JP3874401B2 - 下塗用塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装時の固形分が高く、且つ乾燥性、下地隠蔽性に優れた塗膜が形成できる、特に自動車補修分野おいて有用な下塗用塗料組成物及びこれを用いた補修塗装方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
従来より、自動車外板などの補修塗装は、通常、損傷箇所の旧塗膜の剥離処理やサンディング後、該箇所に鈑金パテをへら等で厚盛りに付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次いでこの上に樹脂パテを該箇所周辺の旧塗膜までかかるようにへら等で付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次いでこの上にプライマ−サ−フェ−サ−塗装、上塗り塗装を順次行う、などの非常に多くの工程からなる。特にパテ付け〜プライマ−サ−フェ−サ−塗装の工程は、損傷部のひずみを消して車体を元の形に整える、いわゆる面出し工程であるため、パテの種類を何段階かにわたって塗布する場合もあり、また仕上り性確保の点から各塗装ごとにその塗装面を研磨するため多大な労力と時間を費やしている。また線または点状の軽微なキズの補修でも、このキズの部分中心にその周囲の広い面積にわたってサンディングを行った後、そのサンディング部分にパテ付けを行っている。
【0003】
上記鈑金パテや樹脂パテは、両者の特長を生かすため、通常、両者を併用する必要があり、しかも塗布面が粗いため、鈑金パテでは荒い目の耐水ペーパーで研磨されるので、該パテ塗面には顔料類などが削りとられた跡やペーパー目が残り、その上に塗布される樹脂パテやプライマーサーフェーサー塗面は、さらに細かい目の耐水ペーパーで研磨しなければならなかった。
【0004】
このように補修塗装時間の短縮のためには、パテ付け〜プライマ−サ−フェ−サ−塗装の工程を簡略化し、研磨時間の短縮、また上塗り塗装までの時間を短縮することが求められている。
【0005】
そこでプライマーサーフェーサーに、パテ面の不具合部分(不十分な研磨によるペーパー目など)を十分に隠蔽できるよう厚膜形成可能なる機能を付与することでパテ工程、研磨作業を簡略化することが考えられるが、乾燥性と耐溶剤性などの塗膜性能とのバランスが困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアクリルポリオール、顔料及び樹脂微粒子を用いてイソシアネートリッチな2液型塗料とすることで、スプレー塗装時の固形分が高く厚膜形成可能で、塗装後短時間で硬化が進み、下地隠蔽性や耐溶剤性に優れた塗膜が形成でき、これによって研磨作業や上塗り塗装までの時間が短縮可能で、軽微な傷であればパテ工程も簡略化できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち本発明は、(A)水酸基価が30〜85で、重量平均分子量が1000〜30000であるアクリル樹脂、(B)体質顔料及び/又は着色顔料、(C)樹脂微粒子、(D)ポリイソシアネート化合物、及び(E)硬化触媒を含有する塗料組成物であって、該(A)成分中の水酸基1当量に対し、(D)成分中のイソシアネート基が2.0〜4.0当量の割合であって、該(B)成分の含有量が樹脂固形分100重量部に対し100〜500重量部で、且つ該(C)成分が(B)成分の重量に対して固形分で0.1〜5重量%となるよう配合されることを特徴とする下塗用塗料組成物、及びこれを用いた補修塗装方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においてアクリル樹脂(A)は、水酸基価が30〜85、好ましくは40〜70で、重量平均分子量が1000〜30000、好ましくは3000〜20000であるアクリル樹脂である。該水酸基価が30未満では塗膜性能が低下し、一方85を超えると塗装時の固形分が低下し、また重量平均分子量が1000未満では、形成される塗膜性能が著しく低下し、一方30000を越えると塗料粘度が高くなり、塗装時の固形分が低下するため好ましくない。またアクリル樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が40〜90℃の範囲内であることが乾燥性向上の点から望ましい。
