JP4531205B2 - 化粧ボードの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧等に用いる表面化粧用として利用させれる化粧シートを用いて化粧ボードを製造するときの、加熱プレス方式による連続的製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の内装や家具、キャビネット等の装飾用の材料として、メラミン化粧板、ダップ化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合板、塩化ビニル化粧板等の各種化粧材が用いられている。
特に、建築物の内装や家具、キャビネット等の表面装飾に、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性が要求される化粧材として、メラミン樹脂化粧板が用いられてきた。
メラミン樹脂化粧板は絵柄を印刷したチタン紙に未硬化のメラミン樹脂を含浸し、更に未硬化のメラミン樹脂を含浸したオーバーレイ紙を表面に、また、裏面にフェノール樹脂を含浸したコア紙を積層した上で、加熱、加圧(熱プレス)して、各層の含浸した未硬化の樹脂を硬化させ、且つ各層を一体化させてなるものである。
【0003】
しかし、メラミン樹脂化粧板は価格が高く、又可撓性に乏しいという欠点も有しているので、より低価格で可撓性を必要とする場合には、化粧材として、紙を基材とする化粧材(化粧シート)が用いられてきた。
かかる化粧シートとしては、基材シートの片面に絵柄層又はベタ印刷層等の印刷インキ層を設け、このインキ層を保護するために、トップコート層として、熱硬化型のウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等を塗布し、熱乾燥、熱硬化させて硬化した熱硬化性樹脂層を形成するもの、又はトップコート層として電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射して塗膜を硬化して、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成するものがある。
特に、架橋密度の高い電離放射線硬化性樹脂を用いて硬化した電離放射線硬化性樹脂層は、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性に優れたものである。
【0004】
上記の如く表面保護層として硬い樹脂を使用することで、確かに表面硬度が高く耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性も保持した上で価格も下がり且つ可撓性は向上する。
また、可撓性が向上するため、化粧シートを連続帯状のシートとして連続的に量産し、巻き取ることにより、保管、搬送も容易となる。且つ該化粧シートは曲面部への化粧も可能となる。
しかし、基材として、厚みの薄い紙やプラスチックシートのような可撓性、柔軟性を有する基材を使用する場合は、樹脂の架橋密度を高くすると樹脂層の可撓性、柔軟性が損なわれて、巻き取ったり、或いは曲面部に貼着する際に、表面樹脂層が衝撃によって割れたり、亀裂が発生し易くなる等の問題が生じる。
また、化粧シートを巻き取り状で製造し、該化粧シートが曲面部分にも貼着できる程度に、可撓性、柔軟性を上げるには、表面樹脂の架橋密度を低下させる必要があり、表面保護層の硬度も低下するので、化粧シートを巻き取り状で生産する場合には、耐摩耗性等の物性には限界があった。
【0005】
そのため、表面保護層の可撓性、柔軟性を低下させずに耐摩耗性を改良する方法として、可撓性、柔軟性を有するが、表面硬度等の物性が低い低架橋密度の樹脂を用いて、これに高硬度の無機粒子を添加することにより、表面硬度の不足を補う方法が従来から行われている。
例えば、特開昭60ー23642号公報には、サンドブラスト法やブラシ研磨法等の研磨剤として使用されている平均粒径が1〜50μmのシリカ(SiO2 )及びアルミナ(Al23 )を主成分とする天然ガラスの粉末を配合した塗料を用いて、表面樹脂層を形成することが開示されている。
上記塗料によって形成された表面保護層は、従来品に比べて、硬度が硬く、耐摩耗性等の物性も良好で、且つ可撓性、柔軟性も両立して有しており、優れた物性を有するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、表面に電離放射線硬化性樹脂層を形成した化粧シートを中密度繊維板(以下MDFと略記する)、パーチクルボード等の木質板にラミネートした化粧板は、メラミン樹脂化粧板に比較して耐擦傷性、衝撃による耐陥没性、耐シガレット性(火のついた煙草や熱い煙草の灰に対する耐性を示す)が劣っており、これらの性能を向上させることが望まれている。
【0007】
メラミン化粧板を製造する方法として、一般的には、半硬化のメラミン樹脂を含浸した化粧シートとパーティクルボード等の木質板を重ねて、高圧メラミン化粧板の場合は多段プレスにより加熱、加圧し、低圧メラミン化粧板の場合はショートサイクルプレスで加熱、加圧して化粧板を製造する。
そのため、化粧板の表面に絵柄に同調したエンボス模様を形成して高意匠性を付与することは非常に困難である。
【0008】
また、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板いずれの場合も、化粧シートは木質板のサイズに合わせて枚葉に断裁する必要がある。
しかし、表面保護層として硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成した化粧シートの場合、枚葉に断裁したとき、カールが生じ易いので、カールなしの枚葉の化粧シートを得ることは非常に困難であるので、高圧メラミン化粧板や低圧メラミン化粧板のように、枚葉の化粧シートを用いる化粧板の製造には適さない。
そのため、メラミン化粧板に匹敵する表面物性を有し、同調エンボス等による高意匠性を付与でき、且つ巻取状の化粧シートを用いて製造できる生産性に優れた化粧板の製造方法が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、化粧ボードの製造方法を以下のようにした。繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた化粧シートの繊維質基材に、未硬化のアクリル成分を含むメラミン樹脂からなる架橋型樹脂を含浸し、該未硬化の前記架橋型樹脂を加熱又は電離放射線照射にて半硬化の状態にする工程Aと、裏打ち用原紙に未硬化の前記架橋型樹脂を含浸し、該未硬化の前記架橋型樹脂を加熱又は電離放射線照射にて半硬化の状態にする工程Bと、前記工程Aで製造された化粧シートの裏面を、前記工程Bで製造された裏打ち用原紙に重ね合わせ、連続加熱プレス装置を用いて連続的に積層する工程Cとからなることを特徴とする化粧ボードの製造方法とした
【0010】
本発明の化粧ボードの製造方法は、先ず、紙又は不織布等の繊維質基材に、印刷等により絵柄層を設け、次いで、その絵柄層の上に未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗布して未硬化の電離放射線硬化性樹脂層を形成し、直ちにその上に、電子線又は紫外線等の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を架橋、硬化せしめて、繊維質基材の表面に絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂からなる透明な保護層を形成して化粧シート(樹脂含浸前の化粧シート)を作製する。
