JP2017019247A - 光学積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止性能に優れるとともに、耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れた低屈折率層を備えた光学積層体を提供する。【解決手段】光透過性基材の上に、ハードコート層及び低屈折率層がこの順に形成された光学積層体であって、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子、バインダー成分及び有機シリコーンを含有するものであり、上記中空状シリカ微粒子は、平均一次粒子径が45〜65nmであり、上記低屈折率層の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、上記低屈折率層の最表面に接している上記中空状シリカ微粒子の個数が20個以下であり、上記低屈折率層は、表面のJIS B0601(1992)に規定される算術平均粗さ(Ra)が、0.7〜3.0nmであることを特徴とする光学積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タブレットPC等の画像表示装置や、タッチパネルにおける画像表示面は、外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが要求される。これに対して、光透過性基材に、反射防止層を形成した光学積層体を利用するにより、画像表示装置の画像表示面の反射を低減させ、視認性を向上させることが一般的に行われている。
このような反射防止層を有する光学積層体としては、従来、光透過性基材よりも屈折率の低い低屈折率層を最表面に設け、表面の反射Y値を小さくしたものが知られている。
このような低屈折率層が最表面に形成された光学積層体としては、例えば、特許文献1等に、中空状シリカ微粒子、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有する低屈折率層を有する光学積層体が開示されている。
ここで、近年、スマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイル端末の普及に伴い、画像表示装置に搭載されるタッチパネルの需要が急激に増大しているが、このようなタッチパネルの表面に配置して用いられる光学積層体は、最表面を構成する反射防止層(低屈折率層)には極めて優れた平滑性が求められる。
しかしながら、従来の低屈折率層を備えた光学積層体では、低屈折率層表面の反射Y値を小さくでき反射防止性能を優れたものとすることができるものの、低屈折率層表面の平坦性に劣り、近年のタッチパネル用途として求められる極めて高い表面平滑性に充分に応えることができなかった。
また、従来の光学積層体は、低屈折率層の表面の平滑性を高めようとすると、ブロッキング性に劣り、低屈折率層を備えた光学積層体は、通常、ロール・トゥ・ロール方式で製造されるため、光学積層体のブロッキング性が不充分であると、低屈折率層を形成した後の光学積層体をロールに巻き取った際にブロッキングが生じ、目的とする光学的性能を備えた光学積層体を安定的に製造することができないという問題があった。
また、タッチパネルや液晶ディスプレイ等の表示画面の最表面に、平滑性を高めた低屈折率層を備えた光学積層体を設けた場合、表示画面を指で触れると指紋汚れが顕著となり、耐汚染性に劣るという問題もあった。
特開2007−301970号公報
本発明は、上記現状に鑑み、反射防止性能に優れるとともに、耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れた低屈折率層を備えた光学積層体を提供することを目的とするものである。
本発明は、光透過性基材の上に、ハードコート層及び低屈折率層がこの順に形成された光学積層体であって、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子、バインダー成分及び有機シリコーンを含有するものであり、上記中空状シリカ微粒子は、平均一次粒子径が45〜65nmであり、上記低屈折率層の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、上記低屈折率層の最表面に接している上記中空状シリカ微粒子の個数が20個以下であり、上記低屈折率層は、表面のJIS B0601(1992)に規定される算術平均粗さ(Ra)が、0.7〜3.0nmであることを特徴とする光学積層体である。
本発明の光学積層体において、上記有機シリコーンは、分子中に反応性官能基を有することが好ましい。
また、本発明の光学積層体は、ケン化処理の前後における低屈折率層の表面の水の接触角の変化率が15%以下であることが好ましい。
また、上記ハードコート層は、光透過性基材側に設けられた第一のハードコート層と、低屈折率層側に設けられた第二のハードコート層とを有し、上記第一のハードコート層は、該第一のハードコート層を構成する樹脂成分が上記光透過性基材中に浸透することで形成された浸透層と、上記樹脂成分を主成分とする非浸透層とを有することが好ましい。
また、本発明の光学積層体は、上記浸透層の膜厚をH1とし、上記非浸透層の膜厚をH2とし、上記第二のハードコート層の膜厚をH3としたとき、上記非浸透層の膜厚と上記第二のハードコート層の膜厚との和(H2+H3)が4〜12μmであり、上記浸透層の膜厚と、上記非浸透層の膜厚及び上記第二のハードコート層の膜厚の和との比(H1:H2+H3)が5:95〜45:55であることが好ましい。
また、上記浸透層における不飽和二重結合量をU1とし、非浸透層における不飽和二重結合量をU2とし、第二のハードコート層における不飽和二重結合量をU3としたとき、上記U1、U2及びU3が、U1>U2>U3の関係を満たすことが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、特に言及しない限り「樹脂」とは、モノマー及びオリゴマーをも含むものとする。
本発明者らは、低屈折率層を備えた光学積層体について鋭意検討した結果、低屈折率層の最表面に存在するバインダー成分量を多くし、該低屈折率層の最表面を極めて平坦性に優れたものとすることで、反射防止性能、耐ブロッキング性及び耐汚染性の全てに優れた光学積層体とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の光学積層体は、光透過性基材の上に、ハードコート層及び低屈折率層がこの順に形成されている。
上記低屈折率層とは、本発明の光学積層体を構成する光透過性基材、ハードコート層等の低屈折率層以外の構成物の屈折率よりも低い屈折率を有する層のことを意味する。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、極めて平坦性に優れたものであり、具体的には、上記低屈折率層の表面のJIS B0601(1992)に規定される算術平均粗さ(Ra)が、0.7〜3.0nmである。上記算術平均粗さ(Ra)が0.7nm未満であると、本発明の光学積層体の耐ブロッキング性が劣ることとなり、また、反射防止性能が劣ることもある。一方、上記算術平均粗さ(Ra)が3.0nmを超えると、近年のタッチパネル用途として求められる高い平滑性に応えることができなくなる。
なお、このような極めて高い平滑性を備えた低屈折率層は、後述する組成とすることで得ることができる。上記低屈折率層の表面の算術平均粗さ(Ra)の好ましい下限は0.9nm、好ましい上限は2.5nmである。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子、バインダー成分及び有機シリコーンを含有する。
上記中空状シリカ微粒子は、上記低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げる役割を果たすものである。なお、本明細書において、「中空状シリカ微粒子」とは、内部に気体が充填された構造であり、シリカ微粒子本来の屈折率に比べて気体の占有率に反比例して屈折率が低下するシリカ微粒子を意味する。
上記中空状シリカ微粒子の具体例としては特に限定されず、例えば、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましく挙げられる。中空状シリカ微粒子は、製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、後述するバインダー成分等と混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率が低くなるよう調整することが可能となる。
本発明の光学積層体において、上記中空状シリカ微粒子は、平均一次粒子径が45〜65nmである。45nm未満であると、上記低屈折率層を充分に低屈折率化できず、一方、65nmを超えると、上記低屈折率層の表面から突出する量が増大し、上述した極めて高い平滑性の低屈折率層を得ることができなくなる。上記中空状シリカ微粒子の平均一次粒子径の好ましい下限は47nm、好ましい上限は60nmである。
なお、上記中空状シリカ微粒子の平均一次粒子径とは、該中空状シリカ微粒子単独の場合、動的光散乱法により測定された値を意味する。一方、上記低屈折率層中の中空状シリカ微粒子の平均一次粒子径は、低屈折率層の断面をSEM、TEM及びSTEM等で観察し、任意の単粒子状の中空状シリカ微粒子30個を選択してその断面の粒子径を測定し、その平均値として算出される値である。
