JP2002156504A - ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム - Google Patents

ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム

Info

Publication number
JP2002156504A
JP2002156504A JP2000352618A JP2000352618A JP2002156504A JP 2002156504 A JP2002156504 A JP 2002156504A JP 2000352618 A JP2000352618 A JP 2000352618A JP 2000352618 A JP2000352618 A JP 2000352618A JP 2002156504 A JP2002156504 A JP 2002156504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
film
coat film
coat layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000352618A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Matsufuji
明博 松藤
Yuzo Muramatsu
雄造 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000352618A priority Critical patent/JP2002156504A/ja
Publication of JP2002156504A publication Critical patent/JP2002156504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐擦傷性、表面硬度及び透明性を有す
るハードコート層を形成することにより、4H以上の鉛
筆硬度値を有するハードコートフイルムを提供するこ
と。 【解決手段】 透明基材フイルムの少なくとも片面にハ
ードコート層を積層してなるハードコートフイルムであ
って、該ハードコート層の表面硬度とハードコート層厚
みの三乗の積が2mN・mm以上10mN・mm以下で
あるハードコート層であるハードコートフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基材フイルム
に活性エネルギー線による硬化樹脂層を有するハードコ
ートフイルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、優
れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコートフイルム
に関する。本発明は、CRT、LCD、PDP、FED
等のディスプレイの表面や家電製品等のタッチパネル、
ガラス等の保護フイルムに好適である。さらに、その表
面に反射防止、紫外線・赤外線吸収、選択波長吸収性
層、電磁波シールド層や防汚性層等の機能を有する薄膜
付きハードコートフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック製品が、加工性、軽
量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これ
らプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷
性を付与する目的でハードコートフイルムを貼合して用
いる場合が多い。また、従来のガラス製品に対しても、
飛散防止のためにプラスチックフイルムを貼合する場合
が増えているが、フイルム表面の硬度不足のため、その
表面にハードコートを形成することが広く行われてい
る。
【0003】従来のハードコートフイルムは、通常、熱
硬化型樹脂、あるいは紫外線硬化型樹脂等の活性エネル
ギー線重合性樹脂をプラスチック基材フイルム上に直
接、或いは1μm程度のプライマー層を介して3〜15
μm程度の薄い塗膜を形成して製造している。
【0004】しかしながら、前記従来のハードコートフ
イルムは、そのハードコート層の硬度が不十分であった
こと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、下地
のプラスチック基材フイルムが変形した場合に、それに
応じてハードコート層も変形し、ハードコートフイルム
全体としての硬度は低下してしまうため、十分に満足で
きるものではなかった。例えば、プラスチック基材フイ
ルムとして広く利用されているポリエチレンテレフタレ
ートフイルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗
工したハードコートフイルムにおいては、鉛筆硬度で2
から3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度であ
る9Hには全く及ばないものである。
【0005】ハードコートの硬度を向上させるために、
ハードコート層に無機微粒子等の充填剤を添加すること
が提案されている。これにより硬度は上がるものの、基
材との密着性が低下する問題やハードコート層が脆くな
りクラックが発生しやすくなる問題がる生じることが多
かった。
【0006】一方、ハードコート層の厚みを単に厚くす
れば、得られたハードコートフイルムの硬度は向上する
が、ハードコート層の割れや剥がれが生じやすくなると
同時に硬化収縮によるハードコートフイルムのカールが
大きくなるという問題がある。このため従来の技術で
は、実用上使用できる良好な特性を有するハードコート
フイルムを得ることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ハードコートフイルム
の耐傷性を向上させたいという要望に応えるため、鉛筆
