JP2017228238A - タッチパネル、多層フィルム、及び多層フィルムの製造方法 - Google Patents

タッチパネル、多層フィルム、及び多層フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高硬度、かつ防汚性に優れると共に、耐久性に優れた防汚層を有する多層フィルム、該多層フィルムの製造方法、及び該多層フィルムを備えたタッチパネルを提供する。【解決手段】基材と防汚層とを有する多層フィルムを備えたタッチパネルであって、前記防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物である、タッチパネル。【選択図】図3

Description

本発明は、基材と防汚層とを有する多層フィルム、該多層フィルムの製造方法、及び該多層フィルムを備えたタッチパネルに関する。
近年、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(ELD)や液晶ディスプレイ(LD)などの表示体の表面に、指やペンなどで押圧することによって情報を入力するタッチパネルが、普及している。タッチパネルは、電子手帳、携帯電話等の携帯端末や発券機など、種々多様に使用されている。
タッチパネルの表面には、操作時に指紋や皮脂などの汚れが付着したり、傷が付いたりする場合があり、このような汚れや傷は、視認性の低下や操作性に悪影響を及ぼすことがある。そのため、タッチパネルの表面には、汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさといった特性(防汚性)、及び耐擦傷性(硬度)を付与することが求められる。
これに対して、基材上に防汚層やハードコート層を設けた光学フィルムを利用することにより、タッチパネル表面に防汚性や耐擦傷性(硬度)を付与することが一般になされている。
例えば、特許文献1には、透明支持体上に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層が順に設けられ、さらに、該低屈折率層上にパーフルオロアルキルポリエーテル側鎖を有する重合体を含むオーバーコート層が積層された反射防止膜が開示されている。
また、特許文献2には、基材表面に光重合開始剤とアクリレート及び/又はメタクリレートとを含有する中間層を形成し、光照射して硬化させ、該中間層上にフッ素含有単量体及び溶剤の混合溶液を塗布し、活性エネルギー線を照射してフッ素含有重合体含被膜を設けてなる防汚性表面材料が開示されている。
特開2000−284102号公報 特開2005−231128号公報
特許文献1では、パーフルオロアルキルポリエーテル化合物の優れた滑り性を利用し、反射防止膜の表面側の層を汚れから保護し、耐擦傷性を向上させている。しかしながら、パーフルオロアルキルポリエーテル化合物は単に表面に塗布形成されているだけであるため繰り返しのこすりにより剥がれやすく、オーバーコート層(防汚層)の耐久性に劣るという問題があった。
また、特許文献2では、非フッ素溶媒に溶解可能なフッ素含有単量体を用いているため、硬化膜(フッ素含有重合体含被膜)の防汚性は十分なものではなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、高硬度、かつ防汚性に優れると共に、耐久性に優れた防汚層を有する多層フィルム、該多層フィルムの製造方法、及び該多層フィルムを備えたタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、後述する(A)成分と(B)成分、又は(C)成分とを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[17]を提供する。
[1]基材と防汚層とを有する多層フィルムを備えたタッチパネルであって、前記防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物である、タッチパネル。
[2]前記防汚層が、前記縮重合物と電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物である、上記[1]に記載のタッチパネル。
[3]防汚層の基材側の面にハードコート層を有する、上記[1]又は[2]に記載のタッチパネル。
[4]前記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のタッチパネル。
[5]防汚層表面の純水の接触角が95°以上、且つ、滑落角が30°以下である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のタッチパネル。
[6]防汚層表面のアルコール系溶剤による拭き取り前後における該防汚層表面の純水の接触角の減少率が0〜15%である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のタッチパネル。
[7]少なくとも基材と防汚層とを有する多層フィルムの製造方法であって、
基材上に、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体とを、有機溶媒、水、及び酸を含む混合溶媒中で加水分解、縮重合して得られた縮重合物を配合してなる防汚層形成用組成物の未硬化層を形成し、硬化させて防汚層を形成する、多層フィルムの製造方法。
[8]前記未硬化層を電離放射線の照射により硬化させて防汚層を形成する、上記[7]に記載の多層フィルムの製造方法。
[9]前記防汚層形成用組成物が、さらに電離放射線硬化性樹脂を配合したものである、上記[7]又は[8]に記載の多層フィルムの製造方法。
[10]未硬化層の形成前に、基材上に電離放射線硬化性樹脂を含むハードコート層形成用組成物の塗膜を形成し、電離放射線を照射して半硬化層を形成し、次いで、該半硬化層の基材とは反対側の面に接するように前記未硬化層を形成し、該半硬化層と、該未硬化層とに同時に電離放射線を照射し硬化させて、各々ハードコート層と防汚層とを形成する、上記[8]又は[9]に記載の多層フィルムの製造方法。
[11]前記半硬化層を形成する際に照射する電離放射線の照射量Xα(mJ/cm)、及び前記半硬化層と、前記未硬化層とに同時に照射する電離放射線の照射量Xβ(mJ/cm)が下記式(I)の関係を満たす、上記[10]に記載の多層フィルムの製造方法。
0.01≦Xα/(Xα+Xβ)≦0.80 (I)
(但し、Xαは3以上100以下である)
[12]基材と防汚層とを有する多層フィルムであって、
前記防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物である、多層フィルム。
[13]前記防汚層が、前記縮重合物と電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物である、上記[12]に記載の多層フィルム。
[14]防汚層の基材側の面にハードコート層を有する、上記[12]又は[13]に記載の多層フィルム。
[15]前記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、上記[12]〜[14]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[16]防汚層表面の純水の接触角が95°以上、且つ、滑落角が30°以下である、上記[12]〜[15]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[17]防汚層表面のアルコール系溶剤による拭き取り前後における該防汚層表面の純水の接触角の減少率が0〜15%である、上記[12]〜[16]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
本発明によれば、高硬度、かつ防汚性に優れると共に、耐久性に優れた防汚層を有する多層フィルム、該多層フィルムの製造方法、及び該多層フィルムを備えたタッチパネルを提供することができる。
本発明の抵抗膜式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 本発明の静電容量式タッチパネルの一実施形態を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの断面の一形態を示す模式図である。 本発明の多層フィルムの断面の一形態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、基材と防汚層とを有する多層フィルムを備え、該防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する上記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物であることを特徴とする。
