JP7402113B2 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は硬化性組成物及びその硬化物に関する。
モバイル機器や家電製品等筐体にはABSやポリカーボネートなどの樹脂素材が用いられるが、これらのプラスチック製品は傷がつきやすい。そのため、耐摩耗性を向上させるために表面にハードコート膜を設けており、そのためのコーティング剤として3個以上のエチレン性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物等の多官能(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂を含むコーティング剤等が知られている(例えば特許文献1を参照)。
また基材密着性を付与するために、ウレタンエマルション等のプライマーを用いて、その上にUVインキによるハードコート層を形成する方法が知られている(例えば特許文献2を参照)
多官能(メタ)アクリレートを多くすると耐摩耗性が向上するが、これらの多官能(メタ)アクリレートは粘度が高いためにコーティング剤の粘度が高くなり、均一な塗布が難しくなって塗工方法にも大きく制限がかかる。また、希釈溶剤を併用して粘度を調整することも行われているが、環境負荷の低減や生産性の向上の観点から、希釈溶剤の使用は避けることが望まれている。
一方で希釈溶剤の使用を避けた、低粘度のモノマー組成物は、ハードコート層塗布時に水性プライマー層を浸食し、望んだ粘度、硬度、密着性を得ることが難しい。
特開2010-24255号公報 特開2007-153958号公報
本発明の目的は、塗工性に優れ、水性プライマー層浸食による密着性の低下がなく、硬度に優れる硬化物を与える硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)、分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)、一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)及び光重合開始剤(E)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
(A)の含有量が10重量%~60重量%、(B)の含有量が10重量%~40重量%、(C)の含有量が5重量%~30重量%、(D)の含有量が5重量%~40重量%及び(E)の含有量が2重量%~15重量%である活性エネルギー線硬化性組成物
CH=CR-COO-(RO)-COCR=CH (1)
[一般式(1)中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、nは2~4の整数であり、複数個あるRは同一でも異なっていてもよく、2つあるRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。];該活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、塗工性に優れ、基材を侵しにくく、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は硬度に優れるという効果を奏する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)、分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)、一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)及び光重合開始剤(E)を含む。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」を、「(メタ)アクリルアミド」とは「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」を意味する。
以下に、3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)、分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)、一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)及び光重合開始剤(D)を順に説明する。
本発明の3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)としては、3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A1)及び4~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A2)等が挙げられる。
3個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A1)としては、炭素数3~30の3価以上(好ましくは3~8価)のアルコール(1モル)と(メタ)アクリル酸(3モル)とのエステル化物[例えばグリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート]、及び炭素数3~30の3価以上(好ましくは3~8価)のアルコールのアルキレンオキサイド(アルキレン基の炭素数2~4)1~30モル付加物(1モル)と(メタ)アクリル酸(3モル)とのエステル化物[例えばトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート]等が挙げられる。
4~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A2)としては、炭素数5~30の4価以上(好ましくは4~8価)のアルコール(1モル)と(メタ)アクリル酸(4モル以上、ただしアルコール1モルが有する水酸基のモル数を超えない)のエステル化物[例えばペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート];炭素数5~30の4価以上(好ましくは4~8価)のアルコールのアルキレンオキサイド(アルキレン基の炭素数2~4)1~30モル付加物(1モル)と(メタ)アクリル酸(4モル以上、ただしアルコール1モルが有する水酸基のモル数を超えない)のエステル化物[例えばジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート];10官能ウレタンアクリレート[商品名:Etercure 6195-100]等が挙げられる。
(A1)及び(A2)のうち、硬度の観点から好ましいのはトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレートである。
多官能(メタ)アクリレート(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
多官能(メタ)アクリレート(A)の25℃での粘度は、低粘度化の観点から好ましくは2000mPa・s以下であり、更に好ましくは1000mPa・s以下である。
本発明の分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)としては、分岐アルキレン基を有する炭素数4~30のアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物が挙げられる。