硬度が4H以上、好ましくは5H以上と、表面の硬度が
大きく、カールや脆性を改良したハードコートフイルム
を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(1)透明
基材フイルムの少なくとも片面にハードコート層を積層
してなるハードコートフイルムであって、該ハードコー
ト層の表面硬度とハードコート層厚みの三乗の積が2m
N・mm以上10mN・mmであることを特徴とするハ
ードコート層を積層したハードコートフイルム、(2)
該ハードコート層が、活性エネルギー線によって架橋さ
れた重合性樹脂を主体とする層である(1)に記載のハ
ードコートフイルム、(3)該ハードコート層を構成す
る活性エネルギー線によって架橋された重合性樹脂が、
1種以上の多官能モノマーからなる(1)又は(2)に
記載のハードコートフイルム、(4)該ハードコート層
を構成する活性エネルギー線によって架橋された重合性
樹脂が、1種以上の多官能モノマー及び重合性基を含有
するポリマーとからなる(1)ないし(3)のいずれか
1つに記載のハードコートフイルム、(5)該ハードコ
ート層が、活性エネルギー線によって架橋された重合性
樹脂に有機および/または無機の微粒子を含有する
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載のハードコー
トフイルム、(6)該ハードコート層の厚みが10μm
以上35μm以下である(1)ないし(5)のいずれか
1つに記載のハードコートフイルム、(7)該ハードコ
ートの表面硬度が300N/mm以上である(1)な
いし(6)のいずれか1つに記載のハードコートフイル
ム、(8)請求項(1)ないし(7)のいずれか1つに
記載のハードコートフイルム上に機能性薄膜を形成した
機能性薄膜付きハードコートフイルム、によって達成で
きることを見出した。
【0009】本発明における表面硬度はユニバーサル硬
度としてあらわされる値である。ユニバーサル硬度は微
小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ
社製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を
用いて求めた値である。具体的には、ダイヤモンド製の
四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、試験
荷重下での押し込み深さを測定し、試験荷重をその試験
荷重で生じた圧痕の幾何学的形状から計算される圧痕の
表面積で割った値である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。ハードコート層は少なくとも1層からなる
ものであり、さらに2層以上の形態も可能である。
【0011】鉛筆硬度試験による傷を防止するためには
ハードコート自身の硬度が大きいことが必須であり、ハ
ードコートのユニバーサル硬度は250N/mm2程度
以上、好ましくは300N/mm2以上が好ましい。2
50N/mm2以下のハードコートでは、十分な鉛筆硬
度及び耐傷性が得られない。
【0012】ハードコート層の硬度は、用いる多官能モ
ノマーの選択や重合性基を含有するポリマーの添加によ
り架橋密度を変化させることで、調節することができ
る。また、ハードコート層を主に構成する樹脂に無機あ
るいは有機の微粒子を添加することで調整することがで
きる。
【0013】本発明のハードコート層の厚みは、10μ
m以上が好ましく、さらに12μm以上が好ましい。厚
みを厚くすると鉛筆硬度は向上するが、フイルムを曲げ
ることが難しくなり、さらに曲げによる割れが発生しや
すくなることから、35μm以下が好ましい。
【0014】本発明に用いられる基材は、フイルム状の
プラスチックフイルムが好ましく、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジア
セチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフ
ィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル
ペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタク
リレートおよびポリエーテルケトン等のフイルムが好ま
しい。フイルムの厚みは20〜500μmが好ましく、
薄すぎると膜強度が弱く、厚いとスティフネスが大きく
なり過ぎ、80〜200μmがより好ましい。フイルム
以外のシート状、パネル上の基材に本発明のハードコー
ト層を適用することも当然可能である。
【0015】本発明に用いるハードコートには公知の硬
化性樹脂を用いることができ、熱硬化性樹脂、活性エネ
ルギー線重合性樹脂等があるが、活性エネルギー線重合
性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としてはメラミン樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマーの架
橋反応を利用することも可能である。
【0016】本発明において「活性エネルギー線によっ
て架橋された重合性樹脂を主体とする」とは、活性エネ
ルギー線による架橋性樹脂の他に、後出の無機あるいは
有機微粒子、重合開始剤、その他の添加剤を含有しても
良いことを意味する。
【0017】活性エネルギー線としては、放射線、ガン
マー線、アルファー線、電子線、紫外線等が挙げられる
が、紫外線が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂は、
架橋しているポリマーを含む。架橋しているポリマーを
含む活性エネルギー線硬化層は、多官能モノマーと重合
開始剤を含む塗布液を上記の透明基材フイルム上に塗布
し、多官能モノマーを重合させることにより形成でき
る。
【0018】活性エネルギー線重合性樹脂は、架橋して
