JP3886600B2 - ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、それを含むワニス、光硬化性塗料組成物、該オリゴマー含有組成物の製造方法および - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、それを含むワニス、光硬化性塗料組成物、該オリゴマー含有組成物の製造方法および Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、それを含むワニス、光硬化性塗料組成物、前記オリゴマー含有組成物の製造方法、および前記塗料組成物から形成された塗膜、並びに該塗膜で被覆された構造物並びに新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物に関する。さらに詳しくは、本発明は、紫外線または電子線の照射によって硬化可能なプラスチックであるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、木工基材などの塗料、コーティング材料として有用な光硬化性樹脂組成物、塗膜並びに構造物に関する。本発明は、特に、硬化させた場合に塗膜表面の耐割れ性、乾燥性に優れた塗膜を形成できる光硬化性塗料組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、床用塗料としては、アミノアルキド樹脂塗料(メラミン樹脂塗料)が使用されていたが、近年では作業効率化の点などから短時間に硬化可能な紫外線・電子線硬化型のポリウレタンアクリレート樹脂塗料(光硬化性樹脂塗料)が広く使用されるようになっている。
【0003】
しかしながら従来用いられている種々の紫外線・電子線硬化型のポリウレタンアクリレート樹脂塗料のうちで、耐割れ性に優れるものは一般に塗膜が柔らかく、伸びが良く、ゴム状となりやすい。また乾燥性が乏しいため作業性も乏しく、仕上がり外観も充分でない。
【0004】
例えば、ポリウレタンアクリレート系光硬化性樹脂組成物としては、特開昭50−66596号公報、特開昭50−94090号公報、特開昭48−25095号公報等に記載されているものが挙げられる。
【0005】
しかしながらこれら公報に記載の光硬化性塗料組成物は、硬化塗膜の伸び、柔軟性の点で充分でない。
このような点を改善するものとして、特開平8-12731号公報には、「1分子中にイソシアネート基を2個有するイソシアネート化合物(a)、数平均分子量300〜1,300のポリオキシテトラメチレングリコール化合物(b)、一般式(I):HO(CH2CH2O)nH(但し、nは1〜3の整数を示す)で表されるグリコール化合物(c)及びヒドロキシル基含有不飽和化合物(d)を反応させて得られる両末端に不飽和基を有するウレタン化合物(A)、光重合性単量体(B)並びに光重合開始剤(C)を含有してなる塗料用光硬化性樹脂組成物」が提案されており、該公報には、該組成物からなる塗料は、硬化性と柔軟性のバランスを兼ね備えると記載されている。
【0006】
しかしながら、この組成物(塗料)には、塗膜の耐割れ性、乾燥性等の点でさらなる改良の余地があった。
なお、特開平7-53664号公報には、活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマー(2モル)と、ポリイソシアネート(4モル)と、分子量300以下の低分子量ポリオール(1モル)と、分子量500以上の高分子量ポリオール(2モル)とからなる電子線・紫外線硬化タイプのウレタン系オリゴマーが記載されている。
【0007】
そして上記活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマーとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられ、ポリイソシアネートとしては、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられ、低分子量ポリオールとしては、1,5ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられている。
【0008】
しかしながら該公報に記載のウレタン系オリゴマーを含有する活性エネルギー線硬化型ウレタン系樹脂組成物を塗布・硬化しても、塗膜の耐割れ性、仕上がり外観等の点で充分でないという問題点がある。
【0009】
なお、特開平9-40741号公報には、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオールまたは2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオールと、有機ジイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーを一成分とし、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを他の成分として共重合させてなる光硬化性ウレタンアクレートオリゴマー、および前記オリゴマーと光重合開始剤とを含有する光硬化性組成物が記載されている。
【0010】
また、特開平8-337629号公報には、数平均分子量が1,000〜7,000のポリエステルポリオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を特定の割合で反応させて得られる熱可塑性ポリウレタンであって、ポリエステルポリオールのエステル基濃度(エステル基/全炭素原子数)、結晶化エンタルピー、1分子当たりの水酸基数が特定の範囲にある熱可塑性ポリウレタンが記載されている。
【0011】
【発明の目的】
本発明は上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、塗料用として好適に使用でき、紫外線または電子線の照射によって硬化可能なウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物並びに新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物(プラスチック)を提供することを目的としている。
【0012】
本発明は、床材等の木工基材、プラスチックなどに対する密着性(付着性)に優れ、表面のタック感がなく表面硬化性に優れ、かつ耐割れ性に優れた塗膜が得られるようなワニス、光硬化性塗料組成物および該塗料組成物から形成された塗膜を提供することを目的としている。
【0013】
また本発明は、このような塗膜で被覆された構造物を提供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】
本発明に係るウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)は、
(A)(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
(b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
(c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールと、
(d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させてなることを特徴としている。
【0015】
本発明の好ましい態様においては、上記組成物(A)中の各オリゴマー末端には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)がウレタン結合にて結合しており、GPCにて測定したオリゴマー含有組成物の数平均分子量が500〜20,000の範囲にあることが望ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様においては、上記アルキレンジオール(c)は、2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有していることが好ましく、特に上記アルキレンジオール(c)が、3-メチル-1,5-ペンタンジオールであることが望ましい。
【0017】
本発明においては、上記イソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基のモル数(a-i)と、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)中のヒドロキシル基のモル数(b-i)と、アルキレンジオール(c)中のヒドロキシル基のモル数(c-i)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)中のヒドロキシル基のモル数(d-i)との関係が、(d-i)=2とするとき、
(b-i)+(c-i)=(a-i)−2