【0009】
該アクリル樹脂(A)を構成する単量体としては、水酸基を有するアクリル単量体を必須とし、他のアクリル単量体及びまたはビニル単量体を用い、これらの単量体を通常のラジカル重合によって重合させて得ることができる。水酸基を有する単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルにε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が1〜10モル付加したラクトン変性α、β−エチレン性不飽和単量体等を挙げることができる。また、他のアクリル単量体及び又はビニル単量体としては例えばメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。通常のラジカル重合とは例えば溶液重合を挙げることができる。
【0010】
本発明において顔料(B)としては、例えばタルク、マイカ、硫酸バリウム、カオリン、炭酸カルシウム、クレ−、シリカ、石英、ガラスなどの体質顔料が使用でき、さらにチタン白、ベンガラ、カ−ボンブラック、鉄黒などの着色顔料も含むことができる。該顔料(B)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対し100〜500重量部、好ましくは150〜350重量部の範囲内である。該含有量が100重量部未満では、研磨作業性が劣り、一方500重量部を超えると上塗り塗装後の仕上り性が低下するので好ましくない。該顔料(B)の分散には、顔料分散剤を用いることが望ましく、特に3級アミノ基含有分散剤が分散ペーストの低粘度化の点から好適に使用できる。
【0011】
本発明において樹脂微粒子(C)としては、従来公知のポリマ−ビ−ズなどの樹脂粒子や前記モノマ−類の重合物を微細に粉砕したもの、さらにゲル化重合体微粒子(例えば、特開昭51−126287号公報、特開昭53−133233号公報、特開昭53−133236号公報、特開昭56−76447号公報、特開昭58−129065号公報参照)などが挙げられ、特にジビニルモノマ−を含むモノマ−混合物をアリル基含有反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるゲル化重合体微粒子(例えば、特開平3−66770号公報参照)が(A)及び(B)成分に対する分散性に優れるので好適に使用できる。
【0012】
該ゲル化重合体微粒子の製造に用いられるジビニルモノマ−としては、例えばエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−トなどが挙げられ、その他のモノマ−としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル、水酸基含有モノマ−、スチレンなどの従来公知の重合性不飽和モノマ−が挙げられ適宜選択されるものである。また乳化重合時の重合開始剤として水溶性アゾアミド化合物などを用いることができる。
【0013】
上記樹脂微粒子(C)の粒径は、特に制限なく適宜選択できるが、通常30μm以下、、好ましくは0.05〜10μmの範囲内が適当である。粒径の調整は、従来公知の方法で行え、例えば上記ゲル化重合体微粒子であれば反応性乳化剤の種類や量を調整することで可能である。
【0014】
樹脂微粒子(C)は、上記(B)成分の重量に対して固形分で0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%となるように配合される。該樹脂微粒子(C)の該配合割合が5重量%を越えて多いと組成物の粘度が高くなり作業性が低下し、一方0.1重量%未満では特に高温環境下での塗料貯蔵時に(B)成分に対する沈降防止効果が得られず好ましくない。
【0015】
本発明においてポリイソシアネート化合物(D)としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上、好ましくは3個有するポリイソシアネート化合物である。その具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソフォロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタ−テトラメチルキシリレンシジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートト、リジンジイソシアネ−ト等のポリイソシアネート化合物、またはこれらポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられ、これらは1種用いても良いし2種以上組み合わせて用いても良い。