【0011】
次に、前記化粧シート(樹脂含浸前の化粧シート)の裏面(硬化した電離放射線硬化性樹脂層の反対側の繊維質基材)に、未硬化の架橋型樹脂(熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂)をコーティングして化粧シートの繊維質基材に未硬化の架橋型樹脂を含浸し、次いで、加熱により架橋型樹脂を架橋、硬化させて半硬化の状態にして、繊維質基材に半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シートを連続帯状の巻取り状のシートとして作製する。
即ち、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材がベトツキやブロッキングがしない程度に架橋型樹脂を硬化させるが、架橋型樹脂を完全に硬化せずに、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材が可撓性や柔軟性を失わないように半硬化の状態で留めて、化粧シートを巻き取り状で取り扱えるようにする。
尚、架橋型樹脂に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、紫外線又は電子線等の電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を半硬化の状態にする。
【0012】
一方、裏打ち用原紙として比較的厚いクラフト紙やチタン紙を用いて、これに前述のように未硬化の架橋型樹脂を含浸した後、加熱により架橋、硬化して架橋型樹脂を半硬化の状態にして、半硬化の架橋型樹脂を含浸した裏打ち用原紙を作製する。
以下、図6に示すように、この半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した裏打ち用原紙3を、架橋型樹脂を含浸しない裏打ち用原紙3aを区別するために、樹脂含浸裏打ち用原紙3という。
【0013】
次に、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、前記半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シートを前記樹脂含浸裏打ち原紙の上に重ねて、連続的に加熱、加圧して化粧シートと樹脂含浸裏打ち原紙を接着することにより、化粧シート及び裏打ち原紙の半硬化の架橋型樹脂を完全に架橋、硬化して、硬度の高い表面保護層を有するシート状の化粧ボードを作製する。
また、樹脂含浸裏打ち原紙の代わりに、接着層を設けたMDFやパーチクルボード等の木質板を用いて、この木質板の接着層側に、前記半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シートを加熱プレス装置を用いて連続的に加熱、加圧することにより、化粧シートの半硬化の架橋型樹脂を完全に架橋、硬化して、木質板表面に硬度の高い保護層を形成して化粧ボードとすることもできる。
【0014】
本発明においては、化粧シート及び樹脂含浸裏打ち原紙は可撓性、柔軟性があるため、巻取から連続的に供給して化粧ボードを製造することができるので、従来の高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板に比較して、生産スピードが格段に向上する。
また、MDFやパーチクルボード等の木質板に化粧シートを積層する場合でも、加熱プレス装置を用いて化粧シートを連続的に加熱、加圧することがききるので、生産効率が格段に向上し、生産コストを低減することができる。
更に、MDFやパーチクルボードに曲面部分がある場合でも連続的に効率よく貼着することができる。
得られた化粧ボードは硬化した架橋型樹脂(例えば硬度の硬いメラミン樹脂)が含浸した繊維質基材の上に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層が形成されているので、化粧ボードの表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなり、メラミン化粧板に匹敵する表面物性を有するようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の化粧ボードの製造方法の概要を示した模式図であり、図2は本発明の化粧ボードの製造方法の別の態様で、木質板に化粧シートを連続的に積層するときの模式図である。
図3は本発明の製造方法により作製した化粧ボードの一例を示した模式断面図であり、図4は本発明の製造方法により作製した別の態様の板状化粧ボードの模式断面図である。
図5は化粧ボードの製造に用いる化粧シートの一例を示した模式断面図であり、図6は化粧ボードの製造に用いる樹脂含浸裏打ち用原紙の模式断面図であり、図7は化粧ボードの製造に用いる木質板に接着層を設けたときの模式断面図である。
図8は化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
図9は化粧ボードの製造に用いるとダブルベルトプレス装置の模式図である。
図10は化粧シートと樹脂含浸裏打ち用原紙を用いて連続的に化粧ボード作製するときの説明図であり、図11は化粧シートと木質板用いて連続的に板状化粧ボードを作製するときの説明図である。
図12は木質板に化粧シートを積層して板状化粧ボードを作製するときの説明図である。
図13及び図14は実施例1により化粧ボードを製造するときの説明図で、図13は化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図であり、図14は樹脂含浸裏打ち用原紙に化粧シートを積層するときの説明図である。
図15は実施例2により板状化粧ボードを製造するときの説明図である。
【0016】
本発明の化粧ボードの製造方法は、基本的には、紙等の繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた化粧シート(樹脂含浸前)2aの裏面に、図1に示すように、コーティング装置10を用いて未硬化の架橋型樹脂11をコーティングして繊維質基材31に未硬化の架橋型樹脂11を含浸させた後、直ちに加熱装置15にて加熱して未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化させて半硬化の状態にして、図5に示すように、繊維質基材31の裏面に半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した化粧シート2を作製する。
【0017】
即ち、化粧シート2aの裏面に未硬化の架橋型樹脂11をコーティングして繊維質基材31に含浸した後、加熱により未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化させて、化粧シート2がガイドローラに接触しても付着しない程度及び化粧シート2が巻取状態にした場合でもブロッキングしない程度に硬化させるが、完全に硬化させずに化粧シート2が柔軟性を失わない程度に留めて、化粧シート2を巻き取り状に保管した場合や後工程において凹凸のある木質板(被着体)に積層した場合でも、亀裂や白化等が生じないようにする。