(但し、(a-i)は2〜6であり、(b-i)≧(c-i)である。)
を満たすことが好ましく、さらには、
上記(a-i)5モルに対して、(b-i)が2モル、(c-i)が1モル、(d-i)が2モルであることが望ましい。
【0018】
本発明に係るワニスは、上記のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)あるいは下記ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]と、その可溶性溶媒(B)とを含有することを特徴としている。
【0019】
本発明に係る光硬化性塗料組成物は、上記のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)あるいは下記ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]と、
(C)光重合性単量体と、
(D)光重合開始剤と、
を含有することを特徴としている。
【0020】
この光硬化性塗料組成物の好ましい態様においては、上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)100重量部に対して、光重合性単量体(C)が5〜25重量部の量で含まれ、かつ、これらオリゴマー含有組成物(A)と光重合性単量体(C)との合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)が1〜10重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0021】
上記のようなウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物は、上記イソシアネート化合物(a)と、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)と、アルキレンジオール(c)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)とを反応させることにより製造できる。
【0022】
上記ワニスや光硬化性塗料組成物は、床用塗料として好適である。
本発明に係る塗膜は、上記のワニスあるいは光硬化性塗料組成物から形成されている。
【0023】
本発明に係る構造物は、基材の表面が、上記のワニスあるいは光硬化性塗料組成物を塗布硬化してなる塗膜にて被覆されていることを特徴としている。
本発明に係る新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]は、
(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
(b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
(c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールと、
がウレタン結合にて重合しており、
かつ、重合物の末端には(d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがウレタン結合により結合しており、
GPCにて測定した数平均分子量が500〜50,000の範囲にあることを特徴としている。
【0024】
この新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]をワニス用あるいは塗料用樹脂分として用いる場合、その好ましい態様においては、上記アルキレンジオール(c)が、2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上さらには5個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有していることが望ましく、特に上記アルキレンジオール(c)が、3-メチル-1,5-ペンタンジオールであることが望ましい。
【0025】
本発明に係る上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、上記の新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]は、塗料用樹脂として好適であり、該オリゴマー含有組成物(A)あるいは上記化合物[A]を含む、ワニスや光硬化性塗料組成物は、紫外線または電子線などの照射によって硬化可能であり、木工基材などの塗料として有用である。
【0026】
特に、本発明に係るワニスや光硬化性塗料組成物を被塗物表面に塗布硬化させた場合には、得られる塗膜表面の耐割れ性、乾燥性に優れ、基材や下地塗膜との密着性に優れている。
【0027】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、それを含むワニス、光硬化性塗料組成物、該オリゴマー含有組成物の製造方法および前記塗料組成物から形成された塗膜、塗膜付き構造物並びに新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物およびその用途などについて、具体的に説明する。
【0028】
[ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)及び新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物 [A]
本発明に係るウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)は、
(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
(b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
(c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有しているアルキレンジオールと、
(d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、
を反応させてなる。
【0029】
本発明においては、上記イソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基のモル数(a-i)と、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)中のヒドロキシル基のモル数(b-i)と、アルキレンジオール(c)中のヒドロキシル基のモル数(c-i)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)中のヒドロキシル基のモル数(d-i)との関係が、
(d-i)=2とするとき、
(b-i)+(c-i)=(a-i)−2
(但し、(a-i)は2〜6であり、(b-i)≧(c-i)である。)
を満たすことが望ましい。
【0030】
この(b-i)+(c-i)が1より小さいと、得られるワニス、塗料組成物に充分な伸びと良好な表面硬化性を与えにくくなる。また、(b-i)+(c-i)が5より大きくなると、得られるワニス、塗料組成物に良好な硬化性、充分な伸びを付与できにくくなり、また粘度が増加し、良好なハンドリング性が得られにくくなる。さらに、(b)成分(化合物(b))中に存在するヒドロキシル基のモル数(b-i)が、(c)成分(化合物(c))中に存在するヒドロキシル基のモル数(c-i)より小さくなる((b-i)<(c-i))と、得られるワニス、塗料組成物に充分な伸びを付与できにくくなる。
【0031】
本発明の好ましい態様においては、上記各成分((a)、(b)、(c)、(d))中のヒドロキシ基((b-i)、(c-i)、(d-i))およびイソシアネート基(a-i)のモル比は、上記(a-i)5モルに対して、(b-i)が2モル、(c-i)が1モル、(d-i)が2モルであることが望ましい。
【0032】
また本発明においては、上記各成分(化合物)のモル比は、イソシアネート化合物(a)5モルに対して、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)2モル、アルキレンジオール(c)1モル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)4モルの量で用いることが望ましいが、通常、各成分とも±0.5モル程度の範囲で変動してもよい。
【0033】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)(単に、オリゴマーとも言う。)は、GPCにて測定した数平均分子量が500〜20,000、好ましくは1,000〜5,000の範囲にある。
【0034】
また、本発明に係る新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]は、
