JP2013023631A - 活性エネルギー線硬化型ハードコート剤組成物、硬化塗膜及び成形品 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型ハードコート剤組成物、硬化塗膜及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 基材である(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂によく密着し、耐指紋性、耐磨耗性、耐擦傷性、高い鉛筆硬度を有する塗膜を形成させることのできる、紫外線等の活性エネルギー線硬化タイプのハードコート剤組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のハードコート剤組成物は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)、植物油変性(メタ)アクリレート(b)、及び光重合開始剤(c)を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐磨耗性、高い鉛筆硬度を有し、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂への密着性が付与された紫外線硬化型ハードコート剤組成物、及び、さらに耐指紋性、耐擦傷性を向上させた紫外線硬化型ハードコート剤組成物に関する。また、本発明は、前記ハードコート剤組成物から形成された硬化塗膜を有する成形品に関する。
(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂は、軽量で耐衝撃性、透明性に優れ成形が容易であるとの観点から、広く用いられている。しかし、これらの熱可塑性樹脂は、外部摩擦等により容易に傷つき、その透明度が低下したり、外観が損なわれたりする等の問題があった。そのため、熱可塑性樹脂に対して表面コーティングを施し、その耐磨耗性、耐擦傷性及び表面硬度を向上させる試みがなされてきた。
また、最近では、タッチパネル式のディスプレイを使ったスマートフォン等の電子機器が広く普及している。このような電子機器の普及に伴い、頻繁に画面に触れることで指紋や手垢の付着が目立つといった新たな問題が生じた。つまり、画面との接触回数の増大により、フィルム透明度の低下が生じるという問題である。
基材表面の汚染を防ぐため、有効な成分として使用されているのがフッ素化合物である。フッ素化合物は表面張力が低いため、高い發水性と發油性を有することから、指紋が付着しにくく、拭き取り性に優れる材料の1つである(特許文献1参照)。また、指紋が付着しても目立たないようにするため、塗膜表面を親油性にする手法も報告されている(特許文献2参照)。
特開2011−094009号公報 特開2010−059216号公報
しかしながら、上記方法では、耐指紋性効果と添加量の相関関係から、良好な耐指紋性を保持するには、フッ素化合物の添加量を増やす必要があった。フッ素化合物の価格は高く、使用量を多くすれば、原料価格の上昇を招くため、用途展開を狭めることになる。また、フッ素化合物は他の化合物と相溶し難い性質を有しているため、塗膜外観の透明性を損なうという問題がある。
同様に、塗膜を親油性にすることで指紋の付着を見えにくくし、拭き取り性を向上させるハードコート剤組成物であっても、材料の価格と他成分との良好な相溶性が求められている。
したがって、本発明の目的は、基材である(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂によく密着し、耐指紋性、耐磨耗性、耐擦傷性、高い鉛筆硬度を有する塗膜を形成させることのできる、活性エネルギー線硬化タイプのハードコート剤組成物を提供することである。
そこで、本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、一定の組成を有するハードコート剤組成物が上記特性を発揮することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)、植物油変性(メタ)アクリレート(b)、及び光重合開始剤(c)を含有するハードコート剤組成物を提供する。
前記多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)は、1分子中に6個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
また、前記多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)の重量平均分子量が、500〜3,000の範囲であることが好ましい。
前記植物油変性(メタ)アクリレート(b)が、植物油をエポキシ化して得られたエポキシ化植物油と、(メタ)アクリル酸との反応により得られることが好ましい。前記植物油としては、大豆油、亜麻仁油、サフラワー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、綿実油、米糠油、ひまし油、エノ油、トール油、桐油からなる群より選択された少なくとも一種であることが好ましく、大豆油であることがさらに好ましい。また、前記(メタ)アクリル酸がアクリル酸であることが好ましい。
本発明は、また、前記ハードコート剤組成物からなる塗膜を硬化して得られる硬化塗膜を提供する。
本発明は、さらに、成形品上に前記ハードコート剤組成物からなる塗膜を硬化して得られる硬化塗膜が形成された、硬化塗膜を有する成形品を提供する。前記の硬化塗膜を有する成形品は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂からなる群より選択された少なくとも1つの樹脂で成形された成形品であることが好ましい。
本発明により、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂によく密着し、耐指紋性、耐磨耗性、耐擦傷性、高い鉛筆硬度を有する、活性エネルギー線硬化タイプのハードコート剤組成物の提供が可能となった。
上述のように、本発明のハードコート剤組成物は、
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)、
植物油変性(メタ)アクリレート(b)、及び
光重合開始剤(c)を含有するが、
以下に、これらの成分(a)、(b)、(c)等について詳細に説明する。
[1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)]
成分(a)である多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートであってもよいし、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。
成分(a)は、ポリイソシアネート(B)と水酸基含有(メタ)アクリレート(C)との反応により、または、さらにポリオール(A)との反応により得られる。
[ポリオール(A)]