いるポリマーを含む。架橋しているポリマーを含む活性
エネルギー線重合性樹脂層は、多官能モノマーと重合開
始剤を含む塗布液を上記の透明基材フイルム上に塗布
し、多官能モノマーを重合させることにより形成でき
る。これらのモノマーの重合性官能基としては、重合性
不飽和二重結合基が好ましく、アクリロイル基、メタク
リロイル基、ビニル基、アリル基等を挙げることがで
き、反応性の観点よりアクリロイル基、メタアクリロイ
ル基が好ましく用いられる。
【0019】これらの多官能モノマー具体例としては、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール系
の(メタ)アクリレート、n−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサント
リオールトリ(メタ)アクリレート、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸とグリ
コール(エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、等)やトリオール(グリセ
リン、トリメチロールプロパン、等)の反応によるポリ
エステル系ポリオールのオリゴマーの(メタ)アクリレ
ート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレート、
ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)ア
クリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシア
ネートとポリオールの縮合生成物からなるポリイソシア
ネートポリウレタン系オリゴマーとヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の水酸基含有アクリレートの反
応によって得られるポリウレタンポリアクリレート類等
を挙げることができる。
【0020】ユニバーサル硬度の調整のため、密着性を
改良するため等、必要に応じて単官能のモノマーを多官
能モノマーに添加することも可能である。単官能のモノ
マーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等の極性基含有のアクリル酸エステル、(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
等のアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、スチレ
ン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等の既存のモノマーが
挙げられる。
【0021】また、同様に、ユニバーサル硬度の調整の
ため、密着性を改良するため等、必要に応じて少なくと
も2個以上の重合性基を含有するオリゴマーあるいはポ
リマーを多官能モノマーに添加することも可能である。
重合性基を含有するオリゴマーあるいはポリマーとして
は、(メタ)アクリロイル基、アリル基等の重合性基を
ペンダント基に有するオリゴマー・ポリマーがあり、例
としては、水酸基を有するオリゴマー・ポリマーと(メ
タ)アクリル酸のエステル誘導体、カルボン酸を有する
オリゴマー・ポリマーと水酸基含有(メタ)アクリル酸
エステル(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)
やアリルアルコール等のエステル誘導体、グリシジルメ
タアクリレートの開環重合体等が挙げられる。
【0022】単官能のモノマーあるいは少なくとも2個
以上の重合性基を含有するオリゴマーあるいはポリマー
を添加する場合には、モノマー全体に占める単官能のモ
ノマーの割合は50質量%以下が好ましく、30質量%
以下がさらに好ましい。単官能のモノマーあるいは少な
くとも2個以上の重合性基を含有するオリゴマーあるい
はポリマーの割合が多くなり過ぎると所望の硬度が得ら
れなくなる。
【0023】これらの活性エネルギー線硬化層に、無機
あるいは有機微粒子を添加することで、膜としてのユニ
バーサル硬度を調節、架橋収縮率を小さくできることに
よりフイルムのカールを減少することができる。
【0024】微粒子としては、無機酸化物や内部架橋の
ポリマー樹脂粒子が好ましい。硬度が高いものとして
は、モース硬度が6以上の無機酸化物粒子が好ましい。
例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸チタン粒子、酸化ジル
コニウム粒子、酸化アルミニウム粒子等が含まれる。
【0025】有機微粒子としては、例えば、アクリル樹
脂、ポリスチレン、ポリシロキサン、メラミン樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、セ
ルロースアセテート、ポリカーボネート、ナイロン等の
樹脂粒子等があり、それらの中でポリメタクリル酸メチ
ル(ジビニルベンゼン共重合体)、ポリシロキサン、ポ
リスチレン、メラミン樹脂及びベンゾグアナミン樹脂、
またこれら複合体からなる粒子が好ましい。2官能以上
の重合基を有するモノマーとの共重合による内部架橋の
ポリマー樹脂微粒子が好ましい。
【0026】これらの微粒子の平均粒子径は、1nm以
上400nm以下、より好ましくは5nm以上200n
m以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下
が好ましい。1nm以下では分散が難しく凝集粒子がで
き、400nm以上ではヘイズが大きくなり、どちらも
透明性を落としてしまい好ましくない。
【0027】これらの微粒子の添加量は、活性エネルギ
ー線硬化層の全量の1ないし99質量%であることが好
ましく、5ないし80質量%であることがより好まし
く、10ないし50質量%であることがさらに好まし
い。
【0028】一般に無機微粒子はバインダーポリマー
