JP4201945B2 - 光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、それから形成された被膜および木質基材の塗装方法 - Google Patents

光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、それから形成された被膜および木質基材の塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、塗料組成物の粘度が低く、塗装作業性に優れかつ木材、木質系基材上表面に設けられた塗膜の表面割れを防止しうるような光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、これら組成物から塗布形成された被膜および木質基材の塗装方法に関し、さらに詳しくは被塗物である木材、木質系合板への塗装時には光硬化による速乾性が保持され、塗装後には基材(合板)上表面に設けられた塗膜の表面の割れ(耐熱割れ)が防止され、塗装物の耐久性を向上させることができる、光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、これら組成物を塗布し硬化してなる被膜および木質基材の塗装方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、木材、木質系合板等の木質系基材には、無公害で速乾性に優れた紫外線硬化型塗料などが用いられている。
しかしながら、従来の紫外線硬化型塗料を木質系基材に塗布し硬化したものを、建築物のフローリング等に用いると、比較的短期間に木質系基材の塗膜の表面にひび割れが発生し、美観を損ねるなど耐久性に問題があった。また、合板等の木質系基材に光硬化性塗料組成物を塗布する際には、組成物の粘度が低く塗装作業性に優れていることも重要な因子であるが、従来から使用されている製品にはこの要件を充足していないものが多かった。
【0003】
このような問題点を解決すべく鋭意研究して、本願出願人は、先に、特開平10−168387号公報にて、(a)アクリレート系紫外線硬化樹脂(好ましくはポリエステルアクリレート系、ポリウレタンアクリレート系)と、(b)ポリイソシアネートと、(c)吸水剤と、(d)紫外線重合開始剤とを含有する上塗り用塗料組成物を提案した。
【0004】
該上塗り用塗料組成物は、被塗物である木材、木質系合板への塗装時には組成物の粘度が低く塗装作業性に優れかつ紫外線(UV)硬化による速乾性が保持され、塗装後には基材(合板)上表面に設けられた塗膜の表面の割れ(耐熱割れ)が防止され、塗装物の耐久性を向上させることができるものであるが、通常二液型で用いられ、また主に下塗り用として用いられており、汎用性の点等でさらなる改良の余地があった。
【0005】
なお、特公平5−88721号公報には、下記式:
【0006】
【化1】
Figure 0004201945
【0007】
(R1は、H又はCH3を示す。)
で示される化合物からなる紫外線又は電子線硬化性樹脂用反応性希釈剤が開示されている。また、該公報には、この反応性希釈剤を添加して希釈されるプレポリマーとして、ポリエステルアクリレート類、ポリウレタンアクリレート類等が挙げられ、また上記希釈剤を紫外線硬化樹脂用の反応性希釈剤として用いる場合には、公知の光開始剤などをも添加しうる旨記載されている。
【0008】
しかしながら該公報には、上記プレポリマーと上記(メタ)アクリロイルモルホリンとの溶解性が示されているに過ぎず、どのような組成物(塗料組成物)を用いれば、被塗物である木材、木質系合板への塗装時には光硬化による速乾性が保持され、塗装後には、木質部材の膨張収縮が生じても基材(合板)の表面の割れ(耐熱割れ)が防止され、塗装物の耐久性を向上させることができるかという点などについては、何等具体的に記載も示唆もされていない。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、被塗物である木材、木質系合板への塗装時には、塗料組成物の塗装作業性が優れかつ光硬化による速乾性が保持され、塗装後には、木質部材の膨張収縮が生じても基材(合板)上表面に設けられた塗膜の表面の割れ(耐熱割れ)が防止され、塗装物の耐久性を向上させることができ、木質部用の光硬化性下塗り塗料として好適に使用しうる、光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、これら組成物を塗布し硬化してなる被膜および木質基材の塗装方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る光硬化性組成物および光硬化性塗料組成物は、
(a)アクリロイルモルホリンおよび/またはメタクリロイルモルホリンと、
(b)単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
(c)多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
(d)ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂と
(e)光重合開始剤と、
を含有し、
該成分(d)100重量部(固形分)に対して、
該成分(a)が、45〜90重量部の量で、
該成分(b)が、1〜60重量部の量で、
該成分(c)が、1〜50重量部の量で、
該成分(e)が、1〜30重量部の量で
用いられることを特徴としている。
【0011】
本発明においては、上記成分(a)が、上記成分(d)100重量部(固形分)に対して、48.2〜90重量部の量で用いられることが望ましい。
【0012】
本発明に係る被膜は、上記の光硬化性組成物から形成されている。
本発明に係る塗膜付き木工品は、上記の光硬化性組成物を木質基材表面に塗布硬化してなる。
本発明に係る塗膜付き木工品の製造方法は、