更に詳しくは、1,2-ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート及びジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート等が挙げられる。
(B)のうち、硬度の観点から、好ましくはネオペンチルグリコールジアクリレート及び3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレートである。
上記のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)としては、1個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C1)及び2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C2)が挙げられる。
1個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C1)としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド及びこれらのエチレンオキシド付加物等のアルキル(メタ)アクリルアミド;ベンジル(メタ)アクリルアミド及びフェニルエチル(メタ)アクリルアミド等のアラルキル(メタ)アクリルアミド;トリシクロデカニル(メタ)アクリルアミド、イソボルニル(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド及びこれらのエチレンオキシド付加物等の脂環式構造を有する(メタ)アクリルアミド;テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、そのエチレンオキシド付加物等のヘテロ原子を含む環構造を有する(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド;フェニルグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、シクロヘキセンオキシドの(メタ)アクリル酸付加物などのエポキシ(メタ)アクリルアミド;ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1~8のヒドロキシアルキル基を有するモノ(メタ)アクリルアミド、N-n-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1~8のアルコキシ基を有するモノ(メタ)アクリルアミド、末端がフェノキシ基のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリルアミド、末端がフェノキシ基のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリルアミド等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリルアミド;ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリルアミド等のポリエステル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C2)としては、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ブタンジオールジ(メタ)アクリルアミド、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリルアミド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジ(メタ)アクリルアミド及びこれらのアルキレンオキシド付加物等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリルアミド、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリルアミド及びポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリルアミド;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリルアミド等の脂環式構造を有するジ(メタ)アクリルアミド;ジオキサングリコールジ(メタ)アクリルアミド等のヘテロ原子を含む環構造を有するジ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(C)のうち、硬度の観点から、好ましくは1個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C1)であり、更に好ましくはアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、炭素数1~8のヒドロキシアルキル基を有するモノ(メタ)アクリルアミド及び炭素数1~8のアルコキシ基を有するモノ(メタ)アクリルアミドであり、特に好ましくはジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド及びヒドロキシエチルアクリルアミドである。
上記の(メタ)アクリルアミド(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)は一般式(1)中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、nは2~4の整数であり、複数個あるRは同一でも異なっていてもよく、2つあるRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である2官能(メタ)アクリレートである。(D)の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びテトラブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(D)のうち、塗膜硬度の観点から、好ましくは一般式(1)で示される2官能アクリレートであり、更に好ましくはRが炭素数2~3のアルキレン基である一般式(1)で示される2官能アクリレートであり、特に好ましくはジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートである。
上記の一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の光重合開始剤(E)としては、好ましくはラジカル重合型の光重合開始剤である。具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、2,4-ジエチルチオキサントン及び2-イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
これらのうち、硬化性の観点から好ましくは2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、2,4-ジエチルチオキサントン及び2-イソプロピルチオキサントンであり、更に好ましくは2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