ここで、本発明において「パーフルオロポリエーテル構造を有する」とは、パーフルオロポリエーテル結合を含む基を有することを意味する。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。これらタッチパネルは、ガラス基材、プラスチックフィルム基材等の基材を有し、該基材上の表面には、防汚性、耐擦傷性等の諸特性を有する層が形成される場合がある。
本発明のタッチパネルは、該タッチパネルの表面部材として後述する多層フィルムを用い、かつ該多層フィルムの防汚層側の面が表面側を向くように設置することが好ましい。
抵抗膜式タッチパネル1は、図1に示すように、導電膜12を有する上下一対の透明基板11a、11bの導電膜12同士が対向するようにスペーサー13を介して配置されてなる基本構成に、図示しない回路が接続されてなるものである。抵抗膜式タッチパネルの場合、上部透明基板11aとして、後述する多層フィルムを用いることが好ましい。なお、上部透明基板11a及び下部透明基板11bは、2以上の基材からなる多層構造として、上部透明基板11aのうちの最表面の基材として後述する多層フィルムを用いてもよい。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、1枚の透明基板上の別々の面にX電極及びY電極を形成する態様、透明基板上にX電極、絶縁体層、Y電極をこの順で形成する態様、図2に示すように、上部透明基板21a上にX電極22を形成し、下部透明基板21b上にY電極23を形成し、接着剤層24等を介して積層する態様等が挙げられる。
静電容量式タッチパネルの場合、上部透明基板21aとして、後述する多層フィルムを用いることが好ましい。なお、上部透明基板21a及び下部透明基板21bは、2以上の基材からなる多層構造として、上部透明基板21aのうちの最表面の基材として後述する多層フィルムを用いてもよい。
[多層フィルム]
図3は本発明の多層フィルムの断面の一形態を示す模式図である。なお、図3に示す模式図において、説明の容易化のために、厚み方向(図の上下方向)の縮尺を幅方向(図の左右方向)の縮尺よりも大幅に拡大誇張して図示してある。多層フィルム3は、基材31上に、防汚層32が設けられている。また、図4に示すように、防汚層42の基材側の面にハードコート層43を有していてもよい。
以下、本発明の多層フィルムを構成する各層の実施の形態について説明する。
<基材>
本発明の多層フィルムに用いる基材としては、例えば、ガラス板、酸化アルミ板、スピン−オン−グラス(SOG)材料などの各種無機系材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などの各種有機系樹脂材料、有機−無機複合材料などが挙げられる。
上記基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましく、有機系樹脂材料からなることが好ましい。有機樹脂系材料としては、トリアセチルセルロース(TAC);ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂等が例示される。
これらの中でも、光学特性や強度の観点から、TAC、PET、アクリル樹脂、PENが好ましく、TAC、PET、PENがより好ましく、TACおよびPETが更に好ましい。
なお、上記基材の形状は、平面構造であってもよいし、立体構造であってもよい。
基材の厚みは特に限定されないが、光学特性や強度の観点から、好ましくは1〜500μmであり、より好ましくは3〜300μmであり、更に好ましくは5〜200μmである。
基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
また、ディスプレイ等として用いる観点から、上記基材の全光線透過率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠する方法により測定することができる。
<防汚層>
本発明の多層フィルムに用いる防汚層は、防汚性を有する層であり、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する上記(B)成分の誘導体との縮重合物(以下、単に「縮重合物」ともいう)を含む硬化物である。上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造を有することにより、防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、汚れを付き難くすることができる。また、上記縮重合物が、上記(A)成分と、上記(B)成分又は上記(C)成分とが縮重合した構造であるため、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することにより、滑落性が向上し、更に汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れの拭き取りを容易にすることができる。
また、上記(B)成分及び上記(C)成分が重合性基を有することから、防汚層と隣接する層(基材又はハードコート層)との密着性が高まり、防汚層の耐久性を優れたものとすることができる。
上記防汚層を占める上記縮重合物の割合は、60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましい。また、上記防汚層が、上記縮重合物と後述する電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物である場合、該防汚層を占める上記縮重合物の割合は、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.02〜20質量%であることがより好ましく、0.02〜10質量%であることが更に好ましい。
〔(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン〕
上記縮重合物の原料として用いられる(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランは、パーフルオロポリエーテル構造を有することにより、防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、汚れを付き難くする。更に、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することにより、更に汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れの拭き取りを容易にすると考えられる。
上記(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとしては、例えば、下記一般式(1)乃至(4)で表される化合物が挙げられ、防汚性の観点から、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。

(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。但し、複数のRは同一でも異なっていてもよい。R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の2価の有機基を示す。Zはシロキサン結合を有する1〜10価のオルガノポリシロキサン基であり、Zはシロキサン結合を有する2〜10価のオルガノポリシロキサン基である。Qはパーフルオロポリエーテル結合を含む基である。Rfは、直鎖または分岐鎖構造のフッ化アルキル基である。nは1〜200の整数、mは1〜10の整数である。)
上記Rの炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ、防汚性及び反応性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12、好ましくは炭素数3〜8の2価の有機基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ等が挙げられる。また、これらの基は、エーテル結合、アミド結合、エステル結合、及びビニル結合を含んでいてもよく、更に、酸素原子、窒素原子及びフッ素原子を含んでいてもよい。
上記Zのシロキサン結合を有する2〜10価のオルガノポリシロキサン基としては、例えば、以下の一般式(5−1)〜(5−12)で表される基が挙げられる。
上記一般式(5−1)〜(5−12)で表される基の中でも、本発明の効果である防汚性を得る観点から、一般式(5−1)、(5−2)、(5−3)、(5−4)、(5−7)で表される基が好ましい。
上記Qのパーフルオロポリエーテル結合を含む基としては、例えば、−CFO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−、−OCFOCFCF−、−CFCFCFCFO−、−CFCF(CF)CFO−、−CFCFCFCFCFCFO−、−C(CFO−などが挙げられる。
