JP2006098444A - 耐擦傷性及び反射防止性を有する積層体 - Google Patents

耐擦傷性及び反射防止性を有する積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基材の表面に耐擦傷性層及び反射防止層がこの順に形成された積層体であって、反射防止層と耐擦傷性層との密着性に優れ、かつ反射防止層の耐擦傷性に優れる積層体を提供する。
【解決手段】透明基材の表面に、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物50〜99重量部と、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物1〜50重量部とを含む組成物を硬化させることにより、耐擦傷性層を形成する。この耐擦傷性層の上に、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物と、シリカ微粒子とを含む組成物を硬化させることにより、反射防止層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明基材の表面に耐擦傷性層及び反射防止層がこの順に形成された積層体に関するものである。
従来、ガラスや樹脂などの透明基材に反射防止性能を付与する方法の1つとして、シリカ微粒子とカチオン重合性化合物を含む硬化性組成物を用いて、その硬化物からなる反射防止層を基材表面に形成することが知られている。例えば、特開平6−157819号公報(特許文献1)には、上記カチオン重合性化合物としてエポキシ化合物やビニルエーテル化合物を用いることが開示されている。また、特開2003−145682号公報(特許文献2)には、上記カチオン重合性化合物としてオキセタン化合物を用いることが開示されている。さらに、特開2003−147268号公報(特許文献3)には、上記カチオン重合性化合物としてオキセタン化合物とエポキシ化合物を併用することが開示されている。
特開平6−157819号公報 特開2003−145682号公報 特開2003−147268号公報
これら特許文献に記載の如きカチオン重合性化合物による反射防止層は、一般に硬度が高く、良好な耐擦傷性を有するが、例えば、傷付きの原因となる浮遊物の多い屋外用途や、傷付きが特に問題となるディスプレイ用途などでは、さらなる耐擦傷性の向上が求められている。反射防止層の耐擦傷性を向上させるには、基材表面に通常ハードコート層と称される耐擦傷性層を形成し、その上に反射防止層を形成するのが有効であるが、耐擦傷性層の種類によっては、反射防止層と耐擦傷性層との密着性が不十分であったり、反射防止層の耐擦傷性が十分に向上しなかったりする。そこで、本発明の目的は、透明基材の表面に耐擦傷性層及び反射防止層がこの順に形成された積層体であって、反射防止層と耐擦傷性層との密着性に優れ、かつ反射防止層の耐擦傷性に優れる積層体を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、透明基材の表面に、特定の硬化性組成物を用いて耐擦傷性層を形成し、その上にカチオン重合性化合物とシリカ微粒子を含む硬化性組成物を用いて反射防止層を形成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、透明基材の表面に、耐擦傷性層及び反射防止層が基材表面側からこの順に形成されてなり、耐擦傷性層は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物50〜99重量部と、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物1〜50重量部とを含む組成物が硬化したものであり、反射防止層は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物と、シリカ微粒子とを含む組成物が硬化したものであることを特徴とする積層体を提供するものである。
本発明の積層体は、透明基材の表面に耐擦傷性層及び反射防止層がこの順に形成されてなり、反射防止層と耐擦傷性層との密着性に優れ、かつ反射防止層の耐擦傷性に優れている。
本発明の積層体は、透明基材の表面に、耐擦傷性層及び反射防止層が、透明基材の表面側からこの順に形成されているものである。透明基材には通常、透明樹脂が用いられ、その例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、トリアセチルセルロース樹脂などが挙げられる。特に、メチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂は、吸湿による伸縮が小さく、反射防止板の基材として適している。
透明基材の形状は特に限定されないが、シートやフィルムが代表的である。また、基材表面は、平面であってもよいし、凸レンズや凹レンズなどのように曲面になっていてもよい。また、細かな凹凸が設けられていてもよい。
透明基材の表面には、耐擦傷性層が設けられる。耐擦傷性層は、基材表面の全体に形成されていてもよいし、一部に形成されていてもよい。例えば、透明基材がシートやフィルムであれば、両面に形成されていてもよいし、片面に形成されていてもよい。
耐擦傷性層の材料には、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物と、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物とを含む硬化性組成物が用いられ〔以下、この組成物を硬化性組成物(1)ということがある〕、その硬化物により耐擦傷性層が構成される。