本発明の光学積層体において、上記中空状シリカ微粒子は、平均粒子径が上記低屈折率層の厚みに対して、50%以上、100%未満であることが好ましい。50%未満であると、低屈折率層の屈折率を充分に低くすることができず、本発明の光学積層体の反射防止性能が劣ることがある。一方、100%以上であると、中空状シリカ微粒子に起因した凹凸形状が低屈折率層の表面に形成されてしまい、充分な平坦性を備えた低屈折率層とすることができないことがあり、また、本発明の光学積層体のヘイズが悪化してしまうことがある。上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径は、上記低屈折率層の厚みに対して、好ましい下限は70%であり、好ましい上限は80%である。上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径がこの範囲にあることで、本発明の効果をより好適に奏することが可能となる。
また、上記中空状シリカ微粒子は、シェルの厚みが5〜12nmであることが好ましい。5nm未満であると、中空状シリカ微粒子の強度が不充分となることがあり、12nmを超えると、低屈折率層を充分に低屈折率化できないことがある。シェルの厚みのより好ましい下限は6nm、より好ましい上限は10nmである。なお、上記シェルとは、上記中空状シリカ微粒子の中心部分に存在する気体を除いたシリカにより構成される外殻を意味し、該シェルの厚みは、上記低屈折率層の断面顕微鏡観察により測定することができる。
上記低屈折率層における上記中空状シリカ微粒子の含有量としては、後述する低屈折率層における中空状シリカ微粒子の含有状態により適宜調整されるが、後述するバインダー樹脂(固形分)100質量部に対して、50〜120質量部であることが好ましい。50質量部未満であると、中空状シリカ微粒子の含有量が少ないため、低屈折率層の屈折率が充分に低くならず、本発明の光学積層体の反射防止性能が不充分となることがある。一方、120質量部を超えると、中空状シリカ微粒子を添加しただけの効果が見られず、また、低屈折率層の強度が不充分となることがある。より好ましい下限は60質量部、より好ましい上限は100質量部である。
図1は、本発明の光学積層体を構成する低屈折率層とハードコート層とを模式的に示した断面図である。
図1に示したように、本発明の光学積層体10は、ハードコート層11が図示しない光透過性基材上に設けられており、ハードコート層11の表面には中空状シリカ微粒子13を含む低屈折率層12が設けられている。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、上記低屈折率層の最表面に接している上記中空状シリカ微粒子の個数が20個以下である。20個を超えると、低屈折率層の表面の平滑性が不充分となり、タッチパネル用途として近年求められる極めて高い平滑性の要求を満たすことができなくなる。
すなわち、図1に示した本発明の光学積層体10においては、低屈折率層12の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、低屈折率層12の最表面に接している中空状シリカ微粒子13の個数は7個である。
このような状態で中空状シリカ微粒子が含まれる低屈折率層は、最表面においてバインダー成分や有機シリコーンの存在する割合が従来の光学積層体における低屈折率層と比較して高くなるため、上述した算術平均粗さ(Ra)を満たす極めて優れた平滑性を備えたものとなる。
上記低屈折率層の最表面に接している上記中空状シリカ微粒子の個数の好ましい下限は10個であり、好ましい上限は18個である。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、有機シリコーンを含有する。
上記有機シリコーンを低屈折率層に含有することで、上述したような極めて平滑性に優れた低屈折率層を最表面に備えたとしても、本発明の光学積層体は、耐ブロッキング性に優れたものとなる。この理由は明確ではないが、上述したように本発明の光学積層体では、低屈折率層の最表面に有機シリコーンが従来と比較して高い割合で存在していることが影響しているものと推測される。なお、上記有機シリコーンは防汚剤としての機能も発揮する。このため、本発明の光学積層体は、優れた防汚性能も備えたものとなる。
上記有機シリコーンとしては特に限定されないが、分子中に反応性官能基を有することが好ましい。上記反応性官能基を有することで、上記有機シリコーンが後述するバインダー成分と反応し、低屈折率層中からの脱落を好適に防止することができる。
上記反応性官能基を有する有機シリコーンとしては、例えば、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、(メタ)アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものは、低屈折率層からのブリードアウトの問題が生じ難いことから好ましい。
上記有機シリコーンの含有量としては、目的とする低屈折率層の耐ブロッキング性能及び防汚性能により適宜決定されるが、上述した中空状シリカ微粒子と後述するバインダー成分との合計100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、形成する低屈折率層に充分な耐ブロッキング性能及び防汚性能を付与することができないことがあり、10質量部を超えると、添加した有機シリコーンが低屈折率層からブリードアウトすることがある。また、有機シリコーンを添加しただけの効果が見られず、製造コストが高くなり、得られる低屈折率層の硬度、外観が低下し、更に、反射率上昇の原因となることもある。上記有機シリコーンの含有量のより好ましい下限は2質量部、より好ましい上限は8質量部である。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、上述した本発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記有機シリコーン以外に防汚剤を含んでいてもよい。
上記低屈折率層が防汚剤を更に含有することで、本発明の光学積層体は、より優れた防汚性能を有することとなる。
上記防汚剤としては、例えば、反応性官能基とフッ素原子とを含有する化合物や、反応性官能基とフッ素原子及びケイ素原子とを含有する化合物が挙げられる。このような防汚剤を含有することで、形成する低屈折率層の防汚性能をより向上させることができる。
上記反応性官能基とフッ素原子とを含有する化合物としては、例えば、反応性フッ素化合物、特にエチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができ、より具体的には、例えば、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)が挙げられる。
また、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロ(メタ)アクリル酸メチル等の分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中にフッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14の、フルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等も挙げられる。
更にまた、主鎖にフッ素化アルキレン基を有するフッ素ポリマー、オリゴマーや、主鎖及び側鎖にフッ素化アルキレン基、フッ素化アルキル基を有するフッ素化ポリマー、オリゴマー等も挙げられる。これらの中でも、特に、主鎖及び側鎖にフッ素化アルキレン基、フッ素化アルキル基を有するフッ素化ポリマーは、低屈折率層からのブリードアウトの問題が生じにくいことから特に好適に用いられる。
上記反応性官能基とフッ素原子及びケイ素原子とを含有する化合物としては、例えば、上記反応性フッ素化合物に上記反応性官能基を分子中に有する有機シリコーンを反応させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。
また、上記低屈折率層は、バインダー成分を含有する。
上記バインダー成分としては、紫外線硬化型樹脂が挙げられ、本発明では、特に(メタ)アクリル樹脂が好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリルモノマーの重合体又は共重合体が挙げられ、上記(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
また、これら(メタ)アクリルモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの(メタ)アクリルモノマーは、後述するような屈折率の範囲を満たすとともに硬化反応性に優れ、得られる低屈折率層の硬度を向上させることができる。
上記(メタ)アクリルモノマーは、屈折率が1.47〜1.53であることが好ましい。屈折率を1.47未満とすることは事実上不可能であり、1.53を超えると、充分に低い屈折率の低屈折率層を得ることができないことがある。
また、上記(メタ)アクリルモノマーは、重量平均分子量が250〜1000であることが好ましい。250未満であると、官能基数が少なくなるため、得られる低屈折率層の硬度が低下する恐れがある。1000を超えると、一般的には、官能基当量(官能基数/分子量)が小さくなるため、架橋密度が低くなり充分な硬度の低屈折率層が得られなくなることがある。
なお、上記(メタ)アクリルモノマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
