JP2017170827A - 積層体、タッチパネル、タッチパネル表示装置、及び積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、タッチパネル、タッチパネル表示装置、及び積層体の製造方法 Download PDF

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史哲 岡崎
慎太郎 那須
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慎太郎 那須
伸 宮之脇
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伸 宮之脇
智之 堀尾
Tomoyuki Horio
智之 堀尾
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Abstract

【課題】汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさ等といった防汚性に優れ、更に、防汚層の密着性に優れた積層体、該積層体の製造方法、該積層体を備えたタッチパネル、及び、該積層体を備えたタッチパネル表示装置を提供することを目的とする。【解決手段】基材上に、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層と、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層とをこの順で有することを特徴とする積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、タッチパネル、タッチパネル表示装置、及び積層体の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機・無機ELディスプレイ、電子ペーパー、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、EPD(Electrophoretic Display)などの画像表示装置、タッチパネル、携帯電話、音楽プレーヤーなどの携帯用電子機器、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスクなどの光記録媒体等は、その取り扱い時に、表面に指紋、皮脂、汗などの汚れが付着することがある。このような汚れは、画像表示装置、タッチパネルや各種電子機器のディスプレイの場合には、視認性を低下させ、該ディスプレイ上で操作する場合には、操作性に悪影響を及ぼすことがある。また、上記光記録媒体においては、信号の記録及び再生に障害が発生することがある。
従って、上記物品の表面には、汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさといった特性(防汚性)を付与することが必要となる。
そこで、物品表面に防汚性又は撥水性のある薄膜を形成することが種々検討されている。
例えば、特許文献1には、真空蒸着法によって基材表面に防汚性又は撥水性のあるフルオロアルキルシランを用いて形成させた防汚性薄膜が開示されている。
また、特許文献2には、固体表面に有機シランと金属アルコキシドとを加水分解、縮重合させて形成させた有機−無機ハイブリット皮膜が開示されている。
特開2006−336109号公報 特開2013−213181号公報
しかしながら、特許文献1に記載の薄膜は、表面自由エネルギーを低下させることは可能だが、滑落性についての言及がない。ここで、本発明において「滑落性」とは、汚れの付き難さ及び汚れの拭き取りやすさを表す指標である。一般にパーフルオロアルキル基で修飾した面は、パーフルオロアルキル基の剛直性により滑落性が得られず、指紋の付着や拭き取りといった防汚性が十分でない。従って、特許文献1も同様と考えられる。
また、特許文献2に記載の皮膜は、有機シランと共に金属アルコキシドを用いることにより、従来の有機シラン単独で形成した皮膜と比較して、該皮膜表面の液滴の滑落性を改善させているものの、アルキルシランを用いた場合には表面自由エネルギーが十分に低下せず、また、パーフルオロアルキルシランを用いた場合にはパーフルオロアルキル基が剛直であることから、汚れの付着防止や拭き取りに対する効果は十分なものではなかった。
また、スマートフォンやタブレット端末等のタッチパネルディスプレイを有する端末の操作には、画面を指で触れる(タップ)、触れながら指を移動させる(スライド、ピンチ)といった動作が必須となる。そのため、テレビ等のディスプレイに用いられる従来の防汚層を有する部材に比べて指紋付着による汚れの頻度が高く、指紋付着による汚れ防止に対する要望が大きくなっており、従来求められていた防汚性よりも高い性能が要求されている。
しかしながら、上述したような従来の防汚部材では、実際に指で圧力をかけながら触れつつ指紋を付着させるという、タッチパネル特有の指紋付着問題の解決には不十分であった。
更に、基材として樹脂フィルムを使用した場合に、基材と防汚層との密着性が十分ではないという問題が生じる場合があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさ等といった防汚性に優れ、更に、防汚層の密着性に優れた積層体、該積層体の製造方法、該積層体を備えたタッチパネル、及び、該積層体を備えたタッチパネル表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、基材上に特定の硬化物層を設けた後、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとを組み合わせて用いた防汚層を設けることにより、積層体の防汚性及び防汚層の密着性を向上させることができることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、以下の[1]〜[11]に関する。
[1] 基材上に、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層と、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層と、をこの順で有することを特徴とする積層体。
[2] 成分aが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、前記[1]に記載の積層体。
[3] 成分bが、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つである、前記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4] 成分bが、下記式(b1)で表されるテトラアルコキシシランである、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の積層体。

(式(b1)中、Rb1はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
[5] 成分Aが有する重合性基が、ラジカル重合性基であり、かつ、成分Bが多官能ラジカル重合性化合物である、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層体。
[6] 成分A及び成分Bの合計質量に対する成分Aの質量{成分A/(成分A+成分B)}が、0.1〜0.7である、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の積層体。
[7] 加温加湿処理後にイソプロピルアルコールを用いた拭き取り処理後の純水接触角が、95°以上である、前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の積層体。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の積層体を備えたタッチパネル。
[9] 前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の積層体を備えたタッチパネル表示装置。
[10] 基材を配列規定処理する工程、及び、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層を設ける工程をこの順で有することを特徴とする、積層体の製造方法。
[11] 基材を配列規定処理する工程が、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層を設ける工程である、前記[10]に記載の積層体の製造方法。
