JP2000219850A - 接着剤用組成物及びその硬化物 - Google Patents

接着剤用組成物及びその硬化物

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JP2000219850A
JP2000219850A JP11021980A JP2198099A JP2000219850A JP 2000219850 A JP2000219850 A JP 2000219850A JP 11021980 A JP11021980 A JP 11021980A JP 2198099 A JP2198099 A JP 2198099A JP 2000219850 A JP2000219850 A JP 2000219850A
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meth
urethane
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Ichiro Osagawa
伊知郎 長川
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Daicel UCB Co Ltd
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Daicel Chemical Industries Ltd
Daicel UCB Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速硬化性、基材(塩化ビニルフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムなど)に対する高い
接着性、優れた加工性、耐熱性、耐水性を有する接着剤
組成物及びその活性エネルギー線硬化物を提供すること
である。 【解決手段】 分子量800〜8,000のポリオール
を構造単位として含有するウレタン(メタ)アクリレー
ト(A)、硬化後のガラス転移温度(Tg)が90℃以
上である単官能(メタ)アクリレート(B)からなり、
ウレタン(メタ)アクリレート(A)と単官能(メタ)
アクリレート(B)との重量比率が85〜15:15〜
85である接着剤用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物およ
びその硬化物に関し、更に詳しくは、プラスチックス、
特にポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリオレフィンフィルムに対して優れた
接着性を有し、かつ、耐熱性、耐水性および成形加工性
に優れるため、各種建築材料、包装材料、印刷材料、表
示材料、電気電子部品材料、光学材料、液晶パネルなど
の分野において有用な活性エネルギー線硬化型接着剤組
成物およびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に液状の接着剤は、包装材料、ラベ
ル表示材料、電子部品、精密機器、建築材料などの分野
において広く利用されている。近年では、製造工程の高
速化、生産向上の目的などで、従来の熱硬化型から、紫
外線、電子線で硬化する活性エネルギー線硬化型の接着
剤も広く利用されている。例えば、塩化ビニルフィルム
のラミネート用接着剤においては、高接着力に加えて、
塩化ビニルフィルムの加工性と同等な加工性、伸びなど
が要求されており、また、塩化ビニルフィルムとポリエ
チレンテレフタレートフィルムのラミネート用接着剤に
おいては、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対す
る接着力および耐水性が要求される。
【0003】しかしながら、活性エネルギー線硬化型の
接着剤において、上記の条件、高速硬化性、基材(塩化
ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム
など)に対する高い接着性、優れた加工性、耐熱性、耐
水性を有するものは見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
硬化性、基材(塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムなど)に対する高い接着性、優れた
加工性、耐熱性、耐水性を有する接着剤組成物及びその
活性エネルギー線硬化物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定のウレタン(メ
タ)アクリレート(A)及び単官能(メタ)アクリレー
ト(B)の特定比率を硬化成分として含有する組成物を
用いることにより、高速硬化性、基材(塩化ビニルフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなど)に対
する高い接着性、優れた加工性、耐熱性、耐水性を有す
る接着剤組成物を見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明の第1は、分子量800〜
8,000のポリオールを構造単位として含有するウレ
タン(メタ)アクリレート(A)、硬化後のガラス転移
温度(Tg)が90℃以上である単官能(メタ)アクリ
レート(B)からなり、ウレタン(メタ)アクリレート
(A)と単官能(メタ)アクリレート(B)との重量比
率が85〜15:15〜85である接着剤用組成物を提
供する。本発明の第2は、分子量800〜8,000の
ポリオールが、ポリカプロラクトン系ポリオールである
ことを特徴する本発明の第1に記載の接着剤用組成物を
提供する。本発明の第3は、ウレタン(メタ)アクリレ
ート(A)が、1分子中に分子量800〜8,000の
ポリオールを2分子以上含有してなることを特徴とする
本発明の第1〜2のいずれかに記載の接着剤用組成物を
提供する。本発明の第4は、ウレタン(メタ)アクリレ
ート(A)が、分子量800〜8,000のポリオール
