JP4288691B2 - 光硬化性樹脂組成物を含む塗料を用いた硬化塗膜の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線又は電子線の照射によって硬化可能な塗料として有用な光硬化性樹脂組成物を含む塗料を用いた硬化塗膜の製造法に関する。特に、硬化させた場合に、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜表面への付着性に優れ、かつ、硬化塗膜表面の鉛筆硬さと耐擦り傷性に優れた塗膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を含む塗料を用いた硬化塗膜の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラスチック塗装用には低温硬化が可能なイソシアネート硬化アクリルポリオール塗料が使用されている。プラスチック基材としては塩ビ、ABS、AS、PC、PETなどが使用されており、その意匠性(カラーリング、模様、光沢つけなど)を高めるために、各種基材との密着性に優れるイソシアネート硬化アクリルポリオールなどが使用されている。その適用例としては、掃除機、電話機、音響機器などの各種家電製品や文具関連製品などが挙げられる。
【0003】
しかし、アクリルポリオールをイソシアネート硬化させて得られるイソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜は、表面の平滑性、擦り傷性、耐薬品性などに劣るため、これら特性の向上が要求されている。その解決策として、従来より、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜上に、UV硬化塗膜を形成し、耐擦り傷性、耐薬品性などを向上させる手法が検討されている。しかしながら、付着性、耐擦り傷性及び硬化性と柔軟性のバランスを兼ね備え、塗装時の塗膜平滑性に優れた光硬化性樹脂組成物は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プラスチック基材などに塗布したときに塗膜の平滑性に優れ、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜への密着性に優れ、塗膜の耐擦り傷性に優れ、かつ、塗膜の可とう性に優れる硬化塗膜の製造法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、イソシアネート基を3つ有するイソシアネート化合物(a)及び1分子中に2つ以上の不飽和2重結合と1つの水酸基とを有するヒドロキシル基含有不飽和化合物(b)を反応させて得られるウレタン結合を介して不飽和二重結合を少なくとも2つ有する構造を、1分子中に3つ有するウレタン化合物(A)、一般式(I)
【化2】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す)で表される光重合性単量体(B)及び光重合開始剤(C)を含有してなる光硬化性樹脂組成物を含む塗料を、イソシアネート硬化アクリルポリオール樹脂の塗膜を形成した基材上に塗布し、硬化することを特徴とする、硬化塗膜の製造法に関する。
【0006】
また本発明は、前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料が、さらに、不飽和二重結合を有する光重合性単量体(D)を含有する硬化塗膜の製造法に関する。
【0007】
また本発明は、前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料のイソシアネート化合物(a)が、イソフォロンジイソシアネートの3量体、トリレンジイソシアネートの3量体又はトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、ヘキサンメチレンジイソシアネートの3量体である硬化塗膜の製造法に関する。また本発明は、前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料のヒドロキシル基含有不飽和化合物(b)が、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート又はトリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジメタクリレートである硬化塗膜の製造法に関する。
【0008】
また本発明は、前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料の(D)成分が、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートのトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート又はトリヒドロキシエチルイソシアヌレートのトリメタクリレートである硬化塗膜の製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、ウレタン化合物(A)について詳述する。
本発明で用いるウレタン化合物(A)は、ウレタン結合を介して不飽和二重結合を少なくとも2つ有する構造が、1分子中に3つ有するものである。このウレタン化合物(A)を使用することにより、得られる塗膜の耐擦り傷性、塗膜外観などが優れる。
【0011】
本発明で用いるウレタン化合物(A)の製造法に特に制限はなく、たとえば、イソシアネート基を3つ有するイソシアネート化合物(a)及び1分子中に2つ以上の不飽和二重結合と1つの水酸基とを有するヒドロキシル基含有不飽和化合物(b)を反応させることにより得ることができる。
【0012】
ここで使用される1分子中にイソシアネート基を3つ有するイソシアネート化合物(a)成分としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネートなどの各ジイソシアネート化合物の3分子がイソシアヌレート環を形成し3量体となっている、末端に3つのイソシアネート基を含有する化合物が好ましいものとしてあげられる。これらの中で、得られるウレタン化合物(A)のハンドリング性を考えるとイソフォロンジイソシアネートの3量体、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体またはテトラメチルキシリレンジイソシアネートの3量体が、粘度が低く、またチキソ性が低いので好ましい。
【0013】
1分子中に2つ以上の光硬化可能な不飽和二重結合と1つの水酸基を有するヒドロキシル基含有不飽和化合物(b)成分としては、例えば、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中では、耐擦り傷性の点で、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
ウレタン化合物(A)は、単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。
【0014】
(B)成分は、前記一般式(I)で示される光重合性単量体であるが、これを必須成分として用いることにより、耐擦り傷性を低下することなく、優れた付着性を得ることができる。一般式(I)で示される光重合性単量体としては、反応性の点で、一般式(I)中のRが水素原子であるアクリレートが好ましい。
【0015】
