JP6965582B2 - ハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置 - Google Patents

ハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置 Download PDF

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本発明は、ハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、電子ペーパー、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、EPD(Electrophoretic Display)などの画像表示装置、タッチパネル、携帯電話、音楽プレーヤーなどの携帯用電子機器等は、その取り扱い時に、表面に指紋、皮脂、汗などの汚れが付着することがある。
このような汚れは、画像表示装置等の映像の視認性を低下させるとともに、操作性に悪影響を及ぼすことがある。
したがって、上記物品の表面には、汚れの付着防止性や汚れの拭き取りやすさといった特性(防汚性)を付与することが必要となる。また、上記物品の表面は、防汚性の低下を抑制するとともに、画像表示装置の視認性を損なわないために、耐擦傷性が求められる。
そこで、物品表面に防汚性及び耐擦傷性を有する薄膜を形成することが種々検討されている。
例えば、特許文献1及び2には、含フッ素系化合物及び電離放射線硬化性樹脂を含むハードコート層を有する防汚性ハードコートフィルムが提案されている。
特開2013−156652号公報 特開2012−240266号公報
特許文献1及び2の防汚性ハードコートフィルムは、防汚性に優れるとともに、一般的な耐擦傷性の評価指標である耐スチールウール性を満足し得るものである。
しかし、最近になって、特許文献1及び2のような防汚性ハードコートフィルムを有するタッチパネルに関して、経時的な使用でハードコート層が剥離して、防汚性等が低下する事例が報告され始めている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、防汚性及び耐擦傷性に優れるとともに、経時的な使用においてハードコート層が剥離しないハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、経時的な使用でハードコート層が剥離する事例が、先端がゴム製の部材を用いてタッチパネルを操作することが多い使用環境に多発していることを見出した。そして、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、ゴム製の部材の中でも、市販されている先端が導電性ゴムのタッチパネル専用ペンを用いてタッチパネルを操作した際には上記事例は生じない一方で、プラスチック字消し(以下、「消しゴム」と称する場合もある。)を用いてタッチパネルを繰り返して操作した際に上記事例が生じることを見出した。
ここでいう消しゴムとは、鉛筆の先端に付属されている消しゴムや、ノック式消しゴム等の棒状物の先端に直径数ミリの適度な大きさの消しゴムを有するものである。このような消しゴムは、何処にでもあることから使い勝手が良いという利点があり、また、消しゴムを用いた操作は、ゴムの弾性による押圧感があるとともに、指紋で画面が汚れないという利点を有すると考えられる。
しかし、このような消しゴムを用いたタッチパネルの操作は当業者が想定していなかった。つまり、本発明者らは、「消しゴムを用いたタッチパネル等の継続的な操作において、ハードコート層が剥離しないハードコートフィルム等を提供する」という新規な課題を見出し、該課題を解決するに至った。
なお、市販されている先端が導電性ゴムのタッチパネル専用ペンは、表面を凹凸構造として滑り性を付与しているため、経時的な操作でハードコートフィルムのハードコート層が剥離しないと考えられる。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]基材上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該ハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物の硬化物を含み、該ハードコート層は実質的に粒子を含まず、かつ該ハードコート層が下記条件(1)及び(2)を満たす、ハードコートフィルム。
<条件(1)>
前記ハードコート層の表面に、接触面積が2cm×2cmとなるようにして、#0000番のスチールウールを接触させる。前記スチールウールに1kgfの荷重をかけ、移動速度120m/sで前記ハードコート層表面を10,000往復摩擦した後の前記ハードコートフィルムのヘイズと、摩擦前の前記ハードコートフィルムのヘイズとの差が、1.00%以下。
<条件(2)>
前記ハードコート層の表面に、底面の直径が6mmの円柱形状からなるJIS S6050:2002の品質基準を満たすプラスチック字消しの底面を接触させる。プラスチック字消しに500gfの荷重をかけ、移動速度27m/sで前記ハードコート層表面を50往復摩擦した後のハードコート層表面の算術平均粗さRaと、摩擦前のハードコート層表面の算術平均粗さRaとの差が、0.55nm以下。
[2]タッチパネルの表面材として、上記[1]に記載のハードコートフィルムを備えたタッチパネル。
[3]画像表示素子上に、上記[2]に記載のタッチパネルを備えた画像表示装置。
本発明によれば、防汚性及び耐擦傷性に優れるとともに、経時的な使用においてハードコート層が剥離しないハードコートフィルム、該ハードコートフィルムを備えたタッチパネル、及び該タッチパネルを備えた画像表示装置を提供することができる。
実施例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面のAFM観察画像(斜視)である。 比較例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面のAFM観察画像(斜視)である。 実施例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面をプラスチック字消しで摩擦した後の表面のAFM観察画像(斜視)である。 比較例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面をプラスチック字消しで摩擦した後の表面のAFM観察画像(斜視)である。