木質基材の表面に、上記の光硬化性組成物を塗布した後、該塗布面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化膜を形成させることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、被塗物である木材、木質系合板への塗装時には、塗料組成物の塗装作業性に優れかつ光硬化による速乾性が保持され、塗装後には基材(合板)上表面に設けられた塗膜の表面の割れ(耐熱割れ)が防止され、塗装物の耐久性を向上させることができる光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、これら組成物を塗布し硬化してなる被膜および木質基材の塗装方法が提供される。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物、これら組成物から塗布形成された被膜および木質基材の塗装方法について、具体的に説明する。
[光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物]
本発明に係る光硬化性組成物及び光硬化性塗料組成物には、
(a)モルホリン骨格を有する(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
(b)単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
(c)多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
(d)ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂およびポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の光硬化性樹脂と、
(e)光重合開始剤と、
が含有されている。この光硬化性組成物は、塗料、インキ、接着剤等として用いることができ、特に塗料として好適に用いられる。
【0015】
以下、この光硬化性組成物が特に塗料(光硬化性塗料組成物)として用いられる場合を例に挙げて、この光硬化性塗料組成物に含まれる(a)〜(e)の各成分について説明する。
<モルホリン骨格を有する(メタ)アクリレート系重合性モノマー (a)
モルホリン骨格を有する(メタ)アクリレート系重合性モノマー(a)(以下、「モルホリン系モノマー(a)」とも言う。)は、得られる塗膜の耐割れ性の向上などに寄与し、このようなモルホリン系モノマー(a)としては、例えば、下記式[I]:
【0016】
【化2】
Figure 0004201945
【0017】
(式[I]中、R1は、H又はCH3を示す。)
で示す化合物が挙げられる。上記式[I]中、R1がHである場合にはアクリロイルモルホリンを示し、R1がCH3である場合には、メタクリロイルモルホリンを示す。
これらモルホリン系モノマー(a)は、1種または2種組み合わせて用いてもよい。
【0018】
<単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー (b)
単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(b)は、下記多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(c)と共にウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂等の光硬化性樹脂(d)との共重合性が良好であり、硬化速度も速く、硬化すると重合物中にあって構造の一部を形成し、また塗料組成物の調製時には、光硬化性樹脂(d)の希釈剤(溶剤)としても機能し、塗工性の向上、塗料の無溶剤化を図ることができ、このような単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(b)としては、具体的には、例えば、
2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチルトリグリコール(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーが挙げられる。
【0019】
これら重合性モノマー(b)は、1種または2種組み合わせて用いてもよい。
<多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー (c)
多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(c)としては、(メタ)アクリレートに代表される重合性官能基をモノマー中に2個以上有するものが挙げられ、具体的には、例えば、
1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー;
などが挙げられる。
【0020】
これら重合性モノマー(c)は、1種または2種組み合わせて用いてもよい。
<光硬化性樹脂 (d)
光硬化性樹脂(光重合性樹脂)としては、可視光硬化型、紫外線硬化型などの何れであってもよく、また脂肪族系、芳香族系の何れであってもよく、ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂以外の不飽和ポリエステル系光硬化性樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂などが挙げられ、
本発明では、これらのうちでも光硬化性樹脂(d)として、ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂が好ましく用いられる。
【0021】
これらの光硬化性樹脂には、各樹脂のベースレジンである光重合性オリゴマーの他、通常前記光重合性モノマー(b)、(c)が含まれている。
光重合性オリゴマー
ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂では、主成分(ベースレジン)の光重合性オリゴマーとしてウレタン(メタ)アクリレートが用いられる。このウレタン(メタ)アクリレートは、たとえばジイソシアネート類とポリオール類とヒドロキシ(メタ)アクリレート類とを反応させることによって得られ、分子中に官能基として(メタ)アクリロイル基(CH2 =CRCO−、R:H又はCH3)とウレタン結合(−NH・COO−)を有するプレポリマー(オリゴマー)である。
