JP6347694B2 - 電離放射線硬化型保護液及びフォトマスク - Google Patents

電離放射線硬化型保護液及びフォトマスク Download PDF

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Description

本発明は、離型性を有する塗膜を形成しうる電離放射線硬化型保護液と、該保護液の硬化物で構成される保護膜をガラスマスクの薄膜パターン(画像)面に積層したフォトマスクとに関する。
プリント配線板や樹脂凸版を作製する場合、粘着性のあるフォトレジスト(液状フォトレジストなど)に対して密着露光が終了した原稿(フォトマスク)は、フォトレジストから引き離され、溶剤系または水系の洗浄液によりレジスト対向面を洗浄した後、別のフォトレジストに対して繰り返し利用に供される。従来から、この繰り返し利用時における露光精度の低下を防止する目的で、ガラスマスクの薄膜パターン面に、離型性を有する塗膜(保護膜)を形成することが行われている(特許文献1、2)。これにより、溶剤による洗浄後にフォトレジストがガラスマスクの薄膜パターン面に残存することや薄膜パターンが摩耗することなどによる露光精度の低下が防止される。
近年、プリント配線板などの生産コストを削減するために、ガラスマスクの一つであるエマルジョンマスクの薄膜パターン面に、短時間で保護膜を形成することが求められており、この要望に応えるための提案もなされている(特許文献3)。
特開2000−273412号公報 特開2005−181565号公報 特開2010−85597号公報
この種の保護膜には、上述した繰り返し利用に耐えるために、フォトレジストに対する離型性(以下単に「離型性」と略記することもある。)に優れ、ガラスマスクへの接着性(以下単に「接着性」と略記することもある。)が強固であるとともに、硬度が高いことが求められる。特許文献3の電離放射線硬化型保護液を用いた場合、熱硬化型の保護液を用いた場合と比較して短時間で保護膜を形成することができる。しかしながら特許文献3の保護液を用いた場合、形成した保護膜の、ガラスマスク(特にクロムマスク)の薄膜パターン面に対する接着性と高硬度を両立させることが困難であった。
本発明の一側面では、離型性及び接着性に優れた高硬度の保護膜を短時間で形成しうる電離放射線硬化型保護液と、該保護液を用いて形成した保護膜を有するフォトマスクとを提供する。
本発明者らは、繰り返し利用時における離型性に優れ、ガラスマスク(特にクロムマスク)への接着性が強固であるとともに、硬度が高い保護膜を短時間で形成することができる保護液の組成を検討した。その結果、短時間で硬化物を形成することができる複数の光重合性成分(A成分及びB成分)とともに、これらの重合を橋渡しする化合物(C成分)を配合することで、繰り返し利用しても接着性が強固であり、かつ離型性に優れ、しかも高い硬度を持つ保護膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の電離放射線硬化型保護液は、以下の構成を備えたことを特徴とする。
(A)エポキシ基を有する樹脂、(B)(メタ)アクリル基を有する樹脂、(C)エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂、及び(D)重合開始剤を有する。
(A)は(メタ)アクリル基を有するものを除く。
(B)はエポキシ基を有するものを除く。(B)は(B1)極性基を持つ3官能以上のアクリル化合物を含む。(B1)の極性基はカルボキシル基であることが好ましい。
(D)は(D1)ラジカル開始剤及び(D2)カチオン開始剤を含む。
(A)の固形分含有量を(B)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して50〜100質量部とする。(B)の固形分含有量を(C)の固形分100質量部に対して100〜300質量部とする。
本発明のフォトマスクは、ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクの前記薄膜パターン面に、本発明の電離放射線硬化型保護液を用いて形成した保護膜を有することを特徴とする。
本発明は、以下の態様を含む。
(1)電離放射線硬化型保護液において、(A)はシリコーン変性物を含むことができる。
(2)電離放射線硬化型保護液において、(B)として重量平均分子量が300〜10,000のものを用いることができる。
(3)電離放射線硬化型保護液において、(C)として重量平均分子量が200〜60000のものを用いることができる。これとともに、あるいはこれとは独立して、エポキシ基の官能基当量が100〜10000(g/eq)のものを用いることができる。
(4)電離放射線硬化型保護液において、(D1)と(D2)の双方として、熱重合開始剤でなく、光重合開始剤を用いることができる。
(5)電離放射線硬化型保護液において、(D1)の固形分含有量を(B)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して1〜10質量部とすることができる。(D2)の固形分含有量を(A)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部とすることができる。
(6)電離放射線硬化型保護液において、(A)〜(D)とともに、さらに(E)シリコーンオイルを含有することができる。(E)として、分子構造中に反応性基を有する反応性シリコーンオイルを用いることができる。(E)を配合するときの配合量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分100質量部に対して、例えば、0.01〜20質量部とすることができる。
なお、全樹脂バインダー成分の固形分とは、(A)、(B)及び(C)に含まれる固形分の合計を示し、(D)やその他の成分を含まないものとする。
