JP3345934B2 - 化粧紙 - Google Patents

化粧紙

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JP3345934B2
JP3345934B2 JP01294893A JP1294893A JP3345934B2 JP 3345934 B2 JP3345934 B2 JP 3345934B2 JP 01294893 A JP01294893 A JP 01294893A JP 1294893 A JP1294893 A JP 1294893A JP 3345934 B2 JP3345934 B2 JP 3345934B2
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英二 日西
克典 西島
亮太郎 佐藤
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Toppan Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家具、住宅機器等に使用
する化粧板用化粧紙の製造方法に関し、特に層間強度が
強く、表面強度も高い、耐久性に優れた高級化粧板を安
価に能率良く製造する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家具や住宅機器類の水平面に使用
する化粧板は、チタン紙等の浸透性の良い原紙に印刷を
施した後、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の
熱硬化性樹脂を含浸させて作った樹脂含浸紙を、フェノ
ールコア紙やパーティクルボード等の基材に乗せ、鏡面
板を介して加熱圧締して製造していた。この方法によれ
ば水平面用として必要な表面硬度や耐摩耗性を備えた化
粧板ができるが、反面生産効率が悪いため高価なものに
ならざるを得なかった。
【0003】コスト面を改善する為に、熱硬化型樹脂を
含浸せず表面から電子線硬化型樹脂を塗布して紙層に浸
透させ、強化する手段も種々検討されているが、次に示
す理由により満足なものが得られていない。すなわち表
面から塗布された樹脂は紙層に浸透するが浸透性を重視
して樹脂の粘度を下げると表面に残留する樹脂が減少す
るため化粧紙の表面仕上り感が悪くなり、逆に表面の仕
上り感を重視して樹脂の浸透を制限するために樹脂の粘
度を高くすると紙層への浸透が減少するため、紙層を強
化するという本来の目的が達成されない。
【0004】また表面から塗布する樹脂を低粘度のもの
と高粘度のものとの2種類にするという方法では、先に
塗布した低粘度の樹脂が未乾燥の状態で高粘度の樹脂を
塗布すると高粘度の樹脂を塗布する段階で絵柄がぼけた
り、仕上りが均一にならない等の問題が生ずる。また先
に塗布した樹脂をいったん硬化させてから後の樹脂を塗
布する方法によれば仕上り感は良好となる反面、1層目
の樹脂が硬化して界面を形成している為、2層目の樹脂
が界面剥離を生ずるという問題が避けられなかった。
【0005】さらには、紙面に印刷を施してあるなら
ば、樹脂の浸透にもある程度ムラができてしまうのは避
けられないことであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点を解決するためになされたものであり、その課題
とするところは、水平面に使用可能な硬度や耐摩耗性を
具えた高級化粧板用化粧紙を極めて能率的にかつ安価に
製造する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するため、樹脂浸透性の良い紙に、溶剤型或いは水性
型で熱乾燥する樹脂を主体とし、併用樹脂として電子線
硬化型樹脂を含む目止めシーラー層、溶剤型或いは水性
型で熱乾燥する樹脂を主体とし、併用樹脂として電子線
硬化型樹脂を含むインキによる印刷層、電子線硬化型樹
脂層を設け、電子線を照射することによって一体に硬化
されてなることを特徴とする化粧紙を提供する。
【0008】以下、図面に基づき本発明について詳細に
説明する。図1に示したように、樹脂浸透性の良い紙1
に、電子線硬化型樹脂を含む目止めシーラー層2、電子
線硬化型樹脂を含むインキで形成した印刷層3、及び電
子線硬化型樹脂層4を形成した後、電子線を照射するこ
とにより、目止めシーラー層及び印刷層に含まれる電子
線硬化型樹脂を硬化させるとともに、表面の電子線硬化
型樹脂を硬化させて本発明の化粧紙を得る。
【0009】表面の電子線硬化型樹脂は低粘度であって
も、目止めシーラー層がある為、紙層に必要以上に浸透
せずに、インキ層に浸透する程度で表面に残留する。
