JP4840564B2 - 硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤及び物品 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の基材より優れた硬度を有している上、高温条件、高湿条件に放置しても変形がない被膜が得られる硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤及びこのコーティング剤により硬質保護被膜が形成された物品に関する。
光硬化型シリコーンコーティング剤は、硬化時間が短くてすみ、熱エネルギーによって損傷を受けるような基材でも、塗工後に加熱することなく光照射により硬化させることができるという利点を有し、このため様々な分野で各種の光硬化型シリコーンコーティング剤が開発されている。
光硬化型、特に紫外線硬化型シリコーンの硬化形態は、主に次の3種類である。
(1)アクリル官能性シリコーンをラジカル開裂型光触媒の存在下に紫外線で硬化させるタイプ。
(2)Si−Vi(ビニル)基とS−H基をラジカル開裂型光触媒の存在下に紫外線で硬化させるタイプ。
(3)エポキシ官能性シリコーンをカチオン発生型触媒の存在下に紫外線で硬化させるタイプ。
ここで、(1)のタイプは、硬化は速いが、酸素による硬化阻害があるため、不活性ガス雰囲気下で反応を行う必要があり、装置上の工夫を要し、不活性ガスのランニングコストがかかるという欠点がある。
また、(2)のタイプは、酸素による硬化阻害が少なく硬化性に優れているが、メルカプト基を含有するため、不快臭が強くて作業者にとって好ましくなく、しかも組成物の安定性が悪く、シェルフライフが短いという欠点を有する。
更に、(3)のタイプは、紫外線により硬化し、酸素による硬化阻害もなく、不快臭もなく、基材に対する密着性がよいため、非常に優れているが、反面、硬化時の雰囲気中の湿度により硬化が阻害されるという欠点を有している。
(3)のタイプの上記した欠点を克服するため、ラジカル重合性物質と光ラジカル開始剤を添加することにより、カチオン重合とラジカル重合を同時に行わせる手法が、従来から検討されてきている。
一方、カチオン重合系へのシリコーン化合物を導入する方法として、特許文献1(特開昭56−38350号公報)には、エポキシ基を有するシロキサン化合物とビスアリールヨードニウム塩からなる紫外線硬化性組成物が、特許文献2(特開昭58−213024号公報)には、エポキシ基を有するシロキサン化合物又はアクリル基を有するシロキサン化合物、更には両方の官能基を有するシロキサン化合物を紫外線硬化させることが、特許文献3(特開平11−104166号公報)にはエポキシ変性シリコーンと光カチオン重合開始剤からなる離型フィルムが、特許文献4(特公平6−89109号公報)、特許文献5(特開平7−156267号公報)には、脂環式エポキシ官能性シロキサン、有機脂環式ポリエポキシド、光カチオン重合開始剤からなる組成物が、特許文献6(特開平8−269293号公報)には脂環式エポキシ基含有シリコーングラフト重合体とオニウム塩系光硬化触媒からなる組成物が開示されている。ここで挙げられているエポキシ基を有するシロキサン化合物は、直鎖状ジメチルポリシロキサンの官能基の一部をエポキシ基で置換したもので、離型性を重視したものであり、いずれも柔らかい被膜を形成するコーティング剤である。
特許文献7(特開2001−158851号公報)、特許文献8(特開2005−15581号公報)では、エポキシ基を有する高分子量シロキサン化合物と、光カチオン重合開始剤からなる組成物を開示している。しかし、ここで使用されるシロキサン化合物は、アルコキシシランの加水分解縮合物であり、低分子量に制御することが困難であることから高硬度な被膜を得ることができない上に、残存するアルコキシ基やシラノール等の影響で変形を抑制するのはたいへん難しい。
特許文献9(特開平9−143248号公報)では、エポキシ化合物、脂環式エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、光カチオン重合開始剤からなる組成物を開示している。このなかでエポキシ化合物として、脂環式エポキシ基を有するシロキサン化合物等が例示されているが、オルガノシロキサンは直鎖状ジメチルポリシロキサンの末端をエポキシ基で置換したものであり、先に述べたものと同様の効果を期待するものである。
特許文献10(特開2001−40066号公報)においては、脂環式エポキシ基含有シリコーングラフト重合体、脂環式エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン、光カチオン重合開始剤からなる組成物が開示されていが、脂環式エポキシ基含有シリコーングラフト重合体と脂環式エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの架橋を積極的に行うものであって、収縮を抑えることはできない。
特許文献11(特開2001−187812号公報)では、酸化物粒子、ラジカル重合性不飽和基、エポキシ基で修飾した粒子がカール性に優れることを開示している。しかし、これは、一般にカチオン硬化系がラジカル硬化系に比べて硬化収縮がないことに着目して、ラジカル硬化系の硬化収縮を抑制したものにすぎず、高温条件や高湿条件で十分な効果を得ることはできない。
さらに、特許文献12(特開2003−292891号公報)、特許文献13(特開2003−292892号公報)、特許文献14(特開2003−292893号公報)では、脂環式エポキシ基を有する環状シロキサンにより、収縮が抑えられることを開示しているが、この場合は、高温条件下に放置した場合には収縮してしまう。
