JP2002129090A - 塗料組成物、及びこれを用いた塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗料組成物、及びこれを用いた塗装仕上げ方法

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JP2002129090A JP2000329096A JP2000329096A JP2002129090A JP 2002129090 A JP2002129090 A JP 2002129090A JP 2000329096 A JP2000329096 A JP 2000329096A JP 2000329096 A JP2000329096 A JP 2000329096A JP 2002129090 A JP2002129090 A JP 2002129090A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】広い範囲の顔料について塗料製造時においても
分散ペーストの発色性、透明性を維持し、高仕上がり性
の塗膜を得ることが可能な塗料組成物を提供する。 【解決手段】A)セルロースアセテートブチレート
(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有す
る化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セル
ロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、
4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.0
5〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー
(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せし
めてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合
体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステ
ル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリ
ル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に
(A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重
量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕上がり性、乾燥
性、硬度、付着性等に優れた塗膜を形成しうる、特にベ
ースコート用として有用な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、自動車の補修や、産
業機械、建造物、構築物、家具(鋼製も含む)等の塗
装、補修に際し、アクリルラッカ−、アクリルウレタン
塗料及びアミノアクリル樹脂塗料などが用いられてお
り、特に自動車補修用塗料の分野では、常温乾燥性の点
から、アクリルラッカ−、アクリルウレタン塗料が主に
用いられている。この分野においては、ソリッド仕上げ
やメタリック仕上げ塗装があるが、近年、光輝顔料を含
むメタリックベ−ス塗料、及びクリヤ−塗料を塗り重ね
るメタリック仕上げが主流になっており、そのベ−スコ
−トとしてラッカ−タイプの塗料が用いられる場合に
は、該ベ−スコ−トの乾燥性の点からポリエステル樹脂
とセルロ−スアセテ−トブチレ−ト(CAB)をブレン
ドしたもの、アクリル樹脂にポリエステル樹脂とCAB
をブレンドしたもの等をビヒクル主成分とした塗料が採
用されてきた。しかしながら、各成分の相溶性が不十分
であるためにソリッド原色塗料の分散性が低下し、透明
性などの仕上り性に悪影響を及ぼしたり、またメタリッ
クベ−スにおいてはフキムラ、モドリムラが生じてやは
り仕上り性が低下するなどの不具合があった。
【0003】そうした問題の方策として例えば、特開平
12−178500号公報にCABのグラフト共重合
体、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を特定割合で
使用してなる組成物が開示されている。この方法では、
各成分の相溶性が向上し、メタリックベ−スにおいても
フキムラ、モドリムラが生じることなく、良好な仕上り
性を有するが、ソリッド原色において、顔料分散ペース
トの発色性、及び透明性が良好であってもCABのグラ
フト共重合体の組成によっては、塗料製造時に透明性、
発色性が損なわれる(色安定性不良)という問題点があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、CABのグラフト共重
合体に極性基として4級アンモニウム塩基、及びウレタ
ン結合を導入することにより上記した課題を解決するこ
とを見出し、本発明に至った。
【0005】即ち本発明は、 1、 (A)セルロースアセテートブチレート(i)と
一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合物
(ii)を反応させて得られるビニル基含有セルロースア
セテートブチレート(a)50〜90重量%、4級アン
モニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.05〜5.