ポリオール(A)は必要に応じて導入される。ポリオール(A)により成分(a)の分子量や、分子の柔軟性を調整することができる。ポリオール(A)としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェニールAのエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、グリセリン、オキシエチレン/オキシプロピレンの共重合体、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等の公知のポリオールが挙げられる。
また、ポリオール(A)としては、前記のポリオールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得られるポリエステルポリオールを使用することができる。前記多価カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロテレフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
また、ポリオール(A)として、ポリエーテルポリオールを用いてもよい。ポリエーテルポリオールとして市販されている製品としては、例えば、三洋化成社製「ニューポールPE−61」、「ニューポールPE−62」、「ニューポールPE−64」、「ニューポールPP−2000」、「ニューポールPP−4000」、ADEKA社製「アデカニューエースF7−67」等が挙げられる。
これらのポリオール(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[ポリイソシアネート(B)]
ポリイソシアネート(B)としては、特に限定されないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、あるいはこれらジイソシアネート化合物のうち芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等のような2価又は3価のポリイソシアネート化合物や、これらを多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート化合物等のイソシアネート基含有化合物が挙げられる。
また、多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)の官能基数を上げるために、3官能のポリイソシアネート(B)が好ましく用いられる。具体的には、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、2,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、イソホロンジイソシアネートの3量体、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの3量体等が挙げられる(以下、これらの3量体を「ヌレート」と記載することがある)。
市販されている製品としては、例えば、デュラネートTLA−100(旭化成ケミカルズ社製HDI系ポリイソシアネート)、デュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ社製HDI系ポリイソシアネート)、デュラネートTHA−100(旭化成ケミカルズ社製HDI系ポリイソシアネート)、デュラネートMHG−80B(旭化成ケミカルズ社製HDI/IPDI変性ポリイソシアネート)、タケネートD−170N(三井化学ポリウレタン社製イソシアヌレート型ポリイソシアネート)、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン社製HDIヌレート)、デスモジュールN3600(住化バイエルウレタン社製HDIヌレート)、VESTANAT−T1890E(エボニック社製IPDIヌレート)等が挙げられる。また、上記イソシアネート化合物をカプロラクトン誘導体等のポリエステルポリオールと反応させた変性品でもよい。
上記のなかでも、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、2,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体、タケネートD−170N、デュラネートTLA−100、デュラネートMHG−80Bが好ましい。
ヌレート以外の3官能以上のポリイソシアネートを用いることもできる。これらは、前記ポリオール(A)のうち水酸基を3個以上有するポリオールと前記ポリイソシアネート(B)とを反応させて、ポリオール(A)の水酸基を封鎖することにより得られる。ポリイソシアネート(B)としては、特に限定されないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネート(B)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[水酸基含有(メタ)アクリレート(C)]
水酸基含有(メタ)アクリレート(C)としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのラクトン付加物[例えば、ダイセル化学工業社製のPCL−FA又はPCL−FMシリーズ等]も使用することができる。
さらに、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びこれらのカプロラクトン付加物等が挙げられる。
市販されている製品としては、例えば、DPHA(ダイセル・サイテック製)、PETRA(ダイセル・サイテック製ペンタエリスリトールトリアクリレート)、PETIA(ダイセル・サイテック製)、アロニックスM−403(東亞合成社製ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート)、アロニックスM−402(東亞合成社製ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート)、アロニックスM−400(東亞合成社製ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート)、SR−399(サートマー社製ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート)、KAYARAD DPHA(日本化薬社製)、KAYARAD DPHA−2C(日本化薬社製)等が挙げられる。以上の製品は、製品中に一部水酸基を含有した化合物を有している。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレート(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[成分(a)の製造方法]
成分(a)の製法としては、以下のような製法が挙げられる。
(製法1)水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とポリイソシアネート(B)とを反応させる製法。