本発明によれば、汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさ等といった防汚性に優れ、防汚層の密着性に優れた積層体、該積層体の製造方法、該積層体を備えたタッチパネル、及び、該積層体を備えたタッチパネル表示装置を提供することができる。
以下の説明において、数値範囲を表す「A〜B」の記載は、端点を含む数値範囲を表す。すなわち、「A以上B以下」(A<Bの場合)、又は、「A以下B以上」(A>Bの場合)を表す。また、以下の説明において、好ましい態様の組合せは、より好ましい態様である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[積層体]
本発明の積層体は、基材上に、硬化物層と、防汚層とをこの順で有し、硬化物層は、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層であり、防汚層は、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する。
以下、基材、硬化物層、及び、防汚層について、説明する。
<基材>
本発明の積層体に用いる基材としては、例えば、ガラス板、酸化アルミ板、スピン−オン−グラス(SOG)材料などの各種無機系材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などの各種有機系樹脂材料、有機−無機複合材料などが挙げられる。
本発明において、基材は、取り扱い性の観点から、有機系樹脂材料からなることが好ましい。有機系樹脂材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂等が例示される。
なお、上記基材の形状は、平面構造であってもよいし、立体構造であってもよい。
基材の厚みは特に限定されないが、光学特性や強度の観点から、好ましくは1〜500μmであり、より好ましくは3〜300μmであり、更に好ましくは5〜200μmである。
基材の表面には、接着性を向上させて使用環境下での長期の信頼性を向上させるために、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。また、これらの層の形成の有無にかかわらず、接着性を向上させるために、コロナ放電処理、酸化処理、プラズマ処理等の物理的な処理を行ってもよい。
また、ディスプレイ等として用いる観点から、上記基材の全光線透過率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。基材の全光線透過率は、JIS K7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠する方法により測定することができる。
<硬化物層>
硬化物層は、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:前記成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物からなる層である。
以下、成分A及び成分Bについて詳述する。
(成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物)
成分Aは、アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物である。成分Aは少なくとも1つのアルコキシシリル基と、少なくとも1つの重合性基とを有する化合物であれば特に限定されず、複数のアルコキシシリル基や、複数の重合性基を有する化合物であってもよい。これらの中でも、反応性及び入手容易性の観点から、1つのアルコキシシリル基と、1つの重合性基とを有する化合物であることが好ましい。
成分Aが有するアルコキシシリル基は、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、防汚層が有する成分aと成分bとの縮重合物との反応性、及び、入手容易性の観点から、ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基であることが好ましく、トリアルコキシシリル基であることがより好ましい。
アルコキシシリル基中のアルコキシ基としては、入手容易性、加水分解の容易性、及び、加水分解された成分が膜中に残存しにくい観点から、炭素数1〜6のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1又は2のアルコキシ基であることが更に好ましく、メトキシ基であることが特に好ましい。なお、アルコキシシリル基が、ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基である場合、複数存在するアルコキシ基は、同一でも異なっていてもよいが、合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
成分Aが有する重合性基は、ラジカル重合性基、カチオン重合性基のいずれでもよく、特に限定されない。カチオン重合性基としては、ビニルエーテル基、オキシラニル基(エポキシ基ともいう。)、オキセタニル基等が例示され、ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が例示される。
成分Aが有する重合性基は、硬化速度が速く、また、有機系樹脂材料からなる基材との密着性に優れる観点から、ラジカル重合性基であることが好ましく、特に、(メタ)アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
成分Aは、下記式(A1)で表される化合物であることが好ましい。

式(A1)中、Ra1はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基又は炭素数6〜16のアリール基を表す。Ra2はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは1〜3の整数を表し、Ra1の少なくとも1つは重合性基を有する。
a1としてのアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、フルオロ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。なお、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基の炭素数には、置換基に含まれる炭素数は含まないものとする。また、Ra1のうち少なくとも1つは、重合性基を有する。
炭素数1〜10アルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状のいずれでもよく、炭素数1〜10のアルキル基、及び、その置換体の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシオクチル基、3−コハク酸無水物プロピル基、等が挙げられる。アルケニル基及びその置換体の具体例としては、ビニル基等が挙げられる。アリール基及びその置換体の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−スチリル基(4−ビニルフェニル基)、縮合多環式芳香族炭化水素基であるナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ピレニル基、インデニル基、アセナフテニル基等が挙げられる。
nは1〜3の整数を表し、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
成分Aとして具体的には、以下の化合物が例示され、重合性基としてビニル基を有する成分Aとしては、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等が例示される。また、重合性基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有する成分Aとしては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が例示される。重合性基としてエポキシ基を有する成分Aとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が例示される。