【0022】
ジイソシアネート類としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート[HDI]、イソホロンジイソシアネート[IPDI]、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)[HMDI]、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート[TMHMDI]、トリレンジイソシアネート[TDI]、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート[MDI]、キシリレンジイソシアネート[XDI]などが挙げられる。
【0023】
ポリオール類としては、具体的には、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)トリオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールAなどが挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート類としては、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート[HEA]、2-ヒドロキシエチルメタクリレート[HEMA]、2-ヒドロキシプロピルアクリレート[HPA]、グリシドールジメタクリレート[GDMA]、ペンタエリスリトールトリアクリレート[PETA]などが挙げられる。
【0024】
また、エポキシ(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂では、光重合性オリゴマーとしてエポキシ(メタ)アクリレートが用いられる。このエポキシ(メタ)アクリレートは、エピクロルヒドリン等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には、
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールSとエピクロルヒドリンと(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンと(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、
フェノールノボラックとエピクロルヒドリンと(メタ)アクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
【0025】
さらに、ポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂では、ベースレジンの光重合性オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレートが用いられる。このポリエステル(メタ)アクリレートは、ジオールもしくはポリオールと2塩基酸との反応により合成したポリエステルの骨格に残った水酸基に、(メタ)アクリル酸を縮合して得られる。
【0026】
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、
無水フタル酸とプロピレンオキサイドと(メタ)アクリル酸との反応により合成される(メタ)アクリレート、
アジピン酸と1,6-ヘキサンジオールと(メタ)アクリル酸との反応により合成される(メタ)アクリレート、
トリメリット酸とジエチレングリコールと(メタ)アクリル酸との反応により合成される(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0027】
また、上記のようなポリエステル(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂以外の不飽和ポリエステル系光硬化性樹脂に含まれる光重合性オリゴマーとしては、具体的には、
1,2-プロピレングリコールと無水フタール酸と無水マレイン酸とからなる不飽和ポリエステル;
トリメチロールプロパンジアリルエーテル(TMPDA)、トリメチロールプロパントリアリルエーテル(TMPTAE)、トリアリルイソシアネート、ジアリルフタレート等のアリル基含有化合物とスチレンとが配合された不飽和ポリエステルなどが挙げられる。
【0028】
<光重合開始剤 (e)
光重合開始剤(e)としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、α-メチルベンゾイン等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン(=ベンジルジメチルケタール)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;
チオキサントンまたはその誘導体等の硫黄化合物類;
アリルジアゾニウム塩類などのアゾ化合物類;
等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種または2種以上組合せて用いてもよい。なお、この光重合開始剤(e)と、後述する増感剤とを併用してもよい。
【0029】
本発明に係る光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物には、上記モルホリン系重合性モノマー(a)は、通常、5〜50重量%、好ましくは16〜30重量%、さらに好ましくは18〜30重量%の量で、
単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(b)は、通常、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の量で、
多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(c)は、通常、1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%の量で、
光重合開始剤(e)は、通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で、