0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)
9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せしめてな
る4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体、
(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステル樹
脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリル樹
脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に(A)成
分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重量%、
(C)成分を5〜90重量%の割合で含有することを特
徴とする塗料組成物、 2、 セルロースアセテートブチレート(i)の数平均
分子量が20,000〜100,000である1項に記
載の塗料組成物、 3、 ビニル基含有セルロースアセテートブチレート
(a)がセルロースアセテートブチレート(i)量に対
し一分子中にイソシアネート基とビニル基を有する化合
物(ii)を1〜6重量%反応させて得られるものである
1項または2項に記載の塗料組成物、 4、 その他の重合性ビニルモノマー(c)が、メチル
(メタ)アクリレート及び/またはエチル(メタ)アク
リレートを該重合性ビニルモノマー(c)全量中に75
〜100重量%含む1項ないし3項のいずれか1項に記
載の塗料組成物、 5、 4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体
(A)の一部をセルロースアセテートブチレートに置き
換えてなる1項ないし4項のいずれか1項に記載の塗料
組成物、 6、 アクリル樹脂(C)が、(iii)アミノ基含有ビ
ニルモノマー0.1〜10重量%、(iv)酸基含有ビニ
ルモノマー0.1〜5重量%、(v)その他の共重合可
能なビニルモノマー85〜99.8重量%とを共重合せ
しめてなる1項ないし5項のいずれか1項に記載の塗料
組成物、 7、 基材面にベースコート塗料を塗装し、次いでトッ
プクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法において、該ベー
スコート塗料として(A)セルロースアセテートブチレ
ート(i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を
有する化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有
セルロースアセテートブチレート(a)50〜90重量
%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)
0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモ
ノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重
合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系
共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリ
エステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃の
アクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中
に(I)成分を5〜75重量%、(II)成分を5〜40
重量%、(III)成分を5〜90重量%の割合で含有す
る塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装仕上げ方
法、 8、 トップクリヤー塗料が、ウレタン硬化型塗料であ
る7項に記載の塗装仕上げ方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において4級アンモニウム
塩基含有変性ビニル共重合体(A)は、セルロースアセ
テートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基
とビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られる
ビニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)5
0〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノ
マー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合
性ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混
合体を共重合せしめてなるものである。
【0007】セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(i)
は、セルロ−スの部分アセチル化物をさらにブチルエス
テル化して得られるセルロ−ス誘導体であり、好ましく
はアセチル基含有量が一般に1〜30重量%で、ブチル
基含有量が一般に16〜60重量%である。具体的に
は、例えば「CAB−381−0.5」、「CAB−3
81−0.1」、「CAB−381−2.0」、「CA
B−551−0.2」(いずれも米国イ−ストマン・コ
ダック社製、商品名)などが例示できる。
【0008】本発明において、該セルロースアセテート
ブチレート(i)の数平均分子量は20,000〜10
0,000の範囲が好ましい。20,000未満では塗
料製造時における色安定性が低下し、一方、100,0
00を超えると後述の他の併用樹脂との相溶性が不良と
なり好ましくない。
【0009】一分子中にイソシアネート基とビニル基を
有する化合物(ii)は、例えば、イソシアナトエチルア
クリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベ
ンジルイソシアネート等のイソシアネート基含有ビニル
モノマー、あるいはイソシアネート基を2個有する化合
物とヒドロキシル基含有ビニルモノマーを等モルで付加
反応して得られた生成物等が使用できる。
【0010】イソシアネート基を2個有する化合物とし
ては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリ
メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジ
イソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、
1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネートなどの脂肪族系ジイソシアネート化合物、イ
ソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス
(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキ
サン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、
1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シ
クロヘキサンジイソシアネート等の脂環式系ジイソシア
ネート化合物、キシリレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート化合物が挙げられる。
【0011】ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとして
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸または
メタクリル酸のC2〜C8 ヒドロキシアルキルエステル
が挙げられる。
【0012】イソシアネート化合物とヒドロキシル基含
有ビニルモノマーの反応は、必要に応じて、溶剤、ウレ
タン化触媒の存在下で反応温度80〜95℃で行うこと
ができる。
【0013】ビニル基含有セルロースアセテートブチレ
ート(a)は、セルロースアセテートブチレート(i)
量に対し、上記一分子中にイソシアネート基とビニル基
を有する化合物(ii)を1〜6重量%反応させて得られ
るものが好適である。該化合物(ii)の量が1重量%未
満では、成分(A)中に導入されるウレタン結合が減少
するために塗料製造時に色安定性が低下し、一方、6重
量%を超えると分子量が大きくなるために合成時、ゲル
化するために好ましくない。
【0014】4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー
(b)は、例えば、2−(メタクリロイルオキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリ
ロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウ
ム(メタ)アクリレート、テトラメチルアンモニウム
(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウ
ム(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウムジメチルホスフェートなどが挙
げられる。
【0015】その他の重合性ビニルモノマー(c)は、
従来公知のビニルモノマ−類から1種又は2種以上選択
されてなるものであり、例えばメチル(メタ)アクリレ
−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)ア
クリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ
−トなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸のアルキ
ルエステル、もしくはシクロアルキルエステル、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレ−トなどの水酸基含有ビニルモノ
マ−、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−トなどが挙げら
れる。
【0016】これらのうち、その他の重合性ビニルモノ
マー(c)として、メチル(メタ)アクリレート及び/
またはエチル(メタ)アクリレートが該重合性ビニルモ
ノマー(c)全量中に、75〜100重量%含まれるこ
とがセルロ−スアセテ−トブチレ−ト(i)との相溶性
や塗膜の硬度の点から好適である。メチルメタクリレ−
ト及び/又はエチルメタクリレ−トの使用比率が75重
量%未満では、該セルロ−スアセテ−トブチレ−ト
(i)との相溶性が低下し、ワニスの濁りを生じる恐れ
があるので望ましくない。
【0017】また、上記その他の重合性ビニルモノマー
(c)として、炭素数が1〜4のアルキル基を有するヒ
ドロキシ(メタ)アクリレートを該重合性ビニルモノマ
ー(c)全量中に0〜25重量%含まれることが好適で
ある。炭素数が1〜4のアルキル基を有するヒドロキシ
(メタ)アクリレートが25重量%を超えるとセルロー
スアセテートブチレート(i)との相溶性が低下し、ワ
ニスの濁りを生じる恐れがあるので好ましくない。
【0018】上記ビニル基含有セルロースアセテートブ
チレート(a)、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノ
マー(b)、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)
の共重合は、有機アゾ系、有機過酸化物系等のラジカル
重合開始剤の存在下に、溶液重合法によって行なうこと
ができる。該ビニル基含有セルロースアセテートブチレ
ート(a)、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー
(b)、及びその他の重合性ビニルモノマー(c)の共
重合の比率は、ビニル基含有セルロースアセテートブチ
レート(a)が50〜90重量%、好ましくは60〜8
5重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー
(b)が0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜
2.5重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー
(c)が9.95〜45重量%、好ましくは12.5〜
39.9重量%の範囲が好適である。該(a)成分が5
0重量%未満であると、セルロースアセテートブチレー
ト成分が減少するために乾燥性が低下し、一方、90重
量%を越えると、塗料製造時における色安定性が低下す
るために好ましくない。該(b)成分が0.05重量%
未満では、塗料製造時における色安定性が低下し、一
方、5.0重量%を超えると該(a)成分、該(b)成
分、及び該(c)成分同士の相溶性が低下し、ワニスの
濁りを生じる恐れがあるので好ましくない。
【0019】該(c)成分が9.95重量%未満では、
該(a)成分、該(b)成分、及び該(c)成分同士の