特開昭56−38350号公報 特開昭58−213024号公報 特開平11−104166号公報 特公平6−89109号公報 特開平7−156267号公報 特開平8−269293号公報 特開2001−158851号公報 特開2005−15581号公報 特開平9−143248号公報 特開2001−40066号公報 特開2001−187812号公報 特開2003−292891号公報 特開2003−292892号公報 特開2003−292893号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、高温条件、高湿条件に放置しても収縮が殆どなく、高硬度の被膜を形成する硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤及び該コーティング剤により硬質保護被膜が形成された物品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、フェニル基を含有し、アルコキシ基を含有しない特定の脂環式エポキシ基変性シリコーン化合物と、アクリル系ポリマーと、それらに溶解可能な光酸発生剤を含有する光硬化性組成物が、高温条件、高湿条件に放置しても収縮が殆どない高硬度な被膜を形成し、硬質保護被膜形成用コーティング剤として、特に光ディスクの保護膜の形成に有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)
1RSiO2/2単位 (1)
12SiO1/2単位 (2)
(式中、Rはメチル基、R1はエポキシシクロヘキシル基を有する有機基を示す。)
で示される単位と、下記一般式(3)
(C652SiO2/2単位 (3)
で示される単位を有し、1分子中にR1を2個以上4個以下含有し、R1当量が250以上500以下であり、C65基含有量が30質量%以上45質量%以下であり、重量平均分子量が600以上1400以下である、アルコキシ基を含有しないシリコーン化合物
100質量部
(B)アクリル系ポリマー 2〜20質量部
(C)光酸発生剤 0.1〜5質量部
を含有してなることを特徴とするプラスチック表面の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤、及び、上記硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤によりプラスチック表面に硬質保護被膜が形成された物品
を提供する。
本発明の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤は、高温条件、高湿条件に放置しても収縮が殆どなく、高硬度の被膜を形成するもので、各種プラスチック表面の保護被膜として適用され、特に光ディスクの保護膜として好適に適用できる。
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤は、(A)フェニル基を含有し、アルコキシ基を含有しない脂環式エポキシ基変性シリコーン化合物、(B)アクリル系ポリマー、(C)光酸発生剤を含有する。
本発明の(A)成分は、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)
1RSiO2/2単位 (1)
12SiO1/2単位 (2)
(式中、Rは水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、R1はエポキシシクロヘキシル基を有する有機基を示す。)
で示される単位と、下記一般式(3)
(C652SiO2/2単位 (3)
で示される単位を有し、1分子中にR1を2個以上4個以下含有し、R1当量が250以上500以下であり、C65基含有量が30質量%以上45質量%以下であり、重量平均分子量が600以上1400以下である、アルコキシ基を含有しないシリコーン化合物である。本発明においては、上記特定のシリコーン化合物と、後述する(B)成分のアクリル系ポリマー及び(C)成分の光酸発生剤を含有する組成物を光照射することにより硬化させることで、高温条件、高湿条件に放置しても変形がない被膜が得られる。なお、本発明においては、(A)成分のシリコーン化合物が上記一般式(3)で示される単位を有することで、様々な条件での変形を抑制することができる。
(A)成分のシリコーン化合物は、平均組成式で表した場合、1分子中のR1が2個以上4個以下であり、2個より少ないと硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなる。また4個より大きいと収縮が大きくなってしまう。
また、(A)成分は、R1当量が250以上500以下、好ましくは300以上470以下であり、250より小さいと収縮が大きくなってしまい、500より大きいと硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなる。
分子中のC65基含有量は、30質量%以上45質量%以下、好ましくは33質量%以上42質量%以下であり、30質量%より少ないと収縮が大きくなってしまい、45質量%より多くなると硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなる。
上記(A)成分のシリコーン化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、600以上1400以下、好ましくは650以上1200以下である。重量平均分子量が600より小さいものは、分子量分布が広くなってしまう等の合成上の問題がある。また、1400より大きくなると、粘度が高くなり、作業性に問題が生じるとともに、硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなる。
本発明において、(A)成分のシリコーン化合物は、脱アルコール反応によって硬化収縮が起こることを防ぐ点から、アルコキシ基を含有しないシリコーン化合物である。
このような(A)成分のシリコーン化合物は、下記平均組成式(4)、(5)
12SiO(R1CH3SiO)a((C652SiO)b(R2SiO)cSiR21
(4)
3SiO(R1CH3SiO)d((C652SiO)e(R2SiO)fSiR3
(5)