これらの中でも、成分Aは、重合性基として(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましく例示され、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが更に好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
成分Aとしては、市販されている製品を使用してもよく、具体的には、信越化学(株)製のKBM−1403(p−スチリルトリメトキシシラン)、KBM−502(3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン)、KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、KBE−502(3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン)、KBE−503(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、KBM−5103(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、KR−513(アクリロイル基含有シリコーンメトキシオリゴマー)、KBM−303(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)、KBM−402(3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)、KBM−403(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、KBE−402(3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン)、KBE−403(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)が例示される。
成分Aは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物中の成分Aの含有量は、硬化性組成物の全固形分中、3〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。なお、固形分とは、有機溶剤等の揮発性成分を除いた全成分を意味し、液状であるモノマー等を含むものとし、以下の説明において同様である。
(成分B:前記成分A以外の重合性化合物)
成分Bは、前記成分A以外の重合性化合物である。成分Bが有する重合性基は、ラジカル重合性基でもカチオン重合性基でもよく、特に限定されないが、成分Aがラジカル重合性基を有する場合には、ラジカル重合性基であることが好ましく、成分Aがカチオン重合性基を有する場合には、カチオン重合性基であることが好ましい。
ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基としては、上記成分Aと同様のものが例示される。
成分Bは、単官能重合性化合物でもよく、多官能重合性化合物でもよいが、硬化性の観点から、多官能重合性化合物であることが好ましく、多官能ラジカル重合性化合物であることがより好ましい。
多官能重合性化合物としては、多官能重合性モノマー、及び、多官能重合性オリゴマー又はポリマーのいずれでもよいが、少なくとも多官能重合性モノマーを含有することが好ましい。ここで、「モノマー」とは、分子量(分子量分布が存在する場合には、重量平均分子量)が1,000以下の化合物を意味し、「オリゴマー又はポリマー」とは、分子量(分子量分布が存在する場合には、重量平均分子量)が1,000を超える化合物を意味する。
多官能ラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボルニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能重合性化合物等を挙げることができる。
また、多官能ラジカル重合性オリゴマー又はポリマーとしては、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート等が例示される。
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)デカアクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)オクタアクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)ノナアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、又は、ジトリメチロールプロパンヘキサメタアクリレートが好ましく、より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本発明では、上記多官能ラジカル重合性化合物として、上述した化合物をPO(プロピレンオキシ基)、EO(エチレンオキシ基)等で変性したものも使用できる。
多官能カチオン重合性化合物としては、エポキシ基を有する化合物が例示され、ジャパンエポキシレジン(株)から販売されている「エピコート」シリーズ、DIC(株)から販売されている「エピクロン」シリーズ、東都化成(株)から販売されている「エポトート」シリーズ、(株)ADEKAから販売されている「アデカレジン」シリーズ、ナガセケムテックス(株)から販売されている「デナコール」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「ダウエポキシ」シリーズ、日産化学工業(株)から販売されている「テピック」等が挙げられる。
また、脂環式エポキシ化合物としては、ダイセル化学工業(株)から販売されている「セロキサイド」シリーズ及び「サイクロマー」シリーズ、ダウケミカル社から販売されている「サイラキュア」シリーズ等が例示される。
オキセタン化合物としては、東亞合成(株)から販売されている「アロンオキセタン」シリーズ、宇部興産(株)から販売されている「ETERNACOLL」シリーズ等が挙げられる。
成分Bは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物中の成分Bの含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、25〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
本発明において、硬化性組成物中の成分A及び成分Bの合計量は、硬化性組成物の固形分中、70〜98質量%であることが好ましく、75〜98質量%であることがより好ましく、80〜98質量%であることが更に好ましい。
本発明において、成分A及び成分Bの合計質量に対する成分Aの質量{成分A/(成分A+成分B)}(質量比)は、硬化性、基材に対する密着性、及び防汚層に対する密着性の観点から、0.1〜0.7であることが好ましく、0.1〜0.6であることがより好ましく、0.1〜0.5であることが更に好ましい。
硬化物層を形成するための硬化性組成物は、上記の成分A及び成分Bに加え、他の成分を含有していてもよい。具体的には、重合開始剤、重合禁止剤、溶剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
(重合開始剤)
成分A又は成分Bが有する重合性基がラジカル重合性基である場合、硬化性組成物はラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、電子線、紫外線、赤外線等の活性エネルギー線を受けてラジカルを発生し、ラジカル重合を生起しうるものである。アシルフォスフィンオキサイド、α−ヒドロキシケトン、α−アミノアルキルフェノン、オキシムエステル等を使用することができる。
前記アシルフォスフィンオキサイドとして、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−フォスフィンオキサイド(イルガキュア 819、BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Lucirin TPO:BASF社製)等が例示されるが、これらの中でも2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Lucirin TPO:BASF社製)が好ましい。
