JP5596367B2 - パターン製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、本発明は、該微細パターン製造方法によって製造された微細パターン付き基板、該微細パターン付き基板を含む光源装置および画像表示装置に関する。
さらに、近年、特に、モールドのパターンが細かく(例えば、1nm〜10μmの領域)なっており、モールドを大面積にしたりするなどの検討が進むと、剥離性の悪化が顕著になる傾向がある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、パターン精度に優れ、かつ、基板密着性とモールド剥離性に優れたパターン製造方法を提供することを目的とする。更には力学特性などの永久膜特性に優れた微細パターン製造方法を提供することを目的とする。
(1)少なくとも、
(A)基板またはモールド上に同時または逐次に組成の異なる少なくとも2種の硬化性組成物であって、重合性単量体と重合開始剤を含む硬化性組成物を適用し、硬化性組成物層を形成する工程、
(B)モールドまたは基板を硬化性組成物層に接触させ、基板とモールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチする工程、
(C)硬化性組成物層を硬化する工程、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物層から剥離する工程
を該順に有する微細パターン製造方法において、
基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq1)がモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq2)よりも大きいことを特徴とするパターン製造方法。
(2)前記(A)において、基板またはモールド上に3種以上の硬化性組成物を適用することを特徴とする、(1)に記載のパターン製造方法。
(3)前記パターンが、1nm〜10mmの凹凸間のピッチ、凹部の幅、または、凸部の高さを有する(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記(A)において、少なくとも2種の硬化性組成物を、基板またはモールド上に、同時に塗布することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載のパターン製造方法において、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物中のカチオン重合性単量体含有率(K1)がモールドに隣接する層を構成するカチオン重合性単量体含有率(K2)よりも大きいことを特徴とする、パターン製造方法。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載のパターン製造方法において、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物が基板を膨潤または溶解する有機溶剤を含有し、かつ、基板に隣接する層の硬化性組成物中の有機溶剤含有率(Y1)がモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の有機溶剤含有率(Y2)よりも大きいことを特徴とするパターン製造方法。
(7)前記基板に隣接する層を構成する硬化性組成物中の有機溶剤の含有量が硬化性組成物の溶剤を除く成分の1〜200質量%である、(6)に記載のパターン製造方法。
(8)硬化性組成物の少なくとも1種が離型剤を含有し、該離型剤が含シリコーン系化合物、含フッ素系化合物、含シリコーンかつ含フッ素系化合物、または直鎖脂肪族系アルキル系離型剤から選ばれる少なくとも1種である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(9)モールドが無機材料であり、基板が樹脂材料である(1)〜(8)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(10)前記(C)において、硬化性組成物が光照射により硬化開始される、(1)〜(9)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(11)前記(D)の後に更に、硬化性組成物層の硬化をさらに進める工程を有する、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のパターン製造方法
(12)前記硬化性組成物の主成分が(メタ)アクリレートである、(1)〜(11)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(13)前記硬化性組成物における溶剤の含有量が5質量%以下である、(1)〜(5)、(8)〜(12)のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
(14)少なくとも、
(A)基板またはモールド上に同時または逐次に組成の異なる少なくとも2種の硬化性組成物であって、重合性単量体と重合開始剤を含む硬化性組成物を適用し、硬化性組成物層を形成する工程、
(B)モールドまたは基板を硬化性組成物層に接触させ、基板とモールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチする工程、