まず、本発明のハードコートフィルムについて説明する。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、基材上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該ハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物の硬化物を含み、該ハードコート層は実質的に粒子を含まず、かつ該ハードコート層が下記条件(1)及び(2)を満たすものである。
<条件(1)>
前記ハードコート層の表面に、接触面積が2cm×2cmとなるようにして、#0000番のスチールウールを接触させる。前記スチールウールに1kgfの荷重をかけ、移動速度120m/sで前記ハードコート層表面を10,000往復摩擦した後の前記ハードコートフィルムのヘイズと、摩擦前の前記ハードコートフィルムのヘイズとの差が、1.00%以下。
<条件(2)>
前記ハードコート層の表面に、底面の直径が6mmの円柱形状からなるJIS S6050:2002の品質基準を満たすプラスチック字消しの底面を接触させる。プラスチック字消しに500gfの荷重をかけ、移動速度27m/sで前記ハードコート層表面を50往復摩擦した後のハードコート層表面の算術平均粗さRaと、摩擦前のハードコート層表面の算術平均粗さRaとの差が、0.55nm以下。
条件(1)
条件(1)は、スチールウールによる摩擦後のハードコートフィルムのヘイズと、スチールウールによる摩擦前のハードコートフィルムのヘイズとの差が、1.00%以下であることを規定している。
なお、本明細書においてヘイズとは、JIS K7136:2000のヘイズを意味する。また、ハードコートフィルムのヘイズを測定する際の光入射面は基材側とする。
上記差が1.00%を超えて条件(1)を満たさない場合、ハードコートフィルムの耐擦傷性が不十分となってしまう。上記差は0.70%以下であることが好ましく、0.60%以下であることがより好ましく、0.50%以下であることがさらに好ましい。上記差の下限は特に制限されないが、通常0.10%程度である。
また、スチールウールによる摩擦後のハードコートフィルムのヘイズと、スチールウールによる摩擦前のハードコートフィルムのヘイズとの比[摩擦後のハードコートフィルムのヘイズ/摩擦前のハードコートフィルムのヘイズ]は、5.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。なお、該比の下限は通常2.0程度である。
本発明において、条件(1)の「ヘイズの差」は、20個のサンプルについてそれぞれへイズの差を測定し、各サンプルのヘイズの差の平均値を意味するものとする。
条件(1)を満たせば、従来の防汚性ハードコートフィルムに要求されている耐擦傷性を満足できる。しかし、近年、スチールウール耐性を有して耐擦傷性が良好である防汚性ハードコートフィルムであっても、経時的な使用でハードコート層が剥離する事例が報告され始めている。本発明者らは、該事例に関して鋭意研究した結果、消しゴムを用いてタッチパネルを繰り返して操作した際に該事例が生じることを、当業者の中でいち早く見出した。つまり、本発明者らは、「消しゴムを用いたタッチパネル等の継続的な操作において、ハードコート層が剥離しないハードコートフィルム等を提供する」という新規な課題を見出した。
本発明の条件(2)は該新規な課題を解決するためのパラメータである。
条件(2)
条件(2)は、プラスチック字消しによる摩擦後のハードコート層の算術平均粗さRaと、プラスチック字消しによる摩擦前のハードコート層の算術平均粗さRaとの差が0.55nm以下であることを規定している。
上記差が0.55nmを超えて条件(2)を満たさない場合、消しゴムを用いた継続的な操作によってハードコート層が剥離してしまう。例えば、図2は、比較例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面の原子間力顕微鏡(AFM)による観察画像であり、図4は、比較例1で得られたハードコートフィルムのハードコート層表面をプラスチック字消しで摩擦した後の表面のAFM観察画像(斜視)である。図4に示すように、条件(2)を満たさない場合、消しゴムを用いた継続的な操作によってハードコート層が剥離し、防汚性及び視認性の低下を招いてしまう。
なお、消しゴムで擦ることによりハードコート層が剥離する理由は以下のように考えられる。
消しゴムは柔らかいため、消しゴムを用いた操作では、スチールウールで擦った際に生じるようなハードコート層に傷は付きにくい。しかし、消しゴムは変形してハードコートフィルム表面に密着しやすいため、ハードコートフィルム表面を消しゴムで移動する際に、消しゴム−ハードコート層間の摩擦係数が極めて大きくなる。そして、摩擦係数が大きくなると、ハードコート層にかかる応力が大きくなるとともに、ハードコート層に摩擦熱がかかる。ここで、ハードコート層の表面物性が摩擦による応力や熱に耐えられない程度に弱い場合、ハードコート層が剥離すると考えられる。
さらに詳述すると、一般的に、防汚剤を含有しないハードコート層は、消しゴムで擦ってもハードコート層が剥離することはない。これは、ハードコート層を構成する電離放射線硬化性樹脂の物性が強いためである。一方、防汚剤を含有するハードコート層は、消しゴムで擦った際にハードコート層が剥離しやすい。この原因は、以下(i)、(ii)のように考えられる。
(i)一般的に防汚剤と電離放射線硬化性樹脂とは相溶性が悪いため、防汚剤を含有するハードコート層は、ハードコート層中で防汚剤と電離放射線硬化性樹脂とが相分離した状態となる。
(ii)ハードコート層の中で防汚剤が集まった箇所は物性が弱くなるため、消しゴムで擦った際に、防汚剤が集まった箇所を起点としてハードコート層が剥離する。
つまり、消しゴムによりハードコート層が剥離する現象は、防汚剤を含有するハードコート層に特有の問題であると考えられる。
条件(2)の差は、0.50nm以下であることが好ましく、0.45nm以下であることがより好ましく、0.30nm以下であることがさらに好ましい。条件(2)の差の下限は特に制限されないが通常0.01nm程度である。
また、スチールウールによる摩擦後のハードコート層の算術平均粗さRaは、1.00nm以下であることが好ましく、0.80nm以下であることがより好ましい。なお、スチールウールによる摩擦後のハードコート層の算術平均粗さRaの下限は通常0.40nm程度である。
条件(2)において、Raの差は、ハードコートフィルムの基材側の面を平滑なガラス板に貼り合わせたサンプルを20個作製し、20個のサンプルについてそれぞれRaの差を測定し、各サンプルのRaの差の平均値を意味するものとする。