(式中、Rは水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、R1はエポキシシクロヘキシル基を有する有機基を示す。aは0〜2、bは1.7〜3.7、cは0〜3、dは2〜4、eは1.5〜3.5、fは0〜2.5の整数である。)
で表すことができる。
ここで、R1は、エポキシシクロヘキシル基を有する有機基であり、具体的には3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル基等の3,4−エポキシシクロヘキシルアルキル基などが挙げられる。
Rは水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては炭素数1〜20、特に1〜8のものが好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基などの一価炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部がグリシジル基(但し、エポキシシクロヘキシル基は除く)、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基、アミノ基等で置換された基が挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基、水素原子であり、特に好ましくはメチル基である。
上記(A)成分のシリコーン化合物としては、具体的に下記に示すものを挙げることができる(式中、R1は上記と同様である。)。
(CH3)3SiO(R1CH3SiO)2((C6H5)2SiO)2Si(CH3)3
(CH3)3SiO(R1CH3SiO)2((C6H5)2SiO)3Si(CH3)3
(CH3)3SiO(R1CH3SiO)3((C6H5)2SiO)3Si(CH3)3
R1(CH3)2SiO(R1CH3SiO)((C6H5)2SiO)2Si(CH3)2R1
R1(CH3)2SiO(R1CH3SiO)((C6H5)2SiO)3Si(CH3)2R1
R1(CH3)2SiO(R1CH3SiO)((C6H5)2SiO)3((CH3)2SiO)Si(CH3)2R1
R1(CH3)2SiO(R1CH3SiO)2((C6H5)2SiO)3Si(CH3)2R1
R1(CH3)2SiO((C6H5)2SiO)2((CH3)2SiO)3Si(CH3)2R1
(A)成分のシリコーン化合物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンに4−ビニルシクロヘキセンオキシドを白金化合物等の触媒を用い、付加反応(ヒドロシリル化)させることによって得ることができる。
(B)成分は、アクリル系ポリマーである。アクリル系ポリマーを形成するモノマーとしては、従来公知のもの全てを使用することができる。
上記アクリル系ポリマーを形成する(メタ)アクリル酸又はその誘導体モノマーとして具体的には、
(1)アクリル酸又はメタクリル酸モノマー、
(2)アクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル又はシクロヘキシルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
(3)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
(4)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル50アミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有(メタ)アクリルモノマー、
(5)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
(6)メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
(7)グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー、
(8)(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化(メタ)アクリルモノマー、
(9)ジビニルベンゼンアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの1分子中にラジカル重合性不飽和基を2個以上含有する(メタ)アクリルモノマー、
(10)エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシエチレン鎖含有(メタ)アクリルモノマー、
(11)片末端に(メタ)アクリロキシプロピル基を含有するジメチルポリシロキサンなどの片末端に(メタ)アクリロイル基を有し、シロキサン単位が1〜200個のジオルガノポリシロキサン、
(12)γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイル基を含有するシラン化合物
等を挙げることができる。
(B)成分のアクリル系ポリマーとしては、上記(1)〜(12)選ばれる(メタ)アクリル酸又はそのエステルモノマー等の誘導体モノマーを単独重合させた重合体、あるいはこれら(メタ)アクリル酸又はそのエステルモノマー等の誘導体モノマーと、他のビニルモノマー、具体的には、
(13)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー、
(14)スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニルモノマー、
(15)塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニルモノマー、
(16)片末端にスチリル基或いはα−メチルスチリル基を含有するジメチルポリシロキサンなどの片末端にラジカル重合性官能基を有し、シロキサン単位が1〜200個のジオルガノポリシロキサン、
