JP2004238556A - 活性エネルギー線硬化型塗料組成物及び硬化皮膜形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型塗料組成物及び硬化皮膜形成方法 Download PDF

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Tetsuya Toda
哲也 戸田
Toshikazu Takai
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Abstract

【課題】低光沢で耐汚染性に優れた活性エネルギー線硬化型塗料組成物及び硬化皮膜形成方法を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー成分、重合開始剤、ワックス及び又は艶消しビーズ成分を有し、不揮発分90〜100質量%である活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、該活性エネルギー線重合性モノマーとして2官能以上のメタクリレートモノマーを含有し、塗布膜厚1〜100μm、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、温度25℃において、紫外線40mJ/cm照射時に塗膜表面が未硬化であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は低光沢で耐汚染性に優れた活性エネルギー線硬化型塗料組成物及び硬化皮膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から紙、プラスチック、ガラス、金属、木材、セラミック等の基材の表面には高硬度、耐汚染性等の様々な機能や意匠性を付加し、表面を保護するためにコーティングが行われている。近年環境問題への対応から、活性エネルギー線硬化型高不揮発分タイプの塗料の需要が拡大している。その中でフローリングのような床に敷く製品の塗膜には低光沢のものが好まれ、また汚染にさらされる機会も多いため耐汚染性に優れたコーティングが求められている。
【0003】
低光沢の塗膜を得る方法として、シリカなどの硬質多孔質粒子等を塗料中に添加する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。高不揮発分タイプの塗料では溶剤揮発による体積収縮が少ないことから特に低光沢の塗膜を得ることが難しく、硬質多孔質粒子の添加量が増えるため、多孔質粒子と汚染物質との付着により耐汚染性が低下するという問題があった。また、ワックス等を添加して光沢を下げた場合は、充分な低光沢が得られない問題もあり、低光沢と耐汚染性に優れる性能の両立は難しいとされていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−231885号公報
【特許文献2】
特開平9−118838号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低光沢で耐汚染性に優れた硬化皮膜を形成する不揮発分90〜100質量%である活性エネルギー線硬化型塗料組成物、その形成方法、及び該方法で得られる硬化皮膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、表面硬化が遅く、ワックス及び又は艶消しビーズ成分を有する活性エネルギー線硬化型塗料組成物を基材表面に塗工し、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射する工程を行った後、酸素濃度15%未満のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射することにより、低光沢で耐汚染性に優れた塗膜を得ることを見いだし、本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、第一に、活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー成分、重合開始剤、ワックス及び又は艶消しビーズ成分を有し、不揮発分90〜100質量%である活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、該活性エネルギー線重合性モノマーとして2官能以上のメタクリレートモノマーを含有し、塗布膜厚1〜100μm、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、温度25℃において、紫外線40mJ/cm照射時に塗膜表面が未硬化であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物を提供する。
【0008】
本発明は、第二に、基材表面に前記した活性エネルギー線硬化型塗料組成物を塗工する工程の後、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、塗膜表面がタックフリーになる最小の照射量未満の活性エネルギー線を照射する第一の照射工程、酸素濃度15%未満のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射する第二の照射工程をこの順に有することを特徴とする硬化皮膜形成方法を提供する。
【0009】
本発明は、第三に、基材表面に前記した活性エネルギー線硬化型塗料組成物を、前記した方法で形成した硬化皮膜を有し、表面の光沢が0〜50グロスであることを特徴とする硬化皮膜塗工物を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物は、活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー成分、重合開始剤、ワックス及び又は艶消しビーズ成分を有し、不揮発分90〜100質量%の活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、特定の表面硬化性、すなわち、酸素濃度15%以上ガス雰囲気下、温度25℃において、紫外線40mJ/cm照射時に塗膜表面が未硬化であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物である。以下に各構成要件について詳述する。