硬化性組成物(1)の必須成分の1つである分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物は、一般に多官能ラジカル重合性化合物とも呼ばれ、このラジカル重合性官能基の例としては、(メタ)アクリロイルオキシ基やマレイミド基のような、ラジカル重合性炭素−炭素二重結合を含む基が代表的である。特に、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基とは、メタクリロイルオキシ基又はアクリロイルオキシ基をいい、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートをいい、その他、本明細書において、(メタ)アクリロイルなどというときの「(メタ)」も同様である。
多官能(メタ)アクリレート化合物の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ−又はテトラ−(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサ−(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、2,2−ビス〔4−(アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパンのような、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;環状ホスファゼン化合物のホスファゼン環に(メタ)アクリロイルオキシ基が導入されたホスファゼン系(メタ)アクリレート化合物;分子内に少なくとも2個のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物と、ポリオールの一部の水酸基が(メタ)アクリロイル化された化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物;分子内に少なくとも2個のハロカルボニル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と、ポリオールの一部の水酸基が(メタ)アクリロイル化された化合物とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート化合物などが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
多官能(メタ)アクリレート化合物には、溶剤や重合開始剤、その他の添加剤などと混合された状態で市販されているものもあるので、それを用いることもでき、かかる市販品の例としては、東亞合成(株)の“アロニックス UV3701”、大日本インキ化学工業(株)の“ユニディック 17−824−9”、ジーイー東芝シリコーン(株)の“UVHC8558”などが挙げられる。
硬化性組成物(1)のもう1つの必須成分である分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物において、カチオン重合性官能基の例としては、ビニルエーテル基やエポキシ基、オキセタン環などが挙げられる。また、ラジカル重合性官能基の例は、先に述べた分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物におけるラジカル重合性官能基の例と同様である。なお、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物と分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物とは、前者がカチオン重合性官能基を有していない点で構成上、区別され、後者はラジカル重合性官能基を分子内に複数個有していてもよく、またカチオン重合性官能基を分子内に複数個有していてもよい。
分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物の例としては、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、グリシジルビニルベンジルエーテルなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
硬化性組成物(1)において、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物と分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物との量比は、両者の合計量を基準として、前者が50〜99重量%、後者が1〜50重量%であり、好ましくは、前者が70〜95重量%、後者が5〜30重量%である。後者があまり少ないと、耐擦傷性層と反射防止層との密着性が十分でなく、後者があまり多いと、耐擦傷性層及びその上の反射防止層の耐擦傷性が低下する。
硬化性組成物(1)には、導電性微粒子を含有させるのが好ましい。これにより、形成される耐擦傷性層が導電性微粒子を含むものとなり、帯電防止性能が付与されるので、静電気の発生が抑制され、埃が付着し難くなる。また、耐擦傷性層とその上に設けられる反射防止層との密着性が向上する。
導電性微粒子としては、例えば、酸化アンチモンのような金属酸化物、インジウム/スズの複合酸化物(ITO)、スズ/アンチモンの複合酸化物(ATO)、アンチモン/亜鉛の複合酸化物、リンでドープされた酸化スズなどが挙げられる。導電性微粒子の粒子径と添加量は、透明性と帯電防止性のバランスを考慮して適宜選択される。粒子径は平均で0.001〜0.1μmであるのが好ましく、あまり小さいと、工業的な生産が難しく、あまり大きいと、耐擦傷性層の透明性が低下するため好ましくない。また、添加量は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物、並びに導電性微粒子の合計量を基準として、1〜50重量%であるのが好ましい。あまり少ないと、帯電防止効果が得られ難く、あまり多いと、耐擦傷性が低下したり、成膜性が低下したりするため好ましくない。
