JP2002072453A - 膜面保護層を有するフォトマスクおよびその製造方法 - Google Patents

膜面保護層を有するフォトマスクおよびその製造方法

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JP2002072453A
JP2002072453A JP2000262626A JP2000262626A JP2002072453A JP 2002072453 A JP2002072453 A JP 2002072453A JP 2000262626 A JP2000262626 A JP 2000262626A JP 2000262626 A JP2000262626 A JP 2000262626A JP 2002072453 A JP2002072453 A JP 2002072453A
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Takashi Shibuya
崇 澁谷
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、紫外線透過率の低下のない耐
傷つき性および耐磨耗性に優れた乳剤層の膜面保護層を
有するフォトマスクおよびその製造方法の提供。 【解決手段】 基板の表面に乳剤層の膜面を形成してな
るフォトマスク原版の表面に、該乳剤層の膜面の保護層
として波長365nmにおける透過率が50%以上であ
る活性エネルギ線硬化性組成物の透明硬化物層を積層形
成する。該硬化性組成物は、波長365nmにおけるモ
ル当たりの吸光係数(e)が100(リットル/mol
/cm)以下である光重合開始剤を0.01〜20質量
%含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ精密加工
方法の一つであるフォトファブリケーション加工(Phot
o-Fabrication)に用いられるフォトマスクおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】IC用リードフレームやカラーテレビ用
シャドウマスク、高密度プリント配線板、小型歯車、薄
型ディスプレイ(LCD・PDP)の電極や隔壁の形成
などにおけるマイクロ精密加工方法の一つにフォトファ
ブリケーション加工がある。
【0003】このフォトファブリケーション加工には、
フォトエッチング加工(Photo-Etcing)とフォトエレク
トロフォーミング加工(Photo-Electroforming)がある
が、いずれの場合も加工しない部分を耐食性のある被膜
で覆う、マスキング(Masking)工程を経て行われる。
【0004】このマスキング工程は、紫外線に感光性を
有する感光性樹脂を塗布した基板に、所定のパターンが
作画形成されたフォトマスクを重ね、露光、現像、乾燥
を経て行う、いわゆる写真法で行われるのが一般的であ
る。
【0005】このフォトマスクの一つとして、ガラスな
どの基板上にゼラチンに感光剤を分散させた乳剤を塗布
したエマルジョン乾板に、露光装置(フォトプロッター
など)により所定のパターンを描画記録し、その描画さ
れたエマルジョン乾板を現像処理(現像、定着、水洗、
乾燥)した後、修正・検査の工程を経て得られるエマル
ジョンマスクがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記エマルジョンマス
クは、生産性に優れるものの、その乳剤層の膜面はゼラ
チンが主成分であるため柔らかく傷つきやすく、また、
膜面に指紋などの汚れが付着すると除去するのが困難で
あるなどの問題がある。
【0007】上記問題を解決するため、フォトマスクの
乳剤層の膜面に、保護膜として8〜12μm程度のフイ
ルムをラミネートする方法が提案されているが、紫外線
透過率が低下してしまう問題がある。
【0008】また、特開平11−305420号公報に
は、フォトマスクの乳剤層の膜面に保護層を積層形成す
る方法も提案されているが、長時間(18〜72時間)
の加熱硬化工程が必要であるため生産性が低いという問
題がある。
【0009】一方、耐久性に優れたフォトマスク(ハー
ドマスク)としてクロムマスク(膜面がCr)がある
が、コストが高く実用性に欠ける。
【0010】したがって、本発明は、生産性が高く、紫
外線透過率の低下のない耐傷つき性および耐磨耗性に優
れた乳剤層の膜面保護層を有するフォトマスクおよびそ
の製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の膜面保護層を有するフォトマスクは、基板
の表面に乳剤層の膜面を形成してなるフォトマスク原版
の表面に、該乳剤層の膜面の保護層として波長365n
mにおける透過率が50%以上である活性エネルギ線硬
化性組成物の透明硬化物層を積層形成したことを特徴と
する。
【0012】上記発明によれば、フォトマスク原版の乳
剤層の膜面の表面に、該乳剤層の膜面の保護層として波
長365nmにおける透過率が50%以上である活性エ
ネルギ線硬化性組成物の透明硬化物層を形成することに
より、i線(365nm)を用いたフォトエッチング加
工が可能で、紫外線透過率の低下のない耐久性に優れた
膜面保護層を有するフォトマスクを提供できる。
【0013】上記発明においては、前記透明硬化物層の
厚さが0.1〜50μmであることが好ましい。この態
様によれば、充分な耐傷つき性および耐磨耗性を有する
膜面保護層を有するフォトマスクを提供できる。
【0014】また、前記活性エネルギ線硬化性組成物
が、波長365nmにおけるモル当たりの吸光係数
(e)が100(リットル/mol/cm)以下である
光重合開始剤を0.01〜20質量%含むことが好まし
い。この態様によれば、紫外線を照射することにより活
性エネルギ線硬化性組成物を硬化でき、効率よく膜面保
護層を形成できる。
【0015】本発明のもう一つである膜面保護層を有す
るフォトマスクの製造方法は、基板の表面に感光乳剤層
の膜面を形成してなるエマルジョン乾板にパターンを描
画して現像処理した後、該乳剤層の膜面の表面に活性エ
ネルギ線硬化性組成物を塗布し、活性エネルギ線を照射
して該活性エネルギ線硬化性組成物を硬化して、波長3
65nmにおける透過率が50%以上である透明硬化物
層を積層形成することを特徴とする。
