JP4867267B2 - 賦型シート - Google Patents
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Description
従来、表面に凹凸形状を有する熱硬化性樹脂化粧板には、エンボス金型や樹脂凹凸シートにより凹凸形状を形成したものと、賦型シートにより凹凸形状を形成したものがある。しかし、凹凸形状を形成したエンボス金型を使用した場合は、金型をブラスト、エッチング等の表面処理する必要があるため凹凸形状および模様の緻密さに限界が生じてしまう。さらに熱硬化性樹脂化粧板製造時に、高価な型板及び予備の型板が必要となり、化粧板作製の手間と費用の負担が増えるため、製造コストも大幅に増加し製品が高価なものとなる。また、樹脂凹凸シートの場合は、熱硬化性樹脂化粧板が樹脂の硬化後、剥離しにくくなるために型板との間に、アルミニウム箔、ポリプロピレンフィルム等を挟む必要があり、微細な凹凸模様をシャープに形成することは非常に難しい。
例えば、基材シートの表面に電離放射線硬化性樹脂で凹凸形状を設けた賦型シートであって、賦型シートを剥離するときに凹凸形状が割れたりしないような架橋密度を有することにより所望される模様形状を忠実に再現し、かつ繰返し使用できる賦型シートが提案されている(特許文献1、特許請求の範囲参照)。しかし、賦型シートを作製する際にロール凹版から剥離する工程を介するため、凹部が細い場合には凹凸形状の表現に限界がある。
また、この方法では凹部が細い場合には、凹凸がきれいに出ないという問題がある一方、ある程度の太さの凹部がある場合には、基材表面に凹凸模様は得られるものの、隆起部の高さ以上の凸部が生じ、外観及び手触り感がよくないという問題もある。
さらに、基材シートの表面に無機系フィラーとバインダー樹脂からなる樹脂組成物を用いて凹凸層を形成するもので、撥液性樹脂で形成された絵柄模様上に塗布された微細な凹凸層形成用の樹脂組成物だけがはじかれて凹凸層が形成される賦型シートが提案されている(特許文献2、特許請求の範囲参照)。しかし、凹凸層形成用の樹脂組成物をはじくことにより凹凸層を形成するため、凹凸形状による柄の安定性に欠けていることや、凹凸層の硬化のために一定期間のエージングを要するため、賦型シートの製作に非常に時間がかかってしまうので消費者の多様化するニーズに迅速に対応ができないという問題がある。
(1)基材上に少なくとも、全面に設けられた離型剤を含有する透明又は半透明の艶消し下塗層と、該下塗層上に部分的に設けられた表面賦型層を有する賦型シートであって、該表面賦型層が離型剤及び艶消剤を含有する硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものであることを特徴とする賦型シート、
(2)前記艶消し下塗り層中の離型剤が反応性シリコーンであり、表面賦型層中の離型剤がシリコーン(メタ)アクリレートである上記(1)に記載の賦型シート、
(3)硬化性樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物である上記(1)又は(2)に記載の賦型シート、
(4)電離放射線硬化性樹脂組成物が電子線硬化性樹脂組成物である上記(3)に記載の賦型シート、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の賦型シートを基板に賦型してなる化粧板、
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の賦型シートを、加熱圧板間に圧締して成型される基板と、圧板の間に挿入して、成型したことを特徴とする化粧板、
(7)基板がメラミン樹脂化粧板である上記(5)又は(6)に記載の化粧材、及び
(8)基板がジアリルフタレート(DAP)樹脂化粧板である上記(5)又は(6)に記載の化粧板、
を提供するものである。
本発明の賦型シートの構造について、図1を用いて説明する。図1は本発明の賦型シート1の断面を示す模式図である。図1に示す例では、基材2上に全面を被覆する一様均一な浸透防止層5、艶消し下塗層3、及び硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面賦型層4がこの順に積層されたものである。表面賦型層4は部分的に設けられ、全体として微細な凹凸形状を有する賦型シートを形成する。
本発明で用いられる基材2は、通常賦型シートの基材として用いられるものであれば、特に限定されず、各種の紙類、プラスチックフィルム、プラスチックシート等を用途に応じて適宜選択することができる。これらの材料はそれぞれ単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプラスチックフィルムの複合体等、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
