JP7314630B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシート - Google Patents
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Description
加飾成型の方法としては、従来から、顔料を熱可塑性樹脂に練り込み成型したり、成型後の樹脂製品表面に塗料をスプレー塗装したりして、加飾する方法がある。しかしながら、これらの手法は、複雑な形の成型品に対する適用が難しい。
そこで、金型を使用したインサート成型やインモールド成型、さらに近年では、金型が不要なTOM成型(Three dimension Overlay Method(3次元表面被覆工法))等の三次元成型によって、上記加飾成型を行うことにより、複雑な形の成型品に対する加飾成型の適用が検討されている。
また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が成型品の最表面材料に用いられる場合には、表面の硬度や耐擦傷性が求められる。特に、手指と接触する可能性のある成型品においては、上記のような特性の他、表面タック感の抑制や、日焼け止めやハンドクリーム等に対する耐薬品性が求められる。
また、例えば下記の特許文献2には、フリル基を含む化合物と、重合性化合物と、重合開始剤とを含んでなる加飾シート用組成物および成型加工品の製造方法が開示されている。そして、特許文献2には、上記組成物を用いた加飾シートが、種々の成型加工に対応可能な優れたハードコート性と成型性とを高いレベルで両立することが示されている。
また、上記特許文献2に開示の組成物は、ハードコート性や耐薬品性には優れるものの、様々な成型方法に対応することができるような伸びを有しておらず、この点において課題が残る。
上記ポリオール(a2)が、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)を含み、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、環構造濃度15~60重量%で、かつ(メタ)アクリロイル基濃度0.1~4mmol/gの、ウレタン(メタ)アクリレートである活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、第1の要旨とする。
そして、上記のような効果を奏することから、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種基材へのコーティング剤や、成型用シート、およびその保護層の材料、加飾フィルム用ハードコートの材料として有用である。
以下に、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の詳細や、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に適宜含有される各成分材料について説明する。
本発明で用いられる上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて反応させてなる反応生成物である。そして、上記ポリオール(a2)が、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)を含み、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、環構造濃度15~60重量%で、かつ(メタ)アクリロイル基濃度0.1~4mmol/gの、ウレタン(メタ)アクリレートである。
すなわち、本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)由来の構造単位、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)由来の構造単位、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)由来の構造単位を備えた化合物である。
なお、本発明の作用効果の観点から、好ましくは上記ポリオール(a2)全体の30重量%以上、特に好ましくは40重量%以上が、上記の、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)からなることが好ましい。また、本発明では、上記ポリオール(a2)の全てが、上記の、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)からなるものも含まれる。
そして、本発明の作用効果の観点から、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の環構造濃度は、好ましくは20~55重量%、より好ましくは25~50重量%である。
(N×1000/M)×(P/100)・・・(1)
そして、本発明の作用効果の観点から、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の(メタ)アクリロイル基濃度は、好ましくは0.3~3.5mmol/g、より好ましくは0.5~3mmol/g、更に好ましくは1~2.5mmol/gである。
なお、上記ウレタン結合濃度は、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の分子構造式中におけるウレタン結合[-NHC(=O)O-]の割合から算出した数値である。具体的には、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)のイソシアネート官能基数をN’、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)のモル質量をM’(g/mol)、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対する脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)の割合をP’(重量%)としたとき、上記ウレタン結合濃度は、下記に示す式(2)により求めることができる。
(N’×1000/M’)×(P’/100)・・・(2)
上記ポリイソシアネート(a1)において、脂環構造の炭素数は、好ましくは、5~18であり、より好ましくは6~12である。また、上記ポリイソシアネート(a1)において、複素環構造の炭素数は、好ましくは、3~9であり、より好ましくは3~6である。
上記の、5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアヌレート骨格(イソシアヌレート環構造)を含有するポリイソシアネート等があげられる。具体的には、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体等があげられる。
また、上記の、脂環構造含有ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等があげられる。
また、脂環構造および5員環以上の複素環構造の両方を含有するポリイソシアネートを用いてもよい。上記の、脂環構造および5員環以上の複素環構造の両方を含有するポリイソシアネートとしては、例えば、イソシアヌレート骨格を有するイソホロンジイソシアネートの三量体、イソシアヌレート骨格を有する1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンの三量体等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、硬化塗膜の伸びの観点から、上記ポリイソシアネートが、ジイソシアネートであることが好ましい。同様の観点から、より好ましくはイソホロンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体であり、特に好ましくはイソホロンジイソシアネートである。
上記ポリオール(a2)としては、先に述べたように、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)が用いられる。上記特定のポリオール(a2-1)において、脂環構造の炭素数は、好ましくは、5~500であり、より好ましくは15~150である。また、上記特定のポリオール(a2-1)において、複素環構造の炭素数は、好ましくは、4~500であり、より好ましくは15~150である。そして、本発明の作用効果の観点から、上記特定のポリオール(a2-1)は、高分子量ポリオールであることが望ましい。すなわち、上記特定のポリオール(a2-1)の数平均分子量は、400~10,000であることが好ましく、より好ましくは450~5,000、更に好ましくは480~2,200である。
そして、上記特定のポリオール(a2-1)は、例えば、1,1-シクロヘキサンジメタノール(1,1-CHDM)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(1,4-CHDM)、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジメタノール(TCDDM)、1,3-アダマンタンジオール、1,3-ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4-ジヒドロキシシクロヘキサン、イソソルビド等を原料アルコール成分とするポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオール等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
