JP7464489B2 - アフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム - Google Patents

アフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム Download PDF

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Description

本発明は、インサート成形のようなプラスチック成形用途で用いることが可能なアフターキュア型の反射防止ハードコートフィルムに関する。
アクリル系の光硬化型樹脂は、プラスチックフィルムやプラスチック成形物表面に特別な性能を付与するために多くの分野で用いられており、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布して高硬度を付与したハードコートフィルムは、タッチパネル用フィルムや成形用フィルムとして大量に使用されている。
これらのなかで特に成形用としては、フィルム表面に絵柄を印刷後、加熱により軟化させた状態で3次元成形を行うインサートフィルムが良く知られているが、フィルムに塗布されたハードコート樹脂層を硬くすると、立体形状に加工する際に曲面においてマイクロクラックが入りやすくなり、加工形状には制約があった。そのため立体成形前にハードコート層を完全硬化させず、成形後に光硬化させるアフターキュア手法が考案され、過去に出願人も、2個以上のアクリロイル基を有する多官能重合性化合物、分子量が50~400の低分子量アミン、および分子量が1~20万のポリアミンを含有する樹脂組成物を発明している(特許文献1)。
このハードコート樹脂組成物は硬度や耐擦傷性が高く、且つ成形性も良好なハードコート皮膜を得ることができる優れるものであった。しかしながら、近年ではフィルム表面に反射防止機能を要求されるようになり、光硬化前で伸び率が高く十分な成形性がありながらタックレスであり、更に反射防止層を併せ持つという点では改善の余地があった。
特許第5654207号
本発明の課題は、光硬化前の伸び率が高く十分な成形性がありながら、光硬化後は低反射率で高耐擦傷性を有し、且つ光硬化前の表面タックが安定して低い成形用反射防止ハードコートフィルムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上にハードコート樹脂層を有し、当該ハードコート樹脂層面上に低屈折率層を備え、当該ハードコート樹脂層がイソホロンジイソシアネート三量体骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、平均粒子径が1~100nmの表面改質ナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)と、を含み、前記(B)の固形分全量に対する配合量が30~70重量%であることを特徴とすることを特徴とするアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを提供する。
請求項2の発明は、前記(A)が10~15官能のウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを提供する。
請求項3の発明は、前記低屈折率層が前記(A)と、(C)と、平均粒子径が5~150nmの中空ナノシリカ(D)と、反応性シリコーン化合物(E)と、を含むことを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを提供する。
請求項4の発明は、熱可塑性透明基材フィルムとして厚さ300μmのPMMA/PC複合フィルムを用い、ハードコート樹脂層の厚みを3μmとし、低屈折率層の厚みを100nmとしたアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを紫外線硬化前の状態において、横25mm×縦50mmでカットし、チャック間距離50mmで雰囲気温度130℃、引っ張り速度300mm/分で引っ張り試験を行い、基材破断までクラックが生じないことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを提供する。
請求項5の発明は、請求項1~4いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムで加飾されたプラスチック成型体を提供する。
本発明のハードコートフィルムは、光硬化前の伸び率が高く十分な成形性がありながら、光硬化後は低反射率で高い耐擦傷性を有し、且つ光硬化前の表面タックが安定して低いため、アフターキュアタイプの成形用反射防止フィルムとして有用である。