また、硬化性組成物(1)には、安定化剤、酸化防止剤、着色剤などの添加剤が含有されていてもよい。
硬化性組成物(1)を硬化させるための重合開始剤としては、紫外線を照射することでラジカルを発生する化合物が好ましく用いられる。かかるラジカル重合開始剤の例としては、ベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類などが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
また、これらのラジカル重合開始剤の市販品の例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)の“IRGACURE 651”、“IRUGACURE 184”、“IRUGACURE 907”、“IRUGACURE 500”及び“DAROCURE 1173”、日本化薬(株)の“KAYACURE BP−100”及び“KAYACURE DETX−S”、川口薬品(株)の“ハイキュア OBM”、シェル化学(株)の“QUANTACURE ITX”、BASF社の“LUCIRIN TPO”、日本シイベルヘグナー(株)の“ESACURE EB3”などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物と分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物との合計量100重量部に対して、通常0.1〜20重量部程度、好ましくは0.5〜10重量部程度の割合で添加される。この開始剤の量があまり少ないと、紫外線重合性が十分に発揮されず、またその量があまり多くなっても、増量効果が認められず、経済的に不利であるとともに、耐擦傷性層の光学特性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
耐擦傷性層の形成は、透明基材の表面に硬化性組成物(1)を塗布して硬化させることにより行うのが好ましく、このためには、硬化性組成物(1)を塗料として構成する必要がある。この塗料は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物、並びに必要に応じて他の成分を、溶剤に溶解ないし分散させることにより調製するのが望ましい。
溶剤は、塗料の濃度や粘度、硬化後の層厚などを調整するために使用される。用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールのようなアルコール類、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールのようなアルコキシアルコール類、ジアセトンアルコールのようなケトール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類などが挙げられる。溶剤の使用量は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする耐擦傷性層の層厚などに応じて適宜選択されるが、通常は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物、並びに必要により用いられる導電性微粒子の合計量100重量部当たり20〜10000重量部程度の範囲である。
かかる塗料を透明基材の表面に塗布することにより、硬化性組成物(1)からなる塗膜が形成される。塗料の塗布は、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法などの方法により行われる。
次いで、紫外線を照射して塗膜を硬化させることにより、耐擦傷性層を形成することができる。紫外線の照射時間は通常0.1〜60秒程度であり、照射温度は通常10〜40℃程度である。また、紫外線の照射エネルギーは通常50〜3000mJ/cm2程度であり、好ましくは100〜700mJ/cm2程度である。紫外線の照射量があまり少ないと、硬化が不十分となり、耐擦傷性層の強度が低下する。また紫外線の照射量があまり多くなると、耐擦傷性層や基材が劣化し、光学特性や機械物性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
塗料が溶剤を含有する場合、紫外線は、塗膜が溶剤を含有した状態のまま照射してもよいし、溶剤を揮発させた後に照射してもよい。溶剤を揮発させる場合には、室温で放置してもよいし、30〜100℃程度で加熱乾燥してもよい。乾燥時間は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする耐擦傷性層の層厚などに応じて適宜選択される。紫外線照射によって耐擦傷性層を形成した後、耐擦傷性層をより強固なものとするために、さらに加熱処理を施してもよい。加熱温度と時間は適宜選択されるが、通常50〜120℃で30分〜24時間程度である。
形成される耐擦傷性層の層厚は、通常0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmである。層厚があまり小さいと、耐擦傷性層としての特性を示し難くなり、また層厚があまり大きいと、ひびが入るなどの問題が生じる可能性があるため、好ましくない。
以上のようにして形成された耐擦傷性層の上には、反射防止層が形成される。反射防止層の材料には、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物と、シリカ微粒子とを含む硬化性組成物が用いられ〔以下、この組成物を硬化性組成物(2)ということがある〕、その硬化物により反射防止層が構成される。