中でも、好ましくは、ポリカーボネートポリオールであり、特に好ましくは、1,4-CHDMやイソソルビドを原料アルコール成分とするポリカーボネートポリオールである。
なお、上記特定のポリオール(a2-1)は、上記低分子量ポリオール(a2-2)を除くものである。
これらは1種または2種以上を併用して用いることができる。
中でも、脂環族ジオール類が好ましく、特に好ましくは、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールである。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構成材料である、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記低分子量ポリオール(a2-2)の割合は、好ましくは5~40重量%、より好ましくは10~35重量%、更に好ましくは15~30重量%である。
さらに、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構成材料である、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記ポリイソシアネート(a1)と低分子量ポリオール(a2-2)の合計の割合は、好ましくは25重量%以上、より好ましくは30~90重量%、更に好ましくは50~80重量%である。このような範囲とすることにより、表面タック感が更に抑制され、伸度および弾性率に優れた硬化塗膜を得ることができる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)としては、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1~16(好ましくは1~12)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、前記脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有する特定のポリオール(a2-1)、低分子量ポリオール(a2-2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて、反応器に一括または別々に仕込み反応させることにより製造することができるが、上記特定のポリオール(a2-1)および低分子量ポリオール(a2-2)と、上記ポリイソシアネート(a1)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させることが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から有用である。
特に、有機溶剤中に、上記ポリイソシアネート(a1)と、低分子量ポリオール(a2-2)とを加えて反応させた後、上記特定のポリオール(a2-1)を更に加えて反応させ、その結果得られた反応物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させて、目的とするウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造すると、良好にウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造することができる。
なお、上記低分子量ポリオール(a2-2)は、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の材料における任意成分であることから、上記低分子量ポリオール(a2-2)を使用しない場合は、上記調製方法において低分子量ポリオール(a2-2)の使用を省略する。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いることもできる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いることもできる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中における有機溶剤の含有量は、通常1~90重量%、好ましくは10~80重量%、より好ましくは20~70重量%、更に好ましくは30~60重量%である。すなわち、上記有機溶剤の含有量が少なすぎると、著しく高粘度となりハンドリング性が損なわれるおそれがあり、上記有機溶剤の含有量が多すぎると、反応速度が低下することで生産性に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
なお、上記粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物においては、硬化性を付与するために、さらに光重合開始剤を含有させることが好ましい。
中でも、アセトフェノン類が好ましく、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンが特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)に、光重合開始剤等の各種添加剤を所定の配合量にて配合し、混合することにより製造することができる。
なお、上記粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、例えば、コーティング剤用途に用いられる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全化を図ることもできる。その際の加熱条件としては、例えば、温度120~200℃等があげられる。
そして、これらの特性により、例えば、プラスチック部品等の表面に対して施工されるハードコート剤や、スマートフォン等の携帯電話,自動車用の内外装部品,サインポール,理容機器,アミューズメント機器等における表層部分の形成材料等に使用することができる。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、重量平均分子量、数平均分子量および粘度の測定に関しては、前述の方法に従って測定した。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当){分子量:194}235g(1.21モル)、1,1-シクロヘキサンジメタノール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:144}116g(0.81モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.0%以下となった時点で、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}101g(0.20モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)48.0g(0.41モル)、重合禁止剤として4-メトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-1)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-1の重量平均分子量:7,800、溶液粘度:2,200mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-1)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当){分子量:194}215g(1.11モル)、1,1-シクロヘキサンジメタノール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:144}80.0g(0.55モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.9%以下となった時点で、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}139g(0.28モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.5%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)66.0g(0.57モル)、重合禁止剤として4-メトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-2)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-2の重量平均分子量:5,600、溶液粘度:980mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-2)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}252g(1.13モル)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:144}109g(0.76モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.7%以下となった時点で、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}94.3g(0.19モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.7%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)44.9g(0.39モル)、重合禁止剤として4-メトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-3)