本発明の成形用反射防止ハードコートフィルムは、ハードコート樹脂層を形成するためのハードコート樹脂組成物と、低屈折率層を形成するための低屈折率樹脂組成物の2種類を用いて製造される。ハードコート樹脂組成物はウレタン(メタ)アクリレート(A)と、表面改質ナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)を含む組成物であり、低屈折率樹脂組成物は(A)と、(C)と、中空ナノシリカ(D)と、反応性シリコーン化合物(E)を含む組成物である。なお、本明細書において(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート(A)は、イソホロンジイソシアネート(以下IPDI)の三量体であるイソシアヌレート体骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートポリマーで、ペンタエリスリトールトリアクリレート(以下PETA)などの水酸基を含有する(メタ)アクリレートを反応させた構造が例示される。IPDIイソシアヌレートと反応させる水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしてはPETAを含むことが好ましい。また官能基数としては10官能以上が好ましく、12官能以上が更に好ましく、15官能が特に好ましい。
前記(A)は、嵩高い脂環族骨格を有するため耐候性と剛性に優れ、また柔軟性の高いウレタン結合を有するため、硬化物は高い耐擦傷性と屈曲性を併せ持っている。同じ三量体でもイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDI)のように脂環族でない場合はタックが強くなりアフターキュア型では用いることができず、また同じ脂環族であるIPDIであってもイソシアヌレート体でない場合は剛性が劣るため不可である。
前記(A)の合成方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。反応は無溶媒下でも良いが、(A)の分子量が大きくなるにつれて攪拌が困難となる場合があるため、ブタノン等のケトン類、キシレン等の芳香族不活性溶媒などを用いても良い。またPETAの水酸基と、イソシアネート基との反応には、触媒を用いることが好ましい。その場合の例としては、ジブチルスズジラウレート等の錫系、ナフテン酸コバルト等の金属アルコキシド系が挙げられる。反応温度は適宜設定可能であるが40~120℃が好ましく、60~100℃が更に好ましい。
前記(A)の重量平均分子量(以下Mw)は10,000~100,000が好ましく、30,000~80,000が更に好ましい。10,000以上とすることで充分な破断伸度を確保でき、100,000以下とすることで作業性の良い粘度に調整しやすくなる。また重合性二重結合当量としては2,000~6,000g/molが好ましく、3,000~5,000g/molが更に好ましい。なおMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、スチレンジビニルベンゼン基材の充填剤を用いたカラムでテトラハイドロフラン溶離液を用いて、標準ポリスチレン換算の分子量を測定、算出した。
前記(A)の全固形分に対する配合量は、ハードコート樹脂組成物の場合で25~60重量%が好ましく、30~55重量%が更に好ましい。25重量%以上とすることで十分な耐擦傷性を確保することができ、60重量%以下とすることで安定したタックレス性を確保することができる。低屈折率樹脂組成物の場合では30~70重量%が好ましく、35~65重量%が更に好ましい。30重量%以上とすることで十分な成形性が確保でき、70重量%以下とすることで屈折率を十分低下させ、反射率を低くすることができる。
本発明に使用される表面改質ナノシリカ(B)は、光硬化前の安定したタックレス性を確保する目的で配合する。表面処理としては、例えばトリメチルシリル基、ジメチルシリル基等の疎水性官能基や、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の反応性官能基で修飾することが挙げられるが、これらの中では(A)との反応で強固に皮膜内に取り込むことが可能な(メタ)アクリロイル基で修飾されたナノシリカが好ましい。表面改質されていないナノシリカを使用すると、耐擦傷性が低下するだけでなく、分散性が低下するため外観も白化しやすくなり不可である。
前記(B)の粒子径は1~100nmであり、5~50nmが好ましく、8~30nmが更に好ましい。1nm未満では十分なタックレス性を確保できず、100nm超では十分な全光線透過率を確保できない場合がある。なお平均粒子径は、JISZ8825-1に準拠したレーザー回折・散乱法により測定したメジアン径(d=50)とする。