(A)成分の配合割合は、(A)成分、(B)成分及び後述する(D)成分の総和を基準として、(A)成分が20〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。(A)成分の割合が20重量%未満では、耐擦り傷性が劣る傾向にあり、また、70重量%を超えると、得られる塗膜の外観、付着性、耐擦り傷性などの特性が全般的に低下する傾向にある。
【0016】
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物を含む塗料は、(C)成分として光重合開始剤を含有する。この光重合開始剤としては、例えば、カルボニル系[ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−N,N’−ジメチルアセトフェノン類など]、スルフィド系(ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィドなど)、キノン系(ベンゾキノン、アントラキノンなど)、アゾ系(アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロパン、ヒドラジンなど)、スルホクロリド系、チオキサントンなど)、過酸化物系(過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシドなど)、o−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
これらの光重合開始剤の配合量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必要に応じて用いられる(D)成分の総和100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、3〜7重量部がより好ましい。この量が1重量部未満であると、光硬化性が充分でなく、10重量部を超えると、得られた塗膜の物性が全般的に低下する傾向にある。
【0018】
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物を含む塗料は、必要に応じ、さらに不飽和二重結合を1つ以上有する光重合性単量体(D)を含有することができる。この光重合性単量体(D)としては、単官能性又は多官能性の(メタ)アクリレート系化合物などを用いることができる。
【0019】
これらの光重合性単量体(D)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシ(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)−5、5−ジメチルヒダントイン、3−メチルペンタンジオール(メタ)アクリレート、α−,ω−ジ(メタ)アクリルビスジエチレングリコールフタレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリット(メタ)アクリレート、ペンタエリトリットヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリットモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、α、ω−テトラアリルビストリメチロールプロパンテトラヒドロフタレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジアクリロキシエチルフォスフェート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、これらのうちアクリル酸エステルの誘導体が好ましい。
【0020】
中でも、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート又はトリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジ(メタ)アクリレートが耐擦り傷性の点で好ましい。
【0021】
(D)成分は、単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。(D)成分を用いる場合、(A)成分、(B)成分及び(D)成分の総和を基準として、 (B)成分と(D)成分の合計量が、30〜80重量%であることが好ましく、40〜70重量%であることがより好ましい。この量が30重量%未満又は80重量%を超えると得られる塗膜の外観、付着性、耐擦り傷性などの特性が全般的に低下する傾向にある。
また、この場合、(B)成分と(D)成分の配合割合は、前者/後者(重量比)で10/90〜30/70が付着性及び耐擦り傷性の点で好ましい。
【0022】
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物を含む塗料には、さらに必要に応じて(i)炭化水素系有機溶剤、エステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤等の有機溶剤(使用する場合、(A)(B)(C)及び(D)成分の総和100重量部に対して、好ましくは70重量部以下の量)、(ii)不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、エポキシ末端ポリオキサゾリドン、アクリル樹脂類、アルキド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類等の天然及び合成高分子物質(使用する場合、(A)(B)(C)及び(D)成分の総和100重量部に対して、好ましくは50重量部以下の量)、(iii)炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、亜鉛華、ベンガラ、アゾ顔料などの各種充填剤や顔料(使用する場合、(A)(B)(C)及び(D)成分の総和100重量部に対して、好ましくは10重量部以下の量)、(iv)ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤(使用する場合、(A)(B)(C)及び(D)成分の総和100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部の量)などを添加することができる。
【0023】
本発明で用いる光硬化性樹脂組成物を含む塗料は、鉄、アルミニウム等の金属素材、珪酸カルシウム板、軽量コンクリート板、石綿セメント板、モルタル等の無機建材、木材、紙、プラスチック基材などの紫外線硬化性塗料や印刷インキなどとして使用できる。塗料として使用するときには、レベリング剤、その他の改質剤を添加することもできる。
【0024】
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いた塗料は、イソシアネート硬化アクリルポリオール樹脂の塗膜を形成した基材上に塗布し、硬化する硬化塗膜の製造法のための、上塗り塗料として好適であり、この製造法により得られる硬化塗膜は、密着性、耐薬品性、耐汚染性および耐擦り傷性に優れる。塗布の方法は、バーコータによる方法等、公知の方法が適用でき、特に制限されない。硬化は、紫外線照射や電子線の照射により行うことができ、その装置、条件等も特に制限はない。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により詳細に説明する。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、全て重量基準である。
【0026】
製造例1(ウレタンアクリレート化合物)