本発明の光学積層体は、ケン化処理の前後における上記低屈折率層の表面の水の接触角の変化率が15%以下であることが好ましい。15%を超えると、低屈折率層の最表面の有機シリコーンが脱落してしまい、本発明の光学積層体の耐ブロッキング性や耐汚染性が不充分となることがある。上記低屈折率層の表面の水の接触角の変化率のより好ましい上限は10%であり、更に好ましい上限は5%である。
なお、上記ケン化処理の前後における低屈折率層の表面の水の接触角の変化率は、低屈折率層のケン化処理前後で接触角計にて測定し{(前測定値−後測定値)/前測定値}×100で算出することができる。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、屈折率が1.350未満であることが好ましい。1.350以上であると、本発明の光学積層体の反射防止性能が不充分となり、近年の画像表示装置の高レベルな表示品質に対応することができないことがある。より好ましい下限は1.315、より好ましい上限は1.345である。
上記低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記数式(II):
120<n<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
また、上記低屈折率層は、ヘイズ値が1%以下であることが好ましい。1%を超えると、本発明の光学積層体の光透過性が低下したり、解像度が低下したりして、画像表示装置の表示品質低下の原因となることがある。より好ましくは0.5%以下である。なお、本明細書において、ヘイズ値とはJIS K7361に準拠して求められた値である。
また、上記低屈折率層は、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験による硬度がH以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。
更に、上記低屈折率層は、例えば、#0000番のスチールウールを用いた摩擦荷重300g/cm、10往復摩擦する耐擦傷試験で傷が生じないことが好ましい。
上記低屈折率層は、上述した中空状シリカ微粒子、バインダー成分のモノマー成分、及び、有機シリコーン並びに必要に応じて防汚剤等を含有する低屈折率層用組成物を調製し、該低屈折率層用組成物を用いて形成することができる。
ここで、上記低屈折率層の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、該低屈折率層の最表面に接している上記中空状シリカ微粒子の個数が20個以下となるように制御する方法としては、例えば、上記低屈折率層用組成物への上記中空状シリカの添加量や形成する低屈折率層の膜厚を適宜制御する方法が挙げられる。
上記低屈折率層用組成物は、更に溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、PGMEA等のエステル;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等のアミド;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテルアルコール等が挙げられる。なかでも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、PGME、PGMEAが好ましい。
また、上記低屈折率層用組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、上述した以外の樹脂等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、上記低屈折率層用組成物がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系を含有する場合、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184(BASF社製)として市販されている1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記低屈折率層用組成物がカチオン重合性官能基を有する樹脂系を含有する場合、上記光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173;日本シーベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46;日本化薬社製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。なかでも、イルガキュア369、イルガキュア127、イルガキュア907、Esacure ONE、SpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、KAYACURE DETX−Sが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量は、上記バインダー樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、その他の樹脂は、公知のものを使用することができる。
また、上記低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)とすることが好ましく、より好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲である。可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、更に、被塗布物に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
上記低屈折率層用組成物の調製方法としては特に限定されず、例えば、上述した中空状シリカ微粒子、バインダー成分のモノマー成分、有機シリコーン、及び、必要に応じて添加される防汚剤、溶剤、光重合開始剤等の成分を混合することにより得ることができる。混合には、ペイントシェーカー又はビーズミル等の公知の方法を使用することができる。
上記低屈折率層は、後述するハードコート層上に、上記低屈折率層用組成物を塗布し形成した塗膜を必要に応じて乾燥し、電離放射線の照射及び/又は加熱により塗膜を硬化させることにより形成することができる。
上記低屈折率層用組成物を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法が挙げられる。
本発明の光学積層体は、光透過性基材を有する。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記光透過性基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムが挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材の厚さはとしては、5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは下限が20μmであり、上限が200μmである。光透過性基材が板状体の場合には、これらの厚さを超える厚さであってもよい。上記光透過性基材は、その上に後述するハードコート層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布が予め行われていてもよい。トリアセチルセルロースの場合には、アルカリ処理(ケン化処理)等の化学処理が予め行われていてもよい。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材と低屈折率層との間にハードコート層を有する。
本明細書において、上記「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で2H以上の硬度を示すものをいう。硬度は、3H以上であることがより好ましい。また、上記ハードコート層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmである。
上記ハードコート層としては特に限定されず、例えば、樹脂と任意成分とを含有するハードコート層用組成物により形成されてなるものが挙げられる。
上記樹脂としては、透明性のものが好適に用いられ、具体的には、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂等が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、反応性希釈剤等が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
上記電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられ、該熱可塑性樹脂としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がセルローストリアセテート等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例としては、セルロース系樹脂、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
上記熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化型樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することができる。