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-3の重量平均分子量:8,100、溶液粘度:2,200mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-3)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}252g(1.13モル)、1,1-シクロヘキサンジメタノール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:144}109g(0.76モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.7%以下となった時点で、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}94.3g(0.19モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.7%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)44.9g(0.39モル)、重合禁止剤として4-メトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-4)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-4の重量平均分子量:6,800、溶液粘度:580mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-4)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}235g(1.06モル)、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジメタノール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:196}156g(0.79モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.5%以下となった時点で、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}88.1g(0.18モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)21.0g(0.18モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-5)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-5の重量平均分子量:9,700、溶液粘度:24,000mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-5)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}188g(0.85モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}211g(0.42モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.0%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)101g(0.87モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-6)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-6の重量平均分子量:3,100、溶液粘度:200mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-6)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}129g(0.58モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価108mgKOH/g;数平均分子量1040}302g(0.29モル)を加え、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.6%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)69.1g(0.59モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-7)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-7の重量平均分子量:5,400、溶液粘度:590mPa・s/20℃、溶液の外観:微白濁)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-7)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}179g(0.81モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:イソソルビド;水酸基価139mgKOH/g;数平均分子量806}325g(0.40モル)を加え、希釈溶剤として酢酸ブチル400gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)95.9g(0.83モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-8)の酢酸ブチル40%溶液を得た(A-8の重量平均分子量:3,700、溶液粘度:240mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-8)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(本発明の(a1)に該当){分子量:581}273g(0.47モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価225mgKOH/g;数平均分子量499}117g(0.23モル)を加え、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.2%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)110g(0.95モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-9)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-9の重量平均分子量:9,400、溶液粘度:450mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-9)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソシアヌレート骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネートの三量体(本発明の(a1)に該当){分子量:578}217g(0.37モル)、2官能のポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)に該当){原料アルコール成分:1,4-シクロヘキサンジメタノール;水酸基価108mgKOH/g;数平均分子量1040}195g(0.19モル)を加え、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.9%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)88.1g(0.76モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-10)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-10の重量平均分子量:16,000、溶液粘度:930mPa・s/20℃、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-10)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート(本発明の(a1)に該当){分子量:222}300g(1.35モル)、2官能の直鎖構造ポリカーボネートポリオール(本発明の(a2-1)および(a2-2)に非該当){原料アルコール成分:1,5-ペンタメチレンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール;水酸基価141mgKOH/g;数平均分子量799}539g(0.68モル)を仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が6.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)161g(1.38モル)、重合禁止剤として4-メトキシフェノール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-1)を得た(A’-1の重量平均分子量:5,000、粘度:55,000mPa・s/60℃、外観:均一かつ透明)。