中でも、防汚性の観点から、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−、−OCFOCFCF−、−CFCF(CF)CFO−が好ましい。これらは、1種類のみでも2種類以上を含んでもよい。
上記Rfは、直鎖または分岐鎖構造のフッ化アルキル基であり、本発明の効果を得る観点から、直鎖のフッ化アルキル基が好ましい。
直鎖のフッ化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が挙げられ、分岐鎖構造のフッ化アルキル基としては、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(トリフルオロメチル)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基などが挙げられる。
上記nは、1〜200の整数であり、防汚性の観点から、好ましくは2〜100、より好ましくは、3〜60である。nを1以上とすることで基材表面を十分に被覆することができ、防汚層表面の表面自由エネルギーが低下し、防汚性を向上させることができる。nを200以下とすることで、アルコキシシリル基(−Si(OR)の反応性を高めることができる。
上記mは、1〜10の整数であり、防汚性の観点から、好ましくは1〜7、より好ましくは、1〜5である。mを1以上とすることで滑り性が向上し、より高い防汚性が得られる。mを10以下とすることで、表面自由エネルギーの増大を抑制し、防汚性の低下を抑制できる。
上記(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランは、防汚性及び反応性の観点から、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランであることが好ましい。
また、上記(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとしては、信越化学(株)製「X−71−195」、「KY−178」、「KY−164」、「KY−108」、「KP−911」、ダイキン工業(株)製「オプツールDSX」、「オプツールDSX−E」、「オプツールUF503」等が商業的に入手可能であり、生産性及び防汚性の観点から、「X−71−195」が好ましい。
〔(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物〕
前記縮重合物の原料として用いられる(B)成分のトリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物は、少なくとも1つのトリアルコキシシリル基と、少なくとも1つの重合性基とを有する化合物であれば特に限定されず、複数のトリアルコキシシリル基や、複数の重合性基を有する化合物であってもよい。中でも、反応性及び入手容易性の観点から、1つのトリアルコキシシリル基と、1つの重合性基とを有する化合物であることが好ましい。
(B)成分が有する重合性基は、ラジカル重合性基、カチオン重合性基のいずれでもよく、特に限定されない。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基、オキセタニル基等が例示され、ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が例示される。
(B)成分が有する重合性基としては、反応性の観点から、ラジカル重合性基であることが好ましく、特に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有することが好ましい。
(B)成分が有するトリアルコキシシリル基中のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
なお、複数存在するアルコキシ基は、同一でも異なっていてもよいが、合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
(B)成分の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。中でも、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましく、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
〔(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体〕
前記縮重合物の原料として用いられる(C)成分は、少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する上記(B)成分の誘導体であり、例えば、上記(B)成分と、(D)下記一般式(6)で表されるアルコキシシランとの縮合物が挙げられる。

(式中、R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、環形成原子数3〜10のシクロアルキル基、環形成原子数6〜20のアリール基である。R11は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基である。R10及びR11が複数ある場合、複数のR10及びR11は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。xは1〜4の整数である。)
上記R10は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、環形成原子数3〜10のシクロアルキル基、環形成原子数6〜20のアリール基である。中でも、反応性の観点から、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
上記R10の炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。中でも、防汚性及び反応性の観点から、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
上記R10の炭素数2〜8、好ましくは2〜4のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記R10の環形成原子数3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記R10の環形成原子数6〜20、好ましくは6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
上記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が好ましい。
11の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。中でも、防汚性及び反応性の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
xは1〜4の整数であり、防汚性及び反応性の観点から、好ましくは2、3、又は4であり、より好ましくは3又は4である。
前記(D)成分の一般式(6)で表されるアルコキシシランとしては、反応性や防汚性の観点から、アルキル基を有するトリアルコキシシランもしくはテトラアルコキシシランが好ましい。具体例としては、トリメトキシ(メチル)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。中でも、トリメトキシ(メチル)シラン、エチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、トリメトキシ(メチル)シラン、テトラメトキシシランがより好ましい。
上記(C)成分は、上記(B)成分が有するアルコキシ基の一部と、上記(D)成分が有するアルコキシ基の一部とが縮合反応した縮合物であることが好ましい。具体例としては、(B)成分として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの有するメトキシ基の一部と、(D)成分として、トリメトキシ(メチル)シランの有するメトキシ基の一部とが縮合反応した縮合物が挙げられる。
上記(B)成分と上記(D)成分との重量比は、防汚性や密着性の観点から、好ましくは1:0.05〜10、より好ましくは1:0.07〜8、更に好ましくは1:0.1〜5である。
上記(C)成分中に含まれるアルコキシ基とシラノール基との合計含有量は、(A)成分との反応性の観点から、好ましくは1〜30mmol/g、より好ましくは2〜25mmol/g、更に好ましくは3〜15mmol/gである。
また、上記(C)成分中に含まれる重合性基の含有量は、密着性向上の観点から、好ましくは0.1〜40mmol/g、より好ましくは0.5〜30mmol/g、更に好ましくは1〜20mmol/gである。