(製法2)水酸基含有(メタ)アクリレート(C)とポリイソシアネート(B)とポリオール(A)とを反応させる製法。
(製法1)は、副生物をあまり生じさせることなく、成分(a)を製造することができるという点で好ましい。一方、(製法2)は、ポリオール(A)を任意に導入することにより、得られる成分(a)の構造や、成分(a)を含む組成物の硬化塗膜性能を調整することができる点で好ましい。
(製法1)において、例えば、(B)、(C)を一括混合して反応させる方法[方法1]、(B)に(C)を滴下する方法[方法2]、または、(C)に(B)を滴下する方法[方法3]等が挙げられ、特に限定されないが、[方法2]及び[方法3]が好ましい。[方法1]で製造すると、複雑、不規則な各種化合物の生成や、高分子化、ゲル化が起こりやすくなるため、所望の構造、分布の成分(a)を得ることが難しくなる。[方法2]で反応させた場合、得られたウレタン(メタ)アクリレートは高粘度となり、攪拌が困難となり、部分的なゲル化率の確率が高くなる場合がある。このような場合は、[方法3]がより好ましい。
(製法2)としては、特に限定されないが、例えば、以下の2つの製造ルートが挙げられる。
(製造ルート1)
製造ルート1は、以下の第1ステップと第2ステップとを含む製造ルートである。
[第1ステップ](A)と(B)とを反応させ、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(UP1)を合成する。
[第2ステップ](UP1)と(C)とを反応させる。
(製造ルート2)
製造ルート2は、以下の第1ステップと第2ステップとを含む製造ルートである。
[第1ステップ](B)と(C)とを反応させ、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマー(UP2)を合成する。
[第2ステップ](UP2)と(A)とを反応させる。
(製造ルート1)、(製造ルート2)の各ステップにおいて、例えば、前者と後者を一括混合して反応させる方法[方法4]、前者に後者を滴下する方法[方法5]、または、後者に前者を滴下する方法[方法6]等が挙げられ、特に限定されないが、[方法5]、[方法6]が好ましい。[方法4]では、複雑、不規則な各種化合物の生成や、高分子化、ゲル化が起こりやすくなるため、所望の構造、分布の成分(a)を得ることが難しくなる。[方法5]、[方法6]の何れを選択するかは、使用する原料、得られるウレタンプレポリマー、得られる成分(a)の構造、反応性等を考慮し、副反応や高粘度化、ゲル化等の不都合を避ける観点から適宜選択される。
なお、いずれの製造ルートでも、第1ステップ(ウレタンプレポリマーの合成)の終了とは、反応液中のイソシアネート基濃度が一定となり、変化しなくなった時点である。なお、イソシアネート基濃度はガスクロマトグラフや滴定法等の公知の方法で測定できる。
ウレタンプレポリマー(UP1)の場合、通常、ポリオール(A)の全ての水酸基が無くなるまでポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と反応させる。ポリオール(A)由来の水酸基が残ると、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)との競争反応が起き、(メタ)アクリレートを含有しない化合物が生成する場合がある。この場合、塗膜の硬化不良等、塗膜物性へ悪影響を与える点で好ましくない。
ウレタンプレポリマー(UP2)の場合、通常、得られるウレタンプレポリマー(UP2)の1分子当たりの残存イソシアネート基が平均1個以下になるように反応を行う。具体的には、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)のように、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)1分子中の水酸基が1個の場合、1分子中にイソシアネート基を2個有するポリイソシアネート(B)1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート(C)1モル以上、1分子中にイソシアネート基を3個有するポリイソシアネート(B)1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート(C)2モル以上、1分子中にイソシアネート基をn個有するポリイソシアネート(B)1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート(C)(n−1)モル以上を反応させることになる。これは、ポリイソシアネート(B)1分子中のイソシアネート基が平均1個を超えて残存しないような量の水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させるということであり、得られたUP2の1分子にイソシアネート基が平均1個を超えて残存しないようにするということである。UP2の1分子の残存イソシアネート基が平均して1個を超えると、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)との競争反応により(メタ)アクリレートを含有しない化合物が生成する場合がある。この場合、塗膜の硬化不良等、塗膜物性へ悪影響を与える点で好ましくない。なお、上記の「得られるウレタンプレポリマー(UP2)の1分子当たりの残存イソシアネート基が平均1個以下」とは、計算上平均して1個以下であるということであり、イソシアネート基が0個や、2個以上のUP2分子が一部生成していてもよく、UP2全体として1分子当たりの残存イソシアネート基が平均して1個以下であればよい。
また、いずれの製法でも、最終反応の終点は、反応液中のイソシアネート基濃度が0.1重量%以下となる時点である。反応液中の未反応のイソシアネート基濃度が0.1重量%を超えていると、製品の保管中に、残存イソシアネートによるウレタン化反応が継続し、高粘度化し、ゲル化に至る可能性がある。
本発明における成分(a)として、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造するには、水酸基含有(メタ)アクリレート(C)の水酸基のモル数に対するポリイソシアネート(B)のイソシアネート基のモル数の比率は、1未満(水酸基が過剰)となるように反応させる必要がある。このモル比が、1(水酸基=イソシアネート基)となる場合にはゲル化が起こり、また、1以上(イソシアネート基過剰)になると、未反応のイソシアネート基が残存し、硬化不良、ゲル化の原因となる。このため、イソシアネート濃度をOH濃度よりも小さくする必要がある。
このような成分(a)である多官能ウレタン(メタ)アクリレートの製法は、特に限定されないが、例えば、特開平7−157531号公報、特開2000−95837号公報、特開2002−145936号公報、特開2011−52227号公報等に記載されている。