【0018】
尚、本発明においては、繊維質基材31の表面に絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた化粧シート2aと該化粧シート2aの裏面の繊維質基材31に半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シート2を区別するために、以下、繊維質基材31に架橋型樹脂を含浸する前の化粧シートは化粧シート(樹脂含浸前)2aとし、化粧シート2aの繊維質基材31に半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シート2は単に化粧シート2という。
【0019】
一方、図1に示すように、裏打ち用原紙3aにノズル式コーティング装置10aを用いて未硬化の架橋型樹脂11をコーティングして裏打ち用原紙3aに未硬化の架橋型樹脂11を含浸し、次いで前記と同様に、加熱装置15aによって未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化せしめて、図6に示すような半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した裏打ち用原紙3を作製する。
【0020】
次に、図1に示すように、前記化粧シート2の裏面(即ち化粧シート2の半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した繊維質基材31側)と樹脂含浸裏打ち用原紙3を重ね合わせ、次いで連続加熱プレス装置20にて化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を連続的に加熱、加圧することにより、化粧シート2及び樹脂含浸裏打ち用原紙3の半硬化の架橋型樹脂32aを完全に硬化すると共に、化粧シート2及び樹脂含浸裏打ち用原紙3を一体化してシート状の化粧ボード1を作製する。
【0021】
得られた化粧ボード1は、図3に示すように、裏打ち用原紙3a及び繊維質基材31には硬度の高い硬化した架橋型樹脂32が含浸されており、その上に絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34が形成されているので、化粧ボード1の表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなる。
以上のように、本発明においては、化粧ボード1は連続的に製造するため、低コストで製造するとができる。
また、高圧メラミン化粧板のように、化粧ボードの表面に高圧がかからないので、同調エンボス等による高意匠性を付与することができる。
【0022】
また、図2に示すように、前記繊維質基材に半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シート2を用い、被着体としてMDF(中密度繊維板)、パーチクルボード等の木質板4を用いて、その木質板4の表面(又は両面)に接着層35を介して連続加熱プレス装置20にて化粧シート2を接着することにより、板状化粧ボード1aを連続的に低コストで製造することができる。
そして、木質板4の表面に化粧シート2を加熱プレスして接着することにより、図4に示すように、化粧シート2の繊維質基材11に含浸した半硬化の架橋型樹脂32aは硬化した架橋型樹脂32に変化し、化粧シート2は硬化した架橋型樹脂32を含浸した維質基材31の上に、絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34を形成した状態となるので、その化粧シート2を積層した板状化粧ボード1aの表面は硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなる。
【0023】
この場合、化粧シート2は枚葉に断裁する必要がなく、巻取から連続的に供給することができるので、従来の高圧メラミン化粧板や低圧メラミン化粧板に比較して、生産性が格段に向上する。
更に、前記と同様に、高圧メラミン化粧板のように化粧シート表面に高圧がかからないため、化粧シートとして、絵柄に同調したエンボス模様等を形成した化粧シートを使用することができるので、化粧ボード表面に意匠性の高い絵柄模様を形成することができる。
【0024】
上記接着層35としては、図7に示すように、木質板4に接着剤を塗布、乾燥して接着層35とすることもできるが、メラミン樹脂等の架橋型樹脂を含浸したオーバーレー紙を用いて、このオーバーレー紙と化粧シート2を木質板4の上に重ねて加熱、加圧することにより、化粧シート2を木質板4に接着して板状化粧ボード1aを作製することもできる。
【0025】
以上説明したように、本発明の化粧ボードの製造方法によって作製された化粧ボード1は、図3に示すように、硬化した架橋型樹脂32を含浸した裏打ち原紙3aの表面に、硬化した架橋型樹脂32が含浸した繊維質基材31、絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34が積層された構成となる。
即ち、裏打ち原紙3a及び繊維質基材31に含浸している半硬化の架橋型樹脂は、加熱により完全に架橋、硬化して硬度が非常に硬くなっているで、化粧ボードの表面は高圧メラミン化粧板に匹敵する物性が得られる。
従って、得られた化粧ボードは硬度が硬く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れた表面保護層を有するものとなる。
また、本発明の化粧ボードの製造方法によって、図4に示すように、木質板4の表面に、接着層35を介して繊維質基材31、絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34が積層された別の態様の板状化粧ボード1aを作製することもできる。
【0026】
本発明の化粧ボードの製造方法は、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、半硬化の架橋型樹脂を含浸した裏打ち用原紙又は木質板に化粧シートを連続的に積層する方法が取られるため、化粧シートとしては可撓性、柔軟性を有し、巻き取り状で生産できる化粧シートが使用される。
以下に、その代表的な化粧シートについて説明する。
基本的な化粧シートの構成は、図5に示すように、半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した紙等の繊維質基材31に絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂34を形成したものである。
【0027】
即ち、紙等の繊維質基材31の表面に絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34を設けて化粧シート(樹脂含浸前)2aを作製した後、図1に示すように、コーティング装置10を用いて、化粧シート(樹脂含浸前)2aの裏面に未硬化の架橋型樹脂11を塗布し、繊維質基材31に未硬化の架橋型樹脂11を含浸した後、加熱等により未硬化の架橋型樹脂をベトツキやブロッキングがしない程度に架橋、硬化させるが、架橋型樹脂を完全に硬化せずに、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材31が可撓性や柔軟性を失わない程度の半硬化の状態に留める。