光硬化性樹脂(d)は、通常、10〜60重量%、好ましくは20〜45重量%の量で含有されていることが望ましい。
【0030】
また、上記モノマー類(a)、(b)、(c)は合計((a)+(b)+(c))で、10〜70重量%、好ましくは20〜50重量%の量で本発明の光硬化性組成物あるいは光硬化性塗料組成物中に含有されていることが塗工性(塗装作業性)、得られる硬化塗膜の耐割れ性等の点で望ましい。
また、本発明に係る光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物には、光硬化性樹脂(d)100重量部(固形分)に対して、上記モルホリン系重合性モノマー(a)は、通常、30〜90重量部、好ましくは45〜80重量部の量で、
単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(b)は、通常、1〜60重量部、好ましくは8〜50重量部の量で、
多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(c)は、通常、1〜50重量部、好ましくは8〜30重量部の量で、
光重合開始剤(e)は、通常、合計で1〜30重量部、好ましくは3〜20重量部の量で用いられる。
【0031】
<その他の成分>
これらの塗料組成物には、上記成分以外に、上記オリゴマーあるいはモノマーと共重合可能な各種モノマー(例:ポリイソシアネート、ビニルモノマー)の他、従来より公知の添加剤(例:吸水剤、体質顔料、溶剤、増感剤、レベリング剤、消泡剤など)が配合されていてもよい。
【0032】
ポリイソシアネート
(活性)ポリイソシアネートは、木質表面のOH基と ウレタン結合により木質表面と反応して木質表面と樹脂とを接着し、また樹脂を硬化させる働きなどを有し、このようなポリイソシアネートとしては、芳香族系、脂肪族系の何れであってもよく、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トジンジイソシアネート(TODI)、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその変性物、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの他、これらのイソシアネートをベースにアルコールが付加したものや、これらのイソシアネートの2〜3量体(オリゴマー)が挙げられる。このイソシアネートオリゴマーでは、活性NCO基の量は、5〜25%程度であることが好ましい。
【0033】
これらのポリイソシアネートは、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このポリイソシアネートは、塗料組成物全体の量100重量部中に、1〜30重量部、好ましくは3〜10重量部となるような量で用いられる。
吸水剤
吸水剤(脱水剤、水分吸収剤)は、多孔質素材の穴(例:木材の導管部) を塞ぐためか、半水石膏などの吸水性のためか、あるいは木質表面の含水率(吸水率)を一定に保持するためかその理由は定かではないが、このような吸水剤を含有する紫外線硬化性木質基材用塗料組成物は、木材等の被塗物表面への付着性や表面のザラツキ防止能等の点で優れており、
このような吸水剤として、好ましくは、石膏類(無水石膏、半水石膏、結 晶石膏)のうちの特に無水石膏、半水石膏の他、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナ等が挙げられる。これらのうちでは、無水石膏、半水石膏、ゼオライトが得られる塗膜の塗装面への付着性向上やザラツキ防止能等の点で特に好ましく用いられる。これらの吸水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0034】
このような塗料組成物中には、上記吸水剤は、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で含有されていることが好ましい。
体質顔料、溶剤、増感剤など
体質顔料としては、具体的には、ソーダ長石、タルクなどが挙げられる。
この体質顔料は、塗料組成物全体の量100重量部中に、0〜50重量部、好ましくは1〜40重量部となるような量で用いられる。
【0035】
溶剤としては、具体的には、芳香族炭化水素類(例:キシレン、トルエン)、ケトン類(例:メチルイソブチルケトン(MIBK))、エステル類(例:酢酸エチル、酢酸イソブチル)などの各種有機溶剤が挙げられる。
この溶剤は、塗料組成物全体の量100重量部中に、0〜70重量部、好ましくは0〜40重量部となるような量で用いられる。
【0036】
増感剤としては、従来公知のものを用いることができ、具体的には、ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノアントラニル酸メチル、エチルジメチルアミノ安息香酸等のアミノ化合物の他に、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第3級アミノ基を有するアクリル系モノマー等が挙げられる。
【0037】
レベリング剤、消泡剤などの添加剤の合計量は、塗料組成物全体の量100重量部中に、0〜5重量部、好ましくは0.1〜3重部となりような量で用いられる。
本発明に係る塗料組成物は、上述したようなモルホリン系モノマー(a)と、単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(b)と、多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマー(c)と、光重合開始剤(e)と、光硬化性樹脂(d)と、必要により吸水剤、体質顔料、溶剤などを混合することにより、得ることができる。このような塗料組成物は、使用時に全成分を混合して用いてもよく、予め全成分あるいは1部の成分を混合し保存・取扱い等を行ってもよい。例えば、該塗料組成物を構成する全成分中の任意の成分を適宜組み合わせで2個以上に分包して保存・取扱い等を行い、使用時にこれら分包を一緒にして用いてもよい。
【0038】
木質基材の塗装方法
