JP2009069429A - 光学積層体、光学積層体の製造方法、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、光学積層体の製造方法、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐擦傷性及び透明性に優れる低屈折率層を有する光学積層体を提供する。
【解決手段】光透過性基材3、ハードコート層2及び低屈折率層1を有する光学積層体であって、上記低屈折率層は、平均粒子径30〜120nmのアルミナ粒子を、固形分100質量%に対して0.01〜5質量%含む塗布組成物により形成された樹脂層である光学積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体、光学積層体の製造方法、偏光板及び画像表示装置に関する。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の画像表示装置の最表面には、反射防止性を有する低屈折率層等の機能層からなる光学積層体が設けられている。
低屈折率層は、隣接する樹脂層より低い屈折率を有する樹脂層であり、このような層を設けることによって、光を拡散させて、反射防止効果を向上させ、表示品位を良好にすることができるものである。上記低屈折率層は、低屈折率樹脂又は低屈折率剤を添加して形成することが従来より行われている。しかし、低屈折率層はそのような成分から構成されるため、樹脂層の硬度が低く、耐擦傷性が非常に劣るものであった。
他方、樹脂層の強度を高めるためにシリカ微粒子やアルミナ微粒子等の無機微粒子を添加することが知られている。
特許文献1には、透明基材の少なくとも一方の面に、少なくとも1層のハードコート層が形成されているハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料が樹脂100重量部あたり無機微粒子を20〜80重量部含有し、かつハードコート層全体の厚みが10μm〜50μmであり、且つ表面の鉛筆硬度が4H以上であるハードコートフィルムが開示されている。ここでは無機微粒子として、シリカ超微粒子が使用されている。
特許文献2には、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に、硬化塗膜層であるハードコート層を有するハードコートフィルムであって、ハードコート層形成材料が、ウレタンアクリレート(A)、イソシアヌル酸アクリレート(B)及び無機の超微粒子(C)を含むことを特徴とするハードコートフィルムが開示されており、上記無機の超微粒子(C)として、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等が開示されている。
しかし、これらはハードコート層の硬度であって、低屈折率層の硬度を高めるために、屈折率の高いアルミナ微粒子を低屈折率層に添加することは、これまでに検討されていない。
特開2000−112379号公報 特開2006−106427号公報
本発明は、上記現状に鑑みて、耐擦傷性及び透明性に優れる低屈折率層を有する光学積層体を提供することを目的とする。
本発明は、光透過性基材、ハードコート層及び低屈折率層を有する光学積層体であって、上記低屈折率層は、平均粒子径30〜120nmのアルミナ粒子を、固形分100質量%に対して0.01〜5質量%含む塗布組成物により形成される樹脂層であることを特徴とする光学積層体である。
上記塗布組成物は、中空シリカを含むものであることが好ましい。
上記塗布組成物は、フッ素含有樹脂を含むものであることが好ましい。
上記塗布組成物は、バインダー樹脂として官能基数が3以上の多官能(メタ)アクリレート及び/又は官能基数が6以上のウレタン(メタ)アクリレートを含むものであることが好ましい。
上記光学積層体の全光線透過率は、90%以上であることが好ましい。
上記光学積層体は、JIS−K−5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で3H/500g加重以上の硬度を示すものであることが好ましい。
本発明はまた、光透過性基材上にハードコート層を形成する工程、及び、上記ハードコート層上に塗布組成物を塗布することにより低屈折率層を形成する工程を有する光学積層体の製造方法であって、上記塗布組成物は、アルミナ粒子、中空シリカ及び/又はフッ素含有樹脂、並びに、バインダー樹脂を含むものであり、上記アルミナ粒子は、平均粒子径が30〜120nmであり、その含有量は塗布組成物固形分100質量%に対して0.01〜5質量%であることを特徴とする光学積層体の製造方法でもある。
本発明はまた、最表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置でもある。
本発明また、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光板は、偏光素子表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
本発明はまた、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、光透過性基材、ハードコート層及び低屈折率層を有する光学積層体であって、上記低屈折率層は、平均粒子径30〜120nmのアルミナ粒子を、固形分100質量%に対して0.01〜5質量%含む塗布組成物により形成される樹脂層であることを特徴とする光学積層体である。このため、本発明の光学積層体は、耐擦傷性及び透明性に優れるものである。
本発明の光学積層体は、低屈折率層に特定の平均粒子径を有するアルミナ粒子を特定量含むものである。このため、耐擦傷性及び透明性に優れる低屈折率層を有する。
低屈折率層は、光学積層体において屈折率の異なる層を備えることにより、外光による光の反射を防止するための層であり、その屈折率は、ハードコート層等(通常1.5以上)より低く、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.45、更に好ましくは1.40以下で構成されてなるものである。
本発明では、特に上記低屈折率層の耐擦傷性を向上させるために、アルミナ粒子を添加する。特定粒径のアルミナ粒子を添加した塗布組成物をハードコート層に塗布すると、アルミナ粒子が層中において浮いた状態になり表面に露出し得る。このように、表面に近い位置にアルミナ粒子が位置することにより、少量の添加で表面の硬度を高めることができると推察される。
また、アルミナ粒子は屈折率が比較的高い物質であるため、従来のようにアルミナ粒子を多量に添加すると、塗膜の硬度が高まり耐擦傷性を向上させることはできるものの、層の屈折率を高めてしまうため反射防止性能を低下させてしまうおそれがある。本発明では、上述したように、少量の添加で表面の硬度を高めることができるので、透明性や反射防止性能への影響を少なくすることができる。