上記ハードコート層は、上述した各材料を用いて調製したハードコート層用組成物を、上記光透過性基材上に塗布して形成した塗膜を、必要に応じて乾燥し、電離放射線照射又は加熱等により硬化させることで形成することができる。なお、上記ハードコート層用組成物の調製方法及び塗膜の形成方法等は、上述した低屈折率層と同様の方法が挙げられる。
本発明の光学積層体において、上記ハードコート層は、光透過性基材側に設けられた第一のハードコート層と、低屈折率層側に設けられた第二のハードコート層とを有し、上記第一のハードコート層は、該第一のハードコート層を構成する樹脂成分が上記光透過性基材中に浸透することで形成された浸透層と、上記樹脂成分を主成分とする非浸透層とを有することが好ましい。このようにハードコート層が所定の二層構成であることで、本発明の光学積層体のカールの発生を好適に防止することができる。
また、光透過性基材と第一のハードコート層との界面で浸透層が形成されることで、該界面での干渉縞の発生を好適に防止することができ、また、上記光透過性基材と第一のハードコート層との密着性も極めて優れたものとなる。
上記ハードコート層が上記第一のハードコート層及び第二のハードコート層を有し、上記第一のハードコート層が浸透層と非浸透層とを有する構成である場合、上記浸透層の膜厚をH1とし、上記非浸透層の膜厚をH2とし、上記第二のハードコート層の膜厚をH3としたとき、上記非浸透層の膜厚と上記第二のハードコート層の膜厚との和(H2+H3)が4〜12μmであり、上記浸透層の膜厚と、上記非浸透層の膜厚及び上記第二のハードコート層の膜厚の和との比(H1:H2+H3)が5:95〜45:55であることが好ましい。
上記非浸透層の膜厚と上記第二のハードコート層の膜厚との和(H2+H3)が4〜12μmであることで、本発明の光学積層体の硬度(鉛筆硬度)を優れたものとすることができる。
また、上記浸透層の膜厚と、上記非浸透層の膜厚及び上記第二のハードコート層の膜厚の和との比(H1:H2+H3)が5:95〜45:55であることで、干渉縞の抑制とカールの抑制とを好適に図ることができる。
また、上記浸透層における不飽和二重結合量をU1とし、非浸透層における不飽和二重結合量をU2とし、第二のハードコート層における不飽和二重結合量をU3としたとき、上記U1、U2及びU3が、U1>U2>U3の関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たすことで、本発明の光学積層体による硬度(鉛筆硬度)とカールの抑制との両立を好適に図ることができる。
なお、上記不飽和二重結合量は、例えば、本発明の光学積層体に対して、オスミウム染色処理(不飽和結合部が染色)を実施後、STEMにて観察することにより測定することができる。
上述した第一のハードコート層(浸透層及び非浸透層)と第二のハードコート層とを有する場合、上記光透過性基材の材料は、トリアセチルセルロースであることが好ましい。上記トリアセチルセルロースを材料として形成される光透過性基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、更に機械的強度に優れる。
また、上記光透過性基材は、その上に第一のハードコート層を形成するに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、ケン化処理、溶剤処理等の化学的な処理、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布(厚みは1μm程度)を予め行ってもよい。
本発明の光学積層体において、上記第一のハードコート層は、後述する第二のハードコート層よりも硬度の低い層であることが好ましい。このような低硬度の第一のハードコート層を有することで、本発明の光学積層体は、内部応力を緩和することができ、その結果、カールの発生を好適に防止することができる。
上記第一のハードコート層は、第一のシリカ微粒子と第一の樹脂成分とを含む第一のハードコート層用組成物を用いて形成することができる。
上記第一のシリカ微粒子としては特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカが挙げられる。
上記コロイダルシリカは、表面処理コロイダルシリカであることが好ましい。上記表面処理コロイダルシリカとしては、表面に紫外線反応性官能基を有するコロイダルシリカが挙げられる。上記紫外線反応性官能基としては特に限定されず、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、ビニル基等が挙げられる。
このような紫外線反応性官能基を表面に有するコロイダルシリカとしては、例えば、第一のシリカ微粒子の表面に上記紫外線反応性官能基を有するシランカップリング剤を反応させる方法等により得ることができる。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、公知のものを挙げることができ、例えば、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5803、KBM−4803、KBM−1083(商品名、いずれも、信越化学工業社製)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカの平均粒子径は、5〜100nmであることが好ましい。5nm未満であると、均一な粒子径のコロイダルシリカの製造が困難となる。また粒子同士の凝集が大きくなるおそれもある。また、塗工液の粘度が高くなり塗工性が悪化するおそれがある。100nmを超えると、ヘイズが向上し光透過率も低下するため好ましくない。上記コロイダルシリカの平均粒子径のより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は60nmである。
上記平均粒子径は、本発明の光学積層体の断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、測定して得られる値である。上記コロイダルシリカの平均粒子径は、インク中で分散した状態であっても、形成後の第一のハードコート層内においても、同じ数値を示すのである。
なお、本発明の光学積層体において、上記コロイダルシリカは、1種類で用いてもよいし、平均粒子径が異なる2種類以上を混合して用いてもよい。
また、上記コロイダルシリカは、上記第一のハードコート層用組成物中で、単粒子状及び/又は異形粒子状であることが好ましい。
本発明の光学積層体では、上記第一のハードコート層形成用組成物におけるコロイダルシリカの形態は、単粒子状、又は、異形粒子状のいずれかであってもよいが、形成する第一のハードコート層のケン化耐性及び鉛筆硬度が良好になることから、より好ましくは異形粒子状である。
ここで、「異形粒子状」とは、3〜20個の球状のコロイダルシリカが無機の化学結合により結合した状態を意味する。このような異形粒子状のコロイダルシリカは、上述した表面処理コロイダルシリカであることで容易に形成することができる。
上記異形粒子状のコロイダルシリカは、球状のコロイダルシリカが無機の化学結合により結合した状態なため、鉛筆硬度試験等のような外部からの押込力がかかった際、つぶれにくい頑丈な性質を持っている。また、異形粒子状のコロイダルシリカは、表面面積が広く、またその形状から、上記ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート等との接着力が強くなる利点がある。そのため、異型粒子状のコロイダルシリカは、剥がれにくくケン化耐性等が向上する。更に、異形粒子状のコロイダルシリカは、該異形粒子状のコロイダルシリカ同士がランダムに絡み合うために、物理的にも頑丈になる。
また、単粒子状シリカでも、粒子径が大きくなると(例えば、平均粒径が30nm以上)、鉛筆硬度試験等のような外部からの大きな押込力がかかった際、つぶれにくく頑丈となり、また、剥がれにくくなり、ケン化耐性も良好となる。
更に、単粒子状シリカの粒子径が小さくなった場合であっても(例えば、平均粒径が30nm未満)、第一のハードコート層表面付近の硬度が増すため、耐SW性が良化する結果も得られる。
上記コロイダルシリカの市販品としては、例えば、IPAST、IPASTS、IPASTMS、IPASTL、IPASTZL、IPASTUP、MIBKSD、MIBKSDL、MIBKSDML、MIBKSDZL、MIBKSDUP(いずれも、商品名、日産化学社製)、ELCOM DP1116SIV、DP1129SIV、DP1061SIV、DP1050SIV、DP1037SIV、DP1026SIV、V8803、DP1021、DP1022、DP1032、DP1037、DP1041、DP1042、DP1044(日揮触媒化成社製)、FCNS(DNPファインケミカル社製)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカの配合量は、第一のハードコート層用組成物の第一の樹脂成分の固形分との合計100質量%に対して、5〜40質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、第一のハードコート層の硬度が不充分となることがあり、40質量%を超えると、第二のハードコート層との密着性が悪くなったり、ヘイズが悪化したりすることがある。上記コロイダルシリカの配合量のより好ましい下限は10質量%であり、より好ましい上限は30質量%である。
上記第一の樹脂成分としては特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを意味する。