相溶性が低下し、ワニスの濁りが生じる恐れがある上、
後述の他の併用樹脂との相溶性低下により仕上がり性が
低下し、一方、45重量%を超えると、セルロースアセ
テートブチレート成分が減少するために乾燥性が低下す
るために好ましくない。
【0020】上記4級アンモニウム塩基含有変性ビニル
系共重合体(A)は、下記式(1)で表される4級アン
モニウム塩を該変性ビニル系共重合体(A)固形分に対
して0.001〜0.05mol/Kg含有することが
好適である。
【0021】
【化1】
【0022】(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rはア
ルキル基を示す。) 上記4級アンモニウム塩量が0.001mol/Kg未
満では、塗料製造時における色安定性が低下し、一方、
0.05mol/Kgを超えると後述の他の併用樹脂と
の相溶性が低下するために好ましくない。また、該4級
アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合体(A)の1
級水酸基価は、該共重合体固形分に対し0.1〜25m
gKOH/gであることが好適である。0.1mgKO
H/g未満では架橋官能基が減少するために硬化性が低
下し、一方25mgKOH/gを超えると後述の他の併
用樹脂との相溶性が低下するために好ましくない。
【0023】このように形成された4級アンモニウム塩
基含有変性ビニル系共重合体(A)は、有機溶剤に対す
る溶解性や後述の樹脂(B)、及び/または樹脂(C)
との相溶性が著しく優れている。さらには、分子中に極
性基として4級アンモニウム塩基、及びウレタン結合を
含むため、顔料分散ペーストを該樹脂(A)を用いて塗
料化する時に顔料分散ペーストの透明性、発色性が維持
でき、色安定性が優れている。尚、本発明においては、
配合したセルロ−スアセテ−トブチレ−トの実質的に全
てがビニルモノマ−混合物と共重合していることが望ま
しいが、少量のセルロ−スアセテ−トブチレ−ト、及び
ビニルモノマ−混合物が未反応のまま、該共重合体中に
残存していても支障はない。
【0024】本発明においては、4級アンモニウム塩基
含有変性ビニル系共重合体(A)の一部をセルロースア
セテートブチレートに置き換えてもよい。該セルロース
アセテートブチレートとしては、数平均分子量が15,
000〜30,000のものが好適に使用でき、具体的
には「CAB−381−0.1」、「CAB−551−
0.2」、「CAB−551−0.01」が挙げられ
る。含有量は4級アンモニウム塩基含有変性ビニル共重
合体(A)とセルロースアセテートブチレートの固形分
の合計に対し、セルロースアセテートブチレートが80
重量%以下であることが好ましい。80重量%を超える
と塗料製造時の色安定性が低下することから好ましくな
い。
【0025】本発明においてポリエステル樹脂(B)
は、ガラス転移温度−70〜0℃、好ましくは−65〜
−10℃の樹脂であり、従来公知の多塩基酸と多価アル
コールとを主成分として常法に従って共重合することに
より得ることができる。多塩基酸としては、例えばアジ
ピン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水
フタル酸、無水マレイン酸、トリメリット酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム
などが挙げられ、多価アルコールとしては、例えばエチ
レングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、
トリメチロ−ルプロパン、ネオペンチルグリコ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ペンタエリスリト−ル、ソ
ルビト−ルなどが挙げられる。さらに必要に応じて、脱
水ひまし油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ト
−ル油脂肪酸などの脂肪酸や安息香酸などの一塩基酸、
油脂類を共重合成分として使用することができる。
【0026】該ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温
度−70℃未満では、乾燥性や硬度が著しく低下し、一
方0℃を越えるとトップクリヤ−からの架橋成分のしみ
込みが得られず付着性に悪影響を及ぼす恐れがあるので
好ましくない。
【0027】本発明においてアクリル樹脂(C)は、ガ
ラス転移温度が0〜80℃、好ましくは5〜75℃の樹
脂であり、従来公知のアクリル酸、もしくはメタクリル
酸エステルを主成分とするモノマ−混合物を溶液重合な
どの常法に従って共重合することにより得ることができ
る。
【0028】該アクリル樹脂(C)のガラス転移温度が
0℃未満では、乾燥性や硬度が低下し、一方80℃を越
えると乾燥が速すぎて塗膜の平滑性が損なわれ、トップ
クリヤ−膜の仕上り性が低下するので好ましくない。
【0029】上記アクリル樹脂(C)としては、特にア
ミノ基含有ビニルモノマー(iii)0.1〜10重量
%、酸基含有ビニルモノマー(iv)0.1〜5重量%、
その他の共重合可能なビニルモノマー(v)85〜9
9.8重量%とを共重合せしめてなるものが好適であ
り、該樹脂(C)は、顔料に対する吸着性が良好である
ために顔料分散用樹脂として使用することが好適であ
る。
【0030】アミノ基含有ビニルモノマー(iii)とし
ては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート等が挙げ
られ、これらを単独で、もしくは2種以上適宜選択して
使用できる。
【0031】酸基含有ビニルモノマー(iv)としてはア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等
が挙げられ、これらを単独で、もしくは2種以上適宜選
択して使用できる。
【0032】その他の共重合可能なビニルモノマー
(v)は先述のビニルモノマー(c)に列記の従来公知
のビニルモノマーから1種、もしくは2種以上適宜選択
できるが、イソブチルメタクリレート等、そのホモポリ
マーのガラス転移温度が高いビニルモノマーを含むこと
が好ましい。
【0033】アミノ基含有ビニルモノマー(iii)、酸
基含有ビニルモノマー(iv)、その他の共重合可能なビ
ニルモノマー(v)の使用割合は、アミノ基含有ビニル
モノマー(iii)が0.1〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%、酸基含有ビニルモノマー(iv)が
0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、その
他の共重合可能なビニルモノマー(v)が85〜99.