【0016】
本発明においては、前記(A)成分と上記記(D)成分とを、(A)成分中の水酸基1当量に対し、(D)成分中のイソシアネート基が2.0〜4.0当量、好ましくは2.2〜3.5の割合になるように配合するのである。この(D)成分の割合が2.0当量未満では、塗膜の硬化が不十分で上塗り塗料に含まれる溶剤に対して溶解しやすく、4.0当量を越えると塗膜の乾燥性が著しく低下するので好ましくない。
【0017】
本発明において硬化触媒(E)としては、従来公知のウレタン化触媒が特に制限なく適用でき、例えば硝酸ビスマス、オレイン酸鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、四塩化チタン、二塩化ジブチルチタン、テトラブチルチタネート、三塩化鉄、オクチル酸亜鉛などの金属化合物や第3級アミンなどが挙げられる。該硬化触媒(E)の含有量は、樹脂固形分に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%が適当である。該含有量が0.1重量%未満では 塗膜の硬化が不十分で上塗り塗料に含まれる溶剤に対して溶解しやすく、一方10重量%を越えると、主剤と硬化剤の混合後の粘度上昇が急激であるため好ましくない。
【0018】
本発明組成物には、さらに有機溶剤、繊維素誘導体、非水分散樹脂、またジメチルポリシロキサン共重合物等のレベリング剤などの塗料用添加剤を適宜配合することができる。
【0019】
かくして得られる本発明組成物は、2液型組成物であり、一般に塗装直前に(A)、(B)、(C)及び(E)成分を含有する主剤と(D)成分を含有する硬化剤とを混合して使用に供される。また本発明組成物は上記組成によって、塗装時の固形分を55〜70%と高くすることが可能である。
【0020】
本発明では、さらに上記組成物を下地塗装に用いた補修塗装方法を提供するものである。
【0021】
本発明方法に適用できる補修塗膜は、例えば自動車や家庭電気製品などの外板部に塗装された塗膜があげられ、このものは下塗り塗膜、中塗り塗膜(省略されることもある)および上塗り塗膜からなる複層塗膜であることが多い。また、該塗膜はソリッドタイプおよびメタリックタイプのいずれでもよい。これらの複層塗膜の合計膜厚は硬化塗膜で通常50〜300μの範囲であることが多い。これらの塗膜は三次元に架橋硬化または非架橋のいずれでもよい。
【0022】
本発明方法では、まず、塗膜の損傷部分を削り取り、損傷部を中心に必要によりその周囲までサンディングを行った後に、必要に応じて脱脂する。線傷や点傷等であれば、該脱脂部分に直接本発明組成物を塗装することができ、損傷によっては、削り取り部分に各種パテを充填した後、本発明組成物を塗装することができる。パテの充填はヘラを用いるなどにより、それ自体既知の方法で行える。パテとしては、従来公知の鈑金パテや樹脂パテなどであり、例えば硝化綿系、アクリル樹脂系、エポキシアクリレ−ト樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ウレタン樹脂系などが挙げられる。パテを塗布した場合には、これを乾燥させてから、該パテ面を研磨することが好ましいが、本発明組成物が良好な下地隠蔽性を有するので、研磨面が荒くても良い。
【0023】
本発明組成物の塗装は、従来公知の塗装方法が採用でき、特にスプレー塗装が好適である。塗装膜厚は、乾燥膜厚で50〜500μmの範囲内であり、厚膜塗装が可能である。
【0024】
本発明組成物による塗膜を乾燥後、必要により研磨し、上塗り塗装を行なう。該上塗り塗装には、メタリック顔料及び/又は着色顔料を配合してなるベース塗料のみを使用する1コート仕上げ、あるいは該ベース塗料とクリヤー塗料とを使用する2コート仕上げなど従来公知の塗装があり、これらにはアクリルラッカ−、ウレタン硬化型塗料、フッ素樹脂系塗料などの通常補修用に使用されている有機溶剤系、水系等の上塗り塗料が特に制限なく使用でき、特にウレタン硬化型塗料が好適である。