上記熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が90℃以上であることが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂は、分子内に紫外線又は電子線により硬化する官能基を有していてもよい。上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、分子内への紫外線又は電子線により硬化する官能基の導入により低下する傾向にあるため、硬化前の状態でガラス転移温度が90℃以上となる範囲で、上記分子内に紫外線又は電子線により硬化する官能基が導入されることが好ましい。
上記第一の樹脂成分は、例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂を含有していてもよい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート等の多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等との反応生成物(例えば、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等が挙げられる。更に、上述した化合物のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン又はイソシアヌル酸等の変性を施した化合物であってもよい。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。
また、上記第一の樹脂成分は、熱硬化性樹脂を含有していてもよい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記第一の樹脂成分が電離放射線硬化型樹脂を含み、該電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184、BASF社製の1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名イルガキュア907、BASFの2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリノプロパン−1−オン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよいし又は2種以上を併用してもよい。
また、商品名イルガキュア127(BASF社製の2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)や、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1や2−ジメチルアミノ−2−(4メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンも併用可能である。
更に、上記以外の市販品も使用でき、具体的には、BASF社製のイルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュア2959、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173、日本シイベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46、日本化薬社製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
上記第一のハードコート層用組成物は、上述した成分の他に、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、上記樹脂成分以外の樹脂、熱重合開始剤、光酸発生剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、防汚剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、スリップ剤、屈折率調整剤、分散剤、ブロッキング防止剤、着色剤等が挙げられる。これらは公知のものを使用することができる。
上記第一のハードコート層用組成物は、上述した第一のシリカ微粒子、樹脂成分及び必要に応じて他の成分を溶剤中に分散させることで調製することができる。上記第一のハードコート層用組成物の調製方法としては各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
上記第一のハードコート層は、例えば、上記第一のハードコート層用組成物を、上記光透過性基材上に塗布し形成した塗膜を乾燥し、電離放射線照射又は加熱等により硬化させることで形成することができる。
上記第一のハードコート層用組成物を光透過性基材上に塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法を挙げることができる。
また、上記乾燥後の塗膜を硬化させる際の電離放射線の照射方法としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源を用いる方法が挙げられる。
また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
また、上記溶剤としては、使用する樹脂成分の種類及び溶解性に応じて選択して使用することができ、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、カーボネート類(ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、PGMEA等)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、グリコール類;メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、PGME、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶媒であってもよい。
上記溶剤は、なかでも、トリアセチルセルロースからなる光透過性基材(以下、TAC基材ともいう)に対して浸透性のある浸透性溶剤を含有することが好ましい。本発明において、浸透性溶剤の「浸透性」とは、TAC基材に対する浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。
上記光透過性基材がTAC基材であると、このような浸透性溶剤がTAC基材を膨潤、湿潤することによって、第一のハードコート層用組成物の一部がTAC基材に浸透する挙動をとり、TAC基材の界面近傍に第一のハードコート層の樹脂成分が浸透した浸透層が形成され、これらの界面を実質的に無くすことができ、干渉縞の発生の防止、及び、TAC基材と第一のハードコート層との密着性の向上を図ることができる。
上記浸透性溶剤の具体例としては、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、含窒素化合物;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、グリコール類;メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、ハロゲン化炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン、グリコールエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、その他、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、又は、これらの混合物が挙げられる。
好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が用いられる。
その他溶剤も、上記浸透性溶剤と混合して用いることができる。
このような第一のハードコート層は、膜厚(上述した浸透層の膜厚H1と非浸透層の膜厚H2との合計膜厚)が、2〜7μmでることが好ましい。2μm未満であると、浸透部分と非浸透部分の両方を発現させるために、生産マージンが非常に狭く製造が困難になり、光学積層体の光学特性や機械特性が不安定となり、本発明の光学積層体の硬度が不充分となったり、光透過性基材との密着性が悪化したり、干渉縞が発生し易くなることがあり、7μmを超えると、本発明の光学積層体にカールが発生したり、薄膜化の要請に充分に応えることができなかったりするだけでなく、第二のハードコート層との密着性も悪化したり、第二のハードコート層と第一のハードコート層の間での干渉縞が発生することもある。
また、上記第一のハードコート層における浸透層の膜厚H1は特に限定されないが、該浸透層の膜厚H1が第一のハードコート層の厚み(上述した浸透層の膜厚H1と非浸透層の膜厚H2との合計膜厚)の15〜85%であることが好ましい。15%未満であると、干渉縞が発生し易くなることがあり、85%を超えると、本発明の光学積層体の光学特性や機械特性が不安定となったり、また、硬度が不充分となったりすることがある。
なお、本明細書において、上記第一のハードコート層の厚み、上記浸透層の膜厚H1及び非浸透層の膜厚H2は、本発明の光学積層体の断面顕微鏡観察により測定した任意の20カ所の厚みの平均値である。
本発明の光学積層体において、上記第二のハードコート層は、第二のシリカ微粒子と第二の樹脂成分とを含む第二のハードコート層用組成物を用いて形成することができる。
