JP2019157092A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシート - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシート Download PDF

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Abstract

【課題】硬化塗膜とした際に、透明性が高く、良好な伸び特性、高いヤング率を有し、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】脂環構造含有多価イソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、エチレン性不飽和モノマー(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、上記ポリオール(a2)が、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)および数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を含み、上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、硬化塗膜とした際に、塗膜の伸びが大きく、高いヤング率を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、とりわけ有機溶剤を配合せずに使用可能となりうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシートに関するものである。
従来、液晶ディスプレイなどの光学部材用途として、プラスチックフィルムが広く使用されており、中でも加工性や透明性などの光学物性に優れることから、アセチル化セルロース樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが用いられてきた。しかしながら、これらのプラスチックフィルムは表面に傷が付きやすいという欠点があるため、硬度や耐擦傷性付与の目的で通常はハードコート剤を塗布して使用される。このハードコート剤としては、プラスチックフィルムへの密着性が優れていることや、硬化速度が速く生産性が向上するなどの理由から、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が用いられることが多くなっている。
また、ハードコート剤は、打ち抜き加工等の加工適正を向上させるためや、近年開発されているフレキシブルディスプレイで使用するために、硬化塗膜の収縮によるカールが生じ難いこと(低カール性)、硬化塗膜を形成したプラスチックフィルムを曲げてもクラック等が生じ難いこと(高屈曲性)が求められている。
このような要望に応えるため、本出願人は、ポリオール成分由来の構造部位を持たないウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、ポリオール成分由来の構造部位を持つウレタン(メタ)アクリレート系化合物とを含有する組成物において、ポリオール成分由来の構造部位を持たないウレタン(メタ)アクリレート系化合物がイソシアヌレート骨格を有しており、かつエチレン性不飽和基濃度が高く、ポリオール成分由来の構造部位を持つウレタン(メタ)アクリレート系化合物が脂環構造を有しており、かつエチレン性不飽和基濃度が低く、ポリオール成分由来の構造部位を持たないウレタン(メタ)アクリレート系化合物の含有量が、ポリオール成分由来の構造部位を持つウレタン(メタ)アクリレート系化合物の含有量に対して同等以上とすることによって、上記課題を解決できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、既に提案している(特許文献1)。
さらに、近年では、塗料の安定性や環境問題への対応等の観点から、有機溶剤を用いず、無溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の使用が検討されている。ここで、上記活性エネルギー線硬化性樹脂としてウレタン(メタ)アクリレート系化合物を使用する場合には、粘度調整、表面硬度調整、塗膜柔軟性付与、基材密着性付与、硬化収縮の緩和、硬化速度の調整、屈折率調整、耐久性付与(例えば、耐水性、耐熱性付与等)、塗膜表面特性付与(例えば、撥水性付与、親水性付与、スリップ性付与、帯電防止性付与等)など様々な目的から、希釈モノマーを用いて希釈することにより使用に供することが行なわれている。
そのようななか、本出願人は、無溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、良好な伸び特性および高いヤング率を有するとともに、高い強度を有する塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物,多価イソシアネート系化合物および低分子量ポリオールを含むポリオール系化合物の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーとを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、既に提案している(特許文献2)。
特開2015−199921号公報 特開2016−194061号公報
透明性の高い活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、先に述べたようなハードコート剤の他、各種の光学部材用途の透明シートの形成材料として、利用価値が高い。さらに、これらの用途において、良好な伸び特性、高いヤング率、高い強度を有する硬化塗膜を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とすることは、上記特許文献1および2に記載の樹脂組成物においても、充分な検討がなされておらず、各特性の向上において更なる改善が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、硬化塗膜とした際に、透明性が高く、良好な伸び特性、高いヤング率を有し、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシートの提供をその目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ウレタン(メタ)アクリレートの反応において用いるイソシアネートとして、脂環構造含有多価イソシアネートを用い、上記ウレタン(メタ)アクリレートの反応において用いるポリオールとして、数平均分子量300以下の低分子量ポリオールと、数平均分子量500以上の高分子量カーボネート系ポリオールを併用したものを用い、さらに、上記ウレタン(メタ)アクリレートの希釈モノマーとして、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを含むエチレン性不飽和モノマーを使用することを検討した。その結果得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、透明で、良好な伸び特性、高いヤング率を有し、かつ高い強度を有する塗膜を形成することができるといった特性が、より顕著に認められたことから、上記の目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、脂環構造含有多価イソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、エチレン性不飽和モノマー(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
