JP2009108616A - 床用化粧シート - Google Patents

床用化粧シート

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Yutaka Takasaki
裕 高崎
Hiroshi Shibata
洋 柴田
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Abstract

【課題】化粧シートの巻き取り適性に優れ、透明性に優れ、かつ傷付き耐性に優れ、被接触物を必要以上に傷つけることのない床用化粧シートを提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を主剤とする熱可塑性樹脂基材、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層、が少なくともこの順に設けられてなる床用化粧材において、前記表面保護層に粒径0.1から2μmの燐片状の石英ガラスフィラーを、表面保護層の主剤となる樹脂100重量部に対し0.1重量部から30重量部添加してなることを特徴とする。石英を使うため透明性に優る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅、店舗、事務所、体育館などに用いられる床用化粧シートに関する。更に詳しくは、床用基板に貼り合せて用い、耐擦り傷性、耐キャスター性、立体的な塗装の厚み感、耐衝撃性、寸法安定性、凹みなどの表面強度、巻き取り適性などに優れた床用化粧シートに関する。
従来の床用化粧材の製造方法としては、合板に突き板を貼り、木工機械にて溝加工して、溝部を着色した後、紫外線硬化型塗料を塗布し硬化させたものが知られている。しかしながら、突き板が天然木のため、色がばらついたり、壁や天井、家具との色調の調和が困難であった。
そこで、木質系基材の表面に凹状溝を設け、表面に導管着色用合成樹脂塗料を塗布し、凹状溝以外の塗料を除去した後、木目柄の導管凹部を形成し、凹状溝以外の木質系基材表面に透明合成樹脂塗料を塗布する方法が知られている。しかしながら、木質系基材と合成樹脂塗料からなる構成のため、傷付き耐性を出すことが困難であった。
そのため、木質系基材上に、熱可塑性樹脂基材、絵柄模様、透明熱可塑性樹脂をこの順に設けた化粧シートを積層した床用化粧材が考えられた。しかしながら、化粧シートが厚すぎると、ウエーブ状(巻き状態)で巻き取りにくく、木質系基材との連続ラミネート時にライン上でシートカットが困難なものとなる。よって生産性が上がらないため、化粧シートと木質系基材とをラミネートする際には、予め木質系基材と同等の大きさにカットした化粧シートを準備して、枚葉方式で、1枚1枚積層するなどの方法をとらなければならなかった。
その為、化粧シートはできるだけ薄くすることが好ましいが、前記の傷付き耐性を出すことが困難となった。そこで、表面保護層にアルミナ系のフィラーを添加することで耐磨耗性、耐擦り傷性を出すことが考えられたが、床材の表面保護層に使った場合、被接触物を必要以上に傷つける場合があった。さらに透明性が悪くなる問題点があった。
球状ガラスを添加することも知られていたが、透明性は良いが、耐擦り傷性が劣るという問題があった。
特開平11−115141号公報 特開2006−16528号公報
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、化粧シートの巻き取り適性に優れ、透明性に優れ、かつ傷付き耐性に優れ、被接触物を必要以上に傷つけることのない床用化粧シートを提供することにある。
本発明はこの課題を解決したものであり即ち請求項1記載の発明は、ポリオレフィン系樹脂を主剤とする熱可塑性樹脂基材、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層、が少なくともこの順に設けられてなる床用化粧材において、前記表面保護層に粒径0.1から2μmの燐片状の石英ガラスフィラーを、表面保護層の主剤となる樹脂100重量部に対し0.1重量部から30重量部添加してなることを特徴とする床用化粧シートである。
本発明はその請求項1に記載の発明により、石英を使うため透明性に優れ、粒径と添加割合を限定した燐片状のフィラーを用いることで、傷付き耐性に優れかつ被接触物を必要以上に傷つけることのないものとすることが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の床用化粧シートの一実施例の断面の構造を示す。熱可塑性樹脂基材1、絵柄模様層2、適宜設ける接着剤層3、透明熱可塑性樹脂層4、表面保護層5を設けてなる。
本発明における熱可塑性樹脂基材1はポリオレフィン系樹脂を主剤とするものであり、用いるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などを主剤として1種あるいは複数種の樹脂を主剤とする単層あるいは複数の層からなるものが適用可能である。
これらの樹脂に顔料などの着色剤を適宜添加する。また着色剤のほかにも適宜無機フィラー、滑剤、熱可塑性エラストマー、相溶化剤などを添加しても良い。熱可塑性樹脂基材1の厚みは、後述する透明熱可塑性樹脂層と合わせて床用化粧シートとした際の表面の各種耐性と、巻き取り適性を考慮すると、30〜150μmが望ましい。30μm未満だと印刷時に熱シワ等が出やすいものとなり、150μmより厚いと、耐キャスター性において凹みやすくなる。
本発明における絵柄模様層2としては、印刷等による所望の絵柄の意匠を付与するために設けられるものである。絵柄模様層2のなす絵柄の種類は特に限定されず、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等、所望により任意である。