上記第二のシリカ微粒子及び第二の樹脂成分としては、上述した第一のハードコート層における第一のシリカ微粒子及び第一の樹脂成分と同様のものが挙げられ、また、上記第二のハードコート層用組成物の調製方法も上記第一のハードコート層用組成物と同様の方法が挙げられる。
上記第二のシリカ微粒子の平均粒子径は、上記第一のシリカ微粒子の平均粒子径と同じであっても、異なっていてもよい。
本発明の光学積層体において、上記第二のハードコート層は、上述した第一のハードコート層よりも硬度の高い層である。このような高硬度の第二のハードコート層を有することで、本発明の光学積層体は、耐擦傷性に優れたものとなる。
上記第二のハードコート層において、上記第二のシリカ微粒子の配合量は、第二のハードコート層用組成物の第二の樹脂成分の固形分との合計100質量%に対して、25〜60質量%であることが好ましい。25質量%未満であると、第二のハードコート層の硬度が不充分となることがあり、60質量%を超えると、第一のハードコート層との密着性が悪化したり、光学積層体のヘイズが悪化したり、耐擦傷性が悪化したりすることがある。
第二のシリカ微粒子の配合量のより好ましい下限は30質量%であり、より好ましい上限は50質量%である。
上記第二のハードコート層は、上述した第一の樹脂成分が海島状に分散された分散物を含有する。このような分散物を含有することで、上記第一のハードコート層との密着性が良化するばかりでなく、干渉縞を好適に防止することもできる。
ここで、上記「第一の樹脂成分が海島状に分散された分散物を含有する」という状態は、上記第二のハードコート層の断面顕微鏡観察により確認することができ、具体的には、第二のハードコート層の断面において、均一に分散された状態の第二のシリカ微粒子中に、上記第一の樹脂成分が第二のシリカ微粒子が殆ど存在しない塊状で観察される。
上記第二のハードコート層は、厚さ方向の断面における上記第一の樹脂成分の面積率が5〜15%であることが好ましい。5%未満であると、上記第一のハードコート層との密着性の向上が図れず、また、干渉縞を充分に防止できないことがある。一方、15%を超えると、第二のハードコート層の屈折率が上昇して干渉縞が防止できなかったり、(内部)ヘイズが発生して白くなってしまったりすることがあり、また、硬度も不充分となることがある。上記厚さ方向の断面における上記第一の樹脂成分の面積率は10%以下であることがより好ましい。
なお、上記面積率は、TEMによる上記第二のハードコート層の断面写真から、画像解析ソフトWin Roof(三谷商事社ビジュアルシステム部)によって画像の2値化(第一の樹脂成分の存在量を面積化する)を行い、0.01μm以上となる領域の面積を測定して得ることができる。
上記第二のハードコート層において、海島状に分散された上記第一の樹脂成分は、上記第二のハードコート層の第一のハードコート層側に偏在して含有されていることが好ましい。このような状態で上記第一の樹脂成分が第二のハードコート層に含まれることで、密着性が良化し、干渉縞を好適に防止することができる。
一方、第一の樹脂成分が、第二のハードコート層の第一のハードコート層側と反対側表面に多く存在すると、耐擦傷性が悪化することがある。
ここで、上記「第二のハードコート層の第一のハードコート層側に偏在して含有されている」とは、上記第二のハードコート層の断面顕微鏡観察により確認することができ、該第二のハードコート層の断面の厚み方向の中点を結ぶ線の第一のハードコート層と反対側(以下、上側領域ともいう)よりも第一のハードコート層側(以下、下側領域ともいう)に上記第一の樹脂成分が多く分散されていることを意味する。
より具体的には、上述した面積率を測定したときに、上記下側領域における第一の樹脂成分の面積率が、上記上側領域における第一の樹脂成分の面積率の1.5〜2.3倍であることが好ましい。
このような第二のハードコート層の膜厚H3は、2〜7μmでることが好ましい。2μm未満であると、本発明の光学積層体の硬度が不充分となることがあり、7μmを超えると、本発明の光学積層体にカールが発生したり、薄膜化の要請に充分に応えることができなかったりすることがある。上記第二のハードコート層の膜厚H3のより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は6μmである。
また、本発明の光学積層体において、上記第二のハードコート層は、表面の鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度が、3H以上であることが好ましい。3H未満であると、本発明の光学積層体のハードコート性が不充分となることがある。なお、上記鉛筆硬度試験は、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験に準ずる試験である。
本明細書において、上記第二のハードコート層の鉛筆硬度試験による硬度は、5回ひっかき試験を行ったうち、1回の引いた長さの3分の1以上の長さに傷が発生した回をNGとし、NGが1回以下であれば合格という基準に基づいて評価した結果を意味する。つまり、5回ひっかき試験を行い、1回傷が発生した場合は「4/5」という記述になり合格となり、また、5回ひっかき試験を行い、4回傷が発生した場合は「1/5」という記述になり不合格となる。
本発明の光学積層体は、100mm×100mm四方の大きさにカットしたサンプルを作製し、該サンプルを静置して筒状となるようにカールさせて筒状体としたとき、上記筒状体の直径が25mm以上であることが好ましい。25mm未満であると、本発明の光学積層体のカールの発生が充分に抑制されていないこととなる。
なお、上記筒状体の直径とは、該筒状体の断面形状が円である場合、該断面形状(円)の直径を意味し、上記筒状体の断面形状が非円形である場合、該断面形状の2点間距離の最大値を意味する。
本発明の光学積層体は、上記条件で作製したサンプルが静置させた後に筒状体とならないことが好ましい。すなわち、本発明の光学積層体を用いてなる上記サンプルは、カールすることで互いに近づく対向した2辺の最短距離が0mmを超えることが好ましい。これは、上記筒状体は、上記サンプルの対向する2辺がカールして重なりあうことで形成されることとなるため、該対向する2辺の最短距離が0mmとなることで上記筒状体が形成され始める。このため、上記サンプルの対向する2辺の最短距離が0mmよりも大きいことで、上記サンプルは筒状体とならないこととなる。
本発明の光学積層体では、上記サンプルがカールを生じていないことがより好ましく、このとき、上記サンプルの2辺は100mmとなる。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材上に、所定のハードコート層と低屈折率層とが形成されたものであるが、必要に応じて任意の層として、上述したハードコート層の他に、他のハードコート層、防汚染層、高屈折率層、中屈折率層等を備えてなるものであってよい。上記防汚染層、高屈折率層、中屈折率層は、一般に使用される防汚染剤、高屈折率剤、中屈折率剤や樹脂等を添加した組成物を調製し、それぞれの層を公知の方法により形成するとよい。
本発明の光学積層体の全光線透過率は、90%以上であることが好ましい。90%未満であると、ディスプレイ表面に装着した場合において、色再現性や視認性を損なうおそれがある。上記全光線透過率は、95%以上であることがより好ましく、96%以上であることが更に好ましい。
本発明の光学積層体のヘイズは、1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。
本発明の光学積層体の製造方法は、光透過性基材上に、上述した第一及び第二のハードコート層用組成物を塗布してハードコート層(第一のハードコート層及び第二のハードコート層)を形成する工程、及び、形成したハードコート層上に上述した低屈折率層用組成物を塗布して低屈折率層を形成する工程を有する方法が挙げられる。
上記ハードコート層及び低屈折率層を形成する方法としては、上述したとおりである。
本発明の光学積層体は、偏光素子の表面に、本発明による光学積層体を該光学積層体における低屈折率層が存在する側の面と反対側の面に設けることによって、偏光板とすることができる。このような偏光板も、本発明の1つである。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等が挙げられる。
上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
本発明は、最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置でもある。
上記画像表示装置は、LCD、FED、ELD(有機EL、無機EL)、タブレットPC、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
上記の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が形成されてなるものである。
本発明が上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側から照射される。なお、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置などの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
本発明の画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、電子ペーパー、タブレットPCなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、液晶パネル、ELD、FEDなどの高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