硬化性組成物(2)の必須成分の1つである分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物は、一般にカチオン重合性化合物とも呼ばれ、カチオン重合性官能基を分子内に1個有する単官能のものであってもよいし、複数個有する多官能のものであってもよい。このカチオン重合性官能基の例は、先に述べた硬化性組成物(1)の必須成分である分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物におけるカチオン重合性官能基の例と同様である。特に分子内に少なくとも1個のオキセタン環を有する化合物であるオキセタン化合物や、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物であるエポキシ化合物が好ましく用いられる。
オキセタン化合物の好ましい例としては、下記式(I)〜(III)で示されるものを挙げることができる。
Figure 2006098444
式中、R1は、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、アリル基、アリール基又はフリル基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、R2はmの値に応じて1〜4価の有機基を表し、nは1〜5の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、R3は水素又は不活性な1価の有機基を表し、R4は加水分解可能な官能基を表す。一分子内にR1、Z、R3又はR4が複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(I)〜(III)において、R1がアルキル基の場合、その炭素数は1〜6程度であることができ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。またフルオロアルキル基も、炭素数1〜6程度であることができる。さらにアリール基は、典型的にはフェニル基又はナフチル基であり、これらは他の基で置換されていてもよい。
また、式(I)においてR2で表される有機基は、特に限定されないが、例えば、mが1の場合は、アルキル基、フェニル基などが、mが2の場合は、炭素数1〜12の直鎖又は分枝状アルキレン基、直鎖又は分枝状のポリ(アルキレンオキシ)基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基などが、mが3又は4の場合は、類似の多価官能基が挙げられる。
式(III)においてR3で表される不活性な1価の有機基としては、典型的には炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、またR4で表される加水分解可能な官能基としては、例えば、メトキシ基やエトキシ基などを包含する炭素数1〜5のアルコキシ基、塩素原子や臭素原子のようなハロゲン原子などが挙げられる。
オキセタン化合物の中でも、分子内にシリル基を有する化合物又はその加水分解縮合物が好ましく用いられる。特に、前記式(III)で示される化合物をアルカリと水の存在下で加水分解縮合させることによって得られる、分子内にオキセタン環を複数個有するシルセスキオキサン化合物(ネットワーク状ポリシロキサン化合物)は、硬い反射防止層を与えるため、本発明に用いる材料として好適である。
エポキシ化合物の好ましい例としては、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートなどが挙げられる。
分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物は、単独で又は複数の化合物を組み合わせて用いることができる。例えば、オキセタン化合物とエポキシ化合物を併用すると、オキセタン化合物の硬化がより促進され、より硬い反射防止膜を得ることができて、有利である。
硬化性組成物(2)のもう1つの必須成分であるシリカ微粒子は、その平均粒径が5nm〜10μm、特に5nm〜100nmの範囲にあるものが好ましく用いられる。粒径があまり小さいシリカ微粒子は、工業的に製造することが困難であり、また粒径があまり大きくなると、反射防止層の透明性などの光学性能が低下するため、好ましくない。また、シリカ微粒子として多孔質シリカ微粒子を用いてもよい。多孔質シリカは、屈折率が1.2〜1.4程度であり、通常のシリカの屈折率1.46に比べて屈折率が低く、反射防止層を形成するうえで、より好ましい。多孔質シリカは、アルコキシシランをアルカリの存在下で加水分解することにより得られる、高度に絡み合って枝分かれし、ポリマー状に生成したシリカであってもよいし、特開平7−133105号公報に示される方法などで製造された、表面が被覆された多孔質シリカであってもよい。また、シリカ微粒子の表面は、分散性を向上させ、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物との親和性を高めるために、例えば特開平7−133105号公報に示されるように、有機ケイ素化合物で修飾されていてもよい。
硬化性組成物(2)において、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物とシリカ微粒子との量比は、両者の合計量を基準として、通常、前者が20〜90重量%、後者が10〜80重量%であり、好ましくは、前者が30〜80重量%、後者が20〜70重量%である。前者を多くし、後者を少なくするほど、反射防止層の強度が向上する傾向にあり、前者を少なくし、後者を多くするほど、反射防止層の屈折率が低下して、反射防止効果が高くなる傾向にある。