【0016】上記発明によれば、i線(365nm)を
用いたフォトエッチング加工が可能で、紫外線透過率の
低下のない耐久性に優れた膜面保護層を有するフォトマ
スクを効率よく製造できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のフォトマスクとは、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、アクリル
樹脂、ポリカーボネートなどの透明樹脂やガラスなどの
基板に、硝酸銀系やハロゲン化銀系の感光剤をゼラチン
に分散させた感光乳剤を塗布したエマルジョン乾板を用
いて作製されるエマルジョンマスクを指す。
【0018】本発明で用いられる膜面保護層を形成する
活性エネルギ線硬化性組成物は、活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(以
下、単に多官能性化合物という。)を含む。
【0019】多官能性化合物としては、1種類の多官能
性化合物または複数の種類の多官能性化合物を用いても
よい。複数の種類の多官能性化合物を用いる場合、それ
らは同一範疇の異なる化合物であってもよく、範疇の異
なる化合物であってもよい。たとえば、それぞれがアク
リルウレタンである異なる化合物の組み合わせであって
もよく、一方がアクリルウレタン、他方がウレタン結合
を有しないアクリル酸エステル化合物である組み合わせ
であってもよい。
【0020】以下、本願明細書では、アクリロイル基お
よびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル
基という。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリレートなども表現も同様とす
る。
【0021】多官能性化合物における活性エネルギ線硬
化性の重合性官能基(以下、単に重合性官能基とい
う。)としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、
アリル基などのα,β−不飽和基やそれらを有する基な
どが挙げられるが、中でも(メタ)アクリロイル基が好
ましく、紫外線によって重合しやすいアクリロイル基が
特に好ましい。
【0022】また、多官能性化合物は、1分子中に2種
以上の重合性官能基を合計2個以上有する化合物であっ
てもよく、同じ重合性官能基を合計2個以上有する化合
物であってもよい。そして、多官能性化合物1分子中に
おける重合性官能基の数は2個以上であればよく、その
上限は特に限定されないが、通常は2〜50個が好まし
く、特に3〜30個が好ましい。
【0023】本発明において多官能性化合物は、(メ
タ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能
基を2個以上有する化合物であることが好ましく、その
中でも(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する
化合物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸
基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステ
ルが好ましい。
【0024】さらに、本発明においては、活性エネルギ
線硬化性組成物の硬化物が充分な耐摩耗性を発揮し得る
ために、多官能性化合物の少なくとも一部、好ましくは
30質量%以上、より好ましくは50質量%以上が3官
能以上の多官能性化合物からなることが好ましい。
【0025】また、多官能性化合物は、上記重合性官能
基以外に種々の官能基や結合を有していてもよく、たと
えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ウレタ
ン結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結
合、アミド結合、ジオルガノシロキサン結合などを有し
ていてもよい。特に、ウレタン結合を有する(メタ)ア
クリロイル基含有化合物(以下、アクリルウレタンとい
う。)と、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸
エステル化合物が好ましい。
【0026】(I)アクリルウレタン アクリルウレタンとしては、たとえば、以下の(i)〜
(iii)の反応生成物が挙げられる。下記反応生成物
においては、イソシアネート基は存在しないことが好ま
しいが、水酸基は存在してもよい。したがって、これら
の反応生成物の製造においては、全反応原料の水酸基の
合計モル数はイソシアネート基の合計モル数と等しい
か、それより多いことが好ましい。
【0027】(i)(メタ)アクリロイル基と水酸基を
有する化合物(X1)(以下、化合物(X1)という)
と、2個以上のイソシアネート基を有する化合物(以
下、ポリイソシアネートという)との反応生成物。
【0028】化合物(X1)としては、(メタ)アクリ
ロイル基と水酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であ
ってもよく、(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基
1個を有する化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水
酸基2個以上を有する化合物、(メタ)アクリロイル基
と水酸基をそれぞれ2個以上有する化合物であってもよ
い。
【0029】具体的には上記順に、たとえば2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは2個
以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との
モノエステルまたは1個以上の水酸基を残したポリエス
テルである。
【0030】さらに、化合物(X1)としては、エポキ
シ基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との
開環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)
アクリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステ
ル結合が生じると共に水酸基が生じ、(メタ)アクリロ
イル基と水酸基を有する化合物となる。また、エポキシ
基を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水
酸基含有化合物とし、それを(メタ)アクリル酸エステ
ルに変換することもできる。
【0031】上記エポキシ基を1個以上有する化合物と
しては、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポ
キシドが好ましい。ポリエポキシドとしては、たとえば
多価フェノール類−ポリグリシジルエーテル(たとえば
ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリ
シジル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合
物が好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)ア
クリレートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物と
の反応生成物も化合物(X1)として使用できる。エポ
キシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、たとえ
ばグリシジル(メタ)アクリレートがある。
【0032】一方、上記ポリイソシアネートとしては、
通常の単量体状のポリイソシアネートでもよく、ポリイ
ソシアネートの多量体や変性体、またはイソシアネート
基含有ウレタンプレポリマーなどのプレポリマー状の化
合物であってもよい。
【0033】ポリイソシアネートの多量体としては、3
量体(イソシアヌレート変性体)、2量体、カルボジイ
ミド変性体などが挙げられる。また、ポリイソシアネー
トの変性体としては、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュ
レット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体など
が挙げられる。さらに、プレポリマー状の化合物として
は、後述するポリエーテルポリオールやポリエステルポ
リオールなどのポリオールとポリイソシアネートとを反
応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポ
リマーなどが挙げられる。これらのポリイソシアネート
は2種以上併用してもよい。
【0034】単量体状のポリイソシアネートとしては、
具体的には、たとえば以下のポリイソシアネートが挙げ
られる([ ]内は略称)。
【0035】2,6−トリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フ
ェニルイソシアネート)[MDI]、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トラン
スシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート[XDI]、水添XDI、水添M
DI。
【0036】本発明において、ポリイソシアネートとし
ては、特に無黄変性ポリイソシアネート(芳香核に直接
結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネー
ト)が好ましく、具体的にはヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネー
トが挙げられる。また、上記のようにこれらポリイソシ
アネートの多量体や変性体なども好ましく用いられる。
【0037】(ii)化合物(X1)と、2個以上の水
酸基を有する化合物(X2)(以下、単に化合物(X
2)という)と、ポリイソシアネートとの反応生成物。
【0038】上記化合物(X2)としては、多価アルコ
ールや多価アルコールに比較して高分子量のポリオール
などが挙げられる。
【0039】多価アルコールとしては、2〜20個の水
酸基を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15
個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。なお、
多価アルコールは脂肪族の多価アルコールであってもよ
く、脂環族多価アルコールや芳香核を有する多価アルコ
ールであってもよい。
【0040】上記芳香核を有する多価アルコールとして
は、たとえば多価フェノール類のアルキレンオキシド付
加物や多価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなど
の芳香核を有するポリエポキシドの開環物などが挙げら
れる。
【0041】具体的には以下の多価アルコールが挙げら
れる。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオー
ル、ジメチロールシクロヘキサン、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジトリメチ
ロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−
ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノー
ルA−ジグリシジルエーテルの開環物、ビニルシクロヘ
キセンジオキシドの開環物。
【0042】一方、高分子量のポリオールとしては、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ールなどがある。また、ポリオールとして水酸基含有ビ
ニルポリマーも使用できる。これら多価アルコールやポ
リオールは2種以上併用できる。
【0043】ポリオールとしては、具体的には以下の
〜のポリオールが挙げられる。
【0044】ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ビスフェノールA−アルキレンオキシド
付加物、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエー
テルポリオール。