上記の光重合開始剤(E)は、1種を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の25℃での粘度は、塗工性の観点から、好ましくは10~100mPa・sであり、更に好ましくは20~90mPa・sであり、特に好ましくは30~80mPa・sである。
3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、10重量%~60重量%であり、好ましくは20重量%~50重量%、更に好ましくは30重量%~50重量%である。
(A)の含有量が10重量%未満であると、硬度が不足し、60重量%を超えると塗工性が低下する。
分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、10重量%~40重量%であり、好ましくは15重量%~40重量%、更に好ましくは30重量%~40重量%である。
(B)の含有量が10重量%未満であると、硬化性が不足し、40重量%を超えると基材への浸食性が悪化する。
1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、5重量%~30重量%であり、好ましくは8重量%~30重量%、更に好ましくは10重量%~30重量%である。
(C)の含有量が5重量%未満であると、硬化性が不足し、30重量%を超えると硬度が不足する。
一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、5重量%~40重量%であり、好ましくは10重量%~30重量%、更に好ましくは15重量%~30重量%である。
(C)の含有量が5重量%未満であると、硬化性が不足し、40重量%を超えると硬度が不足する。
光重合開始剤(E)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、2重量%~15重量%であり、好ましくは3重量%~15重量%、更に好ましくは5重量%~10重量%である。
(D)の含有量が2重量%未満であると、硬化性が不足し、15重量%を超えると硬度が不足する。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、更に、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム及びN-ビニルアセトアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のN-ビニル化合物(F)を含むことが、硬化性の観点から好ましい。
N-ビニル化合物(F)の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて、硬度の観点から、好ましくは2重量%~20重量%であり、更に好ましくは3重量%~15重量%、特に好ましくは4重量%~10重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、増感剤(G)、レベリング剤(H)、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ性向上剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
添加剤の合計の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の重量に基づいて硬度の観点から、好ましくは20重量%以下であり、更に好ましくは15重量%以下であり、特に好ましくは10重量%以下である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)を照射して硬化させることにより、硬化物として例えば硬化膜を有するハードコート被覆物を得ることができる。
塗工に際しては、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。
塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、0.5~300μmである。乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μmであり、硬度の観点から好ましい下限は1μmである。
上記の透明基材としては、ガラス基材やメチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂からなるもの等が挙げられる。
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。
乾燥温度は、塗膜の平滑性及び外観の観点から好ましくは10~200℃であり、更に好ましい範囲の上限は150℃、乾燥速度の観点から更に好ましい範囲の下限は30℃である。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線により硬化させる場合は、LED光源紫外線照射装置[例えば、LED光源紫外線照射装置「FJ100 150×20 365、phoseon TECHNOLOGY(株)製]]が使用できる。
なお、LED光源は、その他の紫外線光源と比較して、低消費電力でオゾンの発生も少なくランニングコストが低く環境負荷が少ない。
紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは50~10,000mJ/cm、更に好ましくは200~5,000mJ/cmである。
なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、LED光源より広域波長の紫外線を発する高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線照射装置ももちろん適用でき、性能を発揮する。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1~13及び比較例1~5
表1及び表2に示す配合組成(重量部)で均一混合して、実施例及び比較例の各硬化性組成物を得た。
Figure 0007402113000001
Figure 0007402113000002
なお、表1及び表2中で使用した原料は以下の通りである。
(A-1):ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名:ネオマーEA-300、三洋化成工業(株)製]
(A-2):トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:NKエステル A-TMPT、新中村化学(株)製]
(A-3):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名:ネオマーDA-600、三洋化成工業(株)製]
(A-4):ペンタエリスリトールテトラアクリレート[商品名:Etermer EM241:長興材料有限公司 製]
(A-5):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[商品名:Satomer SR399:Arkema社 製]