すなわち、本発明は、低屈折率層において、特定粒子径のアルミナ粒子を特定量添加することにより、透明性及び反射防止性能が良好なまま、耐擦傷性を高めることができることを見出したものである。
本発明の光学積層体における低屈折率層は、平均粒子径30〜120nmのアルミナ粒子を含む塗布組成物により形成される樹脂層である。上記特定粒子径のアルミナ粒子を含むことにより、耐擦傷性を高めることができる。上記平均粒子径が30nm未満であると、塗膜の表面には、凸凹形状が形成されにくく、又は凹凸形状が形成できても微細な凸凹しか形成されず、耐擦傷性を高めることができない。また、耐擦傷性を高めるにはアルミナ粒子の添加量を増やす必要があり、低反射率を達成できないだけでなく、ヘイズが悪化してしまう。120nmを超えると、凸部の数が少なく耐擦傷性を高めることができない。また、ヘイズが悪化してしまう。
なお、上記平均粒子径は、5質量%のメチルエチルケトン分散液として、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を使用して測定して得られた値である。
上記アルミナ粒子の含有量は、上記塗布組成物固形分100質量%に対して、0.01〜5質量%である。0.01質量%未満であると、塗膜の表面には、凸凹が形成されにくく耐擦傷性を高めることができない。5質量%を超えると、屈折率が向上してしまい、低反射化を達成できないだけでなく、ヘイズが悪化してしまう。上記含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
上記アルミナ粒子は、表面処理したものであってもよい。上記表面処理としては、硬度以外の、付与したい性能に応じて、種々の表面処理方法を挙げることができる。
例えば、硬度に加え、滑り性、防汚性を付与するために、Si化、F化する方法が挙げられる。また、帯電防止付与させるために、有機・無機問わず表面処理する方法が挙げられ、硬さを向上させるためにUV反応基を導入する方法や、反射率を下げるためにF化、Si化する方法を挙げることが挙げられる。
上記塗布組成物は、空隙を有する微粒子を含有することが好ましい。上記「空隙を有する微粒子」を含有することにより、低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を1.30〜1.45に調節することができる。上記「空隙を有する微粒子」は、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、被膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系の微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法によって調製されたシリカ微粒子を挙げることができる。特開平7−133105、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であってよい。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダー樹脂と混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
被膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子又は断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業社製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
なかでも、中空シリカであることがより好ましい。
上記「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であることが好ましく、8nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上80nm以下であることが更に好ましい。上記平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。なお、上記平均粒子径は、動的光散乱法等によって測定した値である。上記「空隙を有する微粒子」は、上記低屈折率層中に樹脂100質量部に対して、通常0.1〜500質量部程度、好ましくは10〜200質量部程度とするのが好ましい。
上記塗布組成物は、フッ素含有樹脂を含んでいてもよい。
上記フッ素含有樹脂とは、少なくとも分子中にフッ素原子を含有する重合性化合物又はフッ素原子を含有する樹脂である。重合性化合物は、特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基(電離放射線硬化性基)や熱で硬化する極性基(熱硬化性極性基)等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。また、以下で詳述するバインダー樹脂と結合を形成していてもよい。
フッ素原子を含有する電離放射線硬化性基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ‐2,2‐ジメチル‐1,3‐ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
フッ素原子を含有する熱硬化性極性基を有する重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等を例示することができる。上記熱硬化性極性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基が好ましく挙げられる。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。
電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類、完全または部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
フッ素原子を含有する上記重合性化合物の重合体としては、例えば、上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体;等が挙げられる。
また、これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も、上記重合性化合物の重合体として用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサンや、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示できる。中でもジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