(多官能モノマー)との親和性が悪いため単に両者を混
合するだけでは界面が破壊しやすく、膜として割れやす
く、耐傷性を改善することは困難である。無機微粒子と
ポリマーバインダーとの親和性を改良するため、無機微
粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理する
ことができる。表面修飾剤は、一方で無機微粒子と結合
を形成し、他方でバインダーポリマーと高い親和性を有
することが好ましい。無機微粒子の表面と結合を生成し
得る官能基としては、シラン、アルミニウム、チタニウ
ム、ジルコニウム等の金属アルコキシド化合物や、リン
酸、スルホン酸、カルボン酸基等のアニオン性基を有す
る化合物が好ましい。またバインダーポリマーとは化学
的に結合させることが好ましく、末端にビニル性重合基
等を導入したものが好適である。例えば、エチレン性不
飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマー
からバインダーポリマーを合成する場合は、金属アルコ
キシド化合物またはアニオン性化合物の末端にエチレン
性不飽和基を有していることが好ましい。
【0029】これら表面修飾剤の代表例としては、H2
C=C(CH3)COOC36Si(OCH33、H2
=CHCOOC24OTi(OC253、H2C=C
(CH3)COOC24OCOC510OPO(O
H)2、(H2C=C(CH3)COOC 24OCOC5
10O)2POOH、H2C=C(CH3)COOC24
SO3H、H2C=CHCOO(C510COO)2H、H
2C=CHCOOC510COOH等の不飽和二重結合含
有のカップリング剤やリン酸、スルホン酸、カルボン酸
等が挙げられる。
【0030】これらの微粒子の表面修飾は、溶液中でな
されることが好ましい。表面修飾剤を溶解した溶液に微
粒子を添加し、超音波、スターラー、ホモジナイザー、
ディゾルバー、プラネタリーミキサー、ペイントシェー
カー、サンドグラインダーを用いて、撹拌、分散するこ
とが好ましい。
【0031】表面修飾剤を溶解する溶液としては、極性
の大きな有機溶剤が好ましい。具体的には、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等の公知の
溶剤が挙げられる。
【0032】光重合開始剤の例としては、アセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイ
ルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエス
テル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチ
オキサントン等が含まれる。光重合開始剤に加えて、光
増感剤を用いてもよい。光増感剤の例には、n−ブチル
アミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ト
リ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が
含まれる。
【0033】光重合開始剤は、多官能モノマー100重
量部に対して、0.1ないし15重量部の範囲で使用す
ることが好ましく、1ないし10重量部の範囲で使用す
ることがさらに好ましい。
【0034】活性エネルギー線硬化樹脂の塗布液は、ケ
トン系、アルコール系、エステル系等の有機溶剤に、上
記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して作製
する。さらに、表面修飾した無機微粒子分散溶液あるい
は有機微粒子を必要に応じて添加する。
【0035】本発明のハードコートフイルムの作製は、
透明基材フイルム上に活性エネルギー線硬化樹脂塗料を
ディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコー
ター法、グラビア法、ワイヤーバー法、エクストルージ
ョン法、ブレード法等の公知の薄膜形成方法で形成、乾
燥、活性エネルギー線照射して作製することができる。
【0036】さらに、透明基材とのハードコート層の密
着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、
酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができ
る。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロ
ー放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火
炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げら
れる。更に、一層以上の下塗り層を設けることができ
る。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル
エステル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリ
エステル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられ
る。
【0037】本発明では、特定の硬度と特定の厚みの設
計により、鉛筆硬度等の硬度を向上させることができ
る。具体的には、微小硬度計におけるユニバーサル硬度
(N/mm2)とハードコートの厚み(μm)の三乗の
積が、2mN・mm以下では十分な鉛筆硬度が得られ
ず、10mN・mm以上では、密着性が低下し、またカ
ールが大きくなってしまう。好ましい微小硬度計におけ
るユニバーサル硬度(N/mm2)とハードコートの厚
み(μm)の三乗の積範囲は2mN・mm以上10mN
・mm以下である。
【0038】ハードコート層は、単層でも可能である
が、2層以上の構成も可能である。多層構成のものは順
次ユニバーサル硬度の異なる層を積層して作成すること