8重量%、好ましくは97〜99.8重量%であること
が好適である。アミノ基含有ビニルモノマー(iii)が
0.1重量%未満では、顔料分散性、塗料製造時におけ
る色安定性が低下し、一方、10重量%を超えるとワニ
スが黄変するために、仕上がり性が低下する上、その他
の併用樹脂との相溶性が不良となり、好ましくない。
【0034】酸基含有ビニルモノマー(iv)が0.1重
量%未満では、顔料分散性が不良となり、また、トップ
クリヤーを重ねた場合、トップクリヤーからの架橋成分
のしみこみによる硬化反応の触媒作用が発現しないため
に付着性が低下し、一方、5重量%を超えると、逆に硬
化が速すぎて、トップクリヤーの仕上がり性が低下する
ために好ましくない。その他の共重合可能なビニルモノ
マー(v)が85重量%未満では、他の併用樹脂との相
溶性、及び乾燥性が低下し、一方、99.8重量%を超
えると、顔料分散性が低下し、他の樹脂、特に前述の添
加用に使用するセルロースアセテートブチレートとの相
溶性が低下するために好ましくない。
【0035】本発明では、上記(A)〜(C)成分を塗
膜形成成分として、これらの合計固形分中で(A)成分
が5〜75重量%、好ましくは10〜50重量%、
(B)成分が5〜40重量%、好ましくは10〜35重
量%、(C)成分が5〜90重量%、好ましくは10〜
80重量%の割合となるように含有せしめる。該(A)
成分の含有割合が5重量%未満では、フキムラ、モドリ
ムラが発生し、仕上がり性が不十分であり、一方、75
重量%を越えると、トップクリヤーとの層間付着性が低
下するために好ましくない。また該(B)成分の含有割
合が5重量%未満では、基材面との付着性が低下し、4
0重量%を越えると、乾燥性、硬度が低下するので好ま
しくない。該(C)成分の含有割合が5重量%未満で
は、硬化触媒として作用する酸基含有ビニルモノマー
(iv)の減少により硬度が低く、トップクリヤーとの層
間付着性が低下し、90重量%を超えるとフキムラ、モ
ドリムラが発生するために好ましくない。
【0036】本発明では、さらに必要に応じて、特開平
12−178500号公報に記載のアシッドホスホキシ
エチル(メタ)アクリレ−ト、アシッドホスホキシプロ
ピル(メタ)アクリレ−トなどのリン酸基含有ビニルモ
ノマ−、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの水酸基
含有ビニルモノマ−、及びその他の共重合可能なビニル
モノマ−を溶液重合などの公知の方法で共重合せしめて
なる共重合体を、付着性の向上や特にメタリックベ−ス
の場合のメタルのモドリムラ防止の点から配合すること
ができる。
【0037】本発明組成物は、エナメル塗料として適用
した場合に優れた発色性を有する塗膜を得ることができ
るが、これら塗料を製造するにあたっては、着色顔料、
体質顔料、金属粉顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化
防止剤、表面調整剤、顔料分散剤、硬化触媒などの塗料
用添加剤を適宜組み合わせて配合することができる。
【0038】着色顔料としては、酸化チタン等の白色顔
料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブ
ラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラッ
クなどの黒色顔料、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノ
アゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロ
ー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソイ
ンドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジ
ンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、パー
マネントオレンジ等の橙色顔料、赤色酸化鉄、ナフトー
ルAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニ
ルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、
ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネ
ントレッド等の赤色顔料、コバルト紫、キナクリドンバ
イオレット、ジオキサジンバイオレット等の紫色顔料、
コバルトブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルー
などの青色顔料、フタロシアニングリーンなどの緑色顔
料などが挙げられる。
【0039】体質顔料としては、バリタ粉、沈降性硫酸
バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシム、石膏、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸
マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、マ
イカ粉などが挙げられる。
【0040】金属粉顔料および金属光沢顔料としては、
アルミニウム粉、ブロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛
末、リン化鉄、パール状金属コーティング雲母粉、マイ
カ状酸化鉄などが挙げられる。
【0041】本発明組成物では、これら顔料のなかでも
特にキナクリドン、ペリレンマルーン、ジケトピロロピ
ロール系の赤色顔料やフタロシアニンブルー、スレンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレ
ット等の比較的粒子が小さい顔料種において塗料製造時
の色安定性に優れ、透明性、発色性が優れた塗膜を得る
ことができる。また、顔料としてカーボンブラックを使
用した場合も、塗料製造時の色安定性に優れ、漆黒性に
優れた塗膜を得ることができる。
【0042】本発明組成物においては、該(A)成分、
該(B)成分、該(C)成分のそれぞれを、もしくはこ
れらの混合物を顔料分散樹脂として使用することが可能
であるが、先に述べた通りアクリル樹脂(C)を顔料分
散樹脂として使用することが好適である。
【0043】また本発明組成物は、1液形として、また
ポリイソシアネ−ト化合物等の架橋剤を使用する2液形
塗料組成物として用いてもよい。
【0044】また、本発明は、基材面にベ−スコ−ト塗
料を塗装し、次いでトップクリヤ−塗料を塗装する塗装
仕上げ方法において、該ベ−スコ−ト塗料として、上記
の通り得られる本発明の塗料組成物を用いてなる塗装仕
上げ方法を提供するものである。
【0045】上記基材面としては、主に金属又はプラス
チック素材に通常のプライマ−塗装が施されたものが挙
げられ、例えば電着塗装や中塗り塗装が施された自動車
車体、或いは自動車車体の補修塗装面が挙げられる。
【0046】該基材面に本発明の塗料組成物を、通常、
乾燥膜厚で5〜80μmの範囲となるよう塗装し、ベ−
スコ−ト塗膜が得られる。該ベ−スコ−ト塗膜はトップ
クリヤ−塗料を塗装する前に硬化させてもよいし、ベ−
スコ−ト塗膜上にトップクリヤ−塗料をウェットオンウ
ェットで塗装することもできる。
【0047】本発明方法に用いられるトップクリヤ−塗
料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、
主として有機溶剤型塗料(非水分散型を含む)や粉体塗
料が挙げられ、例えば水酸基などの架橋性官能基を有す
るアクリル樹脂やフッ素樹脂と(ブロック)ポリイソシ
アネ−トやメラミン樹脂などの架橋剤とを主成分とする
硬化型塗料、あるいはセルロ−スアセテ−トブチレ−ト
変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカ−塗料などが
好適に使用できる。特にトップクリヤ−塗料としてウレ
タン硬化型塗料を用いた場合、トップクリヤ−塗膜から
ベ−スコ−ト塗膜中にイソシアネ−ト成分が一部しみ込
んでくるので、ベ−スコ−ト中に使用する4級塩含有変
性ビニル系共重合体(A)、ポリエステル樹脂(B)、
及びアクリル樹脂(C)が水酸基を含有する場合にベ−
スコ−ト塗料中に架橋剤成分を用いなくともよいので好
適である。またベ−スコ−ト中に先述のリン酸基を含有
する共重合体が含まれると、そのしみ込みを促進するの
で好適である。
【0048】また該トップクリヤ−塗料には、必要に応
じて、重合体微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、表面調整剤、消泡剤などの塗料用添加剤を配合す
ることができる。該トップクリヤ−塗料による塗膜は、
乾燥膜厚で20〜100μmの範囲が適当である。
【0049】塗装方法はベ−スコ−ト塗料、トップクリ
ヤ−塗料とも通常のスプレ−塗装、静電塗装などが採用
されるがその他の塗装方式についても特に制限はない。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を意味する。
【0051】4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共
重合体(A)の製造 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた反
応器に下記成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で加熱し、
約4時間かけて110℃まで昇温した。 酢酸ブチル 600部 「CAB−381−0.5」(注1) 200部 110℃に昇温後、「CAB−381−0.5」が完全
に溶解したことを確認した後、加熱を停止し、減圧下で
酢酸ブチルを133部を留去させた。反応器内の温度は
87℃であった。この温度を維持しながらイソホロンジ
イソシアネートと2ヒドロキシエチルアクリレートとの
等mol付加反応物の90%酢酸ブチル溶液を11.1
部、重合禁止剤としてp-t-ブチルカテコール0.02
部、およびウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレ
ート0.02部を反応器に投入し、87℃で7時間、乾
燥空気下で熟成させて、不飽和基含有セルロースアセテ
ートブチレート溶液を得た。次いで、反応器内にn−ブ
タノールを15部を加え、反応温度を115℃に昇温
し、下記のビニルモノマーと重合開始剤の混合溶液を2
時間にわたって滴下した。 n−ブタノール 50部 酢酸ブチル 65部 2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド 1.8部 メチルメタクリレート 58.2部 t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 2部 滴下終了後、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ
エートを0.5部、酢酸ブチル20部の混合溶液を1時
間かけて滴下し、窒素雰囲気下で115℃で1時間熟成
した。不揮発分30%、4級アンモニウム塩基含有量
0.032mol/Kgの4級アンモニウム塩基含有変
性ビニル系共重合体溶液を得た。
【0052】(注1)「CAB−381−0.5」:商
品名、イーストマン・コダック社製、セルロースアセテ
ートブチレート、数平均分子量30,000。
【0053】ポリエステル樹脂(B)の製造 加熱装置、温度計、攪拌機、精留塔及び水分離器の付属
した還流冷却器を備えた反応器に下記成分を仕込み加熱
し、3時間かけて160℃から230℃まで昇温させ