(C)硬化性組成物層を硬化する工程、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物層から剥離する工程、
を該順に有する微細パターン製造方法において、
基板に隣接する層を構成するの硬化性組成物中の可塑剤含有率(P1)がモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の可塑剤含有率(P2)よりも大きいことを特徴とする、パターン製造方法。
(15)(1)〜(14)のいずれか1項に記載のパターン製造方法を用いて形成された微細パターン付き基板。
(16)基板上にモールドのパターンが写し取られて形成された硬化性組成物からなる層を硬化してなる微細パターン付き基板において、硬化後の硬化性組成物からなる層中で基板に垂直方向に可塑剤の含有率に分布を有する微細パターン付き基板。
(17)前記微細パターン付き基板が複製されたモールドパターンである(15)または(16)の微細パターン付き基板。
(18)(15)または(16)に記載の微細パターン付き基板を有する光学部材。
(19)(15)または(16)に記載の微細パターン付き基板または(18)に記載の光学部材を含む光源装置または画像表示装置。
なお、本発明でいう“インプリント”は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズの微細パターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。
以下に、本発明のパターン製造方法について説明する。本発明のパターン転写はそのサイズは特に定めるものではないが、例えば、1nm〜10mmの凹凸間のピッチ、凹部の幅、または、凸部の高さを有するパターン転写に適用でき、さらには、10nm〜100μmの凹凸間のピッチ、凹部の幅、または、凸部の高さを有するパターン転写に適用でき、特には、50nm〜10μmの凹凸間のピッチ、凹部の幅、または、凸部の高さを有するパターン転写に適用できる。
本発明のパターン製造方法は、少なくとも、
(A)基板またはモールド上に同時または逐次に組成の異なる少なくとも2種の硬化性組成物であって、重合性単量体と重合開始剤を含む硬化性組成物を適用し、硬化性組成物層を形成する工程、
(B)モールドまたは基板を硬化性組成物層に接触させ、基板とモールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチする工程、
(C)硬化性組成物層を硬化する工程、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物層から剥離する工程
を該順に有する微細パターン製造方法において、
基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq1)がモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq2)よりも大きいことを特徴とする。
本発明における硬化性組成物は、基板またはモールド上に同時に適用しても良いし、逐次に適用してもよいが、好ましくは同時に適用する場合である。また、硬化性組成物を適用する方法は公知の方法を採用できるが、塗布が好ましい。これらの詳細については後述する。
3種以上の硬化性組成物を積層する場合には、前記2種の硬化性組成物の間の中間層に、目的に応じて任意の硬化性組成物を用いることができる。これら層には、永久膜特性(力学特性等)に優れる組成物、紫外線吸収剤、屈折率調節剤、光散乱剤、着色剤、可塑剤、導電性化合物、酸化防止剤、光学異方性材料などの成分を含有させることができる。
また、硬化性組成物からなる層の合計厚みは、必要なパターンに応じて任意に設定できるが、好ましくは100nm〜200μmであり、更に好ましくは200nm〜100μmであり、特に好ましくは1μm〜30μmである。また、モールドパターンの凹凸差の最大値に対して、硬化性組成物からなる層の合計厚みは、50%〜1000%が好ましく、100%〜500%がさらに好ましい。この範囲にすることで、パターンの転写精度に優れ、剥離性と密着性を両立できる。
本発明において膜厚とは、基板またはモールドの主平面上に凹凸がないと仮定した場合の面積をSとし、面積Sの領域に塗設された硬化性組成物の塗設量をLとした場合に、L/Sによって算出される値いう。
本発明に用いることのできる硬化性組成物(以下「本発明の組成物」ということがある)は、(a)重合性単量体および(b)重合開始剤、必要に応じて(c)可塑剤等を有する硬化性組成物であって、該組成物の粘度は、3〜1000mPa・sのものを用いることができ、3〜300mPa・sのものが好ましい。パターン形成の精度向上、モールド剥離性の向上、の点からは低粘度の組成物が好ましい。また、インプリント時の硬化性組成物層が3μmを超えるような厚い場合には、高い粘度が好ましい。本発明においては、モールドパターンの表面の形状や凹凸の頻度、硬化後の微細パターンに求められる物理的性質(弾性率等)などを考慮して、必要な粘度になるように、粘度や官能基数の異なる重合性単量体を混合して用いることが好ましい。
本発明に用いることができる硬化性組成物は、各種重合性単量体や可塑剤を混合して用いることができ、以下に述べる積層形態をとることが好ましい。
材料選択に制限は無いが、硬化性官能基当量(Meq)を調節する好ましい方法としては、相溶性の点からは以下が好ましい。