本発明の電離放射線硬化型保護液は、(D2)カチオン開始剤とともに光重合性成分としての(A)エポキシ基を有する樹脂を所定割合で配合し、(D1)ラジカル開始剤とともに光重合性成分として(B)(メタ)アクリル基を有する樹脂を所定割合で配合し、かつ(D1)及び(D2)の少なくとも何れかの存在下で重合が開始され、(A)及び(B)の架橋硬化時に両者を橋渡して接合を強化させる(C)エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂を所定割合で配合してあるので、繰り返し利用しても強固な接着性と優れた離型性を発現し、かつ塗膜硬度が高い保護膜を得ることができる。
本発明のフォトマスクは、本発明の電離放射線硬化型保護液を用いて形成した保護膜を有するので、繰り返し利用しても保護膜がガラスマスクから剥離することはなく、かつ優れた離型性を発現しうる。
本明細書において、「保護液」は各構成成分の混合物を意味し、この「保護液」を硬化させて得られる硬化物で「保護膜」を形成する。「保護液」には、その他の任意成分を含んでいてもよいものとする。すなわち本明細書における「保護液」は、以下に説明する構成成分以外の存在を排除しない。また、「硬化型」という場合には、保護液の樹脂成分を重合させることで硬化する性質を指すものとする。
さらに本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルを、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを、それぞれ包括的に指す意味である。
本発明の保護液は、(A)エポキシ基を有する樹脂と、(B)(メタ)アクリル基を有する樹脂と、(C)エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂と、(D)重合開始剤とを、必須の構成成分として含有する。さらに離型剤として(E)シリコーンオイルを含有させることもできる。
(A)エポキシ基を有する樹脂(以下「A成分」)は、保護膜としたときの、主としてガラスとの接着性を向上させるため、及び保護膜の硬化収縮を抑制するために用いられる。
使用可能なA成分としては、分子内にエポキシ基を有するもの(ただし、(メタ)アクリル基を有するものを除く)であれば特に限定されない。なお、A成分として「(メタ)アクリル基を有するもの」を除いた趣旨は、後述するC成分との境界を明確にするためである。
このようなものの代表例を挙げると、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、アクリル酸変性を除く他の変性エポキシ樹脂、及びこれらのハロゲン化物(臭素化エポキシ樹脂など)や水素添加物などがある。
A成分は、前記例示した1種単独で構成してもよく、また2種以上を混合したもので構成することもできる。
(B)(メタ)アクリル基を有する樹脂(以下「B成分」)は、保護膜としたときの膜硬度を高くするために用いられる。
使用可能なB成分としては、分子内に(メタ)アクリル基を有する化合物、すなわちアクリル化合物(エポキシ基を有するものを除く)であれば特に限定されない。とりわけ、電離放射線(紫外線または電子線)の照射による架橋硬化により、3次元網目構造となるために、3官能以上のアクリル化合物が望ましい。同じく3次元網目構造となる熱硬化型樹脂を用いた場合には、製膜に30〜80分程度必要であるが、電離放射線(紫外線または電子線)の照射により架橋硬化するアクリル化合物を用いることによって、1〜3分程度で製膜完了させることができる。なお、「3官能以上」とは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基を有することを意味する。
B成分は、その分子量が大きくなるほど、保護膜としたときの膜強度が高くなる傾向にある。また、B成分中の(メタ)アクリル基の個数が多くなるほど、形成した保護膜の硬度が高くなる傾向にある。しかしながら、B成分の重量平均分子量(Mw)が大きくなりすぎると、保護膜の硬度不良、反応性不良などの不都合を生じやすい。また(メタ)アクリル基の個数が多くなりすぎると、硬化収縮に伴う接着性不良などの不都合を生じやすい。
すなわち、B成分のMwは、300以上(好ましくは500以上)であれば、その上限は特に設定されないが、上記不都合を回避するには、10000以下(好ましくは5000以下)のものを用いるとよい。またB成分に含まれる(メタ)アクリル基の個数は3個以上あるとよく、その上限は特に設定されないが、上記不都合を回避するには、15個以下(好ましくは10個以下、より好ましくは8個以下)にするとよい。
なお、B成分として「エポキシ基を有するもの」を除いた趣旨は、後述するC成分との境界を明確にするためである。
上記アクリル化合物(3官能以上、エポキシ基を有するものを除く)の代表例を挙げると、例えば、3官能(メタ)アクリレート(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルフタル酸、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルコハク酸、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど)、4官能(メタ)アクリレート(例えば、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなど)、5官能(メタ)アクリレート(例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノウンデシレートなど)、6官能(メタ)アクリレート(例えば、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど)などがある。
上記アクリル化合物は、3個以上の(メタ)アクリル基とともに、極性基を含むもの(以下「B1成分」ともいう)であってもよい。むしろこれを含むものが望ましい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、リン酸基などがある。とりわけ、極性基として、カルボキシル基を有するものであると、接着性や硬度の点で都合がよい。