【0025】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0026】
アクリル樹脂の製造
反応器に温度計、サ−モスタット、攪拌機、還流冷却器、滴下ポンプを備え付け、それにキシレン42部、酢酸ブチル10部を仕込み、攪拌しながら110℃まで昇温し、スチレン10部、メチルメタクリレート10部、n−ブチルメタクリレート5部、i−ブチルメタクリレート60部、メタクリル酸1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14部及びアゾビスイソブチロニトリル2.3部からなる単量体及び重合開始剤の混合物を110℃以下で滴下用ポンプを利用して3時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後60分間110℃に保ち、攪拌を続けた。その後、追加触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を酢酸ブチル7部に溶解させたものを60分間かけて一定速度で滴下した。そして滴下終了後60分間110℃に保持し、反応を終了した。得られた水酸基含有アクリル樹脂溶液は、不揮発分55%、ガ−ドナ−粘度Xの均一な透明溶液であった。またアクリル樹脂の重量平均分子量は18000、水酸基価は60 、Tg60℃であった。
【0027】
樹脂微粒子の製造
攪拌装置、温度計、冷却管及び加熱マントルを備えた1リットルフラスコに、脱イオン水3547.5部と「ラテムルS−120A」(花王社製、スルホコハク酸系アリル基含有アニオン性反応性乳化剤、50%水溶液)40部を加えて攪拌しながら90℃まで昇温した。次いでこの中に「VA−086」(和光純薬工業社製、水溶性アゾアミド重合開始剤)12.5部を脱イオン水500部に溶解した水溶液の20%を加えた。15分後にスチレン300部、メチルメタクリレ−ト400部、n−ブチルアクリレ−ト200部、1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト100部からなるモノマ−混合物の5%を加え、30分間攪拌した。その後、さらに残りのモノマ−混合物及び重合開始剤水溶液の滴下を開始し、モノマ−混合物の滴下は3時間で、重合開始剤水溶液の滴下は3.5時間かけてそれぞれ行ない、その間90℃に保持した。重合開始剤水溶液の滴下終了後、さらに30分間90℃に保持してから室温に冷却し、濾布を用いて取り出し、固形分20%の水性ゲル化微粒子重合体水分散液を得た。その粒径は72nmであった。これをステンレスパット上で乾燥させ樹脂微粒子Gを得た。
【0028】
下塗用塗料組成物の作成
実施例1
上記にて製造した固形分55%のアクリル樹脂溶液25部に、上記樹脂微粒子Gを0.3部、キシレン22部、第3級アミノ基含有顔料分散剤2.6部、チタン白10部、タルク15部、硫酸バリウム10部、炭酸カルシウム15部、ジブチル錫ジラウレート0.1部を順次配合し混合・攪拌し、30分間分散処理をし主剤を得た。該主剤100部に、硬化剤として「デュラネートTPA90EK」(旭化成社製、ポリイソシアネート化合物)を40部使用直前に混合し下塗用塗料組成物を得た。
【0029】
実施例2〜4比較例1〜3
実施例1において、表1の配合組成とする以外は実施例1と同様の操作で各下塗用塗料組成物を得た。
【0030】
上記で得られた各塗料組成物の主剤について、40℃で6ヶ月間貯蔵後の塗料状態を評価した。◎は、全く異常なし、○は多少増粘してるが、顔料の沈降や凝集はない、×は顔料が沈降・凝集し、ハードケーキになっている、を夫々示す。
【0031】
【表1】
【0032】
塗装
実施例5〜8及び比較例4〜6
300×100×0.8mmの軟鋼板をP240空研ぎペーパーで研磨し、その上に表2に示すように各下塗用塗料組成物をパテ兼プライマーサーフェーサーとして塗装時固形分70%となるよう粘調し乾燥膜厚で約200μmとなるようにスプレー塗装して、20℃で60分間乾燥した後、P600ペーパーで水研磨した。その上に、「PG2KメタリックベースNo123」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型ベースコート塗料)を乾燥膜厚で15μmとなるようにスプレー塗装し、10分間静置後60℃で10分間乾燥させ、ついで「PG2K Mクリヤー」(関西ペイント社製、ウレタン硬化型クリヤー塗料)を乾燥膜厚で40〜50μmとなるようにスプレー塗装し、60℃で20分間強制乾燥させて各試験塗板を得た。