【0010】また、目止めシーラー層・印刷層に含まれ
る電子線硬化型樹脂は連続印刷や連続コートができるよ
うに乾燥させているのみであり、電子線は表面の電子線
硬化型樹脂を塗布した後に照射して最終で硬化させるの
で、各層に含まれる電子線硬化型樹脂は一体化して硬化
するため、相互の密着性は全く問題がない。
【0011】電子線の照射は、表面の電子線硬化型樹脂
の側から照射するのが通常であるが、電子線硬化型樹脂
の塗布面を表面の平滑な金属ロールに圧着して紙の裏面
側より電子線を照射して硬化させることにより、鏡面板
を介した熱硬化性樹脂化粧板のような鏡面を効率よく得
ることができる。平滑な金属ロールの代わりに、微細な
凹凸形状の金属ロールを使用することにより、均一な艶
消し面の化粧紙を効率よく得ることができるし、柄模様
で凹凸を形成した金属ロールを使用することにより、シ
ャープな凹凸の柄模様が形成された化粧紙を得ることが
できる。
【0012】樹脂浸透性の良い紙1としては、坪量30
〜120g/m2 のチタン紙などの化粧紙用原紙が好適
である。
【0013】目止めシーラー層2としては、塗布はグラ
ビアコート法等の公知の方法よるが、樹脂としてはウレ
タン樹脂等の溶剤型或いはアクリル樹脂等の水性型で熱
乾燥する樹脂を主体とし、併用樹脂として電子線硬化型
樹脂を使用し、熱乾燥でタック残りがなく連続印刷でき
る程度の添加量とする。
【0014】同様に印刷層3の形成も、グラビア印刷法
等の公知の方法で印刷するが、インキのバインダーとし
ては、溶剤型或いは水性型で熱乾燥する樹脂を主体と
し、併用樹脂として電子線硬化型樹脂を使用し、熱乾燥
で連続印刷・コートできる程度の添加量とする。
【0015】目止めシーラーやインキに併用樹脂として
含む電子線硬化型樹脂は、ウレタンアクリレート、ポリ
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、等の
(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー及びそれらのエ
マルジョン、単官能または多官能のモノマーなどの単体
や混合で適宜選択できる。
【0016】表面の電子線硬化型樹脂層4は、グラビア
コート法・ロールコート法等の公知の塗布方法で良い。
樹脂としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルア
クリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー等に、
単官能または多官能のモノマー、スリップ剤・マット剤
等の添加剤を配合して粘度を数10〜数100cpsに
調整した電子線硬化型樹脂が好ましい。
【0017】電子線の加速電圧は200〜250Kv、
照射量は3〜5Mrad程度が良い。この処理によりす
べての層の電子線硬化型樹脂が一体となり、層間の強度
や表面の強度が優れた化粧板が得られる。通常この処理
は50〜150m/分のライン速度で可能であるから極
めて生産効率が高い。
【0018】
【作用】化粧紙の表面は、表面保護の電子線硬化型樹脂
層が目止めシーラー層までよく浸透するが、必要以上に
浸透しないので、表面の樹脂層が確保され、表面の仕上
がり外観に優れる。また紙層は目止めシーラーで強化さ
れると共に、各層の電子線硬化型樹脂が一体となって硬
化するので、化粧紙層のどこをとっても弱い層がなく、
極めて強度の高い化粧紙を得ることが出来る。
【0019】また、塗布面を金属ロールに圧着して裏面
から電子線を照射することにより、表面の鏡面光沢、均
一な艶消し光沢やシャープな凹凸柄模様を容易に、効率
よく得ることができ、外観面からも極めて優れた化粧紙
を得ることが出来る。
【0020】
【実施例】
<実施例1>樹脂浸透性の良い紙として坪量30g/m
2 の化粧紙用原紙を用い、これに電子線硬化型樹脂を含
む目止めシーラーとしてウレタン樹脂40重量部、ウレ
タンアクリレートオリゴマー5重量部、ポリイソシアネ
ート10重量部、希釈溶剤45重量部からなる樹脂を用
い、これを乾燥後2g/m2 となるよう塗布した。続い
て電子線硬化型樹脂を含むインキとして塩化ビニル・酢
酸ビニル樹脂を15〜30重量部、着色顔料5〜30重
量部、2官能モノマー3〜12重量部、全体を100重
量部として残りを希釈溶剤(割合は色によって異なる)
からなるものを用い、これでオーク調木目絵柄を印刷し
た。熱乾燥後、電子線硬化型樹脂層として、粘度200
cpsに調整した電子線硬化型樹脂(東亞合成化学工業
(株)製:「アロニックスMー8030」)80重量
部、2官能モノマー18重量部、スリップ剤2重量部を
用い、これを15g/m2 塗布し、塗布面側から電子線