B1成分の一例としての、カルボキシル基を有する上記アクリル化合物の代表例を挙げると、例えば、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(5官能)、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルフタル酸(3官能)、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルコハク酸(3官能)などがある。
中でも、とりわけ、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルフタル酸、2,2,2−トリス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルコハク酸などを用いると、接着性や硬度の点で都合がよい。
例えば、2,2,2−トリス(アクリロイルオキシメチル)エチルコハク酸は、「NKエステル CBX−0」(新中村化学工業社)として商業的に入手可能である。
B成分は、前記例示した1種単独で構成してもよく、また2種以上を混合したもので構成することもできる。
(C)エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂(以下「C成分」)は、エポキシ基を官能基として有するアクリル化合物であり、保護膜とするときに、A成分とB成分を橋渡しさせるために用いる。
使用可能なC成分の代表例を挙げると、例えば、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基の一部に対して、エポキシ基と反応する官能基(例えば、カルボキシル基など)及び(メタ)アクリル基を有する化合物を反応(付加)させて得られる化合物(エポキシ(メタ)アクリレート)がある。
この場合用いられるエポキシ樹脂としては、硬化後の物性保持の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、又はクレゾールノボラック樹脂が好ましい。
エポキシ基と反応する官能基及び(メタ)アクリル基を有する化合物は、典型的には、カルボキシル基及び(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル酸である。
使用可能なC成分の代表例として、具体的には、2官能フェノールグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAD型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートなど);水添2官能フェノールグリシジルエーテル由来のもの(例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、水添2,2´−ビフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添4,4´−ビフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートなど)や多官能フェノールグリシジルエーテル由来(例えば、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、テトラフェニロールエタン型エポキシ(メタ)アクリレートなど);2官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル由来(例えば、ポリエチレングリコール型エポキシ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール型エポキシ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール型エポキシ(メタ)アクリレートなど);2官能脂環式アルコールグリシジルエーテル由来(例えば、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレートなど);多官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル由来(例えば、トリメチロールプロパン型エポキシ(メタ)アクリレート、ソルビトール型エポキシ(メタ)アクリレート、グリセリン型エポキシ(メタ)アクリレートなど);2官能芳香族グリシジルエステル由来(例えば、フタル酸ジグリシジルエステルなど);2官能脂環式グリシジルエステル由来(例えば、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなど)のエポキシアクロレートなどがある。
中でも、接着性と硬度の観点から、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAD型エポキシ(メタ)アクリレート、ビフェニル型エポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレートなどを用いるとよい。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の片方のエポキシ基に対してアクリル酸を付加させて得られる化合物は、「NKオリゴ EA−1010N」(新中村化学工業社)として商業的に入手可能である。
使用するC成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200〜60000、より好ましくは400〜10000である。Mwが200未満であると、膜強度に不都合が生じやすく、60000を超えると、耐久性不足の不都合が生じやすい。
使用するC成分におけるエポキシ基の官能基当量は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上であって、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下とすることが望ましい。ここでいう「官能基当量」は、エポキシ基の1g当量あたりのアクリル樹脂の重量g数で表され、単位は「g/eq」である。官能基当量が100未満であると、膜強度不足の不都合が生じやすい。一方、官能基当量が10000を超えると、耐久性不足の不都合が生じやすい。
C成分は、前記例示した1種単独で構成してもよく、また2種以上を混合したもので構成することもできる。