α−ヒドロキシケトンとしては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア 184、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(イルガキュア 127、BASF社製)、2−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシ−2−メチルプロピオフェノン(イルガキュア2959、BASF社製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン](Esacure one、ランベルティ社製)が好ましい。
α−アミノアルキルフェノンとしては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369、BASF社製)が好ましい。
また、オキシムエステルとしては、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)が好ましい。
また、成分A又は成分Bがカチオン重合性基を有する場合、重合開始剤としてカチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
カチオン重合開始剤としては、例えば、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、及び鉄アレーン錯体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
カチオン重合開始剤としては、従来公知のものを使用することができる。上記のカチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(以上、三新化学(株)製)、CI−2064(日本曹達(株)製)、イルガキュア261(BASF社製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(以上、(株)ADEKA製)等が好ましく用いられる。
重合開始剤の含有量は、成分A及び成分Bの合計量に対して、1〜10質量%であることが好ましい。これらは、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
硬化物層の膜厚は、特に限定されないが、表面硬度とカール防止とのバランスの観点から、1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。
硬化物層の形成方法については、後述する。
<防汚層>
本発明において、防汚層は、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する。上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造を有することにより、防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、汚れを付き難くすることができる。また、上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとが縮重合した構造であるため、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することにより、滑落性が向上し、更に汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れの拭き取りを容易にすることができると考えられる。
上記防汚層に占める上記縮重合物の割合は、60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましい。
(成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン)
前記縮重合物の原料として用いられるパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランは、パーフルオロポリエーテル構造を有することにより、防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、汚れを付き難くする。更に、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することにより、更に汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れの拭き取りを容易にする。
上記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとしては、例えば、下記式(3)乃至(6)で表される化合物が挙げられ、防汚性の観点から、下記式(3)で表される化合物が好ましい。

(式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基である。ただし、複数のRは同一でも異なっていてもよい。R〜R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の2価の有機基を示す。Zはシロキサン結合を有する1〜10価のオルガノポリシロキサン基であり、Zはシロキサン結合を有する2〜10価のオルガノポリシロキサン基である。Qはパーフルオロポリエーテル結合を含む基である。Rfは、直鎖又は分岐鎖構造のパーフルオロアルキル基である。nは1〜200の整数、mは1〜10の整数である。)
上記Rの炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ、防汚性及び反応性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R〜R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12、好ましくは炭素数3〜8の2価の有機基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ等が挙げられる。また、これらの基は、エーテル結合、アミド結合、エステル結合、及びビニル結合を含んでいてもよく、更に、酸素原子、窒素原子及びフッ素原子で置換されていてもよい。
上記Zのシロキサン結合を有する2〜10価のオルガノポリシロキサン基としては、例えば、以下の式(7−1)〜(7−12)で表される基が挙げられる。
上記式(7−1)〜(7−12)で表される基の中でも、本発明の効果である防汚性を得る観点から、式(7−1)、(7−2)、(7−3)、(7−4)、(7−7)で表される基が好ましい。
上記Qのパーフルオロポリエーテル結合を含む基としては、例えば、−CFO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−、−OCFOCFCF−、−CFCFCFCFO−、−CFCF(CF)CFO−、−CFCFCFCFCFCFO−、−C(CFO−などが挙げられる。
中でも、防汚性の観点から、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−、−OCFOCFCF−、−CFCF(CF)CFO−が好ましい。これらは、1種類のみでも2種類以上を含んでもよい。
上記Rfは、直鎖又は分岐鎖構造のパーフルオロアルキル基であり、本発明の効果を得る観点から、直鎖のパーフルオロアルキル基が好ましい。
直鎖のパーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が挙げられ、分岐鎖構造のパーフルオロアルキル基としては、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1−ジ(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(トリフルオロメチル)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基などが挙げられる。
上記nは、1〜200の整数であり、防汚性の観点から、好ましくは2〜100、より好ましくは、3〜60である。nを1以上とすることで基材表面を十分に被覆することができ、防汚層表面の表面自由エネルギーが低下し、防汚性を向上させることができる。nを200以下とすることで、アルコキシシリル基(−Si(OR)の反応性を高めることができる。
上記mは、1〜10の整数であり、防汚性の観点から、好ましくは1〜7、より好ましくは、1〜5である。mを1以上とすることで滑り性が向上し、より高い防汚性が得られる。mを10以下とすることで、表面自由エネルギーの増大を抑制し、防汚性の低下を抑制できる。