本明細書において、算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に記載されている2次元粗さパラメータであるRaを3次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、次式で与えられる数値である。例えば、原子間力顕微鏡(AFM)により表面形状を観察し、得られた画像を付属の解析用ソフトウェア(例えば、SPIwin)を用いて画像解析することにより算出できる。
Figure 0006965582
基材
本発明のハードコートフィルムに用いる基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルム、ガラス等が挙げられる。基材がプラスチックフィルムの場合、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
上記の中でも、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエステルフィルム、及びアクリルフィルムから選ばれる基材が好ましい。機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に一軸又は二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましく、TAC、アクリルは光透過性及び光学的等方性の観点で好適である。
COP、ポリエステルはリタデーション制御が容易な点で好適である。また、リタデーション値3000〜30000nmのプラスチックフィルム又は1/4波長位相差のプラスチックフィルムは、偏光サングラスを通して画像を観察した場合に、表示画面に色の異なるムラが観察されることを防止できる点で好適である。
基材の厚みは、強度、及び取り扱い性の観点から、好ましくは5〜300μmであり、より好ましくは15〜200μmであり、更に好ましくは50〜100μmである。
基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
ハードコート層
本発明のハードコートフィルムのハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物の硬化物を含むものである。また、該ハードコート層は実質的に粒子を含まないものである。
ハードコート層中に粒子を含む場合、ハードコート層を消しゴムで擦った際に、消しゴムが粒子を巻き込むことによって、ハードコート層の表面に傷が生じてしまう。つまり、ハードコート層中に粒子を含む場合、ハードコート層の剥離が生じなくても、ハードコート層の表面が傷付くという問題がある。このため、本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層中に実質的に粒子を含有しないものである。
ハードコート層中に実質的に粒子を含有しないとは、粒子の含有量がハードコート層の全固形分の1.0質量%以下であればよく、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下、最も好ましくは0質量%である。
なお、上記粒子とは、粒子の材質、粒子の大きさを問わない。すなわち、上記粒子には、有機粒子、無機粒子等のいかなる材質の粒子も含み、いかなる大きさの粒子も含む。
電離放射線硬化性組成物の防汚剤及びバインダー樹脂成分は、それぞれが電離放射線硬化性官能基を有する。ハードコート層中では、防汚剤及びバインダー樹脂成分が硬化物の状態で含まれている。
防汚剤及びバインダー樹脂成分がそれぞれ分子内に電離放射線硬化性官能基を有することにより、ハードコート層の表面硬度が上昇して条件(1)を満たしやすくなり、また、電離放射線の照射後は防汚剤がバインダー樹脂成分と反応してハードコート層中に固定されることから、条件(2)を満たしやすくできる。
該防汚剤及び該バインダー樹脂成分は、以下の構成であることが好ましい。
防汚剤
電離放射線硬化性組成物中には電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤が含まれる。
電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本発明において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。また、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。
防汚剤の分子内の電離放射線硬化性官能基の数の平均は1〜2個であることが好ましいい。防汚剤の分子内の電離放射線硬化性官能基の数を少なくすることにより、防汚剤同士で自己架橋して防汚剤が局所的に集合することを抑制し、条件(2)を満たしやすくできる。
また、防汚剤は、シロキサン結合を有する構造を基本骨格として、該シロキサン結合の側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン構造を有し、該有機基の少なくとも一つが上記電離放射線硬化性官能基を有することが好ましい。より具体的には、有機基のうちの1〜2個が電離放射線硬化性官能基を有することが好ましい。また、一つの有機基に含まれる電離放射線硬化性官能基は1個であることが好ましい。
オルガノポリシロキサン構造を有する防汚剤は、耐熱性、耐候性及び化学的安定性に優れつつ、防汚性に優れる点で好適である。
また、防汚剤は、上記有機基がオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる一種以上を有することが好ましい。
上記有機基が分子内にオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を有する場合、バインダー樹脂成分との相溶性が良好になりやすくなり、条件(2)及び(3)を満たしやすくできる。特に、上記有機基がオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる一種以上を有し、かつ、バインダー樹脂成分が後述する(i)及び(ii)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含む場合、防汚剤とバインダー樹脂成分との相溶性を極めて良好にすることができる。
下記式から算出される防汚剤の分子中のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の割合は、平均で0.10〜0.35であることが好ましく、0.15〜0.30であることがより好ましい。
[(分子中のオキシエチレン基を構成する全原子の原子量の合計+分子中のオキシプロピレン基を構成する全原子の原子量の合計)/分子量]
また、防汚剤は分子中にオキシエチレン基を含むことがより好ましく、分子中のオキシエチレン基の割合が上記範囲を満たすことがより好ましい。