上記イソシアネート化合物(a)と、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)と、上記アルキレンジオール(c)とがウレタン結合にて重合しており、かつ、重合物の末端には(d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがウレタン結合にて結合しており、GPCにて測定した数平均分子量が500〜50,000、好ましくは、好ましくは1,000〜20,000の範囲にある。
【0035】
上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)及び新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]の何れの場合も、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)の数平均分子量が300〜2000の範囲にあると、上記オリゴマー含有組成物(A)あるいは上記化合物[A]を配合して得られるワニスや光硬化性塗料組成物に充分な伸びを与えることができしかも硬化塗膜はタック性に優れる。
【0036】
[イソシアネート化合物 (a)
このようなウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]を調製する際に用いられる、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物(a)(以下、単にイソシアネート化合物(a)ともいう。)としては、例えば、ジイソシアネート類のトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート;
トリイソシアネート類のリジントリイソシアネート;などが挙げられる。イソシアネート化合物(a)のうちでは、ジイソシアネート類が好ましい。
【0037】
これらのイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。得られるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)あるいはウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]のハンドリング性を考慮すると、イソフォロンジイソシアネートは粘度が低く、またチキソ性が低いので特に好ましい。
【0038】
[アルキレンジオール (c)
アルキレンジオール(c)としては、2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の何れか1個以上の炭素原子は少なくとも1個の側鎖を有している。このようなアルキレンジオール(c)のうちで特に好ましくは、2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が5個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有しているアルキレンジオールが望ましい。このような側鎖基を有するアルキレンジオールを用いると、得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)が配合されたワニスや塗料を塗布硬化してなる塗膜の結晶性が適度に抑制され、そのため塗膜が過度に硬くなることがなく、割れも生じにくくなる。
【0039】
このようなアルキレンジオール(c)は、通常、一般式(c):
【0040】
【化1】
Figure 0003886600
【0041】
[式(c)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、複数のR1、R2は同一であってもよく、異なっていてもよい。但し、複数のR1、R2のうちで少なくとも1個は、上記アルキル基である。qは、4以上の整数、好ましくは5以上の整数、特に好ましくは5〜10の整数を示す。]で表される。
【0042】
このようなアルキレンジオール(c)中の側鎖アルキル基の結合部位は、2個のヒドロキシ基(OH基)の間の直鎖炭素鎖を構成している炭素原子のうちで、OH基が結合している直鎖末端炭素原子以外の炭素原子であることが望ましい。換言すれば、OH基が結合している直鎖末端炭素原子には側鎖(分岐)がなく、この直鎖炭素鎖の末端炭素を除く炭素に分岐を有することが望ましい。
【0043】
また、該直鎖炭素鎖中の炭素原子に結合した側鎖(R1,R2)としては、炭素数が1〜5程度のアルキル基(イ)、置換基(例:メチル基、i-プロピル基)を有していてもよい芳香族基(ロ)、芳香族基含有アルキル基(ハ)等が挙げられ、中でも上記アルキル基(イ)が好ましい。側鎖基R1,R2が水素以外である場合、このような側鎖基R1,R2の個数は、1個でもよく、2個以上でもよい。
【0044】
側鎖基が炭素数が1〜5程度のアルキル基(イ)である場合、このようなアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n,i,t−ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0045】
このようなアルキレンジオール(c)として、具体的には、例えば、
2,3-ジメチル-1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール等が挙げられ、
2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数(q)が、5以上であり、かつ側鎖アルキル基を有する3-メチル-1,5-ペンタンジオールが特に好ましい。
【0046】
芳香族基含有アルキル基(ハ)としては、ベンジル基などが挙げられる。
本発明では、このようなアルキレンジオール(c)と前記ポリオキシテトラメチレングリコール(b)とを併用しているので、とくに、得られたウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)を含有するワニス、光硬化性塗料組成物は、硬化させた場合に耐割れ性、乾燥性に優れた塗膜を形成できる。
【0047】
[ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート (d)
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)には、アルキレン基が含まれるが、このアルキレン基としては、直鎖状でも分岐を有していてもよく、何れの場合も炭素数1〜5程度のものが好ましい。
【0048】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシn-プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシi-プロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシn-ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0049】
[ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート化合物 [A] の製造]
本発明においては、上記イソシアネート化合物(a)に、上記ポリオキシテトラメチレングリコール(b)と、3-メチル-1,5-ペンタンジオール等の上記アルキレンジオール(c)と、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)との混合物を反応させて、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]を製造している。
【0050】
このようにしてウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]を製造する際には、溶媒中で、触媒の存在下に、上記化合物(a)に、(b)と(c)と(d)の混合物を徐々に加えて、50〜95℃の温度で反応させることが望ましい。溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。触媒としては、有機錫系化合物が使用でき、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ジアセテート等が挙げられる。
【0051】
またこのようなウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]の製造の際には、各化合物(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ上述したようなモル比で用いればよいが、通常は、アルキレンジオール(c)1モルに対して、イソシアネート化合物(a)は、通常4.0〜6.0モル、好ましくは4.5〜5.5モルの量で、