【0045】ポリε−カプロラクトンポリオールなど
の環状エステルを開環重合して得られるポリエステルポ
リオール。
【0046】アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マ
レイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸などの
多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られるポリ
エステルポリオール。
【0047】1,6−ヘキサンジオールとホスゲンの
反応で得られるポリカーボネートジオール。
【0048】また、水酸基含有ビニルポリマーとして
は、たとえばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体とオレフ
ィンなどの水酸基不含単量体との共重合体が挙げられ
る。
【0049】(iii)(メタ)アクリロイル基とイソ
シアネートを有する化合物(X3)(以下、単に化合物
(X3)という)と化合物(X2)との反応生成物など
がある。
【0050】上記化合物(X3)としては、2−イソシ
アネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリルイソ
シアネートなどが挙げられる。
【0051】(II)ウレタン結合を有しない(メタ)
アクリル酸エステル化合物 ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化
合物としては、前記化合物(X2)と同様の2個以上の
水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸とのポリ
エステルが好ましい。
【0052】2個以上の水酸基を有する化合物として
は、上述した多価アルコールやポリオールが好ましい。
さらに、2個以上のエポキシ基を有する化合物と(メ
タ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アクリル
酸エステル化合物も好ましい。
【0053】また、2個以上のエポキシ基を有する化合
物としては、エポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシ
ドがあり、たとえばグリシジルエーテル型ポリエポキシ
ド、脂環型ポリエポキシドなどのエポキシ樹脂として市
販されているものを使用できる。
【0054】ウレタン結合を含まない(メタ)アクリル
酸エステル化合物としては、具体的には以下の〜の
ような化合物が挙げられる。 以下の脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレー
ト。
【0055】1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グ
リセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート。
【0056】以下の芳香核またはトリアジン環を有す
る多価アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレ
ート。
【0057】トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシア
ヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)ビスフェノールA、ビス(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノール
S、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビ
スフェノールF、ビスフェノールAジメタクリレート。
【0058】以下の水酸基含有化合物−アルキレンオ
キシド付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合
物−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポ
リオキシアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート
(ただし、EOはエチレンオキシド、POはプロピレン
オキシドを表す。)。
【0059】トリメチロールプロパン−EO付加物のト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−P
O付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート。
【0060】そして、本発明において、具体的な好まし
い多官能性化合物としては、上記(I)の中では、ペン
タエリスリトールやその多量体であるポリペンタエリス
リトールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレ
タン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリス
リトールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートとポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって3官能以上(好ましくは4〜20官能)の化合
物が挙げられる。
【0061】また、上記(II)の中では、ペンタエリ
スリトール系ポリ(メタ)アクリレートおよびイソシア
ヌレート系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。な
お、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレート
とは、ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトー
ルと(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは
4〜20官能のもの)をいい、イソシアヌレート系ポリ
(メタ)アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキ
ル)イソシアヌレートまたはトリス(ヒドロキシアルキ
ル)イソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラク
トンやアルキレンオキシドを付加して得られる付加物と
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(2〜3官能のも
の)をいう。
【0062】また、上記好ましい多官能性化合物と他の
2官能以上の多官能性化合物(特に多価アルコールのポ
リ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。
【0063】本発明においては、上記好ましい多官能性
化合物を、全多官能性化合物に対して30質量%以上、
特に50質量%以上用いることが好ましい。
【0064】本発明において、活性エネルギ線硬化性組
成物は上記多官能性化合物と共に、活性エネルギ線によ
って重合しうる重合性官能基を1個有する単官能性化合
物(以下、単に単官能性化合物という。)を含んでいて
もよい。
【0065】単官能性化合物としては、たとえば、分子
中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好
ましく、特にアクリロイル基を有する化合物が好まし
い。また、その他に水酸基、エポキシ基などの官能基を
有していてもよい。本発明において、好ましく用いられ
る単官能性化合物は(メタ)アクリル酸エステル、すな
わち(メタ)アクリレートであり、具体的にはたとえば
以下の化合物が挙げられる。
【0066】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート。
【0067】活性エネルギ線硬化性組成物において、上
記単官能性化合物を使用する場合、多官能性化合物とこ
の単官能性化合物との合計(以下、活性エネルギ線硬化
性成分という。)に対する該単官能性化合物の割合は特
に限定されないが、0〜60質量%が好ましく、0〜3
0質量%が好ましい。上記単官能性化合物の割合が多す
ぎると、硬化塗膜の硬さが低下して耐磨耗性が不充分と
なるおそれがある。
【0068】本発明においては、多官能性化合物を活性
エネルギ線(特に紫外線)で効率よく硬化させるため
に、通常、活性エネルギ線硬化性組成物は光重合開始剤
を含む。本発明のフォトマスクの用途であるフォトエッ
チング加工では、線幅の微細化に伴ない、露光光源とし
てi線(365nm)が多く用いられてきている。その
ため、膜面保護層においても365nmの吸収が少ない
ことが好ましい。したがって、光重合開始剤も365n
mの吸収が少ない吸収特性を有する化合物が好ましい。
このような光重合開始剤としては、365nmにおける
モル当たりの吸光係数(e)が100(リットル/mo
l/cm)以下である公知のものを使用でき、特に入手
容易な市販のものが好ましい。なお、活性エネルギ線硬
化性組成物において2種類以上の光重合開始剤を使用し
てもよい。
【0069】吸光係数(e)(単位:リットル/mol
/cm)とは、物質が光を吸収する度合いを表す係数
で、物質固有の定数であり、厚さbの物質層を光が通過
する間に強さがI0からIになったとすれば、下記式で
表される。
【0070】
【数1】
【0071】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(たとえばアセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤
(たとえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光
重合開始剤が挙げられる。特に、波長365nmの透過
性の点から、アセトフェノン系、ベンゾイン系およびベ
ンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
【0072】具体的な光重合開始剤としては、たとえば
以下のような化合物が挙げられる。4−フェノキシジク
ロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセト
フェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノ
ン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−
2−メチルプロパン−1−オン、(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニ
ル}−2−モルホリノプロパン−1−オン。
【0073】ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、
4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノ
ン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’
−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル
−4−メトキシベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、2
−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフ
タロフェノン、α−アシロキシムエステル、メチルフェ
ニルグリオキシレート。
【0074】活性エネルギ線硬化性組成物における上記
光重合開始剤の添加量は、活性エネルギ線硬化性成分に
対して0.01〜20質量%が好ましく、特に0.1〜
10質量%が好ましい。
【0075】本発明において、活性エネルギ線硬化性組
成物は上記の基本的成分以外に溶剤や種々の配合剤など
を含んでいてもよい。
【0076】溶剤は通常必須の成分であり、多官能性化
合物が特に低粘度の液体でない限り溶剤を使用すること
が好ましい。溶剤としては、上記多官能性化合物を硬化
成分とする硬化性組成物に通常使用される溶剤を使用す
ることができ、たとえば低級アルコール類、ケトン類、
エーテル類、セロソルブ類、酢酸n−ブチル、ジエチレ
ングリコールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲ
ン化炭化水素類、炭化水素類などが挙げられる。溶剤
は、基材の種類により適切なものを選択して用いること
が好ましい。
【0077】溶剤の使用量は必要とする組成物の粘度、
目的とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件などにより適
宜変更することができ、通常、活性エネルギ線硬化性組
成物中の活性エネルギ性硬化性成分に対して質量で10
0倍以下、好ましくは0.1〜50倍用いられる。
【0078】また、活性エネルギ線硬化性組成物は、フ
ォトマスク原版の乳剤層の膜面と膜面保護層の密着性を
向上させるためにシランカップリング剤やポリシラザン
などの密着性向上剤を含んでもよい。シランカップリン
グ剤としては、公知の化合物を用いることができ、中で
も(メタ)アクリロイルオキシ基、アミノ基、メルカプ
ト基、エポキシ基、イソシアネート基などの官能基を有
する化合物が好ましい。具体的には以下の〜の化合
物が挙げられる。
【0079】(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラ
ン類:3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルメチルジメトキシシランなど。
【0080】アミノ基含有シラン類:3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−
ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシランなど。
【0081】メルカプト基含有シラン類:3−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジ
エトキシシランなど。
【0082】エポキシ基含有シラン類:3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシランなど。
【0083】イソシアネート基含有シラン類:3−イ
ソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネ
ートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネ
ートプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0084】活性エネルギ線硬化性組成物への密着性向
上剤の添加量は、0.01〜10質量%が好ましい。ま
た、密着性向上剤を予めフォトマスク原版の乳剤層の膜
面の表面に薄層コートした後、活性エネルギ線硬化性組
成物を塗工して膜面保護層を形成してもよい。
【0085】さらに、活性エネルギ線硬化性組成物は、
膜面保護層にレジスト液あるいはレジスト硬化物との剥
離性を付与するために含フッ素化合物を含んでもよい。
含フッ素化合物としては公知の化合物を使用することが
でき、たとえば含フッ素有機基と(メタ)アクリロイル
オキシ基を有する化合物、フルオロシリコーン化合物な
どが挙げられる。
【0086】活性エネルギ線硬化性組成物への含フッ素
化合物の添加量は、0.01〜50質量%が好ましい。
また、フォトマスク原版の乳剤層の膜面の表面に活性エ
ネルギ線硬化性組成物を塗工して膜面保護層を形成した
後、その表面に含フッ素化合物をコートしてもよい。
【0087】活性エネルギ線硬化性組成物には、そのほ
か必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、
熱重合防止剤などの安定剤、防汚剤、離型剤、帯電防止
剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、分散
剤などの機能性配合剤や、酸、アルカリおよび塩類など
から選ばれる硬化触媒などを適宜配合してもよい。
【0088】活性エネルギ線硬化性組成物をフォトマス
ク原版の乳剤層の膜面の表面に塗布する方法としては、
スプレーコート法、ダイコート法、フローコート法、ロ
ールコート法、ディップコート法、スピンコート法など
が挙げられる。本発明においては、生産性や表面外観の
点からスプレーコート法またはダイコート法が好まし
い。
【0089】また、活性エネルギ線硬化性組成物を硬化
させる活性エネルギ線としては特に限定されず、紫外
線、電子線やその他の活性エネルギ線を使用することが
できるが、生産性の点で紫外線が好ましい。紫外線源と
しては、キセノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧
水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラ
ンプ、カーボンアーク灯、タングステンランプなどを使
用することができる。
【0090】本発明において、上記活性エネルギ線硬化
性組成物を用いて形成される透明硬化物層、すなわち膜
面保護層の厚さは0.1〜50μmが好ましく、より好
ましくは0.3〜30μmである。膜面保護層の厚さが
50μm超では活性エネルギ線による硬化が不充分にな
り基材との密着性が損なわれやすく、0.1μm未満で
は膜面保護層の耐傷つき性および耐摩耗性が充分発現で
きないおそれがある。
【0091】なお、乳剤層と膜面保護層との間には、熱
可塑性アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂の層や接着剤層
などの他の合成樹脂からなる第2の層が存在していても
よい。また、膜面保護層は種類の異なる2層以上の透明
硬化物からなっていてもよい。
【0092】図1には、本発明の膜面保護層を有するフ
ォトマスクの一例が示されている。このフォトマスク1
は、基板2の表面に乳剤層3の膜面が形成されたフォト
マスク原版の表面に、膜面保護層4が積層形成されてい
る。
【0093】本発明の膜面保護層を有するフォトマスク
は、たとえば以下のようにして製造できる。
【0094】1.露光装置用データの作成 所定のパターン(図形)を基に、CADシステムにより
露光装置(フォトプロッターなど)用データを作成す
る。
【0095】2.パターンの描画 基板の表面に感光乳剤層の膜面を形成してなるエマルジ
ョン乾板に、上記露光装置用データに基づいてプロッタ
ーでパターン(図形)を描画する。