上記反応は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等の重合禁止剤存在下で行うことが好ましい。これらの重合禁止剤の量は、生成する成分(a)である多官能ウレタン(メタ)アクリレートに対して、1〜10000ppm(重量基準)が好ましく、より好ましくは100〜1000ppm、さらに好ましくは400〜500ppmである。重合禁止剤の量が多官能ウレタン(メタ)アクリレートに対して1ppm未満であると十分な重合禁止効果が得られないことがあり、10000ppmを超えると生成物の諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
同様の理由から、本反応は分子状酸素含有ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素濃度は安全面を考慮して適宜選択される。
本反応は、十分な反応速度を得るために、触媒を用いて行ってもよい。触媒としては、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、塩化スズ等を用いることができるが、反応速度面からジブチルスズジラウレートが好ましい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの触媒の量は、特に限定されないが、例えば、成分(a)である多官能ウレタン(メタ)アクリレートに対して1〜3000ppm(重量基準)であり、好ましくは50〜1000ppmである。触媒量が1ppmより少ない場合には、十分な反応速度が得られないことがあり、触媒量が3000ppmより多い場合には、耐光性の低下、着色等生成物の諸物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
反応温度は、特に限定されないが、例えば、130℃以下であり、50℃〜130℃であることが好ましい。50℃より低いと実用上十分な反応速度が得られないことがあり、130℃より高いと熱によるラジカル重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物が生じることがある。
反応は、最終的に残存イソシアネート基濃度が0.1%以下になるまで、ガスクロマトグラフィー、滴定法等で分析しながら行うことが好ましい。
上記の反応は有機溶媒中で行ってもよい。また、前記有機溶媒を含んだままハードコート剤組成物中の成分(a)として用いてもよい。
使用できる有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸n−ブチル、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。PRTR[Pollutant Release and Transfer Register、化学物質排出移動量届出制度]法や毒性の観点から、前記有機溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又はエチレングリコールモノエチルエーテルであることが好ましい。必要に応じて、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノール等の有機溶剤を用いることもできる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば、成分(a)の100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは、10〜20重量部である。有機溶剤の使用量が1重量部未満では、樹脂の粘度を下げる目的等のために使用する意味がなく、50重量部を超えて使用すると、樹脂の製造効率の面で、いずれも好ましくない。
成分(a)の重量平均分子量は、特に限定されないが、500〜10000が好ましく、より好ましくは500〜5000、さらに好ましくは500〜3000、最も好ましくは1000〜2000である。前記重量平均分子量が500未満では、光照射後の硬化フィルムに要求される耐磨耗性、低収縮性を損なうことになる。逆に分子量が10000を超えると、磨耗性の低下や耐溶剤性の低下を伴うばかりでなく、硬度が低くなるため、フィルムがトップコート、特にハードコートとしての役割を果たせなくなる。
成分(a)の市販品として、具体的な製品名を挙げると、例えば、2官能ウレタン(メタ)アクリレート(日本化薬社製の「UX−2201」、「UX−8101」等、共栄社化学社製の「UF−8001」、「UF−8003」、「UX−6101」、「UX−8101」等、ダイセル・サイテック製の「EBECRYL 244」、「EBECRYL 284」、「EBECRYL 2002」、「EBECRYL 4835」、「EBECRYL 4883」、「EBECRYL 8807」、「EBECRYL 6700」等)、3官能ウレタン(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック製の「EBECRYL 254」、「EBECRYL 264」、「EBECRYL 265」等)、4官能ウレタン(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック製の「EBECRYL 8210」等)、6官能ウレタン(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック製の「EBECRYL 1290k」、「EBECRYL 5129」、「EBECRYL 220」等)、9官能ウレタン(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック製の「KRM 7804」等)、10官能ウレタン(メタ)アクリレート(ダイセル・サイテック製の「KRM 8452」等)等を用いることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のハードコート剤組成物は、成分(a)とともに、他の架橋性モノマー又はオリゴマーを含んでいてもよい。
架橋性モノマー又はオリゴマーとしては、特に限定されず、公知の(メタ)アクリロイル基を含有するモノマー又はオリゴマーが使用できる。(メタ)アクリロイル基を含有するモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシドキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレート等の一官能ないし多官能モノマー等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、代表的な(メタ)アクリロイル基を含有するオリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、本発明における成分(a)以外のウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート等を配合して硬化させる場合、カチオン開始剤を併用することが好ましい。