た。 ヘキサヒドロ無水フタル酸 26.7部 アジピン酸 28部 ネオペンチルグリコ−ル 5.3部 1,6−ヘキサンジオ−ル 40部 これを230℃で1時間保ち、生成した縮合水(7.4
部)を精留塔を用いて留去させた。次いでキシレンを5
部加え、キシレンと縮合水を還流させ水分離器を用いて
水を取り除いた。キシレン添加の2時間後から、酸価を
測定し始め、酸価が2以下になったところで120℃ま
で冷却した後、キシレン/酢酸ブチル=1/1の混合溶
剤で不揮発分70%となるよう希釈し、ポリエステル樹
脂溶液を得た。該樹脂溶液のガ−ドナ−粘度はT、樹脂
の重量平均分子量は20,000、水酸基価は55mg
KOH/g、ガラス転移温度は−60℃、DBR(二塩
基酸比)は0.95であった。
【0054】アクリル樹脂(C)の製造 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下用ポンプを備えた
反応器に、酢酸ブチル25部、キシレン43部を仕込
み、攪拌しながら110℃まで昇温し、下記モノマ−混
合物と重合開始剤の混合液を、110℃で約3時間かけ
て一定速度で滴下した。 イソブチルメタクリレート 59.75部 メチルメタクリレート 10部 イソステアリルアクリレート 10部 ジメチルアミノエチルメタクリレート 1部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 19部 メタクリル酸 0.25部 t-ブチルパ−オキシ-2-エチルヘキサノエ−ト 1.2部 滴下終了後1時間110℃に保ち、攪拌を続けた。その
後、追加触媒としてアゾビスジメチルバレロニトリル
0.5部をキシレン14部に溶解させたものを1時間か
けて一定速度で滴下した。そして、滴下終了後1時間1
10℃に保ち、反応を終了した。得られたアクリル共重
合体溶液は、不揮発分55.0%、ガ−ドナ−粘度XY
の均一で透明な溶液であり、該共重合体の重量平均分子
量は23,000、水酸基価は82mgKOH/g、ガ
ラス転移温度は56℃であった。
【0055】分散ペーストの製造 上記製造例で得たアクリル樹脂溶液(C)を下記表1に
示す配合量で配合し、さらに「CINQUASIA M
agenta R RT−355D」(商品名、チバ・
スペシャル・ケミカルズ社製、キナクリドン系赤色顔
料)、「BYK−160」(商品名、BYK−chemi
e社製、顔料分散剤)、キシレン、酢酸ブチルを表1に
示す配合で加え、ディスパーで約20分間攪拌した後、
サンドミルで分散し、顔料分散ペースト(P1)、(P
2)を得た。各分散ペースト(P1)、(P2)を塗装
膜厚が50μmとなるようにドクターブレードにてガラ
ス板上に塗装し、分散ペースト単独での発色性を目視評
価した(○:良好、△:やや不良、×:不良)。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1〜4、及び比較例1〜4 上記製造例で得た4級アンモニウム塩基含有変性ビニル
共重合体溶液、ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶
液、及び分散ペースト(P1)、(P2)を各々表2に
示す配合量で配合し、そこにキシレン、酢酸ブチルを同
表に示す配合量で加え、ディスパーで約20分間攪拌
し、赤原色の塗料を作成した。
【0058】上記各塗料について、塗装膜厚50μmと
なるようにドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装し、そ
の発色性を目視評価した(○:良好、△:やや不良、
×:不良)。次に、上記各塗料を、温度20℃、湿度7
5%の恒温恒湿室中で、塗装膜厚100μmとなるよう
にドクタ−ブレ−ドにてガラス板に塗装し、指で触って
塗料が指に付かなくなるまでの時間(指触乾燥時間)を
測った。
【0059】
【表2】
【0060】(注2)「CAB−551−0.2」:商品
名、イーストマンコダック社製、セルロースアセテート
ブチレート、数平均分子量 30,000。
【0061】塗装 実施例5〜8、及び比較例6〜10 上記で得た各赤原色塗料80重量部と、「レタンPGパ
ールリキッド213ファインレッド」(商品名、関西ペ
イント社製、パール原色のアクリル系塗料、固形分3
6.7%)20重量部を配合した赤パールベース塗料
を、トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=5
0/20/10/20の組成のシンナ−で11〜12秒
(フォ−ドカップ#4/25℃)に希釈、粘調し、さら
にクリヤ−塗料として「レタンPG2Kクリヤ−M」
(商品名、関西ペイント社製、水酸基含有アクリル樹脂
系塗料)100重量部に対して「レタンPG2K硬化
剤」(商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート系硬化剤)50重量部を添加してなるもの
を上記組成のシンナ−で13〜14秒(フォ−ドカップ
#4/25℃)に希釈、粘調して、塗装に供した。
【0062】ブリキ板上に、市販のラッカ−プライマ−
サ−フェ−サ−を40μm塗装し、室温にて30分間乾
燥後に#400耐水研磨紙で研磨した。この上に上記で
粘調した赤パールベ−ス塗料を乾燥膜厚で30μmにな
るようにスプレ−塗装し、フキムラを調査した。さらに
赤パールベ−ス塗料の指触乾燥後、上記で粘調したクリ
ヤ−塗料を乾燥膜厚で40μm及び80μmになるよう
にスプレ−塗装し、両方の塗膜を比較してモドリムラを
評価した(〇:ムラなし、△:ムラ僅かにあり、×:ム
ラが著しい)。結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、特定の4級アンモニウ
ム塩基、及びウレタン結合を有するセルロースアセテー
トブチレートの変性ビニル系共重合体、ポリエステル樹
脂、及びアクリル樹脂を特定割合で配合してなる組成物
