JP2005255979A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トリシクロデカンジメタノール(A)とポリイソシアネート(B)とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(C)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(UA)、必要に応じて加えられる(メタ)アクリロイル基含有化合物および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化してなる耐汚染性に優れることを特徴とする硬化物。
【選択図】 なし
Description
また、特開平4−323275号公報には、本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート樹脂に類似のウレタンアクリレートを含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を印刷インキ用組成物として使用することが記載されているが、得られるインキ硬化物が耐汚染性に優れているようなことは全く示唆されていない。
すなわち、本発明の第1は、下記式(I)
また、本発明の第2は、硬化物が塗料硬化物である上記発明1に記載の硬化物を提供する。また、本発明の第3は、硬化物が接着剤硬化物である上記発明1に記載の硬化物を提供する。さらに、本発明の第4は、硬化物がフィルムである上記発明1に記載の硬化物を提供する。加えて、本発明の第5は、硬化物がインキ硬化物である上記発明1に記載の硬化物を提供する。
本発明において使用する特定のジオールであるトリシクロデカンジメタノールは下記の式(I)の構造を有する。メチロール基の位置の違いによる異性体が存在し得るが、各異性体の単独使用であっても、任意の混合物であってもよい。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは分子骨格中に1モルの水酸基を持った(メタ)アクリレートで具体例としては、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工業株式会社製PCL−Fシリーズ等)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
また、(A)と(B)を反応させる場合、(A)以外の各種グリコール類のようなポリオールを共存させて行うこともできるが、通常は、後記する(メタ)アクリロイル基含有化合物を加えて活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を製造するため、品質管理上、ウレタン(メタ)アクリレート(UA)を製造する際は(A)単独で反応させることが好ましい。
同様の理由から、本反応は分子状酸素含有ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度は安全面を考慮して適宜選択される。
これらの触媒の量はウレタン(メタ)アクリレート(UA)に対して、通常、1〜3000ppm、好ましくは50〜1000ppmである。触媒量が1ppmより少ない場合には十分な反応速度が得られないことがあり、3000ppmより多く加えると生成物であるウレタン(メタ)アクリレート(UA)の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
必要に応じて加えられる(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやカプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの単官能モノマー、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーが挙げられる。また、代表的なオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル基含有のアクリル重合性オリゴマー等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、これを対象物に適用した後、紫外線または電子線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例における%および部はいずれも重量基準である。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた1リットルのフラスコに水添ジフェニルメタンジイソシアネート(B)550g(2モル)を仕込み、内温を70℃にした後、トリシクロデカンジメタノール(A)206g(1モル)を加え、反応させ残存イソシアネート基が11.7%となった時点でヒドロキシエチルアクリレート(C)244g(2モル)、ジブチルスズラウリレート0.15g(150ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.50g(500ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を加え残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA1)を得た。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた1リットルのフラスコにイソホロンジイソシアネート(B)509g(2モル)を仕込み、内温70℃にした後、トリシクロデカンジメタノール(A)266g(1モル)を加え、反応させ残存イソシアネート基が13.1%となった時点でヒドロキシエチルアクリレート(C)266g(2モル)、ジブチルスズラウリレート0.15g(150ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.50g(500ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を加え残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA2)を得た。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた1リットルのフラスコにラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセルFA2D、ダイセル化学工業製)(C)518g(2モル)およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.50g(500ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を仕込み、内温70℃にした後、イソホロンジイソシアネート(B)334.3g(2モル)を加え、反応させ残存イソシアネート基が7.42%となった時点でトリシクロデカンジメタノール(A)147.8g(1モル)、ジブチルスズラウリレート0.15g(150ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を加え残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA3)を得た。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた1Lのフラスコにイソホロンジイソシアネート(B)493g(2モル)を仕込み、内温70℃にした後、トリシクロデカンジメタノール(A)218g(1モル)を加え、反応させ残存イソシアネート基が13.1%となった時点でヒドロキシエチルメタアクリレート(C)289g(2モル)、ジブチルスズラウリレート0.15g(150ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.50g(500ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を加え残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA4)を得た。
攪拌機、温度計およびコンデンサーを備えた1Lのフラスコにラクトン変性ヒドロキシエチルメタアクリレート(プラクセルFM2D ダイセル化学工業製)(C)528g(2モル)およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.50g(500ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を仕込み、内温70℃にした後、イソホロンジイソシアネート(B)327.4g(2モル)を加え、反応させ残存イソシアネート基が7.24%となった時点でトリシクロデカンジメタノール(A)144.7g(1モル)、ジブチルスズラウリレート0.15g(150ppm、ウレタンアクリレートに対する添加量)を加え残存イソシアネート基が0.1%以下になるまで反応を行い、ウレタンアクリレート(UA5)を得た。
主原料として、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート298g(2モル)、ポリプロピレングリコール:569g(1モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート:132g(2モル)を用いた以外は、合成例1と同様に行って、ウレタンアクリレート(UA6)を得た。
上記合成例1〜5及び比較合成例1で得られたウレタンアクリレート(UA1)〜(UA6)について、耐汚染性試験を下記の要領で行った。
<硬化物フィルム作成>
耐汚染性試験に用いた硬化物フィルムは以下の手順で作製した。上記の各ウレタンアクリレート(UA1)〜(UA6)100部にチバスペシャリティーケミカル社製の光重合開始剤であるDarocure 1173を3部配合して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、支持体上に硬化後の厚さが約10μmになるように塗布した後、高圧水銀灯120W/cm、コンベア速度5m/分という硬化条件で硬化させ、硬化物フィルムを得た。
また、上記の各ウレタンアクリレート(UA1)〜(UA6)100部にトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)を20部、チバスペシャリティーケミカル社製の光重合開始剤であるDarocure 1173を3部配合して活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、支持体上に硬化後の厚さが約10μmになるように塗布した後、高圧水銀灯120W/cm、コンベア速度5m/分という硬化条件で硬化させ、硬化物フィルムを得た。
なお、UA5は完全硬化させるため、120℃×1時間ポストキュアさせた。
赤、青および黒色の水性インキ(各パイロット社製INK−30R,INK−30L、INK−30B)を硬化物フィルム上に滴下し、25℃で24時間放置後、水を含んだ脱脂綿でふき取り、滴下した箇所に対する跡残りの状況を目視で観察した。
上記合成例1〜5及び比較合成例1で得られたウレタンアクリレート(UA1)〜(UA6)を含む各樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物フィルムを用いて耐汚染性試験を行ない、結果を表−1〜表−3に示した。
Claims (5)
- 下記式(I)
- 硬化物が塗料硬化物である請求項1に記載の硬化物。
- 硬化物が接着剤硬化物である請求項1に記載の硬化物。
- 硬化物がフィルムである請求項1に記載の硬化物。
- 硬化物がインキ硬化物である請求項1に記載の硬化物。
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