本発明では、木材、木質系合板等の木質基材上に、通常、予め着色用ステイン組成物を塗布し乾燥・硬化した後、本発明に係る上記光硬化性塗料組成物(塗料組成物(A))を、1回以上塗布し、光照射して硬化させ、塗膜を形成させる。
本発明の好ましい態様においては、例えば、木材、木質系合板等の多孔質部材表面に、予め着色用ステイン組成物を塗布し乾燥・硬化した後、本発明に係る塗料組成物(A)を塗布し、光照射(通常UV)して硬化させた後、
上記光硬化性樹脂(d)のうちの例えば、エポキシアクリレート系さらに好ましくは芳香族系のエポキシアクリレート系光硬化性樹脂と、光重合開始剤(例:紫外線重合開始剤)とを含有する上塗り用塗料組成物(B)を塗布しUV硬化させることが望ましい。
【0039】
この上塗り用塗料組成物(B)にも、前記本発明の塗料組成物(A)と同様に、上記ウレタンアクリレート系光硬化性樹脂、ポリエステルアクリレート系光硬化性樹脂、ポリエステルアクリレート系光硬化性樹脂以外の不飽和ポリエステル系光硬化性樹脂、ポリエーテルアクリレート系光硬化性樹脂等が含まれていてもよく[例:エポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂/ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂等の樹脂合計量(重量比)=100/0〜99]、また体質顔料、溶剤、レベリング剤、消泡剤などの添加剤が配合されていてもよい。
【0040】
このように、本発明の塗料組成物(A)を塗布・硬化させた後、 上塗り用塗料組成物(B)を上塗り硬化させると、この組成物(A)を硬化してなる比較的軟質の(A)層の上に、上塗り用塗料組成物(B)を硬化してなり、(A)層よりも 硬質の(B)層が形成されるためかその理由は明かでないが、木質基材上表面に設けられた塗膜の表面割れ (耐熱割れ)、木質基材が乾湿下に木目に直交する方向等で伸縮することにより生じる塗膜のフレーキングが防止でき、塗装物の耐久性が向上してくる。
【0041】
下塗りの着色用ステインとしては、従来より公知のものを用いることもでき、また、本願出願人が先に提案した特願平8-140431号(平成8年6月3日 出願)明細書に記載の多孔質部材用水性着色ステイン組成物である、「着色顔料または染料と、水溶性あるいは水分散性樹脂と、石膏類とを含有する多孔質部材用水性着色ステイン組成物」を用いることもできる。このような本願出願人の提案した着色用ステインを塗装をしたのち、上記のような本発明に係る塗料組成物(A)を塗布し紫外線照射すると、木質導管部に目ブクレやザラツキが生ぜず、しかも塗膜の木材表面への付着性や耐クラック性も十分な塗膜が得られる傾向がある。
【0042】
このような着色用ステインは、一回当たり、1〜10g/尺2[11〜110 g/m2]、望ましくは2〜5g/尺2[22〜55g/m2]の量で塗布するこ とが好ましい。またこのように着色用ステインを1回〜数回繰り返して塗布・硬化してなる硬化膜の膜厚(全体)は、特に限定されないが、通常0.1〜10μm厚、好ましくは0.5〜5μm厚程度である。
【0043】
また、通常、この着色用ステインの上に塗布される上記塗料組成物(A)は、一回当たり、1〜20g/尺2[10〜220g/m2]、 望ましくは2〜10g/尺2[22〜110g/m2]の量で塗布することが好ましい。またこのように塗料組成物(A)を1回〜数回繰り返して塗布・硬化してな る硬化膜の膜厚(全体)は、特に限定されないが、通常20〜300μm厚、好ましくは50〜150μm厚程度である。
【0044】
本発明では、このような量で塗布した塗料組成物(A) を、リバースコーターなどで素材表面内部に充填すると共に残部をかきとる。さらに必要に応じてロールコーターや、フローコーターにてこの塗料組成物(A)の再塗装が行われる。このように塗料組成物(A)を塗装した後、例えば、常温下で、紫外線を照射して迅速に硬化させてもよい。
【0045】
このようにして塗布硬化された塗膜(A)の表面に塗布される上記の上塗り用塗料組成物(B)は、1回当たり、0.5〜20g/尺2[5〜220g/m2]、望ましくは0.8〜10g/尺2[9〜110g/m2]程 度の量で塗布することが好ましい。
このように上塗り用塗料組成物(B)を1回〜数回繰り返して塗布・硬化してなる硬化膜の膜厚(全体)は、特に限定されないが、通常20〜200μm厚、好ましくは50〜100μm厚程度である。
【0046】
なお、この上塗り用塗料組成物(B)、前記着色ステイン、前記紫外線硬化性木 質基材用塗料組成物(A)などを塗装する際には、ハケ、スプレー、ロールコータ ー、スポンジロールコーター等の通常の塗装機が使用できる。
上記2種の光硬化性塗料(A)、(B)の塗膜を硬化させる線源としては、例えば、水銀ランプ、あるいは鉄、ガリウム等が封入されたメタルハライドランプを使用することができる。これらのランプの波長としては、通常紫外領域(例:100〜400nm)が採用でき、塗膜の迅速硬化性を考慮すると、250〜400nmの範囲が望ましい。またこのような紫外線の照射時間はランプの波長にもよるが、通常1〜10秒の範囲が好ましく、1秒未満では塗膜が硬化不良となり、10秒を超えると過照射となり塗膜の変色、脆化を生ずる傾向がある。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る光硬化性組成物および光硬化性塗料組成物は、塗料組成物の粘度が低く塗装作業性に優れかつ紫外線硬化による速乾性を有しており、該組成物を木質系ツキ板合板等に塗装しUV硬化させると、得られる塗膜と基材との密着性に優れ、木材、木質系合板(木質系ツキ板合板)等の表面上に設けられた塗膜の表面の割れを防止することができ、基材の耐久性を向上させることが可能である。
【0048】
従って、この光硬化性組成物、光硬化性塗料組成物を表面割れ性の大きい基材種に適用することにより、このような優れた性能が付与されるため、従来では利用されなかったような多種の木材の有効利用が可能となる。