もができ、それぞれの層の計算値の平均から求めること
ができる。
【0039】これらの作成したハードコート層の上に
は、反射防止層、紫外線や赤外線の吸収層、選択波長吸
収層、電磁波シールド層や防汚性層等の機能を有する膜
を設けることができ、高硬度の機能性フイルムとして供
される。これらの機能膜は、公知の機能性材料の溶液を
塗布する湿式法や、スパッターや蒸着等の真空成膜する
乾式法により作成することができる。これらのハードコ
ート層はプラスチックのシートやフイルムの表面の傷つ
き防止として使用される他、表面に機能膜を設けたもの
はLCD、PDPやEL等のFPD(フラットパネルデ
ィスプレイ)やCRT等のディスプレイ材料の表面保護
やショーウインドウ等に用いることができる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】[ハードコート塗布液(h−1)の調製]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYA
RAD DPHA;日本化薬(株)製)100部、光重
合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)6
部をメチルイソブチルケトンに溶解し、混合物を30分
間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ
ーで濾過して、塗布液(h−1)とした。
【0042】[ハードコート塗布液(h−2)の調製]
メチルイソブチルケトン234部、PM5300(カル
ボン酸基含有メタクリレート;日本化薬(株)製)36
部、微粒子アルミナ(AKP−G015;住友化学工業
(株)製)180部の混合物を、1mmΦのジルコニア
ビーズをメディアに用いて、セラミックコートしたサン
ドミルで分散した。前記の表面処理したアルミナ微粒子
の40質量%メチルイソブチルケトン分散液300部
に、メチルイソブチルケトン300部を加え、さらに、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPH
A、日本化薬(株)製)280部、光重合開始剤(イル
ガキュア184、チバガイギー社製)16.8部加えて
溶解した。混合物を30分間攪拌した後、孔径1μmの
ポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート
層用塗布液(h−2)を調製した。
【0043】[ハードコート塗布液(h−3〜h−5)
の調製]表1に記載のマトリックスモノマーと添加剤を
加え、h−1と同様の操作でハードコート液を調製し
た。なおUV6300Bは日本合成化学工業(株)製ウ
レタンアクリレートである。低分子量ポリブチルアクリ
レートはブチルアクリレートを重合させたオリゴマーで
あり、分子量は2,000である。
【0044】[ハードコート層の作成]175μmのP
ETをグロー放電処理した後、h−1〜h−5のハード
コート層用塗布液を表1に記載の厚みになるように液濃
度調節、バーを選定し、塗布、乾燥し、紫外線を照射し
て表1に記載の厚みのハードコートを作製した。作製し
たそれぞれのユニバーサル硬度、ハードコートの鉛筆硬
度、耐傷性、密着性および塗布フイルムのカールを調べ
た結果を表1に示す。
【0045】それぞれの評価方法は、以下の方法で行っ
た。 ユニバーサル硬度;微小表面硬度計((株)フィッシャ
ー・インスツルメンツ社製:フィッシャースコープH1
00VP−HCU)を用いて、ダイヤモンド製の四角錐
圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深
さ0.3μmでの、試験荷重をその試験荷重で生じた圧
痕の幾何表面積から求めた。 鉛筆硬度;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハード
コートフイルムを温度25℃、相対湿度60%の条件で
2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試
験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛
筆硬度評価方法に従い、9.8Nの荷重にて傷が認めら
れない鉛筆の硬度の値である。 耐傷性;#0000のスチールウールを用いて、上記と
同等の環境で、ハードコートの表面を1.96N/cm
2の荷重をかけ、50回(往復)擦って傷の発生を目視
で観察した。傷が観察されないものを○、わずかな傷の
発生を△、多数の傷の発生を×とした。 密着性;ハードコート表面にカッターを用いて、1mm
×1mmの間隔で傷をつけ、100個の升目に、セロテ
ープ(No405;ニチバン(株)製)を貼り付け30
秒後にセロテープを剥がし、剥がれたり、エッジが欠け
た升目の数を観察した。100個の升目が残っているも
のを○、升目の一部が欠けたものがあるものを△、升目
が複数剥がれたものを×とした。 カールの評価;作成したハードコートフイルムを21c
m×12cm角に切断し、平板上に静置後、4隅の浮き
上がりの距離を測定した。平板からの距離が5mm未満
を○、10mm未満を△、10mm以上を×とした。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】表1からは、ユニバーサル硬度と厚みの
三乗の積が2mN・mm以上10mN・mm以下の値を
有するハードコートは、目的の鉛筆硬度の向上と密着性
