JP6363872B2 - 電離放射線硬化型保護液およびフォトマスク - Google Patents

電離放射線硬化型保護液およびフォトマスク Download PDF

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Description

本発明は、離型性を有する塗膜を形成しうる電離放射線硬化型保護液と、該保護液の硬化物で構成される保護膜をガラスマスクの薄膜パターン(画像)面に積層したフォトマスクとに関する。
プリント配線板や樹脂凸版を作製する場合、粘着性のあるフォトレジスト(液状フォトレジストなど)に対して密着露光が終了した原稿(フォトマスク)は、フォトレジストから引き離され、溶剤系または水系の洗浄液によりレジスト対向面を洗浄した後、別のフォトレジストに対して繰り返し利用に供される。従来から、この繰り返し利用時における露光精度の低下を防止する目的で、ガラスマスクの薄膜パターン面に、離型性を有する塗膜(保護膜)を形成することが行われている(特許文献1、2)。これにより、溶剤による洗浄後にフォトレジストがガラスマスクの薄膜パターン面に残存することや薄膜パターンが摩耗することなどによる露光精度の低下が防止される。
近年、プリント配線板などの生産コストを削減するために、ガラスマスクの薄膜パターン面に、短時間で保護膜を形成することが求められており、この要望に応えるための提案もなされている(特許文献3)。
特開2000−273412号公報 特開2005−181565号公報 特開2010−85597号公報
この種の保護膜は、上述した繰り返し利用に耐えるために、フォトレジストに対する離型性(以下単に「離型性」と略記することもある。)や洗浄に対する耐久性(以下「洗浄耐久性」と略記することもある。)に優れるとともに、ガラスマスクへの接着性(以下単に「接着性」と略記することもある。)が強固であることが求められる。
本発明の一側面では、離型性、洗浄耐久性及び接着性に優れた保護膜を短時間で形成しうる電離放射線硬化型保護液と、該保護液を用いて形成した保護膜を有するフォトマスクとを提供する。
本発明者らは、繰り返し利用時における離型性と洗浄耐久性に優れるとともに、接着性が強固である保護膜を短時間で形成することができる保護液の組成を検討した。その結果、短時間で硬化物を形成することができる光重合性成分とともに、熱可塑性樹脂を所定割合で配合することで、繰り返し利用しても接着性が強固であり、かつ光重合性成分とともにフッ素系化合物を配合することで、繰り返し利用しても離型性と洗浄耐久性に優れた保護膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の電離放射線硬化型保護液は、(メタ)アクリレート成分、熱可塑性樹脂及びフッ素系化合物を有し、熱可塑性樹脂の含有量が全樹脂バインダー成分の固形分の1重量%超50重量%未満であることを特徴とする。
本発明において全樹脂バインダー成分の固形分とは、(メタ)アクリレート成分及び、熱可塑性樹脂に含まれる固形分の合計を示し、フッ素系化合物やその他の成分を含まないものとする。また上記(メタ)アクリレート成分は、フッ素を含まないものとする。
本発明のフォトマスクは、ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクの前記薄膜パターン面に、本発明の電離放射線硬化型保護液を用いて形成した保護膜を有することを特徴とする。
本発明は、以下の態様を含む。
(1)電離放射線硬化型保護液において、熱可塑性樹脂として、熱可塑性アクリレートまたはアクリルポリオールを用いることができる。
(2)電離放射線硬化型保護液において、該保護液中のフッ素系化合物の含有が全樹脂バインダー成分の固形分に対し1〜50重量%(ただし50重量%を除く)とすることができる。
(3)電離放射線硬化型保護液において、フッ素系化合物として、(メタ)アクリロイル基を含むパーフルオロアクリレート化合物、パーフルオロポリエーテル化合物などを用いることができる。
(4)電離放射線硬化型保護液において、(メタ)アクリレート成分として、(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。
本発明の電離放射線硬化型保護液は、光重合性成分とともに熱可塑性樹脂を所定割合で配合してあるので、光重合性成分の架橋硬化時に塗膜内部で生じる応力を適度に緩和させることができ、これによって繰り返し利用しても強固な接着性を発現する保護膜を得ることができる。これに加え本発明の電離放射線硬化型保護液は、フッ素系化合物を配合してあるので、架橋硬化後の塗膜(保護膜)表面での、純水の接触角を高めることができ、これによって繰り返し利用しても優れた離型性を発現し、かつ洗浄耐久性にも優れた保護膜を得ることができる。すなわち本発明によれば、繰り返し利用しても強固な接着性と優れた離型性を発現し、かつ洗浄耐久性にも優れた保護膜を形成することが可能な電離放射線硬化型保護液が提供される。
本発明のフォトマスクは、本発明の電離放射線硬化型保護液を用いて形成した保護膜を有するので、繰り返し利用しても保護膜がガラスマスクから剥離することはなく、かつ優れた離型性を発現し、さらには洗浄耐久性にも優れている。