(A-6):10官能ウレタンアクリレート[商品名:Etercure 6195-100:長興材料有限公司 製]
(B-1):ネオペンチルグリコールジアクリレート[商品名:ライトアクリレートNP-A、共栄社化学(株)製]
(B-2):3-メチル-1,5ペンタンジオールジアクリレート[商品名:ライトアクリレートMPD-A、共栄社化学(株)製]
(C-1):アクリロイルモルホリン[商品名:ACMO、KJケミカルズ(株)製]
(C-2):ジメチルアクリルアミド[商品名:DMAA、KJケミカルズ(株)製]
(C-3):ジエチルアクリルアミド[商品名:EAA、KJケミカルズ(株)製]
(C-4):ヒドロキシエチルアクリルアミド[商品名:HEAA、KJケミカルズ(株)製]
(C-5):N-n-ブトキシメチルアクリルアミド[商品名:NBMA、MCCユニテック(株)製]
(C-6):N,N’-メチレンビスアクリルアミド[商品名:MBAA、MCCユニテック(株)製]
(D-1):ジプロピレングリコールジアクリレート[商品名:NKエステルAPG-100:新中村工業(株)製]
(D-2):トリプロピレングリコールジアクリレート[商品名:Etermer EM223:長興材料有限公司 製]
(D-3):トリエチレングリコールジアクリレート[商品名:ライトアクリレート3EG-A、共栄社化学(株)製]
(D-4):テトラエチレングリコールジアクリレート[商品名:ライトアクリレート4EG-A、共栄社化学(株)製]
(E-1):ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド[商品名:Omnirad819、IGM Resin社製]
(E-2):2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン[商品名:Omnirad907、IGM Resin社製]
(E-3):2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン[商品名:イルガキュア127、BASF社製]
(F-1):N-ビニルピロリドン[商品名「NVP」、日本触媒(株)製
(F-2):N-ビニルカプロラクタム[商品名「NVC」、BASF(株)製
(F-3):N-ビニルアセトアミド[商品名「NVA」、昭和電工(株)製
(F-4):ビニルメチルオキサゾリジノン[商品名「VMOX」、BASF(株)製
(G-1):2,4-ジエチルチオキサントン
(H-1):シリコン表面調整剤[商品名「KF-352A」、信越シリコーン(株)製
実施例1~13及び比較例1~5で作製した硬化性組成物の粘度、浸食性及び硬化性、並びに硬化物の塗工性、鉛筆硬度及び密着性の評価を行った。
<硬化性組成物の粘度の評価>
硬化性組成物の粘度は、25℃下で粘度測定装置[FUNGILAB社製「ビスコエリートB型」]を用いて測定した。粘度が16mPa・s以下であると低粘度で好適である。
<浸食性及び硬化性の評価>
ウレタン樹脂エマルション(ユーコートUWS-145:三洋化成工業(株)製)をポリカーボネート基板にバーコーターで、厚さが20μmになるように塗布し、120℃で2分間乾燥させた。次いで水性プライマー上に硬化性組成物をバーコーターで膜厚を変えて塗布し、活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を照射強度600mW/cmで積算光量600mJ/cmで露光し、硬化性組成物を硬化させた。硬化性組成物の硬化後の膜厚が20μmになったものを選んで評価に用いた。
硬化性組成物の塗布時に水性プライマー層を目視で確認し、下記の判定基準で浸食性を評価した。
○:塗布の前後で変化なし
×:硬化性組成物が浸食し表面が崩れている
<塗工性の評価>
硬化後の表面状態を確認し、下記の判断基準で塗工性を評価した
○:均一に塗工できている
×:不均一でムラがある。又は粘度が高く塗工不能
硬化物の表面を指で触ってべた付きがあるかどうか確認し、下記の判定基準で硬化性を評価した。
○:べた付きが全く無い
×:べた付きが残っている
<鉛筆硬度の測定>
硬化性の評価で得られた硬化物をJIS K 5600-5-4:1999に準じ、鉛筆硬度を測定した。なお、ハードコート用途に使用する場合、鉛筆硬度は2H以上であることが必要である。
<密着性の評価>
JIS K 5600-5-6:1999に準拠して行った。
前記で得られた硬化物を、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した後、1mm幅にカッターナイフで切込みを入れて碁盤目(5×5個)を作成した。
碁盤目上にセロハン粘着テープを貼り付け、90度剥離を行い、ガラス基材からの硬化物の剥離状態を目視で観察した。25マス中の剥離せずに密着しているマス目の個数を数えて評価した。
本発明の実施例1~13の硬化性組成物は、表1に示す通り、塗工性に優れ、密着性の低下がなく、鉛筆硬度に優れる。
一方、多官能アクリレート含量の多い比較例1の硬化性組成物は塗工性に劣る。多官能アクリレート含量の少ない比較例2の硬化性組成物は塗工性及び硬化性に劣り、硬化性組成物の硬化物は鉛筆硬度が不十分である。比較例3の硬化性組成物は浸食性に劣り、硬化性組成物の硬化物は鉛筆硬度が不十分である。比較例4の硬化性組成物は浸食性に劣り、硬化性組成物の硬化物は鉛筆硬度が不十分である。比較例5は鉛筆硬度が劣る。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は貯蔵安定性が高く、基材への密着性、硬化性、硬度に優れているため、ハードコート膜として好適に使用できる。

Claims (3)

  1. 3~10個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート(A)、分岐アルキレン基を有するアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)、一般式(1)で示される2官能(メタ)アクリレート(D)及び光重合開始剤(E)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    (A)の含有量が10重量%~60重量%、(B)の含有量が10重量%~40重量%、(C)の含有量が5重量%~30重量%、(D)の含有量が5重量%~40重量%及び(E)の含有量が2重量%~15重量%であり(A)~(E)の合計の含有量が82重量%以上である活性エネルギー線硬化性組成物。
    CH=CR-COO-(RO)-COCR=CH (1)
    [一般式(1)中、Rは炭素数2~4のアルキレン基を表し、nは2~4の整数であり、複数個あるRは同一でも異なっていてもよく、2つあるRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。]
  2. 前記1~2個の(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルアミド(C)が、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド及びヒドロキシエチルアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
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