そのため、化粧シート2はガイドローラに接しても付着することがなく、又巻取り形状にしてもブロッキングすることもないので、帯状の巻取形状で生産することができる。
【0028】
以下に、本発明の化粧ボードの製造方法について工程順に説明する。
先ず、図8(a)に示すように、繊維質基材31として、含浸性のある紙、合成紙、不織布等を用いて、この繊維質基材31の表面に、グラビア印刷等により木目柄等の絵柄層33を形成して印刷シート5を作製する。
次いで、図8(b)に示すように、印刷シート5の絵柄層33側に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂脂を塗布して未硬化の電離放射線硬化性樹脂層34aを形成し、この未硬化の電離放射線硬化性樹脂層34aの上から、直ちに、電子線や紫外線等の電離放射線36を照射して、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を架橋、硬化させて、図8(c)に示すように、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂層34からなる保護層を形成して化粧シート(樹脂含浸前)2aを作製する。
【0029】
印刷シート5の表面に前記硬化した電離放射線硬化性樹脂層34からなる保護層を形成することにより、絵柄層が繊維質基材から剥離することがなくなると共に、化粧シート表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性等が付与される。
また、硬化した電離放射線硬化性樹脂層34にアルミナやシリカ等の無機質のフィラーを添加することにより、更に、耐熱性、耐摩耗性、耐陥没性、耐シーガレット性等を向上させることもできる。
【0030】
次に、前記化粧シート(樹脂含浸前)2aの裏面に、図1に示すように、コーティング装置10にて、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂等の未硬化の架橋型樹脂11を塗布して繊維質基材31に未硬化の架橋型樹脂11を含浸し、次いで、加熱装置15(又は電離放射線照射装置)にて加熱(又は電離放射線を照射)して未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化させて、図8(d)に示すように、繊維質基材31に半硬化の架橋型樹脂12aを含浸した状態の化粧シート2を作製する。
即ち、加熱装置15で加熱して未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化させて、架橋型樹脂を含浸した繊維質基材31がガイドローラに接触したとき付着しない程度又は化粧シートを巻き取ったときブロッキングがしない程度に硬化するが、架橋型樹脂を完全に硬化せずに、化粧シート2が可撓性、柔軟性を失わない程度の半硬化の状態に留めて、帯状の巻き取り形状で生産できるようにする。
【0031】
一方、図1に示すように、裏打ち用原紙3aにノズル式コーティング装置10aを用いて未硬化の架橋型樹脂11をコーティングして裏打ち用原紙3aに未硬化の架橋型樹脂11を含浸し、次いで前記と同様に、加熱装置15aによって未硬化の架橋型樹脂11を架橋、硬化せしめて、図6に示すように、半硬化の架橋型樹脂32aを含浸した樹脂含浸裏打ち用原紙3を作製する。
尚、裏打ち用原紙3aに未硬化の架橋型樹脂11を含浸する方法としては、その他のコーティング方法、又はディッピング方法等を使用することができる。
【0032】
次に、上記のようにして作製した半硬化の架橋型樹脂を含浸した化粧シート2及び樹脂含浸裏打ち用原紙3を、図1に示すように、連続加熱プレス20を用いて、連続的に加熱、加圧して積層することにより、化粧シート2及び樹脂含浸裏打ち用原紙3の半硬化の架橋型樹脂を完全に硬化せしめて、図3に示すような化粧ボード1を作製する。
【0033】
本発明の化粧ボードの製造方法には、連続加熱プレスとして、図9に示すようなダブルベルトプレス装置20aが用いられる。
ダブルベルトプレス装置20aは、図9に示すように、上側ローラ21と下側ローラ22の外側に、それぞれステンレス製、又は耐熱ゴム等からなるエンドレスの上側ベルト23と下側ベルト24が取り付けられており、化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を重ねて上下のベルト23と24の間を通すことにより、図10に示すように、連続的に加熱、加圧できる装置である。
【0034】
即ち、上側ローラ21は加熱しながら回転できるようになっており、上側ローラ21を所定の温度に加熱することにより、それに接する上側ベルト23が加熱されて所定の温度に維持されるようになっている。
また、下側ローラ22は回転しながら上下に移動できるようになっており、下側ローラ22を上昇させることにより、上下のロール間に圧力が加わり、上下のベルト23及び24に挟まれた化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3が加熱、加圧される。
尚、ダブルベルトプレス装置20aは、下側のローラを固定し、上側のローラを上下に移動できるようにして、化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を加熱、加圧することもある。
また、上下のローラを加熱して、化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を加熱、加圧して積層することもできる。
【0035】
即ち、図10に示すように、所定の温度に加熱された上側ベルト23と下側ベルト24の間に、化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を重ねて通し、下側ローラ22を上昇させて、上側ローラ21と下側ローラ22を加圧することにより、化粧シート2及び樹脂含浸裏打ち用原紙3は加熱、加圧されて接着される。
このように、化粧シート2及び裏打ち用原紙3aを加熱、加圧することにより、化粧シート2の繊維質基材31及び樹脂含浸裏打ち用原紙3に含浸している半硬化の架橋型樹脂32aは架橋、硬化されて、硬度の高い硬化した架橋型樹脂32となり、図3に示すように、硬化した架橋型樹脂32を含浸した裏打ち用原紙3aと繊維質基材31が積層され、その上に絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34が積層された化粧ボード1となる。
そのため、得られた化粧ボード1の表面は、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性等に優れ、メラミン化粧板に匹敵する物性を有するようになる。
【0036】
また、本発明においては、図11に示すように、ダブルベルトプレス装置20aの上下のベルト23と24の間に、接着層35を設けた木質板4の上に、前記化粧シート2を重ねて通すことにより、化粧シート2は連続的に加熱、加圧されて木質板4の表面に接着するので、板状化粧ボード1aを連続的に生産することができる。