本明細書中において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルを、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを、「(メタ)アクリロキシ」はアクリロキシ及びメタクリロキシを、それぞれ包括的に指す意味である。
本発明の保護液は、(メタ)アクリレート成分、熱可塑性樹脂及びフッ素系化合物を含有する。
(メタ)アクリレート成分は、保護膜とした際に、保護膜に表面硬度を付与するための樹脂成分として用いられる。使用可能な(メタ)アクリレート成分としては、(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーなどがある。
(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリロイル基を有するものである。中でも電離放射線(紫外線または電子線)の照射による架橋硬化により、3次元網目構造となるために1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが望ましい。同じく3次元網目構造となる熱硬化型樹脂を用いた場合には、製膜に30〜80分程度必要であるが、電離放射線(紫外線または電子線)の照射により架橋硬化する(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーを用いることによって、1〜3分程度で製膜させることができる。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、エステル(メタ)アクリレート、エーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アミノ樹脂(メタ)アクリレート、アクリル樹脂(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を用いることができる。また、これらの(メタ)アクリレートオリゴマーは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性の向上や、硬化収縮の調整等、種々の性能を付与するために、2種類以上を混合して用いることが好ましい。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、2官能(メタ)アクリレートモノマーや多官能(メタ)アクリレートモノマー等の1種若しくは2種以上を使用してもよい。2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等がある。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等がある。
(メタ)アクリレート成分の含有量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分の50重量%超99重量%未満が好ましい。50重量%超とすることにより、保護膜の表面硬度の低下を防止することができ、99重量%未満とすることにより、接着性や離型性などの保護膜に必要とされる性能を充分に発揮することができる。
本発明の保護液を紫外線照射によって硬化させて使用する場合には、(メタ)アクリレート成分の他、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等があげられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどがあげられる。
光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を配合する場合、その添加剤の含有量は、(メタ)アクリレート成分100重量%に対して、1〜10%重量部程度とする。配合量が多くなりすぎると、停止反応が生じやすくなり、ポリマー鎖が短くなることで、硬度の低下や洗浄耐久性の低下等の不都合が生じうる。配合量が少なすぎると、硬化不足に伴う硬度の低下や洗浄耐久性の低下等の不都合が生じうる。
熱可塑性樹脂は、光重合性成分である(メタ)アクリレート成分を架橋硬化させて保護膜を形成する際、塗膜内部で生じる応力を適度に緩和させることで、保護膜に強固な接着性を発現させるための樹脂成分として用いられる。
使用可能な熱可塑性樹脂としては、熱可塑性アクリレートやアクリルポリオールなどがある。熱可塑性樹脂のガラス転移温度としては、40℃以上110℃以下が望ましい。40℃以上とすることにより、保護膜の表面硬度の低下を防止することができ、110℃以下とすることにより、保護膜の接着性を向上させることができる。
また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量としては、10000以上300000以下が望ましい。10000以上とすることにより、保護膜の洗浄耐久性を向上させることができ、300000以下にすることにより、光重合性成分と混合しやすくなり、保護膜の表面硬度や洗浄耐久性を保つことができる。
熱可塑性樹脂の含有量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分の1重量%超、好ましくは3重量%以上、より好ましくは4重量%以上であって、50重量%未満、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下とする。1重量%超とするのは、保護膜の接着性を向上させるためであり、50重量%未満とするのは、入れすぎることによる硬度低下を防止するためである。