更に、本発明は、最表面に上記光学積層体を備えてなるタッチパネルであってもよい。
上記タッチパネルとしては特に限定されず従来公知の構成からなるものが挙げられる。
本発明の光学積層体は、上述した構成であるため、反射防止性能に優れるとともに、耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れた低屈折率層を備えたものとなる。
このため、本発明の光学積層体は、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPC等に好適に適用することができる。
本発明の光学積層体を構成する低屈折率層とハードコート層とを模式的に示した断面図である。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(ハードコート層用組成物(1))
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名「KAYARAD DPHA」、日本化薬社製、3官能) 7.0質量部
ウレタンアクリレート(製品名「UV−1700B」、日本合成化学工業社製、10官能) 3.0質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 0.4質量部
メチルエチルケトン 15.0質量部
なお、ハードコート層用組成物(1)中のレベリング剤の固形分質量比は0.10%であった。
(ハードコート層用組成物(2))
ポリエステルアクリレート(製品名「アロニックスM−9050」、東亞合成社製、3官能) 7.0質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 3.0質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 0.4質量部
メチルエチルケトン 15.0質量部
なお、ハードコート層用組成物(2)中のレベリング剤の固形分質量比は0.10%であった。
(ハードコート層用組成物(3))
(第一のハードコート層用組成物)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名「KAYARAD DPHA」、日本化薬社製、3官能) 7.0質量部
ウレタンアクリレート(製品名「UV−7640B」、日本合成化学工業社製、6〜7官能) 3.0質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 0.4質量部
メチルエチルケトン 10.0質量部
(第二のハードコート層用組成物)
ポリエステルアクリレート(製品名「アロニックスM−9050」、東亞合成社製、3官能) 7.0質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート(製品名「ライトアクリレートTMP−A」、共栄社化学製、3官能) 3.0質量部
重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製) 0.4質量部
メチルエチルケトン 5.0質量部
なお、ハードコート層用組成物(3)は、第一のハードコート層用組成物と第二のハードコート層用組成物とを同時塗布するための2液構成であり、該ハードコート層用組成物(3)中のレベリング剤の固形分質量比は0.10%であった。
(低屈折率層用組成物(1))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(2))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.16質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 8.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.10質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.03質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(3))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.14質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 4.44質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.00質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.03質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(4))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径65nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(5))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径60nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(6))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.33質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 12.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.67質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.05質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.02質量部
(低屈折率層用組成物(7))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.27質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 10.75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.48質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.02質量部
(低屈折率層用組成物(8))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径45nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(9))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.13質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 7.19質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 0.97質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.03質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(10))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.14質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径70nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 7.44質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.00質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.03質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(11))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.41質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 14.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.95質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.06質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.03質量部
(低屈折率層用組成物(12))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径40nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
反応性官能基を有する有機シリコーン(X−22−164E、信越化学社製)
0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(低屈折率層用組成物(13))