ポリオキシテトラメチレングリコール(b)は通常、1.0〜3.0モル、好ましくは1.5〜2.5モルの量で、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)は、通常、3.0〜5.0モル、好ましくは3.5〜4.5モルの量で用いられる。
【0052】
このようにして得られる本発明に係るウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)には、
(i)イソシアネート化合物(a)とポリオキシテトラメチレングリコール(b)とアルキレンジオール(c)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)との反応物(本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物[A])の他に、
(ii)イソシアネート化合物(a)とポリオキシテトラメチレングリコール(b)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)との反応物、
(iii)イソシアネート化合物(a)とアルキレンジオール(c)とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)との反応物、
(iv)イソシアネート化合物(a)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)との反応物、
などが含有されていることが多い。
【0053】
本発明に係る上記の新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]は、上記(a)、(b)、(c)、(d)の各化合物を反応させて得られたこのウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)中に含有される幾種かの重合物(オリゴマーを含む)あるいは化合物のうちの1種である。
【0054】
このようなウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]は、そのまま、または下記に示すように溶剤等を配合することにより床用に好適な電子線硬化型ワニスとして使用でき、さらには顔料等を配合することにより床用に好適な電子線硬化型塗料組成物として使用でき、また(C)光重合性単量体および(D)光重合開始剤等を配合することにより例えば、床用に好適な光硬化性塗料組成物として使用できる。
【0055】
なお、以下の説明においては、上記各種オリゴマーなどのうちで、オリゴマーとしてはウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]のみが含まれたものもウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)ということがある。
【0056】
本発明に係るウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]を調製する際には、上記のイソシアネート化合物(a)としてジイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
【0057】
そこで、以下、イソシアネート化合物(a)がジイソシアネート化合物である場合を例示して本発明のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]についてさらに説明する。
【0058】
上記イソシアネート化合物(a)から誘導される成分単位(a)は、イソシアネート化合物(a)からイソシアネート基を除いたものであって、式(a):「−(Iso)−」(Isoはイソシアネート化合物(a)からイソシアネート基を除いた残基を示す。)で表され、
ポリオキシテトラメチレングリコール(b)から誘導される成分単位(b)は、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)からその両末端の水酸基を除いたものであって、式(b):
【0059】
【化2】
Figure 0003886600
【0060】
(式(b)中、pは繰返し単位数を示し、1以上の整数を示す。)で表され、
アルキレンジオール(c)から誘導される成分単位(c)は、アルキレンジオール(c)からその両末端の水酸基を除いたものであって、式(c-1):
【0061】
【化3】
Figure 0003886600
【0062】
(式(c-1)中、R1,R2およびqは、前記式(c)と同様である。)で表され、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)から誘導される成分単位(d)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)からその末端水酸基を除いたものであって、式(d):
【0063】
【化4】
Figure 0003886600
【0064】
(式(d)中、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R4、R5は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、tが2以上の場合、複数のR4、R5は互いに同一でも異なっていてもよい。なお、tは1〜5の整数を示す。)で表される。
【0065】
これらの各成分単位(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の新規ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]中においては、
イソシアネート化合物成分単位(a)と、ポリオキシテトラメチレングリコール成分単位(b)またはアルキレンジオール成分単位(c)とが、ウレタン結合にてランダムに結合してオリゴマー(重合物)を形成し、その末端には、ウレタン結合を介して、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート成分単位(d)が結合している。
【0066】
また、本発明のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)には、前述したように、通常、(i):(a)、(b)、(c)、(d)の各成分からなる上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]の他に、(ii):(a)、(b)、(d)の反応物(オリゴマー)、(iii):(a)、(c)、(d)の反応物(オリゴマー)、(iv):(a)、(d)の反応物などが含まれている。
【0067】
このような本発明に係る新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]の構造、分子量、同定などは、1H-NMR、13C-NMR、IR、元素分析、GPC等を利用することにより決定することができ、またウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)の分子量、組成、同定なども同様にして決定することができる。
【0068】
[ワニス]
本発明に係るワニスは、上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と、その可溶性溶媒(B)などを含有している。
【0069】
ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)を溶解しうる溶媒(B)(可溶性溶媒(B))としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなど従来より公知の有機溶媒が挙げられる。
【0070】
このような溶媒(B)は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このワニスには、必要により、例えば、後述する光硬化性塗料組成物に配合しうるような不飽和ポリエステル樹脂、アマニ油等の各種高分子物質、充填剤、顔料、光重合開始剤(D)、重合禁止剤、脱水剤、吸水剤、可塑剤、タレ止め・沈降防止剤、レベリング剤その他の改質剤、安定剤などを添加することもできる。
【0071】
ワニスを電子線照射し硬化させるときは、通常、光重合開始剤(D)を添加しなくともよいが、紫外線硬化させるときは、この光重合開始剤(D)を添加する。
【0072】
このワニスは、床用、建具用、家具用として好適であり、被塗物表面に塗布硬化させると特に耐割れ性、乾燥性に優れた塗膜となる。
[光硬化性塗料組成物]