前記防汚層は、前記縮重合物と電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物であることが、高硬度化及び密着性向上の観点から好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、アルコキシ基を有さず、電離放射線(紫外線または電子線)の照射によって架橋硬化することができるラジカル重合性樹脂を用いることができる。ラジカル重合性樹脂は、分子中にラジカル重合性基を有する。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合含有基が挙げられる。なかでも、得られる防汚層の強度及び硬化性の観点から、ラジカル重合性樹脂としては、分子中にエチレン性不飽和結合含有基を2つ以上有する化合物が好ましく、分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。多官能(メタ)アクリレート化合物としては、モノマー、オリゴマー、及びポリマーのいずれも用いることができるが、防汚層の強度及び硬化性の観点から、少なくとも多官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
ここで、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
多官能(メタ)アクリレート化合物のうち、好ましい2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、2官能以上の(メタ)アクリレート系オリゴマーであれば特に制限はなく、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等の各種(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が4,000未満のものが好ましく、より好ましくは1,000超、3,000未満である。
また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、より好ましくは3〜12官能、さらに好ましくは3〜10官能である。官能基数が上記範囲内であると、優れた強度の硬化層が得られる。
多官能(メタ)アクリレートポリマーとしては、2官能以上の(メタ)アクリレート系ポリマーであれば特に制限はなく、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、エポキシ(メタ)アクリレートポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレートポリマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートポリマー等の各種(メタ)アクリレート系ポリマーを用いることができる。
多官能(メタ)アクリレートポリマーは、屈折率の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が4,000以上のものが好ましく、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量が100,000以下であれば、硬化性及び塗工性が良好である。
また、多官能(メタ)アクリレートポリマーの官能基数には特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子あたりの官能基数が多い(すなわち、官能基当量が低い)ことが好ましい。多官能(メタ)アクリレートポリマーの官能基当量は、好ましくは400g/当量以下、より好ましくは300g/当量以下、さらに好ましくは250g/当量以下である。
以上の電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(防汚層形成用組成物)
前記防汚層を形成する防汚層形成用組成物は、上記縮重合物を含む。該縮重合物は、有機溶媒と水と酸との混合溶媒中で、前記(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、前記(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は前記(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体とを加水分解、縮重合して得られる態様が好ましい。
具体的には、上記縮重合物は、上記(A)成分が有するアルコキシ基と、上記(B)成分又は上記(C)成分が有するアルコキシ基とが、それぞれ加水分解してシラノール基を形成した後、それぞれのシラノール基が縮重合することにより得られる。
有機溶媒としては、上記(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランを溶解させる観点から、好ましくはフッ素系溶媒が用いられる。また、水との溶解性の観点から、フッ素系溶媒と両親媒性溶媒との混合有機溶媒であることが好ましい。
両親媒性溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類等の水溶性の有機溶媒が好適に用いられる。上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、ターシャリーブチルアルコール等が挙げられる。上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。その他の水溶性の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル等が用いられる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
防汚層形成用組成物中の有機溶媒の配合量は、好ましくは90.000〜99.999質量%、より好ましくは92.00〜99.99質量%、更に好ましくは95.0〜99.9質量%である。90.000質量%以上とすることで、混合溶媒中での反応を均一に進めると共に、該防汚層形成用組成物から形成された防汚層を均一透明なものとすることができ、99.999質量%以下とすることで、基材表面に十分な防汚層を形成することができる。
水としては、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。また、上記混合溶媒中に含有される水の配合量は、0.001質量%以上であれば、特に限定されないが、好ましくは0.001〜1.000質量%、より好ましくは0.005〜0.500質量%の割合で配合する。0.001質量%以上とすることで、上記加水分解が促進され、1.000質量%以下とすることで、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランの沈殿を抑制することができる。
酸としては、上記加水分解を促進する作用を有するものであれば特に限定されず、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、コハク酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸等が挙げられ、反応性や乾燥時の防汚層からの除去の観点から、塩酸が好ましい。また、上記混合溶媒中に含有される酸の配合量は、上記加水分解を促進させる観点から、好ましくは0.000001〜10.000000質量%、より好ましくは0.00001〜5.00000質量%、更に好ましくは0.0001〜1.0000質量%である。
上記防汚層形成用組成物は、さらに、上述の電離放射線硬化性樹脂を含有してもよい。
上記防汚層形成用組成物の固形分全量に対する電離放射線硬化性樹脂の含有量は、硬化性の観点から、好ましくは10〜99質量%、より好ましくは20〜98質量%である。
上記防汚層形成用組成物は、光重合開始剤を配合することができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ケタール系、アントラキノン系、ジスルフィド系、チオキサントン系、チウラム系、フルオロアミン系などの光重合開始剤が挙げられる。なかでも、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系が好ましく挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用することができ、また複数を組み合わせて使用することもできる。
上記防汚層形成用組成物の固形分全量に対する光重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、好ましくは1.0〜15質量%、より好ましくは1.5〜10質量%である。
上記防汚層形成用組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸発生剤、光塩基発生剤、光重合促進剤、レベリング剤等の添加剤をさらに含有させることもできる。