また、防汚剤は、上記有機基がパーフルオロポリエーテル基を有することが好ましい。
防汚剤がパーフルオロポリエーテル基を含有することにより、ハードコート層の表面自由エネルギーを低下させ、防汚性をより向上させることができる。
また、ハードコート層が、パーフルオロポリエーテル基を有する防汚剤と、該防汚剤と反応性を有するバインダー樹脂成分と反応した硬化物は、隣接するパーフルオロポリエーテル構造部位の間隔が広く疎になり、該パーフルオロポリエーテル構造部位が動きやすく柔軟性を有することにより、さらに汚れを付着しにくく、かつ、付着した汚れを拭き取りやすくできると考えられる。
パーフルオロポリエーテル基としては、例えば、−CFO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−、−OCFOCFCF−、−CFCFCFCFO−、−CFCF(CF)CFO−、−CFCFCFCFCFCFO−、−C(CFO−等から選ばれる構造を繰り返し有するものが挙げられる。これらは、1種類のみでも2種類以上を含んでもよい。
下記式から算出される防汚剤の分子中のパーフルオロポリエーテル基の割合は、平均で0.15〜0.35であることが好ましく、0.20〜0.25であることがより好ましい。
[分子中のパーフルオロポリエーテル基の合計+分子中のオキシプロピレン基を構成する全原子の原子量の合計)/分子量]
防汚剤の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)が500〜50,000であることが好ましく、500〜20,000であることがより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上述したように、防汚剤は、シロキサン結合の側鎖の有機基の中に、電離放射線硬化性官能基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びパーフルオロポリエーテル基を有することが好ましい。また、電離放射線硬化性官能基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びパーフルオロポリエーテル基は、それぞれ異なる有機基に含まれることが好ましい。このような防汚剤は、例えば、下記一般式(I)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006965582
式(I)中、aは1〜4の整数、bは0〜3の整数、cは1〜4の整数である。但し、a+b+cは3〜5の整数である。eは2〜8の整数である。eは好ましくは2〜4の整数である。
また、式(I)中、Rは、下記式(II)で示される基である。
−(CO)(CO)(CO)(CHO) (II)
式(II)中、f、g、h、及びiはRの分子量が30〜3000となる範囲において、それぞれ独立に、0〜100の整数であり、各繰り返し単位の配列はランダムであってよく、Rは炭素数1〜10の飽和もしくは不飽和炭化水素基である。
の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられ、メチル基及びエチル基が好ましい。
式(I)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基である。Rは水素原子が好ましい。
式(I)中、Rは、下記式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル残基である。
Figure 0006965582

式(III)中、j、k、l及びmはRfの分子量が200〜6000となる範囲において、それぞれ独立に0〜50の整数であり、Xはフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であり、各繰り返し単位の配列はランダムであってよい。
式(I)中、Zは2価の有機基であり、dは0または1である。
Zは、Rfをエチレン基に連結できる有機基であればよく、アクリル基の重合を阻害するようなものでなければ、その構造は特に制限されない。Zの具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006965582
一般式(I)の化合物は、側鎖量が異なるものの混合物を調製することができる。例えば、a=b=c=1のものが50モル%で、a=1、b=c=2のものが50モル%の混合物を調製し、全体として、a=1、b=c=1.5とすることができる。
一般式(I)の化合物は、例えば、特開2010−53114号に記載の方法で合成することができる。
ハードコート層の全固形分における防汚剤の硬化物の割合は、条件(1)及び(2)を満たしやすくする観点から、0.05〜1.0質量%であることが好ましく、0.1〜0.5質量%であることがより好ましい。
バインダー樹脂成分
電離放射線硬化性組成物中には電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分が含まれる。電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分は、フッ素を含有しないことが好ましい。
バインダー樹脂成分及び上述した防汚剤が分子内に電離放射線硬化性官能基を有することにより、ハードコート層の表面硬度が上昇して条件(1)を満たしやすくなり、また、電離放射線の照射後は防汚剤がバインダー樹脂成分と反応してハードコート層中に固定されることから、条件(2)を満たしやすくできる。
電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
バインダー樹脂成分は、条件(1)及び(2)を満たしやすくする観点から、下記(i)及び(ii)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含むことが好ましく、下記(i)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物及び下記(ii)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含むことがより好ましい。(ii)の化合物は、分子中にオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を含む防汚剤との相溶性を極めて良好にできる点で好適である。
(i)水酸基価が50mgKOH/g以上であり、分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有する化合物。