(D)重合開始剤(以下「D成分」)は、保護膜とするときに、A〜C成分の少なくともいずれかの重合を開始させ、塗膜化させるために用いる。
使用可能なD成分には、少なくとも、主としてB成分とC成分の重合開始に寄与するラジカル重合開始剤(以下「D1成分」)と、主としてA成分とC成分の重合開始に寄与するカチオン重合開始剤(以下「D2成分」)とが含まれる。すなわち、D1とD2の両成分を組み合わせて使用する。A成分及びC成分はエポキシ基を有し、またB成分及びC成分は(メタ)アクリル基を有することから、D1とD2の両成分を組み合わせて使用することが、接着性や硬度、膜強度の点で望ましいと考えた。
D1成分は、光照射や加熱によって発生したラジカルが、B成分やC成分に含まれる(メタ)アクリル基へ付加反応することでラジカル重合を開始、進行させるものである。このようなものとしては、主に光照射によってラジカルを発生させる光ラジカル重合開始剤と、加熱等によってラジカルを発生させる熱ラジカル重合開始剤がある。
中でも、光ラジカル開始剤として、シクロヘキシルフェニルケトン、好ましくは1−ヒドロキシフェニルケトン、さらに好ましくは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いるとよい。1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンに関する市販品の代表例を挙げると、例えば、イルガキュア184(BASF社)がある。
熱ラジカル開始剤の代表例を挙げると、例えば、有機過酸化物としてジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類などがある。
D1成分としては、これらのうち、主として光ラジカル開始剤を用いるとよい。
D1成分は、前記例示した1種単独で構成してもよく、また2種以上を混合したもので構成することもできる。
D2成分は、光照射や加熱によって発生した酸が、A成分やC成分のエポキシ基へ作用することでカチオン重合を開始、進行させるものである。このようなものとしては、主に光照射によって酸を発生させる光カチオン重合開始剤と、加熱等によって酸を発生させる熱カチオン重合開始剤がある。
光カチオン開始剤の代表例を挙げると、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ]ジフェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントンヘキサフルオロアンチモネート、7−[ジ(p−トルイル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィドヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のスルホニウム塩や、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等のヨードニウム塩などがある。
光カチオン開始剤に関する市販品の代表例を挙げると、例えば、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K(以上、サンアプロ社)、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6992、サイラキュアUVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本社)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172、アデカオプトマーSP−300(以上、ADEKA社)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達社)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業社)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社)、オムニキャット550(アイジーエムレジン社)、イルガキュア250(BASF社)、ロードシル フォトイニシエーター2074(ローディア・ジャパン社)などがある。
熱カチオン開始剤の代表例を挙げると、例えば、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミドなどがある。
熱カチオン開始剤に関する市販品の代表例を挙げると、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、ADEKA社)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達社)、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−60L(以上、三新化学工業社)などがある。
D2成分としては、これらのうち、主として光カチオン開始剤を用いるとよい。
D2成分は、前記例示した1種単独で構成してもよく、また2種以上を混合したもので構成することもできる。
A成分、B成分及びC成分の各含有率の合計(合計含有率)は、保護液に含まれる全固形分の、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上とするとよい。
A成分の含有量は、B成分とC成分の固形分の合計100質量部に対して、好ましくは50質量部(A:(B+C)=1:2)以上、より好ましくは55質量部(A:(B+C)=1:約1.8)以上、さらに好ましくは60質量部(A:(B+C)=1:約1.66)以上であって、好ましくは100質量部(A:(B+C)=1:1)以下、より好ましくは80質量部(A:(B+C)=1:1.25)以下、さらに好ましくは70質量部(A:(B+C)=1:1.4)以下とするとよい。50質量部以上とすることにより、接着性の向上が得られやすい。100質量部以下とすることにより、硬度向上の効果が得られやすい。