即ち、図12(a)及び(b)に示すように、木質板4に接着剤にて接着層35を形成した後、前記巻き取りから供給された化粧シート2の下に、図12(c)に示すように、化粧シート2の半硬化の架橋型樹脂を含浸した繊維質基材31の面と接着層35が接するように木質板4を連続的に供給することにより、化粧シート2の半硬化の架橋型樹脂は加熱されて硬化した架橋型樹脂32になると共に、木質板4に接着して、図12(d)に示すような板状化粧ボード1aが生産される。
【0037】
従って、従来の高圧メラミン化粧板のように、基材の木質板の大きさに合わせて化粧シートを断裁し、その化粧シートを木質板の上に重ね合わせる等の作業が不要になるので、生産能率が向上し生産コストを大幅に低減することがでる。
図12(d)に示すように、木質板4の表面には硬化した架橋型樹脂32を含浸した繊維質基材31が積層されて、硬度の高い樹脂層が形成された状態っとなり、更に、その上に絵柄層13及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層14が形成されているので、得られた板状化粧ボード1aは、従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなる。
【0038】
本発明においては、可撓性、柔軟性のある化粧シート2を用いるので、木質板4の表面が曲面を有する場合や凹凸がある場合でも、ローラ等を用いて木質板4の表面に連続的に積層することができる。また、曲面や凹凸部分に積層された化粧シート2に白化や亀裂が生じることもなくなる。
従って、本発明の化粧ボードの製造方法によって、木質板4の表面に曲面や凹凸がある場合でも、表面物性に優れた化粧ボードを連続的に効率よく生産することができる。
【0039】
本発明に使用される化粧シートの繊維質基材としては、紙、合成紙、不織布等のシート状のものが用いられる。
繊維質基材に用いられる紙としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、上質紙、コート紙、パーチメント紙、和紙等が挙げられる。
また、紙類似シートとしては、ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維、等の無機繊維質のシート状のもの、ポリエステル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂繊維からなる不織布又は織布等が使用される。
【0040】
また、繊維質基材として用いられる不織布としては、セルロース系繊維又は無機繊維からなる不織布が使用される。
セルロース系繊維からなる不織布としては、綿、レーヨン、パルプ等の繊維を公知の湿式法又は乾式法で製造した不織布が使用される。
例えば、綿はニードルパンチング法、スパンレース法、その他多くの方法で製造されたもの、レーヨンはケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、パルプは主として湿式法で製造されたものが使用される。
また、無機繊維からなる不織布としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維を主として湿式法で製造したものが使用される。
【0041】
本発明に用いる裏打ち用原紙としては、化粧シートの繊維質基材の例として列挙したものの中から選択することができるが、その中でも、特にクラフト紙が代表的である。
尚、十分な含浸樹脂量を確保するために、裏打ち用原紙を2〜5枚程度重ね合わせてもよい。
また、本発明に用いる木質板としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
【0042】
繊維質基材31には、印刷等により絵柄層33が形成される。また、絵柄層を設ける前に、基材表面にベタ印刷層を設ける場合がある。
絵柄層としては、印刷による印刷模様、エンボス加工によるエンボス模様、ヘアライン加工による凹凸模様等があり、更に、凹凸模様の凹部に公知のワイピング加工法によって着色インキを充填して絵柄層を形成することもできる。
印刷絵柄層としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。
全面ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する木質板の表面状態によって省略されることがある。
【0043】
絵柄印刷のインキとしては、基材の材質や形態によって異なるが、一般的には、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、硝化綿、酢酸セルロース、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の単独又は2種以上の樹脂を混合したものをビヒクルとし、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
【0044】
着色剤として、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、バンザイイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等、の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。
また、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。添加量は通常5〜60重量%である。
【0045】
絵柄の印刷としては、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通常の印刷方式が使用できる。
もしくは、別に離型性シート上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得られた転写シートからの転写印刷方式によって印刷模様を転写して設けてもよい。
印刷模様の代りに、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着、スパッタリング等によって、基材に、金属薄膜を全面又は部分的に形成して絵柄層とすることもできる。
【0046】
本発明に用いられる化粧シート2の保護層として形成される硬化した電離放射線硬化性樹脂層34は、未硬化の電離放射線硬化性樹脂を塗工した後、その塗膜に電子線や紫外線などの電離放射線を照射して塗膜を硬化させたものである。
電離放射線硬化性樹脂は架橋密度によって硬化塗膜の物性が変化するので、化粧シートの用途に応じて電離放射線硬化性樹脂を選定する必要がある。
電離放射線硬化性樹脂は架橋密度が高くなるほど硬化塗膜の硬度が高くなり、耐摩耗性は向上するが、柔軟性は低下する。そのため、柔軟性があり且つ耐摩耗性に優れた表面塗膜を得るには、電離放射線硬化性樹脂に球状のアルミナ等のフィラーを添加して、フィラーによって耐摩耗性を向上させる場合がある。
【0047】