フッ素系化合物は、光重合性成分である(メタ)アクリレート成分を架橋硬化させて保護膜を形成する際、架橋硬化後の保護膜表面での、純水の接触角を高めることで、保護膜に優れた離型性を発現させるための添加成分として用いられる。
使用可能なフッ素系化合物は、側鎖にパーフルオロ基を有する不飽和結合を有するフッ素化合物、例えば、(メタ)アクリロイル基を含むパーフルオロアクリレート化合物、パーフルオロポリエーテル化合物などが挙げられる。特に、(メタ)アクリレート成分と反応するものが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリレート成分との親和性がよい、(メタ)アクリロイル基を含むパーフルオロアクリレート化合物を用いると、得られる保護膜の高接触角を実現することができてよい。
保護液中のフッ素系化合物の含有量は、全樹脂バインダー成分の固形分に対し1重量%以上50重量%未満が好ましい。より好ましくは1〜20重量%である。フッ素系化合物をまったく配合しないと、若干ではあるが接着性が低下しやすく、逆に配合しすぎると、得られる保護膜が白化しやすく、外観が劣りやすい。
本発明の保護液には、保護膜に、より優れた離型性と洗浄耐久性を発現させるために、フッ素系化合物以外の離型剤としてシリコーンを含有させることもできる。シリコーンとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイルやシリコーンオイルに有機基を導入した変性シリコーンオイルを用いることができる。
変性シリコーンオイルとしては、アルキル変性、ポリエーテル変性、フッ素変性、メルカプト変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、高級脂肪酸エステル変性、(メタ)アクリル変性、カルビノール変性などの変性シリコーンオイルを用いることができる。
特に、(メタ)アクリレート成分と反応する基を有する反応性シリコーンオイルを用いることが、離型性を持続させるために好ましい。このようにすることにより、保護膜表面のフォトレジスト等の付着物を容易に除去することができる。
このような反応性シリコーンオイルとしては、例えばヒドロキシル基、(メタ)アクリル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基等を有するものを用いることができる。特に、(メタ)アクリレート成分と容易に共重合することができると共に、(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーと相溶性がよい(メタ)アクリル基を有するものが好ましい。
シリコーンオイルを添加するときの配合量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分の0.01〜20重量%が好ましい。0.01重量%以上とするのは、より優れた離型性を得るためであり、20重量%以下とするのは、表面硬度を低下させないためである。
本発明の保護液は、以上説明した(メタ)アクリレート成分、熱可塑性樹脂、フッ素系化合物や必要に応じて他の成分を配合して、適当な溶媒に溶解させて調整することができる。なお、各成分がそれぞれ相溶することが、保護膜の白化などを防止することができるため好ましい。
本発明の保護液に電離放射線を照射して得られる硬化物からなる保護膜は、硬化後の保護膜表面が、500g/2cmの荷重においてスチールウール#0000で表面を10往復擦った後、保護膜表面の傷がないものであることが好ましい。
本発明のフォトマスクは、例えばガラスマスクの薄膜パターン面に保護膜を有する。保護膜は、薄膜パターン面に所定厚み(例えば1〜10μm程度)で塗布された本発明の保護液に電離放射線を照射して得られる硬化物で構成されている。
ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクは、ガラス基板に、プリント配線板や樹脂凸版に微細なパターンを形成するための薄膜パターンが形成されている。こうしたガラスマスクとしては、例えば、ガラス基板上にゼラチンとハロゲン化銀を混合したエマルジョンを塗布して薄膜パターン化したもの(エマルジョンマスク)や、ガラス基板上にクロム材料(クロムや酸化クロムなど)で構成される薄膜パターンを形成したもの(クロムマスク)などが挙げられる。薄膜パターンの構成材料として、クロム材料の他、例えば、ケイ素材料(ケイ素や酸化ケイ素など)、鉄材料(酸化鉄など)、モリブデン材料(酸化モリブデンや二ケイ化モリブデンなど)、ニッケル材料(ニッケルや酸化ニッケルなど)などを用いることもできる(ケイ素マスク、鉄マスク、モリブデンマスク、ニッケルマスクなど)。本例では、ガラスマスクとして特にエマルジョンマスクを用いたときの、保護膜の接着性が高く、したがって該エマルジョンマスクへの適用に効果的である。
なお、本例で用いるガラスマスクは、保護膜に対する接着性を向上させるための下引き層がガラス基板上に設けられているものを含む。