光酸発生剤もしくは光塩基発生剤を配合することにより、より強固な防汚層を形成することができる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化性を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されないが、防汚性を高める観点から、光重合性基を有さない非重合性フッ素含有化合物が好ましい。非重合性フッ素含有化合物の中でも、重量平均分子量が30,000〜40,000の化合物が好ましい。このような非重合性フッ素含有化合物の市販品としては、例えば、DIC(株)製のF568やF477が挙げられる。
さらに、上記防汚層形成用組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、防汚層形成用組成物に含まれる各成分を溶解する溶剤であれば特に制限なく用いることができるが、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類が好ましく、アルコール類、エーテル類がより好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、中でもイソプロピルアルコールが好ましい。エーテル類としては、例えば、含フッ素エーテル化合物であるハイドロフルオロエーテルや、n−プロピルエーテル等が挙げられる。
上記溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記防汚層形成用組成物中の溶剤の含有量は、好ましくは40〜99質量%、より好ましくは50〜95質量%である。溶剤の含有量が上記範囲内であると、塗布適性に優れる。
また、上記防汚層形成用組成物の固形分濃度は、好ましくは0.1〜60.0質量%であり、より好ましくは0.5〜50.0質量%であり、更に好ましくは1.0〜45.0質量%である。0.1質量%以上とすることで、防汚層の硬化を促進することができ、60.0質量%以下とすることで、防汚層の着色や防汚性の低下を抑制することができる。
本発明の多層フィルムが、後述するハードコート層を有する場合、防汚層の厚みは、防汚性及び耐久性の観点から、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1〜30nmである。また、多層フィルムが、後述するハードコート層を有さない場合、防汚層の厚みは、好ましくは1〜30μm(推定値)、より好ましくは2〜20μm(推定値)である。
防汚層は、従来、汚れを付き難くするために、水と油脂との接触角を大きくすることが検討されてきた。これに対して、本発明では、水と油脂との接触角を大きくするとともに、両者の滑落角を小さくすることで、高い滑落性が得られることにより、汚れを付き難く、かつ付いた汚れをふき取りやすくしている。
滑落性は、純水及びn−ヘキサデカンの滑落角を測定することで評価でき、該滑落角が小さいほど滑落性が良好である。滑落角は、測定対象物である多層フィルムの防汚層表面に、水平な状態で10μLの純水及び3μLのn−ヘキサデカンを滴下し、多層フィルムを徐々に傾斜させて、液滴が滑り始める傾斜角度(滑落角)を測定することにより求められる。測定装置としては、例えば、協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いることができる。滑落角は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の多層フィルムは、防汚層表面の純水の接触角が好ましくは95°以上であり、より好ましくは112°以上であり、更に好ましくは114°以上である。また、防汚層表面の純水の滑落角が好ましくは30°以下であり、より好ましくは15°以下であり、更に好ましくは8°未満である。
上記接触角が95°以上であると、防汚層が低い表面自由エネルギーを有していることを示しており、汚れを付き難くすることができる。また、上記滑落角が30°以下であると、防汚層表面の滑落性が向上し、さらに汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れを拭き取りやすくすることができる。
本発明において、上記接触角を95°以上とすることができるのは、上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造部位を有することに起因すると考えられる。また、上記滑落角を30°以下とすることができるのは、上記縮重合物が、前記(A)成分のパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、前記(B)成分のトリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は前記(C)成分の少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体とが縮重合した構造であるため、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することに起因すると考えられる。
なお、接触角は、接触角測定装置(例えば、協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」)を用いて、純水及びn−ヘキサデカンに対する接触角をθ/2法により測定することで求められる。接触角は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の多層フィルムは、防汚層表面のn−ヘキサデカンの接触角が好ましくは50°以上であり、より好ましくは55°以上であり、更に好ましくは60°以上である。また、防汚層表面のn−ヘキサデカンの滑落角が好ましくは15°以下であり、より好ましくは10°以下であり、更に好ましくは6°以下である。
また、本発明の多層フィルムは、防汚層表面のアルコール系溶剤による拭き取り前後における該防汚層表面の純水の接触角の減少率が好ましくは0〜15%、より好ましくは0〜13%、さらに好ましくは0〜10%である。
本発明によれば、防汚層表面の純水の接触角の減少率を上記範囲内とすることができ、防汚層と隣接する層(基材又はハードコート層)との密着性を高め、防汚層の耐久性を優れたものとすることができる。
本発明者らは、防汚層が前記(A)成分と、前記(B)成分又は前記(C)成分との縮重合物を含む硬化物であることにより、防汚層表面と、指や拭き取りに用いる布等との摩擦係数を小さくし、滑り性を向上させることを見出した。本発明の多層フィルムは、水と油脂との接触角を大きくすることにより防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、水と油脂との滑落角を小さくすることにより、高い滑落性が得られることに加え、高い滑り性が得られることにより、上記防汚層表面に対し、更に汚れを付き難くし(指紋付着量が少ない)、かつ付いた汚れをふき取りやすくすること(指紋拭取性が良好)ができる。
このように、本発明の多層フィルムが、従来の防汚部材では得られなかった極めて優れた防汚性を有するのは、上記縮重合物が有する隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することに起因すると考えられる。
特に、タッチパネル等のような指でスライドさせて用いる表面の防汚性を得るには、上記滑り性の向上は重要である。
なお、本発明において「滑り性」とは、多層フィルムの防汚層表面の滑らかさを表す指標である。滑り性は、具体的には実施例に記載の方法により評価することができる。
<ハードコート層>
本発明の多層フィルムは、防汚層の基材側の面にハードコート層を有することが高硬度化の観点から、好ましい。
ハードコート層は、多層フィルムの表面硬度を高くし、多層フィルムに傷つき防止性を付与する役割を有するものである。
なお、本発明においてハードコート層とは、鉛筆硬度試験で「2H」以上の硬度を示すものをいう。本発明におけるハードコート層は、耐擦傷性と割れ防止とのバランスの観点から、鉛筆硬度試験で2H〜6Hであることが好ましく、3H〜6Hであることがより好ましい。
上記ハードコート層は、表面硬度を高くする観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物から形成されてなるものが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂と共に、好ましくは光重合開始剤を含む。さらに、必要に応じて、溶剤、及び光重合促進剤、レベリング剤等の添加剤を含有してもよい。
上記電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤、溶剤、及び添加剤は、前記防汚層の項で説明したものを用いることができる。
上記ハードコート層の厚み(硬化時)は、前記基材の強度や要求性能に応じて適宜選択することができ、通常0.1〜100μm、好ましくは0.8〜30μmである。また、十分な硬度を発現させ、反りやクラックの発生を抑制する観点から、より好ましくは3〜20μmである。
