JPH08127103A

JPH08127103A - 化粧板およびその製造方法

Info

Publication number: JPH08127103A
Application number: JP6290454A
Authority: JP
Inventors: Katsunori Nishijima; 克典西島; Eiji Hinishi; 英二日西; Ryotaro Sato; 亮太郎佐藤
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1994-10-31
Filing date: 1994-10-31
Publication date: 1996-05-21

Abstract

(57)【要約】【目的】意匠的に優れており、なおかつ、水平面に使
用可能な表面硬度や耐摩耗性等を備えた高級化粧板およ
び該化粧板を極めて能率的に且つ安価に提供出来る製造
方法を提供する。【構成】本発明の化粧板は、上層より化粧紙１、熱硬
化性樹脂含浸シート２、および、基材３を順に積層した
構成であり、加熱加圧により熱硬化性樹脂を硬化させて
各層を一体化させることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家具、住宅機器等に使
用する化粧板およびその製造方法に関するものであり、
特に、意匠的に優れ、表面硬度が高く耐久性に優れた高
級化粧板および該化粧板を極めて能率的に且つ安価に提
供出来る製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の家具や住宅機器類の水平面に使用
する化粧板としては、メラミン化粧板やダップ化粧板等
が良く知られていた。このメラミン化粧板やダップ化粧
板等は、チタン紙等の浸透性の良い原紙に印刷を施した
後、メラミン樹脂あるいはジアリルフタレート樹脂等の
熱硬化性樹脂を含浸させて作製した樹脂含浸紙を、フェ
ノールコア紙やパーティクルボード等の基材に載せ、鏡
面板を介して加熱加圧する事により製造していた。この
方法によれば、水平面に使用するのに必要な表面硬度、
耐摩耗性、および耐溶剤性を備えた化粧板が出来るが、
チタン紙等の浸透性の良い原紙を使用しているため印刷
適性が劣り、そのため意匠的に優れたものを得るのは困
難であった。

【０００３】一方、印刷適性に優れた化粧紙用原紙を使
用した場合に、水平面に使用するのに必要な表面硬度、
耐摩耗性、および耐溶剤性を得るためには、表面にトッ
プコート層を設けることが必要となってくるが、そのた
めには特に電子線もしくは紫外線硬化タイプのトップコ
ート樹脂を用いることが好適であることが知られてい
る。

【０００４】そしてこのような、印刷適性に優れ、且
つ、トップコート層を有する化粧紙をパーティクルボー
ド等の基材に貼り合わせる場合には、例えば尿素系また
は酢酸ビニル系の接着剤をパーティクルボード等の基材
に塗布した後、上記化粧紙を貼り合わせる方法が通常用
いられていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、物性的に極めて弱い紙層が層間に存在している
ために、水平面に使用するのに必要な物性を得るのは極
めて困難であった。

【０００６】さらに、上記化粧紙が表面が高光沢を有す
る場合においては、接着剤の塗布面が該化粧紙の表面に
影響して高光沢表面が損なわれてしまうおそれがあっ
た。

【０００７】本発明は上記従来の問題に鑑み為されたも
のであり、その目的とするところは、意匠的に優れてお
り、なおかつ、水平面に使用可能な表面硬度や耐摩耗性
等を備えた高級化粧板および該化粧板を極めて能率的に
且つ安価に提供出来る製造方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の化粧板は、上層より化粧紙、熱硬化性樹脂
含浸シート、および、基材を順に積層してなることを特
徴としている。

【０００９】また、本発明の化粧板は、前記化粧紙がト
ップコート層を有することを特徴としている。

【００１０】また、本発明の化粧板は、前記トップコー
ト層が電子線もしくは紫外線硬化性樹脂を主成分として
なり、且つ、該トップコート層は塗布量が１０ｇ／ｍ²
以上であることを特徴としている。

【００１１】また、本発明の化粧板の製造方法は、基材
上に、熱硬化性樹脂含浸シートおよび化粧紙を順に重ね
合わせた状態で加熱加圧し、前記熱硬化性樹脂を硬化さ
せて各層を一体化させることを特徴としている。

【００１２】さらに、本発明の化粧板の製造方法は、化
粧紙の表面に電子線もしくは紫外線照射により硬化させ
たトップコート層を設け、基材上に、熱硬化性樹脂含浸
シートおよび前記トップコート層を設けた化粧紙を順に
重ね合わせた状態で加熱加圧し、前記熱硬化性樹脂を硬
化させて各層を一体化させることを特徴としている。

【００１３】以下、本発明の構成についてさらに詳しく
説明する。

【００１４】本発明の化粧板は、図１に示すように、上
層より化粧紙１、熱硬化性樹脂含浸シート２、および、
基材３を順に積層した構成である。

【００１５】上記化粧紙１は、化粧原紙の表面に必要に
応じ所望の印刷等を行い、望ましくはこの上にトップコ
ート層を設けたものである。

【００１６】化粧紙１の化粧原紙としては、印刷適性に
優れた化粧紙用原紙が好適であり、坪量は３０〜１２０
ｇ／ｍ² 程度のものが適当である。この原紙に、予めア
クリル系樹脂等で含浸処理を施しても良い。また、この
原紙に、予めウレタン系樹脂やビニル系樹脂等でシーラ
ー処理等を施しても良い。この化粧原紙の表面には、所
望の絵柄模様の印刷を施しても良いし、また全面にベタ
で印刷して着色しても良い。印刷方法は、グラビア印刷
法等の公知の印刷方法を用いる。