上記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランは、防汚性及び反応性の観点から、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランであることが好ましい。
また、上記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとしては、信越化学(株)製「X−71−195」、「KY−178」、「KY−164」、「KY−108」、「KP−911」、ダイキン工業(株)製「オプツールDSX」、「オプツールDSX−E」、「オプツールUF503」等が商業的に入手可能であり、生産性及び防汚性の観点から、「X−71−195」が好ましい。
成分aは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つ)
前記縮重合物の原料として用いられる成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つは、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基及びテトラアルコキシシリル基よりなる群から選択される少なくとも1つの基を有する化合物である。なお、成分bは、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基及びテトラアルコキシシリル基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有していればよく、2つ以上を有していてもよい。
成分bは、下記式(1)又は式(2)で表される化合物であることが好ましい。

(式中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアルケニル基である。R及びRが複数ある場合、複数のR及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。mは2〜4の整数である。)

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、Xは2価の有機基である。複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式(1)中のRの炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。中でも、防汚性及び反応性の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアルケニル基である。前記アルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。
は、防汚性及び反応性の観点から、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜8のアルケニル基であることが好ましい。
上記Rの炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の鎖状アルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基であることがより好ましい。
上記Rの炭素数2〜8のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられ、防汚性及び反応性の観点から、ビニル基が好ましい。
上記アルキル基、及びアルケニル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、アルコキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。
mは2〜4の整数であり、防汚性及び反応性の観点から、好ましくは3又は4であり、より好ましくは4である。
上記式(2)中のRの炭素数1〜6のアルキル基としては、上記Rと同じものが挙げられ、中でも、防汚性及び反応性の観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
上記Xの2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜12のアルキレン基、フェニレン基等の炭素数6〜14のアリーレン基などが挙げられる。これらの中でも入手容易性の観点から、メチレン基が好ましい。
前記成分bは、防汚性及び反応性の観点から、前記式(1)で表されるアルコキシシランが好ましく、中でも、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランがより好ましく、テトラアルコキシシランが更に好ましい。
トリアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
成分bは、下記式(b1)で表されるテトラアルコキシシランであることが好ましい。

(式(b1)中、Rb1はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
上記Rb1の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。中でも、防汚性及び反応性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、具体的には、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
テトラアルコキシシランは、4つのアルコキシ基を有することから、前記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとの反応性が高い。
前記成分bは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2種以上を併用する場合、その組み合わせは特に限定されないが、防汚性及び反応性の観点から、テトラアルコキシシランと、トリアルコキシシランとの組み合わせが好ましい。
(成分aと成分bとの縮重合物の合成)
前記防汚層を形成する組成物(以下、防汚層用組成物ともいう。)は、上記成分aと成分bとの縮重合物を含む。該縮重合物は、有機溶媒と水と酸との混合溶媒中で上記成分aと上記成分bとを加水分解、縮重合して得られる態様が好ましい。
具体的には、上記縮重合物は、上記成分aのアルコキシ基、及び上記成分bのアルコキシ基がそれぞれ加水分解してシラノール基を形成した後、該成分aが有するシラノール基と該成分bが有するシラノール基とが縮重合することにより得られる。
有機溶媒としては、上記パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランを溶解させる観点から、好ましくはフッ素系溶媒が用いられる。また、水との溶解性の観点から、フッ素系溶媒と両親媒性溶媒との混合有機溶媒であることが好ましい。
両親媒性溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類等の水溶性の有機溶媒が好適に用いられる。上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。上記ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。その他の水溶性の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル等が用いられる。これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
有機溶媒と水と酸との混合溶媒中の有機溶媒の配合量は、好ましくは90.000〜99.999質量%、より好ましくは92.00〜99.99質量%、更に好ましくは95.0〜99.9質量%である。90.000質量%以上とすることで、混合溶媒中での反応を均一に進めると共に、該組成物から形成された防汚層を均一透明なものとすることができ、99.999質量%以下とすることで、基材表面に十分な防汚層を形成することができる。
水としては、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。また、上記混合溶媒中に含有される水の配合量は、0.001質量%以上であれば、特に限定されないが、好ましくは0.001〜1.000質量%、より好ましくは0.005〜0.500質量%の割合で配合する。0.001質量%以上とすることで、上記加水分解が促進され、1.000質量%以下とすることで、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランの沈殿を抑制することができる。