本発明に係る光硬化性塗料組成物は、上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物[A]あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と、下記のような(C)光重合性単量体と、下記のような(D)光重合開始剤などとを含有している。
【0073】
この光硬化性塗料組成物は、床用、建具用、家具用塗料として好適であり、被塗物表面に塗布硬化させると特に耐割れ性、乾燥性に優れた塗膜となる。
光重合性単量体(C)>
この光硬化性塗料組成物中に含まれる上記光重合性単量体(C)としては、単官能性または多官能性のアクリレート系化合物などが好ましく用いられる。
このような光重合性単量体としては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,3-ビス(ヒドロキシエチル)-5,5-ジメチルヒダントイン、3-メチルペンタンジオール(メタ)アクリレート、α,ω-ジアクリルビスジエチレングリコールフタレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリット(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリットモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、α,ω-テトラアリルビストリメチロールプロパンテトラヒドロフタレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)クリレート、ジアクリロキシエチルフォスフェート、ジメタクリロキシエチルフォスフェート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、
下記式(M)で示される4-(メタ)アクリロイル-モルホリン:
【0074】
【化5】
Figure 0003886600
【0075】
[式(M)中、R7は、水素原子またはメチル基を示す。]
などが挙げられる。
このような光重合性単量体(C)のうちでは、特に上記式(M)で表される4-(メタ)アクリロイル-モルホリン(単量体)を含有する光硬化性塗料組成物は、プラスチックに対する密着性が向上し、また希釈性に優れ、一次皮膚刺激性が低く安定性に優れる。
【0076】
このような式(M)で表される4-(メタ)アクリロイル-モルホリンは、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)(あるいはウレタン(メタ)アクリレート化合物[A])及び光重合性単量体(C)の合計量に対し5〜50重量%、特に5〜30重量%となるような量で本発明の光硬化性塗料組成物中に配合されることが好ましい。この4-(メタ)アクリロイル-モルホリンの含量が5〜50重量%の範囲にあると、得られる塗膜の伸び、密着性、硬化性などがバランスよく優れる傾向がある。
【0077】
一般式(M)の4-(メタ)アクリロイル-モルホリンと、「その他の単量体」とを併用する場合、その他の光重合性単量体は、単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。一般式(M)の4-(メタ)アクリロイル-モルホリン以外の光重合性単量体は、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)及び光重合性単量体(C)の合計量を基準として50重量%以下の量で配合されることが好ましく、特に25重量%以下で配合されることが好ましい。その他の単量体の量が50重量%以下の量で配合されると得られる塗膜の伸び、密着性などの特性が全般的に優れる傾向にある。
【0078】
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と光重合性単量体(C)とは、(A)と(C)との合計を100重量%とするとき、(A)は50〜95重量%の量で、光重合性単量体(C)は残部量で含まれていることが好ましい。(A)が50〜95重量%の範囲にあると、塗膜の硬化性、伸び、密着性がバランスよく優れる傾向にある。
【0079】
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)としては、カルボニル系、スルフィド系、キノン系、アゾ系、スルホクロリド系、チオキサントン系、過酸化物系、その他o-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどの何れであってもよい。
【0080】
カルボニル系の光重合開始剤(D)としては、具体的には、例えば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、ω-ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルケタール、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、メチルベンゾイルホルメート、2,2-ジエトキシアセトフェノン、4-N,N'-ジメチルアセトフェノン等が挙げられる。
【0081】
スルフィド系の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ベンジルジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
【0082】
キノン系の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾキノン、アントラキノン、ナフトキノン等が挙げられる。
アゾ系の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビスプロパン、ヒドラジン等が挙げられる。
【0083】
チオキサントン系の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン等が挙げられる。
過酸化物系の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ-t-ブチルペルオキシド等が挙げられる。
【0084】
これらの光重合開始剤は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤のうちでは、樹脂への溶解性が良好な点でベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンが好ましい。
【0085】
これらの光重合開始剤(D)は、上記(A)及び光重合性単量体(C)成分の総量100重量部に対して、通常1〜10重量部の量で、好ましくは2〜5重量部の量で使用されるのが望ましい。この光重合開始剤(D)の量が上記1〜10重量部の範囲にあると光硬化性塗料組成物の光硬化性、得られた塗膜の物性共に優れる傾向にある。
【0086】
このような本発明に係る光硬化性塗料組成物を調製するには、常法に従って、上記各成分(A)、(C)、(D)を混合すればよい。また、必要に応じて下記の「その他の成分」を配合してもよい。なお、これら各成分は任意の順序で添加でき、また各成分を一度にあるいは少量ずつ添加してもよい。
【0087】
<その他の成分>
さらに本発明の光硬化性塗料組成物には、目的に応じて、
(i)不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、エポキシ末端ポリオキサゾリドン、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類等の天然及び合成高分子物質;
(ii)炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、亜鉛華、ベンガラ、アゾ顔料などの各種充填剤や有機系・無機系の各種顔料;
(iii)ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p-t-ブチルカテコール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等の重合禁止剤;
(iv)脂肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系(例:MIBK)、エステル系(例:酢酸ブチル)、エーテル系など、通常、塗料に配合されるような各種溶剤;
(V)無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブTI)等の脱水剤;
(Vi)TCP(トリクレジルフォスフェート)、塩化パラフィン、ポリビニルエチルエーテルなどの可塑剤;
(vii)有機粘土系Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アミドワックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス等のタレ止め・沈降防止剤(例:楠本化成(株)製の「ディスパロン」シリーズ);