上記ポリオール(a2)が、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)および数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を含み、
上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、第1の要旨とする。
また、本発明は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコーティング剤を第2の要旨とする。さらに、本発明は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化体からなるシートを第3の要旨とする。
このように、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、脂環構造含有多価イソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、エチレン性不飽和モノマー(B)を含有するものであり、上記ポリオール(a2)として、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)および数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を併用しており、上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを含む。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物により形成される塗膜、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコーティング剤により形成される塗膜、および本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化体からなるシートは、透明性が高く、良好な伸び特性、高いヤング率を有し、かつ高い強度を有するようになる。また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成された塗膜等は、基材に対する追従性に優れ、さらに、伸縮性を有する強靱な基材としても有用である。さらに、上記塗膜等は、透明性が高く、高温時における物性の低下も少なく、耐薬品性にも優れていることから、これらの特性を生かした各種用途に用いることもできる。
特に、上記低分子量ポリオール(a2−1)と高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)との比率(a2−1/a2−2)が、重量比で、1/99〜50/50であると、より高ヤング率、高伸度を付与しやすく、物性を微調整することができる。
また、上記低分子量ポリオール(a2−1)が、数平均分子量60〜300のポリオールであり、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量500〜20,000のポリカーボネート系ポリオールであると、より高ヤング率、高伸度を付与しやすく、物性を微調整することができる。
さらに、上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートであると、硬化塗膜に適度な架橋構造を付与し、かつ、伸長性を付与できる。
そして、上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)および複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)から選ばれた少なくとも一つを含むエチレン性不飽和モノマーであると、より高ヤング率、高伸度を実現することができる。
さらに、上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)および複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)を含み、その含有割合(b1/b2)が、重量比で、99/1〜1/99であると、高ヤング率、高伸度を実現しつつ、高い屈曲性を得ることができる。
また、上記エチレン性不飽和モノマー(B)の含有割合が、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、100〜400重量部であると、より屈曲性に優れるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下「樹脂組成物」と略すことがある)は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、エチレン性不飽和モノマー(B)を用いて得られるものである。
まず、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する各成分材料について説明する。
《ウレタン(メタ)アクリレート(A)》
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて反応させてなる反応生成物である。そして、上記ポリオール(a2)が、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)および数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を含む。すなわち、本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)由来の構造単位、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)由来の構造単位、数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)由来の構造単位、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)由来の構造単位を備えた化合物である。なお、本発明の作用効果の観点から、上記ポリオール(a2)全体の50重量%以上、特には80重量%以上が上記低分子量ポリオール(a2−1)および高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)からなることが好ましく、上記ポリオール(a2)の全てが上記低分子量ポリオール(a2−1)および高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)からなることが、より好ましい。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
[脂環構造含有多価イソシアネート(a1)]
上記脂環構造含有多価イソシアネート(a1)としては、例えば、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
[ポリオール(a2)]
上記ポリオール(a2)としては、先に述べたように、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)と、数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)とを併用したものが用いられる。