例えば、トリオール誘導体から合成されるトリ(メタ)アクリレート類を例に説明すると、トリオールの分子量を変えることで、硬化性官能基当量(Meq)を変えることができる。別の方法としては、連結基として変性基を導入することにより、硬化性官能基当量(Meq)を変えることができる。変性基としてはEO変性、PO変性、カプロラクトン変性などが好ましい。
これら、硬化性モノマーが共通の構成成分から誘導されて合成された構造のもの同士は相溶性が高く、同一硬化性組成物中でもよく混和し、隣接層に用いた場合でも層界面でのはじき等の故障が少なく好ましい。また、同様に共通の構成成分から、不飽和二重結合を導入する際の連結基の構造をエステルからウレタン等のように変更しても、硬化性官能基当量(Meq)を変えることができ、同様の効果が得られる。また、硬化性官能基当量(Meq)の異なるモノマーを2種以上混合することにより、硬化性官能基当量(Meq)を細かく調節することができ好ましい。好ましい混合形態としては、硬化性組成物中で硬化性官能基当量(Meq)の小さいモノマーを基準として、該モノマーに対して硬化性官能基当量(Meq)の大きいモノマーを150質量%以下の割合で混合するものであり、更に好ましくは100質量%以下、最も好ましくは3質量%〜60質量%の割合で混合する形態である。
基板に隣接する層を構成する硬化性組成物に少なくとも1種のカチオン重合性単量体を含有することで、基板との密着性が改良でき、(K1)>(K2)であることでモールドからの離型性に優れるので好ましい。(K1)は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、20〜90質量%がさらに好ましい。(K2)は、0〜90質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、0〜10質量%がさらに好ましい。この範囲にすることで、基板近傍の硬化膜の柔軟性及び密着性が良好であり、かつ積層する隣接層との密着性が良好となる傾向にある。
基板との密着性に加えて、硬化層全体の弾性率を高めるという点からは、基板に隣接する層の、硬化性組成物からなる層の合計厚みに対する厚みは、1〜50%が好ましく、2〜40%がより好ましく、5〜35%がさらに好ましい。
基板に隣接する層を構成する硬化性組成物に含ませる有機溶剤の量は、該層の有機溶剤を除く硬化性組成物の質量に対して、1〜200質量%が好ましく、更に好ましくは2〜100%、最も好ましくは3〜50%である。この範囲にすることで、基板と硬化性組成物との密着力が強くなり、基板密着の改良と同時にモールド離型性を改良することができる。
第1の態様は、硬化性組成物の粘度が20mPa・s以下の低粘度でパターン形成性を特に重視したブレンド形態であり、単官能重合性単量体と2官能重合性単量体を主として用いる。全重合性単量体中で、単官能重合性単量体と2官能重合性単量体の合計は80質量%以上が好ましい。単官能重合性単量体は10〜100質量%で使用することができ、10〜80質量%が好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。また、弾性率を重視するには2官能重合性単量体は好ましくは50質量%以上であり、70〜90質量%がさらに好ましい。
第2の態様は、硬化性組成物の粘度が6〜300mPa・s程度でパターン形成性と厚膜適性を重視したブレンド形態で、2官能〜6官能の重合性単量体を主として用いる。全重合性単量体中で、2官能〜6官能の重合性単量体の合計は80質量%が好ましい。中でも2官能〜4官能の重合性単量体の合計は30〜100質量%が好ましく、さらに好ましくは60〜90質量%である。さらに、本発明では、硬化性組成物中に含まれる重合性単量体のうち、2官能〜4官能の重合性単量体が60〜90質量%を占める態様において、更に単官能または5官能から6官能の重合性単量体を併用することが特に好ましい。この態様によれば、硬化性組成物の粘度や硬度の調節がしやすく、パターン形成性、厚膜適性、基板密着性などを付与することが容易である。
第3の態様は、硬化性組成物の粘度が90〜1000mPa・sの高粘度で弾性率と厚膜適性を重視したブレンド形態で、3官能以上の高粘度の重合性単量体を主成分として用いる。全重合性単量体中で、粘度が100mPa・s以上で3官能以上の重合性単量体の合計は50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは70〜95質量%である。また、3官能以上の重合性単量体と併用して、単官能重合性単量体を用いることが硬化収縮の低減の点で好ましく、全重合性単量体中3〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%である。
本発明で用いる重合性単量体は、重合性基を有するものが広く採用できる。重合性基の種類は、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、より好ましくは、(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。また、2つ以上の重合性基を有する重合性単量体は、それぞれの重合性基が同一であってもよいし、異なっていても良い。