硬化性組成物(2)には、シリコーンオイルを含有させるのが好ましい。これにより、形成される反射防止層がシリコーンオイルを含むものとなり、反射防止層表面の平滑性ないし滑り性が向上して、耐擦傷性が向上する。
シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変性シリコーオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノール基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコーンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。シリコーンオイルの添加量は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物とシリカ微粒子との合計量100重量部に対し、通常0.1〜20重量部である。あまり少ないと滑り性を付与した効果が認められ難く、あまり多いと反射防止層の強度が低下するため好ましくない。
また、硬化性組成物(2)には、硬化性組成物(1)同様、安定化剤、酸化防止剤、着色剤などの添加剤が含有されていてもよい。
硬化性組成物(2)を硬化させるための重合開始剤としては、紫外線を照射することでカチオンを発生する化合物が好ましく用いられる。かかるカチオン重合開始剤の例としては、次の各式で示されるジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。
ArN2 +-
(R)3+-
(R)2+-
式中、Arはアリール基を表し、Rはアリール基又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、一分子内にRが複数回現れる場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、Z-は非塩基性でかつ非求核性の陰イオンを表す。
上記各式において、Ar又はRで表されるアリール基は、典型的にはフェニルやナフチルであり、これらは適当な基で置換されていてもよい。また、Z-で表される陰イオンとしては、具体的には、テトラフルオロボレートイオン(BF4 -)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン(B(C65)4 -)、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -)、ヘキサフルオロアーセネートイオン(AsF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネートイオン(SbF6 -)、ヘキサクロロアンチモネートイオン(SbCl6 -)、硫酸水素イオン(HSO4 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)などが挙げられる。
これらカチオン重合開始剤の市販品の例としては、ダウケミカル日本(株)の“サイラキュア UVI−6990”、旭電化工業(株)の“アデカオプトマー SP−150”及び“アデカオプトマー SP−170”、ローディアジャパン(株)の“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074”などが挙げられる。
カチオン重合開始剤は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物100重量部に対し、通常0.1〜20重量部程度、好ましくは0.5〜10重量部程度の割合で添加される。この開始剤の量があまり少ないと、紫外線重合性が十分に発揮されず、またその量があまり多くなっても、増量効果が認められず、経済的に不利であるとともに、反射防止層の光学特性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
反射防止層の形成は、耐擦傷性層の表面に硬化性組成物(2)を塗布して硬化させることにより行うのが好ましく、このためには、硬化性組成物(2)を塗料として構成する必要がある。この塗料は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物、シリカ微粒子、及び必要に応じて他の成分を、溶剤に溶解ないし分散させることにより調製するのが望ましい。
溶剤は、塗料の濃度や粘度、硬化後の層厚などを調整するために使用され、用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、先に述べた硬化性組成物(2)の塗料と同様のものを用いることができる。溶剤の使用量は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする反射防止層の層厚などに応じて適宜選択されるが、通常は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物及びシリカ微粒子の合計量100重量部当たり20〜10000重量部程度の範囲である。
かかる塗料を耐擦傷性層の表面に塗布することにより、硬化性組成物(2)からなる塗膜が形成される。塗料の塗布は、先に述べた硬化性組成物(1)の塗布と同様に、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法などの方法により行われる。