本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に重合不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有するプレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した組成物で、電離放射線により硬化可能なものが用いられる。
尚、ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線の中で、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、電子線又は紫外線が用いられる。
【0048】
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオール基を2個以上有する単量体、又はプレポリマーからなるものである。
これら、単量体、又はプレポリマーは単体で用いるか、又は数種類混合して用いる。
尚、ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いており、以下(メタ)は同様の意味で用いるものとする。
【0049】
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。
分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
【0050】
ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
カチオン重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂が挙げられる。
チオール基を有する単量体の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等がある。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0053】
単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上の(メタ)アクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整することも出来る。
【0054】
電離放射線硬化性樹脂として紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0055】
上記電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を添加する場合がある。これらの添加剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、染料、顔料等の着色剤等がある。
【0056】
電離放射線硬化性樹脂のコーティング法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコートによるベタコート、ワイヤーバーコート、コンマコート、スプレーコート、フロートコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。その中でもグラビアコートが好ましい。
【0057】
電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装置が用いられる。
紫外線照射装置としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては、通常、190〜380nmの波長領域が主として用いられる。
電子線照射装置としては、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が用いられる。
【0058】
そして、電子線を照射する場合、加速電圧100〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300kGy(キログレイ)程度である。吸収線量が1kGy未満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が300kGyを超えると硬化した塗膜及び繊維質基材が黄変したり、損傷したりする。
また、紫外線照射の場合、その照射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲 が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2 を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。
また、電離放射線の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化させる方法もある。
【0059】
本発明に用いる架橋型樹脂としては、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂が使用される。電離放射線硬化性樹脂としては前記保護層に用いられたものが使用される。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が使用される。
これらの樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加して塗料として用いる。
通常、硬化剤としては、有機スルホン酸塩が不飽和ポリエステル系樹脂に、イソシアネートが不飽和ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂に、アミンがエポキシ樹脂に、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル系樹脂に多く使用される。
【0060】
イソシアネートとしては、二価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートを使用できるが、熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。
具体例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の硬化方法としては、硬化反応を促進するために、必要に応じて加熱することがある。
例えば、イソシアネート硬化型不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン硬化型ポリウレタン系樹脂の場合は40〜60℃で1〜5日間、ポリシロキサン樹脂の場合は80〜150℃で1〜30分、メラミン樹脂は90〜160℃で30秒〜3分、程度加熱する。
本発明においては、耐熱性、耐汚染性があり、硬度の硬いメラミン樹脂が好適である。
【0061】
メラミン樹脂はメラミン(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)とホルムアルデヒドの付加縮合によって得られる熱硬化性樹脂である。
透明で硬度が高く、着色性、耐熱性、耐汚染性に優れているため、化粧板、成形材料、塗料等幅広い用途をもっている。
また、メラミン樹脂にはアクリル成分をブレンドすることにより、半硬化のメラミン樹脂を含浸した化粧シートをパーチクルボード等の被着体に接着するまでの見掛け上のライフを延ばすことがある。