とさらに分子量300以下の低分子量ポリオールを含有
してなることを特徴する本発明の第1〜3のいずれかに
記載の接着剤用組成物を提供する。本発明の第5は、単
官能(メタ)アクリレート(B)が、(メタ)アクリロ
イルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及びジシクロ
ペンテニル(メタ)アクリレートの群から選ばれるすく
なくとも1種であることを特徴する本発明の第1に記載
の接着剤用組成物を提供する。本発明の第6は、さらに
(メタ)アクリレートモノマー(D)を含有する本発明
の第1〜5のいずれかに記載の接着剤用組成物を提供す
る。本発明の第7は、さらに光重合開始剤(C)を含有
する本発明の第1〜6のいずれかに記載の接着剤用組成
物を提供する。本発明の第8は、本発明の第1〜7のい
ずれかに記載の接着剤用組成物を活性エネルギー線で硬
化させて得られる硬化物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤用組成物は、分子
量800〜8,000のポリオールを構成単位として含
有するウレタン(メタ)アクリレート(A)及び硬化後
のガラス転移温度(Tg)が90℃以上である単官能
(メタ)アクリレート(B)からなる。本発明の接着剤
用組成物は、接着剤として使用される場合には、さらに
光重合開始剤(C)を加えることができる。さらに、本
発明の接着剤用組成物には、メタアクリレートモノマー
(D)を加えることができる。上記ウレタン(メタ)ア
クリレート(A)は、高分子量ポリオール(a−1)又
は高分子量ポリオール(a−1)と低分子量ポリオール
(a−2)の混合物と、ポリイソシアネート化合物
(b)と水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応
させて得られる。
【0008】ウレタン(メタ)アクリレート(A)用原
料ポリオール(a−1) ポリオール(a−1)は、分子量として比較的高分子量
の800〜8,000、好ましくは、1,000〜6,
000の範囲のものが用いられる。ポリオール(a−
1)の分子量が、800未満では、樹脂の伸度が不十分
となって好ましくなく、また、8,000を超えると、
ウレタン(メタ)アクリレート化したときに粘度が高く
なって取り扱いが困難となる。このような高分子量のポ
リオール(a−1)としては、例えば、ポリカプロラク
トン系ポリオール、芳香族ポリエーテル系ポリオール、
脂肪族ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリ
オール、ポリカーボネート系ポリオールなどが挙げられ
る。ポリカプロラクトン系ポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等にε−カプロラクトンを反応させて得られた
ものである。この中でも特にポリカプロラクトン系ポリ
オールが好ましい。これらは1種、または2種以上併用
してもよい。また、同じ種類のものを2モル以上用いて
もよい。なお、分子量は、ポリオールの水酸基価をJI
S K1557の6.4に準じて測定し、次式より求め
た値である。 分子量=56.1×N×1000/水酸基価 (但し、Nは開始剤の官能基数)
【0009】ウレタン(メタ)アクリレート(A)用原
料ポリオール(a−2) ウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料のポリオー
ル(a−1)としては上記のような高分子量のポリオー
ル類のみ使用するか、該ポリオール(a−1)に、さら
に分子量300以下の低分子量ポリオール(a−2)を
混合した混合物を使用できる。その混合割合は、高分子
量ポリオール(a−1)1モルに対して、低分子量ポリ
オール(a−2)を1〜20モル、好ましくは2〜15
モル混合する。低分子量ポリオール(a−2)が、1モ
ル未満では、ウレタン(メタ)アクリレート化したとき
に伸度が不十分になり、また、20モルを超えると、ウ
レタン(メタ)アクリレート化したときに粘度が大きく
なり取り扱いが困難となる。低分子量ポリオール(a−
2)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−また
は1,3−プロピレングリコール、1,3−または1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどが
挙げられる。これらは1種を用いてもよいし、または2
種以上併用してもよい。
【0010】ウレタン(メタ)アクリレート(A)用原
料ポリイソシアネート化合物(b) ポリイソシアネート化合物(b)としては、芳香族系、
脂肪族系、環式脂肪族系または脂環式ポリイソシアネー
トまたはその混合物が挙げられる。ポリイソシアネート
化合物(b)としては、例えば、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート
(H12MDI)、ポリフェニルメタンポリイソイアネー
ト(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシ
アネート(変性MDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−
XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(T
MXDI)、イソホロンジイソイアネート(IPDI)
などのポリイソシアネート或いはこれらのポリイソシア
ネートの三量体化合物が挙げられる。これらは1種を用
いてもよいし、または2種以上併用してもよい。
【0011】ウレタン(メタ)アクリレート(A)用原
料水酸基含有(メタ)アクリレート(c) 水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール
モノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート、グリセロールメタクリレートアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙
げられる。これらは1種を用いてもよいし、または2種
以上併用してもよい。
【0012】ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製
造 ウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造方法につい
ては、上記のポリオール、ポリイソシアネート及び水酸
基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法であれ
ば、特に限定されず、公知の方法で製造できる。例え
ば、ポリオール、ポリイソシアネート、水酸基含有(メ
タ)アクリレートを一括混合して反応させる方法、ポリ
オール、ポリイソシアネートを反応させて、1分子当た
り1個以上のイソシアネート基を含有するウレタンイソ
シアネートプレポリマーを形成した後、該プレポリマー
と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法、
ポリイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート
を反応させて、1分子当たり1個以上のイソシアネート
基を含有するウレタンイソシアネートプレポリマーを形
成した後、該プレポリマーとポリオールを反応させる方
法などが挙げられる。
【0013】ポリオール(a−1及びa−2)、ポリイ
ソシアネート(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレー
ト(c)の反応割合は、水酸基含有(メタ)アクリレー
ト(c)の2モルに対して、ポリオール(a−1及びa
−2)が0.5〜15モル、好ましくは1〜10モル、
ポリイソシアネート(b)が、1.5〜16モル、好ま
しくは2〜11モルである。ポリオール(a−1及びa
−2)が、上記範囲未満では、ウレタン(メタ)アクリ
レート化したときに伸度が不十分になり、上記範囲を超
えると粘度が大きくなり、取り扱いが困難となる。ま
た、ポリイソシアネート(b)が、上記範囲未満では、
ウレタン(メタ)アクリレート化できなくなり、上記範
囲を超えると保存安定性が悪くなる。
【0014】単官能(メタ)アクリレート(B) 接着剤用組成物の他の成分である単官能(メタ)アクリ
レート(B)としては、硬化後のガラス転移温度(T
g)が90℃以上、特に93〜180℃のものが好まし
い。単官能(メタ)アクリレート(B)の硬化後のガラ
ス転移温度(Tg)が、90℃未満では、フィルムに対
する密着性が不十分となる。このような硬化後のガラス
転移温度(Tg)が、90℃以上の単官能(メタ)アク
リレート(B)としては、例えば、(メタ)アクリロイ
ルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。特に
(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。これらの
化合物は、1種を用いてもよいし、または2種以上併用
してもよい。これらの単官能(メタ)アクリレート
(B)は、例えば、ダイセル・ユーシービー社、興人社
などで製造されており、容易に入手できる。
【0015】ウレタン(メタ)アクリレート(A)と
(B)の組成比は、接着剤用組成物(A+B)100重
量部中、(A)成分が15〜85重量部、好ましくは2
0〜80重量部、さらに好ましくは30〜70重量部の
範囲で配合される。ウレタン(メタ)アクリレート
(A)の配合量が、15重量部未満では、接着剤の密着
性が不十分となる。また、85重量部を超えるても接着
剤の密着性が不十分となる。
【0016】光重合開始剤(C) 本発明の接着剤用組成物は、上記ウレタン(メタ)アク
リレート(A)及び単官能(メタ)アクリレート(B)
などを硬化性成分として含有する。この組成物を電子線
照射により硬化させる際には、光重合開始剤を用いない
が、紫外線照射により硬化させる時は、光重合開始剤を
配合する。本発明に用いられる光重合開始剤(C)とし
ては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインフ
ェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフ
ェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチ
ル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフ
ェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメ
チル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、
2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソ
ン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチ
オキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,
4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピル
チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオ
キシレート、ベンジル、カンファーキノンなどが挙げら
れる。これらの化合物は1種用いてもよいし、または2
種以上用いてもよい。光重合開始剤(C)は、(A)及
び(B)の混合物100重量部に対して、0.1〜10
重量部、好ましくは、1〜7重量部の範囲で配合され
る。光開始剤(C)の配合量が、0.1重量部未満で
は、硬化が不十分になり、また、10重量部を超える
と、硬化が早くなり過ぎて好ましくない。