本発明で用いる重合性単量体の分子量は、低粘度の組成物を構成するには、分子量1000以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、本発明における硬化性組成物の粘度をより低く抑えることが可能になる。本発明で用いる重合性単量体の分子量の下限値は、特に定めるものではないが、通常は、100以上である。
具体的には、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好適である。
オキシラン環を有する化合物としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
ビニルエーテル化合物は公知のものを適宜選択することができ、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0057に記載のものを好ましく採用することができる。
本発明で用いられる可塑剤は、光透過性基材に柔軟性を与え、寸法安定性を向上させ、耐湿性を向上させるために添加される成分である。
これらの好ましい可塑剤は、25℃においてTPP(融点約50℃)以外は液体であり、沸点も250℃以上である。
一方、薄膜化の観点から、基板を膨潤又は溶解する観点から、また、塗布性を付与する観点から、有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤で希釈することで粘度の調整が可能となり、薄膜塗布が容易になるという利点がある。
本発明における硬化性組成物は、光および/または熱の作用によりラジカル、酸または塩基を発生させる重合開始剤を含有する。これがトリガーとなり硬化反応を進行させる。なかでも、硬化材料の選択の自由度が高いこと、硬化反応に必要な時間が短いこと、製造装置が小型化できること、等の点から、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤を含有することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
「最新UV硬化技術」、(株)技術情報協会、1991年、p.159、および、「紫外線硬化システム」 加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。また、本発明で使用される光重合開始剤の具体的化合物の例としては、特開2008−105414号公報の段落番号0091に記載のものを好ましく採用することができる。
本発明における硬化性組成物のうち、少なくとも、モールドに隣接する層に用いられる組成物は、離型剤を含むことが好ましい。離型剤を使用することで、硬化性組成物の塗膜面状が改良され、パターン精度が向上する傾向にある。本発明に用いられる離型剤を、モールドに隣接する層に用いられる組成物は、例えば、0.01〜10質量%含有し、好ましくは0.1〜10質量%であり、さらに好ましくは、1〜8質量%である。2種類以上の離型剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。一方、基板に隣接する層に用いられる組成物は、離型剤を、好ましくは4質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは、0.1質量%以下の割合で含み、全く含まないことが最も好ましい。中間層に用いられる組成物については離型剤を、好ましくは4質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは、0.1質量%以下の割合で含み、全く含まないことも好ましい。 尚、上記含量は、組成物中の溶剤を除く成分に対する含量である。
このような界面活性剤を用いることにより、塗布均一性を大幅に改良でき、ダイコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
HLBの値により好ましい使用量が異なり、HLB値が6〜8.5の場合には、硬化性組成物中0.5〜3.0重量%、好ましくは、0.7〜2.0重量%含み、HLBが8.5を超え〜11である場合には2.0〜5.0質量%、好ましくは、2.5〜4.0重量%含む。
一つのポリシロキサン分子に前記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。特に、組成物中に配合される他の塗膜形成成分に対して反応性がある反応性シリコーンオイルを用いる場合には、本発明における硬化性組成物を硬化した硬化膜中に化学結合よって固定されるので、当該硬化膜の密着性阻害、汚染、劣化等の問題が起き難い。特に、蒸着工程での蒸着層との密着性向上には有効である。また、(メタ)アクリロイル変性シリコーン、ビニル変性シリコーン等の、光硬化性を有する官能基で変性されたシリコーンの場合は、本発明における硬化性組成物と架橋するため、硬化後の特性に優れる。
また、これら化合物の具体例は、特開2007−108726号公報の段落番号0136〜0141、特開2007−114772号公報の段落番号0129〜0152、特開2007−272197号公報の段落番号0039〜0058に記載されている。
また、ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、SF8427、SH3749、FZ−77、L−7002、SH8400、SH3773M、FZ−2208(以上、東レダウコーニング社製)、KF−352A、KF−353、KF−615A、KF−6012(以上、信越シリコーン社製)、などが挙げられる。