アクリル成分としては、モノマー、オリゴマー、ポリマー等を用いることができる。また、添加量は3〜16重量%程度である。
【0062】
モノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0063】
また、ポリマーの例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂が挙げられる。
【0064】
本発明により作製した化粧ボードは、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いることができる。
例えば、化粧シートをパーチクルボード、MFD等の木質基材に積層した化粧ボードは、壁、天井、床等の建築物の内装、家具又は弱電・OA機器のキャビネット等に利用できる。
本発明に用いる木質板としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
【0065】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
図13(a)に示すように、繊維質基材として、坪量45g/m2 のチタン紙31a(三興製紙(株)製「EBT」)を用いて、このチタン紙31aの表面にグラビア印刷により木目柄を印刷して絵柄層33を形成して印刷シート5を作製した。
次いで、図13(b)に示すように、チタン紙31aの絵柄層33の上に、下記の電子線硬化性樹脂(A)を用いて、ロールコート方式にてコーティングして未硬化の電子線硬化性樹脂層34bを形成し、直ちに電子線照射装置を用いて、加速電圧175keVにて、吸収線量が50kGy(キログレイ)になるように電子線36aを照射して未硬化の電子線硬化性樹脂を硬化させて、塗布量10g/m2 の硬化した電子線硬化性樹脂層34cを形成して、図13(c)に示すような化粧シート(樹脂含浸前)2aを巻き取り状で作製した。
【0066】
電子線硬化性樹脂(A)の組成
・ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート 70重量部
・トリメチロールプロパン変性トリアクリレート 29重量部
・両末端メタクリレート変性シリコーン 1重量部
【0067】
次に、図1に示すように、前記化粧シート(樹脂含浸前)2aを巻取16から繰り出し、コーティング装置10にて、化粧シート(樹脂含浸前)2aの裏面(図13(c)におけるチタン紙31a側)に、未硬化のメラミン樹脂11(日産化学(株)製「M−700」)をグラビアロールコート方式にて塗布量50g/m2 でコーティングし、チタン紙31aに未硬化のメラミン樹脂11を含浸させた。
次いで、加熱装置15にて120℃、1.5分間加熱してメラミン樹脂をタックフリー及び巻取状態でブロッキングがしない程度に硬化し、図13(d)に示すように、チタン紙31aに半硬化のメラミン樹脂32bを含浸した状態の化粧シート2とした。
【0068】
一方、図14(a)に示すように、裏打ち用原紙としてクラフト紙3b(坪量70g/m2 )を用い、図1に示すように、ノズル式コーティング装置10aにて未硬化のメラミン樹脂11(日産化学(株)製「M−700」)を塗布量80g/m2 でコーティングし、クラフト紙3bに未硬化のメラミン樹脂11を含浸し、次いで、加熱装置15aにて120℃、1.5分間加熱してメラミン樹脂をタックフリー及び巻取状態でブロッキングがしない程度に硬化し、図14(b)に示すような樹脂含浸裏打ち用原紙3とした。
【0069】
次に、図10に示すように、前記化粧シート2の半硬化のメラミン樹脂12bを含浸したチタン紙11aの面が樹脂含浸裏打ち用原紙3に接するように、化粧シート2を樹脂含浸裏打ち用原紙3に重ねて、ダブルベルトプレス装置20aの上下のベルト23と24の間を通して、シート状の化粧ボード1を作製した。
【0070】
前記ダブルベルトプレス装置20aは、図10に示すように、上側ローラ21と下側ローラ22の外側に耐熱ゴム等からなるエンドレスの上側ベルト23と下側ベルト24が取り付けられており、化粧シート2と樹脂含浸裏打ち用原紙3を重ねて上下のベルト23と24の間を通すことにより、連続的に加熱、加圧できる装置を使用した。
即ち、上側ローラ21は120〜170℃の範囲で加熱しながら回転できるローラを用い、また、下側ローラ22は回転しながら上下に移動できるもので、下側ローラ22を上昇させることにより、上下のロール21と22間に20〜80kg/cm2 の圧力がかけられ、ラインスピードが15〜25m/分で化粧ボードを製造できるダブルベルトプレス装置20aを用いた。
【0071】
次に、上記ダブルベルトプレス装置20aの上側ベルト23の表面温度を150℃、上側ロール21と下側ロール22の圧力を40kg/cm2 、ラインスピードを20m/分に設定して、化粧ボード1を製造した。
即ち、図10に示すように、化粧シート2の半硬化のメラミン樹脂32bを含浸したチタン紙31aの面が樹脂含浸裏打ち用原紙3に接するように重ね合わせて、ダブルベルトプレス装置20aの上下のベルト23と24の間を通すことにより、化粧シート2は150℃に加熱され、40kg/cm2 の圧力で樹脂含浸裏打ち用原紙3の表面に接着されて、図14(c)に示すような化粧ボード1が長いシート状でダブルベルトプレス装置20aから搬出された。
【0072】
化粧シート2はダブルベルトプレス装置20aの中で加熱、加圧により樹脂含浸裏打ち用原紙3に接着したとき、化粧シート2のチタン紙11aに含浸していた半硬化のメラミン樹脂32b及び樹脂含浸裏打ち用原紙3に含浸していた半硬化のメラミン樹脂32bは、加熱により架橋、硬化して、図14(c)に示すように、硬化したメラミン樹脂32cとなり硬度の高い樹脂層となった。
そのため、化粧ボード1の表面は、硬度の高い硬化したメラミン樹脂32cを含浸したチタン紙31aの上に、絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34cが形成された状態になるので、得られた化粧ボード1は従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなった。
【0073】
(実施例2)
実施例1と同様に、図15(a)に示すような化粧シート2を巻取で作製した。
一方、図15(b)に示すように、木質板として、長さ1800mm、幅900mm、厚さ30mmのMDF(中密度繊維板)4aを用意した。
次いで、図15(c)に示すように、上記MDF4aの上に、ウレタン系接着を用いて接着層35を形成した。
【0074】
次に、図2に示すように、化粧シート2を巻き取りから繰り出し、また、接着層35を設けたMDF4a(図2においては木質板4)を搬送装置25のベルト26の上に載せてダブルベルトプレス20a(図2においては連続加熱プレス装置20)に供給して板状化粧ボード1aを製造した。
即ち、巻取りから繰り出した化粧シート2を、半硬化のメラミン樹脂32bを含浸したチタン紙31aの面が、MDF4aの接着層35に接するように重ね合わせ、図11に示すように、ダブルベルトプレス装置20aの上下のベルト23と24の間を通して、板状化粧ボード1aを作製した。
【0075】
ダブルベルトプレス装置20aは、実施例1と同じものを用い、加熱、加圧条件を、上側ベルト23の表面温度を150℃、上側ロール21と下側ロール22の圧力を40kg/cm2 、ラインスピードを20m/分に設定した。