前記(B)の全固形分に対する配合量は30~70重量%であり、35~65重量%が好ましい。30重量%未満では安定したタックレス性を確保できず、70重量%以上では耐擦傷性が低下すると同時に、外観も白化する傾向がある。市販の(B)としてはPGM-AC-2140Y(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径10~15nm、メタクリル基修飾)などが挙げられる。
本発明に使用される光重合開始剤(C)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α-ヒドロキシアセトフェノン系として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
ハードコート樹脂組成物の場合は、前記(C)は黄変しにくいα-ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましく、市販品としてはOmnirad127、Omnirad184、Omnirad2959(商品名:IGM Resins社製)などが挙げられる。これらの中では、特に黄変が少なく耐擦傷性に優れるOmnirad2959が好ましい。前記(C)のハードコート樹脂組成物におけるラジカル重合性分100重量部に対する配合は3~20重量部が好ましく、5~16重量部が更に好ましい。
低屈折率樹脂組成物の場合は、前記(C)はハードコート樹脂組成物の場合と同様にα-ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましく、特に硬化性の点でOmnirad127Dが好ましい。前記(C)の低屈折率樹脂組成物におけるラジカル重合性分100重量部に対する配合は2~12重量部が好ましく、4~10重量部が更に好ましい。
本発明では、低屈折率樹脂組成物の屈折率を低下させるため、中空ナノシリカ(D)を配合することが好ましい。(D)は低屈折率層の塗膜強度を保持しつつ、その屈折率を下げる機能を有し、内部に屈折率1の空気を含む空洞を有するシリカ粒子である。中実シリカ粒子の屈折率が1.45程度に対し、(D)の屈折率は内部の空洞の占有率が高くなるにつれて低下し、1.20~1.40程度である。
前記(D)の一次粒子径は5~150nmが好ましく、10~100nmが更に好ましく、40~80nmが特に好ましい。この範囲とすることで、低屈折率層の透明性を損なうことなく、良好な分散性を得られる。特に40~80nmであれば、強度不足とならない外殻の厚みを確保しつつ、空洞の占有率を上げて屈折率を下げることができる。市販品としてはスルーリア4320(商品名:日揮触媒化成社製、一次平均粒子径60nm)が挙げられる。
前記(D)の低屈折率樹脂組成物の全固形分に対する配合量は25~70重量%が好ましく、30~65重量%が更に好ましい。25重量%以上とすることで屈折率を十分低下させることが可能となり、70重量%以下とすることで下地ハードコート層との十分な密着性を確保できる。
本発明では、低屈折率樹脂組成物のレベリング性を上げ外観を向上させるため、反応性シリコーン化合物(E)を配合することが好ましい。同じ反応性官能基を有していてもシリコーン骨格を有さないフッ素系の場合はレベリング性が不十分となる場合があり、また同じシリコーン系でも反応性官能基を有していない場合は、外観が白化し耐擦傷性も低下する傾向があり不適である。
前記(E)の低屈折率樹脂組成物の全固形分に対する配合量は0.1~3.0重量%が好ましく、0.3~2.0重量%が更に好ましい。また(A)固形分に対する配合量は、(A)固形分100重量部に対し0.5~5.0重量部が好ましく、1.0~3.0重量部が更に好ましい。0.5部以上とすることで十分なレベリング性を確保し外観を向上でき、8.0重量部以下とすることで十分な全光線透過率を確保することができる。
本発明の組成物には、性能を損なわない範囲で必要に応じて紫外線吸収剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、密着促進剤、ブルーイング剤、消泡剤、増粘剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、有機微粒子等を添加してもよい。またハードコート樹脂組成物には少量のアミン、イソシアネート等の硬化成分を含んでも良い。
ハードコート樹脂組成物及び低屈折率樹脂組成物(以下本願樹脂組成物)を熱可塑性透明基材フィルムに塗工する際には、塗工特性を向上させるため。トルエン、イソブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGMと表記)などの溶剤で希釈してもよい。希釈する場合の固形分としては1~50%が例示されるが、特に指定は無く、塗工しやすい粘度となるように適宜設定可能である。