(ii)分子中にオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる一種以上を含み、下記式(a)から算出される分子中のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の割合が0.35以上であり、分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有する化合物。
[(分子中のオキシエチレン基を構成する全原子の原子量の合計+分子中のオキシプロピレン基を構成する全原子の原子量の合計)/分子量] (a)
バインダー樹脂成分が(i)及び(ii)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含むことにより、防汚剤とバインダー樹脂成分との相溶性がより良好となり、条件(1)及び(2)を満たしやすくできる。
(i)の化合物の水酸基価は、相溶性と表面硬度のバランスの観点から、50〜300mgKOH/gであることがより好ましく、50〜200mgKOH/gであることがさらに好ましい。
(ii)の化合物の上記式(a)から算出される割合は、相溶性と表面硬度のバランスの観点から、0.35〜0.70であることがより好ましく、0.40〜0.60であることがさらに好ましい。
また、(ii)の化合物は分子中にオキシエチレン基を含むことが好ましく、分子中のオキシエチレン基の割合が上記範囲を満たすことが好ましい。
(i)及び(ii)の化合物は、モノマーであることが好ましい。また、(i)及び(ii)の化合物は、防汚剤とバインダー樹脂成分との相溶性の観点から、分子量が600以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、400以下であることがさらに好ましく、300以下であることがよりさらに好ましい。なお、該化合物の分子量の下限は200程度である。
(i)及び(ii)の化合物は、表面硬度と相溶性のバランスの観点から、分子中の電離放射線硬化性官能基の含有量が6.0〜11.5mmol/gであることが好ましく、7.0〜10.5mmol/gであることがより好ましい。
なお、上記(メタ)アクリロイル基含有量は、1000/(メタ)アクリル当量[g/eq]により計算した値である。
(i)の化合物としては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイキシロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ii)の化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006965582
一般式(IV)中、AOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、nは2〜5の整数を示し、R21は水素原子又はメチル基を示す。
AOはオキシエチレン基であることが好ましい。nは2〜4の整数であることが好ましい。R21は水素原子であることが好ましい。
一般式(IV)に該当する化合物としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、電離放射線硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分として、上記(i)及び(ii)から選ばれる少なくとも一種の化合物以外の化合物(以下、「その他の電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分」と称する場合がある。)を含有してもよい。
その他の電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分としては、以下の(iii)〜(V)の群から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
(iii)分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有するモノマー。
(iv)分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有するオリゴマー。
(v)分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有するポリマー。
電離放射線硬化性組成物として(iii)の化合物を含むと、ハードコート層の表面硬度を高め、耐擦傷性をより良好にすることができる。電離放射線硬化性組成物として(v)の化合物を含むと、硬化収縮の低減によるカール発生を抑制することができる。電離放射線硬化性組成物として(iv)の化合物を含むと、ハードコート層の耐擦傷性をより良好にしつつ、カールの発生を抑制することができる。
(iii)の化合物としては、二官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが好適に用いられる。
二官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ビスフェノールAテトラプロポキシジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(メタ)アクリレートモノマーの分子骨格の一部が、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等により変性されたものも使用することができる。
(iii)の化合物は、分子中の電離放射線硬化性官能基の含有量が 3.0〜12.0mmol/gであることが好ましく、7.0〜10.5mmol/gであることがより好ましい。
(iv)の化合物としては、二官能以上の(メタ)アクリレートオリゴマーが好適に用いられる。
二官能以上の(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー等の各種(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
(iv)の化合物は、重量平均分子量が4,000未満のものが好ましく、より好ましくは1,000超、3,000未満である。
また、(iv)の化合物は、高硬度化の観点から、より好ましくは3〜12官能、さらに好ましくは3〜10官能である。
(iv)の化合物は、分子中の電離放射線硬化性官能基の含有量が1.5〜8.5mmol/gであることが好ましい。
(v)の化合物としては、二官能以上の(メタ)アクリレートポリマーが好適に用いられる。