必要に応じて配合される各種の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマーの配合量は、特に限定されないが、例えば、本発明における成分(a)の多官能ウレタン(メタ)アクリレート100重量部に対して1〜2000重量部であり、好ましくは1〜700重量部であり、さらに好ましくは1〜600重量部である。1重量部より少ないと添加する意味がなく、2000重量部より多くなると、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル系共重合樹脂との組み合わせによる特徴が出なくなる。
成分(a)の、ハードコート剤組成物における配合比は、特に限定されないが、例えば50〜99重量%であり、好ましくは70〜99重量%であり、より好ましくは87〜99重量%である[成分(a)と成分(b)の合計は100重量%]。成分(a)の前記配合比が50重量%を下回る場合には、硬化物被膜において必要な硬度と耐磨耗性、耐擦傷性が得られない。また、成分(a)の前記配合比が99重量%を超えると、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂への密着性が低下するとともに耐指紋性も低下する。
[植物油変性(メタ)アクリレート(b)]
次に、本発明のハードコート剤組成物中の成分(b)について述べる。成分(b)である植物油変性(メタ)アクリレートは、植物油をエポキシ化し、その後、エポキシ化植物油と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得られる。その際、エポキシ化植物油中のエポキシ基と(メタ)アクリル酸とのモル比(前者:後者)を、0.9:1.0〜1.0:0.9とすることができる。前記モル比は、1:1〜1:1.02とすることが好ましい。
エポキシ化植物油と(メタ)アクリル酸との反応方法としては、特に限定されないが、次の方法のいずれか一つ、又は、任意の組み合わせを選択することが好ましい。
(1)エポキシ化植物油と(メタ)アクリル酸とを混合する。
(2)エポキシ化植物油の中に(メタ)アクリル酸を滴下する。
(3)(メタ)アクリル酸の中にエポキシ化植物油を滴下する。
なかでも、作業性の観点から(2)を選択することが好ましい。また、反応の終点は、反応液中のエポキシ基の消失によって確認する。
また、反応の際は、必要に応じて、有機溶媒、触媒、重合禁止剤等を使用することもできる。反応完了後、使用した有機溶媒は減圧蒸留等により除去することもできる。
植物油変性アクリレート(b)のアクリル当量は、特に限定されないが、例えば100〜600(meq/g)とすることができ、好ましくは150〜500(meq/g)、より好ましくは200〜400(meq/g)である。
植物油変性(メタ)アクリレート(b)の市販品としては、EBECRYL 860(ダイセル・サイテック製)等が知られている。EBECRYL 860は、ヨウ素価が114〜138(I・g/100g)単位の大豆油をエポキシ化して得られたエポキシ化大豆油と、アクリル酸とを反応させたものであり、アクリル当量は200〜400(meq/g)である。
成分(b)である植物油変性(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば400〜10,000であり、好ましくは400〜7,000である。アクリル系共重合樹脂の重量平均分子量が400未満では、乾燥中に揮発したり、硬化不良を起こしたりする。逆に分子量が10,000を超えると溶媒等への溶解性が低下し作業性が低下するとともに硬化塗膜の硬度低下を招くことになる。
エポキシ化植物油は、植物油を公知の方法でエポキシ化することによって得ることができる。例えば、植物油を鉱酸等の酸触媒の存在下、カルボン酸と過酸化水素とによりエポキシ化する方法(特開平6−107652)、天然に産するトリグリセリド油の反応性オレフィン基を、過酸、例えば過安息香酸、過酢酸及び類似物や過酸化水素によってエポキシ化する方法(特表平8−508533)、天然に産する植物油を過酸化水素、過酢酸等のエポキシ化剤(酸化剤)で酸化させる方法(特許第2883256号)が知られている。また、エポキシ化植物油を製造するための手順は、例えば、J.マーチによる「進んだ有機化学(第2版)」(マグロウ−ヒル社、1977年、750頁)、米国特許第3,488,404号、及び、C.ベントレーロらによる報告(J.of Org.Chem、1983年、48巻、3831−3833頁)中で述べられている。
エポキシ化植物油の市販品としては、エポキシ化大豆油として、ESBO(ダイセル化学工業社製)、カポックスS−6(花王社製)、エポキシ化亜麻仁油として、サンソサイザーE−9000H(新日本理化社製)等がある。
エポキシ化植物油の原料に用いられる植物油としては、特に限定されないが、例えば、工業的に入手できる様々な植物油が使用できる。植物油のヨウ素価は、特に限定されないが、例えば30〜200のものが使用でき、100〜150の範囲のものがより好ましい。具体的には、大豆油、亜麻仁油、サフラワー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、綿実油、米糠油、ひまし油、エノ油、トール油、桐油の中から1種又は2種以上が選択できる。なかでも、入手容易性や、得られるハードコート剤組成物の性能の観点から、大豆油が好ましい。
エポキシ化植物油の原料に用いられる(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸のいずれか又は両方が選択できる。なかでも、得られるハードコート剤組成物の性能の観点から、アクリル酸が好ましい。
成分(b)の、ハードコート剤組成物における配合比は、特に限定されないが、例えば1〜50重量%であり、好ましくは1〜30重量%であり、より好ましくは1〜13重量%である[成分(a)と成分(b)の合計は100重量%]。成分(a)の前記配合比が50重量%を下回る場合には、硬化物被膜において必要な硬度と耐磨耗性、耐擦傷性が得られない。また、成分(a)の前記配合比が99重量%を超えると、(メタ)アクリル系樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂への密着性が低下するとともに耐指紋性も低下する。
[光重合開始剤(c)]
成分(c)である光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードコート剤組成物における成分(c)の配合比は、特に限定されないが、例えば、成分(a)と成分(b)の合計量100重量部に対して1〜5重量部、好ましくは、2〜5重量部である[配合比は溶剤等、成分(a)及び成分(b)以外のものを除いたものの比率]。成分(c)の前記配合比が1重量部未満では、硬化が不十分になる場合があり、5重量部を超えると、硬化物の物性に悪影響が出ることがある。
[添加剤]
本発明のハードコート剤組成物には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。これらの添加物の添加量は、特に限定されないが、例えば、ハードコート剤組成物100量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