【0017】(メタ)アクリレート基含有モノマー
(D) 本発明の接着剤用組成物の配合に際しては、上記のウレ
タン(メタ)アクリレート(A)に、さらに(メタ)ア
クリレート基含有モノマー(D)を配合するのが好まし
い。このような(メタ)アクリレート基含有モノマー
(D)としては、特に限定されず、公知の(メタ)アク
リレート基含有モノマーが使用できる。このような(メ
タ)アクリル基を含有するモノマー(D)としては、例
えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。また、ポリエステル(メタ)
アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類も使
用することができる。(メタ)アクリレート基含有モノ
マー(D)の配合量は、フィルムコート用組成物(A+
B)100重量部に対して、50重量部以下が好まし
い。50重量部を超えると、伸度が不十分となって好ま
しくない。
【0018】本発明においては、目的に応じて更に炭酸
カルシウム、タルク、シリカパウダー、アエロジル、コ
ロイダルシリカなどを添加することができる。
【0019】組成物の製造 本発明の接着剤用組成物を得るには、上記ウレタン(メ
タ)アクリレート(A)、単官能(メタ)アクリレート
(B)、及び必要に応じて(メタ)アクリレート基含有
モノマー(D)の所定量をフラスコに仕込み、光重合開
始剤(C)を加えて室温〜50℃で、撹拌下に製造す
る。
【0020】上記組成物は、これを対象物に厚み2μm
〜200mmで塗布する。接着剤として使用する場合に
は、塗布後、紫外線または電子線等の活性エネルギー線
を照射することにより硬化する。紫外線照射を行う時の
光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンア
ーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯などが用いられ
る。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、
その他の条件により異なるが、長くとも数十秒であり、
通常は数秒である。紫外線照射後は、必要に応じて加熱
を行って硬化の完全を図ることもできる。電子線照射の
場合は、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持
つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とするのがよ
い。
【0021】被塗布物としては、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレンフィ
ルム等のポリオレフィンフィルム、ポリメタクリレー
ト、ポリカーボネート、塩化ビニール樹脂などのプラス
チックなどが挙げられる。本発明の接着剤用組成物は、
高速硬化性であり、塩化ビニルフィルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリオレフィンフィルム等に
対し高い接着性を有し、加工性、耐熱性、耐水性に優れ
るため、各種建装材料、包装材料、印刷材料、表示材
料、電気電子部品材料、光学材料、液晶パネルなどの分
野において有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明は、ころらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例および比較
例中の数値は、断りの無い限り重量部を意味する。
【0023】(合成例1)ウレタンアクリレート(A
1)の合成 フラスコにイソホロンジイソシアネート(b)444g
(2.0モル)を仕込み、内温70℃にした後、ポリカ
プロラクトン系ジオール(a−1)(PCL240、分
子量4,000、ダイセル化学工業社製)4,000g
(1.00モル)を加え、反応させた。残存イソシアネ
ート基が1.9%となった時点で、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート(c)232g(2.0モル)、触媒と
してジブチルスズラウリレート200ppmを加え、残
存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行
なってウレタンアクリレート(A1)が得られた。
【0024】(合成例2)ウレタンアクリレート(A
2)の合成 仕込み成分及び仕込み量を下記の通り行った他は、合成
例1と同様にしてウレタンアクリレート(A2)を合成
した。 イソホロンジイソシアネート(b):888g(4.0
モル) ポリカプロラクトン系ジオール(a−1):4000g
(1.00モル)(PCL240、分子量4,000、
ダイセル化学工業社製) ジエチレングリコール(a−2):212g(2.0モ
ル) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(c):232g
(2.0モル) ジブチルスズラウリレート:200ppm
【0025】(合成例3)ウレタンアクリレート(A
3)の合成 仕込み成分及び仕込み量を下記の通り行った他は、合成
例1と同様にしてウレタンアクリレート(A3)を合成
した。 イソホロンジイソシアネート(b):888g(4.0
モル) ポリカプロラクトン系ジオール(a−1):3,000
g(3.00モル)(PCL210B、分子量1,00
0、ダイセル化学工業社製) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(c):232g
(2.0モル) ジブチルスズラウリレート:200ppm
【0026】(合成例4)ウレタンアクリレート(A
4)の合成 仕込み成分及び仕込み量を下記の通り行った他は、合成
例1と同様にしてウレタンアクリレート(A4)を合成
した。 イソホロンジイソシアネート(b):1,332g
(6.0モル) ポリカプロラクトン系ジオール(a−1):3,000