本願樹脂組成物が塗布される熱可塑性透明基材フィルムとしては、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネート(以下PCと表記)フィルム、ポリスルフォンフィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンフィルム、アクリル(以下PMMAと表記)フィルム、ポリイミドフィルム、ABSフィルム、ポリオレフィンフィルム、PVCフィルム、PVAフィルム等を挙げることができる。なかでも耐候性、加工性、寸法安定性などの点から二軸延伸処理されたポリエステルフィルムが好ましく用いられる。更に自動車内装加飾用ではPMMAフィルムやPCフィルムが好ましく用いられ、またそれらの積層フィルムでも良い。フィルムの厚みは概ね25μm~500μmであればよい。
前記熱可塑性透明基材フィルムは、本願樹脂組成物との密着性を向上させる目的で、プライマー処理やサンドブラスト法、溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、あるいはコロナ放電処理、クロム酸処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面の酸化処理などの表面処理を施すことができる。また逆に転写用途で用いるため剥離性を向上させる目的で、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤によるプライマー処理を行っても良い。
本願樹脂組成物を塗布する方法は、特に制限はなく、公知のスプレーコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、ワイヤーバーなどの塗工法またはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成できる。
ハードコート樹脂組成物の膜厚は乾燥時で1μm~10μmが例示できるが、これに限定されるものではない。ハードコート樹脂層上に塗布する低屈折率樹脂組成物の膜厚は乾燥時で50~200nmであることが好ましく、80~150nmであることが更に好ましい。低屈折率層の厚さがこの範囲であれば、反射率を十分低くすることが可能となる。
本願樹脂組成物を硬化させる際に用いる紫外線照射の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプ、無電極紫外線ランプなどがあり、また照射する雰囲気は空気中でもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でもよい。また紫外線照射時にバックロールの加温や、IRヒーターなどにより塗膜を加熱することで、より硬化性を上げることができる。照射条件としては照射強度500mW/cm~3000mW/cm、露光量50~400mJ/cmが例示されるが、これに限定されるものではない。紫外線照射はフィルム成型後に行うが、成形前に低露光量(例えば15~30mJ/cm)によるセミキュアをしても良い。
本願樹脂組成物をプラスチック基材に塗布し、紫外線硬化の前段階で雰囲気温度130℃の環境下、引っ張り速度300mm/分で引っ張り試験を行った際に、基材が破断する前に塗膜にクラックが入らなければ、アフターキュア型の成形フィルムとして十分な伸び特性を有していると言える。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。
ハードコート樹脂組成物配合
前記(A)としてZ-624BA(商品名:アイカ工業社製、Mw60,000、IPDIイソシアヌレートと、PETAを少なくとも含む水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させた15官能ウレタンアクリレートポリマー)を、(B)としてPGM-AC-2140Y(商品名:日産化学、メタクリル表面修飾、平均粒子径10~15nm)を、(C)としてOmnirad2959(商品名:IGM Resins社製)を、(A)以外のウレタン(メタ)アクリレートとしてSKA-101(商品名:亜細亜工業社製、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体にPETAを反応、9官能)を、ナノシリカとしてPGM-ST(商品名:日産化学、表面改質なし、平均粒子径10~15nm)を、表1記載の配合で均一に溶解・分散するまで撹拌し、更に固形分が30%となるようにPGMを加えて希釈撹拌し、1~7のハードコート樹脂組成物を得た。なお配合表の単位は重量部とする。
低屈折率樹脂組成物配合
(C)としてOmnirad127D(商品名:IGM Resins社製)を、(D)としてスルーリア4320(商品名:日揮触媒化成社製、粒子径60nm、屈折率1.3)を、(E)としてメガファックRS-57(商品名:DIC社製、反応性シリコーン化合物)及びX-71‐1203M(商品名:信越化学工業社製、反応性フッ素シリコーン化合物)を、表2記載の配合で均一に溶解・分散するまで撹拌し、更に固形分が3%となるようにPGMを加えて希釈撹拌し、A~Dの低屈折率樹脂組成物を得た。