上記ハードコート層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kV〜30kVとすることが好ましい。STEMの倍率は、1000〜7000倍とすることが好ましい。
[多層フィルムの製造方法]
次に、前述する多層フィルムの製造方法を説明する。
本発明の多層フィルムの第1の態様の製造方法は、少なくとも基材と防汚層とを有する多層フィルムの製造方法であって、基材上に、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する上記(B)成分の誘導体とを、有機溶媒、水、及び酸を含む混合溶媒中で加水分解、縮重合して得られた縮重合物を配合してなる防汚層形成用組成物の未硬化層を形成し、硬化させて防汚層を形成することを特徴とする。
まず、有機溶媒と水と酸との混合溶媒中に、上記(A)成分と、上記(B)成分又は上記(C)成分とを混合、攪拌し、上記(A)成分と、上記(B)成分又は上記(C)成分とを加水分解し、次いで縮重合することにより縮重合物を得る。
(A)成分、(B)成分、(C)成分、有機溶媒、水、及び酸としては、それぞれ上記多層フィルムの項で説明したものを用いることができ、有機溶媒、水、及び酸の配合量は、それぞれ上記多層フィルムの項で説明した範囲内で適宜調整する。
また、上記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランの重量平均分子量は、GPC測定により求めることができる。
上記(A)成分と、上記(B)成分又は上記(C)成分との重量比は、好ましくは1:0.1〜10.0、より好ましくは1:0.15〜8.0、更に好ましくは1:0.2〜6.0である。上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮することができる。
加水分解および縮重合反応は、これらの反応が適切に起こる一定の雰囲気下で行うことが好ましい。具体的には、−25〜120℃の範囲で、0.1〜200時間程度行うことが好ましく、−10〜100℃で、0.5〜150時間程度行うことがより好ましく、0〜70℃で、1〜120時間程度行うことが更に好ましい。
次に、基材上に上記で得られた縮重合物を配合してなる防汚層形成用組成物を塗布して未硬化層を形成し、硬化させることにより防汚層を形成する。
上記組成物を塗布する方法は、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等が挙げられる。
上記未硬化層は、乾燥処理、電離放射線の照射などにより硬化させることができ、電離放射線の照射により硬化させることが好ましい。また、上記未硬化層に電離放射線を照射する前に、乾燥処理を行ってもよい。
乾燥処理の設定条件は、原料、溶媒や、雰囲気の温度や湿度によって変わるが、本発明の効果が得られるのに適した一定の雰囲気下にコントロールした状況で行うことが好ましい。例えば、通常、室温(25℃)〜300℃で、0.1〜48時間程度行うことが好ましく、25〜250℃で、0.2〜24時間程度行うことがより好ましい。これらの処理は1種類の雰囲気下で完結させてもよく、2種類以上の雰囲気下で段階的に処理してもよい。
電離放射線としては、紫外線(UV)を好ましく用いることができる。紫外線としては、通常、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。紫外線照射は、酸素濃度1000ppm以下の窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
紫外線の照射量は、好ましくは50〜300mJcm−2、より好ましくは50〜250mJcm−2である。
上記防汚層形成用組成物は、さらに電離放射線硬化性樹脂を配合したものであることが、硬化物の高硬度化及び密着性向上の観点から好ましい。
防汚層形成用組成物中に含まれる上記縮重合物の含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜1.0質量部、より好ましくは0.2〜0.6質量部である。上記範囲内とすることにより、本発明の効果を発揮することができる。
本発明の多層フィルムの第2の態様の製造方法として、未硬化層の形成前に、基材上に電離放射線硬化性樹脂を含むハードコート層形成用組成物の塗膜を形成し、電離放射線を照射して半硬化層を形成し、次いで、該半硬化層の基材とは反対側の面に接するように上述の未硬化層を形成し、該半硬化層と、該未硬化層とに同時に電離放射線を照射し硬化させて、各々ハードコート層と防汚層とを形成してもよい。
まず、上述の電離放射線硬化性樹脂と共に、好ましくは上述の光重合開始剤を含有することにより、ハードコート層形成用組成物を調製する。該ハードコート層形成用組成物は、さらに上述の溶剤や光重合促進剤、レベリング剤等の添加剤を含有してもよい。
ハードコート層形成用組成物全量に対する、電離放射線硬化性樹脂の含有量は、ハードコート性や密着性の観点から、好ましくは10〜99質量%、より好ましくは15〜98質量%である。
また、ハードコート層形成用組成物中の光重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部である。
次に、基材上に、上記で調製したハードコート層形成用組成物を塗布して塗膜を形成する。
上記組成物を塗布する方法は、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。具体的には、上記第1の態様で説明した方法が挙げられる。
次に、上記塗膜に電離放射線を照射して、半硬化層を形成する。電離放射線は、上記第1の態様で説明した紫外線を好ましく用いることができる。
紫外線の照射量は、好ましくは3〜100mJcm−2、より好ましくは5〜80mJcm−2である。上記範囲内とすることで、電離放射線硬化性樹脂が適度に硬化し、半硬化層を形成することができる。紫外線照射は、紫外線照射量の選択により半硬化層を形成できる条件であれば窒素雰囲気下でも空気雰囲気下で行っても良いが、空気雰囲気下で行うのがより好ましい。
次に、上記半硬化層の基材とは反対側の面に接するように第1の態様の製造方法で説明した未硬化層を形成し、該半硬化層と、該未硬化層とに同時に電離放射線を照射し硬化させて、各々ハードコート層と防汚層とを形成する。半硬化層及び未硬化層を同時に硬化させることにより、ハードコート層(半硬化層)と防汚層(未硬化層)との密着性を向上させることができる。
電離放射線は、紫外線を用いることが好ましい。紫外線の照射量は、好ましくは30〜300mJcm−2、より好ましくは50〜200mJcm−2である。上記範囲内とすることで、各層の硬化を十分に行うことができ、ハードコート層と防汚層との密着性を優れたものとすることができる。
また、第2の態様の製造方法では、上記半硬化層を形成する際に照射する電離放射線の照射量Xα(mJ/cm)、及び上記半硬化層と、上記未硬化層とに同時に照射する電離放射線の照射量Xβ(mJ/cm)が下記式(I)の関係を満たすことが好ましい。
0.01≦Xα/(Xα+Xβ)≦0.80 (I)
(但し、Xαは3以上100以下である)
上記Xαは、好ましくは3以上100以下であり、より好ましくは3以上95以下、さらに好ましくは4以上90以下、よりさらに好ましくは5以上80以下である。3以上とすることで、半硬化層を適度に硬化させることができ、該半硬化層上に防汚層形成用組成物を塗布した際に半硬化層の溶解や、傷やゆがみの発生を抑え、最終的なフィルムの接触角や滑落性を良好にすることができる。また、100以下とすることで、半硬化層の硬化が進行し過ぎるのを抑制することができ、次いで、半硬化層及び未硬化層を同時に硬化させて、ハードコート層(半硬化層)と防汚層(未硬化層)との密着性を向上させることができる。
また、上記Xα/(Xα+Xβ)は、好ましくは0.01以上0.80以下、より好ましくは0.011以上0.60以下、さらに好ましくは0.012以上0.50以下、よりさらに好ましくは0.014以上0.35以下である。0.01以上とすることで、半硬化層を適度に硬化させることができ、該半硬化層上に防汚層形成用組成物を塗布した際に半硬化層の溶解や、傷やゆがみの発生を抑え、最終的なフィルムの接触角や滑落性を良好にすることができる。また、0.80以下とすることで、半硬化層の硬化が進行し過ぎるのを抑制することができ、次いで、半硬化層及び未硬化層を同時に硬化させて、ハードコート層(半硬化層)と防汚層(未硬化層)との密着性を向上させることができる。
このようにして得られる本発明の多層フィルムは、全光線透過率(JIS K7361−1:1997)が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。また、本発明の多層フィルムは、ヘイズ(JIS K7136:2000)が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