g(3.00モル)(PCL210B、分子量100
0、ダイセル化学工業社製) ジエチレングリコール(a−2):212g(2.0モ
ル) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(c):232g
(2.0モル) ジブチルスズラウリレート:200ppm
【0027】(合成例5)ウレタンアクリレート(A
5)の合成 仕込み成分及び仕込み量を下記の通り行った他は、合成
例1と同様にしてウレタンアクリレート(A5)を合成
した。 イソホロンジイソシアネート(b):444g(2.0
モル) ポリカプロラクトン系ジオール(a−1):6,000
g(1.00モル)(PCL260、分子量6000、
ダイセル化学工業社製) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(c):232g
(2.0モル) ジブチルスズラウリレート:200ppm
【0028】(比較合成例1)ウレタンアクリレート
(A’1)の合成 分子量が低いポリカプロラクトン系ジオールを使用し
た。仕込み成分及び仕込み量を下記の通り行った他は、
合成例1と同様にしてウレタンアクリレート(A’1)
を合成した。 イソホロンジイソシアネート(b):444g(2.0
モル) ポリカプロラクトン系ジオール(a’−1):500g
(1.00モル)(PCL205、分子量500、ダイ
セル化学工業社製) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(c):232g
(2.0モル) ジブチルスズラウリレート:200ppm
【0029】実施例1〜10、比較例1〜4 実施例および比較例中の測定評価は、次のような方法で
行った。 (1)接着力 200ミクロン厚の塩化ビニルフィルム上に、60ミク
ロン厚になるように、表−1に示す配合比で調製した接
着剤組成物を塗布し、20ミクロン厚の透明な塩化ビニ
ル(PVC)フィルムまたはポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを気泡が入らないように張り合わ
せた。透明なフィルム側から以下の条件で紫外線を照射
し、硬化させた。 高圧水銀灯:120W/cm 照射距離:10cm コンベア速度:5m/min 照射回数:3回
【0030】初期接着力測定は、硬化後試験片を23
℃、相対湿度50%で24時間放置した後に行った。耐
水試験後の接着力測定は、上記試験片を、100℃で煮
沸している熱水中に入れ、2時間後に取り出し、その
後、23℃、相対湿度50%で1時間放置した後、行っ
た。接着力測定は、23℃、相対湿度50%環境中で、
引張り試験で上記試験片の接着力を引張り速度50mm
/min、180度ピール法で測定した。 (2)伸び 厚さ100ミクロンのフィルムを作成し、引張試験機に
て、23℃における破断伸びを引張り速度100mm/
min、標線間20mmの条件で測定した。実施例1〜
6、比較例1〜3を表−1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の組成物は、高速硬化性であり、
塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに対する高い接着性、優れた加工性、耐熱性、耐水
性を有する。
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Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量800〜8,000のポリオール
    を構造単位として含有するウレタン(メタ)アクリレー
    ト(A)、硬化後のガラス転移温度(Tg)が90℃以
    上である単官能(メタ)アクリレート(B)からなり、
    ウレタン(メタ)アクリレート(A)と単官能(メタ)
    アクリレート(B)との重量比率が85〜15:15〜
    85である接着剤用組成物。
  2. 【請求項2】 分子量800〜8,000のポリオール
    が、ポリカプロラクトン系ポリオールであることを特徴
    する請求項1に記載の接着剤用組成物。
  3. 【請求項3】 ウレタン(メタ)アクリレート(A)
    が、1分子中に分子量800〜8,000のポリオール
    を2分子以上含有してなることを特徴とする請求項1〜
    2のいずれかに記載の接着剤用組成物。
  4. 【請求項4】 ウレタン(メタ)アクリレート(A)
    が、分子量800〜8,000のポリオールとさらに分
    子量300以下の低分子量ポリオールを含有してなるこ
    とを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤用
    組成物。
  5. 【請求項5】 単官能(メタ)アクリレート(B)が、
    (メタ)アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メ
    タ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリ
    レート及びジシクロペンテニル(メタ)アクリレートの
    群から選ばれるすくなくとも1種であることを特徴する
    請求項1記載の接着剤用組成物。
  6. 【請求項6】 さらに(メタ)アクリレートモノマー
    (D)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の接着
    剤用組成物。
  7. 【請求項7】 さらに光重合開始剤(C)を含有する請
    求項1〜6の何れかに記載の接着剤用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の接着剤
    用組成物を活性エネルギー線で硬化させて得られる硬化
    物。
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