が、塗料製造時においても色安定性が良好であり、広い
範囲の顔料ペーストの発色性、透明性を良好に維持でき
る。該組成物によれば、フキムラ、モドリムラが生じる
ことなく、良好な仕上がり性の塗膜を形成し得るもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 157/06 C09D 157/06 175/04 175/04 // C08F 290/02 C08F 290/02 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA02 CA13 CB06 DA06 DB01 DB31 DC01 DC05 DC11 DC15 DC38 EA07 EA43 EB07 EB16 EB20 EB22 EB35 EB38 EB45 EB52 EB53 EB56 4J027 AG02 AG26 AH00 BA07 BA13 CB04 CC02 CD08 4J038 BA061 BA062 CG141 CH031 CR071 CR072 DD062 DD072 DD122 DD172 DG111 DG191 DG291 GA01 GA06 GA08 GA09 GA11 MA13 MA14 NA01 NA11 NA12 NA23 PA12 PB05 PB06 PB07 PB12 PC02 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)セルロースアセテートブチレート
    (i)と一分子中にイソシアネート基とビニル基を有す
    る化合物(ii)を反応させて得られるビニル基含有セル
    ロースアセテートブチレート(a)50〜90重量%、
    4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー(b)0.0
    5〜5.0重量%、及びその他の重合性ビニルモノマー
    (c)9.95〜45重量%を含む混合体を共重合せし
    めてなる4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系共重合
    体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0℃のポリエステ
    ル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜80℃のアクリ
    ル樹脂を塗膜形成成分として、その合計固形分中に
    (A)成分を5〜75重量%、(B)成分を5〜40重
    量%、(C)成分を5〜90重量%の割合で含有するこ
    とを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 セルロースアセテートブチレート(i)
    の数平均分子量が20,000〜100,000である
    請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 ビニル基含有セルロースアセテートブチ
    レート(a)がセルロースアセテートブチレート(i)
    量に対して一分子中にイソシアネート基とビニル基を有
    する化合物(ii)を1〜6重量%反応させて得られるも
    のである請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 その他の重合性ビニルモノマー(c)
    が、メチル(メタ)アクリレート及び/またはエチル
    (メタ)アクリレートを該重合性ビニルモノマー(c)
    全量中に25〜100重量%含む請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 4級アンモニウム塩基含有変性ビニル系
    共重合体(A)の一部をセルロースアセテートブチレー
    トに置き換えてなる請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 アクリル樹脂(C)が、(iii)アミノ
    基含有ビニルモノマー0.1〜10重量%、(iv)酸基
    含有ビニルモノマー0.1〜5重量%、(v)その他の
    共重合可能なビニルモノマー85〜99.8重量%とを
    共重合せしめてなる請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の塗料組成物。
  7. 【請求項7】 基材面にベースコート塗料を塗装し、次
    いでトップクリヤー塗料を塗装する仕上げ方法におい
    て、該ベースコート塗料として(A)セルロースアセテ
    ートブチレート(i)と一分子中にイソシアネート基と
    ビニル基を有する化合物(ii)を反応させて得られるビ
    ニル基含有セルロースアセテートブチレート(a)50
    〜90重量%、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマ
    ー(b)0.05〜5.0重量%、及びその他の重合性
    ビニルモノマー(c)9.95〜45重量%を含む混合
    体を共重合せしめてなる4級アンモニウム塩基含有変性
    ビニル系共重合体、(B)ガラス転移温度−70℃〜0
    ℃のポリエステル樹脂、及び(C)ガラス転移温度0〜
    80℃のアクリル樹脂を塗膜形成成分として、その合計
    固形分中に(I)成分を5〜75重量%、(II)成分を
    5〜40重量%、(III)成分を5〜90重量%の割合
    で含有する塗料組成物を塗装することを特徴とする塗装
    仕上げ方法。
  8. 【請求項8】 トップクリヤー塗料が、ウレタン硬化型
    塗料である請求項7記載の塗装仕上げ方法。
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