(17)ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、5−ヘキセニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、3−(4−ビニルフェニル)プロピルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルメチルトリメトキシシランなどのラジカル重合性官能基を含有するシラン化合物
等とを共重合させた共重合体を使用することができる。
なお、これらアクリル系ポリマーの中では、特に上記(2)の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、又は上記(2)の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと(14)の芳香族ビニルモノマーとの共重合体がより好適に使用される。
更に、(B)成分のアクリル系ポリマーは、(A)成分と積極的に架橋させないことにより、さらなる収縮の抑制が可能になることから、(A)成分のエポキシ基と架橋する反応性官能基を有さないモノマーを主成分として、収縮の抑制が保たれる範囲で反応性官能基を有するモノマーを使用することが好適である。この場合、アクリル系ポリマー中の反応性官能基を有するモノマーの含有量は、アクリル系ポリマー全体の5質量%以下であることが好ましい。
(B)成分のアクリル系ポリマーは、上記モノマーを用いて、従来公知の方法で合成することが可能であるが、溶剤を含有しないものが好ましい。また、溶剤を含有しないにもかかわらず、作業性を高めることから、重量平均分子量は1,000〜50,000の範囲の比較的低分子のものが好ましい。
また、上記アクリル系ポリマーは、収縮を抑制するためガラス転移温度(Tg)を0℃以下にすることが好ましい。好ましくは−20℃以下である。
これらの条件を全て満たすアクリル系ポリマーとして具体的には、無溶剤型アクリルポリマー(スチレン/アクリル系、オールアクリル系ポリマー類)である東亞合成社製のARUFON(商品名)が好適であり、例えば無官能基樹脂であるARUFON UP−1000(商品名)シリーズなどが挙げられる。
(B)成分のアクリル系ポリマーの配合量は、(A)成分100質量部に対して、2〜20質量部、特に3〜15質量部である。配合量が2質量部より少ないと、収縮が大きくなってしまい、20質量部より多くなると、硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなる。
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分に溶解可能な光酸発生剤であり、光によってエポキシ環を開かせる能力のある開始剤であるならば、特に使用は限定されない。光酸発生剤としては、オニウム塩系光開始剤が好ましく、例えば下記一般式で表されるジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、モノアリールジアルキルスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩、アリールジアゾニウム塩等が挙げられる。
2 2+-
2 3+-
2 23+-
23 2+-
2 3Se+-
2 4+-
22 +-
(式中、R2は炭素数6〜30のアリール基、R3は炭素数1〜30のアルキル基、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、B(C654 -、HSO4 -、ClO4 -、Cl-又はCF3SO3 -等の陰イオンを示す。)
光酸発生剤としては、(A)成分との相溶性の観点から、特に下記一般式(6)で示されるものが好ましい。
4 2+- (6)
(式中、R4は−C64−R5で示され、R5は炭素数3以上、好ましくは3〜24、特に3〜18のアルキル基、XはSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、B(C654 -、HSO4 -、ClO4 -、Cl-又はCF3SO3 -を示す。)
上記式(6)において、R5の炭素数3以上のアルキル基としては、C37、C49、C511、C613、C715、C817、C919、C1021、C1123、C1225、C1327、C1429、C1531、C1633、C1735、C1837等が挙げられる。
(C)成分の光酸発生剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜3質量部である。添加量が0.1質量部未満であると、硬化性が悪化し、十分な硬度も得られなくなり、5質量部を超えても、効果はなくコスト的に問題が出てくる。
本発明の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤は、上記(A)、(B)及び(C)成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲でその他の任意成分として有機溶剤、エポキシ樹脂、エポキシ基、オキセタン基等の光官能性基を有する化合物、無機酸化物微粒子、有機又は無機顔料、体質顔料、消泡剤、レベリング剤、滑り剤等の塗料用添加剤を配合してもよい。
本発明の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、TAC等のプラスチックフィルム等の表面に、通常の塗装法、例えばスピンコート、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、スクリーン印刷、スプレー、浸漬法などで塗装することができる。この場合、硬化塗膜の膜厚は用途により異なるが、0.5〜500μm程度、特に5〜200μm程度の範囲が好ましい。
硬化させるための光源としては、通常、200〜450nmの範囲の波長の光を含む光源、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等を使用することができる。照射量は特に制限されないが、10〜5000mJ/cm2、特に20〜1000mJ/cm2であることが好ましい。硬化時間は通常0.5秒〜2分、好ましくは1秒〜1分である。