表1
表2
評価方法は以下の通りとした。
ハードコートフィルムの作成
成形用ハードコート樹脂組成物1~7を用い、PMMA/PCフィルムC003(商品名:住友化学社製、厚み300μm)のPMMA面に乾燥膜厚で3μmとなるように塗布し、80℃で1分乾燥して紫外線硬化前のフィルムを作成した。
反射防止フィルムの作成
上記で作成した紫外線硬化前のハードコートフィルム上に、低屈折率樹脂A~Dを乾燥膜厚で100nmとなるように表3の組合せで塗布し、80℃で1分乾燥して紫外線硬化前のフィルムを作成した。その後、アイグラフィックス社製の紫外線露光装置ECS-151Uを用い、100mW/cm,800mJ/cmの条件で硬化させ反射防止フィルムを形成した。
塗工外観:紫外線硬化前のハードコートフィルム及び反射防止フィルムの外観を目視にて確認し、白化等が無くレベリング性も良好な場合を○、外観に異常がある場合を×とした。
タックレス性:紫外線硬化前のハードコートフィルム及び反射防止フィルムを用い、指触にて表面タック性を確認し、タックが無い場合を○、ある場合を×とした。
伸び性:紫外線硬化前の反射防止フィルムを用い、横25mm×縦50mmにカットし、ミネベア社製TechnoGraph TGI-1KNを用い、チャック間距離50mmで雰囲気温度130℃、引っ張り速度300mm/分で引っ張り試験を行い、基材破断までクラックが生じない場合を○、クラックが生じた場合を×とした。
密着性:紫外線硬化後のフィルムを用い、JIS K 5600-5-6のクロスカット法に準拠し、塗工面に1mm間隔で10×10にマス目を作成し、セロハンテープCT-24(商品名:ニチバン社製)を貼り、上方に引っ張り剥離状況を確認した。
100/100は剥離なし:、0/100~99/100は剥離あり 。
反射率:紫外線硬化後のフィルムを用い、塗工面とは反対面を紙やすりで擦り傷を付け、黒色顔料マーカーで塗りつぶし、更に黒色PETを貼り合せ反対面側の反射率を0%とする。その後HC面側を分光光度計にて300nm~780nmの範囲で1nm毎に反射率をプロットし、最低の反射率を測定した。
評価結果
表3
実施例は、塗工外観、タックレス性、伸び性、密着性、反射率の全ての面で問題はなく良好であった。
一方、(B)の配合量が少ない比較例1は低屈折率層の塗工外観とタックレス性が劣り、(B)の配合量が多い比較例2は塗工外観が劣り、(A)が異なる比較例3は低屈折率層の塗工外観とタックレス性が劣ると同時に最小反射率が大きく、表面改質していないシリカを用いた比較例4は外観が白化して最小反射率も大きく、いずれも本願発明に適さないものであった。

Claims (5)

  1. 熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上にハードコート樹脂層を有し、当該ハードコート樹脂層面上に低屈折率層を備え、当該ハードコート樹脂層がイソホロンジイソシアネート三量体骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、平均粒子径が1~100nmの表面改質ナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)と、を含み、前記(B)の固形分全量に対する配合量が30~70重量%であることを特徴とすることを特徴とするアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム。
  2. 前記(A)が10~15官能のウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム。
  3. 前記低屈折率層が前記(A)と、(C)と、平均粒子径が5~150nmの中空ナノシリカ(D)と、反応性シリコーン化合物(E)と、を含むことを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム。
  4. 熱可塑性透明基材フィルムとして厚さ300μmのPMMA/PC複合フィルムを用い、ハードコート樹脂層の厚みを3μmとし、低屈折率層の厚みを100nmとしたアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムを紫外線硬化前の状態において、横25mm×縦50mmでカットし、チャック間距離50mmで雰囲気温度130℃、引っ張り速度300mm/分で引っ張り試験を行い、基材破断までクラックが生じないことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルム。
  5. 請求項1~4いずれか記載のアフターキュア型成形用反射防止ハードコートフィルムで加飾されたプラスチック成型体。

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