特に、本発明に係る上記塗料組成物(A)を塗布硬化した後、その表面にエポキシアクリレート系光硬化性樹脂、重合開始剤などが含まれた上塗り塗料組成物(B)を塗布硬化させると、塗膜の密着性が顕著に現れ、基材表面上に設けられた塗膜の割れ防止能などが発揮され基材の耐久性が著しく向上するなど、上記組成物(A)の効果はいっそう顕著に現れる。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。以下の、実施例、比較例において、「部」とは、特にその趣旨に反しない限り、「重量部」の意味である。
【0050】
参考例1】
<紫外線硬化性組成物(A)>
ウレタンアクリレート樹脂ワニス(日立化成社製:ヒタロイド4860CH−18、N.V.:97.0重量%)37.7重量部、
モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)15重量部、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)15.5重量部、
2官能性アクリレートモノマー(共栄社化学社製、PTMGA−250、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、N.V.:100重量%)10重量部、
光開始剤(美源社製、ベンジルジメチルケタール、MICURE BK−6、N.V.:100重量%)2部、
光開始剤(チバガイギー社製、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、I−184、N.V.:100重量%)2部、
光開始剤(アクゾ社製、メチルフェニルグリオキシレート、V−55、N.V.:100重量%)1部、
ハイドロキノン(N.V.:100重量%)0.02重量部、
酢酸エチル(N.V.:0重量%)0.98重量部、
「ポリフローKL−245」(共栄化学社製、特殊シリコーン、N.V.:100重量%)0.2重量部、
「BYK−057」(ビック・ケミー社製、高分子共重合体、N.V.:100重量%)0.3重量部、
「BYK−163」(ビック・ケミー社製、高分子共重合体、N.V.:45.0重量%)0.05重量部、
キシレン(N.V.:0重量%)0.15重量部、
「MINEX 10」(UNIMIN社製、顔料、ソーダ長石、N.V.:100重量%)15.3重量部、
(以上、合計100.0重量部)
を撹拌機で混合し、均一にして、紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(A)、粘度KU(25℃):57、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
該紫外線硬化型料塗料(A)を40℃に加温されたナラつき板合板上に、ロールコーターにて2g/尺2(20g/m2)塗布し、80W/cmの水銀ランプで2秒照射し、硬化させた。
【0051】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(JIS K 5400 8.5.2、碁盤目テープ法、残存目数/初期(100目)):100/100であり、
寒熱繰返し試験(JAS B に準拠し、80℃×2時間保持した後、−20℃×2時間保持する操作を6サイクル繰り返した後の割れの長さ。単位:mm)を行ったところ、割れ長さは50mmであり、
耐熱試験(80℃×24時間保持後の割れの長さ)では150mmであり、
耐摩耗性(JASに準拠し、フローリングが1/2厚まで摩耗するに要した摩耗機回転数)は640回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0052】
また、硬化性{上記紫外線硬化型塗料を40℃に加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射装置(80W×20m/分)で照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定}は、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0053】
【実施例
<紫外線硬化性組成物(B)>
参考例1において、モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)を20.5重量部で、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)を10重量部で用いた以外は、参考例1と同様にして紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(B)、粘度KU(25℃):59、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
該紫外線硬化型料塗料(B)を上記参考例1の場合と同様にしてナラつき板合板上に、ロールコーターにて塗布し、水銀ランプで照射し、硬化させた。
【0054】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は100/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは80mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは100mmであり、
耐摩耗性は1000回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0055】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0056】
【実施例
<紫外線硬化性組成物(C)>
参考例1において、モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)を25.5重量部で、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)を5重量部で用いた以外は、参考例1と同様にして紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(C)、粘度KU(25℃):60、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
参考例1において、紫外線硬化型料塗料(A)に代えて、紫外線硬化型塗料組成物(C)を用いた以外は、上記参考例1の場合と同一の条件で塗装を実施した。