上述した他、更には、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等のイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオール等のフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物;等も、フッ素系樹脂として用いることができる。
上記フッ素含有樹脂の含有量は、低屈折率樹脂として後述するバインダー樹脂固形分100質量部に対して、0質量部より多く100000質量部以下であることが好ましい。
また、防汚性樹脂として含有する場合は、0.1〜30質量部であることが好ましい。
上記低屈折率層を形成するための上記塗布組成物は、上述した成分の他に、バインダー樹脂を含む。上記バインダー樹脂としては、透明性のものが好ましく、例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂を挙げることができる。より好ましくは電離放射線硬化型樹脂である。なお、本明細書において、「樹脂」は、モノマー、オリゴマー等の樹脂成分も包含する概念である。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物を挙げることができる。例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これら(メタ)アクリレートは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたもの等を挙げることができる。
なかでも、上記(メタ)アクリレートは、光学積層体に十分な硬度を付与し得る点で、3官能以上のものであることが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
本発明において使用することのできる上記(メタ)アクリレート樹脂の市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD、KAYAMERシリーズ、例えば、DPHA、PET30、TMPTA、DPCA20、DPCA30、DPCA60、DPCA120、等が挙げられ;東亞合成社製のアロニックスシリーズ、例えば、M315、M305、M309、M310、M313、M320、M325、M350、M360、M402、M408、M450、M7100、M7300K、M8030、M8060、M8100、M8530、M8560、M9050等が挙げられる。また、新中村化学社製のNKエコノマーシリーズ、例えば、ADP51、ADP33等、第一工業製薬社製のニューフロンティアシリーズ、例えば、TMPT、TMP3、TMP15、TMP2P、TMP3P、PET3等が挙げられ、ダイセルユーシービー社製のEbecrylシリーズ、例えばTMPTA、TMPTAN、PETAK、DPHA等が挙げられ、共栄社製のTMP等が挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有するウレタン(メタ)アクリレートでもよい。ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られる。
上記多価アルコールとして、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメチロール、ビス−[ヒドロキシメチル]−シクロヘキサン等、また前記多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール、及び前記多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるカプロラクトンアルコール、及びポリカーボネートポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等)、及びポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA、イソシアヌル酸、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、DPPA等が挙げられる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルイソシアネート等が挙げられる。
上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明において使用することのできる上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、日本合成社製の紫光シリーズ、例えば、UV1700B、UV6300B、UV765B、UV7640B、UV7600B等が挙げられ;根上工業社製のアートレジンシリーズ、例えば、アートレジンHDP、アートレジンHDP−4、アートレジンUN9000H、アートレジンUN3320HA、アートレジンUN3320HB、アートレジンUN3320HC、アートレジンUN3320HS、アートレジンUN901M、アートレジンUN902MS、アートレジンUN903、アートレジンUN904等が挙げられ;新中村化学社製のUA100H、U4H、U4HA、U6H、U6HA、U15HA、UA32P、U6LPA、U324A、U9HAMI等が挙げられ;ダイセルユーシービー社製のEbecrylシリーズ、例えば、1290、5129、254、264、265、1259、1264、4866、9260、8210、204、205、6602、220、4450等が挙げられ;荒川化学社製のビームセットシリーズ、例えば、ビームセット371、ビームセット577等が挙げられ;三菱レーヨン社製のRQシリーズ。大日本インキ社製のユニディックシリーズ等が挙げられ;DPHA40H(日本化薬社製)、CN9006(サーマー社製)、CN968等が挙げられる。この中でも、好ましくは、UV1700B、UV6300B(日本合成社製)、DPHA40H(日本化薬社製)、アートレジンHDP、アートレジンUN3320HS(根上工業社製)、ビームセット371(荒川化学社製)、ビームセット577(荒川化学社製)U15HA、U15H(新中村化学社製)等が挙げられる。
なかでも、上記ウレタン(メタ)アクリレートは、光学積層体に十分な硬度を付与し得る点で、6官能以上のものであることが好ましい。
また、上記電離放射線硬化型樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート等のオリゴマーであってもよい。これらは、2種以上を併用してもよい。
上記電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂と併用して使用することもできる。溶剤乾燥型樹脂を併用することによって、塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができ、これによってより優れた表示品位を得ることができる。上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