本例で適用するフォトマスクは、ガラスマスクの薄膜パターン面全面に、スピンコートやダイコート、キャップコート、バーコートなどの公知の方法により本発明の保護液を塗布した後、これに電離放射線を照射することで保護液の樹脂成分を架橋硬化させて硬化物とし、これをハードコート性と離型性を有する保護膜として利用するものである。保護液中に(メタ)アクリレート成分及び熱可塑性樹脂を適量で含むことによって、接着性、ハードコート性(JIS−K5600−5−4:1999を参考に測定した鉛筆硬度がH以上)及び耐光性に優れた保護膜を有するフォトマスクとすることができる。
以下、本発明の実施形態をより具体化した実施例を挙げ、さらに詳細に説明する。本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
なお、本例において、(メタ)アクリレート成分A及びB、樹脂C〜E、離型剤(フッ素系化合物)F及びG、他の離型剤H及びIは次のものを用いた。
[成分A]紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(ユニディック17−813:DIC社、固形分80%)
[成分B]6官能アクリレートモノマー(Miramer M600:Miwon社、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、分子量578)
[樹脂C]熱可塑性樹脂(熱可塑性アクリレート、アクリディックA−195:DIC社、固形分40%、ガラス転移温度94℃、重量平均分子量85000)、
[樹脂D]熱可塑性樹脂(熱可塑性アクリレート、アクリディックA−165:DIC社、固形分45%、ガラス転移温度66℃、重量平均分子量42000)、
[樹脂E]熱可塑性樹脂(アクリルポリオール、アクリディックA−807:DIC社、固形分50%、ガラス転移温度65℃、重量平均分子量80000)、
[離型剤F]フッ素系化合物(オプツールDAC−HP、ダイキン工業社、固形分20%)
[離型剤G]フッ素系化合物(部分フッ素ポリマー、Masurf FS−230:Mason Chemical社、固形分30%)
[他の離型剤H]反応性シリコーンオイル(X−22−2445:信越化学工業社)
[他の離型剤I]反応性シリコーンオイル(X−22−2404:信越化学工業社)
[実験例1〜17]
<1.フォトマスクの作製>
下記組成の電離放射線硬化型保護液を、パターン形成されたエマルジョンマスク(ガラスマスク)のパターン上に、スピンコートにより塗布し、80℃、2分で乾燥した後、紫外線を10秒間(1000mJ/cm)照射して架橋硬化させ、厚み約2μmの保護膜を形成し、フォトマスクを作製した。
<電離放射線硬化型保護液の組成>
・(メタ)アクリレート成分 表1記載の種類と配合量
・熱可塑性樹脂 表1記載の種類と配合量
・離型剤(フッ素系化合物) 表1記載の種類と配合量
・他の離型剤 表1記載の種類と配合量
・光重合開始剤 5部
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184:BASF社)
・希釈溶媒(メチルエチルケトン) 適量(保護液中の固形分が20%となる量)
Figure 0006363872
<2.フォトマスクの評価>
2−1.保護膜の離型性
作製したフォトマスクの保護膜面に、紫外線硬化型樹脂で構成されたフォトレジストを密着させた(工程1)。次に、フォトマスクの保護膜が形成されていない面(フォトマスクの裏面)から紫外線を照射(密着露光)し、フォトレジストを所定パターンでUV硬化させた後、露光済みのフォトレジストをフォトマスクから剥離した(工程2)。次に、フォトレジストから引き離したフォトマスクの保護膜面を溶剤系洗浄液により洗浄し、次の露光のためのフォトマスクを準備した(工程3)。
上記工程1〜3の操作を100回、200回、500回行った後と、マスク作製直後とのそれぞれのタイミングで、作製したフォトマスクの保護膜面の純水の接触角を測定した。接触角の値は、純水滴下1分後の接触角の測定値について、滴下と測定を5回繰り返して得られた測定値の平均値とし、以下の基準で離型性を評価した。結果を表2に示す。なお表2中の「−」は評価不実施を示している(以下、同じ)。
◎:接触角が100度以上(非常に優れている)。
〇:接触角が85度以上100度未満(優れている)。
△:接触角が70度以上85度未満(良好)。
×:接触角が70度未満(不良)。
2−2.保護膜の洗浄耐久性
往復摩擦試験機(新東科学社製、商品名:HEIDON TRIBOGEAR TYPE−30S)の摺動子の先端治具(サイズ10mm×15mm)に、布(YSテック社製、商品名:NH−SUPER。ただし、水酸化ナトリウム:和光純薬工業社を5%に調製したアルカリ水溶液(水系洗浄液)に浸した)を装着した。次に、摺動子を100rpmで回転させながら降下させ、先端治具に装着した布を、作製したフォトマスクの保護膜面に荷重150gで押し付け、距離30mm(15mm幅)を速度100mm/秒で往復させた。
この往復操作を1000回、2000回、5000回行った後、それぞれのタイミングで試験試料の表面をエタノールで洗浄して拭き取り、10分経過後、作製したフォトマスクの保護膜面の純水の接触角を測定した。併せてマスク作製直後のタイミングでも、作製したフォトマスクの保護膜面の純水の接触角を測定した。接触角の値は、純水滴下1分後の接触角の測定値について、滴下と測定を5回繰り返して得られた測定値の平均値とし、以下の基準で洗浄耐久性を評価した。結果を表2に示す。
◎:接触角が100度以上(非常に優れている)。