これらの基材、特にプラスチックフィルムやプラスチックシートを基材として用いる場合には、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面または両面に酸化法や凹凸化法などの物理的または化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また、該基材は基材と各層との層間密着性の強化等のために、プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
これらのうち、基材2としては、耐熱性と寸法安定性に優れた材質が好ましく、中でもポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルムが特に好ましい。
艶消し下塗層3は、通常、艶消剤を含有する無色あるいは着色透明インキにより構成される。具体的には、ベヒクル成分として、アクリル系、ポリエステル系、アクリルウレタン系、ウレタン系の樹脂で水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する樹脂に、硬化剤としてポリイソシアネートを添加した2液硬化型樹脂が望ましい。なお、艶消し下塗層3によって光沢部を賦型し、表面賦型層4によって艶消部を賦型する場合には、艶消し下塗層3中には艶消剤を含有しなくてもよい。艶消剤については後に詳述する。
また、艶消し下塗り層3は離型剤を含有する。艶消し下塗り層3中に含有する離型剤としては、反応性シリコーンが好ましく、具体的には、変性シリコーンオイル側鎖型、変性シリコーンオイル両末端型、変性シリコーンオイル片末端型、変性シリコーンオイル側鎖両末端型等であって、導入する有機基がアミノ変性、エポキシ変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、フェノール変性、メタクリル変性、異種官能基変性等であるものが挙げられる。反応性シリコーンは、2液硬化型樹脂に使用するポリイソシアネートと架橋反応することにより固定される。従って、本発明の化粧板を熱圧成型によって成型する際に、化粧板の表面にブリードアウトしないので、本発明の賦型シートと化粧板との密着を著しく向上させて、微細な凹凸形状を有する繊細な意匠を、化粧材に賦型することが可能となる。
添加量としては、使用するシリコーンの種類等に応じて適宜選定されるが、通常、インキ固形分100質量部あたり、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。この範囲であると表面賦型層4のグラビア印刷時にシリコーンが表面賦型層4に転移することがなく、また、架橋後の密着を阻害しない。
また、艶消し下塗り層3に電離放射線硬化成分である重合モノマーや重合性オリゴマーを添加することが好ましい。艶消し下塗り層3の耐熱性を向上させることができ、また、表面賦型層4との密着性を向上できる。
このほか、艶消し下塗り層3には、体質顔料やレベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を適宜使用することが出来る。
表面賦型層4を形成する硬化性樹脂組成物としては特に制限はないが、例えば、メラミン系、ユリア系、エポキシ系、ケトン系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系、及びフェノール系等の熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物を挙げることができる。中でも、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。
ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂組成物として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
印刷にて、表面賦型層を形成するには、印刷適正が必要で、パターンを形成するには、グラビア版から、賦型シートに転移したとき、転移パターンがだれない様に設定する必要がある。従って、常温での粘度の高い樹脂を主に使用する必要がある。具体的には、重合性オリゴマーやプレポリマーを主な樹脂とし、体質顔料を添加し、インキのチクソ性を向上させる。さらに、溶剤希釈を行い、印刷可能な粘度まで下げて、印刷でパターンを形成後、加熱での溶剤乾燥を行い、加熱、電離放射線照射などの方法にて架橋硬化する。また、耐熱性、架橋密度を上げるため、多官能の重合性モノマーを添加しても良い。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、(メタ)アクリレート単量体を含むことが好ましい。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、また光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