前記条件に設定したダブルベルトプレス装置20aの上下のベルト23と24の間を、化粧シート2を巻取から繰り出して連続的に通しながら、その化粧シート2の下側に接着層35を設けたMDF4a(図11においては木質板4)を連続的に供給することにより、化粧シート2はMDF4aの表面に連続的に加熱、加圧されて接着し、板状化粧ボード1aが連続的に生産された。
【0076】
化粧シート2はダブルベルトプレス装置20aの中で加熱、加圧によりMDF4aの表面に接着したとき、化粧シート2のチタン紙31aに含浸していた半硬化のメラミン樹脂32bは、加熱により架橋、硬化して、図15(d)に示すように、硬化したメラミン樹脂32cとなり硬度の高い樹脂層となった。
そのため、MDF4aの表面は、硬度の高い硬化したメラミン樹脂32cを含浸したチタン紙31aの上に、絵柄層33及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層34cが形成された状態になるので、得られた板状化粧ボード1aは従来の高圧メラミン化粧板に匹敵する物性を有し、耐熱性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐陥没性、耐シーガレット性に優れたものとなった。
【0077】
【発明の効果】
本発明の化粧ボードの製造方法は、紙等の繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた巻き取り状の化粧シートの裏面に未硬化の架橋型樹脂を塗布して繊維質基材に含浸した後、加熱等により未硬化の架橋型樹脂を架橋、硬化して、化粧シートの生産工程においてガイドローラに付着したり、ブロッキングはしないが、可撓性や柔軟性は失わない程度の半硬化状態にして化粧シートを巻取状で作製し、一方、別工程で前記と同様に、裏打ち用原紙に半硬化の架橋型樹脂を含浸して樹脂含浸裏打ち用原紙を作製し、次いで、ダブルベルトプレス装置等の連続的に加熱プレスができる装置を用いて、前記化粧シートと樹脂含浸裏打ち用原紙を重ね合わせて連続的に加熱、加圧して接着することにより、化粧シート及び樹脂含浸裏打ち用原紙の半硬化の架橋型樹脂を完全に架橋、硬化し、硬度の高い樹脂層を有する化粧ボードを連続的に製造する方法である。
また、前記樹脂含浸裏打ち用原紙の代わりに接着層を設けた木質板を用いることにより、メラミン樹脂化粧板に匹敵す物性を有する化粧ボードを連続的に製造する方法である。
【0078】
得られた化粧ボードは絵柄層を形成した繊維質基材が硬化した架橋型樹脂(例えば硬度の高いメラミン樹脂)を含浸しているので、従来の化粧シートを用いた化粧ボードに比較して、化粧ボードの表面は硬度が高く、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたものとなる。
また、本発明の化粧ボードの製造方法に用いる化粧シートは可撓性、柔軟性があるので、巻取から繰り出してダブルベルトプレス装置に連続的に供給できるため、板状の化粧ボードを連続的に製造することができる。
更に、化粧シートは可撓性、柔軟性があるため、木質板に曲面部がある場合でも、連続的に積層することができると共に、曲面部に積層した化粧シートの表面に白化や亀裂が発生することもなくなる。
そのため、耐熱性、耐擦傷性、耐陥没性、耐シガレット性に優れたメラミン樹脂板等と同等の性能を有する化粧ボードを連続的に生産できるので、生産能率が向上し、生産コストの低減を図ることができる。
また、最表面の電離放射線硬化性樹脂層にアルミナやシリカ等の無機質粒子を含有させることにより、低圧メラミン樹脂板以上の物性を有する化粧板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧ボードの製造方法の概要を示した模式図である。
【図2】本発明の化粧ボードの製造方法の別の態様で、木質板に化粧シートを連続的に積層するときの模式図である。
【図3】本発明の製造方法により作製した化粧ボードの一例を示した模式断面図である。
【図4】本発明の製造方法により作製した別の態様の板状化粧ボードの模式断面図である。
【図5】化粧ボードの製造に用いる化粧シートの一例を示した模式断面図である。
【図6】化粧ボードの製造に用いる樹脂含浸裏打ち原紙の模式断面図である。
【図7】化粧ボードの製造に用いる木質板に接着層を設けたときの模式断面図である。
【図8】化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
【図9】化粧ボードの製造に用いるダブルベルトプレス装置の模式図である。
【図10】化粧シートと樹脂含浸裏打ち原紙を用いて連続的に化粧ボードを作製するときの説明図である。
【図11】化粧シートと木質板を用いて連続的に板状化粧ボードを作製するときの説明図である。
【図12】木質板に化粧シートを積層して板状化粧ボードを作製するときの説明図である。
【図13】実施例1により化粧ボードを製造するときの説明図で、化粧ボードの製造に用いる化粧シートを作製するときの説明図である。
【図14】実施例1により化粧ボードを製造するときの説明図で、樹脂含浸裏打ち用原紙に化粧シートを積層するときの説明図である。
【図15】実施例2により板状化粧ボードを製造するときの説明図である。
【符号の説明】
1 化粧ボード
1a 板状化粧ボード
2 化粧シート
2a 化粧シート(樹脂含浸前)
3a 裏打ち用原紙
3 樹脂含浸裏打ち用原紙
4 木質板
4a MDF(中密度繊維板)
5 印刷シート
10 コーティング装置
10a ノズル式コーティング装置
11 未硬化の架橋型樹脂
12 コーティングローラ
13 インプレッションローラ
14 インキパン
15 加熱装置(化粧シート用)
15a 加熱装置(裏打ち原紙用)
16 巻取(樹脂含浸前の化粧シート用)
16a 巻取(裏打ち用原紙用)
20 連続加熱プレス装置
20a ダブルベルトプレス装置
21 上側ローラ
22 下側ローラ
23 上側ベルト
24 下側ベルト
25 搬送装置
26 ベルト(搬送装置のベルト)
31 繊維質基材
31a チタン紙
32 硬化した架橋型樹脂
32a 半硬化の架橋型樹脂
32b 半硬化のメラミン樹脂
32c 硬化したメラミン樹脂
33 絵柄層
34 硬化した電離放射線硬化性樹脂層
34a 未硬化の電離放射線硬化性樹脂層
34b 未硬化の電子線硬化性樹脂層
34c 硬化した電子線硬化性樹脂層
35 接着層
36 電離放射線
36a 電子線

Claims (1)

  1. 繊維質基材の表面に、絵柄層及び硬化した電離放射線硬化性樹脂層を設けた化粧シートの繊維質基材に、未硬化のアクリル成分を含むメラミン樹脂からなる架橋型樹脂を含浸し、該未硬化の前記架橋型樹脂を加熱又は電離放射線照射にて半硬化の状態にする工程Aと、裏打ち用原紙に未硬化の前記架橋型樹脂を含浸し、該未硬化の前記架橋型樹脂を加熱又は電離放射線照射にて半硬化の状態にする工程Bと、前記工程Aで製造された化粧シートの裏面を、前記工程Bで製造された裏打ち用原紙に重ね合わせ、連続加熱プレス装置を用いて連続的に積層する工程Cとからなることを特徴とする化粧ボードの製造方法。
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