上記ウレタンアクリレート系化合物(A’-1)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当){分子量:194}418g(2.15モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-2)に該当){分子量:104}179g(1.72モル)、希釈溶剤として酢酸エチル300gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-2)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.0%以下となった時点で、60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)102g(0.88モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.05%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-2)の酢酸エチル30%溶液を得た(A’-2の重量平均分子量:3,900、溶液の外観:均一かつ透明)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A’-2)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
また、上記ウレタンアクリレート系化合物の組成から、上記ウレタンアクリレート系化合物中の、脂環構造や5員環以上の複素環構造を構成する炭素原子およびヘテロ原子と、上記炭素原子およびヘテロ原子のみに結合した原子とが占める重量割合を算出した値(環構造濃度(%))、上記ウレタンアクリレート系化合物中のアクリロイル基[H2C=CH-C(=O)-]の割合を前述の式(1)に従い算出した値(アクリロイル基濃度(mmol/g))、上記ウレタンアクリレート系化合物中のウレタン結合[-NHC(=O)O-]の割合を前述の式(2)に従い算出した値(ウレタン結合濃度(mmol/g))を、下記の表1に併せて示す。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を離型性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターで塗布し、乾燥機にて60℃で30分間乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜(膜厚:100μm)を得た。ついで、この硬化塗膜をダンベルで打ち抜いて、幅15mm、長さ75mmとなるように短冊状サンプルを作製した後、PETフィルムから硬化塗膜を剥離し、評価用サンプル片とした。
そして、温度23℃かつ湿度50%RH下、または、温度100℃下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、上記評価用サンプル片の引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の破断点における伸度を測定し、下記の基準にて評価した。
(23℃・50%RH下)
◎・・・50%以上。
○・・・5%以上50%未満。
×・・・5%未満。
(100℃下)
◎・・・30%以上。
○・・・10%以上30%未満。
×・・・10%未満。
温度23℃かつ湿度50%RH下、または、温度100℃下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、上記評価用サンプル片の引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の伸張変形の変位1~2%の領域における弾性率を測定し、下記の基準にて評価した。
(23℃・50%RH下)
◎・・・100(N/mm2)以上。
○・・・10(N/mm2)以上100(N/mm2)未満。
×・・・10(N/mm2)未満。
(100℃下)
◎・・・10(N/mm2)以上。
○・・・1(N/mm2)以上10(N/mm2)未満。
×・・・1(N/mm2)未満。
温度23℃かつ湿度50%RH下、または、温度100℃下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、上記評価用サンプル片の引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の破断点における強度を測定し、下記の基準にて評価した。
(23℃・50%RH下)
◎・・・20(N/mm2)以上。
○・・・10(N/mm2)以上20(N/mm2)未満。
×・・・10(N/mm2)未満。
(100℃下)
◎・・・3(N/mm2)以上。
○・・・1(N/mm2)以上3(N/mm2)未満。
×・・・1(N/mm2)未満。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、「コスモシャインA4300」、厚み125μm)上に、バーコーターによって塗布し、乾燥機にて90℃で3分間乾燥させた後、高圧水銀ランプにて積算光量800mJ/cm2となるように紫外線照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、膜厚5μmの塗膜サンプルを作製した。
そして、上記塗膜サンプルの表面のタックの有無を、下記の基準にて指触により評価した。
◎・・・指を強く押し付けても指の跡は残らず、タックも全く感じられない。
○・・・指を強く押し付けても指の跡は残らないが、わずかにタックが感じられる。
△・・・指を押し付けるとタックが感じられるが、指の跡は残らない。
×・・・指を押し付けると強いタックが感じられ、指の跡が残る。
上記塗膜サンプルを用いて、JIS K 5600-5-4に準じて鉛筆硬度を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・F以上
○・・・HB
×・・・B以下
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、厚さ2mmのポリカーボネート(PC)板上に、バーコーターによって塗布し、乾燥機にて90℃で4分間乾燥させた後、高圧水銀ランプにて積算光量800mJ/cm2となるように紫外線照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、膜厚10μmの塗工板を作製した。
そして、上記塗工板の塗工面に、日焼け止め剤A(大正製薬社製、「コパトーンSPF50+」)および日焼け止め剤B(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、「ニュートロジーナSPF45」)を、それぞれ、約0.02g/cm2塗り広げ、乾燥機にて80℃で1時間加熱し、残った日焼け止め剤をウェス(日本製紙クレシア社製、「キムワイプ」)で拭き取った後の塗工板の状態を目視で評価した。
なお、日焼け止め剤Aを使用したときの評価を「耐薬品性(i)」、日焼け止め剤Bを使用したときの評価を「耐薬品性(ii)」とする。
◎・・・全く変化がない。
○・・・塗膜の溶解・ひび割れはないが、ごくわずかに白化が認められる程度である。
△○・・・塗膜の溶解・ひび割れはないが、白化が認められる。
△・・・塗膜の溶解はないが、ひび割れ・顕著な白化が認められる。
×・・・塗膜が溶解し、基材が露出している。
また、比較例2の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、そのウレタンアクリレート系化合物の環構造濃度については、本発明の規定量を満たしているものの、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)を含まない。そのため、比較例2では、鉛筆硬度の評価に劣る結果となった。
そして、これらの特性により、例えば、プラスチック部品等の表面に対して施工されるハードコート剤や、スマートフォン等の携帯電話,自動車用の内外装部品,サインポール,理容機器,アミューズメント機器等における表層部分の形成材料等に使用することができる。また、上記特性を生かした、その他の用途に用いることもできる。
Claims (6)
- 脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
上記ポリオール(a2)が、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)と、数平均分子量60~300のポリオール(a2-2)を含み、
上記ポリオ―ル(a2-1)が、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールの少なくとも一方であり、
上記ポリオール(a2-2)が、1,1-シクロヘキサンジメタノールであり、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、環構造濃度15~60重量%で、かつ(メタ)アクリロイル基濃度0.1~4mmol/gの、ウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 上記の、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリイソシアネート(a1)の数平均分子量が、150~1,000であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記の、脂環構造又は5員環以上の複素環構造を含有するポリオール(a2-1)の数平均分子量が、400~10,000であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化体からなることを特徴とするシート。
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