【0011】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物に使用する活性エネルギー線重合性モノマーの内、単官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート 、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下ECHと略記)変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
2官能モノマーとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(以下POと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0013】
3官能以上の多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
これらのモノマーは、1種または2種以上の混合系で用いることが出来、特定の表面硬化性(酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、温度25℃において、紫外線40mJ/cm照射時に塗膜表面が未硬化であること)を有する塗膜を形成するためには、塗料組成物中の2官能以上のメタクリレートモノマー含有量が2〜60質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましい、中でも、高耐汚染性の目的として1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等を使用することが特に好ましい。
【0015】
また、より艶消し効果を高めるためには、塗料中に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーを併用することが出来る。
【0016】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物に使用する活性エネルギー線重合性オリゴマーとしては、従来公知のものが使用できるが、その中でも特に代表的なものとしては、ビスフェノールA型、ノボラック型、多価アルコール型、多塩基酸型、ポリブタジエン型のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル型、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリレートなどであり、何れも1種または2種以上の混合系で用いることが出来る。中でも、低光沢の目的として、ポリエステル型ウレタンアクリレートが好ましい。
【0017】
その他、本発明に用いることの出来る活性エネルギー線重合性化合物としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、特開平11−124403号公報、特開平11−124404号公報記載のマレイミド化合物等が挙げられ、必要に応じて使用することが出来る。
【0018】
また、本発明で重合開始剤として用いる水素引き抜き型重合開始剤としては、従来公知のベンゾフェノン、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0019】
その他本発明で用いる事が出来る重合開始剤として、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等の光開裂型が挙げられる。これらの水素引き抜き型、光開裂型重合開始剤のうち1種または2種以上のものを組み合わせて使用することが出来る。
【0020】
ワックス及び又は艶消しビーズ成分を除く、活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー成分と重合開始剤とからなる樹脂組成物中の重合開始剤の配合割合は、樹脂組成物100質量%中1〜15質量%であることが好ましい。
【0021】
また、これらの重合開始剤に、公知慣用の光増感剤をも併用することができる。併用する場合は、樹脂組成物100質量%中1〜15質量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物に使用するワックスとしては、従来公知のものが使用できるが、その中でも特に代表的なものとしては、酸系、エステル系、鹸化エステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、酸化ポリエチレン系、酸化ポリプロピレン系、フッ素化ポリエチレン系、フッ素化ポリプロピレン系、アミド系などであり、中でもポリエチレン系、ポリプロピレン系が高い艶消し効果を得られることから好ましい。
【0023】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物に使用する艶消しビーズとしては、従来公知の多孔質でないものが使用できるが、その中でも特に代表的なものとしては、ガラス系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリスチレン樹脂系、シリコン樹脂系などがある。
【0024】
これらのワックス及び又は艶消しビーズは何れも、1種または2種以上の混合系で用いることが出来る。また、ワックス及び又は艶消しビーズの配合割合は、塗料組成物100質量%中0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%である。
【0025】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物には、さらに必要に応じて本発明の目的を逸脱しない範囲内で、各種の機能を付与するため着色剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、カップリング剤、有機溶剤及びキレート剤などの添加剤を添加することができる。
【0026】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物には、艶消し剤としてシリカ等の多孔質艶消し剤を併用することが出来るが、耐汚染性が低下する傾向がある。