ここでシリコーン(メタ)アクリレートとは、シリコーンの側鎖、末端にエチレン性不飽和2重結合を有するアクリレート、メタクリレートを導入したものをいい、電離放射線で硬化時に樹脂と反応し、結合して一体化する。従って、本発明の化粧板を熱圧成型によって成型する際に、化粧板の表面にブリードアウトしない(滲み出ない)ため、本発明の賦型シートと化粧板との密着性を著しく向上させることができ、微細な凹凸形状を有する繊細な意匠を化粧材に賦型することが可能となる。
上記シリコーン(メタ)アクリレートの使用量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部あたり、約0.1〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは約0.5〜5質量部の範囲である。シリコーン(メタ)アクリレートの使用量が0.1質量部以上であると、化粧板と賦型シートの表面との剥離が十分となり、賦型シートの表面の凹凸形状が維持され、より長期間の使用に耐えうる。一方、シリコーン(メタ)アクリレートの使用量が10質量部以下であると、電離放射線硬化性樹脂組成物を基材に塗工する際に、はじきが発生せず、塗膜面が荒れず、塗料安定性が向上する。
例えば、含有量については、添加量の大きいほうが、艶消効果が高く、表面賦型層4中の艶消剤の含有量を、艶消し下塗層3中の艶消剤の含有量よりも相対的に多くすれば、表面賦型層4により賦型される部分が艶消し部と認識され、艶消し下塗層3が露出している部分に対応する部分が光沢部として認識される。逆に、艶消し下塗層3中の艶消剤の含有量を相対的に多くすれば、表面賦型層4により賦型される部分が光沢部と認識される。具体的には、艶消剤の含有量は0〜15質量部の範囲で制御することが好ましく、この範囲で制御することによって、光沢部及び艶消部による高い意匠性を確保することができる。
なお、本発明において、艶消し下塗層3によって光沢部を賦型し、表面賦型層4によって艶消部を賦型する場合には、艶消し下塗層3中に艶消剤を含まなくてもよい。また、表面賦型層4中の艶消剤の含有量は、表面賦型層を構成する樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲であることが好ましい。
充填剤としては、例えば硫酸バリウム、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
本発明においては、部分的に設けられた架橋後の表面賦型層の厚さは、1〜5μmであることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
また、本発明の化粧板9は、本発明の賦型シートを使用して作製される化粧板であれば特に限定されないが、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性にも優れ、かつ意匠性の面でも豊富な色柄が選択出来ることから、メラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート(DAP)樹脂化粧板が好適である。これらの化粧板を製造するには、公知の一般的になされる方法であれば、特に限定されないが、例えば以下にあげる製造方法により得られる。
メラミン樹脂化粧板は、フェノール樹脂含浸コア紙4枚程度の上にメラミン樹脂含浸シート、さらにその上にメラミン樹脂を含浸したオーバーレイ紙を積層し、2枚の鏡面金属板の間に挟み、表面に前記賦型シートを挿入して、例えば、7.8MPa(80kg/cm2)、160℃で20分間加熱圧締を行い、室温まで放冷した後、前記賦型シートを剥離することにより得られる。
また、ジアリルフタレート(DAP)樹脂化粧板は、ジアリルフタレート樹脂含浸紙を板状基材の上に順次積み重ねて、メラミン樹脂化粧板の製造方法と同様に、鏡面金属板の間で、前記賦型シートを使用して、140〜150℃、0.98MPa(10kg/cm2)、5分程度加熱圧締を行い、室温まで放冷した後、前記賦型シートを剥離することにより得られる。いずれも、繊細な凹凸形状を有する化粧板となる。
被着体となる基板は、特に限定されず、木材などの木質系の板、窯業系素材、金属板等を用途に応じて適宜選択することができる。
金属板としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等からなるものを用いることができ、またこれらの金属をめっき等によって施したものを使用することもできる。
木質系の板としては、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等各種素材の突板、木材単板、木材合板、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質材等が挙げられる。これらは単独で、または積層して用いることもできる。なお、木質系の板には、木質板に限らず、紙粉入りのプラスチック板や、補強され強度を有する紙類も包含される。
窯業系素材としては、石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル、火山灰を主原料とした板等が例示される。
