JP7153589B2 - トップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線などの活性エネルギー線で硬化するトップコート用の塗料組成物に関する。
建築分野で用いられる化粧材は、例えば木質材料や窯業系材料の上に、化粧シートの貼り付けや化粧層の塗装が施され、その上には一般的に化粧層の保護を兼ねた仕上げ層として、トップコート層が設けられる。そして、そこで用いられる樹脂としては、硬化速度が速く生産性に優れる活性エネルギー線硬化型の樹脂が選択されることも多い。トップコート層には、仕上げ外観が良好であることに加えて、耐摩耗性、高硬度、耐薬品性、防汚性、耐スリップ性等、使用される用途により様々な特性が求められている。
こうした樹脂として、例えば消臭性のトップコートとして、アクリレート系オリゴマーと紫外線硬化硬化モノマーと光ラジカル重合開始剤と酸化チタン微粒子消臭性成分を含有する樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。また耐汚染性や耐摩耗性に優れた組成物として、2官能ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とポリシロキサン変性ウレタン(メタ)アクリレート樹脂およびエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有する樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。しかしながら、仕上がり外観に優れ、下地塗料と高い密着性を維持しつつ、鉛筆強度が高く、又テーバー摩耗試験でも高い耐摩耗性を有するという点では改善の余地があった。
特開2006‐199780号公報 特開2017‐057297号公報
本発明の目的は、下地塗料との密着性に優れ、クラックが発生しにくく、高い鉛筆強度と共に耐摩耗性が良好である、トップコートに適した活性エネルギー線硬化型の塗料組成物を提供することにある。
請求項1の発明は、イソシアヌレート骨格を有する(メタ)アクリレート(A)と、(A)を除く多官能(メタ)アクリレート(B)と、疎水性ナノシリカ(C)と、ガラスフィラー(D)と、光重合開始剤(E)と、を含み、前記(D)の平均粒径が5~18μmであることを特徴とするトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
請求項2の発明は、前記(A)がウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(a1)を含むことを特徴とする請求項1記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
請求項3の発明は、前記(a1)がヘキサメチレンジイソシアネートを三量化したイソシアヌレート体と2‐ヒドロキシプロピルアクリレートの反応物であることを特徴とする請求項2記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
請求項4の発明は、前記(A)が更にトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(a2)を含むことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
請求項5の発明は、前記(D)が(メタ)アクリレートにより表面修飾されていることを特徴とする請求項1~4いずれか記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
本発明の塗料組成物は、下地塗料との密着性に優れ、クラックが発生しにくく、高い鉛筆強度と共に耐摩耗性が良好であり、建築用途の化粧材で用いる活性エネルギー線硬化型のトップコート塗料として有用である。
本発明について詳細に説明する。
本発明のトップコート用紫外線硬化型塗料組成物構成は、イソシアヌレート骨格を有する(メタ)アクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレート(B)と、疎水性ナノシリカ(C)と、ガラスフィラー(D)と、光重合開始剤(E)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明で使用するイソシアヌレート骨格を有する(メタ)アクリレート(A)は、熱的安定性に優れるトリアジントリオン環を有するモノマーであり、硬化皮膜を構成する主要成分である。トリアジントリオン環と(メタ)アクリロイルオキシ基との間には、ビニル結合、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合等を含んでも良く、また飽和炭化水素だけで結合していても良い。これらの中では、皮膜強度の靭性を上げ鉛筆硬度を向上出来る点でウレタン結合を有する構造を、また耐熱性を向上させる点でC1~3の飽和炭化水素で連結された構造を有することが好ましい。
前記(A)でウレタン結合を有する構造(a1)としては、例えばジイソシアネートを三量体化したイソシアヌレート体に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた付加反応物が例示される。この場合、官能基数としては、1分子中に1個のアクリロイルオキシ基有している(メタ)アクリレートを反応させれば3官能となり、1分子中に2個のアクリロイルオキシ基有している(メタ)アクリレートを反応させれば6官能となるが、反応性と硬度とのバランスから3官能が好ましい。