【0027】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物の製造は、従来公知の方法で実施出来る。一例として、活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー、重合開始剤、ワックス及び又は艶消しビーズ、必要に応じて塗料添加剤をこの順に仕込み混合、撹拌等の方法で製造可能である。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物の粘度範囲としては、塗工方式により異なるが、液温25℃において40〜1000mPa・sが好ましい。
【0029】
本発明の表面硬化性における表面未硬化とは、紫外線照射塗膜に指を50g前後の加重で押しつけ、離した後に指に塗料が付く若しくは、塗膜に指紋の跡が残る状態をいう。これらが無い状態をタックフリーと呼ぶ。
【0030】
本発明における塗料組成物の揮発分とは、塗料組成物中で開始剤、活性エネルギー線による重合に関与する成分を除き、硬化前の塗料から常温もしくは加熱にて揮発する成分であり、これ以外の成分を不揮発分と呼ぶ。
【0031】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物の不揮発分は90〜100質量%である。仮に揮発成分の多い塗料を用いた場合、揮発による体積収縮のため低光沢の実現には有利であるが、VOC放散などの環境問題に対応できない。本発明は、環境問題への対応できる高不揮発タイプの塗料組成物を用いた、低光沢で汚染性に優れた硬化被膜形成方法である。
【0032】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を基材表面に塗工する工程の後、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射する第一の照射工程、酸素濃度15%未満のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射する第二の照射工程をこの順に有することを特徴とする硬化皮膜の形成方法について以下に詳述する。
【0033】
本発明の酸素濃度15%以上のガス雰囲気とは、酸素濃度の上限は特に制限はないが、一般に人間が生活する空気雰囲気(酸素濃度約21%)が好ましい。
【0034】
本発明の酸素濃度15%未満のガス雰囲気とは、空気と共に又は単独で窒素ガス、二酸化炭素ガス、アルゴンガスから選ばれる1種、または2種以上の混合ガスを反応容器に注入することで実現されるものである。
【0035】
本発明の照射工程に使用する活性エネルギー線とは紫外線、電子線、γ線の如き、電離性放射線や電磁波などであり、第一の照射工程における活性エネルギー線としては紫外線が好ましく、第二の照射工程における活性エネルギー線としては紫外線又は電子線が好ましい。
【0036】
酸素濃度15%以上のガス雰囲気下にて紫外線を照射する場合、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。硬化の際の紫外線照射量は、単独で紫外線硬化を行ってタックフリーとなる場合、その照射量の0.2倍〜0.8倍程度が好ましく、本発明の低光沢を得る目的として、単独で紫外線硬化を行ってタックフリーとなる照射量の0.2倍〜0.5倍程度であることがより好ましい。また、単独で紫外線硬化を行ってもタックフリーとならない場合、酸素濃度15%以下で紫外線硬化を行ってタックフリーとなる照射量の0.5倍〜10.0倍程度が好ましく、本発明の低光沢を得る目的として、酸素濃度15%以下で紫外線硬化を行ってタックフリーとなる照射量の1.0倍〜3.0倍程度であることがより好ましい。
【0037】
酸素濃度15%未満のガス雰囲気下にて紫外線を照射する場合も、高圧水銀灯、エキシマランプ、メタルハライドランプ等を備えた公知の紫外線照射装置を使用することができる。硬化の際の紫外線照射量は、熱による基材の損傷などを防ぐ観点で、積算放射強度として塗膜の黄変、単独で紫外線硬化を行ってタックフリーとなる照射量の2.0倍を超えないことが好ましく、概ね1.5倍程度であることがより好ましい。
【0038】
酸素濃度15%未満のガス雰囲気下にて電子線を照射する場合、公知の電子線照射装置を使用することができる。硬化の際の電子線照射量は、塗膜、基材の損傷などを防ぐ観点で、単独で電子線硬化を行ってタックフリーとなる照射量の2.0倍を超えないことが好ましく、単独で電子線硬化を行ってタックフリーとなる照射量と同程度であることがより好ましい。
【0039】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を塗工する基材とは、一般に硬化皮膜が被覆される物体であれば特に制限はなく、具体的にはプラスチック、金属、紙、木材、無機質板、あるいは、これらに印刷が施されたもの、グラビアインキ等の印刷層を接着剤等で張り付けたもの等が挙げられる。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物の塗工方式としては、従来公知の方式が適用できるが、その中でも特に代表的なものとしては、ロールコート、グラビアコート、バーコート、フローコート、ディップコートなどがある。
【0041】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を前述の塗工方式で塗工する際の塗布量は、硬化塗膜として1〜100μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
【0042】
【実施例】
次に、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において特に断りのない限り、表中の数字は質量部を表すものとする。
【0043】
(実施例1〜15と比較例1〜8)
下記の組成の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて塗料A〜Hを配合し、分散攪拌機にて各々調製した。
【0044】