酸としては、上記加水分解を促進する作用を有するものであれば特に限定されず、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、コハク酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸等が挙げられ、反応性や乾燥時の防汚層からの除去の観点から、塩酸が好ましい。また、上記混合溶媒中に含有される酸の配合量は、上記加水分解を促進させる観点から、好ましくは0.000001〜10.000000質量%、より好ましくは0.00001〜5.00000質量%、更に好ましくは0.0001〜1.0000質量%である。
防汚層用組成物には、以上の各成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される光酸発生剤や光塩基発生剤等を必要に応じて配合することができる。該光酸発生剤もしくは光塩基発生剤を配合することにより、より強固な防汚層を形成することができる。
また、上記防汚層用組成物の固形分濃度は、好ましくは0.01〜15.00質量%であり、より好ましくは0.05〜10.00質量%であり、更に好ましくは0.1〜5.0質量%である。0.01質量%以上とすることで、防汚層の硬化を促進することができ、15.00質量%以下とすることで、防汚層の着色や防汚性の低下を抑制することができる。
防汚層の厚みは特に限定されないが、防汚性、及び耐久性の観点から、好ましくは1〜30nm(推定値)、より好ましくは1〜20nm(推定値)である。
防汚層は、従来、汚れを付き難くするために、水と油脂との接触角を大きくすることが検討されてきた。これに対して、本発明では、水と油脂との接触角を大きくするとともに、両者の滑落角を小さくすることで、高い滑落性が得られることにより、汚れを付き難く、かつ付いた汚れをふき取りやすくしている。
滑落性は、純水及びn−ヘキサデカンの滑落角を測定することで評価でき、該滑落角が小さいほど滑落性が良好である。滑落角は、測定対象物である積層体の防汚層表面に、水平な状態で10μLの純水及び3μLのn−ヘキサデカンを滴下し、積層体を徐々に傾斜させて、液滴が滑り始める傾斜角度(滑落角)を測定することにより求められる。測定装置としては、例えば、協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いることができる。滑落角は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の積層体は、防汚層表面の純水の接触角が好ましくは95°以上であり、より好ましくは110°以上であり、更に好ましくは112°以上である。また、防汚層表面の純水の滑落角が好ましくは40°以下であり、より好ましくは30°以下であり、更に好ましくは25°未満である。
上記接触角が95°以上であると、防汚層が低い表面自由エネルギーを有していることを示しており、汚れを付き難くすることができる。また、上記滑落角が40°以下であると、防汚層表面の滑落性が向上し、更に汚れを付き難くし、かつ、付いた汚れを拭き取りやすくすることができる。
本発明において、上記接触角を95°以上とすることができるのは、上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造部位を有することに起因すると考えられる。また、上記滑落角を40°以下とすることができるのは、上記縮重合物が、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとテトラアルコキシシランとが縮重合した構造であるため、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することに起因すると考えられる。
なお、接触角は、接触角測定装置(例えば、協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」)を用いて、純水及びn−ヘキサデカンに対する接触角をθ/2法により測定することで求められる。接触角は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
また、本発明の積層体は、防汚層表面のn−ヘキサデカンの接触角が好ましくは50°以上であり、より好ましくは55°以上であり、更に好ましくは60°以上である。また、防汚層表面のn−ヘキサデカンの滑落角が好ましくは20°以下であり、より好ましくは15°以下であり、更に好ましくは10°以下である。
本発明者らは、防汚層がパーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの縮重合物を含むことにより、防汚層表面と、指や拭き取りに用いる布等との摩擦係数を小さくし、滑り性を向上させることを見出した。本発明の積層体は、水と油脂との接触角を大きくすることにより防汚層の表面自由エネルギーを低下させ、水と油脂との滑落角を小さくすることにより、高い滑落性が得られることに加え、高い滑り性が得られることにより、上記防汚層表面に対し、更に汚れを付き難くし(指紋付着量が少ない)、かつ付いた汚れをふき取りやすくすること(指紋拭取性が良好)ができる。
このように、本発明の積層体が、従来の防汚部材では得られなかった極めて優れた防汚性を有するのは、上記縮重合物が有する隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することに起因すると考えられる。
特に、タッチパネル等のような指でスライドさせて用いる表面の防汚性を得るには、上記滑り性の向上は重要である。
なお、本発明において「滑り性」とは、積層体の防汚層表面の滑らかさを表す指標である。滑り性は、具体的には実施例に記載の方法により評価することができる。
本発明の積層体は、加温加湿処理を行った後、更にイソプロピルアルコールを用いた拭き取り処理をこの順で行った後の防汚層表面の純水の接触角が、好ましくは95°以上であり、より好ましくは100°以上であり、更に好ましくは110°以上であり、より更に好ましくは112°以上である。また、同様の処理を行った後の純水の滑落角は、好ましくは40°以下であり、より好ましくは30°以下であり、更に好ましくは25°以下未満である。
更に、同様の加温加湿処理及びイソプロピルアルコールを用いた拭き取り処理を行った後の防汚層表面のn−ヘキサデカンの接触角は、好ましくは50°以上であり、より好ましくは55°以上であり、更に好ましくは60°以上である。また、同様の加温加湿処理及びイソプロピルアルコールを用いた拭き取り処理を行った後の防汚層表面のn−ヘキサデカンの滑落角は、好ましくは20°以下であり、より好ましくは15°以下であり、更に好ましくは10°以下である。
本発明の積層体は、防汚層の密着性に優れ、加温加湿処理や、更に、イソプロピルアルコールを用いた拭き取り試験を行っても、その性能が大きく劣化することなく、維持されるという効果を有する。
なお、上述の「加温加湿処理」は、温度50〜100℃で、湿度35〜90%RHにて、0.5〜10時間行うことが例示され、好ましくは、実施例に示した条件で加温加湿処理を行うことである。
また、イソプロピルアルコールによる拭き取り処理は、イソプロピルアルコールを含浸させたウエスを用いて、積層体の防汚層表面を拭き取る操作を行えばよく、具体的に、実施例に示したイソプロパノールによる拭き取り処理が例示される。
本発明の積層体は、耐擦傷性の観点から、硬度が高いことが好ましい。JIS K 5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましい。
[積層体の製造方法]
次に、本発明の積層体の製造方法を説明する。
本発明の積層体の製造方法は、基材を配列規定処理する工程、及び、成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層を設ける工程をこの順で有することを特徴とする。
ここで、配列規定処理とは、成分aと成分bとの縮重合物が有するアルコキシシリル基、又は、これが加水分解したシラノール基との反応性を有する基が、基材表面に配置されるようにする処理である。
<配列規定処理する工程>