ペンタエリスリトールトリアクリレート(製品名「KAYARAD PET−30」、日本化薬社製、3官能) 0.20質量部
中空シリカ微粒子分散液(微粒子、日揮触媒化社製、平均粒径55nm、固形分20質量%、メチルイソブチルケトン分散) 0.80質量部
メチルイソブチルケトン 9.10質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 1.20質量部
重合開始剤(イルガキュア127、BASFジャパン社製) 0.01質量部
(実施例1)
光透過性基材として厚さ60μmのトリアセチルセルロース基材(富士フィルム社製、TD60UL)を用意し、該光透過性基材上にハードコート層用組成物(1)を塗布し形成した塗膜を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気中で15秒間、更に、10m/sの流速で70℃の乾燥空気中で30秒間乾燥させた後、窒素雰囲気下、30mJ/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、厚さ4.5μmの第一のハードコート層を形成した。
次いで、第一のハードコート層上に、ハードコート層用組成物(2)を塗布し形成した塗膜を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気中で15秒間、更に、10m/sの流速で70℃の乾燥空気中で30秒間乾燥させた後、窒素雰囲気下、30mJ/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、厚さ6.0μmの第二のハードコート層を形成した。
そして、第二のハードコート層上に、低屈折率層用組成物(1)を塗布し形成した塗膜を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気中で15秒間、更に、10m/sの流速で70℃の乾燥空気中で30秒間乾燥させた後、窒素雰囲気下、150mJ/cmの条件で紫外線照射して硬化させ、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、光学積層体を製造した。
(実施例2〜8)
低屈折率層用組成物(1)に代えて、低屈折率層用組成物(2)〜(8)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜8に係る光学積層体を製造した。
(実施例9)
光透過性基材として厚さ60μmのトリアセチルセルロース基材(富士フィルム社製、TD60UL)を用意し、該光透過性基材上にハードコート層用組成物(3)の第一のハードコート層用組成物と第二のハードコート層用組成物とを、第一のハードコート層用組成物が光透過性基材側となるようにして、同時に塗布し形成した塗膜を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気中で15秒間、更に、10m/sの流速で70℃の乾燥空気中で30秒間乾燥させた後、窒素雰囲気下、30mJ/cmの条件で紫外線を照射して硬化させ、厚さ10.5μmのハードコート層を形成した。
そして、形成したハードコート層上に、低屈折率層用組成物(1)を塗布し形成した塗膜を、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気中で15秒間、更に、10m/sの流速で70℃の乾燥空気中で30秒間乾燥させた後、窒素雰囲気下、150mJ/cmの条件で紫外線照射して硬化させ、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、光学積層体を製造した。
(比較例1〜5)
低屈折率層用組成物(1)に代えて、低屈折率層用組成物(9)〜(13)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1〜5に係る光学積層体を製造した。
(比較例6)
低屈折率層の厚さが70nmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
(反射率)
実施例及び比較例で得られた各光学積層体の裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、低屈折率層の面から、島津製作所製、分光反射率測定器「MPC3100」を用いて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(MPC3100内蔵)で算出される、視感反射率を示す値を反射Y値として求め、下記の基準にて反射率を評価した。
◎:1.0%未満
○:1.0〜1.5%
×:1.5%を超える
(耐ブロッキング性)
実施例及び比較例で得られた光学積層体を、クリーンルーム室内(室温25度、湿度50%)の環境内で、3900m相当分の巻取りを行った。巻取り後、同じくクリーンルーム内で、24時間経過後に、巻返して、貼り付きの状況を評価した。
○:貼り付き発生なし
×:貼り付き発生あり
(耐汚染性)
実施例及び比較例で得られた各光学積層体の表面に、指紋を付着させた後、日本製紙クレシア製キムワイプ(登録商標)を、30往復させて拭き取り、拭き取り性(指紋の残り具合)を、目視にて下記の基準にて耐汚染性を評価した。
◎:10往復以下で完全に拭取れる
○:30往復以下で完全に拭取れる
×:30往復以下では拭取れない
Figure 2017019247
表1に示したように、実施例に係る光学積層体は、いずれも反射防止性能に優れるとともに、耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れたものであった。
これに対し、比較例1に係る光学積層体は、低屈折率層の最表面に接している中空状シリカ微粒子が多かったため、また、比較例2に係る光学積層体は、低屈折率層の中空シリカ微粒子の平均粒径が大きかったため、低屈折率層の表面の算術平均粗さ(Ra)が大きくなって平滑性が劣り、耐汚染性に劣っていた。
また、比較例3に係る光学積層体は、低屈折率層中におけるバインダー樹脂に対する中空状シリカ微粒子の含有量が少なかったため、また、比較例4に係る光学積層体は、中空状シリカ微粒子の平均粒径が小さかったため、低屈折率層の表面の算術平均粗さ(Ra)が小さくなり、反射防止性及び耐ブロッキング性に劣っていた。
また、比較例5に係る光学積層体は、低屈折率層に有機シリコーンを含まなかったため、耐ブロッキング性及び耐汚染性に劣っていた。
また、比較例6に係る光学積層体は、低屈折率層の厚みが薄く低屈折率層の最表面に接している中空状シリカ微粒子が多くなっていたため、低屈折率層の表面の算術平均粗さ(Ra)が大きくなって平滑性が劣り、耐汚染性に劣っていた。
本発明の光学積層体は、上述した構成からなるため、反射防止性能に優れるとともに、耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れた低屈折率層を備えたものとなる。そのため、本発明の光学積層体は、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPC等に好適に適用することができる。
10 光学積層体
11 ハードコート層
12 低屈折率層
13 中空状シリカ微粒子

Claims (6)

  1. 光透過性基材の上に、ハードコート層及び低屈折率層がこの順に形成された光学積層体であって、
    前記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子、バインダー成分及び有機シリコーンを含有するものであり、
    前記中空状シリカ微粒子は、平均一次粒子径が45〜65nmであり、
    前記低屈折率層の厚み方向の断面で任意に選択した幅1μmの領域において、前記低屈折率層の最表面に接している前記中空状シリカ微粒子の個数が20個以下であり、
    前記低屈折率層は、表面のJIS B0601(1992)に規定される算術平均粗さ(Ra)が、0.7〜3.0nmである
    ことを特徴とする光学積層体。
  2. 有機シリコーンは、分子中に反応性官能基を有する請求項1記載の光学積層体。
  3. ケン化処理の前後における低屈折率層の表面の水の接触角の変化率が15%以下である請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. ハードコート層は、光透過性基材側に設けられた第一のハードコート層と、低屈折率層側に設けられた第二のハードコート層とを有し、
    前記第一のハードコート層は、該第一のハードコート層を構成する樹脂成分が前記光透過性基材中に浸透することで形成された浸透層と、前記樹脂成分を主成分とする非浸透層とを有する
    請求項1、2又は3記載の光学積層体。
  5. 浸透層の膜厚をH1とし、非浸透層の膜厚をH2とし、第二のハードコート層の膜厚をH3としたとき、
    前記非浸透層の膜厚と前記第二のハードコート層の膜厚との和(H2+H3)が4〜12μmであり、
    前記浸透層の膜厚と、前記非浸透層の膜厚及び前記第二のハードコート層の膜厚の和との比(H1:H2+H3)が5:95〜45:55である
    請求項4記載の光学積層体。
  6. 浸透層における不飽和二重結合量をU1とし、非浸透層における不飽和二重結合量をU2とし、第二のハードコート層における不飽和二重結合量をU3としたとき、
    前記U1、U2及びU3が、U1>U2>U3の関係を満たす請求項4又は5記載の光学積層体。
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