本発明のハードコート剤組成物は、これを対象物である(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂からなる成形品に塗布した後、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより極めて短時間で硬化させることができる。塗膜の厚さは、特に限定されないが、例えば10〜50μm程度である。紫外線照射を行う時の光源は、特に限定されないが、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件により異なるが、例えば、数十秒より短く、数秒程度であることが多い。照射源としては、特に限定されないが、例えば、ランプ出力80〜300W/cm程度の照射源が好ましく用いられる。電子線照射の場合は、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とすることが好ましい。活性エネルギー線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の促進を図ってもよい。
本発明のハードコート剤組成物を成形品(例えば、プラスチックフィルム等)に塗布する場合、塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコート法、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、バーコート法、グラビア法等を用いることが可能である。なかでも、美観性、コスト、作業性等の観点から、ロールコート法が最も好ましく用いられる。なお、塗布は、プラスチックフィルム等の製造工程中で行う、いわゆるインラインコート法でもよいし、既に製造された成形品に別工程で塗布を行う、いわゆるオフラインコート法でもよいが、生産効率の観点から、オフラインコート法が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下の実験において、イソシアネート基濃度(以下、「NCO濃度」と記載することがある)は以下のように測定した。
(ブランク値の測定)
15mLのTHFにジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加え、さらにブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液を変色がみられるまで滴下した。このHCl水溶液の滴定量をブランク値(mL)とした。
(実測NCO濃度の測定)
計量された反応溶液[サンプル量(g)]を15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加えた。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液を変色がみられるまで滴下し、滴定量をA値(mL)とした。得られた値を下記の式に当てはめNCO濃度を算出した。
NCO濃度(重量%)=
(ブランク値−A値)×1.005×0.42÷サンプル量(g)
[合成例1]
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを主成分とするジペンタエリスリトールポリアクリレートの混合物(CYTEC社製;DPHA、OH価;56.3KOHmg/g)を250部充填し、内温を70℃にした後、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート由来のヌレート化合物(三井武田ケミカル社製;D170N)を46部、ジブチルスズジラウート100ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)、ハイドロキノンモノメチルエーテル800ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)を3時間かけて滴下した。さらに3時間反応を継続し、残存イソシアネート基濃度が0.1%以下になったことを確認して反応を終了させ、活性エネルギー線硬化性多官能ウレタンアクリレート(UA−1)を得た。本ウレタンアクリレートの理論最大官能基数は15官能である。
[合成例2]
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを主成分とするジペンタエリスリトールポリアクリレートの混合物(CYTEC社製;DPHA、OH価;56.3KOHmg/g)を250部充填し、内温を70℃にした後、イソホロンジイソシアネート由来のヌレート化合物(デグサジャパン社製;IPDI−T1890T、30重量%酢酸ブチル希釈品)を80部、ジブチルスズジラウート100ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)、ハイドロキノンモノメチルエーテル800ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)を3時間かけて滴下した。さらに3時間反応を継続し、残存イソシアネート基濃度が0.1%以下になったことを確認して反応を終了させ、活性エネルギー線硬化性多官能ウレタンアクリレート(UA−2)を得た。本ウレタンアクリレートの理論最大官能基数は15官能である。
[合成例3]
温度計、攪拌装置を備えたセパラブルフラスコに、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを主成分とするジペンタエリスリトールポリアクリレートの混合物(CYTEC社製;DPHA、OH価;56.3KOHmg/g)を250部充填し、内温を70℃にした後、ポリカプロラクトン変性ポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートの反応から得られたポリイソシアネート(B)(旭化成ケミカルズ社製;デュラネートE402−100)を110部、ジブチルスズジラウート100ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)、ハイドロキノンモノメチルエーテル800ppm(得られるウレタンアクリレートに対する添加量)を3時間かけて滴下した。さらに3時間反応を継続し、残存イソシアネート基濃度が0.1%以下になったことを確認して反応を終了させ、活性エネルギー線硬化性多官能ウレタンアクリレート(UA−3)を得た。本ウレタンアクリレートの理論最大官能基数は15官能である。
(使用製品説明)
本実施例では上記ウレタンアクリレートに加え、成分(a)として、以下の製品を使用した。
KRM8452;ダイセル・サイテック製 10官能ウレタンアクリレート
KRM7804;ダイセル・サイテック製 9官能ウレタンアクリレート
KRM8200;ダイセル・サイテック製 6官能ウレタンアクリレート
DPHA;ダイセル・サイテック製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品中に一部水酸基を含有した化合物を有している)
また、成分(b)として、以下の製品を使用した。
EBECRYL 860(以下、EB860と記載することがある);ダイセル・サイテック製
[実施例1]