また、(メタ)アクリル変性シリコーン系化合物の例としては、信越化学(株)製、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−164B、X22−164C、X−22−1821や、チッソ(株)製、FM−0725、FM−7725、FM6621、FM−1121、サイラプレーンFM0275、サイラプレーンFM0721やGelest製DMS−U22、RMS−033、RMS−083、UMS−182、DMS−H21、DMS−H31、HMS−301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221などが挙げられる。
本発明で用いる組成物には、凹凸パターンを有する表面構造の耐熱性、強度、或いは、基材との密着性を高めるために、密着改良剤として有機金属カップリング剤を配合してもよい。また、有機金属カップリング剤は、熱硬化反応を促進させる効果も持つため有効である。前記有機金属カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。なかでもシランカップリング剤が密着改良性及び経時安定性の点で好ましい。
さらに、本発明における硬化性組成物には、公知の酸化防止剤を含めることができる。酸化防止剤を含むことにより、透明性を向上させることができる。本発明に用いられる酸化防止剤は、溶剤を除く全組成物中、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、1.0〜5質量%がもっとも好ましい。2種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
透過率は、90%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、99%以上が特に好ましい。
本発明における硬化性組成物には前記成分の他に必要に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、着色剤、エラストマー粒子、屈折率調節剤、無機酸化物ナノ微粒子、光散乱性粒子、熱可塑性樹脂、光酸発生剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
これらは、特開2009−73078号公報等の記載を参酌することができる。
同時に2層以上の層を積層できる塗布の装置については、特開2004−50535号公報、特開2007−121426号公報、特開2003−164788号公報等に記載のものを用いることが好ましい。
また基板の性能や用途としては、光学フィルム、位相差膜、蒸着膜、磁性膜、反射膜、反射防止膜、TFTアレイ基板、PDPの電極板、導電性基板、絶縁性基板であってもよい。また、これら例示の材料の上に有機及び又は無機の材料からなる層が形成されたものを基板として用いることもできる。基板の形状は、板状でも良いし、ロール状でもよい。
モールドは、無機材料、樹脂、または樹脂中に無機材料を含むものから選択することができる。特に硬化性組成物中に有機溶剤を含ませて、基板への密着性を改良する場合には、モールドには有機溶剤が浸透しないことが好ましく、モールドの材料は無機材料であることが好ましい。
反射防止性能を示す所謂モスアイを形成するためのモールドには、アルミニウムを陽極酸化することで得られる陽極酸化ポーラスアルミナを用いることが好ましい。陽極酸化ポーラスアルミナのモールドの製造法については、特開2003−43203号公報や特開2008−209867号公報に記載されている。モールドに用いることのできる材料としては、上記基板に用いることのできる材料として挙げたものを用いることができる。
本発明においてモールド側から光照射する際に用いられる光透過性モールド材は、光透過性の無機材料(ガラス、石英、石英ガラスなどの金属酸化物)、光透過性の有機樹脂(PMMA、ポリカーボネート樹脂など)、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの光透過性柔軟膜、光透過性光硬化膜等が例示される。
特に、繰り返し用いた場合の耐久性、形成精度、モールドの加工の容易性の観点から、モールドを形成する材料は、無機材料が好ましく、特に金属酸化物(ガラス、石英、アルミナ等)が好ましい。
本発明に使用できるモールドの形状は板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。本願の製造方法では、繰り返し使用時のモールド汚れが改善されるため、ロール状モールドを用いた連続製造に有効である。
本発明における硬化性組成物が熱重合開始剤を含有する場合には、基板および/またはモールドの温度を上げることにより硬化を開始することができ、その温度は150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分が好ましく、15〜45分がより好ましい。
密着性改良剤として用いられる有機金属化合物とモールドとの反応を抑制しつつ基板との反応を進めるという点では、ポストベーク工程を用いることが好ましい。
(1)D1≧D2≧D3≧D4>D5
(2)[(D5+D4)/(D2+D1)] ≦0.80
(3)0≦[D5/D1)]≦0.5
更に好ましくは、
(1)D1≧D2≧D3≧D4>D5
(2)[(D5+D4)/(D2+D1)] ≦0.50