前記(a1)で使用されるジイソシアネートとしては、反応性が高い芳香族系としてトリレンジイソシアネートやジフェニルメタンイソシアネートが、耐候性が良好な脂肪族系としてはヘキサメチレンイソシアネート(以下HDI)やイソホロンジイソシアネート(以下IPDI)などが挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では脂肪族系が好ましく、またIPDIよりも反応性が高いHDIが更に好ましい。また水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2‐ヒドロキシプロピルアクリレートが好ましい。
前記イソシアヌレート体と水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させる方法は、触媒として錫系化合物を用いる公知の方法良く、付加反応は温度50~120℃で2~10時間かけて進行させる。必要に応じて例えばケトン系、エステル系の溶剤を添加しても良い。イソシアネート基と水酸基の反応割合としては、モル比で0.7~1.1が好ましく、0.95~1.05が更に好ましい。
また前記(A)には、トリアジントリオン環と(メタ)アクリロイルオキシ基との間を飽和炭化水素で連結した構造を有する化合物を更に含むことが好ましく、特にC2のアルキル基で連結したトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(a2)を含むことが好ましい。(a2)を含むことで、硬化皮膜の耐熱性を向上させることが出来る。
前記(A)の組成物固形分全体に対する配合量は45~68重量%が好ましく、50~63重量%が更に好ましい。45重量%以上とすることで、充分な塗膜強度及び耐熱性を確保でき、68重量%以下とすることで、作業性に適した粘度に調整しやすく出来る。また(A)全体における(a1)の比率は60~80重量%が好ましく、65~75重量%が更に好ましい。この範囲とすることで、充分な鉛筆強度の確保と良好な耐熱性を有する皮膜形成が可能となる。
本発明で使用する多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーで、組成物の反応性を向上させると同時に反応性希釈モノマーとして配合する。例えば2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.6-ヘキサンジオールジアクリレート(以下HDDA)、ジシクロペンタニルジアクリレートなどが、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では硬化収縮が大きくなりすぎない2官能の(メタ)アクリレートモノマー(以下(b1))及び、硬化皮膜の靭性を挙げる3官能以上の(メタ)アクリレートモノマー(以下(b2))を組み合わせて配合することが好ましい。特に、2官能(b1)ではトリプロピレングリコールジアクリレート及びHDDAが、3官能以上(b2)ではペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートが好ましい。
前記(B)の組成物固形分全体に対する配合量は15~40重量%が好ましく、20~35重量%が更に好ましい。15重量%以上とすることで充分な硬化性を確保することができ、40重量%以下とすることで、硬すぎることによる塗膜の割れを生じにくくすることが出来る。また(B)全体における(b1)の比率は35~75重量%が好ましく、40~70重量%が更に好ましい。この範囲とすることで、クラックが発生しにくい高硬度の塗膜に調整することが可能となる。
本発明で使用するナノシリカ(C)は、粒子表面をメタクリレート処理した疎水性シリカで、硬化皮膜の鉛筆硬度を向上させる目的で配合される。表面処理をしない場合は親水性となり、他成分との相溶性が低下するため不適である。平均粒子径はBET法による測定で1~30nmが好ましく、5~20nmが更に好ましく、10~15nmが特に好ましい。この範囲とすることで、鉛筆硬度と良好な外観のバランスを取ることが可能である。
前記(C)の組成物固形分全体に対する配合量は2~12重量%が好ましく、3~10重量%が好ましく、3.5~8重量%が特に好ましい。2重量%以上とすることで充分な鉛筆硬度を確保することができ、12重量%以下とすることで塗料の粘度上昇も抑えられ、塗装性能も良好となる。市販品としてはOptisol-ASAM3100(商品名:RANCO社製、平均粒径10~15nm、TMPTA50%希釈)などが挙げられる。
本発明で使用するガラスフィラー(D)は、硬化皮膜のテーバー摩耗試験での耐摩耗性を向上させる目的で配合される。粒子表面をメタクリレート処理した疎水性ガラスフィラーが好ましく、表面処理をしない場合は親水性となり、他成分との相溶性が低下する傾向がある。(D)の平均粒子径は5~18μmであり、8~15μmが好ましく、10~13μmが更に好ましい。5μm未満ではテーバー摩耗試験での耐摩耗性が不十分になる場合があり、18μm超では塗膜外観が白化する傾向がある。ガラスフィラーの平均粒径はJISZ8825-1に準拠したレーザー回折法により測定できる。