さらにはレベリング剤その他の改質剤、吸水剤、安定剤などを添加することもできる。
【0088】
<用途、塗装方法>
上記のような光硬化性塗料組成物を被塗物の表面に常法に従って1回〜複数回塗布し、紫外線、電子線等を照射して硬化すれば、耐クラック性(耐割れ性)、乾燥性に優れた床材などが得られる。
【0089】
上記被塗物としては、鉄、アルミニウム等の金属素材、珪酸カルシウム板、軽量コンクリート板、石綿セメント板、モルタル等の無機建材、木工合板、家具、床、木工装飾材等の木材、紙材、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材などが挙げられる。
【0090】
これらのうちでは、被塗物の材質が特に木質、紙、プラスチックであると、本発明の光硬化性塗料組成物は良好に付着する。
このような光硬化性塗料組成物は、基材表面にプライマーなどの下地材を塗布した後、その表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の各種塗料による塗装が行われ、あるいは本発明の光硬化性塗料組成物による塗装が行われている基材の表面補修用として本発明の光硬化性塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして基材の表面に形成された塗膜の厚さは特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程度である。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線または電子線の照射によって硬化可能なプラスチックである新規なウレタン(メタ)アクリレート化合物あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物、これらの何れかを含むワニス、光硬化性塗料組成物が提供される。このウレタン(メタ)アクリレート化合物あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物を含有するワニスや光硬化性塗料組成物は、木工基材などの塗料として有用である。
【0092】
このウレタン(メタ)アクリレート化合物あるいはウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物を含有するワニスや光硬化性塗料組成物を床材等の基材表面に塗布し電子線・紫外線等にて硬化させると、耐割れ性(耐クラック性)、乾燥性、仕上り外観、付着性に優れた塗膜を基材表面に形成できる。
【0093】
【実施例】
以下、本発明について、実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこのような実施例により何等限定されるものではない。
【0094】
以下の実施例、比較例などにおいて、「部」とは、特にその趣旨に反しない限り「重量部」の意味である。
【0095】
【合成例1】
(ウレタンアクリレート化合物の合成)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサーを備えた四つ口フラスコに、イソフォロンジイソシアネート(ヒュルス社製 VESTANAT IPDI)555重量部(2.5モル)、
酢酸n-ブチル341重量部を仕込み、70℃に昇温後、70〜75℃に保温し、2-ヒドロキシエチルアクリレート232重量部(2.0モル)、
ポリオキシテトラメチレングリコール(保土谷化学社製PTG650SN、数平均分子量約650)650重量部(1.0モル)、
3-メチル-1,5-ペンタンジオール(クラレ社製)59重量部(0.5モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.75重量部、
ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタン U-100)0.75重量部、及び
酢酸ブチル300重量部
の混合液体を3時間かけて滴下し、反応を行った。
【0096】
滴下終了後、約6時間反応させたところ、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認し、反応を終了した。固形分濃度が約70%のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物含有液(ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート樹脂ワニス)が得られた。
【0097】
該ウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物のGPC測定の結果、ポリスチレンを標準物質とした場合の数平均分子量(Mn)は、1.43×103であり、重量平均分子量(Mw)は、3.58×103であり、Mw/Mnは2.50であった。
【0098】
該ウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物のGPC測定の結果を図1に示す。また、該ウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物のIR測定の結果を図2に示す。
【0099】
なお、GPC測定条件は以下の通り。
[GPC測定条件]
カラム:東ソー社製、SuperH2000+H4000、6mm I.D.、各15cm
溶離液:THF
流速 :0.500ml/min
検出器:RI
カラム恒温槽温度:40℃
装置 :東ソー社製、HLC−8120GPC
また、該ウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物の1H-NMR測定の結果を図3に示す。測定条件は、以下の通り。
【0100】
1H-NMR測定条件]
装置:日立製作所(製)「R-1500」型FT-NMR(60MHz)
積算回数:32回
溶媒:重クロロホルム
標準物質:TMS(テトラメチルシラン)
【0101】
【合成例2】
合成例1において、3-メチル-1,5-ペンタンジオール59重量部(0.5モル)に代えて、ジエチレングリコール53重量部(0.5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物を合成した。
【0102】
【合成例3】
合成例1において、3-メチル-1,5-ペンタンジオール59重量部(0.5モル)に代えて、ネオペンチルグリコール52重量部(0.5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物を合成した。
【0103】
【合成例4】
合成例1において、3-メチル-1,5-ペンタンジオール59重量部(0.5モル)に代えて、プロピレングリコール38重量部(0.5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物を合成した。
【0104】
【合成例5】
合成例1において、3-メチル-1,5-ペンタンジオール59重量部(0.5モル)に代えて、2-メチル-1,3-プロパンジオール45重量部(0.5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物を合成した。
【0105】
これら合成例1〜5の各成分の配合量(重量部、モル数)を併せて表1に示す。
【0106】
【合成例6】
合成例1において、3-メチル-1,5-ペンタンジオール59重量部(0.5モル)に代えて、1,5-ペンタンジオール52重量部(0.5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物を合成した。
【0107】
これら合成例1〜6での各成分(モノマー)の配合量(重量部、モル数)を併せて表1に示す。
【0108】
【表1】
Figure 0003886600
【0109】
【実施例(X−1)】
上記合成例1で得られたウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物<A>を固形分として90重量部と、アクリロイルモルフォリン(興人(株)製、商品名 ACMO)<C>10重量部とを混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。
【0110】
【比較例(X−1)〜(X−5)】
実施例(X-1)において、上記合成例1で得られたウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物<A>に代えて、上記合成例2〜6で得られたウレタンアクリレート系オリゴマー組成物をそれぞれ用いた以外は、実施例(X-1)と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
【0111】