(塗料A)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、3官能メタクリレートモノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート)10部、ベンゾフェノン5部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0045】
(塗料B)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、3官能メタクリレートモノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート)10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0046】
(塗料C)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、2官能メタクリレートモノマー(1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート)10部、ベンゾフェノン5部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0047】
(塗料D)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、2官能メタクリレートモノマー(1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート)10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0048】
(塗料E)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、3官能メタクリレートモノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート)10部、単官能メタクリレートモノマー(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)5部、ベンゾフェノン5部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0049】
(塗料F)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)35部、ベンゾフェノン5部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0050】
(塗料G)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー55部、2官能アクリレートモノマー(EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)25部、3官能アクリレートモノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)10部、ベンゾフェノン5部、シリカ5部。
【0051】
(塗料H)
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー87部、3官能メタクリレートモノマー(トリメチロールプロパントリメタクリレート)3部、ベンゾフェノン5部、ポリエチレン系ワックス5部。
【0052】
これらの塗料を下処理した合板に10g/mとなる様に塗布し、表1〜3に示した各酸素濃度、各紫外線照射量で硬化させ(第一照射)、続いて各酸素濃度、各紫外線照射量で塗膜を硬化させた(第二照射)。得られた硬化塗膜それぞれに対し、下記に記載の方法に従って試験を行った。
【0053】
(1)光沢測定
VG2000(日本電色製)で光沢の測定を行い、その結果を0〜100グロスで示した。光沢の測定条件は入射角60°反射角60°とした。
【0054】
(2)耐汚染性試験
黒インキ(パイロット社製)を塗膜に塗布し、4時間放置後、水と溶剤で拭き取った後、汚染跡を評価し、結果を(良い)◎−○−△−×(悪い)で表した。
【0055】
【表1】
Figure 2004238556
【0056】
【表2】
Figure 2004238556
【0057】
【表3】
Figure 2004238556
【0058】
【表4】
Figure 2004238556
【0059】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物、硬化皮膜形成方法により、低光沢で耐汚染性に優れた硬化皮膜を、環境適性に優れる活性エネルギー線硬化型高不揮発分タイプの塗料で提供することができる。

Claims (5)

  1. 活性エネルギー線重合性モノマー及び又はオリゴマー成分、重合開始剤、ワックス及び又は艶消しビーズ成分を有し、不揮発分90〜100質量%である活性エネルギー線硬化型塗料組成物であって、該活性エネルギー線重合性モノマーとして2官能以上のメタクリレートモノマーを含有し、塗布膜厚1〜100μm、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、温度25℃において、紫外線40mJ/cm照射時に塗膜表面が未硬化であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
  2. 基材上に請求項1に記載の塗料組成物を塗工する工程、酸素濃度15%以上のガス雰囲気下、温度25℃に於ける塗膜表面がタックフリーになる最小の照射量未満の活性エネルギー線を照射する第一の照射工程、酸素濃度15%未満のガス雰囲気下で活性エネルギー線を照射する第二の照射工程をこの順に有することを特徴とする硬化皮膜形成方法。
  3. 酸素濃度15%未満のガスに含まれる不活性ガスが、窒素ガス、二酸化炭素ガス、アルゴンガスから選ばれる1種以上の不活性ガスである請求項2に記載の硬化皮膜形成方法。
  4. 第一の照射工程における活性エネルギー線が紫外線であり、第二の照射工程における活性エネルギー線が紫外線又は電子線である請求項2又は3の何れかに記載の硬化皮膜形成方法。
  5. 基材上に請求項1に記載の塗料組成物を、請求項2〜4の何れかに記載の硬化皮膜形成方法で形成した硬化皮膜を有し、表面の光沢が0〜50グロスであることを特徴とする硬化皮膜塗工物。
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