【００１７】化粧紙１のトップコート層は、電子線もし
くは紫外線硬化性樹脂を主成分としたものが耐久性の上
で好ましい。電子線もしくは紫外線硬化性樹脂として
は、電子線もしくは紫外線反応性の二重結合を有してい
れば良く、例えば分子末端にアクリル基もしくはメタク
リル基を有するポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルメタ
クリレート、ウレタンメタクリレート、エポキシメタク
リレート等が挙げられる。紫外線硬化性樹脂の場合は、
さらに反応開始剤が含まれる。

【００１８】上記トップコート層は、上記電子線もしく
は紫外線硬化性樹脂を主成分とし、これに必要ならば溶
剤、添加剤等を加えた塗工液を塗工し、電子線もしくは
紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより形成され
る。トップコート層の塗工方法は任意であるが、例えば
ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコ
ーター、ナイフコーター等によるのが一般的である。ま
た、電子線もしくは紫外線の照射量は樹脂を硬化させる
のに十分な量であり、その条件は適宜設定される。

【００１９】上記トップコート層の塗布量は、１０ｇ／
ｍ² 以上、特に１０〜５０ｇ／ｍ²程度の範囲の塗布量
が望ましい。１０ｇ／ｍ² 以上の塗布量の塗膜厚を有す
ることにより、最終的に化粧板となった際に、水平面に
使用するのに必要な表面硬度や耐摩耗性を得ることが出
来る。

【００２０】また、上記トップコート層の上にさらに、
プラスチックフィルム等による保護シートもしくは賦型
シート等を有していても良い。

【００２１】一方、上記熱硬化性樹脂含浸シート２とし
ては、チタン紙等の浸透性の良い原紙に、メラミン樹
脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸さ
せたシートであれば良く、材質等はこれに特に限定され
ない。また、熱硬化性樹脂含浸シート２の厚さについて
は特に限定はなく、熱硬化性樹脂の含浸量についても特
に限定はないが、５０重量％以上であることが好まし
い。

【００２２】また、上記基材３としては、通常、化粧板
の基材として用いられるものであれば良く、例えばパー
ティクルボード、ＭＤＦ、合板等が挙げられる。

【００２３】本発明に係る化粧板の製造方法としては、
例えば、上記基材３上に、上記熱硬化性樹脂含浸シート
２、および、上記トップコート層を設けた化粧紙１を順
に重ねた状態で加熱加圧すれば良く、そこで熱硬化性樹
脂が硬化し、それにより各層が一体化して本発明の化粧
板となる。この加熱加圧は、例えば図２に示すような装
置４にて、巻き取り状態で連続して行うことが出来る
し、また、図３に示すような装置５にて、枚葉で行うこ
ともできる。また、上記基材３の両面にそれぞれ、上記
熱硬化性樹脂含浸シート２および上記化粧紙１を重ねた
状態で同時に加熱加圧してもよい（図２はこのような態
様を示している。）。

【００２４】また、上記加熱加圧と同時に、あるいは加
熱加圧後に、賦型シートもしくは賦型板により本発明の
化粧板表面に凹凸形状を付与しても良い。また、鏡面シ
ートもしくは鏡面板を用いて上記化粧板表面に鏡面形状
を付与しても良い。

【００２５】

【作用】本発明の化粧板は、例えば印刷適性に優れた化
粧紙用原紙に必要に応じ所望の印刷等を行い、望ましく
は、その上に電子線もしくは紫外線硬化性樹脂を主成分
とするトップコート層を設けた化粧紙と、チタン紙等の
浸透性の良い原紙に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性
樹脂含浸シートと、パーティクルボード等の基材とを重
ねた状態で加熱加圧し、上記熱硬化性樹脂を硬化させて
各層を一体化させたものであり、上記化粧紙の紙層にも
熱硬化性樹脂が浸透し、該紙層も強化されている。さら
に、熱硬化性樹脂含浸シートを用いているために、従来
の接着剤の塗布と比較して、化粧紙の表面に与える影響
が大幅に低減し、良好な表面状態を有している。したが
って、本発明の化粧板は、意匠的に優れており、且つ、
水平面に使用するのに必要な硬度や耐摩耗性を備えてい
る。本発明の化粧板の製造方法によれば、このような高
級化粧板を能率的に且つ安価に提供することができる。

【００２６】

【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。実施例−１坪量３０ｇ／ｍ²の化粧紙用原紙にマホガニー調木目絵
柄を印刷し、粘度６００ｃｐｓに調整した電子線硬化型
塗工液（ダイセル・ユーシービー（株）製「ＥＢ６０
５」／１，６ヘキサンジオールアクリレート／ダイセル
・ユーシービー（株）製「エベクリル３５０」）をグラ
ビアコーターにて２０ｇ／ｍ²の塗布量で塗布した。