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、テトラメチロールメタントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名 A−TMM−3、水酸基価122)444部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.32部、ジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.64部及び酢酸エチル160部を仕込み、70℃に昇温後70〜75℃に保温し、コロネートHX(日本ポリウレタン工業(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、NCO含有率=21.1% )191部および酢酸エチル120部の混合液体を3時間で均一に滴下し反応を行った。滴下完了後約5時間反応させたところで、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、固形分が約70%、重量平均分子量が2000のウレタンアクリレート化合物を得た。
【0027】
製造例2(ウレタンアクリレート化合物)
撹拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を装備した反応容器に空気ガスを導入させた後、テトラメチロールメタントリアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名 A−TMM−3)347部、2−ヒドロキシエチルアクリレート116部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.4部、ジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名 L101)0.8部及び酢酸エチル160部を仕込み70℃に昇温後70〜75℃に保温し、コロネートHX(日本ポリウレタン工業(株)製)298部および酢酸エチル120部の混合液体を3時間で均一滴下し反応を行った。滴下完了後約5時間反応させたところでIR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認し反応を終了し、固形分が約70%、重量平均分子量が1500のウレタンアクリレート化合物を得た。
【0028】
製造例1及び2で得られたウレタンアクリレート化合物を使用して、表1に示す配合で、実施例1〜3及び比較例1〜2の光硬化性樹脂組成物を調製した。
【0029】
【表1】
【0030】
応用例
上記各実施例および比較例で得られた光硬化性樹脂組成物を、下記(1)の手法で作成したイソシアネート硬化アクリルポリオール塗装板上に(2)の手法で塗装、硬化させて評価用試験板を作成した。80w/cm高圧水銀灯1灯、照射距離15cm、コンベア速度10m/分(1回の照射量約250mJ/cm2)で照射した。
【0031】
(1)中塗り、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜の作成
塗料配合;ヒタロイド3368/スミジュールN−75/酢酸ブチル=100/14/13(重量比)
*ヒタロイド3368:アクリルポリオール樹脂、日立化成工業(株)製、水酸基価=30mgKOH/g、Tg=65℃,粘度=10ポイズ,加熱残分=50%
*スミジュールN−75:イソシアネート硬化剤、住友バイエルウレタン(株)製、NCO含有量=16.4%
【0032】
塗装硬化方法;基材 透明硬質塩ビ板(日本テストパネル(株)製、三菱塩ビ3001:0.5mm×200mm×300mm)
塗装方式;バーコーター60番
乾燥;60℃熱風乾燥機内で15分間
塗膜養生;23℃養生室で約12時間放置硬化させ試験板を作成。
【0033】
(2)評価用UV硬化塗膜板作成方法
塗装;バーコーター8番
乾燥;60゜C熱風乾燥機内で1分間
UV照射;80w/cm 高圧水銀灯 1灯 コンベア速度 10m/分
(紫外線照射装置:6kw、80w/cm×2灯、UV照射装置;日本電池株式会社製 UV照射量: コンベア速度10m/分は100mJ/cm2照射に相当)
測定機器:トプコン工業用UVチェッカーUV R−T35、測定波長範囲:約300〜390nm)
【0034】
こうして得られた塗膜について、各種の性能試験を行った。結果を表2に示す。
(1)塗膜外観:目視にて塗膜表面の平滑性を評価した。
(2)耐薬品性:キシレンを染み込ませたガーゼを使用し、塗膜表面を50回擦り、塗膜表面状態を観察した。
(3)耐マジック汚染性:赤マジック、黒マジックで塗膜表面に長さ3cm程度の直線を描き、6時間後にイソプロピルアルコールを染み込ませた脱脂綿で拭き取り、塗膜表面を観察した。
【0035】
(4)密着性:JIS−K5400碁盤目剥離試験に基づく。
(5)耐擦り傷性
試験機:テスター産業(株)製 学振型摩擦堅牢度試験機
試験荷重:500g
往復速度:約30回/分
試験片取付台:表面R200mm
往復距離:約120mm
摩擦子接触面積:約1cm2
試験方法:試験片取付台に短冊形に切り取った試験片を取り付ける。また、摩擦子表面にはスチールウール(ボンスター#0000)を取り付ける。
25℃雰囲気温度の室内で200回摩擦試験を行い塗膜表面の傷付き程度を目視観察した。
結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明の硬化塗膜の製造法によれば、プラスチック基材などに塗布したときに塗膜の平滑性に優れ、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗膜への密着性に優れ、塗膜の耐擦り傷性に優れ、かつ、塗膜の可とう性に優れる塗膜が得られる。
Claims (5)
- 前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料が、さらに不飽和二重結合を有する光重合性単量体(D)を含有する請求項1記載の硬化塗膜の製造法。
- 前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料のイソシアネート化合物(a)が、イソフォロンジイソシアネートの3量体、トリレンジイソシアネートの3量体、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの3量体又はヘキサンメチレンジイソシアネートの3量体である請求項1又は2に記載の硬化塗膜の製造法。
- 前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料のヒドロキシル基含有不飽和化合物(b)が、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート又はトリヒドロキシエチルイソシアヌレートのジメタクリレートである請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化塗膜の製造法。
- 前記光硬化性樹脂組成物を含む塗料の(D)成分が、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリヒドロキシエチルイソシアヌレートのトリアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート又はトリヒドロキシエチルイソシアヌレートのトリメタクリレートである請求項2乃至4のいずれかに記載の硬化塗膜の製造法。
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