(3)0≦[D5/D1)]≦0.25
最も好ましくは、
(1)D1≧D2≧D3>D4>D5
(2)[(D5+D4)/(D2+D1)] ≦0.10
(3)0≦[D5/D1)]≦0.10
である。
・装置:Physical E1ectronics(PHI)社製 TRIFTII
・一次イオン:Ga+(15kV)
・アパーチャー:No.3(Ga+電流量:600pA相当)
・マッピング点数:256×256点
・検出する二次イオン質量:0〜1000amu[amu;atom massunit]
・積算時間:60分
本発明の表示装置としては既述の本発明における硬化性組成物を硬化してなる微細パターンを有するものであれば、特に限定するものではなく、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、GH(Guest Host)のような様々な表示モードが採用できる。
表1に示す各素材を混合し、十分に攪拌してインプリント用塗布組成物CS01〜CS11を調製した。
・DPGA:ジプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・サイテック株式会社製)2官能、Meq=121
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM-309、東亜合成社製)3官能、Meq=98.7
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アロニックスM-405、東亜合成社製)6官能、Meq=96.3
・EO変性TMPTA:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM-360、東亜合成社製)3官能、Meq=186.7
・ビニル重合体1:重量平均分子量約19,000、Meq=483、特開2007−261253号公報合成例2のビニル重合体(不揮発分60%メチルエチルケトン溶液)
・エポキシ樹脂:3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート(UVR-6110、ダウ・ケミカル社製)2官能、Meq=126
・オキセタン樹脂:ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT-221、東亜合成社製)2官能、Meq=107
・TPO−L:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製)
・IRG−250:カチオン重合開始剤イルガキュアー250(チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・ATBC:アセチルトリブチルシトレート(旭化成ファインケム製、ATBC)
・TOTM:トリメリット酸トリオクチル(ハイケム製、TOTM)
・X−22−160AS:シリコーン系離型剤(信越化学製)
表1の組成で調製した組成物を用いて以下の工程で塗膜を形成しインプリントを行った。
インプリント用塗布組成物CS01とCS02を2層からなるダイコーターを用いてCS02がガラス基板側になるように同時にガラス基板上に塗布し、塗布基膜を作成した。この際CS02組成物の膜厚が3μm、CS01組成物の膜厚が7μmになるように突出量を調節した。塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、真空度10Torrに減圧した。次いでモールド加圧力0.8kNで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが4.0μmの石英ガラスを材質とするフッ素系のシランカップリング剤で疎水化処理されたモールドを押し付けた。モールド表面から250mJ/cm2の条件で露光し基膜を硬化させた、硬化後、モールドを剥離し、試料No.101を作成した。
試料No.101の作成工程において、用いるインプリント用塗布組成物の組成及び構成を表2の様に変更した以外は試料No.101と同様にして、試料No.102〜113を作成した。尚、試料No.113は、下層を塗布した後にその上に上層1を塗布(逐次塗布)した。これらの試料を用いて、以下の評価を行った。
硬化後の試料を用い、微細パターンの形状を干渉型表面解析装置(NewView 7300、Zygo社製)にて観察し、パターン形状を以下の基準により評価した。なお、原版との比較は、ライン部全幅の平均高さを50μmの長さに渡って測定し、隣接するスペース部の平均高さを50μmの長さに渡って測定し、それぞれの平均高さの差を原版の高さ(4.0μm)と比較することで行った。
A:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンと実質同一である(原版のパターンと3%未満の範囲)。
B:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状とほぼ同一である(原版のパターンと3%以上8%未満の範囲)。
C:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と若干異なる(原版のパターンと8%以上15%未満の範囲)。
D:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンと異なる(原版のパターンと15%以上25%未満の範囲)。
E:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンと大きく異なる(原版のパターンと25%以上異なる)。
上記微細パターンの製造において、塗布基膜にモールドを密着させ露光した後モールドを剥離する際に、硬化した組成物とモールドの剥離挙動を観察し、以下のように評価した。
A:硬化した組成物とモールドが、抵抗なく剥離した。
B:硬化した組成物とモールドを剥離する際、抵抗があり、剥離音が聞こえた。
C:硬化した組成物とモールドを剥離する際、抵抗があり、超音波をかけると剥離できた。
D:硬化した組成物の一部がモールド側に付着する、あるいは、塗布基板からはがれてしまう。
E:硬化した組成物が半分以上モールド側に付着し、正常な剥離ができない。
上記微細パターンの製造において、全てのパターン形成工程を繰り返し行い、モールド表面を目視、および光学顕微鏡で観察し、モールド汚れを以下のように評価した。
A:20回繰り返し後にも、モールド表面に汚れは観察されない。
B:10回繰り返し後に、モールド表面にオイル状もしくは硬化物破片が観察された。
C:5回繰り返し後に、モールド表面にオイル状もしくは硬化物破片が観察された。
D:1回パターン形成後、硬化した組成物が部分的にモールドに付着した。
E:1回パターン形成後、硬化した組成物がモールドに付着してしまい、モールドのほぼ全面が汚れた。
上記微細パターンの製造において、塗布基膜にモールドを密着させ露光硬化後モールドから剥離した試料を用い、パターン表面に18mm幅の積水化学製の粘着テープ(品番252)を貼り付け、5回指で擦ったあと粘着テープを剥離し、硬化膜の様子を観察し、以下のように評価した。
A:硬化した組成物は全く剥がれなかった。
B:硬化した組成物の極一部(5%未満)が剥がれた。
C:硬化した組成物の一部(半分未満)が剥がれた。
D:硬化した組成物の半分以上が剥がれた。
E:硬化した組成物が全てテープに付着し、基板から剥がれた。
また、パターン形成後の試料No.110を更に80℃60%相対湿度下で60分硬化を進行させた試料を用いで基板密着を評価した結果、評価レベルがAまで改良された。
また、本発明の試料No.109を用い溝部の切片を本文に記載のTOF−SIMSで分析し、可塑剤の分布を測定した。その結果以下の分布を満たし、可塑剤が基板側に偏在していることが分かった。
(1)D1≧D2≧D3≧D4>D5
(2)[(D5+D4)/(D2+D1)] ≦0.50
(3)0≦[D5/D1)]≦0.25
上記表2の中でも、層の数を3層としたもの(試料No.102、113)は、2層のものに比べて、モールド汚れ及び露光後基板密着性に優れていた。他の組成でも同様の傾向が認められた。また、3層構成としなくても、カチオン重合性単量体含有率がモールド側の方が多い場合(試料No.111)、各種性能に優れたパターンが得られることが分かった。さらに、可塑剤の含有量を基板側の方を多くすることによっても(試料No.109、110)、各種性能に優れたパターンが得られることが分かった。
市販の液晶表示装置を分解し、バックライトユニットからプリズムシートを取り出したところ、プリズムシートのピッチは15μmであった。プリズムシートの表面にフッ素系の表面処理を行い、プリズムシートの原版のモールド(P0)とした。
原版のモールド(P0)の上に、インプリント用塗布組成物CS05をダイコーターを用いて膜厚が10μmになるように塗布した。その後、更にこの上層にインプリント用塗布組成物CS06を、ダイコーターを用いて膜厚が3μmになるように塗布し塗布基膜を作成した。この塗布基膜にガラス板を接触させ、硬化性組成物をモールドとガラス基板でサンドイッチした。モールド表面から200mJ/cm2の条件で高圧水銀灯を用いて露光し基膜を硬化させ、その後更にガラス基板側から80mJ/cm2の条件で高圧水銀灯を用いて露光硬化させた後、モールドを剥離した。得られた微細パターンをオーブン中で230℃で30分間加熱することにより更に硬化を進行させ、プリズムシートの反転パターン(P1)を作成した。
このようにして得られたプリズムシート(P2)は、原版のプリズムシート(P0)のパターンをよく再現していた。
得られたプリズムシート(P2)を、液晶表示装置のバックライトユニットに戻し、液晶表示装置を組み立てた。液晶表示装置は輝度とコントラストの点で初期性能をよく再現していた。
表3に示す各素材を混合し、十分に攪拌してインプリント用塗布組成物CS31〜CS39を調製した。
・AEH:アクリル酸2エチルへキシル(日本触媒株式会社製)1官能、Meq=184
・PO変性TMPTA:PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM-310、東亜合成社製)3官能、Meq=156.7
・MEK:メチルエチルケトン
表3の組成で調製した組成物を用いて以下の工程で塗膜を形成しインプリントを行った。
特に、モールドに有機溶剤の浸透しない無機系の材料(ガラス)を用い、かつ基板に有機溶剤で膨潤または溶解する樹脂基材を用いた場合に、基板側に有機溶剤を含有する塗布液を用いると基板密着に加え、パターン形成性やモールド離型性の改良効果を有していることが分かった。
外径126mmのガラスロール原盤表面にレジスト膜を塗布し、露光現像ののちプラズマエッチングしその後フォトレジストを除去することにより、楕円錘の凹部を有する六方格子パターンの深さ約300nm、ピッチ約300nmのモスアイガラスロールマスタを形成した。該ガラスロールマスタはフッ素系のシランカップリング剤で疎水化処理を行った。