本発明の光学積層体において、後述する光透過性基材の材料がトリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂の場合、上記熱可塑性樹脂の好ましい具体例として、セルロース系樹脂、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。セルロース系樹脂を用いることにより、ハードコート層との密着性と透明性とを向上させることができる。更に、上述のセルロース系樹脂の他に、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタアクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記塗布組成物は、上述した成分の他に、その他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤等を挙げることができる。これらは、特に限定されず、公知のものを使用することができる。
上記低屈折率層は、上記塗布組成物を、後述するハードコート層の上に塗布して硬化させることにより形成することができる。上記塗布組成物は、上述したアルミナ粒子、中空シリカ及び/又はフッ素含有樹脂、バインダー樹脂、並びに、その他の成分を溶媒に混合分散させて得ることができる。
上記溶媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、PGME)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ヘプタノン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、PGMEA)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なかでも、分散性、分散安定性、安全性の点において、アルコール系、ケトン、エステル系の溶剤であることが好ましい。
上記塗布の方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等を挙げることができる。
上記低屈折率層は、上記塗布組成物を後述するハードコート層上に塗布した後、必要に応じて加熱し、活性エネルギー線照射により硬化させて形成することができる。
上記活性エネルギー線照射としては、紫外線又は電子線による照射を挙げることができる。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上記低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、
は低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
また、上記低屈折率層は下記数式(II):
120<n<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
本発明の光学積層体は、光透過性基材を有する。
上記光透過性基材としては、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度とに優れたものであることが好ましい。上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又はポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、トリアセチルセルロースが挙げられ、より好ましくはトリアセチルセルロースである。
上記光透過性基材としては、また、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムも使用することができる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等が用いられている基材であり、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製 スミライトFS−1700、JSR社製 アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製 アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Topas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製 オプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
上記光透過性基材の厚みは、20〜300μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。光透過性基材が板状体の場合にはこれらの厚さを超える厚さであってもよい。基材は、その上にハードコート層を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明の光学積層体はハードコート層を有する。上記ハードコート層は、JIS 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものであることが好ましい。上記ハードコート層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μmであることが好ましく、0.8〜20μmであることがより好ましい。上記ハードコート層は、上述したバインダー樹脂、溶剤及び任意成分を含むハードコート層形成用組成物により形成することができる。
上記溶剤としては、上記低屈折率層を形成するための塗布組成物において使用することができる溶剤と同様のものを挙げることができる。
上記任意成分としては、例えば、防眩剤、帯電防止剤、光重合開始剤、架橋剤、硬化剤又は重合促進剤等を挙げることができる。これらは光学積層体の分野において公知のものを使用することができる。
上記ハードコート層は、上記ハードコート層形成用組成物を、例えば、光透過性基材上に塗布して、硬化させることにより形成することができる。
上記塗布の方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、低屈折率層の項で説明したものと同様であってよい。塗布量は、特に限定されないが、一般に0.5〜30g/mであることが好ましい。
上記ハードコート層形成用組成物の硬化手段もまた、低屈折率層の項で説明したのと同様であってよい。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材上にハードコート層及び低屈折率層が順に形成されたものである。上記光学積層体は、上述した層の他にも必要に応じて、任意の層として防汚層、防眩層、帯電防止層、中屈折率層又は高屈折率層等を備えているものであってよい。上記防汚層、防眩層、帯電防止層、高屈折率層、中屈折率層は、一般に使用される防汚染剤、防眩剤、帯電防止剤、高屈折率剤、中屈折率剤と樹脂等を添加した組成物を調製し、それぞれの層を公知の方法により形成するとよい。