配列規定処理する工程としては、(1)基材上に成分A及び成分Bを含有する硬化性組成物の硬化物層を設ける工程(以下、単に「硬化物層を設ける工程」ともいう。)、及び、(2)基材表面を大気圧プラズマ処理又はコロナ処理する工程、が挙げられ、該(1)の工程が好ましい。
((1)基材上に成分A及び成分Bを含有する硬化性組成物の硬化物層を設ける工程)
硬化物層を設ける工程は、(1−1)成分A及び成分Bを含有する硬化性組成物を調製する工程、(1−2)基材上に硬化性組成物からなる層を形成する工程、及び、(1−3)基材上の硬化性組成物を硬化させる工程(以下、「硬化工程」ともいう。)を有することが好ましい。
〔(1−1)成分A及び成分Bを含有する硬化性組成物を調製する工程〕
当該工程では、成分A、成分B、及び、必要に応じて重合開始剤を含有する硬化性組成物を調製する。各成分は逐次的に混合してもよく、同時に混合してもよく、特に限定されないが、重合開始剤の混合は、混合工程の最終段階であることが好ましい。
〔(1−2)基材上に硬化性組成物からなる層を形成する工程〕
基材上に硬化性組成物からなる層を形成する工程は、硬化性組成物を塗布する工程であることが好ましい。
上記組成物を塗布する方法は、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等が挙げられる。
なお、インクジェット法や、浸漬法等により硬化性組成物の層を形成してもよく、特に限定されない。
硬化性組成物が溶剤等の揮発性成分を含有する場合、後述する硬化工程前に、溶剤を除去する乾燥工程を有することが好ましい。
〔(1−3)硬化工程〕
硬化工程では、硬化性組成物に重合を生起させ、硬化させることができれば、硬化方法は特に限定されず、電子線、紫外線等の電離放射線の照射、加熱等の公知の方法から適宜選択すればよい。
これらの中でも、硬化性に優れ、また、取り扱いが簡便である観点から、紫外線の照射により硬化させることが好ましい。
照射する紫外線の波長は、用いる重合開始剤や重合開始助剤等により適宜選択すればよい。紫外線源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯などから、適宜選択すればよい。また、照射線量は、硬化性及び硬化後のタックの発生を抑制する観点から、適宜選択すればよい。
<成分aと成分bとの縮重合物を含有する防汚層を設ける工程>
成分aと成分bとの縮重合物を含有する防汚層を設ける工程(以下、単に「防汚層を設ける工程」ともいう。)は、成分aと成分bとの縮重合物を含有する防汚層用組成物を調製する工程(i)と、該組成物を該基材又は基材に設けられた硬化物層に塗布して防汚層を形成する工程(ii)とを有する。
なお、本発明において、硬化物層を設ける工程の後、防汚層を設ける工程の前に、大気圧プラズマ処理又はコロナ処理する工程を有していてもよい。
また、純水処理する工程や、加温加湿処理等を行ってもよい。加温加湿処理は、塗布後、又は乾燥後に基材の耐熱耐湿性を考慮し、例えば、温度50℃〜100℃で、湿度35〜90%RH、0.5〜10時間行うことが好ましい。
(工程(i))
本工程においては、例えば、有機溶媒と水と酸との混合溶媒中に、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン(成分a)と、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つ(成分b)とを混合、撹拌し、上記成分a及び成分bを加水分解し、次いで縮重合することにより縮重合物を得る。
上記成分a、成分b、有機溶媒、水、及び酸としては、それぞれ上記積層体の項で説明したものを用いることができ、有機溶媒、水、及び酸の配合量は、それぞれ上記積層体の項で説明した範囲内で適宜調整する。
また、上記成分aの重量平均分子量は、GPC測定により求めることができる。
上記成分aと、上記成分bとの重量比は、好ましくは1:0.1〜10.0、より好ましくは1:0.15〜8.0、更に好ましくは1:0.2〜6.0である。上記範囲内とすることにより、防汚性を向上させることができる。
加水分解及び縮重合反応は、これらの反応が適切に起こる一定の雰囲気下で行うことが好ましい。具体的には、−25〜120℃の範囲で、0.1〜200時間程度行うことが好ましく、−10〜100℃で、0.5〜150時間程度行うことがより好ましく、0〜70℃で、1〜120時間程度行うことが更に好ましい。
なお、上記成分の他に、必要に応じて上記積層体の項で説明したその他の成分を添加することができる。
(工程(ii))
上記工程(i)で調製した組成物を基材上に塗布して乾燥し、硬化させることにより防汚層を形成する。
上記組成物を塗布する方法は、所望の厚みに均一に塗布できる方法であればよく、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法等が挙げられる。
上記組成物を塗布して形成した膜の乾燥、硬化処理の設定条件は、原料、溶媒や、雰囲気の温度や湿度によって変わるが、本発明の効果が得られるのに適した一定の雰囲気下にコントロールした状況で行うことが好ましい。例えば、通常、室温(25℃)〜300℃で、0.1〜48時間程度行うことが好ましく、25〜250℃で、0.2〜24時間程度行うことがより好ましい。これらの処理は1種類の雰囲気下で完結させてもよく、2種類以上の雰囲気下で段階的に処理してもよい。また、上記組成物の硬化を促進させるために、塗布後、又は乾燥後に基材の耐熱耐湿性を考慮し、加温加湿処理を行ってもよい。例えば、温度50℃〜100℃で、湿度35〜90%RH、0.5〜10時間行うことが好ましい。
本発明の積層体は、防汚性に優れるため、手で触れた際に表面に指紋、皮脂、汗などの汚れが付着しやすいもの、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機・無機ELディスプレイ、電子ペーパー、VFD、EPDなどの画像表示装置、タッチパネル、携帯電話、音楽プレーヤーなどの携帯用電子機器、CD、DVD、ブルーレイディスクなどの光記録媒体、自動車、電車、航空機などの窓ガラス、外壁用建材、壁紙等の内壁、家電、車載パネル等の表面材として好適に用いられる。
[タッチパネル、タッチパネル表示装置]
本発明のタッチパネルは、上記積層体を備えるものである。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。タッチパネルは、オンセル式でもインセル式でもよい。
本発明のタッチパネルは、例えば、本発明の積層体を表面材として備えた各種画像表示装置、すなわち、タッチパネル表示装置等に使用することができる。なお、上記積層体は、各種画像表示装置の画像表示部表面に用いる防汚性フィルムとして好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
(1)接触角の測定
協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いて、純水及びn−ヘキサデカンの接触角を測定した。積層体の防汚層表面に1.5μLの純水を滴下し、着滴1秒後に、θ/2法に従って、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出した。3回測定した平均値を、接触角の値とした。
(2)滑落角の測定
協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いて、純水及びn−ヘキサデカンの滑落角を測定した。積層体を水平に配置し、該積層体の防汚層表面に10μLの純水、及び3μLのn−ヘキサデカンをそれぞれ滴下し、積層体を徐々に傾斜させて、液滴が滑り始める傾斜角度(滑落角)を測定した。2回測定した平均値を、滑落角の値とした。
(3)密着性の評価
防汚層を形成後の接触角及び滑落角と、溶剤拭き取り試験後の接触角及び滑落角とを測定した。溶剤拭き取り試験後の、接触角又は滑落角の減少が少ないほど、密着性に優れている。
ここで、溶剤拭き取り試験は、以下のように行った。即ち、イソプロピルアルコール(IPA)を含浸させたウエス(旭化成株式会社製、商品名:BEMCOT)を用いて、積層体の防汚層の表面を、200g荷重をかけた状態で拭き取る操作を100往復行った。
(4)硬度
得られた各積層体最表面を、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する試験用鉛筆(硬度H〜3H)を用いて、JIS K 5600−5−4:1999に規定する鉛筆硬度評価方法に従い、7.35Nの荷重にて、最表面(防汚層側最表面)の鉛筆硬度を評価し、傷が付かなかった最も高い硬度を測定した。