特に、上記低分子量ポリオール(a2−1)と高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)との比率(a2−1/a2−2)が、重量比で、1/99〜50/50であることが、より高ヤング率、高伸度を付与しやすく、物性を微調整することができるため、好ましい。同様の観点から、上記比率(重量比)は、より好ましくは、(a2−1/a2−2)=1.5/98.5〜49/51、特に好ましくは、(a2−1/a2−2)=2/98〜48/52の範囲である。
また、上記低分子量ポリオール(a2−1)が、数平均分子量60〜300のポリオールであり、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量500〜20,000のカーボネート系ポリオールであることが、より高ヤング率、高伸度を付与しやすく、物性を微調整することができるため、好ましい。同様の観点から、上記低分子量ポリオール(a2−1)が、数平均分子量70〜250のポリオールであり、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量600〜15,000のポリカーボネート系ポリオールであることが、より好ましく、特に好ましくは、上記低分子量ポリオール(a2−1)が、数平均分子量80〜200のポリオールであり、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量700〜10,000のポリカーボネート系ポリオールの場合である。
なお、数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1,000×価数)/水酸基価 [mgKOH/g]で算出する。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
そして、上記低分子量ポリオール(a2−1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、ペンタエリスリトールジアクリレート、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族アルコール類、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキシルジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族ジオール類、ビスフェノールA等のビスフェノール類、キシリトールやソルビトール等の糖アルコール類等があげられ、これらは1種または2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、硬化塗膜の黄変性の観点から、芳香環や不飽和基を含まない構造の化合物が好ましく、特に好ましくは脂肪族アルコール類、更に好ましくはネオペンチルグリコールである。
また、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)としては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネート等)の開環重合物等があげられる。
なかでも、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量500〜20,000のポリカーボネート系ポリオールであることが、より屈曲性に優れるようになるため、好ましい。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオール等)、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトール等)等があげられる。
上記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等があげられる。
なお、上記ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
前記ポリオール(a2)全体としては、硬化塗膜とした際に、伸長性を付与できる点から、2官能(水酸基数が2個)のポリオールを用いることが好ましく、さらに2官能のポリオールと3官能(水酸基数が3個)のポリオールを併用してもよい。
[水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)]
上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜16(好ましくは1〜12)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する水酸基含有(メタ)アクリレートが、硬化塗膜に適度な架橋構造を付与し、かつ、伸長性を付与できる理由から好ましく、特に好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートであり、更に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであり、反応性および汎用性に優れる点で殊に好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
[ウレタン(メタ)アクリレート(A)の調製]
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、前記脂環構造含有多価イソシアネート(a1)、低分子量ポリオール(a2−1)、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて、反応器に一括または別々に仕込み反応させることにより製造することができるが、低分子量ポリオール(a2−1)および高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)と、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させることが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から有用である。
特に、後述のエチレン性不飽和モノマー(B)の存在下で、前記脂環構造含有多価イソシアネート(a1)、低分子量ポリオール(a2−1)、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を反応させた後、その反応物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させて、目的とするウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造すると、有機溶剤を使用することなく、良好にウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造することができる。
そして、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を収率良く得るために、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)、低分子量ポリオール(a2−1)、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)のモル比が、下記の通りであることが好ましい。