前記(D)の組成物固形分全体に対する配合量は0.5~15重量%が好ましく、1~10重量%が更に好ましく、2~8.5重量%が特に好ましい。0.5重量%以上とすることで、充分な耐摩耗性を確保でき、15重量%以下とすることで良好な塗膜外観を確保できる。市販品としてはCF0023-05C(商品名:日本フリット社製、平均粒径12μm、メタクリレート表面処理)などが挙げられる。
本発明で使用される光重合開始剤(E)は、紫外線や電子線などの活性エネルギー線照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α-ヒドロキシアセトフェノン系として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、内部硬化性に優れるアシルフォスフィンオキサイド系を含むことが好ましく、市販品としてはOmniradTPO(商品名:IGM社製)などが挙げられる。
前記(E)の活性エネルギー線硬化樹脂成分100重量部に対する比率は、1部~10重量部が好ましく、2~8重量部が更に好ましい。1重量部以上とすることで充分な硬化性が発現し、10重量部以下とすることで過剰添加とならず塗膜の黄変や保存性低下を防ぐことができる。
また、本発明の樹脂組成物には必要に応じてレベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、防曇剤、ノンスリップ剤、抗菌剤、有機微粒子等を添加してもよい。
レベリング剤は、塗膜表面に生ずる表面張力の不均一に対し、レベリング剤自身が塗膜表面に薄い膜状に広がることで表面張力の均一化を図り、塗膜形成前に欠陥を修復させる効果がある。シリコーン系、フッ素系、アクリル系などを挙げられが、表面張力の低下能力が高い点でシリコーン系が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂成分100重量部に対する比率は、1部以下が好ましく、市販品ではBYK378(商品名:ビックケミージャパン社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物を塗布する方法は、特に制限はなく、公知のスプレーコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、ワイヤーバーなどの塗工法またはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などを利用できる。また塗布量は50~200g/mが例示されるが、用途により随時選定できる。
本発明の樹脂組成物を塗布した後は、電子線、紫外線照射機等の活性エネルギー線を用いて硬化させる。紫外線を照射する場合の光源としては例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、無電極紫外線ランプなどがあげられ、硬化条件としては50~1000mW/cmの照射強度で、積算光量として100~2,000mJ/cmが例示される。また照射する雰囲気は空気中でもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でもよい。
以下、本発明を実施例、比較例に基づき詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。また表記が無い場合は、室温は25℃、相対湿度65%の条件下で測定を行った。なお配合表の単位は重量部とする。
(a1)の合成方法
4つ口フラスコに、デュラネートTPA-100(商品名:旭化成社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化物)100g、重合禁止剤として2,6-ジターシャリーブチルクレゾールを0.08g、ウレタン化触媒としてジブチルスズジラウレート0.006gを充填し、温度80℃で5%酸素窒素混合気をバブリングさせながら180rpmで回転攪拌し、このフラスコに2時間かけながら2-ヒドロキシプロピルアクリレート71.5gを滴下した(イソシアネート/水酸基のモル比は1.0)。滴下後、温度80℃にて更に4時間攪拌し、サンプリングした内容物が赤外線吸収の測定で2260cm-1のピークが消失していることを確認して(a1)を調整した。
実施例
前記(A)として上記で合成したHDIイソシアヌレートと2HPAの反応物(a1)及び前記(a2)としてGX8430(商品名:第一工業製薬社製、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート)を、前記(b1)としてMIRAMER M200(商品名:MIWON社製、HDDA)及び同M220(商品名:MIWON社製、トリプロピレングリコールジアクリレート)を、前記(b2)としてMIRAMER M340(商品名:MIWON社製、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレートの混合物)を、前記(C)としてASAM-3100(商品名:RANCO社製、平均粒径10~15nm、表面メタクリレート表面処理有り、TMPTA50%希釈)を、前記(D)としてCF0023-05C(商品名:日本フリット社製、平均粒径12μm、表面メタクリレート表面処理有り)を、前記(E)としてOmniradTPO(商品名:IGM社製、アシルフォスフィンオキサイド)を、レベリング剤としてBYK378(商品名:ビックケミージャパン社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)を、表1記載の配合で均一に溶解分散するまで撹拌して実施例1~5の塗料組成物を調整した。