【0096】3.パターンの現像 描画したエマルジョン乾板を、常法にしたがい、現像、
定着、水洗、乾燥して現像処理を行う。
【0097】4.検査・修正 測長機などにより現像したパターンの検査を行い、適宜
修正してフォトマスク原版を得る。
【0098】5.膜面保護層の形成 フォトマスク原版の乳剤層の膜面の表面に、上記活性エ
ネルギ線硬化性組成物を均一に塗布し、乾燥させて活性
エネルギ線硬化性組成物に含まれる溶剤を除いた後、活
性エネルギ線を照射して該活性エネルギ線硬化性組成物
を硬化させて膜面保護層を形成する。
【0099】
【実施例】以下、本発明を実施例(例1〜7)、比較例
(例8)に基づき説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。各例で得られたサンプルについての物性の測定
および評価は以下に示す方法で行い、その結果を表1に
示した。また、各例においては、フォトマスク原版とし
て、ガラス基板の表面に感光乳剤層の膜面を形成したエ
マルジョン乾板に、露光装置で所定のパターンを露光
し、現像処理後、パターンの確認作業を行ったものを用
いた。
【0100】[耐傷つき性(鉛筆硬度)]JIS−K5
400に準拠して、鉛筆引っかき試験機を用いて行っ
た。
【0101】[密着性]JIS−K5400の碁盤目法
に準拠して行った。被膜が剥離せずに残存した碁盤目の
数(m)をm/100で表す。
【0102】[365nm透過率]膜面保護層を形成し
たフォトマスクの波長365nm透過性を紫外可視分光
器を用いて測定した。
【0103】[例1]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、2−ブタノン80g、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート10g、トリ
ス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート10g、2
−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−
モルホリノプロパン−1−オン0.6g、シリコーン系
レベリング剤(ビックケミー社製、商品名「BYK30
6」、以下同じ。)0.1gを加えて溶解させ、さらに
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン0.2g加えて常温で1時間撹拌して活性
エネルギ線硬化性組成物を得た。
【0104】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版にスプレーコート法により塗工し(ウェット
厚さ10μm)、90℃のオーブンで5分間乾燥を行っ
た後、空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて500mJ/
cm2(波長300〜390nm領域の紫外線積算エネ
ルギ量、以下同様。)の紫外線を照射し、膜面保護層
(膜厚2μm)を形成してサンプルを得た。
【0105】[例2]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、2−ブタノン80g、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート9g、トリス
(アクリロキシエチル)イソシアヌレート9g、Cn
2n+1(CH22OCOCH=CH2(nは6〜16の整
数であり、nの平均は9、以下FAと記す。)2g、2
−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−
モルホリノプロパン−1−オン0.6g、シリコーン系
レベリング剤0.1gを加えて溶解させ、さらにN−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン0.2gを加えて常温で1時間撹拌して活性エ
ネルギ線硬化性組成物を得た。
【0106】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0107】[例3]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル64g、イソ
プロパノール16g、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート9g、トリス(アクリロキシエチル)イソシ
アヌレート9g、FA2g、2−メチル−1−{4−
(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−
1−オン0.6g、シリコーン系レベリング剤0.1g
を加えて溶解させ、さらにN−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2gを加え
て常温で1時間撹拌して活性エネルギ線硬化性組成物を
得た。
【0108】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0109】[例4]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル64g、イソ
プロパノール16g、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート9g、トリス(アクリロキシエチル)イソシ
アヌレート9g、(CH33SiO・{Si[(C
23(CF27CF3](CH3)O}16・{Si
[(CH22Si(OCH33](CH3)O}4・[S
i(CH32O]30・Si(CH33を2g、2−メ
チル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モル
ホリノプロパン−1−オン0.6g、シリコーン系レベ
リング剤0.1gを加えて溶解させ、さらにN−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン0.2gを加えて常温で1時間撹拌して活性エネルギ
線硬化性組成物を得た。
【0110】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0111】[例5]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル64g、イソ