全光線透過率及びヘイズを測定する際の光入射面は防汚層側である。
本発明の多層フィルムの表面(ハードコート層側の表面)の算術平均粗さRa(JIS B0601:1994)は、10nm以下であることが好ましく、1〜8nmであることがより好ましい。
本発明の多層フィルムは、高硬度、かつ防汚性に優れると共に、耐久性に優れた防汚層を有するため、特にタッチパネルディスプレイを有する携帯用電子機器に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
実施例及び比較例の多層フィルムの評価は以下のようにして行った。なお、評価結果を表5及び6に示す。
1.測定
1−1.接触角の測定
(イソプロピルアルコールによる拭き取り前の接触角)
協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いて、純水及びn−ヘキサデカンの接触角を測定した。多層フィルムの防汚層表面に1.5μLの純水を滴下し、着滴1秒後に、θ/2法に従って、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出した。5回測定した平均値を、接触角の値とした。
(イソプロピルアルコールによる拭き取り後の接触角)
イソプロピルアルコール(IPA)を含浸させた不織布(旭化成(株)製、商品名:ベンコットン)を用いて、多層フィルムの防汚層表面を、500g荷重をかけた状態で拭き取る操作を5往復行った。その後、IPAによる拭き取り前の接触角と同様にして、IPAによる拭き取り後の接触角を求めた。
1−2.表面自由エネルギー
上記1−1で測定したIPAによる拭き取り前の接触角から、以下の基準で表面自由エネルギーを評価した。接触角が大きいほど、表面自由エネルギーが低く優れることを示す。
◎:純水110°以上、かつn−ヘキサデカン60°以上
○:純水110°未満95°以上、かつn−ヘキサデカン60°未満50°以上
×:純水95°未満もしくはn−ヘキサデカン50°未満
1−3.滑落角の測定
協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いて、純水及びn−ヘキサデカンの滑落角を測定した。多層フィルムを水平に配置し、該多層フィルムの防汚層表面に10μLの純水、及び3μLのn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下し、多層フィルムを徐々に傾斜させて、液滴が滑り始める傾斜角度(滑落角)を測定した。5回測定した平均値を、滑落角の値とした。
1−4.滑落性
上記1−3で測定した滑落角から、以下の基準で滑落性を評価した。純水とn−ヘキサデカンとで評価結果が異なる場合には、より低い結果を採用した。なお、滑落角が小さいほど、滑落性に優れることを示す。
[純水]
◎:15°未満
○:15°以上30°以下
×:30°超
[n−ヘキサデカン]
◎:10°未満
○:10°以上15°以下
×:15°超
1−5.滑り性の評価
被験者10名が、実施例1〜23、及び比較例1〜2で作製した各多層フィルムの防汚層表面に指を接触させて、その指を防汚層表面と平行に横方向に往復移動させた(スマートフォンでスライド操作をする様な動き)。その際の指と防汚層表面との摩擦による触感を下記評価基準により判定し、被験者10名の平均値を求めた。この平均値を下記判定基準に従って判定した。
<評価基準>
5点:常に滑らか
3点:滑らか
0点:悪い
<判定基準>
○:4.4点以上
△:2.1点以上4.4点未満
×:2.1点未満
1−6.指紋付着
シリコーン樹脂版(10mmφ×30mmの円柱状)に人工指紋液(伊勢久(株)製、JIS C9606の付属書4に準拠)を付着させたものを多層フィルムの防汚層表面に押し付けて指紋を付着させた。指紋の付着状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:指紋を強く弾いており、付着量が非常に少ない
○:指紋を弾いており、付着量が少ない
△:指紋を弾くが、付着する
×:指紋が広く付着する
1−7.指紋拭取性
シリコーン樹脂版(10mmφ×30mmの円柱状)に人工指紋液(伊勢久(株)製、JIS C9606の付属書4に準拠)を付着させたものを多層フィルムの防汚層表面に押し付けて指紋を付着させた。付着させた指紋を不織布(旭化成(株)製、商品名:ベンコットン)で拭取り、指紋の残り跡を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:3回までの拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
○:4回〜7回の拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
△:8回〜10回の拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
×:10回の拭取り後に指紋の拭き取り跡がはっきりと視認できる
1−8.鉛筆硬度試験
多層フィルムの防汚層表面について、JIS K5600−5−4に準じて鉛筆硬度を測定した。
1−9.SW試験
多層フィルムの基材面をガラス板にしわが生じないように貼りつけ、防汚層表面に#0000のスチールウールを9.8N荷重で接触させた状態で片道10cmの移動距離を10往復した。その後の防汚層表面の傷の有無を目視により確認した。
2.多層フィルム(ハードコート層なし)の製造
2−1.(A)成分と(B)成分との縮重合物の製造
表1に示す成分の各配合量を混合した(A)成分、(B)成分、及び溶剤の混合溶液中に、表1に示す配合量の水と、1M 塩酸とを添加し、25℃で3時間攪拌し、(A)成分と(B)成分との縮重合物を含む組成物を得た(製造例1〜4)。
なお、上記縮重合物の製造に使用した表1に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
〔(A)成分〕
・X−71−195(パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン溶液):信越化学工業(株)製、商品名、固形分20%
〔(B)成分〕
・KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン):信越化学工業(株)製、商品名
〔溶剤〕
・Novec 7300(フッ素系有機溶媒):3M製、商品名
・2−プロパノール(両親媒性溶媒):関東化学(株)製、商品名
2−2.防汚層形成用組成物の調製
表2に示す成分の各配合量を混合して、防汚層形成用組成物を調製した。なお、表2中、空欄は配合なしを表す。
防汚層形成用組成物の調製に使用した表2に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
・X−71−195(パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン溶液):信越化学工業(株)製、商品名、固形分20%
・KAYARAD−PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート):日本化薬(株)製、商品名
・イルガキュア184(光重合開始剤):チバ・ジャパン(株)製、商品名
・イソプロピルアルコール:関東化学(株)製
・Novec 7300(フッ素系有機溶媒):3M製、商品名
・メチルイソブチルケトン(MIBK):昭和インク工業(株)製、商品名
2−3.実施例1〜4、及び比較例1の多層フィルムの完成
基材:PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:A4100、厚さ100μm)上にバーコーターを用いて、表2に示す防汚層形成用組成物を、塗布速度6m/minにて塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、その塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmで紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、硬化後膜厚5μmの防汚層を有する多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを温度80℃、相対湿度95%の恒温恒湿装置に入れ、1時間処理を行った。
3.多層フィルム(ハードコート層あり)の製造
(実施例5)
3−1.ハードコート層形成用組成物の調製
以下の各成分を混合して、ハードコート層形成用組成物を調製した。
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD PET−30)100質量部
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、イルガキュア184)4質量部