二官能以上の(メタ)アクリレート系ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートポリマー、エポキシ(メタ)アクリレートポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレートポリマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートポリマー等の各種(メタ)アクリレート系ポリマーを用いることができる。
多官能(メタ)アクリレートポリマーは、低カール化の観点から、重量平均分子量が4,000以上のものが好ましく、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量が100,000以下であれば、硬化性及び塗工性が良好である。
(iv)の化合物は、分子中の電離放射線硬化性官能基の含有量が1.0〜5.5mmol/gであることが好ましく、2.0〜4.6mmol/gであることがより好ましい。
ハードコート層の全固形分における電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分の硬化物の割合は、条件(1)及び(2)を満たしやすくする観点から、90〜99質量%であることが好ましく、94〜98質量%であることがより好ましい。
また、ハードコート層の電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分の硬化物の全量における、(i)の化合物の硬化物、及び(ii)の化合物の硬化物の合計の割合は、60〜100質量%であることが好ましく、85〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましく、92〜100質量%であることがよりさらに好ましい。
ハードコート層の電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分の硬化物の全量における、(iii)の化合物の硬化物、及び(iv)の化合物の硬化物の合計の割合は、5〜40質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
ハードコート層の電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分の硬化物の全量における、(v)の化合物の硬化物の割合は、1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
開始剤
電離放射線硬化性樹脂組成物が、紫外線硬化性樹脂組成物の場合には、光重合開始剤を配合することができる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ケタール系、アントラキノン系、ジスルフィド系、チオキサントン系、チウラム系、フルオロアミン系などの光重合開始剤が挙げられる。なかでも、アセトフェノン系、ケトン系、ベンゾフェノン系が好ましく挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で使用することができ、また複数を組み合わせて使用することもできる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
その他の成分
ハードコート層は、本発明の性能を損なわない範囲で、電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分の硬化物以外の樹脂成分を含んでもよい。該樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
さらに、ハードコート層は、本発明の性能を損なわない範囲で、帯電防止剤、レベリング剤等の添加剤を含んでもよい。
さらに、電離放射線硬化性樹脂組成物は、溶剤を含有することができる。該溶剤としては、樹脂組成物に含まれる各成分を溶解する溶剤であれば特に制限なく用いることができるが、ケトン類、あるいはエステル類が好ましく、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。上記溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、通常20〜90質量%であり、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは40〜80質量%である。溶剤の含有量が上記範囲内であると、塗布適性に優れる。
ハードコート層の形成方法としては、均一な膜厚で形成できるものであれば特に制限されるものではない。例えば、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物、並びに、必要に応じて添加する溶剤及び添加剤を混合して調製したハードコート層塗布液を、基材上に従来公知の塗布方法によって塗布し、必要に応じて乾燥した後、電離放射線を照射して硬化することにより形成することができる。
諸物性
ハードコート層の厚み(硬化時)は、基材の強度や要求性能に応じて適宜選択することができ、通常0.1〜100μm、好ましくは5〜20μmである。また、十分な硬度を発現させ、反りやクラックの発生を抑制する観点から、より好ましくは8〜15μmである。
ハードコート層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kV〜30kVとすることが好ましい。STEMの倍率は、1000〜7000倍とすることが好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコート層表面の純水の接触角が好ましくは95°以上であり、より好ましくは100°以上であり、さらに好ましくは105°以上である。
接触角が上記範囲であると、ハードコート層が低い表面自由エネルギーを有していることを示しており、汚れを付き難くすることができる。
なお、接触角は、接触角測定装置(例えば、協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」)を用いて、純水に対する接触角をθ/2法により測定することで求められる。接触角は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
本発明のハードコートフィルムは、全光線透過率(JIS K7361−1:1997)が90%以上であることが好ましく、92%以上であることがより好ましい。また、本発明のハードコートフィルムは、ヘイズ(JIS K7136:2000)が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることがさらに好ましい。
全光線透過率及びヘイズを測定する際の光入射面は基材側である。