照射装置にて加速電圧200Kv、3Mradの電子線
を照射して電子線硬化型樹脂を硬化させ、化粧紙を得
た。
【0021】これを尿素・酢酸ビニル系の接着剤にてパ
ーチクルボードと貼り合わせて化粧板にしたところ、外
観上非常に光沢が高く(光沢度80%)、塗装感もあ
り、層間強度や表面強度の優れた(鉛筆強度2H、碁盤
目状接着テープ剥離試験にて剥離なし)化粧板が得られ
た。
【0022】<実施例2>樹脂浸透性の良い紙として坪
量60g/m2 の化粧紙用原紙を用い、これに電子線硬
化型樹脂を含む目止めシーラーとして、アクリル樹脂3
0重量部、エマルジョンタイプポリエステルアクリレー
トオリゴマー3重量部、水67重量部からなるものを用
い、これを乾燥後3g/m2 となるように塗布した。続
いて電子線硬化型樹脂を含むインキとして、アクリル樹
脂15〜30重量部、着色顔料5〜30重量部、2官能
モノマー3〜12重量部、全体を100重量部として残
りを水(割合は色によって異なる)からなるものを用
い、これでマホガニー調木目絵柄を印刷した。熱乾燥
後、電子線硬化型樹脂層として粘度400cpsに調整
した電子線硬化型樹脂(ダイセルユーシービー(株)
製:「エベクリル810」)85重量部、3官能モノマ
ー13重量部、スリップ剤2重量部を用い、これを40
g/m2 塗布し、塗布面を鏡面の金属ロールに圧着し、
紙の裏面側から電子線照射装置にて加速電圧250K
v、5Mradの電子線を照射して電子線硬化型樹脂を
硬化させ、化粧紙を得た。
【0023】これを尿素系の接着剤にてパーチクルボー
ドと貼り合わせて化粧板にしたところ、鏡面(光沢度9
5%)であり、表面強度に非常に優れ(鉛筆硬度4H、
耐磨耗性JAS試験合格、引きかき硬度試験JAS B
試験合格、碁盤目状接着テープ剥離試験にて剥離な
し)、水平面でも充分に使用できる性能の化粧板が得ら
れた。
【0024】
【発明の効果】以上に示したように、本発明により得ら
れる化粧紙の表面は、表面保護の電子線硬化型樹脂層が
目止めシーラー層までよく浸透するが、必要以上に浸透
しないので、表面の樹脂層が確保され、表面の仕上がり
外観に優れる。
【0025】また、各層の電子線硬化型樹脂は、ただ一
度の電子線照射のみによって、化粧紙の断面を通過した
電子線の作用によって硬化して一体となるため化粧紙層
のどこをとっても弱い層がなく、極めて強度の高い化粧
紙を製造でき、生産効率も非常に高い。多色機で1工程
で生産することが非常に容易である。また、化粧紙の裏
面には電子線硬化型樹脂が浸透していないため、接着剤
によっての基材との接着性も優れる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による化粧紙の断面を示した模式
図である。
【符号の説明】
1…樹脂浸透性の良い紙 2…電子線硬化型樹脂を含む目止めシーラー層 3…電子線硬化型樹脂を含むインキによる印刷層 4…電子線硬化型樹脂層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−203643(JP,A) 特開 平3−258544(JP,A) 特開 昭50−78629(JP,A) 特開 昭53−139665(JP,A) 特開 昭54−11970(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 7/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂浸透性の良い紙に、溶剤型或いは水性
    型で熱乾燥する樹脂を主体とし、併用樹脂として電子線
    硬化型樹脂を含む目止めシーラー層、溶剤型或いは水性
    型で熱乾燥する樹脂を主体とし、併用樹脂として電子線
    硬化型樹脂を含むインキによる印刷層、電子線硬化型樹
    脂層を設け、電子線を照射することによって一体に硬化
    されてなることを特徴とする化粧紙。
JP01294893A 1993-01-28 1993-01-28 化粧紙 Expired - Lifetime JP3345934B2 (ja)

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JP01294893A JP3345934B2 (ja) 1993-01-28 1993-01-28 化粧紙

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JPH06218897A JPH06218897A (ja) 1994-08-09
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