B成分の含有量は、C成分の固形分100質量部に対して、好ましくは100質量部(B:C=1:1)以上、より好ましくは125質量部(B:C=1.25:1)以上、さらに好ましくは180質量部(B:C=約1.8:1)以上であって、好ましくは300質量部(B:C=3:1)以下、より好ましくは250質量部(B:C=2.5:1)以下、さらに好ましくは220質量部(B:C=約2.2:1)以下とするとよい。100質量部以上とすることにより、接着性の向上の効果が得られやすい。300質量部以下とすることにより、硬度向上の効果が得られやすい。
D成分(D1成分とD2成分の合計)の含有率は、保護液に含まれる全固形分の、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下とするとよい。
D1成分の含有量は、B成分とC成分の固形分の合計100質量部に対して、好ましくは1質量部以上とする。1質量部以上とすることにより、B及びCの両成分の適切な重合開始効果が得られやすい。一方、D1成分の含有量は、B成分とC成分の固形分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以下とする。10質量部以下とすることにより、保護膜形成に適切な分子量を有するポリマー形成の効果が得られやすい。
D2成分の含有量は、A成分とC成分の固形分の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上とする。0.1質量部以上とすることにより、A及びCの両成分の適切な重合開始効果が得られやすい。一方、D2成分の含有量は、A成分とC成分の固形分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以下とする。10質量部以下とすることにより、保護膜形成に適切な分子量を有するポリマー形成の効果が得られやすい。
本発明の保護液には、形成する保護膜に、より優れた離型性と洗浄耐久性を発現させるために、離型剤として、(E)シリコーンオイル(以下「E成分」)を含有させることもできる。
E成分には、分子の末端が変性したものと変性されないものが含まれる。変性されたもの(変性シリコーンオイル)は、分子構造中に導入された官能基の種類(反応性を示すものと示さないものの如何)により反応性と非反応性とに分類される。
変性シリコーンオイルの代表例を挙げると、例えば、直鎖状のシロキサン骨格を有し、分子構造中に、水素又は炭化水素基以外の基を有するものなどがある。中でも、分子構造中にジメチルシリコーン骨格を有するものが好ましい。また、分子構造中に反応性基を有するもの(反応性シリコーンオイル)が好ましく、分子構造中にジメチルシリコーン骨格を有し、かつ分子構造中にB成分及び/又はC成分との反応が可能な反応性基を有するものが特に好ましい。分子構造中にジメチルシリコーン骨格を有し、かつ分子構造中にB成分及び/又はC成分との反応が可能な反応性基を有するものを用いることで、保護膜表面のフォトレジスト等の付着物を容易に除去しやすく都合がよい。
なお、官能基が反応性を示さないもの(非反応性シリコーンオイル)としては、例えば、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級アルコキシ変性、脂肪酸エステル変性、フッ素変性などがある。
反応性基は、ポリシロキサンの側鎖の一部に導入されてもよいし、ポリシロキサンの片末端又は両末端に導入されたものでもよい。あるいは、ポリシロキサンの側鎖に加えて、片末端又は両末端に導入されたものでもよい。反応性基としては、例えば、エポキシ基(エポキシ変性)、シラノール基(シラノール変性)、アミノ基(アミノ変性)、水酸基(ヒドロキシ変性)、メタクリル基(メタクリル変性)、メルカプト基(メルカプト変性)、カルボキシル基(カルボキシル変性)、アルコキシ基(アルコキシ変性)などがある。
分子構造中にエポキシ基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にエポキシ基を有する「X−22−163」(官能基当量200)、「KF−105」(官能基当量490)、「X−22−163A」(官能基当量1000)、「X−22−163B」(官能基当量1750)、「X−22−163C」(官能基当量2700)、両末端に脂環式エポキシ基を有する「X−22−169AS」(官能基当量500)、「X−22−169B」(官能基当量1700)、一方の末端にエポキシ基を有する「X−22−173DX」(官能基当量4500)、側鎖及び両末端にエポキシ基を有する「X−22−9002」(官能基当量5000)、側鎖にエポキシ基を有する「X−22−343」(官能基当量525)、「KF−101」(官能基当量350)、「KF−1001」(官能基当量3500)、「X−22−2000」(官能基当量620)、「X−22−4741」(官能基当量2500)、「KF−1002」(官能基当量4300)、側鎖に脂環式エポキシ基を有する「X−22−2046」(官能基当量600)及び「KF−102」(官能基当量3600、以上、信越化学工業社)などがある。これらは単独で、又は2種類以上を混合して使用することができる。
分子構造中にシラノール基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にシラノール基を有する「X−21−5841」(官能基当量500)、「KF−9701」(官能基当量1500)、(以上、信越化学工業社)及び「Z−6018」(官能基含有量6重量%、東レ・ダウコーニング社)などがある。これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中にアミノ基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にアミノ基を有する「KF−8010」(官能基当量430)、「X−22−161A」(官能基当量800)、「X−22−161B」(官能基当量1500)、「KF−8012」(官能基当量2200)、「KF−8008」(官能基当量5700)、「X−22−9409」(官能基当量700)、「X−22−1660B−3」(官能基当量2200)(以上、信越化学工業社)、「BY−16−853U」(官能基当量460)、「BY−16−853」(官能基当量650)、「BY−16−853B」(官能基当量2200)(以上、東レ・ダウコーニング社)、側鎖にアミノ基を有する「KF−868」(官能基当量8800)、「KF−865」(官能基当量5000)、「KF−864」(官能基当量3800)、「KF−880」(官能基当量1800)、「KF−8004」(官能基当量1500)(以上、信越化学工業社)などがある。 これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中に水酸基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端に水酸基を有する「KF−6001」(官能基当量900)、「KF−6002」(官能基当量1600)、両末端にフェノール性水酸基を有する「X−22−1821」(官能基当量1470)(以上、信越化学工業社)、「BY−16−752A」(官能基当量1500)(以上、東レ・ダウコーニング社)、一方の末端に水酸基を有する「X−22−170BX」(官能基当量2800)、「X−22−170DX」(官能基当量4670)、「X−22−176DX」(官能基当量1600)、「X−22−176F」(官能基当量6300)(以上、信越化学工業社)、側鎖に水酸基を有する「X−22−4039」(官能基当量970)「X−22−4015」(官能基当量1870)(以上、信越化学工業社)、両末端ポリエーテル中に水酸基を有する「SF8427」(官能基当量930、東レ・ダウコーニング社)、「X−22−4952」(官能基当量1100、信越化学工業社);側鎖ポリエーテル中に水酸基を有する「FZ−2162」(官能基当量750)及び「SH3773M」(官能基当量800)(以上、東レ・ダウコーニング社)などがある。 これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中にメタクリル基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にメタクリル基を有する「X−22−164A」(官能基当量860)、「X−22−164B」(官能基当量1630)及び一方の末端にメタクリル基を有する「X−22−174DX」(官能基当量4600)(以上、信越化学工業社)などがある。これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中にメルカプト基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にメルカプト基を有する「X−22−167B」(官能基当量1670)、側鎖にメルカプト基を有する「KF−2001」(官能基当量1900)、「KF−2004」(官能基当量30000)、(以上、信越化学工業社)などがある。これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中にカルボキシル基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、両末端にカルボキシル基を有する「X−22−162C」(官能基当量2300)、一方の末端にカルボキシル基を有する「X−22−3710」(官能基当量1450)及び側鎖にカルボキシル基を有する「X−22−3701E」(官能基当量4000)(以上、信越化学工業社)などがある。これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
分子構造中にアルコキシ基を有するシリコーンオイルは、市販品を用いることができる。代表例を挙げると、例えば、側鎖にアルコキシ基を有する「FZ−3704」(官能基当量150)(以上、東レ・ダウコーニング社)などがある。これらは単独で、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、特にエポキシ基、シラノール基、メタクリル基で変性されたシリコーンオイルを用いるとよい。とりわけ、これらの中で、反応性の点から両末端変性シリコーンが好ましく、相溶性の点から官能基当量5000程度以下のものがより好ましい。
E成分を配合するときの配合量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分(A成分、B成分及びC成分の合計)100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上とする。0.01質量部以上とすることにより、形成する保護膜により優れた離型性を付与しやすい。一方、E成分を配合するときの配合量は、保護液の全樹脂バインダー成分の固形分100質量部に対して、好ましくは20質量部以下とする。20質量部以下とすることにより、保護膜の表面硬度を低下させにくい。
本発明の保護液は、以上説明したA〜D成分や、必要に応じてE成分などの他の成分を配合して、適当な溶媒に溶解させて調製することができる。なお、各成分がそれぞれ相溶することが、保護膜の白化などを防止することができるため好ましい。
本発明の保護液に電離放射線を照射して得られる硬化物からなる保護膜は、硬化後の保護膜表面が、50g/2cmの荷重においてスチールウール#0000で表面を10往復擦った後、保護膜表面の傷がないものであることが好ましい。
本発明のフォトマスクは、例えばガラスマスクの薄膜パターン面に保護膜を有する。保護膜は、薄膜パターン面に所定厚み(例えば1〜10μm程度)で塗布された本発明の保護液に電離放射線を照射して得られる硬化物で構成されている。
ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクは、ガラス基板に、プリント配線板や樹脂凸版に微細なパターンを形成するための薄膜パターンが形成されている。こうしたガラスマスクとしては、例えば、ガラス基板上にゼラチンとハロゲン化銀を混合したエマルジョンを塗布して薄膜パターン化したもの(エマルジョンマスク)や、ガラス基板上にクロム材料(クロムや酸化クロムなど)で構成される薄膜パターンを形成したもの(クロムマスク)などが挙げられる。薄膜パターンの構成材料として、クロム材料の他、例えば、ケイ素材料(ケイ素や酸化ケイ素など)、鉄材料(酸化鉄など)、モリブデン材料(酸化モリブデンや二ケイ化モリブデンなど)、ニッケル材料(ニッケルや酸化ニッケルなど)などを用いることもできる(ケイ素マスク、鉄マスク、モリブデンマスク、ニッケルマスクなど)。本例では、ガラスマスクとして特にクロムマスクを用いたときの、保護膜の接着性が高く、したがって該クロムマスクへの適用に効果的である。