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−1)を90重量部、EB860を10重量部、光開始剤Irgacure 184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASFジャパン社製:以下、Irg184と記載することがある)を3重量部、MEKを80重量部、シクロヘキサノンを20重量部混合し、均一な溶液を調製した。その後、300メッシュフィルターでろ過することでハードコート剤組成物を調製した。
[実施例2]
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−1)を99重量部、EB860を1重量部とした以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例3]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、合成例2で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−2)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例4]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、合成例2で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−2)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例5]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、合成例3で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−3)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例6]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、合成例3で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−3)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例7]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM8452(10官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例8]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM8452(10官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例9]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM7804(9官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例10]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM7804(9官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例11]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM8200(6官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例12]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、KRM8200(6官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例13]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[実施例14]
多官能ウレタンアクリレート(UA−1)の代わりに、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ダイセル・サイテック製)を使用した以外、実施例2と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例1]
EB860を用いず、且つ、合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−1)を100重量部とした以外、実施例1と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例2]
EB860を用いず、且つ、合成例2で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−2)を100重量部とした以外、実施例3と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例3]
EB860を用いず、且つ、合成例3で得られた多官能ウレタンアクリレート(UA−3)を100重量部とした以外、実施例5と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例4]
EB860を用いず、且つ、KRM8452(10官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を100重量部とした以外、実施例7と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例5]
EB860を用いず、且つ、KRM7804(9官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を100重量部とした以外、実施例9と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例6]
EB860を用いず、且つ、KRM8200(6官能脂肪族ウレタンアクリレート、ダイセル・サイテック製)を100重量部とした以外、実施例11と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
[比較例7]
EB860を用いず、且つ、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ダイセル・サイテック製)を100重量部とした以外、実施例13と同様にしてハードコート剤組成物を調製した。
実施例及び比較例で得られた組成物については、下記で示す測定方法に基づいて、相溶性、耐指紋性、密着性、摩耗性、耐擦傷性、鉛筆硬度の評価を行った。
(相溶性)
実施例及び比較例で得られた配合物の外観を目視により観察し、下記の基準で相溶性を評価し、結果を下記表1〜3の「相溶性」の欄に示した。
配合物の外観が透明と認められた:○(相溶性良好)
配合物の外観に濁りが認められた:×(相溶性不良)
(耐指紋性)