【0057】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は100/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは10mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは15mmであり、
耐摩耗性は1080回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0058】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0059】
【実施例
<紫外線硬化性組成物(D)>
参考例1において、モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)を20重量部で、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)を15.5重量部(全成分合計100重量部)で、
2官能性アクリレートモノマー(共栄社化学社製、PTMGA−250、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、N.V.:100重量%)を5重量部で用いた以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(D)、粘度KU(25℃):59、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
参考例1において、紫外線硬化型料塗料(A)に代えて、紫外線硬化型塗料組成物(D)を用いた以外は、上記参考例1の場合と同一の条件で塗装を実施した。
【0060】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は96/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは50mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは15mmであり、
耐摩耗性は1100回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0061】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0062】
【実施例
<紫外線硬化性組成物(E)>
参考例1において、モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)を25.5重量部で、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)を10重量部で、
2官能性アクリレートモノマー(共栄社化学社製、PTMGA−250、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、N.V.:100重量%)を5重量部で用いた以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(E)、粘度KU(25℃):59、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
参考例1において、紫外線硬化型料塗料(A)に代えて、紫外線硬化型塗料組成物(E)を用いた以外は、上記参考例1の場合と同一の条件で塗装を実施した。
【0063】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は90/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは5mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは30mmであり、
耐摩耗性は1000回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0064】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0065】
【実施例
<紫外線硬化性組成物(F)>
ウレタンアクリレート樹脂ワニス(大竹明新化学社製:UV821、N.V.:100.0重量%)28.0重量部、
モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)13.5重量部、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301S、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)4重量部、
単官能性アクリレートモノマー(荒川化学社製、ビームセット770、ビニルホルムアミド、N.V.:100重量%)10重量部、
2官能性アクリレートモノマー(共栄社化学社製、PTMGA−250、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、N.V.:100重量%)6重量部、
光開始剤(美源社製、ベンジルジメチルケタール、MICURE BK−6、N.V.:100重量%)1.5部、
光開始剤(チバガイギー社製、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、I−184、N.V.:100重量%)1部、
ハイドロキノン(N.V.:100重量%)0.02重量部、
酢酸エチル(N.V.:0重量%)0.98重量部、
「ポリフローKL−245」(共栄化学社製、特殊シリコーン、N.V.:100重量%)0.2重量部、
「BYK−057」(ビック・ケミー社製、高分子共重合体、N.V.:100重量%)0.3重量部、
「HI/4NC−KX」(中国塗料(株)製、ニトロセルロース、N.V.:20.0重量%)4重量部、
「ディスパロン6900−10X」(楠本化成社製、アマイドワックス、N.V.:10.0重量%)0.3重量部、