実施例(X-1)、比較例(X-1)〜(X-5)の配合組成を併せて表2に示す。なお、表中、合成例1〜6のオリゴマー含有組成物は、何れも固形分表示である。
【0112】
【表2】
Figure 0003886600
【0113】
上記例で得られたウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物と光重合性単量体とを含む組成物[実施例(X-1)、比較例(X-1)〜(X-5)](オリゴマー含有組成物と光重合性単量体を含む組成物100部中に樹脂形成性成分70部、溶媒30部)70部、光重合開始剤(ベンジルジメチルケタール、BASF(製) ルシリンBDK)3部、吸水剤(東ソー(製)、ゼオラムA-4)2部、キシレン5部、酢酸ブチル5部、体質顔料(Unimin Canada(製)MINEX 10)20部を攪拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネート HX)5部を添加混合し、紫外線硬化塗料[紫外線硬化性樹脂組成物:実施例(X’-1)、比較例(X’-1)〜(X’-5)]を得た。
【0114】
これら組成物[実施例(X’-1)、比較例(X’-1)〜(X’-5)]の配合組成を表3に示す。
【0115】
【表3】
Figure 0003886600
【0116】
【塗膜性能評価試験】
上記実施例(X’-1)、比較例(X’-1)〜(X’-5)で得られた組成物(塗料)を0.2mm厚ナラ材ツキ板貼り合板にハケにて約2.5g/尺2(28g/m2)の量で塗布し、80W/cmの水銀ランプで5秒間照射し、硬化させ、各試験板を作成した。次いで、これらの試験板の表面硬化性、付着性、耐割れ性(寒熱繰返し試験、加熱放置試験)を評価した。
【0117】
結果を表5に示す。
Figure 0003886600
【0118】
Figure 0003886600
【0119】
但し、ワレ長さは塗装板15cm×15cm当たりの値で示す。
【0120】
【表4】
Figure 0003886600
【0121】
【表5】
Figure 0003886600
【0122】
【実施例(Y−1)】
<紫外線硬化性組成物(A)>
実施例(X-1)のウレタンアクリレート樹脂ワニス(塗膜形成性成分濃度70%)70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製)、ゼオラムA-4)2部、キシロール30部を撹拌機で混合し、均一にした後、得られた混合物にポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合し、紫外線硬化塗料(紫外線硬化性組成物(A)を得た。
【0123】
<紫外線硬化性組成物(B)>
エポキシアクリレート樹脂ワニス(昭和高分子(製)リポキシVR−77−85S)40部、不飽和ポリエステル樹脂ワニス(大日本インキ化学(製)ポリライトCU−770)40部、光開始剤(BASF(製)ルシリンBDK)4部、スチレンモノマー(住友化学(製))20部を撹拌機で混合し、紫外線硬化塗料(紫外線硬化性組成物B)を得た。
【0124】
上記組成物Aおよび組成物Bの配合組成を表6に示す。
<塗装>
0.2mm厚ナラ材ツキ板貼り合板に、上記組成物(A)をロールコーターにて3g/尺2(33g/m2)の量で塗付し、80W/cmの水銀ランプで5秒間照射し、硬化させた。
【0125】
次いで、その硬化塗膜をサンドペーパー#320で研摩した。
次いで、この組成物(A)の塗膜上に、上記組成物(A)の場合と同様にして、上記組成物(B)を2g/尺2(22g/m2)の量で塗付し、硬化させた。
【0126】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、仕上り外観、付着性、耐ワレ性(耐クラック性)において良好な結果を得た。
結果を併せて表7に示す。
【0127】
【実施例(Y−2)】
<紫外線硬化性組成物(A-1)>
実施例(X-1)のウレタンアクリレート樹脂ワニス70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製)、ゼオラムA-4)2部、キシロール10部、体質顔料(Unimin Canada(製)MINEX 10)20部を撹拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合し、紫外線硬化塗料(紫外線硬化性組成物(A-1))を得た。
【0128】
<紫外線硬化性組成物(B)>
実施例(Y-1)の組成物(B)と同一の組成物を使用した。
上記組成物(A-1)および組成物Bの配合組成を表6に示す。
【0129】
<塗装>
実施例(Y-1)において、組成物(A)に代えて、組成物(A-1)を用いた以外は、実施例(Y-1)と同一の条件で塗装を実施した。
【0130】
このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果、仕上り外観、付着性、耐ワレ性において良好な結果を得た。
結果を併せて表7に示す。
【0131】
【比較例(Y−1)】
<紫外線硬化性組成物(A-2)>
実施例(Y-1)の組成物(A)において、ウレタンアクリレート樹脂を下記のウレタンアクリレート樹脂に代えた紫外線硬化性組成物(A-2)を用いた。
【0132】
すなわち、この紫外線硬化性組成物(A-2)は、ウレタンアクリレート樹脂ワニス(日本合成(製)シコウUV−2250 BX−80)70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製):ゼオラムA-4)2部、キシロール30部を撹拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合して得た。
【0133】
<紫外線硬化性組成物(B)>
実施例(Y-1)の組成物(B)と同一のものを用いた。
上記組成物(A-2)および組成物Bの配合組成を表6に示す。
【0134】
<塗装>
実施例(Y-1)において、組成物(A)に代えて、上記組成物(A-2)を用いた以外は、実施例(Y-1)と同一の条件で塗装を実施した。このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った。
【0135】
結果を表7に示す。
【0136】
【比較例(Y−2)】
<紫外線硬化性組成物(A-3)>
実施例(Y-1)の組成物(A)においてウレタンアクリレート樹脂を下記のウレタンアクリレート樹脂に代えた紫外線硬化性組成物(A-3)を用いた。
【0137】
この紫外線硬化性組成物(A-3)は、ウレタンアクリレート樹脂ワニス(日立化成(製)ヒタロイド4870−13(70BA))70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製):ゼオラムA-4)2部、キシロール30部を撹拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合して得た。
【0138】
<紫外線硬化性組成物(B)>
実施例(Y-1)の組成物(B)と同一のものを用いた。
上記組成物A-3および組成物Bの配合組成を表6に示す。
【0139】
<塗装>
実施例(Y-1)において、組成物(A)に代えて、上記組成物(A-3)を用いた以外は、実施例(Y-1)と同一の条件で塗装を実施した。このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った。
【0140】
結果を表7に示す。
【0141】
【比較例(Y−3)】
<紫外線硬化性組成物(A-4)>
実施例(Y-1)の組成物(A)においてウレタンアクリレート樹脂を下記のウレタンアクリレート樹脂に代えた紫外線硬化性組成物(A-4)を用いた。
【0142】
この紫外線硬化性組成物(A-4)は、ウレタンアクリレート樹脂ワニス(日本合成(製)シコウUV−3510TL)70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製):ゼオラムA-4)2部、キシロール30部を撹拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合して得た。
【0143】
<紫外線硬化性組成物(B)>
実施例(Y-1)の組成物(B)と同一のものを用いた。
上記組成物A-4および組成物Bの配合組成を表6に示す。
【0144】
<塗装>
実施例(Y-1)において、組成物(A)に代えて、上記組成物(A-4)を用いた以外は、実施例(Y-1)と同一の条件で塗装を実施した。このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った。
【0145】
結果を表7に示す。
【0146】
【比較例(Y−4)】
<紫外線硬化性組成物(A-5)>
実施例(Y-2)の組成物(A-1)においてウレタンアクリレート樹脂を下記のウレタンアクリレート樹脂に代えた紫外線硬化性組成物(A-5)を用いた。
【0147】
