべすべしていた}
{△:平滑性の低下(塗膜の凹凸がみられる)}
{×:平滑性かなり低下(塗膜の凹凸が著しい)}
【0079】
[鉄粉付着性]
鉄粉が積層塗膜にどれだけ刺さりやすいかを目視で判断した。積層塗膜が形成されたアルミニウム板の表面に鉄粉をほぼ均等に撒いた。
【0080】
{○:すべすべしていた。}
{△:一部、ざらざらした。}
{×:ざらざらしていた。(適宜、変更して下さい)}
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】
本発明のクリヤー塗料組成物では、ラダーシリコーンポリマーと、透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルとを併用しているため、この防汚処理液を外面に塗布し、防汚処理層として作用するクリヤー塗膜を形成した自動車用ホイールは、高圧水や高温、高圧蒸気による洗浄に耐えることができ、また、鉄粉突き刺さりを防止することができる。
Claims (6)
- 塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルの固形分100質量部に対して、
アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、
1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有することを特徴とするクリヤー塗料組成物。 - 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、請求項1に記載のクリヤー塗料組成物。
- 基材上に形成された塗装膜表面と、この塗装膜表面上に、塗膜形成性樹脂及び硬化剤からなるビヒクルの固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有するクリヤー塗料組成物を塗布、硬化させて形成したクリヤー塗膜と、からなることを特徴とするクリヤー積層塗膜。
- 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、請求項3に記載のクリヤー積層塗膜。
- 自動車用ホイールの塗装膜表面に、塗膜形成性樹脂及び硬化剤の固形分100質量部に対して、アクリロキシアルキル基及び/又はメタクリロキシアルキル基を含有するラダーシリコーンオリゴマーと架橋性官能基を含有するエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合することにより得られるラダーシリコーンポリマーを0.01〜2質量部、並びに、1分子中に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーを30質量%以上含む透明性アクリル樹脂系及び/又はメタクリル樹脂系マイクロゲルを1〜10質量部含有するクリヤー塗料組成物を塗布、硬化させることを特徴とする自動車用ホイールの防汚処理方法。
- 前記マイクロゲルの光屈折率(nDd)は、前記ビヒクルの光屈折率(nDa)に対して、|nDd−nDa|≦0.05の範囲である、請求項5に記載の自動車用ホイールの防汚処理方法。
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JP2007260541A (ja) * | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Steel Corp | プレコート金属板及びその製造方法 |
JP2008184025A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Toyota Motor Corp | 自動車用ホイールの汚染防止方法および自動車用ホイール |
JP2010036138A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Nissan Motor Co Ltd | 薄膜構造 |
JP2017159217A (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 関西ペイント株式会社 | 複層塗膜形成方法 |
JP2019026689A (ja) * | 2017-07-27 | 2019-02-21 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット記録用白色インク |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002160303A patent/JP2004002558A/ja active Pending
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