実施例及び比較例で得られたハードコート剤組成物を、硬化後の塗膜の厚さが15ミクロンになるように、バーコーターを用いて、透明ポリカーボネート板に塗布し、80℃で10分間乾燥させた後、高圧水銀灯を用いて、紫外線照射(高圧水銀灯、照射強度:1000J/cm2)を行い、硬化塗膜を作製した。前記硬化塗膜を用いた耐指紋性の評価は、耐指紋付着性と拭き取り性の2つの観点から行った。耐指紋付着性については、前記硬化塗膜に指紋を付着させる前のヘイズ値と、前記硬化塗膜に指紋を付着させた直後のヘイズ値とのヘイズ差(耐指紋付着性を示すヘイズ差)を測定することにより行った。拭き取り性については、指紋付着前のヘイズ値と、指紋付着後にウエスで1回拭き取った後のヘイズ値とのヘイズ差(拭き取り性を示すヘイズ差)を測定することにより行った。前記硬化塗膜のヘイズ値(Hz)は、Haze Meter(型式:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
下記の基準で耐指紋性を評価し、結果を下記表1〜3の「耐指紋性」の欄に示した。
耐指紋付着性を示すヘイズ差が2未満であり、且つ、拭き取り性を示すヘイズ差が0.5未満であった:○(耐指紋性良好)
耐指紋付着性を示すヘイズ差が5以上であり、且つ、拭き取り性を示すヘイズ差が1以上であった:×(耐指紋性不良)
上記のいずれにも該当しない:△(使用可能なレベルの耐指紋性)
(密着性)
実施例及び比較例で得られたハードコート剤組成物を、アクリル板、ポリカーボネート板、ABS板に塗布した以外は、上記と同様にして、硬化塗膜を作製した。前記硬化塗膜の表面に1mm間隔で切れ込みを入れ、1mm2の碁盤目を100個作り、その上にセロテープ(登録商標)を貼り付けた後、これを一気に引き剥がし、剥離した碁盤目を数えた。
下記の基準で密着性を評価し、結果を下記表1〜3の「密着性」の欄に示した。
剥離した碁盤目は確認できなかった:○(密着性良好)
剥離した碁盤目が1個以上確認された:×(密着性不良)
(耐磨耗性)
実施例及び比較例で得られたハードコート剤組成物を、ポリカーボネート板(日本テストパネル社製、板の厚み1mm)に塗布した以外は、上記と同様にして、硬化塗膜を作製した。前記硬化塗膜をテーバー磨耗試験機[安田精機製作所社製、磨耗輪CS10F、荷重1kg]にセットして100回(回転数)磨耗後におけるグロス(60°)値、及び、300回磨耗後におけるグロス(60°)値を測定し、0回におけるグロス値との比率を計算して、耐磨耗性の指標とした。なお、光沢度(グロス)の測定は、JIS Z 8741に準じて、日本電色工業社製「SZ−Σ90」を用いて、測定角度60°で行った。耐磨耗性(100回磨耗時)及び耐磨耗性(300回磨耗時)は、下記式により求めることとした。
耐磨耗性(100回磨耗時)=(100回磨耗後のグロス値)/(磨耗0回におけるグロス値)×100
耐磨耗性(300回磨耗時)=(300回磨耗後のグロス値)/(磨耗0回におけるグロス値)×100
耐磨耗性については下記の基準で評価し、結果を下記表1〜3の「耐磨耗性」の欄に示した。
耐磨耗性(100回磨耗時)が90%以上、且つ、耐磨耗性(300回磨耗時)が85%以上であった:○(耐摩耗性良好)
耐磨耗性(100回磨耗時)が90%以上、且つ、耐磨耗性(300回磨耗時)が80%以上85%未満であった:△(使用可能なレベルの耐摩耗性)
耐磨耗性(100回磨耗時)が90%未満、又は、耐磨耗性(300回磨耗時)が80%未満であった:×(耐摩耗性不良)
(耐擦傷性)
実施例及び比較例で得られたハードコート剤組成物を、ガラス板に塗布した以外は、上記と同様にして、硬化塗膜を作製した。前記硬化塗膜の表面にスチールウール(#0000)を接触させ、1kg重の荷重をかけてスチールウールでフィルム表面を100往復させた。傷の有無については、目視にて判定した。
耐擦傷性については下記の基準で評価し、結果を下記表1〜3の「耐擦傷性」の欄に示した。
傷が全く確認できなかった:○(耐擦傷性良好)
傷がわずかに見られた:△(使用可能レベルの耐擦傷性)
傷が多数見られた:×(耐擦傷性不良)
(鉛筆硬度測定試験)
耐擦傷性試験の場合と同様にして、硬化塗膜を作製した。鉛筆硬度測定には鉛筆硬度計[東洋精機製作所社製の鉛筆硬度試験器]及び三菱鉛筆社製の硬度測定用鉛筆を用いた。
Figure 2013023631
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本発明によれば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂によく密着し、耐指紋性、耐磨耗性、耐擦傷性、高い鉛筆硬度を有する活性エネルギー線硬化タイプのハードコート剤組成物を提供できるため、特に、タッチパネル式のディスプレイを使ったスマートフォン等の電子機器等に有用である。

Claims (10)

  1. 1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)、植物油変性(メタ)アクリレート(b)、及び光重合開始剤(c)を含有するハードコート剤組成物。
  2. 多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)が、1分子中に6個以上の(メタ)アクリロイル基を有する請求項1記載のハードコート剤組成物。
  3. 多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a)の重量平均分子量が、500〜3,000の範囲である請求項1又は2に記載のハードコート剤組成物。
  4. 植物油変性(メタ)アクリレート(b)が、植物油をエポキシ化して得られたエポキシ化植物油と、(メタ)アクリル酸との反応により得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハードコート剤組成物。
  5. 植物油が、大豆油、亜麻仁油、サフラワー油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油、綿実油、米糠油、ひまし油、エノ油、トール油、桐油からなる群より選択された少なくとも一種である請求項4に記載のハードコート剤組成物。
  6. 植物油が、大豆油である請求項5に記載のハードコート剤組成物。
  7. (メタ)アクリル酸がアクリル酸である請求項4〜6のいずれか1項に記載のハードコート剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のハードコート剤組成物からなる塗膜を硬化して得られる硬化塗膜。
  9. 成形品上に請求項1〜7のいずれか1項に記載のハードコート剤組成物からなる塗膜を硬化して得られる硬化塗膜が形成された、硬化塗膜を有する成形品。
  10. 成形品が、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂からなる群より選択された少なくとも1つの樹脂で成形された成形品である請求項9記載の硬化塗膜を有する成形品。
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