脂環構造含有多価イソシアネート(a1)、低分子量ポリオール(a2−1)、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)の反応には、公知の反応手段を用いることができる。その際、例えば、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基(低分子量ポリオール(a2−1)中の水酸基と高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)中の水酸基の合計)が、モル比で、通常、イソシアネート基:水酸基=2:1〜15:14程度にすることにより、イソシアネート基を残存させた末端イソシアネート基含有ウレタン(メタ)アクリレートを得ることができる。そして、その末端イソシアネート基に対し、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との付加反応が可能となる。
上記脂環構造含有多価イソシアネート(a1)と、低分子量ポリオール(a2−1)と、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)とを予め反応させて得られる反応生成物と、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との付加反応にも、公知の反応手段を用いることができる。
反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との反応モル比は、例えば、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の水酸基が1個である場合は、反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、1:2程度であり、脂環構造含有多価イソシアネート(a1)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の水酸基が1個である場合は、反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、1:3程度である。
この反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.3重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート(A)が得られる。
そして、反応条件に関しては、例えば、反応温度は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)を収率良く得るために、30〜80℃程度の範囲に設定するのが好ましいが、反応熱を制御できる点から、60〜70℃で反応を行うのが適当であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
上記脂環構造含有多価イソシアネート(a1)と、低分子量ポリオール(a2−1)と、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)との反応、更にその反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)との反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、上記触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫、ビスアセチルアセトナート亜鉛、ジルコニウムトリス(アセチルアセトネート)エチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物、オクテン酸錫、ヘキサン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫、酢酸カリウム等の金属塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等があげられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンが好適である。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いることもできる。
上記触媒の配合量は、通常、反応成分の総和に対して0.01〜1,000ppmであり、好ましくは0.1〜500ppm、特に好ましくは1〜300ppmである。
また、上記反応においては、更に重合禁止剤を用いることが好ましい。上記重合禁止剤としては、重合禁止剤として用いられている公知一般のものを使用することができ、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン等のキノン類、4−メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン等の芳香族類、p−t−ブチルカテコール等を挙げることができる。中でも芳香族類が好ましく、4−メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。
上記反応の際には有機溶剤を使用しないことが好ましいが、必要に応じて使用することもできる。上記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類等があげられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。有機溶剤を使用する際には、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が実質的には無溶剤系であることが好ましいことから、反応生成の際に乾燥工程を経て有機溶剤を乾燥除去することが好ましい。上記乾燥除去の際には、上述の反応において使用する各種モノマー成分が揮発しないことを必要とすることから、低沸点の有機溶剤を使用することが好ましい。本発明において、上記低沸点とは、具体的には、60℃以下を意味する。なお、反応生成において有機溶剤を使用した場合、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に上記有機溶剤に由来する溶剤成分が微量に残存することがあるが、本発明において、実質的に有機溶剤を含有しない(無溶剤系)。すなわち実質的に有機溶剤を含有しないとは、積極的に有機溶剤を用い配合しないことを意味するものであって、上記微量に残存する場合は除く。そして、「実質的に有機溶剤を含有しない」とは、具体的には、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中における有機溶剤の含有量が、通常1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であり、下限値は、通常0.0001重量%である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)中におけるエチレン性不飽和基の含有数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000であり、より好ましくは3,500〜45,000、特に好ましくは7,000〜40,000である。ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が小さすぎると、硬化塗膜中のエチレン性不飽和基濃度が相対的に大きくなり、硬化塗膜とした際に塗膜の伸長性が得られ難い傾向がみられ、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなり反応制御が難しくなる傾向があり、また、硬化塗膜中のエチレン性不飽和基濃度が相対的に小さくなり架橋密度が低くなるため硬化塗膜の伸長性は得られるもののヤング率が低くなる傾向がみられる。