【0033】
実施例9〜12及び比較例7〜9
300×100×0.8mmの軟鋼板に、「LUCポリパテ」(関西ペイント社製、不飽和ポリエステルパテ)をヘラにて厚さ約2mmとなるように盛り付け、室温で60分間乾燥させた後、該塗面をP120空研ぎペ−パ−で表面をならすように研磨してから、該塗面上に表3に示すように各下塗用塗料組成物をプライマーサーフェーサーとして塗装時固形分50%となるよう粘調し乾燥膜厚で約60μmとなるようにスプレー塗装して、20℃で60分間乾燥した後、P600ペーパーで水研磨した後、「アクリック2101メタリックベ−ス」(セルロ−スアセテ−トブチレ−ト変性アクリルラッカ−、エアゾ−ルタイプ、関西ペイント社製)を乾燥膜厚約20μmになるよう塗装し、室温で10分間放置後、「PG2Kワンパッククリヤ−」(ウレタン硬化型クリヤ−、エアゾ−ルタイプ、関西ペイント社製)を乾燥膜厚約40μmになるよう塗装し乾燥させて各試験塗板を得た。
【0034】
性能試験
得られた各試験塗板を下記性能試験に供した。結果を表2及び表3に示す。
(*1)研磨性:各試験塗板作成時のプライマーサーフェーサー表面をP600ペーパーで研磨した時の研磨感を評価した(○:良好、△:若干からみあり、×:かなりからみあり)。
(*2)下地隠蔽性:実施例9〜12及び比較例7〜9の試験塗板について、パテ研磨時のサンドペーパー傷の消え具合を上塗り塗膜面の状態を観察して評価した(○:ペーパー傷の影響は全く認められない、△:ペーパー傷の影響が多少認められる、×:ペーパー傷が消えず仕上り性が低下)。
(*3)上塗り適性:各試験塗板の上塗り塗膜面のツヤ感を観察した(○:良好、△:若干ツヤ感が低下、×:かなりツヤ感が低下、吸い込み跡が認められる)。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のアクリルポリオール、顔料及び樹脂微粒子を用いてイソシアネートリッチな2液型塗料とすることで、スプレー塗装時の固形分が高く厚膜形成可能で、塗装後短時間で硬化が進み、下地隠蔽性や耐溶剤性に優れた塗膜が形成でき、これによって研磨作業や上塗り塗装までの時間が短縮可能で、軽微な傷であればパテ工程も簡略化できるものである。また本発明組成物は、高顔料濃度でも、高温環境下での貯蔵安定性に優れ、顔料沈降・凝集などの不具合が生じることがない。本発明組成物は、特に自動車補修用塗料分野のプライマーサーフェーサー用組成物、さらにはスプレー可能なパテ用組成物として非常に有用な塗料組成物である。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
Claims (2)
- (A)水酸基価が30〜85で、重量平均分子量が1000〜30000であるアクリル樹脂、(B)体質顔料及び/又は着色顔料、(C)樹脂微粒子、(D)ポリイソシアネート化合物、及び(E)硬化触媒を含有する塗料組成物であって、該(A)成分中の水酸基1当量に対し、(D)成分中のイソシアネート基が2.0〜4.0当量の割合であり、該(B)成分の含有量が樹脂固形分100重量部に対し100〜500重量部で、且つ該(C)成分が(B)成分の重量に対して固形分で0.1〜5重量%となるよう配合されることを特徴とする下塗用塗料組成物。
- 補修部位に足付け修理をし、次いで下地塗装を行なった後、上塗り塗装を行なう補修塗装方法において、該下地塗装に、(A)水酸基価が30〜85で、重量平均分子量が1000〜30000であるアクリル樹脂、(B)体質顔料及び/又は着色顔料、(C)樹脂微粒子、(D)ポリイソシアネート化合物、及び(E)硬化触媒を含有する塗料組成物であって、該(A)成分中の水酸基1当量に対し、(D)成分中のイソシアネート基が2.0〜4.0当量の割合であり、該(B)成分の含有量が樹脂固形分100重量部に対し100〜500重量部で、且つ該(C)成分が(B)成分の重量に対して固形分で0.1〜5重量%となるよう配合される下塗用塗料組成物を用いてなる補修塗装方法。
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