本発明の光学積層体の一態様について、図1を用いて説明する。図1は、上から順に、低屈折率層1、ハードコート層2、光透過性基材3を備えてなる光学積層体を示す。本発明の光学積層体は、目的に応じて任意の層からなるものであってもよく、上述した態様に限定されないものである。
上記光学積層体の全光線透過率は、91%以上であることが好ましい。91%未満であると、ディスプレイ表面に装着した場合において、色再現性を損なうおそれがある。上記全光線透過率は、95%以上であることがより好ましい。
上記光学積層体のヘイズ値は、0.7%以下であることが好ましい。0.7%を超えると、ディスプレイ表面に装着した場合において、色再現性を損なうおそれがある。上記ヘイズ値は、0.3%以下であることがより好ましい。
上記光学積層体は、JIS−K−5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で3H/500g加重以上の硬度を示すものであることが好ましい。
上記光学積層体の製造方法は、光透過性基材上にハードコート層を形成する工程、及び、上述した成分、すなわち、特定粒子径を有する特定量のアルミナ粒子、中空シリカ及び/又はフッ素含有樹脂、並びに、バインダー樹脂を含む塗布組成物を、ハードコート層上に塗布して低屈折率層を形成する工程を有するものである。そのような光学積層体の製造方法もまた、本発明の一つである。
本発明の光学積層体は、偏光素子の表面に、上記光学積層体を、上記光学積層体におけるハードコート層が存在する面と反対の面に設けることによって、偏光板とすることができる。このような偏光板も、本発明の一つである。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
本発明は、最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置でもある。上記画像表示装置は、LCD等の非自発光型画像表示装置であっても、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等の自発光型画像表示装置であってもよい。
上記非自発光型の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が形成されてなるものである。
本発明が上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記自発光型画像表示装置であるPDPは、表面ガラス基板と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した光学積層体を備えるものでもある。
上記自発光型画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
本発明の光学積層体は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、CRT、液晶パネル、PDP、ELDなどの高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明の光学積層体は、上述した構成からなるものであるため、耐擦傷性及び透明性に優れるものである。このため、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等に好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(製造例1 ハードコート層形成用組成物)
ハードコート層形成用組成物として、下記に示す成分を混合して調製した。
ウレタンアクリレート(UV1700B,日本合成製) 5質量部
イソシアヌル酸変性トリアクリレート(M315、東亜合成) 5質量部
重合開始剤(イルガキュア184;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.4質量部
メチルエチルケトン 10質量部
(製造例2 低屈折率層形成用組成物1)
低屈折率層形成用組成物1として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例3 低屈折率層形成用組成物2)
低屈折率層形成用組成物2として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.06質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例4 低屈折率層形成用組成物3)
低屈折率層形成用組成物3として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.16質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例5 低屈折率層形成用組成物4)
低屈折率層形成用組成物4として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径30ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例6 低屈折率層形成用組成物5)
低屈折率層形成用組成物5として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径100ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例7 低屈折率層形成用組成物6)
低屈折率層形成用組成物6として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
フッ素化アクリレート(LINC3A;共栄社化学製) 0.58質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.00質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例8 低屈折率層形成用組成物7)
低屈折率層形成用組成物7として、下記に示す成分を混合して調製した。
フッ素化アクリレート(LINC3A;共栄社化学製) 0.58質量部
フッ素ポリマー(AR110、固形分20質量%溶液;ダイキン化学工業製)2.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 0.5質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例9 低屈折率層形成用組成物8)