厚み100μm幅254mmのロール状に巻き取られたアクリルフィルムを光透過性基板とし、この基板上にインプリント用塗布組成物CS35/CS31/CS39を3層からなるダイコーターを用いてCS35が基板側になるように同時に塗布し、塗布基膜を作成した。この際に各々の膜厚がそれぞれ2μm/3μm/2μmになるように突出量を調節した。尚、有機溶剤を含む塗布組成物を用いた場合には、有機溶剤を除いた成分のみの膜厚を表す。
該塗布基膜は巻き取ることなく上記モスアイガラスロールマスタと圧着させながら密着させ、アクリル基板の裏面から500mJ/cm2の条件で高圧水銀灯を用いて露光し基膜を硬化させた。連続して基板を搬送しモールドから硬化後の基板を剥離することで、微細パターン付き基板を得た。このようにして得られた基板は、ガラスロールマスタのパターンが再現性よく転写され、優れた基板密着性を有している反射防止膜が形成されていることが確認された。また、剥離を20回繰り返した部分のガラスロール原盤にはモールド汚れは観察されなかった。
また、本発明の製造法により、パターン精度に優れ、かつ基板密着性に優れた微細パターン付き基板が提供できるため、複製されたモールド、光学部材、光源装置、又は画像表示装置を高精度及び高効率で提供できる。
Claims (14)
- 少なくとも、
(A)基板またはモールド上に同時または逐次に組成の異なる少なくとも2種の硬化性組成物であって、重合性単量体と重合開始剤を含む硬化性組成物を適用し、硬化性組成物層を形成する工程、
(B)モールドまたは基板を硬化性組成物層に接触させ、基板とモールドの間に硬化性組成物層をサンドイッチする工程、
(C)硬化性組成物層を硬化する工程、
(D)モールドを硬化後の硬化性組成物層から剥離する工程
を該順に有する微細パターン製造方法において、
基板に隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq1)とモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の平均硬化性官能基当量(Meq2)とが、Meq1/Meq2=1.01〜4.0であることを特徴とするパターン製造方法。 - 前記(A)において、基板またはモールド上に3種以上の硬化性組成物を適用することを特徴とする、請求項1に記載のパターン製造方法。
- 前記パターンが、1nm〜10mmの凹凸間のピッチ、凹部の幅、または、凸部の高さを有する請求項1または2に記載のパターン製造方法。
- 前記(A)において、少なくとも2種の硬化性組成物を、基板またはモールド上に、同時に塗布することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン製造方法において、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物中のカチオン重合性単量体含有率(K1)がモールドに隣接する層を構成するカチオン重合性単量体含有率(K2)よりも大きいことを特徴とする、パターン製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン製造方法において、基板に隣接する層を構成する硬化性組成物が基板を膨潤または溶解する有機溶剤を含有し、かつ、基板に隣接する層の硬化性組成物中の有機溶剤含有率(Y1)がモールドに隣接する層を構成する硬化性組成物の有機溶剤含有率(Y2)よりも大きいことを特徴とするパターン製造方法。
- 前記基板に隣接する層を構成する硬化性組成物中の有機溶剤の含有量が硬化性組成物の溶剤を除く成分の1〜200質量%である、請求項6に記載のパターン製造方法。
- 硬化性組成物の少なくとも1種が離型剤を含有し、該離型剤が含シリコーン系化合物、含フッ素系化合物、含シリコーンかつ含フッ素系化合物、または直鎖脂肪族系アルキル系離型剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- モールドが無機材料であり、基板が樹脂材料である請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 前記(C)において、硬化性組成物が光照射により硬化開始される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 前記(D)の後に更に、硬化性組成物層の硬化をさらに進める工程を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 前記硬化性組成物の主成分が(メタ)アクリレートである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 前記硬化性組成物における溶剤の含有量が5質量%以下である、請求項1〜5、8〜12のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
- 前記Meq2の絶対値が、85〜200である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のパターン製造方法。
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