[実施例1]
<硬化性組成物の調製>
PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物)(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD PET−30)5.4gと、アルコキシシラン(信越シリコーン(株)製、商品名:KBM−503)0.6gとラジカル重合開始剤(BASF社製、商品名:イルガキュア184)0.24gとMEK(メチルエチルケトン)7.63gとを混合し硬化性組成物2を得た。
<防汚層用組成物の調製>
フッ素系有機溶媒(3M製、商品名:Novec 7300)28.1gと、両親媒性溶媒(関東化学(株)製、商品名:2−プロパノール)4.8gと、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシラン溶液(信越化学工業(株)製、商品名「X−71−195」、固形分20%)0.15gと、テトラアルコキシシラン(東京化成工業(株)製、商品名:オルトけい酸テトラメチル)0.076gとを混合した混合溶液中に、水5.9mgと、1M 塩酸30.6mgとを添加し、25℃で3時間撹拌し、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの縮重合物を含む防汚層用組成物1を得た。
<積層体の製造>
基板(東レ(株)製、商品名:ルミラー、厚さ100μm)上にバーコーターを用いて、上記硬化性組成物2をバーコート法にて塗布し、塗膜を形成した。該塗膜に積算光量が100mJ/cmになるように紫外線照射を行い、膜厚10μm(推定値)の硬化物層を得た。
次に、スピンコーターを用いて、硬化物層上に、上記防汚層用組成物1を、回転速度1000回転/minにて塗布し、塗膜を形成した。該塗膜を12時間乾燥し、溶剤を除去し、硬化させ、膜厚15nm(推定値)の防汚層を有する積層体を得た。硬化させた後、80℃、90%RHの条件にて、1時間加温加湿処理を行い、膜厚15nm(推定値)の防汚層を有する積層体を得た。評価結果を下記表1に示す。
<プラズマ処理>
プラズマ処理は、積水化学工業(株)製の常圧プラズマ処理装置「AP−T05」を用いてリモート方式にて行った。スリット幅は9.5mmとし、掃引速度は700mm/minで行った。また、窒素ガス流量は170L/minとし、出力は180V、6.4Aとした。
[実施例2〜実施例4、比較例1〜比較例4]
硬化性組成物を表1に示す各硬化性組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。結果を下記表2に示す。なお、表1中の「−」の記載は、当該成分を含有していないことを意味する。
また、実施例2では、硬化物層を設ける工程の後、防汚層を設ける工程の前に、上述した大気圧プラズマ処理を行った。
表1中の各成分は、以下の通りである。
A−1:KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)
A−2:KR−513(アクリロイル基含有シリコーンメトキシオリゴマー、信越化学工業(株)製)
A−3:トリメトキシ(4−ビニルフェニル)シラン(信越化学工業(株)製)
A−4:トリメトキシ(メチル)シラン(東京化成工業(株)製)
A−5:トリメトキシ(プロピル)シラン(東京化成工業(株)製)
A−6:トリメトキシフェニルシラン(東京化成工業(株)製)
B−1:KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレートと、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、日本化薬(株)製)
C−1:IRGACURE 184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバ・ジャパン(株)製)
[実施例5〜9]
防汚層用組成物に使用する縮重合物を下記表3に記載の縮重合物に変更した以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。結果を表4に示す。
(結果のまとめ)
表1及び2に示すように、成分A及び成分Bを含有する硬化性組成物の硬化物層と、成分aと成分bとの縮重合物を含む防汚層とを組み合わせて用いた実施例1〜4では、拭取後であっても、純水の接触角が114°、n−ヘキサデカンの接触角が66°であり、いずれも優れていた。また、純水の滑落角が15〜24°、n−ヘキサデカンの滑落角が5〜6°であり、いずれも滑落性に優れていた。これらの結果から、実施例1〜4の部材は、いずれも指紋が付着し難く、指紋の拭取性に優れていることがわかり、これらの効果は、パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと特定の構造を有するアルコキシシランとの縮重合物が有する隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することに起因すると考えられる。このように、実施例1〜4では、イソプロピルアルコール(IPA)による拭取後であっても、優れた接触角及び滑落性が保持されており、防汚層の密着性に優れることが示された。
一方、比較例1〜4では、IPAによる拭取後には、純水の接触角が55〜96°、n−ヘキサデカンの接触角が16〜55°であり、拭取前に比べて、接触角が大幅に減少した。また、拭取後の滑落角も、拭取前に比べて大幅に上昇し、これらのことから、防汚層の密着性が低く、IPAによる拭取処理によって、防汚層がその機能を維持できないことが分かった。
また、表3及び4に示すように、成分a及び成分bの量比、並びに成分bの種類を変更して得られた縮重合物を用いても、十分な防汚性が得られた。
本発明の部材は、防汚性に優れるため、特にタッチパネルディスプレイを有する携帯用電子機器に好適に使用することができる。

Claims (11)

  1. 基材上に、
    成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層と、
    成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層と、をこの順で有することを特徴とする、積層体。
  2. 成分aが、パーフルオロポリエーテル構造を有するトリメトキシシランである、請求項1に記載の積層体。
  3. 成分bが、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 成分bが、下記式(b1)で表されるテトラアルコキシシランである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。

    (式(b1)中、Rb1はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
  5. 成分Aが有する重合性基が、ラジカル重合性基であり、かつ、成分Bが多官能ラジカル重合性化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 成分A及び成分Bの合計質量に対する成分Aの質量{成分A/(成分A+成分B)}が、0.1〜0.7である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 加温加湿処理後にイソプロピルアルコールを用いた拭き取り処理後の純水接触角が、95°以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を備えたタッチパネル。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体を備えたタッチパネル表示装置。
  10. 基材を配列規定処理する工程、及び、
    成分a:パーフルオロポリエーテル構造を有するアルコキシシランと、成分b:ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランよりなる群から選択される少なくとも1つとの縮重合物を含有する防汚層を設ける工程をこの順で有することを特徴とする、積層体の製造方法。
  11. 基材を配列規定処理する工程が、成分A:アルコキシシリル基及び重合性基を有する化合物、並びに、成分B:成分A以外の重合性化合物、を含有する硬化性組成物の硬化物層を設ける工程である、請求項10に記載の積層体の製造方法。
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