なお、本例で用いるガラスマスクは、保護膜に対する接着性を向上させるための下引き層がガラス基板上に設けられているものを含む。
本例で適用するフォトマスクは、ガラスマスクの薄膜パターン面全面に、スピンコートやダイコート、キャップコート、バーコートなどの公知の方法により本発明の保護液を塗布した後、これに電離放射線を照射することで保護液の樹脂成分を架橋硬化させて硬化物とし、これをハードコート性と離型性を有する保護膜として利用するものである。
保護液中にA〜C成分を適量で含むことによって、接着性、ハードコート性(JIS−K5600−5−4:1999を参考に測定した鉛筆硬度がH以上)及び耐光性に優れた保護膜を有するフォトマスクとすることができる。
以下、本発明の実施形態をより具体化した実施例を挙げ、さらに詳細に説明する。本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
なお、本例において、エポキシ基を有する樹脂(A1成分及びA2成分)、(メタ)アクリル基を有する樹脂(B1成分及びB2成分)、エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂(C成分)、重合開始剤(D1成分及びD2成分)、離型剤(E1成分及びE2成分)は次のものを用いた。
[A1成分]シリコーン変性エポキシ樹脂(ES−1001N:信越化学工業社、固形分45%)
[A2成分]ビスフェノールAエポキシ樹脂(エピコート828:三菱化学社、固形分100%)
[B1成分]2,2,2−トリス(アクリロイルオキシメチル)エチルコハク酸(NKエステル CBX−0:新中村化学工業社、固形分100%、重量平均分子量578、3官能、カルボキシル基あり)
[B2成分]ペンタエリスリトールテトラアクリレート(NKエステル A−TMMT:新中村化学工業社、固形分100%、重量平均分子量491、4官能、カルボキシル基なし)
[C成分]ビスフェノールA型エポキシアクリレート(NKオリゴ EA−1010N:新中村化学工業社、固形分100%、重量平均分子量575、エポキシ当量518g/eq)
[D1成分]光ラジカル開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イルガキュア184:BASF社、固形分100%)
[D2成分]光カチオン開始剤(芳香族スルホニウム塩、CPI−100P:サンアプロ社、固形分50%)
[E1成分]反応性シリコーンオイル(両末端型/シラノール変性、KF−9701:信越化学工業社、固形分100%)
[E2成分]反応性シリコーンオイル(両末端型/エポキシ変性、KF−105:信越化学工業社、固形分100%)
[実験例1〜23]
<1.フォトマスクの作製>
下記組成の電離放射線硬化型保護液を、パターン形成されたクロムマスク(ガラスマスク)のパターン上に、スピンコートにより塗布し、80℃、2分で乾燥した後、紫外線を10秒間(1000mJ/cm)照射して架橋硬化させ、厚み約2μmの保護膜を形成し、フォトマスクを作製した。
<電離放射線硬化型保護液の組成>
・エポキシ基を有する樹脂(A1成分及びA2成分) 表1記載の種類と量
・アクリル基を有する樹脂(B1成分及びB2成分) 表1記載の種類と量
・エポキシ基とアクリル基を有する樹脂(C成分) 表1記載の量
・光ラジカル開始剤(D1成分) 表1記載の量
・光カチオン開始剤(D2成分) 表1記載の量
・離型剤(E1成分及びE2成分) 表1記載の種類と量
・希釈溶媒(メチルエチルケトン) 適量(保護液中の固形分が20%となる量)
ただし、表1記載の「量」とは、各成分の固形分質量比を意味する。
Figure 0006347694
<2.フォトマスクの評価>
2−1.保護膜の離型性
作製したフォトマスクの保護膜面に、紫外線硬化型樹脂で構成されたフォトレジストを密着させた(工程1)。次に、フォトマスクの保護膜が形成されていない面(フォトマスクの裏面)から紫外線を照射(密着露光)し、フォトレジストを所定パターンでUV硬化させた後、露光済みのフォトレジストをフォトマスクから剥離した(工程2)。次に、フォトレジストから引き離したフォトマスクの保護膜面を溶剤系洗浄液により洗浄し、次の露光のためのフォトマスクを準備した(工程3)。
上記工程1〜3の操作を100回、200回、500回行った後と、マスク作製直後とのそれぞれのタイミングで、作製したフォトマスクの保護膜面の純水の接触角を測定した。接触角の値は、純水滴下1分後の接触角の測定値について、滴下と測定を5回繰り返して得られた測定値の平均値とし、以下の基準で離型性を評価した。結果を表2に示す。なお表2中の「−」は評価不実施を示している(以下、同じ)。
◎:接触角が90度以上(非常に優れている)。
〇:接触角が80度以上90度未満(優れている)。
△:接触角が70度以上80度未満(良好)。
×:接触角が70度未満(不良)。
2−2.保護膜の接着性
上記2−1の工程1〜3の操作を100回、200回、500回行った後と、マスク作製直後とのそれぞれのタイミングで、作製したフォトマスクの保護膜の接着性を、碁盤目テープ法(JIS K5600−5−6:1999)により以下の基準で、保護膜形成前のガラスマスクに対する保護膜の接着性を評価した。結果を表2に示す。
◎:碁盤目部分が全く剥離しなかった(非常に優れている)。
〇:碁盤目部分が殆ど剥離しなかった(優れている)。
△:碁盤目部分がいくつか剥離してしまった(良好)。
×:碁盤目部分が全て剥離してしまった(不良)。
2−3.初期離型性
作製したフォトマスクの保護膜に、粘着テープ(セロテープ CT405AP−18:ニチバン社)を貼りつけ、その後、引っ張り試験機(島津小型卓上試験機 EZ−L:島津製作所社)を用いて、粘着テープの、剥離速度300mm/minにおける180°剥離力を測定し、以下の基準で保護膜の初期離型性を評価した。結果を表2に示す。