低屈折率層形成用組成物8として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径10ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例10 低屈折率層形成用組成物9)
低屈折率層形成用組成物9として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径150ナノメートル) 0.04質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例11 低屈折率層形成用組成物10)
低屈折率層形成用組成物10として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 0.0001質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
(製造例12 低屈折率層形成用組成物11)
低屈折率層形成用組成物11として、下記に示す成分を混合して調製した。
「空隙を有する」処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分は20質量%溶液;メチルイソブチルケトン、粒径50ナノメートル) 11.5質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1.58質量部
アルミナ粒子(粒径40ナノメートル) 1.0質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.1質量部
シリコーンオイル(X22164E;信越化学社製) 0.1質量部
メチルイソブチルケトン 32質量部
PGME 20質量部
実施例1
透明基材(厚み80μmトリアセチルセルロース樹脂フィルム(富士写真フイルム(株)製、TF80UL)を準備し、フィルムの片面に、上記ハードコート層形成用組成物を塗布し、温度50℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が50mJになるように照射して塗膜を硬化させることにより、15g/cm(乾燥時)のハードコート層を形成した。
次に、形成されたハードコート層上に、上記低屈折率層形成用組成物1を塗布し、温度50℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が50mJになるように照射して塗膜を硬化させることにより低屈折率層を形成し、基材、ハードコート層、低屈折率層からなる光学積層体を調製した。
実施例2〜7
実施例1において、低屈折率層形成用組成物1の代わりに、上記低屈折率層形成用組成物2〜7を使用した点以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を調製した。
比較例1〜4
実施例1において、低屈折率層形成用組成物1の代わりに、上記低屈折率層形成用組成物8〜11を使用した点以外は、実施例1と同様にして、光学積層体を調製した。
上記で得られた光学積層体について、下記の評価方法で評価を行った。結果を表1に示す。
耐擦傷性試験性(耐SW性)
低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重(300g/cm)で10往復摩擦し、その後の塗膜の剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
評価 ○;傷なし(塗膜の剥がれが全くなかった)
評価 ×;傷あり(塗膜の剥がれがあった)
全光線透過率
全光線透過率(%)は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に従い測定した。
○:全光線透過率91%以上
×:全光線透過率91%未満
ヘイズ値
ヘイズ値(%)は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に従い測定した。
○:ヘイズ値0.7%以下
×:ヘイズ値0.7%を超える
Figure 2009069429
表1より、実施例の光学積層体は、硬度、透過性の双方に優れたものであったが、比較例のものは、硬度と透過性の双方に優れるものではなかった。
本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等に好適に適用することができる。
本発明の光学積層体の概要図の一例である。
符号の説明
1 低屈折率層
2 ハードコート層
3 光透過性基材

Claims (10)

  1. 光透過性基材、ハードコート層及び低屈折率層を有する光学積層体であって、
    前記低屈折率層は、平均粒子径30〜120nmのアルミナ粒子を、固形分100質量%に対して0.01〜5質量%含む塗布組成物により形成された樹脂層である
    ことを特徴とする光学積層体。
  2. 塗布組成物は、中空シリカを含む請求項1記載の光学積層体。
  3. 塗布組成物は、フッ素含有樹脂を含む請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 塗布組成物は、3官能以上の(メタ)アクリレート、及び/又は、6官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項1、2又は3記載の光学積層体。
  5. 全光線透過率が90%以上である請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
  6. JIS−K−5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で3H/500g加重以上の硬度を示すものである1、2、3、4又は5記載の光学積層体。
  7. 光透過性基材上にハードコート層を形成する工程、及び、前記ハードコート層上に塗布組成物を塗布することにより低屈折率層を形成する工程を有する光学積層体の製造方法であって、
    前記塗布組成物は、アルミナ粒子、中空シリカ及び/又はフッ素含有樹脂、並びに、バインダー樹脂を含むものであり、
    前記アルミナ粒子は、平均粒子径が30〜120nmであり、その含有量は塗布組成物固形分100質量%に対して0.01〜5質量%である
    ことを特徴とする光学積層体の製造方法。
  8. 最表面に請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  9. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。
  10. 最表面に請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体、又は、請求項9記載の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置。
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