なお、上記重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(Waters社製、「ACQUITY APCシステム」)に、カラム:ACQUITY APC XT 450を1本、ACQUITY APC XT 200を1本、ACQUITY APC XT 45を2本の計4本を直列にして用いることにより測定される。
《エチレン性不飽和モノマー(B)》
本発明において、エチレン性不飽和モノマー(B)とは、通常、エチレン性不飽和基を1つ有するモノマーのことを言う。また、上記エチレン性不飽和モノマー(B)は、その数平均分子量が1,000以下のものである。そして、本発明においては、所望の屈曲性等を得るため、上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)を含むことを要する。さらに、屈曲性等を効果的に得る観点から、上記エチレン性不飽和モノマー(B)における、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)の占める割合が、エチレン性不飽和モノマー全体の40重量%以上であることが好ましく、より好ましくはエチレン性不飽和モノマー全体の60重量%以上である。
また、上記屈曲性を高めるとともに、高ヤング率、高伸度を実現するため、上記脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)とともに、複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)を併用することが好ましい。特に、屈曲性を高めるとともに、高ヤング率、高伸度を実現する観点から、上記エチレン性不飽和モノマー(B)における脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)と複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)との含有割合(b1/b2)は、重量比で、99/1〜1/99であることが好ましく、同様の観点から、b1/b2=95/5〜5/90の範囲であることがより好ましく、b1/b2=90/10〜10/90の範囲であることが特に好ましい。
さらに、上記脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)は、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上、好ましくは100〜180℃の(メタ)アクリレートであると、より強靭且つ柔軟な塗膜を得ることができる。
上記脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)としては、例えば、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg=120℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg=120℃)、イソボルニルメタクリレート(Tg=180℃)、1−アダマンチルアクリレート(Tg=153℃)、1−アダマンチルメタクリレート(Tg=250℃)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、上記( )内の温度は、各モノマーのホモポリマーとした場合のガラス転移温度(Tg)である。
各モノマーのホモポリマーとした場合のガラス転移温度(Tg)は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K 7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
また、上記複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)としては、例えば、アクリロイルモルホリン(Tg=145℃)、(メタ)アクリロイルピロリドン、(メタ)アクリロイルピペリジン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルアジリジン等があげられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、上記の脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)、複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)以外のエチレン性不飽和モノマー(B)として、例えば、脂肪族アルキルアクリレートを用いることもできる。
上記エチレン性不飽和モノマー(B)の含有量は、屈曲性に優れるようになる観点から、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して100〜400重量部であることが好ましく、より好ましくは110〜380重量部、特に好ましくは120〜350重量部、さらに好ましくは130〜330重量部である。
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と上記エチレン性不飽和モノマー(B)との混合物の粘度(25℃;E型粘度計)は、20,000mPa・s以下が好ましく、特に好ましくは10,000mPa・s以下、更に好ましくは5,000mPa・s以下、殊に好ましくは2,000mPa・s以下である。なお、通常下限値は10mPa・sである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物においては、硬化性を付与するために、さらに光重合開始剤(C)を含有させることが好ましい。
上記光重合開始剤(C)としては、光の作用によりラジカルを発生するものであれば特に限定されず、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤(C)は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用することもできる。
また、上記光重合開始剤(C)の助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。これら助剤も1種単独で用いてもよいし2種以上併せて用いることもできる。
上記光重合開始剤(C)の含有量については、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)とエチレン性不飽和モノマー(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量部であり、更に好ましくは1〜7.5重量部である。上記含有量が少なすぎると硬化不良となり塗膜が形成されにくくなる傾向があり、多すぎると硬化塗膜の黄変の原因となり、着色の問題が起こりやすい傾向がある。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)、前記特定のエチレン性不飽和モノマー(B)、光重合開始剤(C)以外に、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、レベリング剤、安定剤、補強剤、艶消し剤等を配合することも可能である。更に、架橋剤として、熱により架橋を引き起す作用をもつ化合物、具体的にはエポキシ化合物、アジリシン化合物、メラミン化合物、イソシアネート化合物、キレート化合物等も使用できる。
《活性エネルギー線硬化性樹脂組成物》