この紫外線硬化性組成物(A-5)は、ウレタンアクリレート樹脂ワニス(日立化成(製)ヒタロイド4870−13(70BA))70部、光開始剤(チバガイギー(製):イルガキュア184)3部、吸水剤(東ソー(製):ゼオラムA-4)2部、体質顔料(Unimin Canada(製)MINEX 10)20部、キシロール10部を撹拌機で混合し、均一にした後、ポリイソシアネート樹脂(日本ポリウレタン(製)コロネートHX)5部を添加混合して得た。
【0148】
<紫外線硬化性組成物(B)>
実施例(Y-1)の組成物(B)と同一のものを用いた。
上記組成物A-5および組成物Bの配合組成を表6に示す。
【0149】
<塗装>
実施例(Y-1)において、組成物(A)に代えて、上記組成物(A-5)を用いた以外は、実施例(Y-1)と同一の条件で塗装を実施した。このようにして得られた塗装板について、各種試験を行った結果を表7に示す。
【0150】
【表6】
Figure 0003886600
【0151】
実施例(Y-1)〜(Y-2)、比較例(Y-1)〜(Y-4)での各種試験方法は以下の通り。
<試験方法>
▲1▼ 仕上り外観:目視にて、ハジキと白化の有無で3段階評価した。
【0152】
Figure 0003886600
【0153】
Figure 0003886600
【0154】
【表7】
Figure 0003886600

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、合成例1により得られるウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物のGPC測定の結果を示すグラフである。
【図2】図2は、合成例1により得られるウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物のIR測定の結果を示すグラフである。
【図3】図3は、合成例1により得られるウレタンアクリレート系オリゴマー含有組成物の1H-NMR測定の結果を示すグラフである。

Claims (15)

  1. (A)(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
    (b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
    (c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールと、
    (d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させてなる
    ことを特徴とするウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  2. 上記イソシアネート化合物(a)と、ポリオキシテトラメチレングリコール(b)と、
    アルキレンジオール(c)と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)とを反応させてなり、
    各オリゴマー末端には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)がウレタン結合により結合しており、
    GPCにて測定したオリゴマー含有組成物の数平均分子量が500〜20,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  3. 上記アルキレンジオール(c)が、2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が5個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールであることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  4. 上記アルキレンジオール(c)が、3-メチル-1,5-ペンタンジオールであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  5. 上記イソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基のモル数(a-i)と、
    ポリオキシテトラメチレングリコール(b)中のヒドロキシル基のモル数(b-i)と、
    アルキレンジオール(c)中のヒドロキシル基のモル数(c-i)と、
    ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(d)中のヒドロキシル基のモル数(d-i)との関係が、
    (d-i)=2とするとき、
    (b-i)+(c-i)=(a-i)−2
    (但し、(a-i)は2〜6であり、(b-i)≧(c-i)である。)
    を満たすことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  6. 上記(a-i)5モルに対して、(b-i)が2モル、(c-i)が1モル、(d-i)が2モルであることを特徴とする請求項5に記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物。
  7. 上記請求項1〜6の何れかに記載のウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と、その可溶性溶媒(B)とを含有することを特徴とするワニス。
  8. 上記請求項1〜6の何れかに記載の(A)ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と、
    (C)光重合性単量体と、
    (D)光重合開始剤と、
    を含有することを特徴とする光硬化性塗料組成物。
  9. 上記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)100重量部に対して、光重合性単量体(C)が5〜25重量部の量で含まれ、かつ、
    これらウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物(A)と光重合性単量体(C)との合計100重量部に対して、光重合開始剤(D)が1〜10重量部の量で含まれていることを特徴とする請求項8に記載の光硬化性塗料組成物。
  10. (A)(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
    (b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
    (c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールと、
    (d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させて、
    GPCにて測定した数平均分子量が500〜20,000の範囲にあるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物を製造することを特徴とするウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー含有組成物の製造方法。
  11. 請求項7に記載のワニスまたは請求項8〜9の何れかに記載の光硬化性塗料組成物からなる床用塗料。
  12. 請求項7に記載のワニスまたは請求項8〜9の何れかに記載の光硬化性塗料組成物から形成されたことを特徴とする塗膜。
  13. 基材の表面が、請求項7に記載のワニスまたは請求項8〜9の何れかに記載の光硬化性塗料組成物を塗布硬化してなる塗膜にて被覆されていることを特徴とする構造物。
  14. (A)(a)1分子中にイソシアネート基を少なくとも2個有するイソシアネート化合物と、
    (b)数平均分子量が300〜2000のポリオキシテトラメチレングリコールと、
    (c)2個のヒドロキシ基の間の直鎖炭素鎖の炭素原子数が4個以上であり、かつ該直鎖炭素鎖中の炭素原子は側鎖を有するアルキレンジオールと、
    がウレタン結合にて重合しており、
    かつ、重合物の末端には(d)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがウレタン結合により結合しており、
    GPCにて測定した数平均分子量が500〜50,000の範囲にあることを特徴とするウレタン(メタ)アクリレート化合物。
  15. 上記アルキレンジオール(c)が、3-メチル-1,5-ペンタンジオールであることを特徴とする請求項14に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物。
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