次いで、紫外線を照射して塗膜を硬化させることにより、反射防止層を形成することができる。紫外線の照射は、先に述べた耐擦傷性層の形成のときと同様に行うことができ、照射時間は通常0.1〜60秒程度であり、照射温度は通常10〜40℃程度である。また、紫外線の照射エネルギーは通常50〜3000mJ/cm2程度であり、好ましくは100〜700mJ/cm2程度である。紫外線の照射量があまり少ないと、硬化が不十分となり、反射防止層の強度が低下する。また紫外線の照射量があまり多くなると、反射防止層や耐擦傷性層、基材が劣化し、光学特性や機械物性の低下をきたす可能性があるので、好ましくない。
塗料が溶剤を含有する場合、先に述べた耐擦傷性層の形成のときと同様に、紫外線は、被膜が溶剤を含有した状態のまま照射してもよいし、溶剤を揮発させた後に照射してもよい。溶剤を揮発させる場合には、室温で放置してもよいし、30〜100℃程度で加熱乾燥してもよい。乾燥時間は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする反射防止層の層厚などに応じて適宜選択される。紫外線照射によって反射防止層を形成した後、反射防止層をより強固なものとするために、さらに加熱処理を施してもよい。加熱温度と時間は適宜選択されるが、通常50〜120℃で30分〜24時間程度である。
なお、本発明の積層体において、耐擦傷性層と反射防止層との密着性が優れるのは、先の硬化性組成物(1)をラジカル重合により硬化させて耐擦傷性層を形成させた時点では、耐擦傷性層中に分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物の該カチオン重合性官能基が未反応で残っており、続く硬化性組成物(2)をカチオン重合により硬化させて反射防止層を形成する段階で、反射防止層中の分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物の該カチオン重合性官能基と、耐擦傷性層中に残存する未反応のカチオン重合性官能基とが反応して、両層間に結合が生じるためであると考えられる。
また、以上の説明では、硬化性組成物(1)の硬化と硬化性組成物(2)の硬化を段階的に行うことを述べたが、硬化性組成物(1)と硬化性組成物(2)とが非相溶である場合には、基材表面に硬化性組成物(1)の塗膜を形成した後、未硬化のまま、その上に硬化性組成物(2)の塗膜を形成し、次いで、紫外線を照射して硬化性組成物(1)及び(2)を同時に硬化させることもできる。
形成される反射防止層の層厚は、通常0.01〜1μmである。あまり小さくても、あまり大きくても、反射防止膜としての機能が得られ難い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。また、得られた積層体は、以下の方法で評価した。
(1)反射スペクトル
紫外線可視分光光度計〔(株)島津製作所製の“UV−3100”〕を用いて、入射角度5°における絶対鏡面反射スペクトルを測定し、400〜800nmにおける最も低い反射率を読取った。なお、本測定法では、積層体の表裏両面からの反射が検出されるが、より実用に近い性能としての反射スペクトルを得ることができる。
(2)ガーゼ磨耗硬度
消しゴム摩耗試験機〔(株)本光製作所製〕の消しゴム先端をガーゼで覆い、49N/cm2の圧力を加えながら積層体の表面を往復させて、目視で表面に傷が確認されるまでの往復回数で評価した。
(3)表面抵抗
JIS K 6911に従って、積層体の表面の表面抵抗を測定した。
(4)密着性
積層体に、カッターナイフで1mm幅100個の碁盤目を、基材に達する深さで形成し、セロハンテープ〔ニチバン(株)製、24mm幅〕を碁盤目上に貼り、次いで垂直方向に剥がした。この操作を3回繰返し、剥離した碁盤目の数を求めた。
また、耐擦傷性層のみを形成した段階で、次の評価を行った。
(5)スチールウール硬度
#0000のスチールウールを用いて、耐擦傷性層の表面を500g/cm2の荷重で10往復させて、表面の状態を目視観察した。
(6)層厚
耐擦傷性層の層厚を顕微膜厚計MS−2000〔大塚電子(株)製〕により測定した。
実施例1
〔耐擦傷性層の形成〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔新中村化学工業(株)の“NKエステル A−9530”〕を15.3部、2,2−ビス〔4−(アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパン〔新中村化学工業(株)の“NKエステルA−BPE−4”〕を3.8部、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン〔宇部興産(株)の“ETERNACOLL OXMA”〕を3.4部、2−メチル−1−プロパノールを47.2部、1−メトキシ−2−プロパノールを20.3部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“IRUGACURE 184”;重合開始剤〕を1.2部、及び平均粒子径20〜30nmの五酸化二アンチモン微粒子分散液〔触媒化成工業(株)の“ELCOM PC−14”;濃度20%〕を10部、混合して、耐擦傷性塗料を調製した。
この塗料に、厚さ2mmのメチルメタクリレート−スチレン共重合体樹脂板〔日本アクリエース(株)の“アクリエースMS”〕を浸漬し、引上速度60cm/minでディップ塗布して、室温で1分以上乾燥させた後、60℃で10分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ〔ウシオ電機(株)製の“UVC−3533”〕により約500mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射して、約4μmの厚さの耐擦傷性層を両面に有する樹脂板を得た。評価結果を表1に示す。
〔反射防止層の形成〕