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)、前記特定のエチレン性不飽和モノマー(B)に、光重合開始剤(C)、さらには上記各種添加剤を所定の配合量にて配合し、混合することにより製造することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、水、水性溶媒はもちろん有機溶剤を実質的に含有しておらず、通常、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)、前記特定のエチレン性不飽和モノマー(B)、光重合開始剤(C)、さらに必要に応じ適宜配合される他の成分が、溶解もしくは均一に分散した状態となることが好ましい。この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、上記各配合成分を、常温(25℃±10℃)または場合によっては常温〜60℃の温度範囲に加温し混合することにより調製することができる。より好ましくは、光重合開始剤(C)を除く各成分を、予め常温もしくは上記温度範囲の加温状態で予備混合(0.5〜30時間)した後に、光重合開始剤(C)を混合することにより、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製することである。このようにして得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含有しない、無溶剤系の樹脂組成物である。
このようにして得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、その粘度が、25℃において、100〜20,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは300〜10,000mPa・s、特に好ましくは500〜5,000mPa・sである。粘度が低すぎると、硬化塗膜は柔軟性に乏しいものになり伸びにくくなる傾向がみられ、粘度が高すぎると、コーティング剤用途、またはシート成形に供することが困難となる傾向がみられる。
なお、上記粘度は、E型粘度計を用いて測定される。
《コーティング剤、シート》
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、例えば、コーティング剤用途に用いられる。
さらには、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をコーティング剤用途として用い、基材に塗工して塗膜を形成した後、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化し、これを剥離することによりシートを作製することができる。
なお、本発明において、「シート」とは、シートおよびフィルムを概念的に包含するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工する対象となる基材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ等)等のプラスチック基材、それらの複合基材、またはガラス繊維や無機物を混合した前記材料の複合基材等、金属(アルミニウム、銅、鉄、SUS、亜鉛、マグネシウム、これらの合金等)や、ガラス等の基材上にプライマー層を設けた基材等があげられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法があげられ、通常は常温下にて、基材に塗工すればよい。
基材上に塗工された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際に使用する活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。なお、電子線照射を行う場合は、前述の光重合開始剤(C)を用いなくても硬化し得る。
紫外線照射により本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、通常30〜3,000mJ/cm2(好ましくは100〜1,500mJ/cm2)の紫外線を照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全化を図ることもできる。その際の加熱条件としては、例えば、温度120〜200℃等があげられる。
塗工膜厚(硬化後の膜厚)としては、通常、紫外線硬化型の塗膜として光重合開始剤(C)が均一に反応するべく光線透過を鑑みると、3〜1,000μmであればよく、好ましくは5〜500μmであり、特に好ましくは10〜200μmである。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて塗膜を形成した後、これを硬化する際に、上記樹脂組成物中に有機溶剤が残存している場合、有機溶剤を乾燥除去することが好ましい。上記乾燥条件としては、好ましくは温度40〜120℃で、時間1〜20分、より好ましくは温度50〜100℃で、時間2〜10分である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、その特性により、例えば、スマートフォン用のコーティング剤、ディスプレイ用のコーティング剤、タッチパネルのコーティング剤、光ファイバーやフレキシブルな管状物の外部被覆材料、衣料品等に貼付される物品の形成材料、医療用シート材料、チューブ形成材料等に使用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、重量平均分子量、数平均分子量および粘度の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
〔実施例1〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、アクリロイルモルホリン(b2−1)(Tg=145℃)90.0g、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(a1)17.4g(0.09モル)、ネオペンチルグリコール(a2−1)(分子量:104)2.3g(0.02モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(a2−2)(水酸基価143mgKOH/g、数平均分子量(Mn):783)35.0g(0.04モル)、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.12g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込み、60℃で2時間反応させた。ついで、この系に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)5.3g(0.045モル)を仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了することにより、ウレタンアクリレート(A−1)(重量平均分子量(Mw):10,000)のアクリロイルモルホリン(b2−1)溶液(粘度(25℃):3,100mPa・s)を得た。ウレタンアクリレート(A−1)100部に対するアクリロイルモルホリン(b2−1)の含有量は150部であった。
上記溶液100部に対して、さらに光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IGMresins社製、「オムニラッド184」))(C−1)4部を配合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を作製した。