〇:接触角が85度以上100度未満(優れている)。
△:接触角が70度以上85度未満(良好)。
×:接触角が70度未満(不良)。
2−3.保護膜の接着性
上記2−1の工程1〜3の操作を100回、200回、500回行った後と、マスク作製直後とのそれぞれのタイミングで、作製したフォトマスクの保護膜の接着性を、碁盤目テープ法(JIS K5600−5−6:1999)により以下の基準で、保護膜形成前のガラスマスクに対する保護膜の接着性を評価した。結果を表2に示す。
◎:碁盤目部分が全く剥離しなかった(非常に優れている)。
〇:碁盤目部分が殆ど剥離しなかった(優れている)。
△:碁盤目部分がいくつか剥離してしまった(良好)。
×:碁盤目部分が全て剥離してしまった(不良)。
2−4.初期離型性
作製したフォトマスクの保護膜に、粘着テープ(セロテープ CT405AP−18:ニチバン社)を貼りつけ、その後、引っ張り試験機(島津小型卓上試験機 EZ−L:島津製作所社)を用いて、粘着テープの、剥離速度300mm/minにおける180°剥離力を測定し、以下の基準で保護膜の初期離型性を評価した。結果を表2に示す。
◎:剥離力が2N/cm未満(非常に優れている)。
〇:剥離力が2N/cm以上、3N/cm未満(優れている)。
×:剥離力が3N/cm以上(不良)。
2−5.保護膜の表面硬度
作製したフォトマスクの保護膜表面を、500g/2cmの荷重によるスチールウール#0000で10往復擦った後、保護膜表面の傷の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:まったく傷がみられなかった(非常に優れている)。
〇:ほとんど傷がみられなかった(優れている)。
△:全面ではないが多少傷がみられた(良好)。
×:全面に傷がみられた(不良)。
2−6.保護膜の外観
作製したフォトマスクの保護膜を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
〇:白化がみられなかった(優れている)。
×:白化がみられた(不良)。
Figure 0006363872
<3.考察>
表1及び表2に示すように、樹脂Cの配合割合が全樹脂バインダー成分の固形分の3〜20%である保護液(実験例3、4、5及び6(以下「実験例3〜6」と略記。))を用いた場合に、得られる保護膜の有用性が確認された。特に、樹脂Cの配合割合が全樹脂バインダー成分の固形分の5%であると(実験例4)、得られる保護膜は、他の実験例3,5,6の保護膜よりも、離型性及び特に洗浄耐久性に優れていた。熱可塑性樹脂の種類を樹脂D、Eに変えても(実験例4−1、4−2)、略同様の結果が得られることが確認された。
これに対し、熱可塑性樹脂の配合がゼロであると(実験例1)、得られる保護膜は接着性が発現しないことが確認できた。樹脂C(熱可塑性樹脂)の配合割合が少ない(全樹脂バインダー成分の固形分の1%)場合(実験例2)、得られる保護膜は実験例3〜6の保護膜と比較して接着性が劣ることも確認できた。
なお、化合物F(フッ素系化合物)を配合しないと(実験例8)、配合する場合(実験例3,9〜11)と比較して、接着性が若干、低下する傾向があり、その一方で、化合物Fの配合量が多すぎると(実験例12)、接着性がより劣る傾向と外観が白化する傾向も見られた。したがって、成分Aが95部、樹脂Cが5部、離型剤Hが0.1部、及び化合物Fからなる系においては、化合物Fの配合量を50部未満にするとよいことが確認された。また、フッ素系化合物の種類を化合物Gに変えると(実験例13)、実験例3〜6より、若干劣る結果が得られた。(メタ)アクリレート成分の種類を成分Bに変えると(実験例14)、実験例3〜6と比較して表面硬度が向上することが確認できた。離型剤の種類を離型剤H、Iに変えても(実験例15)、また離型剤の配合がゼロでも(実験例16、17)、実験例3〜6と略同様の離型性、洗浄耐久性の結果が得られた。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリレート成分、熱可塑性樹脂及びフッ素系化合物を有し、
    熱可塑性樹脂の含有量が全樹脂バインダー成分の固形分の1重量%超50重量%未満であり、フッ素系化合物の含有量が全樹脂バインダー成分の固形分に対し1重量%以上50重量%未満である電離放射線硬化型保護液。
  2. 熱可塑性樹脂が、熱可塑性アクリレートまたはアクリルポリオールを含む請求項1記載の電離放射線硬化型保護液。
  3. フッ素系化合物が、(メタ)アクリロイル基を含むパーフルオロアクリレート化合物またはパーフルオロポリエーテル化合物を含む請求項1又は2記載の電離放射線硬化型保護液。
  4. (メタ)アクリレート成分が、(メタ)アクリレートオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーを含む請求項1〜のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  5. ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクの前記薄膜パターン面に、請求項1〜のいずれか記載の保護液を用いて形成した保護膜を有するフォトマスク。
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