本発明のハードコートフィルムの表面(ハードコート層側の表面)の算術平均粗さRa(JIS B0601:1994)は、1.00nm以下であることが好ましく、0.80nm以下であることがより好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、防汚性、耐擦傷性及び耐剥離性に優れるため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパー、VFD、EPDなどの画像表示装置;タッチパネル、携帯電話、音楽プレーヤーなどの携帯用電子機器;自動車、電車、航空機などの窓ガラス用の表面材として好適に用いられる。特に、タッチパネルの表面材として本発明のハードコートフィルムを用いた際に、上記効果が極めて顕著に発揮される。
<タッチパネル、画像表示装置>
本発明のタッチパネルは、タッチパネルの表面材として上述した本発明のハードコートフィルムを備えるものである。
タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。これらタッチパネルの表面材として、上述した本発明のハードコートフィルムを用いることによって、タッチパネルの防汚性、耐擦傷性及び耐剥離性を良好にすることができる。
また、本発明の画像表示装置は、画像表示素子上に、上述の本発明のタッチパネルを備えたものである。画像表示素子としては、液晶表示素子、プラズマ表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
1.評価
1−1.スチールウール試験(耐SW性)
JIS K7136:2000に準拠して、実施例及び比較例のハードコートフィルムのヘイズを測定した。さらに、実施例及び比較例のハードコートフィルムのハードコート層に対して、#0000番のスチールウールを用いて上記条件(1)に準じた摩擦を行い、摩擦後のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
1−2.耐剥離性
実施例及び比較例のハードコートフィルムの基材(トリアセチルセルロース樹脂フィルム)側の面を平滑なガラス板に貼り合わせたサンプルを作製した。該サンプルのハードコート層表面のRaを測定した。さらに、実施例及び比較例のハードコートフィルムのハードコート層に対して、プラスチック字消しを用いて上記条件(2)に準じた摩擦を行い、摩擦後のRaを測定した。結果を表1に示す。
プラスチック字消しとしては、株式会社シード社製の商品名S-200を底面の直径が6mmの円柱形状に成形したものを用いた。
Raの測定には原子間力顕微鏡(AFM)を用いた。また、AFMとしては、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の商品名Nanonavi/L−traceを用い、下記の条件により測定及び解析した。
<AFM測定条件>
測定モード:形状
走査範囲:5μm×5μm、
走査速度:1Hz
画素数:256×256
使用したカンチレバー:オリンパス社製の商品名OMCL-AC160TS-C2、共鳴周波数300kHz、ばね定数42N/m
解析用ソフトウェア:SPIwin
1−3.接触角の測定
協和界面科学(株)製の接触角計「DM 500」を用いて、純水の接触角を測定した。具体的には、ハードコートフィルムのハードコート層表面に1.5μLの純水を滴下し、着滴1秒後に、θ/2法に従って、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出した。5回測定した平均値を、接触角の値とした。
1−4.指紋付着性
シリコーン樹脂版(10mmφ×30mmの円柱状)に人工指紋液(伊勢久(株)製、JIS C9606の付属書4に準拠)を付着させたものをハードコート層表面に押し付けて指紋を付着させた。指紋の付着状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
A:指紋を強く弾いており、付着量が非常に少ない
B:指紋を弾いており、付着量が少ない
C:指紋を弾くが、付着する
D:指紋が広く付着する
1−5.指紋拭取性
シリコーン樹脂版(10mmφ×30mmの円柱状)に人工指紋液(伊勢久(株)製、JIS C9606の付属書4に準拠)を付着させたものを部材のハードコート層表面に押し付けて指紋を付着させた。付着させた指紋を旭化成(株)製 ベンコットンで拭取り、指紋の残り跡を目視観察し、以下の基準で評価した。
A:3回までの拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
B:4〜7回の拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
C:8回〜10回の拭取りで、指紋の付着跡が完全に見えない
D:10回の拭取り後に指紋の拭き取り跡がはっきりと視認できる
1−6.鉛筆硬度
JIS K5600−5−4:1999に準拠して、ハードコート層の鉛筆硬度を測定した。
2.電離放射線硬化性樹脂組成物の調製
表1の組成の電離放射線硬化性樹脂組成物1〜12を調製した。
Figure 0006965582
表1中、A〜Lは、以下の材料を示す。
<防汚剤>
A:上記一般式(I)で示される化合物の混合物。一般式(I)のRfは下記の基(X)、Zは下記の基(Y)、Rは(CO)4.5CH、Rは水素原子、aは1、bは1.5、cは1.5、dは1、eは2である。
Figure 0006965582
<バインダー樹脂成分>
B:2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステル701A、水酸基価:262mgKOH/g、反応性基量:9.35mmol/g)
C:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(日本化薬株式会社製、商品名:KAYARAD PET−30、平均官能基数:3.4、水酸基価:113mgKOH/g、反応性基量:10.66mmol/g)
D:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(東亞合成株式会社製、商品名:アロニックスM403、水酸基価:59mgKOH/g 反応性基量:9.92mmol/g)
E:ジプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:DPGDA、分子中のオキシプロピレン基の割合:0.48 反応性基量:8.26mmol/g)
F:トリプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製、商品名:TPGDA、分子中のオキシプロピレン基の割合:0.58、反応性基量:6.67mmol/g)
G:トリエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレート3EG-A、分子中のオキシエチレン基の割合:0.51、反応性基量:7.75mmol/g)
H:テトラエチレングリコールジアクリレート(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレート4EG-A、分子中のオキシエチレン基の割合:0.58、反応性基量:6.62mmol/g)
I:エトキシ化ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学株式会社製、商品名:A-DPH-6E、分子中のオキシエチレン基の割合:0.31、反応性基量:7.12mmol/g)
J:1,9−ノナンジオールジアクリレート(新中村化学株式会社製、商品名:NKエステルA-NOD-N、反応性基量:7.46mmol/g、水酸基なし)
K:分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有する反応性ポリマー(共栄社化学株式会社製、商品名:SMP-250A、重量平均分子量:25,000、反応性基量:4.00mmol/g)
<光重合開始剤>
L:光重合開始剤(BASF社製、商品名:IRGACURE 184)
3.ハードコートフィルムの製造
[実施例1]
厚さ60μmのトリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム上に、バーコート法を用いて、電離放射線硬化性樹脂組成物1を塗布し、乾燥、紫外線照射して、硬化後膜厚10μmのハードコート層形成し、実施例1のハードコートフィルムを得た。
[実施例2〜7]
電離放射線硬化性樹脂組成物1を電離放射線硬化性樹脂組成物2〜7に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7のハードコートフィルムを得た。
[比較例1〜5]
電離放射線硬化性樹脂組成物1を電離放射線硬化性樹脂組成物8〜12に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜5のハードコートフィルムを得た。
Figure 0006965582
表2の結果から、実施例1〜7のハードコートフィルムは、防汚性に優れつつ、耐擦傷性及び耐剥離性に優れることが確認できる。言い換えると、表2の結果から、実施例1〜7のハードコートフィルムは、経時的な使用によってハードコート層が傷ついたり、剥離したりすることを抑制でき、ひいては防汚性の低下を抑制できることが確認できる。
本発明のハードコートフィルムは、防汚性、耐擦傷性及び耐剥離性に優れるため、各種部材の表面材として好適に使用することができ、特に、タッチパネルの表面材に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 基材上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該ハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物の硬化物を含み、前記バインダー樹脂成分として、下記(i)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物、及び、下記(ii)から選ばれる少なくとも一種以上の化合物を含み、該ハードコート層は実質的に粒子を含まず、かつ該ハードコート層が下記条件(1)及び(2)を満たす、ハードコートフィルム。
    (i)水酸基価が50mgKOH/g以上であり、分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有する化合物。
    (ii)分子中にオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる一種以上を含み、下記式(a)から算出される分子中のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の割合が0.35以上であり、分子中に二以上の電離放射線硬化性官能基を有する化合物。
    [(分子中のオキシエチレン基を構成する全原子の原子量の合計+分子中のオキシプロピレン基を構成する全原子の原子量の合計)/分子量] (a)
    <条件(1)>
    前記ハードコート層の表面に、接触面積が2cm×2cmとなるようにして、#0000番のスチールウールを接触させる。前記スチールウールに1kgfの荷重をかけ、移動速度120m/sで前記ハードコート層表面を10,000往復摩擦した後の前記ハードコートフィルムのヘイズと、摩擦前の前記ハードコートフィルムのヘイズとの差が、1.00%以下。
    <条件(2)>
    前記ハードコート層の表面に、底面の直径が6mmの円柱形状からなるJIS S6050:2002の品質基準を満たすプラスチック字消しの底面を接触させる。プラスチック字消しに500gfの荷重をかけ、移動速度27m/sで前記ハードコート層表面を50往復摩擦した後のハードコート層表面の算術平均粗さRaと、摩擦前のハードコート層表面の算術平均粗さRaとの差が、0.55nm以下。
  2. 前記防汚剤が、シロキサン結合を有する構造を基本骨格として、該シロキサン結合の側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン構造を有し、該有機基の少なくとも一つが電離放射線硬化性官能基を有する請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記有機基の少なくとも一つがオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる一種以上を有する請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記有機基の少なくとも一つがパーフルオロポリエーテル基を有する請求項2又は3に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層の全固形分における前記防汚剤の硬化物の割合が0.05〜1.0質量%である請求項1〜4の何れか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. タッチパネルの表面材として、請求項1〜のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを備えたタッチパネル。
  7. 画像表示素子上に、請求項に記載のタッチパネルを備えた画像表示装置。
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