〔実施例2〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、アクリロイルモルホリン(b2−1)(Tg=145℃)15.0g、ジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)(Tg=120℃)75.0g、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(a1)17.4g(0.09モル)、ネオペンチルグリコール(a2−1)(分子量:104)2.3g(0.02モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(a2−2)(水酸基価143mgKOH/g、数平均分子量(Mn):783)35.0g(0.04モル)、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.12g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込み、60℃で2時間反応させた。ついで、この系に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)5.3g(0.045モル)を仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了することにより、ウレタンアクリレート(A−1)(重量平均分子量(Mw):10,000)のアクリロイルモルホリン(b2−1)及びジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)溶液(粘度(25℃):4,300mPa・s)を得た。ウレタンアクリレート(A−1)100部に対するエチレン性不飽和モノマー(ジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)およびアクリロイルモルホリン(b2−1))の含有量は150部であり、上記エチレン性不飽和モノマー中の(b1−1)と(b2−1)の含有割合(b1−1/b2−1)(重量比)は83/17であった。
上記溶液100部に対して、さらに光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IGMresins社製、「オムニラッド184」))(C−1)4部を配合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を作製した。
〔比較例1〕
実施例1において、アクリロイルモルホリンの代わりにノルマルオクチルアクリレート(b3)(Tg=−65℃)に変更した以外は同様にして、ウレタンアクリレート(A−1)のノルマルオクチルアクリレート(b3)溶液を得た。しかしながら、相溶性が悪く白濁したため、その他の評価は行わなかった。
〔比較例2〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)(Tg=120℃)90.0g、イソホロンジイソシアネート(a1)25.3g(0.11モル)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(水酸基価58mgKOH/g、数平均分子量(Mn):1934)111.1g(0.056モル)、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.12g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込み、60℃で2時間反応させた。ついで、この系に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)3.0g(0.025モル)を仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了することにより、ウレタンアクリレート(A’−1)(重量平均分子量(Mw):13,000)のジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)溶液(粘度(25℃):1,200mPa・s)を得た。ウレタンアクリレート(A’−1)100部に対するジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)の含有量は150部であった。
上記溶液100部に対して、さらに光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IGMresins社製、「オムニラッド184」))(C−1)4部を配合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を作製した。
〔比較例3〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、アクリロイルモルホリン(b2−1)(Tg=145℃)90.0g、イソホロンジイソシアネート(a1)15.4g(0.09モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(a2−2)(水酸基価143mgKOH/g、数平均分子量(Mn):783)40.6g(0.05モル)、重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.12g、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03gを仕込み、60℃で2時間反応させた。ついで、この系に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a3)4.1g(0.035モル)を仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了することにより、ウレタンアクリレート(A’−2)(重量平均分子量(Mw):11,000)のアクリロイルモルホリン(b2−1)溶液(粘度(25℃):1,800mPa・s)を得た。ウレタンアクリレート(A’−2)100部に対するアクリロイルモルホリン(b2−1)の含有量は150部であった。
上記溶液100部に対して、さらに光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IGMresins社製、「オムニラッド184」))(C−1)4部を配合することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、下記の通りに測定用サンプルを作製し、そのサンプルに対し、ヤング率、伸度、透明性について、下記の通り評価した。その結果を後記の表1に示す。また、実施例2、比較例2,3に対しては、そのサンプルに対し、上記各評価に加え、屈曲性についても、下記の通り評価した。その結果を後記の表2に示す。なお、後記の表1および表2に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成成分であるウレタンアクリレート(A−1,A'−1,A'−2)およびエチレン性不飽和モノマー(b1−1,b2−1,b3)の合計含量に対する、ウレタンアクリレートの割合(%)、およびエチレン性不飽和モノマーの割合(%)を、併せて示す。