本発明のコーティング剤が適用される物品としては、各種プラスチック表面の保護被膜として適用され、具体的には光ディスクの保護膜として使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において部はいずれも質量部である。分子量は、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
[実施例1]
下記一般式
(CH33SiO(ReCH3SiO)2((C652SiO)2Si(CH33
(式中、Reは、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基を示す。以下、同様。)
(Re当量=463、C65基含有量=33質量%、分子量=880)
で表されるシリコーン化合物100部に、ARUFON UP−1000(東亜合成社製、Tg=−55℃)30部、(C1225642+・SbF6 - 1.5部を混合して塗工液を作製した。この塗工液を1mm厚のポリカーボネート(100×100×1mm)にバーコーターNo.46(約105μm)で塗工した。直ちに紫外線を200mJ/cm2照射して硬化させた。
硬化後、1mm厚のポリカーボネートの中心に対して4つの角の浮き沈みを測定して、その平均値によって膜の伸縮を判定した。塗布面を上にして置いた場合に収縮して凹となる場合を+として、塗布面を下にして置いた場合に膨張して凹となる場合を−とした。その結果0mmであった。
更に、90℃で60%の雰囲気下に100時間放置し、取り出した後の伸縮を同様に判定した。その結果0mmであった。
また、テーバー摩耗試験(摩耗輪:CS−10F、500g荷重、100回転)を行い、試験前後のHaze(曇り価)(Haze Meter NDH2000(日本電色工業社製)にて測定した。)の変化によって、硬度を測定した。その結果ΔHazeは17(%)であった。
[実施例2]
実施例1の
(CH33SiO(ReCH3SiO)2((C652SiO)2Si(CH33
を一般式
e(CH32SiO(ReCH3SiO)((C652SiO)3Si(CH32e
(Re当量=387、C65基含有量が40質量%、分子量840)
に変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 0004840564
[比較例1]
実施例1の
(CH33SiO(ReCH3SiO)2((C652SiO)2Si(CH33
を一般式
(CH33SiO(ReCH3SiO)4Si(CH33
(Re当量=225、C65基含有量が0質量%、分子量780)
で表される化合物に変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1の
(CH33SiO(ReCH3SiO)2((C652SiO)2Si(CH33
を一般式
e(CH32SiO(ReCH3SiO)2((C652SiO)2Si(CH32e
(Re当量=287、C65基含有量が27質量%、分子量1150)
に変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1のARUFON UP−1000を配合しない以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
Figure 0004840564

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)
    1RSiO2/2単位 (1)
    12SiO1/2単位 (2)
    (式中、Rはメチル基、R1はエポキシシクロヘキシル基を有する有機基を示す。)
    で示される単位と、下記一般式(3)
    (C652SiO2/2単位 (3)
    で示される単位を有し、1分子中にR1を2個以上4個以下含有し、R1当量が250以上500以下であり、C65基含有量が30質量%以上45質量%以下であり、重量平均分子量が600以上1400以下である、アルコキシ基を含有しないシリコーン化合物
    100質量部
    (B)アクリル系ポリマー 2〜20質量部
    (C)光酸発生剤 0.1〜5質量部
    を含有してなることを特徴とするプラスチック表面の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤。
  2. (A)成分が、下記平均組成式(4)又は(5)
    12SiO(R1CH3SiO)a((C652SiO)b(R2SiO)cSiR21
    (4)
    3SiO(R1CH3SiO)d((C652SiO)e(R2SiO)fSiR3
    (5)
    (式中、R、R1は前記と同じであり、aは0〜2、bは1.7〜3.7、cは0〜3、dは2〜4、eは1.5〜3.5、fは0〜2.5の整数である。)
    で表されるシリコーン化合物である請求項1記載の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤。
  3. (B)成分のアクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)が、0℃以下である請求項1又は2記載の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤。
  4. (B)成分のアクリル系ポリマーが、反応性官能基を有さないものであることを特徴とする請求項3記載の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項記載の硬質保護被膜形成用光硬化性コーティング剤によりプラスチック表面に硬質保護被膜が形成された物品。
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