プロパノール16g、水酸基を有するジペンタエリスリ
トールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリ
レート(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含
有)10g、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート10g、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)
フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン0.6
g、シリコーン系レベリング剤0.1gを加えて溶解さ
せ、さらにN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン0.2gを加えて常温で1時間
撹拌して活性エネルギ線硬化性組成物を得た。
【0112】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0113】[例6]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル64g、イソ
プロパノール16g、水酸基を有するジペンタエリスリ
トールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリ
レート(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含
有)10g、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート10g、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)
フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン0.6
g、シリコーン系レベリング剤0.1gを加えて溶解さ
せ、さらにポリシラザンのキシレン溶液(固形分20質
量%、東燃社製、商品名「V110」)1gを加えて常
温で1時間撹拌して活性エネルギ線硬化性組成物を得
た。
【0114】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0115】[例7]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル64g、イソ
プロパノール16g、水酸基を有するジペンタエリスリ
トールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレ
ンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリ
レート(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含
有)10g、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート10g、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)
フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン0.6
g、シリコーン系レベリング剤0.1gを加えて溶解さ
せ、さらに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン0.2g加えて常温で1時間撹拌して活性エネルギ線
硬化性組成物を得た。
【0116】この活性エネルギ線硬化性組成物をフォト
マスク原版に実施例1と同様にして塗工、乾燥、硬化さ
せ、膜面保護層(膜厚2μm)を形成してサンプルを得
た。
【0117】[例8]膜面保護層を形成していないフォ
トマスク原版をそのままサンプルとして用いた。
【0118】
【表1】
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、フォトマスク原版の乳
剤層の膜面の表面に波長365nmにおける透過率が5
0%以上である活性エネルギ線硬化性組成物の透明硬化
物層を積層形成することにより、i線(365nm)を
用いたフォトエッチング加工が可能で、紫外線透過率の
低下のない耐傷つき性および耐磨耗性に優れた膜面保護
層を有するフォトマスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォトマスクの一部断面を表す模式
図である。
【符号の説明】
1.フォトマスク 2.基板 3.乳剤層 4.膜面保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に乳剤層の膜面を形成してな
    るフォトマスク原版の表面に、該乳剤層の膜面の保護層
    として波長365nmにおける透過率が50%以上であ
    る活性エネルギ線硬化性組成物の透明硬化物層を積層形
    成したことを特徴とする膜面保護層を有するフォトマス
    ク。
  2. 【請求項2】 前記透明硬化物層の厚さが0.1〜50
    μmである、請求項1に記載の膜面保護層を有するフォ
    トマスク。
  3. 【請求項3】 前記活性エネルギ線硬化性組成物が、波
    長365nmにおけるモル当たりの吸光係数(e)が1
    00(リットル/mol/cm)以下である光重合開始
    剤を0.01〜20質量%含むものである、請求項1ま
    たは2に記載の膜面保護層を有するフォトマスク。
  4. 【請求項4】 基板の表面に感光乳剤層の膜面を形成し
    てなるエマルジョン乾板にパターンを描画して現像処理
    した後、該乳剤層の膜面の表面に活性エネルギ線硬化性
    組成物を塗布し、活性エネルギ線を照射して該活性エネ
    ルギ線硬化性組成物を硬化して、波長365nmにおけ
    る透過率が50%以上である透明硬化物層を積層形成す
    ることを特徴とする膜面保護層を有するフォトマスクの
    製造方法。
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