◎:剥離力が2N/cm未満(非常に優れている)。
〇:剥離力が2N/cm以上、3N/cm未満(優れている)。
×:剥離力が3N/cm以上(不良)。
2−4.保護膜の表面硬度
作製したフォトマスクの保護膜表面を、50g/2cmの荷重によるスチールウール#0000で10往復擦った後、保護膜表面の傷の有無を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:まったく傷がみられなかった(非常に優れている)。
〇:ほとんど傷がみられなかった(優れている)。
△:全面ではないが多少傷がみられた(良好)。
×:全面に傷がみられた(不良)。
2−5.保護膜の外観
作製したフォトマスクの保護膜を目視観察し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
〇:白化がみられなかった(優れている)。
×:白化がみられた(不良)。
Figure 0006347694
<3.考察>
以下、「A成分の固形分含有量」とはB成分とC成分の固形分の合計100質量部に対する量を意味する。「B成分の固形分含有量」とはC成分の固形分100質量部に対する量を意味する。「D1成分の固形分含有量」とはB成分とC成分の固形分の合計100質量部に対する量を意味する。「D2成分の固形分含有量」とはA成分とC成分の固形分の合計100質量部に対する量を意味する。
表1及び表2に示すように、保護液中のA成分の固形分含有量が50〜100質量部である場合(実験例2〜4)、その保護液を用いて形成したすべての保護膜に有用性が確認された。特に、保護液中のA成分の固形分含有量が67質量部である場合(実験例3)、その保護液を用いて形成した保護膜は、他の実験例2,4の保護膜よりも、離型性及び接着性に優れ、高い表面硬度が得られることが確認できた。離型剤の種類をE2に変えても(実験例3−3)、略同様の結果が得られることが確認された。
これに対し、保護液中のA成分の固形分含有量が50質量部よりも少ない場合(実験例1)、その保護液を用いて形成した保護膜は接着性及び高い表面硬度を発現しないことが確認できた。保護液中のA成分の固形分含有量が100質量部よりも多い場合(実験例5)、その保護液を用いて形成した保護膜は接着性を発現しないことが確認できた。
保護液に含有させるA成分がシリコーン変性物ではない場合(実験例3−1)、その保護液を用いて形成した保護膜は離型性及び接着性を発現しないことが確認できた。保護液中に含有させるB成分がカルボキシル基を含まない場合(実験例3−2)、その保護液を用いて形成した保護膜は接着性を発現しないことが確認できた。
保護液中のB成分の固形分含有量が100質量部に満たない場合(実験例6)、及び300質量部よりも多い場合(実験例11)、その保護液を用いて形成した保護膜の接着性及び表面硬度が劣る傾向にあった。
保護液中のD1成分の固形分含有量が1質量部に満たない場合(実験例12)、及びD2成分の固形分含有量が0.1質量部に満たない場合(実験例18)、その保護液を用いて形成した保護膜の硬化が不十分であることから膜強度が劣り、保護膜としての性能を有していないことが確認できた。
その一方で、保護液中のD1成分の固形分含有量が10質量部よりも多い場合(実験例17)、及びD2成分の固形分含有量が10質量部よりも多い場合(実験例23)、その保護液を用いて形成した保護膜の硬化後のポリマーの分子量が小さいことから膜強度が劣り、保護膜としての性能を有していないことが確認できた。

Claims (10)

  1. (A)エポキシ基を有する樹脂((メタ)アクリル基を有するものを除く)、(B)(メタ)アクリル基を有する樹脂(エポキシ基を有するものを除く)、(C)エポキシ基と(メタ)アクリル基を有する樹脂、及び(D)重合開始剤を有し、
    (B)は(B1)極性基を含む3官能以上のアクリル化合物を含み、
    (D)は(D1)ラジカル開始剤及び(D2)カチオン開始剤を含み、
    (A)の固形分含有量が(B)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して50〜100質量部、(B)の固形分含有量が(C)の固形分100質量部に対して100〜300質量部である電離放射線硬化型保護液。
  2. (B1)の極性基がカルボキシル基である請求項1記載の電離放射線硬化型保護液。
  3. (D1)の固形分含有量が(B)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して1〜10質量部、及び(D2)の固形分含有量が(A)と(C)の各固形分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1又は2記載の電離放射線硬化型保護液。
  4. (A)はシリコーン変性物を含む請求項1〜3のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  5. (B)は重量平均分子量が300〜10000である請求項1〜4のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  6. (C)は重量平均分子量が200〜60000である請求項1〜5のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  7. (C)はエポキシ基の官能基当量が100〜10000(g/eq)である請求項1〜6のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  8. (D1)と(D2)の双方が光重合開始剤である請求項1〜7のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  9. (E)シリコーンオイルを含有する請求項1〜8のいずれか記載の電離放射線硬化型保護液。
  10. ガラス基板上に薄膜パターンを有するガラスマスクの前記薄膜パターン面に、請求項1〜9のいずれか記載の保護液を用いて形成した保護膜を有するフォトマスク。
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