・レベリング剤(DIC(株)製、F568)0.1質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK)(昭和インク工業(株)製、商品名)187質量部
3−2.半硬化層の形成
基材:PETフィルム(東洋紡(株)製、商品名:A4100、厚さ100μm)上にバーコーターを用いて、上記3−1で調製したハードコート層形成用組成物を、塗布速度6m/minにて塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、その塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量10mJ/cmで紫外線照射を行い、半硬化層を形成した。
3−3.防汚層形成用組成物の調製(製造例5)
フッ素系有機溶媒(3M製、商品名:Novec 7300)12.1gと、両親媒性溶媒(関東化学(株)製、商品名:2−プロパノール)2.1gと、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン溶液(信越化学工業(株)製、商品名「X−71−195」、固形分20%)0.30gと、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名「KBM−5103」)0.047gとを混合した混合溶液中に、水2.3mgと、1M 塩酸13mgとを添加し、25℃で3時間攪拌し、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとの縮重合物を含む組成物を得た。
次いで、以下の各成分を混合して、防汚層形成用組成物を調製した。
・上記3−3で得た組成物(固形分:0.7質量%)291質量部(上記3−1のハードコート層形成用組成中のペンタエリスリトールトリアクリレート100質量部に対する割合)
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、イルガキュア184)0.085質量部
3−4.実施例5の多層フィルムの完成
上記3−2で形成した半硬化層上にバーコーターを用いて、上記3−3で調製した防汚層形成用組成物を、塗布速度6m/minにて塗布し、未硬化層を形成した。次いで、半硬化層及び未硬化層に紫外線照射装置を用いて、照射量100mJ/cmで紫外線照射を行い、基材上にハードコート層(硬化後膜厚5μm)及び防汚層(硬化後膜厚30nm)を有する多層フィルムを得た。
3−5.実施例6〜23、及び比較例2の多層フィルムの製造
表3に示す成分の各配合量を混合し、縮重合物を含む組成物(製造例5〜17)、及び(A)成分を含む組成物(比較製造例1)を得た。また、表4に記載の種類及び配合量の各成分を用い、表4に示す紫外線照射量で、実施例5と同様にして多層フィルムを得た。なお、表3及び表4中、空欄は配合なしを表す。
表3に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
〔(A)成分〕
・X−71−195(パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン溶液):信越化学工業(株)製、商品名、固形分20%
〔(B)成分〕
・KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン):信越化学工業(株)製、商品名
・KBM−1003(ビニルトリメトキシシラン):信越化学工業(株)製、商品名
〔(C)成分〕
・KP−513(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとトリメトキシ(メチル)シランとの重合物):信越化学工業(株)製、商品名
〔その他の成分〕
・Novec 7300(フッ素系有機溶媒):3M製、商品名
・2−プロパノール(両親媒性溶媒):関東化学(株)製、商品名
(結果のまとめ)
(A)成分と(B)成分、又は(C)成分とを組み合わせて用いた実施例1〜23では、防汚層表面に指紋が付着しにくく、指紋が付着しても容易に拭取ることができ、また、SW試験では防汚層表面に傷が確認されなかった。
本発明の多層フィルムは、高硬度、かつ防汚性に優れると共に、耐久性に優れた防汚層を有するため、特にタッチパネルディスプレイを有する携帯用電子機器に好適に使用することができる。
1 抵抗膜式タッチパネル
11a 上部透明基板
11b 下部透明基板
12 透明導電膜
13 スペーサー
2 静電容量式タッチパネル
21a 上部透明基板
21b 下部透明基板
22 透明導電膜(X電極)
23 透明導電膜(Y電極)
24 接着剤層
3,4 多層フィルム
31,41 基材
32,42 防汚層
43 ハードコート層

Claims (17)

  1. 基材と防汚層とを有する多層フィルムを備えたタッチパネルであって、
    前記防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物である、タッチパネル。
  2. 前記防汚層が、前記縮重合物と電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物である、請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 防汚層の基材側の面にハードコート層を有する、請求項1又は2に記載のタッチパネル。
  4. 前記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  5. 防汚層表面の純水の接触角が95°以上、且つ、滑落角が30°以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  6. 防汚層表面のアルコール系溶剤による拭き取り前後における該防汚層表面の純水の接触角の減少率が0〜15%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  7. 少なくとも基材と防汚層とを有する多層フィルムの製造方法であって、
    基材上に、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体とを、有機溶媒、水、及び酸を含む混合溶媒中で加水分解、縮重合して得られた縮重合物を配合してなる防汚層形成用組成物の未硬化層を形成し、硬化させて防汚層を形成する、多層フィルムの製造方法。
  8. 前記未硬化層を電離放射線の照射により硬化させて防汚層を形成する、請求項7に記載の多層フィルムの製造方法。
  9. 前記防汚層形成用組成物が、さらに電離放射線硬化性樹脂を配合したものである、請求項7又は8に記載の多層フィルムの製造方法。
  10. 未硬化層の形成前に、基材上に電離放射線硬化性樹脂を含むハードコート層形成用組成物の塗膜を形成し、電離放射線を照射して半硬化層を形成し、次いで、該半硬化層の基材とは反対側の面に接するように前記未硬化層を形成し、該半硬化層と、該未硬化層とに同時に電離放射線を照射し硬化させて、各々ハードコート層と防汚層とを形成する、請求項8又は9に記載の多層フィルムの製造方法。
  11. 前記半硬化層を形成する際に照射する電離放射線の照射量Xα(mJ/cm)、及び前記半硬化層と、前記未硬化層とに同時に照射する電離放射線の照射量Xβ(mJ/cm)が下記式(I)の関係を満たす、請求項10に記載の多層フィルムの製造方法。
    0.01≦Xα/(Xα+Xβ)≦0.80 (I)
    (但し、Xαは3以上100以下である)
  12. 基材と防汚層とを有する多層フィルムであって、
    前記防汚層が、(A)パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、(B)トリアルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、又は(C)少なくとも1つのアルコキシ基及び重合性基を有する前記(B)成分の誘導体との縮重合物を含む硬化物である、多層フィルム。
  13. 前記防汚層が、前記縮重合物と電離放射線硬化性樹脂とを用いてなる硬化物である、請求項12に記載の多層フィルム。
  14. 防汚層の基材側の面にハードコート層を有する、請求項12又は13に記載の多層フィルム。
  15. 前記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、請求項12〜14のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  16. 防汚層表面の純水の接触角が95°以上、且つ、滑落角が30°以下である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  17. 防汚層表面のアルコール系溶剤による拭き取り前後における該防汚層表面の純水の接触角の減少率が0〜15%である、請求項12〜16のいずれか一項に記載の多層フィルム。
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