絵柄模様層2に使用する印刷インキの種類は特に限定されず、従来より係る化粧シートに使用されている任意の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えばブチラール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整してなる、従来公知の任意の印刷インキが使用可能である。
接着剤層3は、絵柄模様層2を設けた熱可塑性樹脂基材1と後述する透明熱可塑性樹脂層4を接着するために適宜設ける。接着剤層3に使用する接着剤としては、前記目的を達成できるものであれば特に限定するものではないが、2液ウレタン樹脂接着剤等が使用可能である。塗布量としては乾燥後の塗布量が、1〜10g/m程度が望ましい。
本発明における透明熱可塑性樹脂層4としては、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが用いられる。その厚みとしては、前記熱可塑性樹脂基材1と併せて床用化粧材とした際の表面の各種耐性と、木質系基材1に貼りあわせる前の化粧シートとしての巻き取り適性を考慮すると、30〜150μmが望ましい。また、透明熱可塑性樹脂層4には、表面に木目の導管などの凹部(図字せず)を施しても良い。
本発明における表面保護層5としては、公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズなどが添加された紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン樹脂を塗布量6〜15g/m塗布しても良い。この場合、耐衝撃性試験、耐キャスター性試験の復元性を考慮にいれておいて、表面硬度を調節することが望ましい。
表面保護層5に添加する石英ガラスフィラーとしては、粒径0.1から2μmの石英ガラスフィラーを、表面保護層の主剤となる樹脂100重量部に対し石英ガラスフィラーを0.1重量部から30重量部添加してなる。粒径が2μmを超えていくと徐々に表面保護層の透明度が落ちていき、粒径が0.1μmを下回ると表面強度低くなる。また、部数が0.1重量部を下回ると耐擦り傷性が悪くなり、30重量部を超えると透明度が低くなる。
熱可塑性樹脂基材1として厚さ70μmの着色ポリエチレンフィルム(リケンテクノス(株)製「リベストTPO」)を用い、この片面に絵柄模様層2として、グラビアインキ(東洋インキ製造(株)製「ラミスター」)で木目柄をグラビア印刷機により印刷した。
その後、前記絵柄模様層2上に接着剤層3としてポリエステルポリオールを主剤としイソホロンジイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン樹脂系接着剤を用い、乾燥後の塗布量が10g/mになるように塗工し、その上に透明熱可塑性樹脂層4として厚み100μmの透明ポリブチレンテレフタレート樹脂シートをドライラミネートした。
前記透明ポリブチレンテレフタレート樹脂シートの表面上に、乾燥後の厚みが1g/mとなるように2液ウレタン樹脂からなるリコート層を設け、その表面に表面保護層5としてウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl4858」)100部とペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「PETA−K」)20部、ベンゾフェノン系光開始剤(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl BZO」)0.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.5部、粒径1μmの燐片状の石英フィラー2部重量部を添加した紫外線硬化型樹脂を用い、これを厚さ5μmとなるように塗布し、メタルハライドランプによる紫外線照射により硬化させ、本発明の床用化粧シートを得た。
以上の工程を全て1ライン上で行ったが、ロールから巻き出し、ロールに巻き取る工程を問題なく行うことができた。
<比較例1>
粒径1μmの燐片状の石英フィラーの変わりに粒径1μmの球状ガラスビーズを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧シートを得た。結果を目視で評価した。透明性はいいが、対擦り傷性が劣るものとなった。
<比較例2>
粒径1μmの燐片状の石英フィラーの変わりにに粒径1μmのアルミナフィラーを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧シートを得た。結果を目視で評価した。被接触物を必要以上に傷つけるものとなった。
床用化粧材とした後の表面状態を目視で評価した。結果を表1に示す。
本発明は、住宅、店舗、事務所、体育館などに用いられ、耐衝撃性、耐キャスター性、寸法安定性、化粧シートの巻き取り適性、凹みなどの表面強度に優れた床用化粧材として使用可能である。
本発明の床用化粧材の一実施例の断面の構造を示す説明図である。
符号の説明
1…熱可塑性樹脂基材
2…絵柄模様層
3…接着剤層
4…透明熱可塑性樹脂層
5…表面保護層

Claims (1)

  1. ポリオレフィン系樹脂を主剤とする熱可塑性樹脂基材、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、表面保護層、が少なくともこの順に設けられてなる床用化粧材において、前記表面保護層に粒径0.1から2μmの燐片状の石英ガラスフィラーを、表面保護層の主剤となる樹脂100重量部に対し0.1重量部から30重量部添加してなることを特徴とする床用化粧シート。
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