・カールの特性も良好であることが解る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEP C08J 7/04 CES CES CEZ CEZ G02B 1/04 G02B 1/04 C08L 101:00 // C08L 101:00 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2K009 AA15 BB13 BB14 BB24 BB28 CC03 CC09 CC23 CC24 CC32 CC33 CC35 CC38 DD02 DD05 4F006 AA35 AB01 AB43 AB74 BA02 CA08 DA04 EA03 4F100 AA01B AA19H AK01B AK25 AR00A AR00B AS00B AS00C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA25B CA23B DE01B EH462 EJ05B EJ52B EJ542 GB41 JK01B JK12B JK14 JL04 JN01A YY00B 4J011 PA07 PA53 PA65 PA66 PA69 PA85 PA89 PA96 PA99 PB06 PB22 QA03 QA06 QA08 QA09 QA13 QA23 QA24 QA34 QA37 QA38 QA39 QB14 QB19 QB20 QB24 RA03 RA06 RA09 RA10 SA01 SA21 SA31 SA64 SA83 UA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材フイルムの少なくとも片面にハ
    ードコート層を積層してなるハードコートフイルムであ
    って、該ハードコート層の表面硬度とハードコート層厚
    みの三乗の積が2mN・mm以上10mN・mm以下で
    あることを特徴とするハードコート層を積層したハード
    コートフイルム。
  2. 【請求項2】 該ハードコート層が、活性エネルギー線
    によって架橋された重合性樹脂を主体とする層である請
    求項1に記載のハードコートフイルム。
  3. 【請求項3】 該ハードコート層を構成する活性エネル
    ギー線によって架橋された重合性樹脂が、1種以上の多
    官能モノマーからなる請求項1又は2に記載のハードコ
    ートフイルム。
  4. 【請求項4】 該ハードコート層を構成する活性エネル
    ギー線によって架橋された重合性樹脂が、1種以上の多
    官能モノマー及び重合性基を含有するポリマーとからな
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載のハードコー
    トフイルム。
  5. 【請求項5】 該ハードコート層が、活性エネルギー線
    によって架橋された重合性樹脂に有機および/または無
    機の微粒子を含有する請求項1ないし4のいずれか1つ
    に記載のハードコートフイルム。
  6. 【請求項6】 該ハードコート層の厚みが10μm以上
    35μm以下である請求項1ないし5のいずれか1つに
    記載のハードコートフイルム。
  7. 【請求項7】 該ハードコートの表面硬度が300N/
    mm2以上である請求項1ないし6のいずれか1つに記
    載のハードコートフイルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1つに記載
    のハードコートフイルム上に機能性薄膜を形成した機能
    性薄膜付きハードコートフイルム。
JP2000352618A 2000-11-20 2000-11-20 ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム Pending JP2002156504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352618A JP2002156504A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352618A JP2002156504A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002156504A true JP2002156504A (ja) 2002-05-31

Family

ID=18825488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000352618A Pending JP2002156504A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002156504A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002734A1 (ja) * 2002-06-27 2004-01-08 Tdk Corporation 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
WO2004002735A1 (ja) * 2002-06-27 2004-01-08 Tdk Corporation 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP2006098444A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 耐擦傷性及び反射防止性を有する積層体
JP2006188557A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Lintec Corp コーティング用組成物、ハードコートフィルムおよび光記録媒体
JP2007219013A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルム
JP2010228314A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Sumitomo Chemical Co Ltd ハードコートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置