比較例
実施例で用いた材料の他、ガラスフィラーとしてCF0093-03(商品名:日本フリット社製、平均粒径3.7μm、メタクリレート表面処理有り)及びCF0093-10(商品名:日本フリット社製、平均粒径19μm、メタクリレート表面処理有り)を、表1記載の配合で均一に溶解分散するまで撹拌して比較例1~4の塗料組成物を調整した。
表1
Figure 0007153589000001
評価方法は以下の通りとした。
試験片の作成
厚み6mmの珪酸カルシウム板(商品名:ヒシタイカ アイカテック建材社製)上に、湿気硬化型ウレタン塗料VP9383470(KLEIBERIT社製)を用いて目止め層を形成し、その上にインクジェット印刷機を用い9g/mでの化粧印刷を行った後、塗料組成物を100g/mの厚みで塗布し、その後光源としてアイグランデージECS4011GX/N(アイグラフィックス社製、高圧水銀ランプ)を用い、照射強度100mW/cm、積算光量800mJ/cm露光条件で硬化し試験片とした。
塗装外観:目視にて外観を確認し、異常が無い場合を○、白化等のトップコート層に起因する異常がある場合を×とした。
密着性:旧JIS K5400に準じて、1mm角100個の碁盤目試験を行い、セロハンテープ(JIS Z1522に規定されるもの)により塗膜の剥離状態を確認した。塗膜側に貼り付けたセロハンテープを剥離した時に、剥がれたマスが0の場合を○、1マスでも剥がれた場合を×とした。
耐クラック性:上記試験片で塗料組成物が140g/mと100g/mの2種類を用意し、紙製のガムテープを密着させた後に強制剥離し、目視にてクラックの有無を確認した。また100g/mの試験片については、更にその後105℃の恒温槽に24時間放置してから室温に戻し、目視にてクラックの有無を確認し、クラック無しを○、有りを×とした。
鉛筆硬度:東洋精機製作所製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(形式P)を用い、JIS K 5600-5-4(1999年版)に準じ、750g荷重で評価し、4B以上を○、5B以下を×とした。
テーバー摩耗試験:東洋精機製作所製のテーバー試験機ロータリーアブレッサーRNo.410を用い、JIS K 7204に準じ、加重9.8N(1kg),回転数60rpm、摩耗輪CS-0に研磨紙S-42を巻いた条件で、摩耗した範囲内の基材露出した領域が50%に達した回転数が350回以上の場合を○、350回未満を×とした。
評価結果
Figure 0007153589000002
実施例は塗装外観、密着性、耐クラック性、鉛筆硬度、テーバー摩耗試験全ての面で問題は無く良好であった。一方、ガラスフィラーが無配合の比較例1は耐摩耗性が低く、ナノシリカが無配合の比較例2は鉛筆硬度が低く、粒子系が小さいガラスフィラーを用いた比較例3は耐摩耗性が低く、粒子系が大きいガラスフィラーを使用した比較例4は外観が白化して×となり、いずれも本願発明に適さないものであった。
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物は、下地塗料との密着性に優れ、クラックが発生しにくく、高い鉛筆強度と共に耐摩耗性が良好であることから、化粧材料のトップコート剤塗料として有用である。

Claims (5)

  1. イソシアヌレート骨格を有する(メタ)アクリレート(A)と、(A)を除く多官能(メタ)アクリレート(B)と、疎水性ナノシリカ(C)と、ガラスフィラー(D)と、光重合開始剤(E)と、を含み、前記(D)の平均粒径が5~18μmであることを特徴とするトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  2. 前記(A)がウレタン結合を有する(メタ)アクリレート(a1)を含むことを特徴とする請求項1記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  3. 前記(a1)がヘキサメチレンジイソシアネートを三量化したイソシアヌレート体と2‐ヒドロキシプロピルアクリレートの反応物であることを特徴とする請求項2記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  4. 前記(A)が更にトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(a2)を含むことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  5. 前記(D)が(メタ)アクリレートにより表面修飾されていることを特徴とする請求項1~4いずれか記載のトップコート用活性エネルギー線硬化型塗料組成物。

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