【００２７】塗布後引き続き、電子線照射装置（日新ハ
イボルテージ（株）製「キュアトロン」）の照射下を通
過させ、照射線量約４．０Ｍｒａｄのエネルギーで塗膜
を硬化させ、化粧シートを得た。

【００２８】また、坪量１００ｇ／ｍ²のチタン紙にメ
ラミン樹脂を８０重量％含浸させて熱硬化性樹脂含浸シ
ートを得た。

【００２９】こうして作製した上記熱硬化性樹脂含浸シ
ートおよび化粧シートを順次パーティクルボード基材上
に重ねて、図２に示すような手段にて連続的に加熱加圧
し、同時に木目導管模様の凹凸も付与して化粧板を得
た。

【００３０】このようにして得られた化粧板は、意匠性
に優れており、しかも水平面用として必要な表面硬度や
耐摩耗性にも優れたものであった。

【００３１】実施例−２厚さ２５μｍのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、カーボンブラックを５％分散させ、粘度８００ｃｐ
ｓに調整した電子線硬化型塗工液（東亜合成化学工業
（株）製「アロニックスＭ−８０３０」／トリプロピレ
ングリコールジアクリレート／ダイセル・ユーシービー
（株）製「エベクリル３５０」）をグラビアコーターに
て２０ｇ／ｍ²の塗布量で塗布し、これを坪量８０ｇ／
ｍ²の黒色に着色した化粧紙用樹脂含浸紙とウエットラ
ミネートした。

【００３２】塗布後引き続き、前記電子線照射装置（日
新ハイボルテージ（株）製「キュアトロン」）の照射下
を通過させ、照射線量約３．０Ｍｒａｄのエネルギーで
塗膜を硬化させ、化粧シートを得た。

【００３３】また、坪量１００ｇ／ｍ²のチタン紙にメ
ラミン樹脂を８０重量％含浸させて熱硬化性樹脂含浸シ
ートを得た。

【００３４】こうして作製した上記熱硬化性樹脂含浸シ
ートおよび化粧シートを順次パーティクルボード基材上
に重ねて、図３に示すような手段にて枚葉で鏡面板を用
いて加熱加圧して化粧板を得た。

【００３５】このようにして得られた化粧板は、高光沢
な表面を有し、意匠性に優れており、しかも水平面用と
して必要な表面硬度や耐摩耗性にも優れたものであっ
た。

【００３６】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の化
粧板によれば、例えば印刷適性に優れた化粧紙用原紙に
必要に応じ所望の印刷等を行い、望ましくは、その上に
電子線もしくは紫外線硬化性樹脂を主成分とするトップ
コート層を設けた化粧紙と、チタン紙等の浸透性の良い
原紙に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸シー
トと、パーティクルボード等の基材とを重ねた状態で加
熱加圧し、上記熱硬化性樹脂を硬化させて各層を一体化
させたことにより、上記化粧紙の紙層にも熱硬化性樹脂
が浸透し、該紙層も強化され、さらに、熱硬化性樹脂含
浸シートを用いているために、従来の接着剤の塗布と比
較して、化粧紙の表面に与える影響が大幅に低減し、良
好な表面状態を有している。したがって、本発明の化粧
板によれば、意匠的に優れており、例えば化粧紙が高光
沢を有する場合においてもその高光沢表面が損なわれ
ず、且つ、水平面に使用するのに必要な硬度や耐摩耗性
を備えた高級化粧板が得られる。また、本発明の化粧板
の製造方法によれば、このような高級化粧板を能率的に
且つ安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の化粧板の構成を示す断面図である。

【図２】本発明の化粧板を連続的に製造する装置の概略
を示す構成図である。

【図３】本発明の化粧板を枚葉で製造する装置の概略を
示す構成図である。

【符号の説明】

１化粧紙２熱硬化性樹脂含浸シート３基材４連続加熱加圧装置５枚葉加熱加圧装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上層より化粧紙、熱硬化性樹脂含浸シー
ト、および、基材を順に積層してなることを特徴とする
化粧板。
【請求項２】前記化粧紙はトップコート層を有するこ
とを特徴とする請求項１記載の化粧板。
【請求項３】前記トップコート層は電子線もしくは紫
外線硬化性樹脂を主成分としてなり、且つ、該トップコ
ート層は塗布量が１０ｇ／ｍ² 以上であることを特徴と
する請求項２記載の化粧板。
【請求項４】基材上に、熱硬化性樹脂含浸シートおよ
び化粧紙を順に重ね合わせた状態で加熱加圧し、前記熱
硬化性樹脂を硬化させて各層を一体化させることを特徴
とする化粧板の製造方法。
【請求項５】化粧紙の表面に電子線もしくは紫外線照
射により硬化させたトップコート層を設け、基材上に、
熱硬化性樹脂含浸シートおよび前記トップコート層を設
けた化粧紙を順に重ね合わせた状態で加熱加圧し、前記
熱硬化性樹脂を硬化させて各層を一体化させることを特
徴とする化粧板の製造方法。