WO2013080683A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 日本製紙株式会社 ハードコートフィルム及びその製造方法
JP2017048307A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 東洋紡株式会社 ハードコートポリエステルフィルム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004002734A1 (ja) * 2002-06-27 2004-01-08 Tdk Corporation 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
WO2004002735A1 (ja) * 2002-06-27 2004-01-08 Tdk Corporation 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
US7399530B2 (en) 2002-06-27 2008-07-15 Tdk Corporation Object with composite hard coating layer and method of forming composite hard coating layer
JP2006098444A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 耐擦傷性及び反射防止性を有する積層体
JP4736387B2 (ja) * 2004-09-28 2011-07-27 住友化学株式会社 耐擦傷性及び反射防止性を有する積層体
JP2006188557A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Lintec Corp コーティング用組成物、ハードコートフィルムおよび光記録媒体
JP4703180B2 (ja) * 2004-12-28 2011-06-15 リンテック株式会社 コーティング用組成物、ハードコートフィルムおよび光記録媒体
JP2007219013A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルム
JP2010228314A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Sumitomo Chemical Co Ltd ハードコートフィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置
WO2013080683A1 (ja) * 2011-11-30 2013-06-06 日本製紙株式会社 ハードコートフィルム及びその製造方法
JP2017048307A (ja) * 2015-09-01 2017-03-09 東洋紡株式会社 ハードコートポリエステルフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002036436A (ja) ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム
KR100905683B1 (ko) 하드 코팅 필름, 하드 코팅 필름을 적층한 기재 및 이들을형성한 화상표시장치
JP5201369B2 (ja) ハードコートフィルム
JP4265734B2 (ja) 反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置
WO2016147424A1 (ja) ハードコート積層フィルム及びその製造方法
WO2017098935A1 (ja) ハードコート積層フィルム
JP4055427B2 (ja) 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置
JP2016172423A (ja) ハードコート積層フィルムの製造方法
WO2020095566A1 (ja) 光拡散層形成用塗料、プロジェクションスクリーン用フィルム、及びプロジェクションスクリーン
JP2003026732A (ja) 含フッ素共重合体、皮膜形成用組成物、反射防止膜、反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2001323087A (ja) ハードコートフイルム
JP2002156504A (ja) ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム
JP5014055B2 (ja) 透明ハードコートフィルム
JP3967195B2 (ja) ハードコート処理物品の裁断方法
JP5811090B2 (ja) 帯電防止層用硬化性樹脂組成物、光学フィルム、偏光板及びディスプレイパネル
JP4389429B2 (ja) 硬化性組成物およびハードコート処理物品
JP2002036457A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP2002107503A (ja) ハードコートフイルム及び機能性膜付きハードコートフイルム
JP2010144009A (ja) 塗布組成物、積層体及び積層体の製造方法
JP2003266607A (ja) ハードコートフィルム及びこれを設けた画像表示装置
JP2003057402A (ja) ハードコートフイルム
JP2000167999A (ja) 放射線硬化型樹脂組成物の硬化被膜層を有するフィルム
JP2004331744A (ja) 硬化性組成物及びそれを用いた硬化処理物品
JP2004174664A (ja) ハードコートフィルムの切断方法、並びにハードコート処理物品およびその製造方法
JP2002060526A (ja) ハードコートフイルム及び機能性膜付きハードコートフイルム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061204