「MINEX 10」(UNIMIN社製、顔料、ソーダ長石、N.V.:100重量%)30.0重量部、
(以上、合計100.0重量部)
を撹拌機で混合し、均一にして、紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(F)、粘度KU(25℃):66、顔料(pigment):30.0重量%、N.V.:95.4重量%)を得た。
<塗装>
参考例1において、紫外線硬化型料塗料(A)に代えて、上記紫外線硬化型塗料組成物(F)を用いた以外は、上記参考例1の場合と同一の条件で塗装を実施した。
【0066】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は100/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは10mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは10mmであり、
耐摩耗性は800回となり、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
【0067】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、2回となった。
結果を併せて表1に示す。
【0068】
【比較例1】
<紫外線硬化性組成物(G)>
参考例1において、モルホリン骨格を有するアクリレートモノマー(興人社製、モルホリンアクリレート、ACMO、N.V.:100重量%)を用いず、
単官能性アクリレートモノマー(第一工業製薬社製、GX−8301、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、N.V.:100重量%)を30.5重量部で用いた以外は、参考例1と同様にして紫外線硬化型塗料[(紫外線硬化性組成物(G)、粘度KU(25℃):57、顔料(pigment):15.3重量%、N.V.:97.7重量%)を得た。
<塗装>
参考例1において、紫外線硬化型料塗料(A)に代えて、上記紫外線硬化型塗料組成物(G)を用いた以外は、上記参考例1の場合と同一の条件で塗装を実施した。
【0069】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、初期付着性(目/100目)は100/100、寒熱繰返し試験を行ったところ、割れ長さは280mmであり、
耐熱試験時の割れ長さは440mmであり、
耐摩耗性は520回となった。
【0070】
また、上記紫外線硬化型塗料を上記参考例1と同様に、加温されたガラス板上に、2MILドクターブレード塗付し、UV照射し、塗料が硬化するまでのUV照射回数を測定して、硬化性を測定したところ、3回となった。
結果を併せて表1に示す。
なお、評価法、試験法、判定基準等は以下の通り。併せて表2に示す。
<硬化性>
温度40℃のガラス板にドクターブレード 2MILで塗料を塗付し、UV照射機(条件:80W、20m/分)を用い、塗料が硬化するまでのUV照射回数で塗料の硬化性を評価。UV照射回数が3回以内のものを基準値クリア(可)と認定。
<塗料粘度>
「JIS 5400 4.5.2」に基づき、ストーマー粘度計法で評価。その粘度が61以下のものを基準値クリア(可)と認定。
<付着性>
「JIS K 5400 8.5.2」に基づき、碁盤目テープ法(2mm巾ゴバン目セロテープ(登録商標)剥離で、100目中の残存マス目の数)で評価。90/100以上のものを基準クリア(可)と認定。
<寒熱くり返し試験>
「JAS 寒熱繰り返し試験B」に準拠し、塗装板を80℃で2時間保持した後、−20℃で2時間保持する操作を6回くり返し、発生した塗膜表面のワレ長さ(mm)を測定。塗膜表面の割れ長さが200mm以下のものを基準値クリヤ(可)と認定。
<耐熱試験>
「JAS」に準拠し、塗装板を80℃で24時間保持した後、塗膜表面に発生した塗膜表面ワレ長さ(mm)を測定。塗装板15×15cm当りの塗膜ワレ長さ(mm)が300mm以下のものを基準値クリア(可)と認定。
<摩耗試験>
「JAS 摩耗B試験」に準拠し、試験板の被塗面が1/2厚まで摩耗するに要した摩耗機の回転数で評価。500回転以上のものを基準値クリア(可)と認定。
【0071】
【表1】
Figure 0004201945
【0072】
【表2】
Figure 0004201945

Claims (6)

  1. (a)アクリロイルモルホリンおよび/またはメタクリロイルモルホリンと、
    (b)単官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
    (c)多官能性(メタ)アクリレート系重合性モノマーと、
    (d)ウレタン(メタ)アクリレート系光硬化性樹脂と
    (e)光重合開始剤と、
    を含有し、
    該成分(d)100重量部(固形分)に対して、
    該成分(a)が、45〜90重量部の量で、
    該成分(b)が、1〜60重量部の量で、
    該成分(c)が、1〜50重量部の量で、
    該成分(e)が、1〜30重量部の量で
    用いられることを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 上記成分(a)が、上記成分(d)100重量部(固形分)に対して、48.2〜90重量部の量で用いられる請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 請求項1〜2の何れかに記載の光硬化性組成物からなる光硬化性塗料組成物。
  4. 請求項1〜2の何れかに記載の光硬化性組成物から形成された被膜。
  5. 請求項1〜2の何れかに記載の光硬化性組成物を木質基材表面に塗布硬化してなる塗膜付き木工品。
  6. 木質基材の表面に、上記請求項1〜2の何れかに記載の光硬化性組成物を塗布した後、該塗布面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化膜を形成させることを特徴とする塗膜付き木工品の製造方法。
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