表面がエチルシリケートの加水分解物で被覆された粒径20〜70nmの多孔質シリカ微粒子をイソプロピルアルコール中に20%分散させたゾルを5部、3−エチル−3−〔{3−(トリエトキシシリル)プロポキシ}メチル〕オキセタン〔式(III)において、R1=エチル、R3=エトキシ、n=3、p=0の化合物〕の加水分解縮合物であるオキセタニルシルセスキオキサン〔東亞合成(株)製〕を0.7部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを0.3部、p−クミル−p−トリルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート〔ローディアジャパン(株)の“RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074”;重合開始剤〕を0.1部、イソプロピルアルコールを84部、及び2−ブトキシエタノールを10部、混合して、反射防止塗料を調製した。
この塗料に、先に得た耐擦傷性層を有する樹脂板を浸漬し、引上速度24cm/minでディップ塗布して、室温で1分以上乾燥させた後、60℃で10分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀ランプ〔ウシオ電機(株)の“UVC−3533”〕により約500mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射して、耐擦傷性層の上に反射防止層を有する積層体を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2
耐擦傷性塗料の調製の際、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの量を12.6部、2,2−ビス〔4−(アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパンの量を3.2部、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンの量を6.7部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
実施例3
反射防止塗料の調製の際、さらにエポキシ変性シリコーンオイル〔信越化学工業(株)の“X−22−163A”〕を0.2部、加えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
実施例4
耐擦傷性塗料の調製の際、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンに代えて、グリシジルメタクリレートを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。
比較例1
耐擦傷性塗料の調製の際、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの量を18部、2,2−ビス〔4−(アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパンの量を4.5部にそれぞれ変更し、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物を使用しなかったため、耐擦傷性層と反射防止層との密着性が低く、両層間での剥離が碁盤目100個あたり34個見られた。また、耐擦傷性層の硬度は良好だが、反射防止層の硬度が低い。
比較例2
耐擦傷性塗料の調製の際、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの量を7.2部、2,2−ビス〔4−(アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパンの量を1.8部、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンの量を13.5部ににそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物の使用量が規定値以上であるため、耐擦傷性層と反射防止層との密着性は良好だが、耐擦傷性層の硬度が低く、その上の反射防止層の硬度も低い。
Figure 2006098444
本発明の積層体は、反射防止性が要求される各種用途に用いることができるが、特にプロジェクションテレビ等のディスプレイの前面板として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 透明基材の表面に、耐擦傷性層及び反射防止層が基材表面側からこの順に形成されてなり、耐擦傷性層は、分子内に少なくとも2個のラジカル重合性官能基を有する化合物50〜99重量部と、分子内にカチオン重合性官能基及びラジカル重合性官能基を有する化合物1〜50重量部とを含む組成物が硬化したものであり、反射防止層は、分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物と、シリカ微粒子とを含む組成物が硬化したものであることを特徴とする積層体。
  2. シリカ微粒子が多孔質シリカ微粒子である請求項1に記載の積層体。
  3. 耐擦傷性層を形成するための組成物が、さらに導電性微粒子を含む請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 反射防止層を形成するための組成物に含まれる分子内にカチオン重合性官能基を有する化合物が、分子内にシリル基を有するオキセタン化合物又はその加水分解縮合物である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
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