これらの他、繊維強化プラスチック(FRP)の板、ペーパーハニカムの両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエチレン樹脂を挟んだもの等、各種の素材の複合体も基板として使用できる。
化粧板9の基板8上への貼着は、通常、本発明の化粧板9の裏面に接着剤層7を形成し、基板8を貼着するか、基板8の上に接着剤を塗布し、化粧板9を貼着する等の方法による。
実施例1
既に易接着処理されたポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製「A4100(50μm)」)の易接着処理面上の全面に、プライマーインキ((株)昭和インク工業所製アクリル系インキ「EBF同調プライマー」)をグラビア印刷して浸透防止層5(プライマー層)を形成した。その全面に、艶消しクリアーインキ(昭和インク製「GBSクリアー」)を用いて、厚さ3μmの艶消し下塗層3をグラビア印刷法にて形成した。
GBSクリアーの組成は以下のとおりである。
アクリルポリオール 30質量部
艶消剤(シリカ 平均粒径2μm) 5質量部
反応性シリコーン(片末端アミノ基変性) 1質量部
ポリイソシアネート(HMDI系) 10質量部
溶剤 (酢酸エチル/メチルイソブチルケトン(MIBK)=1/1) 70質量部
さらに、艶消し下塗層3の上に、電子線硬化性樹脂(大日精化工業(株)製「REB−N」)を厚さ2μmとなるように、下塗り層上に、木目導管の逆版のパターンをグラビア印刷した。なお、ここで逆版とは、導管部分のみ印刷を行なわないパターンをいう。
REB-Nの組成は以下のとおりである。
ウレタンアクリレート 70質量部
多官能モノマー(6官能) 5質量部
艶消剤(シリカ 平均粒径 3μm) 10質量部
充填剤(微小シリカ 平均粒径0.5μm) 5質量部
離型剤(シリコーンメタクリレート) 3質量部
希釈溶剤(イソプロパノール(IPA))20質量部
印刷時の粘度は、ザーンカップ#3粘度計で30秒であった。次いで、80℃で熱風乾燥後、加速電圧175kV、照射線量30kGy(3Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて表面賦型層4とし、賦型シートを得た。
フェノール樹脂含浸コア紙4枚程度の上に、メラミン樹脂含浸シート、さらにその上に35g/m2程度のオーバーレイ紙にメラミン樹脂を含浸したものを積層し、2枚の鏡面金属板の間に挟み、表面に凹凸形状を形成した実施例1で製造された賦型シートを挿入して、7.8MPa(80kg/cm2)のプレス加圧で、160℃で20分間、加熱圧締を行った。室温まで放冷した後、賦型シートを剥離することにより、表面が繊細な凹凸形状を有したメラミン樹脂化粧板を得た。
導管部分、すなわち艶消し下塗層3が露出している部分に対応する部分がマット部(低光沢領域)として認識され、光沢部及び艶消部のめりはりのある意匠性の優れた化粧板であった。
実施例2で得られた化粧板は凹凸形状が非常に繊細であり、高級感のある意匠表現が可能となった。また、実施例1により得た賦型シートは、耐久性に富み、成型を10回繰り返しても、表面形状及び賦型後の剥離性(剥離しやすさ)は全く変化が見られなかった。
電子線硬化性樹脂組成物中に艶消剤を添加しなかったこと以外は実施例1及び2と同様にして、化粧板を得た。光沢部及び艶消部のめりはりが実施例2の化粧板に比較して不十分であった。
2.基材
3.艶消し下塗層
4.表面賦型層
5.浸透防止層
6.凸形状
7.接着剤層
8.基板
9.化粧板
Claims (4)
- 基材上に少なくとも、全面に設けられた、水酸基、カルボキシル基、又はアミノ基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、又はウレタン樹脂をベヒクル成分とし、ポリイソシアネートを硬化剤として含む2液硬化型樹脂、及び該ポリイソシアネートと架橋反応する反応性シリコーンを離型剤として含有するインキからなる透明又は半透明の艶消し下塗層と、該下塗層上に部分的に設けられた表面賦型層を有する賦型シートであって、該表面賦型層が硬化性樹脂、離型剤としてのシリコーン(メタ)アクリレート及び艶消剤を含有する硬化性樹脂組成物の架橋硬化したものであり、該離型剤の含有量が該硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部であり、該艶消剤の含有量が表面賦型層を形成する樹脂組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、かつ該艶消剤の平均粒径が1〜10μmであることを特徴とする賦型シート。
- 硬化性樹脂組成物が電離放射線硬化性樹脂組成物である請求項1に記載の賦型シート。
- 電離放射線硬化性樹脂組成物が電子線硬化性樹脂組成物である請求項2に記載の賦型シート。
- 艶消し下塗層が、さらに艶消剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の賦型シート。
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