[ヤング率、伸度、透明性、屈曲性の測定用サンプルの作製]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を離型性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み100μm)にアプリケーターで塗布し、高圧水銀ランプ(80W)1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜(膜厚:100μm)を得た。ついで、この硬化塗膜をダンベルで打ち抜いて、幅15mm、長さ75mmとなるように短冊状サンプルを作製した後、PETフィルムから硬化塗膜を剥離し、測定用サンプルとした。
<ヤング率>
温度23℃、湿度50%下で、引っ張り試験機「AG−X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、サンプルの引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、降伏点までの傾きからヤング率を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・500(N/mm2)以上。
○・・・300(N/mm2)以上、500(N/mm2)未満。
×・・・300(N/mm2)未満。
<伸度>
温度23℃、湿度50%下で、引っ張り試験機「AG−X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠してサンプルの引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の破断点における伸度を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・300%以上。
○・・・200%以上、300%未満。
×・・・200%未満。
<透明性>
サンプルを目視観察し、下記の基準にて評価した。
○・・・透明であり、白濁がみられなかった。
×・・・白濁がみられた。
<総合判定>
上記各測定評価に基づき、下記の基準にて総合判定評価を行った。
◎・・・「◎」の評価が少なくとも一つあり、その他の評価は「○」であった。
○・・・全ての評価において「○」の評価が得られた。
×・・・「×」の評価が少なくとも一つあった。
<屈曲性>
得られたサンプルを手で繰り返し折り曲げ、下記の基準で評価した。
○・・・100回折り曲げても破断しなかった。
×・・・100回未満で破断した。
Figure 2019157092
Figure 2019157092
上記の結果から、全ての実施例では、透明性を示すとともに、ヤング率,伸度ともに高いことがわかる。特に、実施例2では、エチレン性不飽和モノマーとして、脂環構造含有(メタ)アクリレートであるジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)と、複素環構造含有(メタ)アクリレートであるアクリロイルモルホリン(b2−1)とを併用しており、屈曲性にも優れていることがわかる。
これに対し、比較例1は、エチレン性不飽和モノマーとして、ジシクロペンタニルアクリレート(b1−1)やアクリロイルモルホリン(b2−1)のような、ガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを使用しておらず、透明性に劣る(白濁がみられる)結果となった。比較例2は、低分子量ポリオールであるネオペンチルグリコール(a2−1)を含有しておらず、高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)も含有しないウレタンアクリレート(A’−1)を使用しており、ヤング率に劣る結果となった。比較例3は、低分子量ポリオールであるネオペンチルグリコール(a2−1)を含有しないウレタンアクリレート(A’−2)を使用しており、ヤング率に劣る結果となった。
本発明は、硬化塗膜とした際に、透明性が高く、良好な伸び特性、高いヤング率、高い強度を有する塗膜を形成することができる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であり、さらにはそれを用いてなるコーティング剤、ならびにシートを提供するものである。従って、例えば、スマートフォン用のコーティング剤、ディスプレイ用のコーティング剤、タッチパネルのコーティング剤、光ファイバーやフレキシブルな管状物の外部被覆材料、衣料品等に貼付される物品の形成材料、医療用シート材料、チューブ形成材料等に非常に有用である。さらに、上記塗膜等は、透明性が高く、高温時における物性の低下も少なく、耐薬品性にも優れていることから、これらの特性を生かした各種用途に用いることもできる。

Claims (9)

  1. 脂環構造含有多価イソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、エチレン性不飽和モノマー(B)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    上記ポリオール(a2)が、数平均分子量300以下の低分子量ポリオール(a2−1)および数平均分子量500以上の高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)を含み、
    上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、ホモポリマーとした場合のガラス転移温度が100℃以上のエチレン性不飽和モノマーを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 上記低分子量ポリオール(a2−1)と高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)との比率(a2−1/a2−2)が、重量比で、1/99〜50/50であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 上記低分子量ポリオール(a2−1)が、数平均分子量60〜300のポリオールであり、上記高分子量ポリカーボネート系ポリオール(a2−2)が、数平均分子量500〜20,000のポリカーボネート系ポリオールであることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  4. 上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  5. 上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)および複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)から選ばれた少なくとも一つを含むエチレン性不飽和モノマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  6. 上記エチレン性不飽和モノマー(B)が、脂環構造含有(メタ)アクリレート(b1)および複素環構造含有(メタ)アクリレート(b2)を含み、その含有割合(b1/b2)が、重量比で、99/1〜1/99であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  7. 上記エチレン性不飽和モノマー(B)の含有割合が、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)100重量部に対して、100〜400重量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化体からなることを特徴とするシート。
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